男「ペット達が人間の女の子になった」(740)

落ちたとこから書き始めるか、最初から始めるか。
それともここで終わらせるか!


それじゃあ初めからで。ちょっと待ってね

男「今、ありのまま起こったことを話すぜ……」

男「寝る前まで俺のベッドの上に茶猫が寝ていた」

男「仕方ないなと思い、起こさないようにとなんとか布団の場所に滑り込み、俺は眠った」

男「だが目を覚ますと、茶猫がいた場所に5才くらいの茶髪の幼女がうずくまって寝ていた」

男「何を言っているかわからねーと思うが……俺も何が起こっているかわからない」

男「だが幻覚や妄想なんかじゃ、断じてねぇ」

男「もっと不思議な体験の片鱗を味わってるぜ……」

男「……いかん。驚きすぎて変なことを口走ってしまった」

男「それにしても……」

茶髪「……くー……」

男「誰だ?この子?」

男「俺が寝る前は茶(名称)が邪魔くさく寝てた筈なのに……」

男「……うーん……」

男「……とりあえず、起こしてみるか」

男「おーい。起きて、起きて」ユサユサ

茶髪「んん……」

茶髪「……」パチ

男「あ、起きた。ねぇ君は……」

茶髪「……うるさい」ボソ

男「え」

茶髪「……くー……」

男「……な、なんなんだこの子は」

男「どっかで見たような態度のような気がしないでもないけど……」

男「ま、まあ、取り敢えず起こして話を聞かないと」

男「寝たいかもしれないけど、ちょっと起きて、起きてってば」ユサユサ

茶髪「……うー……」

茶髪「……なに」ぶっすー

男「うん。えっと……いきなり起こしといて何なんだけど……」

男「君、誰?」

茶髪「……?」きょとん

男「あ、わからないのかな。えっと……君の、お名前は?」

茶髪「……おふざけ?」

男「お、おふざけって名前なの?」

茶髪「……」ふるふる

男「ええと……まぁとりあえず名前はいいや。どうして君は俺の部屋で寝てるの?勝手に入ってきたの?」

茶髪「……」ジト目

男(な、なんで『何言ってんだこいつ……』みたいな目してるんだ?俺がしたいくらいだよ!)

茶髪「……昨日、一緒に寝た」ハァ

男「え」

男(こ、こんな幼女とい、一夜を共に?記憶に全く無いけど、俺って、も、もしかして犯罪者?)

男(い、いや、お、落ち着け。そんな意味じゃない。恐らく言葉通りの意味だ。うん)

男(でも、こんな子寝る前なんかいなかったし……)

男「えっと、い、いつから?」

茶髪「……男がベッドに入る前から」

男「……はい?」

茶髪「……忘れた?」

男「え、あ、いや、記憶にないと言うか……」

茶髪「……」ハァ

男(だからなんでこんなに態度が不遜なんだよっ!)

男(ホントにうちの茶にそっくり……ん?)

茶髪「……くあ……んにゃ」

男(ね、猫耳……?)

男(こ、コスプレか?コスプレ幼女?猫耳コスプレ幼女?)

男(それにしても随分リアル……) ソー

茶髪「……触んないで」

男「あ、ご、ごめん」

男「ね、ねぇ、その耳ってなに?コスプレ?」

茶髪「……こすぷれ?」

男「あ、いや、なんでもないよ。あはは……」

茶髪「……今日の男、変」

茶髪「……いつも変だけど」

茶髪「……いつもよりずっと、変」

男「いつもって……俺のこと知ってるの?」

茶髪「……変」タッ

男「あ、ちょっとっ!」

男「なんなんだあの子は……俺、夢でも見てんのかな」

男「んなわけ無いかっ!ちょっと待って!」タッ

男「一階に行ったのかな……まったく」

男「親が旅行でひと月空けて家任されたって言うのに……初日からなんてこと起こってるんだよ!」

「あ、男のあにきっ!おはようごぜぇます!」

男「え」

「あにき!ご機嫌うるわしゅうっす!」

男(また違う幼女が……今度は赤髪?、いや、橙色?)

男「き、君は?だれ?」

橙髪「はい?なにいってるんすか?」

橙髪「ぼくっすよ!ぼく!」

男「えと、ごめんね。知らないんだけど……」

橙髪「もーあにき朝からおじょうず?なんすから!」

橙髪「三毛っすよ!三毛っ!」

男「……三毛?」

橙髪「はいっす!」

男(うちのペットの一匹と名前が同じだ)

男(あ、三毛っていうのは俺が拾ってきた三毛猫の名前ね)

男「へ、へーミケちゃんっていうんだ。可愛い名前だね」

橙髪「へへへっ!あにきにつけてもらったなまえっすし、ぼくのほこり?っす!」

男「……俺が?」

橙髪「はいっ!」

男(こんな幼女に名前を付けた覚えなんか無いぞ……)

橙髪「あにき?どうかしましたっすか?」

男「え、あいや、なんでもないよ」

橙「えへへっ!あーにきっ」ピタ

男「わっ!ど、どうしたの?いきなり」

橙「いつもみたいにっ!おんぶしてくださいっすっ!」

男「お、おんぶ?」

橙「いっつもしてくれるじゃないっすかぁーしてくださいよー!」すりすり

男(した覚えはないんだけど……)

男(でも、三毛にはしてたな……いっつもすり寄ってよじ登ってくるから)

橙「あにきーまだっすかぁ」

男(……まさか、なぁ)

「ああーー!!」

男「な、なんだ?」

「またあんた男にくっついて!ダメって言ってるでしょうが!」

橙「あ、白の姉貴、おはようっすっ!」

男「し、白?」

男(また俺のペットと同じ名前……)

男(でも目の前にいるのは白髪ロングの……少女?)

男(10歳くらいかな)

男(というか、こんな小さくて白髪てどうなってんだよ!)

男(……まぁ)

橙「?」

男(この子もそうだけど)

男「あー……あのさ、ちょっといい?」

橙「おんぶー!」

白「いい加減しないとかじるわよ!」

男「は、話聞いてってば」

「お、男兄さん」

男「こ、今度は誰だよっ!」

「ひっ!あ、す、すいません……」

男「あ、ご、ごめん。……って」

「あ、あの、その、ええと、その……」

男(また違う少女が……)

白「黒。おはよう」

橙「おはようっす!くろねぇさんっ!」

男(今度は黒髪のロング。さらに猫耳装備)

男(そして……)

黒「……お、おはようございます」ビクビク

男(でかいな、色々と。背も俺より頭一つ分くらい小さいくらいだ)

男「えっと……君は、黒ちゃんっていうの?」

黒「は、はい?そ、そうですけど……」

黒「な、なんでそんなこと、を?」

白「どうしたの?男。そんな当たり前のことなんか聞いて」

橙「おんぶ!おんぶ!」バタバタ

男「あ、後でやってあげるから、ちょっと静かにしてて」

橙「えー」

男「ええと……な、なんなのかな。君たちは」

男「どうして俺の家に?」

白「何言ってるの?どうしてって今までずっと男と一緒に暮らしてるからじゃない」

男「え?ずっと?」

白「……?なにかおかしい事言ったかしら」

男「いや、俺は君たちとは初対面の筈なんだけど……」

白「……どうしたの?さっきからなんか変よ?」

橙「そうっすよねっなーんかあにきさっきから変っすよー」

黒「わ、私たちのこと嫌いにな、なったんですか?」

男「ちょ、ちょっと待って。な、なんなんだ?」

白「疲れてるんじゃない?ちょっと寝た方がいいわよ」

橙「その前におんぶしてくださいっす!」

黒「き、嫌われたんだ、男兄さんに嫌われたんだぁあっ!」

「……男」

男「な、なに?って君はさっきの」

茶「……これ、まずくなった。他の」

男「これって……キャットフード?」

橙「あーっ!茶ねぇ!あそぼうっす!」

白「あら、茶」

黒「あ、茶ちゃん、おはよう」

茶「……おは」

男「ちょ、ちょっとみんな静かにしてて」

男「ええと、これ、食べたの?」

茶「……食べた」

男「ええ……?」

茶「……なんか、おかしい?」

男「いや、君人間でしょ?普通こんなもの食べないでしょ?」

茶「……やっぱり、男、変」

白「そうね。今日は確かに変ね」

黒「わ、私の所為ですかっ?だったら、あ、あやまりますからっ」

橙「茶ねぇ!あそぼうっす!」

茶「……あとで」

男「ちょ、ちょっと話聞いてって!」

男「ええと……君は白ちゃんって言うんだよね?」

白「ええ。そうよ」

男「君は、黒ちゃんで」

黒「は、はい……」

男「君が、茶ちゃん」

茶「……ん」

男「それで君はミケ、だね?」

橙「はいっす!おんぶ!」

男(なんだ?皆俺と飼ってる猫達と同じ名前……)

男(それに皆に付いている猫耳と、尻尾)

男(それに茶ちゃんが食べようとした、キャットフード)

男「……まさか」

男「君たち、猫、じゃないよね?」

白「猫よ?」

黒「ね、猫ですよ?」

茶「……猫」

橙「猫?ねこってなんすか?たべものっすかっ!?」

男「……oh……」

「……朝からうるさいな」

男「……あー……」

白「……来たわね」

黒「ね、ねぇさん……」

茶「……」

橙「あー!犬だー!」


男(俺の予想通りなら……これ以上、女の子が出てくることはないだろうな)

男(愛くるしい瞳、切りそろえられた茶色の短髪)

男(年は……猫達より年上って感じか)

男(多分、この子は俺の家のペットヒエラルキーの最上層に居座る存在、柴犬の)

男「……柴、だよな?」

柴「ああ、そうだけど。どうした?ご主人」

男(俺を主人と呼びながら、そういう態度を見せない)

男「決定か……」

柴「どうしたんだ?ご主人は?」

白「さぁ……でも、心配だわ……」

茶「……おなかすいた」

――――

男(今ある現状を整理すると、だ)

男(うちの子たちが皆人間の姿になってしまったらしい)

男(一応家の中を探してみたが、家の子たちは一匹も見当たらなかった)

男(逃げたのかとも思ったけど、鍵は何処もしまっていて、出れる筈もない)

男(誰かが侵入して皆連れてって、代わりにこの子たちを入れさせた。ってのも考えたけど……)

男(このしっぽが)ギュッ

白「あっ!いやんっ!」ビクッ

男(どう見ても本物。暖かいし、しっかりくっ付いてるみたいだ)

男(その線は……無いだろう)

白「そ、それ以上下触っちゃだめだからねっ」

柴「ご主人聞いてないぞ」

男(そして……本人たちには何の自覚もない。今まで通り自分たちは猫、犬だと思ってしまっている)

男(さっきからキャットフードを食べたがってるし)

男(そして服は、皆白いブラウスみたいなのを着ている)

男(何でかはわからない。そしてどうしてこうなったのかもわからない)

男「どうしてこうなった……」

白「大丈夫?男」

男「ああ……うん」

白「辛かったら寝ていいからね?無理されたら嫌だし……」

男「ああ、大丈夫だよ」

黒「あ、あの……男兄さん」

男「うん……?」

黒「その……お、お腹」

橙「お腹空いたっすー!あにきー!」

柴「そうだ。お腹空いたぞ、ご主人。ご飯くれ」

茶「……おなかすいた」

男「あー……そうだね。まずはご飯にしよっか」

橙「やったぁっ!っす!」

黒「……あ」ぐぅ

白「……無理しないでね?疲れてたら、へ、部屋で一緒に……」

男「……お前のやりたいことがわかったよ。白。……大丈夫だから」

白「そ、そう……」

男「じゃあご飯用意するから、待っててね」

男「ご飯か……」

男(あの子たち皆人間になってるし、今までのご飯じゃお腹壊すだろうな……)

男(人間のご飯を用意しなくちゃいけないかな)

男「手間だなぁ」

柴「ご主人?どうした?」

男「ああ、いや、なんでもないよ」

男「……柴、今日はごちそうだぞ」

柴「ごちそう?」

男(あ、尻尾が凄い事になってる)

男「まぁ、待ってて」

―――――

男「はい、みんなどうぞ」

白「……これって人間の食べ物じゃないの?」

男「うん。そうだよ」

柴「どうしていきなりなんだ?今までこんなこと無かったじゃないか。ご主人さま」

男「んー……なんとなくかな」

男(説明してもわからないだろうしね)

男(てか柴尻尾凄いな。しかも「様」付いてるし)

茶「……食べていいの?」

男「ああ、どうぞ」

橙「いいんすか!?あにきの食べてるやつはおいしいっすからね!たのしみっす!」

黒「ああ、こんな美味しそうなものを食べられるなんて……私はなんて幸せ者なんでしょう!」

男「それじゃあ……頂きます!」

男「……あ」

男(そういえばこの子たち……自分の事動物って……)

ガタンガタン! ぐちゃ!

男「あああああああ……」

―――――

男「悲惨でした……」

橙「あにきっ!おいしかったっすー!」

茶「……けぷ」

白「とっても美味しかったわ。男。流石ね」

黒「ああ……もう死んでもいいです……」

柴「一生ついて行きます。ご主人様」

男「喜んでもらえて何よりだよ……」

男(せめてスプーンの使い方くらいは教えよう……)

橙「お腹も一杯になったっすからっ!茶ねぇ!遊ぼうっす!」

茶「……ん」

男「あー待った待った!みんなもちょっと動かないでっ!」

橙「なんすかあにきっ!だっこっすかっ!?」

茶「……なに」

白「どうしたの?」

黒「や、やっぱり食べちゃ駄目だったんですかっ?」

柴「どうされましたか、ご主人様」

男「みんな汚れてるだろ?だからお風呂入ろう!このままじゃ家中汚れちゃうからさ」

橙「お、お風呂っすかっ!?」

白「……うそ」

茶「……うぇ」

黒「あ、ああああああ……やっぱり食べちゃ駄目だったんだぁ……」

柴「なんでだ?ご主人。いつもはそんなことしないだろう?」

男(みんな嫌がってるな……まぁ当然か。というか柴、元に戻るの早すぎだろ)

男「今日は特別。それに久しぶりにお風呂入るのもいいだろ?」

橙「いやっす!」

茶「……や」

白「男のお願いでもそれは……」

黒「ゆ、許してください……」

柴「嫌だ」

男「……そっか。じゃあ俺の言う事聞かない子たちにはもうご飯あげない」

橙「ええええっ!」

白「男ぉ……」

黒「それだけは……あぁ……」

茶「……さいてい」

柴「鬼畜だな」

男「うっ……」

男「そ、それが嫌だったら早く入るっ!まずは三毛、茶っ!お前らからだ」

茶「……はぁ」

橙「わかったっす……」

男「他のみんなはあんまり動き回るなよっ」

―――――

脱衣所

男「ほら、二人とも早く服脱いで」

橙「あにきぃどうしても風呂入らなくちゃだめっすかぁ……」

男「だめ」

橙「うぅ……」

茶「……」そろーり

男「茶、逃げようとしない」

茶「……ちっ」

橙「あ、あにきっ」

男「うん?どうした?入りたくなくても入らなくちゃ駄目だからな」

橙「どうやってこれぬぐ?んすか?」

男「……え?」

寝るゥ……
落ちたらさすがにもう諦めるゥ……

起きた
数ある擬人化物で天使のしっぽが出るのは、やっぱりあの作品はは偉大だったんだなと思った。あれは擬人化好きのロマン
そろそろ開始

男「あーそうだよな……知らないよな」

男「ちょっと待ってて。今脱がせるから」

橙「ういっすっ!」

茶「……触るの?」

男「我慢してくれ。すぐ終わるから」

茶「……むう」

男(この年で幼女の服を脱がす事になるとはなぁ……)

男(……あれ?これ傍から見たら俺犯罪者じゃないの?)

男「……」

男「深く考えないようにしよう……」

橙「どうしたんすか?」

男「なんでもないよ」

風呂場

男(それにしても……)

茶「……さむい」

橙「なんかさむいっすねっ!茶ねぇ」

男(ホントに耳としっぽ、くっついてるんだなぁ)

茶「……はやく」

男「あ、ごめんごめん」

男「温めにしてと。……いくぞー」

橙「く、来るならこいっす!」

茶「…………ん」

ジャー

橙「うぅ……う?」

茶「……三毛、どうしたの」

橙「なんか気持ちいいっす!今までこんなことなかったのにっす!」

茶「……ほんと?」

男(あー感覚も人間になってるんだな。だから気持ち良く感じるのか)

橙「あにきっ!もっとかけてくださいっす!」

男「なんか変なふうに聞こえるからそれは言わないようにね」

橙「?」

男「……よし、終わった。次は茶だな」

茶「……」じりじり

男「逃げんなってば。多分大丈夫だから」

男「いくぞー」

茶「……」ビク

ジャー

茶「……ほんとだ」

橙「でしょでしょ!きもちいいっすよねっ!」

男「だから言ったろ?じゃあさっさとやっちゃうからな」

茶「……ん」

男(この調子なら、他の奴らも大丈夫そうだな)

男(あ)

男(服ないじゃん……)

男「いくぞー」
茶「……」ビクン

―――――

居間

橙「あー!きもちよかったっすーっ!」

茶「……ん」

男(とりあえず俺の下着着せたけど……まずいよなぁ)

男(買いにいかなきゃ駄目、だよな)

男(……とりあえず保留にしとこう。今は残りの奴らを)

男「次は白、黒。二人の番だよ……って黒は?」

白「部屋の隅っこで蹲ってるわ。ほんとに小心者なんだから」

男「そっか。そうだよなぁ……黒!」

黒「ひっ」

男「行くぞ。お前が風呂嫌いなのはわかってるけど……」

黒「いっ!いやですっ!お風呂だけは!お風呂だけは許してくださいぃっ!」

男「わがまま言うなって。チビ達だってちゃんと入ったんだぞ」

黒「し、知りません。私、そんなの知りませんっ!」

男「なら力づくで……って」

黒「わああああああ!」

男(お、重い……図体でかいだけはあるな)

男「柴!手伝ってくれ!」

柴「嫌だ」

男「ご主人って呼んでんだから、手伝ってくれたっていいだろっ」

柴「仕方なく呼んでるだけだ。今はお父様が出かけているからな」

男「こ、この……」

白「黒!男が困ってるでしょ!」

黒「うぅぅううう!」

男「こうなったら……首のあたりを」

男「おりゃっ!」ギュッ

黒「う」ピタ

白「やっと観念したのね。まったく」

男(人間の姿になっても効くんだな……首根っこ掴み)

※猫は首の皮を掴むと大人しくなります

男「よし、じゃあ行くぞ」

黒「ううぅうううう……」

白「泣くんじゃないわよっ」

脱衣所

男「よし、二人も服の脱ぎ方解る?」

白「ふく?」

黒「入りたくないです……」

男「やっぱりな……よし、ちょっと脱がすから大人しくしててくれよ」

白「……ええ」

黒「……」ガタガタ

男「……」

男(……さっきよりは良いけどさ)

男(イケナイ事してるって感がすごいぞ)

男(二人ともチビ達より色々膨らんでるし)

男(特に黒がやばい)

男「……年上好きで良かった」

風呂場

男「よし、それじゃあ最初は白だ」

白「……ええ。いいわよ」

白「あ、男っ!」

男「うん?」

白「やさしくしてね……?」

男「何言ってんの」

ジャー

黒「ひいっ!」

白「んうっ!……ん?」

男「気持ちいいだろ?」

白「ええ……本当……」

白「黒、気持ちいいわよ。怖がることなんかないわ」

黒「う、嘘です……絶対気持ち悪いですよぉ」

白「ホントよ。んーきもちいー」

黒「……うぅ」

男「白の言ってる通りだよ。……よし、終わり」

白「え?もう?もっとしてもいいよ?男」

男「いやいや、このままじゃ黒、風邪ひいちゃうから」

白「残念」

男「じゃあ……黒」

黒「ひいぃっ」

男「観念しろって。ほらいくぞー」

ジャー

黒「ひゃああっ!……え?」

白「ふふふ。黒、気持ちいいでしょ」

黒「は、はい。とっても……」

白「男も私も嘘吐くわけなんかないんだから。気持ち悪いなんてあるわけないわ」

男(俺は嘘吐くけどね)

黒「は、はい……白姉さん」

黒「あ、あの男兄さん」

男「ん?」

黒「もっとかけてください……」

男「そういう事言うのやめようね」

白「私もっちょうだいっ!」

男「だから止めようね」

居間

白「あぁ……よかった」

黒「はい。お風呂って、こんなに気持ち良かったんですね……」

白「また入りたいわね」

黒「はいっ!」

男(なんか疲れた)

男「あとは柴か。柴?」

柴「ここにいるぞ」

男「おお、早いね」

柴「チビ達から気持ちいいって聞いたからな。早く入りたいって思ってた」

男「そっか。それじゃあ行くか」

柴「ああ」

脱衣所

男「脱ぎ方は解る?」

柴「チビ達から教えて貰った。それに今まで見てきてるから大体分かる」

男「そっか。なら安心だ」

男「柴は昔から覚えが早いからなぁ。手が掛からなくてホント助かる」

柴「褒めてもご主人を認めないぞ」

男「はいはい」ナデナデ

柴「……」

男(凄い勢いで尻尾振ってる。可愛い奴め)

柴「……なぁ、ご主人」

男「うん?」

柴「……脱げない」

男「……」

浴室

柴「……なんか寒いな」

男「そりゃ裸だしね」

柴「なんでだ?いつも私裸だろう?今まで寒くなんか無かったのに寒いなんておかしいじゃないか」

男「うーん」

男(柴なら解るかな……頭いい子だし)

男(……とりあえず今は洗おう)

ジャー

男「柴、お前なんか違和感感じないか?」

柴「んっ……違和感?」

男「うん。目線が高いなーとか、喋れてるなーとか、二足歩行出来てるなーとか」

柴「いや、特には……」

男(自覚ないのかな?それとも自覚できない?)

男(これが当たり前って思ってるのかな?)

男(ホントにどうしてこうなったんだろう……全く見当もつかないなぁ)

男「うーん」

柴「なんだ?私何処かおかしいのか?」

男「そうだね……」

男「……なぁ柴。ちょっと聞いてくれるか?」

柴「……どうした?ご主人」

男「ちょっと信じられないかもしれないけど、お前は頭が良いからわかると思う」

柴「……ああ」

男「あのな―――」

――――――――

柴「だから……私が人間になってると?」

男「そう。こうやって言葉を交わせてるのも今まで無かっただろ?」

柴「……そうだな。言われてみると」

柴「でも、どうもしっくりこない。ご主人がいくらそう言っても今までも言葉を交わしてきたという気持ちは無くならないんだ」

男「……なるほど」

男(言葉を交わした覚えはないのに、交わしていたという気持ちはある。……どういう事だろう?)

男(強い催眠か何かかな?というか人間になっている事態おかしい事だし。うーん……)

柴「……大体ご主人は私たちの欲しいもの、やりたい事は解ってくれて、与えてくれていたしな」ボソ

男「え?」

柴「……なんでもない!」

柴「で、こんなことを話して、私にどうしろって言うんだ?」

柴「所詮犬ころ一匹、何も出来ないぞ」

男「今は人間だけどね」

男(耳としっぽ付いてるけど)

男「元の姿に戻すことは出来ないだろうけど、出来る事はある」

男「とりあえず今は、俺と一緒にみんなに自分の事を人間だって理解させて欲しい」

柴「……何故?」

男「そうじゃないと色々大変だからね」

柴「色々?」

男「このお風呂とか。理解させなきゃご飯食べる度に入る事になっちゃうから」

柴「……なるほど」

柴「……でも、私なんかに出来るだろうか。こんなこと、やった事がない」

男(尻尾が股の間に入ってる……不安なんだな)

男(……見えなくなって残念の様な、そうでないような)

男「……俺だってこんなことやったことない。不安でいっぱいだ」

男「でも柴と一緒なら出来る。そう思ったから話したんだ」

男「お前は賢いしな」

柴「……」

男「やってくれる?俺と一緒に」

柴「……ああ。もちろん」

柴「それに私はご主人の飼い犬。嫌なんて言えないさ」

男(そういう割には尻尾ブンブン振ってるな)

男(……あ、見えた)

男「……そっか。じゃあこれから頑張ろうな」

柴「ああ、任せてくれ」

男「やっぱり柴は頼もしいな。……よしよし」

柴「ん……」

柴「ふふふふ……」ブンブン

男(尻尾引き千切れるんじゃないのか)

紫は女の子なの?

脱衣所

柴「それで?どうやってあの子たちを人間だって思わせるんだ?」

男「やっぱり話すしかないね。他になにかあるわけでもないし」

柴「……それで解ってくれるのか?」

男「大丈夫でしょ。現に柴も解ってくれたし、理解してる柴もいるんだから、説得力はあるだろうし」

柴「なるほど」

男「お前の働きが一番重要だからな。頑張ってな」

柴「ふふ。任せろ」

男「よしよし」ナデナデ

柴「ふふふふふ……」ブンブン

「うわぁあああああん!!」

男「な、なんだ?」

>>145
女の子

居間

白「あ、男っ!あの子たちが……」

男「ど、どうしたの?」

白「いつも通りじゃれ合い始めたのよ、そしたら茶が強く三毛にかじりついちゃって……」

橙「うわぁああああん!!」

茶「……」オロオロ

黒「み、三毛ちゃん落ち着いて……」オロオロ

男「……なるほど」

白「ど、どうしよう男……」

男「大丈夫。このくらいなんともないよ」

男(良いチャンスかもしれないな)

男「三毛?どうした?」

橙「ひっく、かじ、かじられぇ、て、いだいおぉおおお!」

男「何処かじられた?」

橙「こ、ここぉ……ひっく……」

男「あー真っ赤だ。そっかそっか。痛かったね」ヨシヨシ

橙「うああああ!!」

男「茶?」

茶「……」ビク

男「こっちおいで」

茶「……怒る?」

男「怒らないから。ね?」

茶「……」コクリ

男「どうしてこうなったか。茶、わかる?」ナデナデ

橙「ひっく……ひっう……」

茶「……」ふるふる

茶「……今までこんなこと、無かった」

男「そうだね。それはね、二人の体が俺と同じになったからだよ」

茶「……男と?」

男「そう。いままでは二人の体は俺と違った。だからかじっても大丈夫だったんだ」

茶「……うん」

男「でも、もう二人とも俺と同じになっちゃったから、優しくしないといけないんだ」

茶「……どうして?」

男「茶は俺をかじる時、優しくかじってただろ?」

茶「……うん」

茶「……男、痛がるから」

男「そう。それと同じ。三毛も痛がっちゃうからね」

茶「……」

男「だから、これからは今までみたいに遊んじゃ駄目なんだ。わかった?」

茶「……でも、それだと三毛と遊べない」

男「それは俺が新しい遊び方教えてあげるから。駄目かな?」

茶「……わかった」

男「そっか。良い子だ」ヨシヨシ

茶「……ん」

男「あとね、これからの遊び以外にも覚えなくちゃいけない事がいっぱいある。それも二人は覚えなくちゃいけないんだ」

茶「……どうして?」

男「そうじゃないと、俺が三毛みたいに泣いちゃうから」

男「茶は俺のこと泣かしたい?」

茶「……」ふるふる

男「なら、覚えてね。覚えてくれたら俺は三毛みたいにいつも笑ってられるから」

茶「……そんな男、きもちわるい」

男「う、そ、そんなに?」

茶「……ん」

男「ショックだ……」

茶「……でも、わかった」

茶「……泣くの見るのは、嫌」

男「そっか。優しいな。茶は」ナデナデ

茶「……ん」

男「三毛?」

橙「な、なんっすか……ひっく」

男「三毛、かじられて痛かっただろ」

橙「は、はいっす……」

男「こんな痛さ、他の皆にあげたい?」

橙「あげたくないっす……」

男「こんなに痛い理由は茶に言ったけど……聞いてた?」

橙「はいっす」

男「だったら皆にこんなことしちゃ駄目だよ?」

男「みんな痛がっちゃうからね」

橙「わかったっす……」

男「よしよし。三毛は賢いな」

橙「へへ……」

橙「あ、でも」

男「うん?どうした?」

橙「なんでぼく達のからだ、男あにきと一緒になっちゃったんすか?」

男「……あ、あーそれは……」

男(突然そうなったじゃ、アレだろうしな。でもそれ以外に思いつかないし……馬鹿正直に言っちゃおうか)

男「それは」

柴「三毛。お前、ご主人みたいになって、おいしいもの食べたいって思った事は無いか?」

男「柴……?」

橙「あるっす!いっぱいあるっす!」

橙「パンとか、しかくいはこにはいったお肉とか!あれ、すっごくおいしかったすから!」

橙「そういえば、さいきんくれるおじさんみないっすけど、どうしたんすかねっ」

柴「……さぁな。元気にやってるんじゃないか」

男「……」

橙「そうっすよねっ!」

柴「で、だ。思った事があるんだよな」

橙「はいっす!」

柴「多分な。誰かがそのお願いを聞いてくれて、お前をご主人と同じ体にしてくれたんだよ」

橙「そうなんすか!?その人ぜいたく?っすね!」

柴「ぜ、贅沢?……あーうんそうだな」

柴「でもそうなったからには覚えなくちゃいけない事も多い。さっきの痛み然りな」

橙「え?さっきのだけじゃだめなんすか?」

柴「ああ。じゃないとまた前の体に戻されて、ご主人と同じもの食べれなくなるぞ」

橙「それはいやっす……」

柴「なら、頑張らないとな」

橙「ういっす!わかったっす!」

橙「犬!」

柴「いい加減名前で呼べ……」

橙「わかったっす!犬!」

柴「喧嘩売ってるのかこの猫っころは」

男「まぁまぁ……」

男「でもナイスだ。こうなった理由も、嘘だけど納得してくれた見たいだし」

柴「ふふ。任せろと言った」ブンブン

男「よしよし」ナデナデ

柴「くふふふふふ……」ブンブンブン

男「さて、あとは……」

白「男、どういう事?あの二人……」

黒「に、人間になったんですか?あの子たち……」

男「この二人だよな」

柴「ああ」

白 黒「?」

ちょっと休憩くらさい

(´・ω・`)   n
⌒`γ´⌒`ヽ( E)
( .人 .人 γ /
=(こ/こ/ `^´
) に/こ(

はよ

男「それは今から説明するよ。ここでは話せないから、俺の部屋に来て」

白「ええ……」

黒「は、はい……」

男「茶、三毛!ちょっと俺達話ししてくるから……ほれっ」

柴「あっ!それ私のお人ぎょ……あ」

白「……っぷ」

柴「く、くくくぅ……」

黒「ああ、ええとええと……」

男「ちょっと貸すだけだから。あと白も笑っちゃ駄目だろ?」

白「はーい」

柴「……仕方ないな」

男「二人はそれで遊んでて。あとなんかあったらすぐに呼んでね」

茶「……ん」コクリ

橙「えーぼくもいっちゃ駄目なんすか?」

男「駄目。それに来てもつまんないぞ」

男(何よりうるさいってのが原因だけど)

橙「わかったっす!それじゃあ待ってるっす!」

男「うん。いい子いい子。……それじゃあ皆行こっか」

白「ええ」

黒「は、はい」

柴「ああ」

男の部屋

白「男の部屋一番乗りぃっ!」

男「あんま走っちゃ転ぶよ?」

白「転ばないわよっ!あーやっぱりこの匂いよねー」

黒「男兄さんの部屋……久しぶりに入りました」

男「黒はいっつも父さん母さんと寝るからなぁ」

黒「は、はい。お邪魔させて貰ってます」

柴「……相変わらず臭いな」

男「はははっそれは柴が犬だからだよ。……そうだよね?」

白「ふふ。馬鹿ね、柴。この匂いが良いんじゃない」

白「この匂いの良さがわからないなんて男のペット失格よっ」

柴「なら失格で構わない」

男「匂いの否定をしてくれよ……」

男「まぁいいや。それじゃあさっきの話の続きだ」

白「そうね。どうしてあの子たちは人間になったの?私たちは違うのに……」

男「いや、白。お前ももう人間になってるよ」

白「え?」

男「黒もね」

黒「わ、私もですか?」

男「うん。それを今から説明するから」

男「なんで皆が人間だって言えるのか。それは―――――」

――――

黒「……し、信じられないです……そんな……」

白「ふーん……本当なの?」

柴「ああ。私も信じられなかったがな」

男「やっぱりショック?」

黒「は、はい……すごく……」

男「でもこれは本当だよ。さっきの茶と三毛のやり取り見たろ?」

男「今までこんなこと無かったのに、ちょっとかじっただけで大騒ぎ」

男「猫だったらそんな事考えられなかった」

黒「そう、ですね……確かに……」

白「……ふふ」

白「ふふっふふふふっ!」

男「ど、どうした?ショックでおかしくなっちゃった?」

白「いーえー。そんな事無いわっ」

白「これが本当なら……ふふっ!」

黒「し、白姉さん……?」

柴「……放っておけ」

男「うん。とりあえず信じられないかもしれないけど、皆、人間になってるみたいなんだ」

白「ええ♪」

黒「は、はい」

柴「だから私たちは、人間の生き方っていうものを覚えなくちゃいけない」

黒「そ、そうですよね。変わっちゃったんですもんね」

白「えー……そう?いいんじゃない?別に」

白「人間になったって猫は猫なんだしっ」

黒「し、白姉さん……」

柴「それだとご主人に嫌われるぞ」

白「覚えますっ!」

柴「よし」

男「……うん。みんな理解してくれて助かるよ」

男「一応皆が戻れないか調べてみる。だからその時まで、ちょっと我慢しててね」

柴「ああ。わかった」

黒「は、はい。でも、男兄さん、あんまり無理しないでくださいね」

男「うん。ありがとね。黒。優しいよなぁ……お前は」

黒「い、いえっ!そんなっ!……へへ。えへへ……」

白は男と恋愛出来るようになったから嬉しいのか

白「私はこのままでも良いけどね~」

男「え?良いの?」

白「ええ。色々都合がいいし、ねっ」チラ

男「……うん?」

柴「……まぁそういう事だ。お前らがしっかりしないと、下のチビ達に示しが付かないからな」

柴「しっかりやってくれ」

黒「は、はいっ!頑張りますっ」

白「柴に言われなくても解ってるわよ」

柴「……この毛玉が言うじゃないか」

白「ええもちろんよ。おばさん?」

黒「だ、駄目ですよっ!二人とも……」

男「止めてって。言葉が解ると余計怖いから」

年齢は柴>白>黒>茶>橙かね

前略、猫と天使と同居はじめました
を思い出してなんか涙出てきた

男「じゃあこんなところだね。みんな頑張ろう!」

白「ぼちぼちとね」黒「はいっ!」柴「ああ」

がちゃ

茶「……男」

男「ん?茶?どうしたんだ?」

茶「……あのね」

男「ん?」

茶「……おしっこ」

男「え」

茶「……もれる」ふるふる

男「ちょ、ま、まって!まってまってまってぇ!!」

>>207
それで合ってる

――――

トイレ

男「危なかった……」

茶「……すっきり」

男「……よかったね」

男「あ、これからトイレここにしてね」

茶「……なんで?」

男「これも覚えなきゃいけない事だから」

茶「……わかった」

男(茶がこうだって事は他のみんなもそうか)

男(これもすぐに教えなきゃなぁ)

茶「……男?行かないの?」

男「ああ、うん。いくよ」

―――――

男の部屋

男「あー……疲れた」

男「トイレも皆に教えたし、茶と橙には黒がついてくれてるし、昼ごはんも食べさせたし、やっとひと段落ついたよ……」

男「昼ご飯はまぁ……うん」

男「今日が大学もバイトもなくてホントに良かった……」

男「……」

男「ホントにどうしてこうなっちゃったんだろう。……皆可愛いからいいけど」

男「こんなことになるきっかけなんて……あるんだろうか?」

男「……朝はなんにも無かったし、昨日は昔飼ってた猫の墓参りぐらいだし」

男「うーん……」

男「……」

男「……わからん!」

            , ;,勹

           ノノ   `'ミ
          / y ,,,,,  ,,, ミ
         / 彡 `゚   ゚' l
         〃 彡  "二二つ

         |  彡   ~~~~ミ      はいはい、わしのせい わしのせい
     ,-‐― |ll  川| ll || ll|ミ―-、
   /     |ll        |   ヽ
  /       z W`丶ノW     ヽ

 /        \\   / /      |
/    天      \`i / /  狗   |

男「原因探りは明日からにしよう。今日は疲れた……」

男「少し……寝るかな……」

男「……」

男「……くー……」

――――

「ご主人。ご主人」

男「ん……」

茶「……すー……」

男「また勝手に俺の上で寝て……茶かぁ……?起こしたのはぁ……」

柴「そんなわけないだろう?ご主人。起きろ」

男「ああ……柴か……どうしたの?」

柴「散歩の時間だ。連れてってくれ」

男「さんぽ……?ああ、もうそんな時間か」

男「よし……それじゃあ行くか」

柴「はい。ご主人様」

男「その散歩のときだけ露骨に態度変えるの止めない?」

柴「癖ですから」

男「……まぁもういいんだけどさ。慣れたし」

男「茶、ちょっとどいて?」ゆさゆさ

茶「……すー」

男「やっぱりどかないよなぁ。ごめんよっ……と」

茶「うぐ」ゴロリ

飯食ってきますの

茶「うー……」

男「ごめんね」

柴「リードです。どうぞ」

男「用意良いな……って」

柴「はい?どうかされましたか?」

男「リードはいらないな。もう柴、犬じゃないんだし」

柴「……り、リード、な、なしですか?」

男「うん。だって俺がリードしてたらおかしいでしょ?」

男「あと格好もどうにかしなきゃね。俺の下着姿で外出回るのもまずいし」

柴「わ、私は構いませんが」

男「俺……っていうか、世間が構うから」

柴「こ、これも人間として覚える事、ですか」

男「うん。そうだね。……柴はボーイッシュだから俺の服着ても大丈夫かな」

                l三`ー 、_;:;:;:;:;:;:j;:;:;:;:;:;:_;:;:;_;:〟-三三三三三l
               l三  r=ミ''‐--‐';二,_ ̄    ,三三三彡彡l_   野尿プレイ・・・
              lミ′   ̄    ー-'"    '=ミニ彡彡/‐、ヽ
                  l;l  ,_-‐ 、    __,,.. - 、       彡彡彳、.//  だと・・・
_______∧,、_∥ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、   彡彡'r ノ/_ ______

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ 1     ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄     彡彳~´/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ヽ   ´ :l .l:::.         彡ィ-‐'′
                ゝ、  / :.  :r-、        彡′
              / ィ:ヘ  `ヽ:__,ィ='´        彡;ヽ、
          _,,..-‐'7 /:::::::ヽ   _: :_    ヽ      ィ´.}::ヽ ヽ、
      _,-‐'´    {  ヽ:::::::::ヘ `'ー===ー-- '   /ノ /::::::ヘ, ヽー、

柴「わ、私はなんでも構いませんよ」

男「うーん。まぁせっかくだからね」

ぐいぐい

男「ん?」

茶「…………どっかいくの」

男「ああ茶か。裾伸びるから引っ張っちゃ駄目だよ」

茶「……ん」

男「ちょっと柴の散歩にいってくる」

茶「……いってらっしゃい」

男「うん。行ってきます」

男「はい。柴、これ。帽子もあるから、ちゃんと尻尾と耳隠してね」

柴「は、はい。ありがとうございます」

男「……着れる?」

柴「着れますっ!あまり馬鹿にしないでください」

男「……そっか。じゃあどうぞ」

柴「はい。……まったく」ボソ

柴「……これをこうして……こう」

柴「……あれ?違う?引っかかった?」

柴「あれ?こっち?こう?あれ?あれ?」

柴「……」

柴「……ご主人」

男「はいはい」

玄関

柴「ほ、ほんとにり、リードなしで行くん、ですか?」

男「うん。今してたら変態だって思われるから」

柴「そ、そうですか……でも、あ、あのやっぱり」

白「んー?男どっか行くのー?」

橙「あっ!あにきっ!お出掛けですかっ!?」

黒「み、三毛ちゃんっ!走っちゃ危ないよっ」

柴「あ……」

男「うん。ちょっと柴の散歩にね」

白「ふーん……なるほどね」

橙「いいなぁいいなぁ!ぼくもいきたいっす!」

黒「三毛ちゃん。駄目だよ?お外は危ないんだから……」

橙「だいじょうぶっすよ!むかしぼく外にいたんすからっ!」

黒「……それでも駄目だよ。今は心配する人もいるんだから」

男「そうそう。皆に心配かけるんだから。三毛はここで待ってて」

橙「はーい……あにきと黒ねぇがいうならしょうがないっすね」

白「いってらっしゃい。待ってるからね、男っ」

黒「いってらっしゃい」

橙「いってらっしゃーいっす!!」

男「それじゃあ行こっか。柴」

柴「は、はい……」

そろそろ落ちやすい時間だぜ



男「外は気持ちいいなぁ。柴」

柴「え、ええ。そうですね」ソワソワ

男「あ、そうだ、どんな感じ?人間の姿で外を歩くって言うのは」

柴「い、いつも通りかな、と、お、おも、思います」キョロキョロ

男「……どうしたの?いつも通りとは思えないけど」

柴「い、いえっ!そ、その、その……」

ワンワンっ!

柴「ひいぃっ!!?」

ギュッ

男「し、柴っ?ど、どうしたの?いつもならこの位で……」

柴「り、リードっ!りーどぉっ!」

男「……あ、そういえば柴、リードないと落ち着かなくなるんだっけ」

※犬は状況が変わるとひどく落ち着か無くなります(個体差あり)

男「最近そんな事してなかったからすっかり忘れてた。……ごめんな」

柴「い、いえ……」ビクビク

男「今日は帰ろうか。これ以上は難しそうだし」

柴「そ、そんなっ!せ、折角の散歩がっ!」

柴「そ、それにこれぐらいで帰ったら、下のやつらに示しが……」

ワンワンッ!!

柴「ひ、ひいっ!も、もうやだぁあああっ!!」

男「あー……どうしようか……」

男「そうだ。柴、手出して」

柴「て、手ですか?」

男「うん。早くっ」

柴「は、はいぃっ!」

ぎゅっ

柴「あ……」

男「どう?少しはマシかなって思うんだけど……」

柴「は、はい……少しだけ」

男「よかった。これで少しは歩けそう?」

柴「……大丈夫です」

男「よし。じゃ、行こうか」

男「辛かったらすぐに言ってね。戻るから」

柴「……はいっ」

ワンワンっ!

柴「っ!」ビク

男「大丈夫?」

柴「あ、ああ。大丈夫だ、です」

男「あはは……」

柴「わ、笑わないでくださいよ……」

男「ごめん。……でも早く慣れると良いな」

柴「……どうしてだ、ですか?」

男「慣れたらさ、俺が付いてこなくても、ひとりで行けるようになると思うからさ」

柴「……え?」

男「だってもう柴は人間なんだからさ。柴だって俺とおんなじように一人で歩けるようになる」

男「そしたら、何処にでも行き放題になるよ」

柴「一人で……」

男「うん。なかなか良いと思わない?」

男「あ、でも、その前に俺が元に戻す方法見つけたらお終いだけどね」

柴「……私は」

男「うん?」

柴「私は、散歩に一人でなんか行きたくない」

柴「ご主人が、ご主人が居るから楽しく思える」

柴「それに一人は怖いし……だから……」

柴「私はご主人と散歩に行きたい」

男「……」

柴「……どうした?なんか、変だったか……?」

男「いや、柴の口からそんな言葉が出ると思わなかったから、ビックリしちゃってさ」

柴「ら、らしくないか?」

男「うん。そうだね」

柴「う、で、でも、これが私の本当の……」

男「うん。わかるよ」

男「凄く嬉しい」

柴「あ……」

男「それじゃあ人間の姿より、いつもの姿に戻った方がいいのかな?」

柴「そ、そうだな。ご主人と散歩に行けるなら、私は元の姿の方が……」

男「……そっか。じゃあ、元の姿に戻す方法を見つけるの頑張らないとな」

柴「ああ。私も、それまで頑張る」

男「うん、じゃあいっしょに頑張ろう!」

柴「ああ!」

男「あ。そう言えば柴、元の口調に戻ってるね」

柴「あ、す、すいません」

男「いいよ。俺も、いつも通りの柴の方が好きだし」

柴「……そ、そうか?」

男「うん。よし。それじゃあ散歩の続きだ」

男「って……」

柴「ん?どうした?」

男「さ、散々騒いだから、周りの視線が……。行こうっ柴」


柴(ご主人は、前の姿の方が好きなのか……)

柴(でも私は、この姿も……)

男「あー恥ずかしかったー」

柴(存外悪くは無いと、そう思う)

すまない、天使のしっぽって何なんだ?
前の方で少し話題上がってたんだが

鞭ですまん

>>270
俺に擬人化の良さを解らせてくれた作品

自宅

男「ただいまー」

橙「あ、あにきっ!おかえりなさいっす!」

黒「だ、だから走っちゃ駄目だってばっ!あ。お、お二人ともおかえりなさい」

柴「ただいま」

柴「……ふふ」

男「ん?どうしたの?」

柴「いや、聞く事ばかりのただいまを言うのも、面白いなと思ってな」

男「……そうかな?」

柴「ああ。人間もなかなか悪くないな」

男「う、うん……?」

白「お帰りーっ!男ぉっ!」ギュッ

男「お、おおう、どうしたの?いきなり」

白「え?いっつもやってるじゃないっ」

男「ああー……うん」

男(いっつも顔を擦りつけてくるのってこういう意味だったんだな……)※違います

茶「……おかえり」

男「白、茶。二人とも、ただいま」

柴「……白。ご主人の邪魔になってるだろう。どけろ」

白「なによ?いつもはそんな事言わない癖に」

柴「……今日はそういう気分なんだ。どけろ」

白「……ふーん」


白「まっいいわ」

白「男の邪魔はしたくないしねっ」

白「さ、男、疲れたでしょ?ソファへどうぞー♪」

柴「……」

橙「なんかへんっすねー!犬!」

茶「……そう?」

黒「ふ、二人ともっ!こっちで、お、お姉ちゃんと遊ぼう?」

茶「……さっきまで遊んでた」

黒「い、いいからっ」グイグイ

橙「あー!ちょっとまってくださいっすよーっ」

男「……」

男「……なんなの?」

夕食後 男の部屋

男「つっかれた……」

男「家事ってこんなに大変なんだな……母さんの苦労がわかるよ……」

男「夕食は……まぁ、大分マシになったかな……」

男「特に白と柴が上達早くて、皆の手本になってる所があるし」

男「やっぱ年上って自覚があるからなのかな……」

男「まぁなんにせよ、テーブルの上が汚くなくなるのは助かるな」

男「……あ、風呂どうしよう。また皆入れた方が良いのかな」

男「評判は良さそうだったから、大丈夫だとは思うけど……」

「男?いる?」

男「ん、この声……白?」

ガチャ バタン

白「ふふ。お邪魔します」

男「どうしたの?何かあった?」

白「ううん。なにも無いわ」

男「ならどうして……」

白「ふふふ。それはね……」テクテク

男「?」

白「甘えに来たのっ!」ばっ

男「わっ!?」

ぎゅ―

白「んふふふ~おとこぉ」すりすり

男「ど、どうしたのいきなりっ?」

白「えぇ?いきなりって……いつも甘えてるじゃないっ」

男「ああ……うーん。確かにそうだね」

白「でしょ?いつもとおんなじっ!おんなじなんだからっ♪」

男「なんか違うような気がしないでもないけど……」

白「気にしない気にしないっ」

白「はあぁ……やっと甘えられるよぉ……」スリスリ

男「え?今日、白ずっと甘えてなかった?」

白「全然っ!もうずっと甘え足りなかったんだからっ!」

白「他の子たちが居るの気になって全然甘えられなくって……うー」スリスリ

男(アレで甘えてなかったんだなぁ……)

白「あ、そうだ。ね?どう?」

男「……なにが?」

白「も、もうっ!わかるでしょ?」スリスリ

男「えと……だから、なにが?」

白「むぅう!私!今!女の子なんだよ!」

男「うん」

白「うんって……な、何か感想あるでしょ!?」

男「うーん……可愛いね。白」

白「ち」

白「違うわよっ♪もおぉん♪」ぺし

男(あんまり違う様に見えない)

白「ええと、違うんだけどっ違わなくてぇ……もおぉんっ♪」

男(尻尾凄い立ってるなぁ)

※猫は嬉しいと尻尾が立ちます

白「こほん。男は今、こんな可愛い人間の女の子にくっつかれてるんだよ?」

白「な、なんか、その、変な……気持ちになったり……しない?」

男(ロリコンでもない限り10歳ぐらいの女の子にくっつかれても何にも思わないって……)

男(でもいったらマズイ気がする。彼女いない歴=年齢でもそれはわかる)

男「いや……うーん……嬉しい、かな」

白「嬉しい?それって……」

男「うん。大好きな白にくっつかれてるからね」

白「だ、大好き……え、えへへっ、えへへへっ♪」

半分に割れた太陽が朝を連れてきて♪
夜に慣れた神経をじわり刺激する♪

置き忘れた脳内はあえてそのままで♪
シナリオの消えた物語だ♪http://imgur.com/delete/r60QqNiGCXLR7ns
http://imgur.com/delete/leS9fSGgH08Wr5ghttp://imgur.com/delete/beFwCA6tugcxQf3http://imgur.com/delete/CzOXKqzf0tIs1dMhttp://imgur.com/delete/E0UMgMIUbaoo1DDhttp://imgur.com/delete/yAdE6EzhaXZBWmk32

白「私も好きっ♪男だーいすきっ♪」スリスリ

男(これでいいかな……あ)

男「そうだ、白、ちょっとどいて」

白「な、なに?どっかいっちゃうの……?」

男「違うよ。あぐらで座りなおして……と」

男「ほら、おいで。白、後ろから抱っこされるの好きだろ?」

白「あ……うんっ!」

白「それじゃあ遠慮なく……どーんっ!」

男「ぐえ」

白「うぅー!やっぱこれがいちばんだぁ……♪」

男「うん。小さいころからずっとお気に入りだもんな」

白「えへへっ。うんっ!」

男「ああ、あと白、尻尾の付け根も触られるの好きだったよな」

白「あっ!あれは違うのっ!……そういうのじゃないのっ!」

男「え?違うの?あそこ撫でたらお尻上げてうっとりしてたでしょ?」

白「だから違うのっ!も、もうっ!男のえっちっ!」

男「へ?」

白「恥ずかしいところなんだから……もうっ」ボソ

※猫の性感帯です

男「もしかして……ずっと嫌な事してた?」

白「い、嫌じゃなかったよっ!嫌じゃ、ないんだけど……」

白「も、もうっ!この話はおしまいっ!」

男「う、うん……」

もっと自由に舵をとって♪
もっと遠くへ鳥になって♪
http://i.imgur.com/vVMc0.jpg

http://imgur.com/delete/DLOLTF1Ju0Jazaw
http://imgur.com/delete/yAdE6EzhaXZBWmk
http://imgur.com/delete/E0UMgMIUbaoo1DD
http://imgur.com/delete/CzOXKqzf0tIs1dM

白「ね、男」

男「うん?」

白「他の子にはこれ、やってないよね?」

男「そうだね。白以外みんな嫌がるからね」

白「そう。この気持ちよさがわからないなんて駄目ねー」

白「でも私は解ってるからねっ!男っ!」

男「あはは……ありがと」ナデナデ

白「えへへっ」

白「ねぇねぇもっと撫でて撫でてっ」

男「うん」

白「えへへ。きもちい」

男「そっか。……よかった」

男「……なぁ白」

白「ふあ……なに?」

男「白は元の姿に戻りたい?」

白「うーん……戻りたくないかな」

男「え?なんで?」

白「だって、お風呂は気持ちいいし、ご飯は美味しいもの食べられるし。戻りたいなんて思わないよっ」

男「そっか……」

白「うんっ!それに……」

男「え?」

白「まだやりたい事残ってるしねっ」

男「やりたいことって?」

白「ふふふっ。ひみつっ」

男「秘密って……俺にも言えない事なの?」

白「うん。男だから言えないって言うかなー」

男「……なにそれ?」

白「もぅ……わかんないから彼女出来ないんだよっ」

男「そうなのかな……」

白「そうだよっ」


白「ま、そのおかげで助かってるんだけどっ」

男「……どゆこと?」

白「しらな―い。私寝るっ!」

白「寝るまで撫でてねっ!いや、寝てても撫でててねっ!」

男「そんなんで眠れるの?」

白「うんっ!男の手だしっ」

男「器用だなぁ……」ナデナデ

白「えへへっ」

男「……」

男(皆戻りたいだろうって思ってたけど……戻りたくない子もいるんだな)

男(でも、それでも戻さないと……)

男(それが、普通なんだから)

――――

白「……すー……」

男「寝たね……すっと撫でてって言われてるけど、やっぱり起こしちゃうよな」

男「起こさないようにどいてっと……よし」

白「……ん……」

ガチャ

茶「……白がいる」

男「ん……茶か、寝に来たの?」

茶「……ん」

男「それじゃあ白と一緒に寝てやって。白も一人じゃさびしいだろうし」

ちょっと休憩頂けないでしょうか

茶「……男は?」

男「俺は皆に布団作ってから、どっか適当に寝るよ」

茶「……茶もいく」

男「まだ寝るの時間掛かるよ?もう茶、眠たいでしょ。無理しなくていいよ?」

茶「……ねむくない」

男「でもなぁ……」

茶「……行く」

男「……わかったよ。眠くなったらここで寝ていいからね」

茶「……ん」

全員の身長を教えてほしいのだが

一階 居間

黒「……」ウトウト

橙「……くかー……」

男「あらら……ちょっと遅かったかな」

茶「……三毛、膝枕?」

男「三毛はもう寝てるとして……黒、黒、起きてる?」

黒「ん……あっ。お、男兄さん……」

男「三毛、どうしたの?」

黒「ああ、なんだか膝枕してるうちに寝ちゃったみたいで……」

男「そっか……ごめんね。もうちょっと早く来ればよかった」

黒「い、いえ、そんな……。膝枕をさそったのは私ですから……」

男「優しいね。……すぐに布団用意するから」

>>361
男 175
柴 155
白 135
黒 150
茶 110
橙 105

くらいかな

黒「え?そんな……い、いいですよ、私は……悪いです」

黒「ど、どこか寝れそうな場所を見つけて……」

男「駄目。猫の姿の時は良かったかもしれないけど、今は人間なんだから」

男「体、痛くしちゃうよ?それに風邪もひいちゃうかもしれないし」

黒「……わかりました。ありがとうございます。男兄さん」

男「いいよ。母さん達が使ってる布団敷いて来るから、ちょっと待っててね」

黒「はい」

茶「……くあ……」

男「茶、やっぱり眠いんだろ?大人しく白のとこで……」

茶「……いく」

茶「……おとことねる」

男「……はぁ……わかったよ」

黒「……茶ちゃん。三毛ちゃんと一緒に待つ?」

茶「……黒?」

黒「まだ膝空いてるし……男兄さんが布団敷いてくれたら、起こすから」

茶「……」

男「それが良いと思うな。ちゃんと後で俺も迎えに来るし」

茶「…………わかった」

黒「うん。じゃあ、おいで?」ポンポン

茶「……ん」

男「悪いね。黒」

黒「い、いえっ。どうぞ、行って来てください」

男「ありがとう」

黒「……」

黒「人間なんだから、これくらいはしないと駄目だよね」

茶「……黒?」

黒「あ、ううん。なんでもないよ」

黒「どうぞ、茶ちゃん」

茶「……ん」

茶「……やわらかい」

黒「そっか、よかった」

茶「……なでて」

黒「ふふ。甘えんぼだね。茶ちゃんは」ナデナデ

茶「……そんなことない」

黒「ふふ。そうなの?」

茶「……そうなの」

黒「そっかぁ」

茶「……ん」

茶「…………眠い」

黒「寝てていいよ。ちゃんと起こすから」

茶「……」

茶「……すー……」

黒「……」ナデナデ

黒「……」

黒「ちょっと足痛いな……」

親の寝室

男「……」

柴「……くー……」

男「ちょっと見ないなと思ったら、なんにも敷かないでこんなとこで……」

男「柴、柴っ!起きて」ユサユサ

柴「んあ」

柴「……ごしゅじん……?どうした?ごはんか……?」

男「違うよ。それより何でこんなとこで寝てるのさ」

柴「なんでって……それはここが……私の、ねばしょだから?」

男「ああ、そういえば柴ここで寝てるもんな」

柴「……うん」

男「……柴。体痛くない?」

柴「……いたい」

男「やっぱり」

男「今から布団敷くからちょっと待ってて」

男「終わったらそこで寝ていいから」

柴「……あい」

男(寝呆けたら随分印象変わるんだな……)

男「まぁ今はそれより布団敷かなくちゃな」

男「黒たちも待ってるんだしね」

柴「……くー……」

男「ああ、寝ちゃ駄目だって……痛さひどくなるから」

柴「……んー」コックリコックリ

男「……急ごう」

―――――――

男「よし、敷き終わった」

男「柴?寝ていいよ?」

柴「……くー……」

男「もう寝てる……駄目だって言ったのに」

男「……もう起こすのも可哀想か」

男「よいっしょっ!……って重っ!……お姫様だっこできる人って凄いんだな」

柴「んふ、んふふふ……」

男「のんきに夢見ちゃってもう……」

男「そっとそっと……よいしょ」

柴「んう……うー」

男「これでよしと。さ、呼びに行くか」

居間

茶「……すー……」

橙「……くかー……」

黒「……」こっくりこっくり

黒「あっ、……いけない……寝ちゃうとこだった……」

黒「起きてなくちゃいけないのに……」

男「黒。終わったよ」

黒「あ、男兄さん……お疲れ様でした」

男「これくらい何ともないよ。それより、黒の方は大丈夫なの?」

黒「え?」

男「足」

黒「あ、い、いえ。だ、大丈夫です。何ともないです」

男「そっか。よかった」

男「さ、次は茶だけど……」

黒「……どうします?茶ちゃん凄く良く眠ってますけど……」

男「起こさなくていいよ。起こすのも可哀想だし」

男「それに、起こしても起きないだろうしね」

黒「ふふっ。そうですね」

男「じゃあこのまま二人とも移動させたら、俺達も寝ようか」

黒「はいっ」

黒「あ、でも、この子たちどうやって移動させます?」

黒「私が動いたら起こしちゃいますし……」

男「俺が起こさないように抱っこして連れてくよ。だから黒はもうちょっと待っててくれる?」

黒「え、でも、そうしたらまた兄さんが……」

男「いいから。それ以外にどうしようもないんだし」


黒「……すいません。重ね重ね……」

男「気にしない。黒だって足辛いだろうし、お互い様だよ」

黒「わ、私は……」

男「よいしょっ……と。やっぱり三毛は軽いなぁ」

橙「っす。にゅふふ……っす」

男「なんの夢見てるんだ……まぁいいや。じゃあ連れくから、もうちょっと茶の事お願いね」

黒「あ……兄さん……」

黒「……ありがとうございます」」

黒「……」

黒「私も茶ちゃんの事、運べないかな……」

黒「ん……え……!?」

黒「あ、足が動かない……」

黒「な、なにこれ?どうして?」

黒「今までこんなことなかったのに……な、なんなのっ!?」

茶「……ん」

黒「あ……」

黒「こ、これ以上騒いだら茶ちゃん起こしちゃうかもしれない……」

黒「ど、どうしよう……」

男「黒。三毛の事運んできたよ」

黒「お、男兄さぁん……」

男「え、ど、どうしたの?そんな声出して……」

黒「あ、足が……」

男「足?足がどうかしたの?」

黒「う、動かないんですっ」

男「……茶を乗せてるからじゃなくて?」

黒「ち、違いますっ!か、感覚が無くて、力が入らないんですっ!」

男「あー……。なんとなく理由は解ったよ」

黒「な、なんですかっ!?私の足、どうしちゃったんですかっ」

男「何ともなって無いよ。それはただ痺れただけだよ」

黒「しび、れた?それって……」

男「ちょっと待って……よいしょっと……」

茶「……んう……」

黒「茶ちゃん?ど、どうするんですか?」

男「またこの子も運んでくる。その間、黒は出来たら床にうつ伏せに寝っ転がっといて」

男「そうしたら動くくらいにはなってると思うから」

黒「そ、そうなんですか……?」

男「うん。それは保障する」

黒「は、はい……」

男「じゃ、行ってくるからね」

黒「え、ええと……うつ伏せ?」

黒「ホントにこれで……よいしょ」

黒「……」

黒「あ、なんか暖かいものが足に……」

黒「んいっ!?」

黒「あし、う、動くけど……なんなのこれぇっ!」

黒「い、いたい?かゆい?ど、どっちも?」

黒「ああぁ……気持ち悪いよぉ……」

男「ああ、やっぱり悶えてるね」

黒「あ、お、男兄さん……これが……痺れ、ですか?」

男「うん。そう。長い間さっきみたいな座り方してるとそうなるんだ」

黒「そ、うなんっ!ですかぁ……」

男「もうちょっとしたら収まるから。後少しだけ我慢して」

黒「は、はいぃ……」

男「……」

男(やっぱり足痺れてる人見ると悪戯したくなるよなぁ……)

男「……」ツン

黒「んひゃんっ!?」

黒「お、男兄さんっ!?な、何を……」

男「うーん……悪戯?」ソー

黒「だ、だだ、駄目ですっ!もう、もうだめぇっ!」

ツン

黒「んひゃぁあっ!!」

男「足がしびれると、こう言うふうに触られたら大変な事になるから、あんまり痺れさせないようにね」

男「俺みたいな人に悪戯されるから」

黒「わかり、わかりましたからっ!もう……もうっ!」

ツン

黒「んきゃぁあっ!!」

寝るゥ……
起きたら続き書くゥ……

[壁]・ω・` )

[壁]・ω・` )<保守感謝、飯食ったら開始

黒「はぁ……はぁ……」

男「ごめん。やりすぎた」

黒「ひどいですよ……男兄さん……」

男「あはは。ごめん」

黒「もう……」

男「でも、もう足は何ともないだろ?}

黒「あ、は、はい……」

男「あの足のツンツンは早く痺れを抜く為でもあったんだ」

男「ただ悪戯したかっただけじゃないんだよ」

黒「そ、そうなんですかっ?」

男「うん。もちろん」※嘘です

黒「男兄さんはやっぱりもの知りですね……すごいです」

男「いやぁ……あはは……」

男「それじゃあ足のしびれも取れた事だし、俺達も寝よっか?」

黒「あ、は、はいっ」

男「立てる?」

黒「だ、大丈夫です……やっ」フラッ

ダキッ

黒「あ……」

男「おっとと。……大丈夫?」

黒「あ、す、す、すいませんっ!私、重いのに……ご、ごめんなさいっ!」

黒「い、今離れますか……わぁっ」フラフラ

男「あはは。無理しなくていいよ。それに全然重くないし」


黒「で、でも……」

男「いいから。今までこんなこと無かったんだし、こんなことなっちゃうのも仕方ないんだから」

男「あ、歩けないんだったらこのまま抱っこして寝室行く?黒の事あんまり抱っこしてあげれてなかったし、いい機会だ」

黒「い、いいですいいですっ!重いのは変わってませんしっ!悪いですっ」

男「そう?……そっか。ちょっと残念だな」

黒「え?」

男「昔から黒は他の子たちに遠慮していつも遠巻きから見てたから、全然触れてあげれなかったし」

男「久しぶりに黒のこと触れるなって思ってたんだけど……」

黒「そ、そんな……私なんか触っても……皆みたいに気持ち良くないですよ……」

男「そんなことない。猫の時の話だけど、一番手触りは好きだったんだよ?」

男「艶があって、しっとりとしてて……。他の子も気持ちは良かったんだけどね」

男「やっぱり一番は黒だったよ」

黒「……」

男「黒、髪の毛、触っていい?」

黒「は、っはい!」

男「……」さわさわ

黒「……っ」ビクッ

男「うん。やっぱり黒は今でも、一番だ」

男「だから、自分のことそんなふうに言っちゃ駄目だよ?」

黒「……は、はい……」

男「うん。いいこいい子」ナデナデ

男「それで、抱っこなんだけど……どうする?歩く?」

男「俺としては黒の事抱っこしたいけど」

黒「……あの、にいさん……」

男「ん?」

黒「その、いや、嫌じゃなかったら……その」

男「嫌じゃないよ」

黒「……」

黒「……だ、だっこ……だっこ、おねが、いしても……い、いですか……?」

男「うん。もちろん」

男「……いくよ?」

黒「は、はい……」

男「よ、いっしょっ……!」

男(お、重ぉっ!柴よりは、軽いけど……ぉ!)

黒「だ、大丈夫ですかっ?重くないですかっ」

男「だ、大丈夫大丈夫……。それじゃあ寝室行くよ?」

黒「は、はいっ!」

男(た、倒れないよな……)フラフラ

黒「……あ」

黒「……」

黒「……」ぎゅっ

寝室

柴「……くー……」

茶「……すー……」

橙「……じさん……くふふ……」

男「寝相悪いな……みんな」

黒「そ、そうですね……」

男「あ、でも茶の横は空いてるな……黒、そこでいい?」

黒「は、はい。私は何処でも……」

男「うん。じゃあそこで……よいしょ」

黒「ん……」

男「これでいいな」

黒「あ、ありがとうございました……」

男「ううん。黒の事久しぶりに触れて良かった」

抜けた

黒「あ、ありがとうございました……」

男「ううん。黒の事久しぶりに触れて良かった」

の間に

黒「すいません……手間かけさせてしまって……」


黒「……」

黒「あ、あの……男兄さんは、何処で寝るんですか?」

男「どうしようかな……。茶の傍にいないと駄目だろうしなぁ」

黒「だ、だったら……茶ちゃん横のもう片方空いてますし……そ、そこで寝ませんか?」

男「そうだね。そこで寝よっかな」

黒「は、はいっ!それが良いですっ」

男「し、静かにね」

黒「あ、は、はい……ごめんなさい……」

男「いいよ。皆起きてないし」

男「じゃあ……寝るかぁ」

黒「……そうですね」

茶「…………くろ?」

黒「あ、茶ちゃん、起こしちゃった?」

茶「…………ん」

ギュッ

黒「あ……ふふ」ナデナデ

茶「……すー……」

男「やっぱ茶は黒の事大好きだよなぁ」

黒「そ、そうなんでしょうか……」

男「うん。こうやって茶がくっつくのって黒ぐらいだし」

男「小さいころから世話焼いてたのがあるのかな」

黒「いえ、世話なんて……私は……」

男「いいや、黒はしてたよ」

男「昔から茶の遊び相手になってたし、毛づくろいも手伝ってあげてたしね」

黒「それは……そう、ですね」

男「それに、ホントに茶が小さい頃だけど……」

黒「あ、そ、それはっ」

男「乳離れしてない茶に黒がおっぱいあげてたのが凄く印象に残ってる」

男「自分の子供でもないのにそこまでするんだなって驚いたよ」

男「あと母性本能って凄いんだなって思わされた」

黒「そ、うですね……あ、あはは……」

黒「……あの時は、茶ちゃん。お母さん、お母さんって言ってたから……」

黒「それでどうにか出来ないかなって思って……それで……」

黒「な、なんか、ふわふわしますねっ!あは、あはは……」

男「ふわふわ?」

黒「ええと、顔が熱いというか、なんていうか……」

男「あー、あはは……そっか」

男「その時から……いや、その前からだけど、この子は優しい子なんだなって思ってた」

黒「……」

黒「あ、ありがとう、ございます……」

男「……寝よっか。今日は色々あって疲れたでしょ」

黒「そう、ですね……流石に、今日は……ふあ……」

男「……黒。あとさ」

黒「……はい?」

男「黒は……元の姿に戻りたいよな?」

黒「……」

黒「……そうですね。今日でさえ、こんなに男兄さんに迷惑を掛けてしまってるんですし」

黒「早く戻って……いつも通りに過ごせたらな、と思います」

男「そっか。……そうだよな」

男「じゃあ、俺も戻す方法探すの頑張るから……黒もそれまで頑張ってくれないかな」

黒「……はい。もちろんです」

男「うん。ありがとう。……それじゃあ、おやすみ」

黒「はい……男兄さん」

黒「……」

黒(元に戻れば、今まで通りに暮らせる)

黒(そうすれば、男兄さんにも、お母さん、お父さんにも、迷惑はかけなくて済む)

黒(それが一番いい。そう思う)

黒(……でも)

男「……ぐー……」

黒(元に戻ったら、落ち着かないけど、このフワフワした気持ちともお別れなのかな……)

黒(それは少し……いや、かもしれないな)

翌日

男「ん……良く寝た……」

茶「……すー……」

男「……この子……」

男「ああ茶か。人間になってたんだっけ……」

男「やっぱ夢じゃないんだな……」

黒「……すー……」

男「……柴と、三毛が居ない」

男「先に起きたのかな……」

男「……朝ご飯作りにいくか」

居間

橙「あー!あにきおはようっす!ごきげんうるっす!」

柴「おはよう。ご主人」

男「おはよう。二人とも」

男「結構前から起きてた?」

橙「ういっす!一番のりっす!」

柴「……私は三毛に起こされた」

男「あはは、なるほどね」

橙「あにきっあにきっ!」

男「うん?」

橙「おんぶっ!」

男「あーおんぶね。昨日してあげられなかったしなぁ……」

男「いいよ。おいで」

橙「やったぁ!っす!……とうっ」

男「うお」

橙「えへへっ!やっぱこれっすねっ!」スリスリ

男「はいはい。よかったねー」

柴「ご主人。お腹空いたぞ」

男「ああそうだね……そろそろ皆起きて来るだろうし、作らなきゃね」

男「ちょっと待ってて。簡単に作っちゃうから」

男「さ、三毛。そろそろ降りて」

橙「えーまだいいじゃないっすかーっ」

男「だーめ。いつまでも降りないと、ご飯作ってあげれないよ?」

橙「それはいやっすっ!」

男「じゃあ降りないとね」

橙「それもいやっすーっ!」スリスリ

男「ええ、まいったなぁ……」

柴「三毛。降りろ。ご主人が困ってる」

橙「犬の言う事なんか聞かないっすよっ」

柴「……そうか。じゃあ、お前の事を元に戻して貰うように頼んでくるかな」

橙「ええっ!?」

柴「それが嫌だったら、すぐ降りろ」

橙「……わかったすよー」するする

男「いいこいい子。後でまたやってあげるからな」

橙「ほんとっすか!?ぜったいっすよっ」

男「うん。絶対だ」

橙「へへへっ!じゃあ待ってるっすからねっ」タタタ

男「はいはい」

男「柴、ナイスだ」

柴「ふん。当然だ」ブンブン

男「よしよし」ナデナデ

柴「ふ、ふふふふ……」

男「じゃあ作ってくるね。三毛と待ってて」

柴「あ、ご、ご主人」

男「うん?どうしたの?」

柴「わ、私も何か手伝う事は無いか?二人いた方が作業も捗るだろう?」

柴「それに、これは人間として覚えることだろうしな」

男「うーん今日はただトースト焼こうと思ってるだけだしね……」

男「特にして貰う事は無いかな」

柴「そ、そうか。うん。そうか」

男「……あ、だったら三毛の事見て貰ってていいかな」

男「まだ何しでかすか解らないし」

柴「……ああ。わかった」

男「それと、トースト焼き上がったら皿持ってって貰いたいから、その時手伝って貰っていい?」

柴「っ!あ、ああ!わかった」

男「頼むね。柴」

柴「ああ。任せろ」ブンブン

男(顔には出てないけど、凄い嬉しそうだな……)

―――――――――

男「よし、完成。後は柴を呼んで……あれ?」

茶「……」

黒「ち、茶ちゃんっ!あ、お、男兄さん。おはようございます」

男「二人とも、おはよう。……どうしたの?」

黒「あの、茶ちゃんが……」

茶「……なんでいっしょにねなかった」

男「え?」

黒「あのね、だからそれは……」

茶「……男、起こすって言った」

茶「……でも、こなかった」

茶「……朝もいなかった」

茶「……うそつき」

茶「……男の、うそつき!」

男「それは……ごめんね」

男「起こしてって言われたのに、起こさなかったのは悪かった」

茶「……」

男「でもね。その時も、朝も、茶はぐっすり眠ってたから、起こすのは駄目かなって思ったんだ」

男「茶は、気持ち良く寝てた時に起こされるの嫌いだろ?」

茶「……きらい」

茶「……でも、起こして欲しかった」

茶「……一緒に、寝たかった」

男「ごめんね。茶の気持ち、わかってあげられなかった」

男「でも、今度からも、茶の事は起こさない」

茶「……なんで?」

男「茶の事が大事だから」

茶「……?」

男「猫の時はね?起こしてもすぐに寝られたし、体も丈夫だったから起こせられた」

男「でも今は人間だから、あんな夜遅くに起こされたりしたら病気になっちゃうかもしれないんだ」

茶「……なんで?」

男「三毛の時と一緒。ちょっとかじっただけでも、泣いちゃったでしょ?」

茶「……うん」

男「三毛と同じくらい今の茶の体は泣いちゃいやすいんだ」

男「だから、ちょっとしたことで病気になっちゃったりしちゃうんだ」

男「だから、俺は茶の事起こさない」

男「大事な茶が病気になんかなっちゃ足りしたら、俺が泣いちゃうから」

男「茶は俺の事泣かせたくないって言ってくれたもんな」

茶「……ん」

男「だったら……わかってくれる?」

男「ちゃんとこれからは夜に起こさないように、一緒に寝るから。ね?」

茶「……わかった」

男「うん。いい子だ」ナデナデ

茶「……ん」

男「それじゃあ朝ごはんは出来てるし、ご飯にしよう」

男「用意したいから、柴の事呼んできてくれるかな」

茶「……」コクリ

柴「もう来てるぞ」

男「あ、早いね」

柴「台所で何か騒いでたからな。何事かと思ってきた」

男「ああ……なるほど」

柴「茶。あまり我がままを言うもんじゃないぞ」

柴「もうお前は人間なんだからな」

茶「……」タタタ

柴「あ。……全く」

男「黒、茶の事見てやってて」

黒「あ、は、はいっ」

タタタ

柴「……ご主人。あまり甘やかすのはどうかと思うぞ」

柴「ただでさえご主人は下の奴らに甘いんだからな」

柴「少しはお父様を見習ったらどうだ?」

男「うーん……そうなんだろうけどね……」

男「どうにも怒りきれないというか……」

柴「全く……それだからご主人は」

男「あ、そうだ柴」

柴「な、なんだ?」

男「朝ごはん出来たから並べるの手伝って?」

男「もうみんなお腹空いてるだろうし」

柴「ま、まだ話は……」ぐぅ

柴「う……」

男「ね?」

柴「……わかった。まずは朝ごはんにしよう」

男「うんうん。それがいいそれがいい」

柴「……調子がいいんだから。……ん?」

ドドドドド

「おとこぉー!」

柴「……騒がしいのが来たな」

白「男ぉっ!」

男「おはよう、白」

白「うん。おはようっ♪……じゃなくてっ!」

白「なんでいっしょに寝てないのっ!寝てても撫でてって言ったじゃないっ!」

白「起きたら誰もいなくてビックリしたんだからっ!」

男「だって、皆の布団用意しないといけなかったし……」

白「でもっ!それでもぉっ!」

男「それに、やっぱり撫でてたら白の事起こしちゃうと思ったしね」

白「それでもよかったのっ!むしろそれが良かったのっ!」

男「え?そうなの?」

白「そうだよっ!だって……」

柴「うるさいぞ。毛玉」

白「……あら、柴いたの?」

柴「私の姿を見逃すなんて、お前の目は腐ってるのか?変えて貰った方がいいんじゃないのか?」

白「あら、見えないなら変える必要はないわね。見たくないものを見れなくても済むんですもの」

柴「……減らず口を」

白「若いものですから。ねぇ?おばさま?」

男「だからやめてって。怖いから」

橙「あにきーごはんまだっすかぁ……」

橙「もうぼく、おなかぺこぺこっす……」

男「ほ、ほら、三毛もこう言ってるしご飯食べよう!ご飯!」

柴「……ふん」

白「……ふん」

男(仲良くならんもんかな……)

―――――――――

食卓

男「用意完了っと。ありがとね。柴」

柴「やるといったしな」ブンブン

男「よしよし」ナデナデ

柴「……」ニンマリ

白「ふーん。手伝って男に撫でて貰えるなら私もやろうかしら」

柴「やらなくていいぞ、邪魔だからな」

黒「だ、駄目ですってば……」

男「はいはい。もうご飯だから止めてね」

男「それじゃあ、皆頂きますっ!」

白「ねぇ、ずっと気になってたんだけど」

男「ん?」

白「その頂きますってなんなの?いっつもご飯食べる前に言ってるみたいだけど」

男「ああ。おはようとおやすみと同じ様なものだよ」

黒「あの、なんとなく私も使ってたんですけど……」

茶「……おはようとおやすみって」

橙「なんなんすか?」

男「……皆、知らないで使ってたの?」

白「ええ」

黒「は、はい」

茶「……ん」

橙「ういっすっ!」

柴「……」目反らし

男「なるほど……。まぁなんとなくおかしいなとは思ってたんだけど」

男(でも、今までそんな事気にしないで使ってたよな……)

男(何で今更なんだろう)

男(まぁいいか。教えるいいチャンスかな)

男「おはよう、おやすみ、いただきますっていうのは」

―――省略―――

男「そういうこと」

白「ふーん……なるほどね」

男「みんなわかった?」

黒「は、はいっ」

茶「……ん」

橙「はーいっす!」

柴「私は解ってたがな」ブンブン

橙「そうなんすか?犬は凄いっすねっ!」

柴「当然だ。それといい加減犬は止めろ」

男(尻尾が今わかりましたって言っているのは黙っておいた方が良いんだろうな……)

男「それじゃあわかったところで……頂きますっ!」

全員「いただきますっ!」

橙「うーっ!うまいっすーっ!」

茶「……おいしい」

黒「ああ、あんまり汚く食べちゃ駄目だよっ」

白「んーおいしっ!」

柴「……やっぱり人間の食べ物はうまいな」

男「……」

男(こう見ると、みんなだいぶ食べるのうまくなったな……)

男(昨日で必死に教えた甲斐があったってもんだなぁ)

男(柴、白は覚えるの早いのは知ってたけど、黒も上達早いな)

男(昨日から一気にレベルが上がったって感じだ)

男「柴、白、黒。三人とも食べるの凄くうまくなったね。凄いなぁ」

柴「当然だ。私が上手くなくちゃ下に示しがつかないからな」ブンブン

男(嬉しそうだな)

白「ふふふ。でしょ?人間なんだからこれくらい出来ないとね」

黒「そ、そうですよね。それに、いつまでも男兄さんに迷惑を掛けていられませんし……」

男「そっか。みんな頑張ってるんだね」

柴「ふ、ふふふ」ブンブン 白「えへへっ」 黒「……えへ」

男(このまま箸まで使えるようになってくれたらホントに助かるな)

男(料理の出せるレパートリーも増やせそうだしね)

茶「……あ」ぽろ

橙「あー茶ねぇ落としたっすーっ!……あっ」ぽろ

橙「あああああ……」

黒「ああもう、しっかり掴んで食べないから……」

男(茶と橙は下手のままか。……昨日の顔突っ込んで食べたのよりはずっといいけど)

男(年下って言うのもあるのかな。……まぁ二人はこれからかな)

男(……でも)

男(上手くなったとして、元に戻ったらどうなるんだろう)

男(この覚えた事も無駄になっちゃうんだろうか……)

白「どうしたの?男。難しい顔して」

男「うん?……ううん。なんでもないよ」

白「疲れてる?それなら部屋で……」

男「疲れてないよ」

白「っちぃ」

男(まぁいいや。これは考えてもしょうがないよな)

男(それより、今日は皆の服を買いに行かなきゃ……)

男(……)

男(男の俺が女性もの売り場に突撃?)

男(そして女ものを買う?)

男(……)

男(死ぬかもしれん)


黒「男兄さん、どうしたんでしょうか……」

柴「さぁ」



        ζ
      _,,.旦_       ∧,,.∧

     / ・ω・ヽ       /・ω・ ヽ <お願いします
      l     l    ζl      l
     `'ー---‐´    旦`'ー---‐'′


    ~ただいま休憩申請中~

―――――

男(少し考えた)

男(だれかについて来て貰えばいいんじゃないかなと)

男(女の子について来てもらえれば、突入してもまだ恥ずかしくならなくなる)

男(でも、ここにいるのは皆猫耳、犬耳標準装備)

男(そして猫娘4人のうち3人は箱入り猫娘。外に出したら何をしでかすか解らない)

男(一人はそうではないけど……)

橙「なんっすか?あにきっ!」

男(いかんせん不安要素が大きすぎる)

男「そして最後の一人の犬娘はリードつけなきゃ満足に外を歩けない)

男(仮にリードつけて行ったとして、中学生みたいな子をリードつけて歩いたら確実に通報される)

男(……一人で行くしかないか)

男(一人くらい親しい普通の女の子がいればよかったんだけどなぁ……)

男(まぁいたとしても誘える勇気なんか無いわけだけど)

男「……それじゃあ三毛。俺、出かけてくるから」

橙「えー?どこ行くんすか?」

男「ちょっと皆の服をね。いつまでも俺の下着を着せとくわけにはいかないから」

橙「ふく?したぎ?……おでかけっすよねっ!」

男「うん。そうだよ」

橙「ぼくもいきたいっすっ!!久しぶりにおそといきたいっす!」

男「駄目。三毛が外に出られるのはもっと大きくなってから」

橙「えー!やだやだ!ぼくもいきたいっすぅっ!」

男「まいったなぁ……」

黒「三毛ちゃん?」

茶「……」

柴「なんだ、どうしたんだ?ご主人」

男「三毛がね。自分も行くって聞いてくれなくて」

黒「男兄さん、どこかお出掛けですか?」

男「うん。皆の服を買ってこようかなと思ってね」

柴「出掛けるのか。……な、なら、私もついて行こうか」

柴「もう私も人間なわけだし、そういう場について行っても問題ない筈だ」

柴「それにご主人一人で行かせるのも心配だしな」

男「どちらかというと柴が付いてくる方が俺は心配なんだけど……」

柴「ん、なんでだ?」

男「リードつけて行かないよ?」

柴「う……そ、それぐらい何ともないさ。あまり馬鹿にしないでくれ。ご主人」

柴「そ、それに、駄目になったらまた……」

男「また?」

柴「なんでもないっ!ま、まぁそういうわけで大丈夫だっ」

男「犬の鳴き声とは比べらないくらい大きな音するよ?」

柴「そ、それがどうした?」

男「知らない人が沢山いるよ?」

柴「し、らない人ぐらい……なんともないさ」

男「一度迷ったらもう帰ってこれないかもしれないよ?ただでさえ今は鼻が効かない人間なんだし」

柴「……」ペタン

男(あ、尻尾下がった。……諦めたね)

男「三毛は今言ったの我慢できる?」

橙「よゆーっすよっ!ぼく、どこにいたとおもってるんすかっ!」

男「それでも駄目。もし三毛が迷子になったら嫌だからね」

黒「そうだよ、三毛ちゃん。昨日も言ったけどそうなっちゃったら男兄さんも、私も、みーんな心配になっちゃうんだから」

黒「お姉ちゃんと、家で待ってよ?ね?」

橙「またそれっすか……むー……」

橙「わかったすよー……家でまってるっす」

男「そっか、ありがとう。いい子だな。三毛は」

橙「むー……」

男「黒、三毛のことお願いね」

黒「はいっ」

男「それじゃあ行ってくるから」

黒「はい。お気をつけて」

茶「……いってらっしゃい」

橙「……いってらっしゃいっす」

男「……もう少し落ち着いたら一緒に外行こう。な?」ナデナデ

橙「……約束っすよ?」

男「ああ。約束」

橙「……うん!」

柴「……いってらっしゃい。ご主人」ペタン

男「ああ。柴は俺のいない間、皆の事よろしくな」

男「頼れるのは柴しかいないからさ」

柴「……ああ。任せろっ!」ブンブン

男「いってきますっ!」

4人「いってらっしゃいっ」


白「ふーん。男、服買いに行くんだぁ」

白「……」

白「面白そうっ!」


バス停

男「街まで……バスと地下鉄で一時間くらい」

男「やっぱり住んでる所って田舎だよなぁ……」

男「俺以外に乗る人いないし」

男「……あ、バス来たな」

バス

男(席は……適当でいいか)

男「……遠いな」

発車します。ご注意くだ

プシュー ガラ

男(扉開いた……遅れてきた人いるのかな)


男(ちっちゃいな……それに男ものでだぶだぶの服……)

男(顔は……帽子を深くかぶってて見えない、か)

男(それにしても凄い格好だな……)

「……」すたすた

男(あ、こっちき)

「男っ!」

男「た……」

「えへへっ!」

男「し、白……」

白「来ちゃったっ♪」

男「な、なんで、ここにっ!?」

白「着いてきたのっ!」

男「つ、着いてきたって……周りに人なんか……」

白「うん。服着てた所為もあって男の事見失っちゃって。探し回って見つけたのがこれに入る少し前だったからっ」

男「な、なんでついてきたの……?」

白「おもしろそうだと思ったから。それと、二人きりならもっと面白くなるだろうなって思って♪」

男「……嘘だろ……」

白「うん?どうしたの?男」

男「……白」

白「な、なに?」

  〃〃∩  _, ,_
     ⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ジタバタ
         _, ,_
     〃〃(`Д´ ∩ < 喧嘩するのヤダヤダヤダ
        ⊂   (
          ヽ∩ つ  ジタバタ

    〃〃∩  _, ,_
     ⊂⌒( つД´) < 楽しくssみてくれなきゃヤダー
       `ヽ_ ノ ⊂ノ
              ジタバタ
       ∩
     ⊂⌒(  _, ,_) < 可愛い彼女ホスィ…
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ヒック...ヒック...
       ∩
     ⊂⌒(  _, ,_)
       `ヽ_つ ⊂ノ  zzz…


男「どうして着いてきた」

白「えと、その、だから……」

男「駄目だって解るだろう!?だから今までだって白のこと外に出して来なかったのに!」

白「う……」ビク

男「危ないんだ外は!変なとこに落ちたり、車に轢かれるかもしれないんだっ!」

男「それに今は人間だから……変な人に連れてかれたりするかもしれないっ!」

男「そんな事になったら俺は……」

白「……」

男「……お願いだからもうこんな勝手な事止めてくれ。そんな思いなんか俺は、もうしたくない」

白「……ごめん、なさい……」

男「いや……もういいよ。俺も声、荒げちゃったから」

男「ごめんね」

白「う、ううんっ!わ、私が全部、悪いから……」

白「ごめんなさい……」

男「……」

男「……もう勝手にこういう事しないって約束できる?」

白「うん……」

男「うん。じゃあこの話はお終いだ」

白「……いいの?」

男「うん。解ってくれたならもう十分だから」

白「……うん」

男「……白?」

白「……なに?」

ギュッ

白「あ……」

男「これから人がいっぱいいて、危ないとこに行くから」

男「絶対にこの手、放さないでね?」

白「それって……」

男「あと、その帽子も脱がない事」

男「見られたら、多分大変な事になると思うから」

男「ただでさえ白は髪の毛で人目に付くから、気をつけてね」

白「……うんっ!」

男(今のところパニックにもなって無いし……大丈夫だとは思うけど)

白「……えへへっ」

男(これから大変だな……)

男(……)

男(……というか)

男(俺がこんな小さい子連れ回して大丈夫なんだろうか)

男(通報されたりしないだろうか……)

男「どうしよう……」

白「?どうしたの?」

男「い、いや、なんでもないよ。あは、あはは……

男(何かいい方法……何かいい方法……)

男(そうだ!)

男(兄妹作戦だ!これなら年齢が離れた男女でも行ける筈!)

男「白っ」

白「え?なに?」

男「出掛ける間、俺のこと『お兄ちゃん』って呼んでくれない?」

白「お、お兄ちゃん?なんで?」

男「いや、世間の事情って言うかなんて言うか……」

男「ともかく、出かけてる間だけでいいんだっ。お願いっ!」

白「い、良いけど……。私は男の方がいいんだけどなぁ……」

白「……」

白「お兄ちゃん♪」

男「よしっ!!」

白「……やっぱり男の方が良いなぁ」

男「ちょっとの間だからさ。家に戻ったらいつも通りでいいから」

白「うん。わかった……」

白「お兄ちゃん♪」

男「よし来た!」

白「……まぁ男が喜んでくれてるならいいけどさ……」

白「あ、お兄ちゃんあれなぁに?」

男「んー?あれかぁー?あれはねぇー?」


男(……)

男(今の方がよっぽど世間的に危ない人なんじゃないだろうか……)

男(考えるな。考えたら負けだ……)

―――――



男(降りるとき車掌さんに凄い目で見られました……)

白「すっごい……人が一杯だね、お兄ちゃんっ!」

男「そうだねぇー一杯だねぇー」

白「……大丈夫?男?」

男「あ、うん。大丈夫」

白「やっぱり『お兄ちゃん』って言うのやめる?」

男「い、いや大事なのここからだからさ、嫌かもしれないけどもうちょっと頑張って」

白「……わかった」

白「お兄ちゃんっ」

男「……そ、それじゃあ行こうか」

白「うんっ!」

駅のホーム

男「ここからホントに人いっぱいになって、はぐれやすくなるからね」

男「手、絶対に離さないで」

白「う、うん……」

男「……大丈夫?怖くなったりしてない?」

白「だ、大丈夫だよっ!」

白「だって、お兄ちゃんが手を握ってくれてるんだもんっ」

男「……」

白「お兄ちゃん?」

男「あ、うん。駄目だったらすぐ言ってね。なんとかするから」

白「うんっ」

―――――

男「人、増えてきたな……大丈夫?白」

白「う、うん。大丈夫……」

男(そうは言っても……あんま顔色良くないな)

男「もうちょっとで降りるとこだから我慢してね」

白「うん……」

白「ねぇおと、……お兄ちゃん」

男「うん?」

白「お兄ちゃんって、いつもこんなところに入ったりしてるの?」

男「そうだね。狭いけど、移動とかはこれが便利だから」

白「そっかぁ……お兄ちゃんって、人間って凄いんだね……」

男「白も慣れれば、何ともなくなると思うよ」

白「そうかな……」

男「白も今は人間なんだからね」

白「そう、だよね……」

白「今は全然そんな風になれるなんて思えないけど、ねっ……」

男「俺も最初は白みたいな感じだったよ。人の多さに目を回してた」

男「でも今はこうやって、ね?」

白「うん……」

白「ねぇ、お兄ちゃん」

男「うん?」

白「着くまで、ぎゅっとしてて、いい?」

白「……やっぱり、ちょっと怖いから……」

男「うん。もちろん」

ギュッ

白「……」

男「よしよし」ナデナデ

男(やっぱりこうなちゃうか……だから連れてきたくなかったんだよな……)

男(でも、パニック起こして暴れないだけ全然いいかな……良くは無いけど)

男「……」

白「……」カタカタ

男(早く着いてくれよ……)ナデナデ

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