男「知らないアプリが入ってた」 (65)



男「アプリ整理してたら見覚えのないアプリが入ってた」

男「…なんだろこれ、『Dream』ドリーム…夢?」

男「どんなのだっけ?見てみよ」

タッチ

男「画面真っ黒だ…ロード…か?」



   夢を   

   

      見ますか?
   

               』

男「ん?…」




  はい


 
  いいえ





               』

男「…はい」

タッチ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385464428



『 夢を…見ます。

 ジャンルを選んでください

 殺される夢

 殺す夢

 死ぬ夢

 死なない夢

 生きる夢

 生きない夢

 死んでる夢

 悪夢

 淫夢
            』

男「淫夢」

タッチ

『  悪夢…ですね  』

男「やべぇ、タッチ画面壊れてた」


フワァ


男「ん…あれ……なんだ、まじで…ねむ……クカァーー」




━━━━

━━━━


男「……は!」

男「こ、ここは……」

辺りは見渡す限り真っ暗な空間。
そもそも空間かさえもわからない。辺りが何も見えない。
だが自分の周りだけは光が差し込んでいるかのように明るい。
それでも両手を広げれば手首から先が見えなくなるほどに狭い空間ではある。
手を広げて手首だけが光の外へ出るとそこは凍るように冷たい空気が吹いていた。


男「さっむ!つめた!」

手を見ると青紫色になっていた。

男「な、なんだ…」

先程まで人の色をしていたが一瞬にして充血したかのように腫れ、色が変わっていた。

男「なんで…ここは一体」

ぱっ!と一瞬にして周りが明るくなる。
反射で目を閉じたが、目に来る光の痛みはなく、すぐに目を開くことができた。

男「…これは」

光が灯った場所は広い何もない空間だった。
空間と呼ぶには広すぎる。壁や天井が見当たらない。
でも確かに天井と呼べるものが存在する。
考えているうちに頭が痛くなったのでとりあえず歩くことにした。
相変わらず両手を広げると手首から先だけが冷たい・


あれから何時間…いや、何日位歩いたのだろう。
まったく疲れない。
いや疲れてはいる。でも身体じゃなく精神的な方。

男「…おれなんでこんな所にいるんだっけ」

…………。

男「そうだ、確かアプリのあれで……夢…そう!これは夢だ!」

フラァ

男「うっ…まためまいが……ま…た?」

ばたんっ


男「………あれ?俺何して」

男「ん?…ドリーム……夢……なんだっけ?」



  おかえりなさい


            』

男「ギャルゲか?」


   夢  





        見る?
              』


男「…夢……」


『殺される夢

 殺す夢

 死ぬ夢

 死なない夢

 生きる夢

 生きない夢

 死んでる夢

 ━━━ いい夢

 淫夢

         』

男「ん?なんか横線はいってる」

男「…だめだ、横線はタッチしても意味ない」

男「ん~……淫夢だろ、男のロマン」

タッチ





  変態さん

      

   いいわよ、見る?
      

      見るならもう一回タッチ  』


男「な!……み、みてやるよ!」

タッチ


フワァ

男「ん……甘い匂い」クンクン


バタンッ


━━━━
━━━━


男「……ん~やわらかい」

ペロッ

男「うひゃん!…な、なに!?」

顔を上げるとそこには白いシャツに水着にパレオを付けて正座をして
こちらを見上げてくる茶髪で少し巻かれているやわらかそうなロングヘアーのかわいいお姉さん
がいた。

男「……俺膝枕されてた!?」

お姉さんは一つ頭を縦に上下させた。

男「いやっふううううううう」


お姉さんは自分の膝を軽くポンポンと叩いてもう一度膝枕をしてあげると示す。

男「ありがとうございます!」

頬に当たるやわらかい感触。すべすべ。
そして耳に弾に当たるしっとりとした重みのあるやわらかい物。

そして足の先からじっくり、ゆっくり指先でなぞられるように上がってくる感触。

男「オッオッホォォオオオ」

なぞられる感触は太ももの中心より少し上あたりでとまり、ペタッと掌で触られる感触。
下を向くとジャージの上着にパンツをはいただけのサイドテール少女。
ジャージの中は暗くて見えないが、胸の谷間だけはしっかり見えている。

少女が大勢を下へと下すと太ももに押し付けられる圧。

息子が反応した。

少女はこちらを見てにやりと笑い半ズボンの隙間から細い腕を中へと潜り込ませる。


男「…あ……そ、それは…!」

少女は服をめくりへその横辺りを舐め、吸憂う時にちゅぱちゅぱと音を立てては
自分の唾液を少量たらし下で広げるようにしてまた舐め、吸う。

ズボンの中の腕は中心へと至り、イチモツをやわらかく包み込み
揉み士抱くように玉袋をさする。
そして撫でるように上へと手を持っていき固くなったソレを握りしめ上下させる。
我慢できず声をだすとお姉さんが自分の口の中に人差し指と中指を入れて
唾液を巻き付かせた指を男の口に運び数秒口の中を撫でまわすと再び自分の口へ指を運び
先程とは違う、男に見せるように指をなめ始めた。
男の額には舐めているお姉さんの唾液が落ちる。
それを見たお姉さんは前かがみになり額をペロッと舐めながら襟の中から服に手を入れ
乳首をはじいたりつまんだり撫でまわしたりして遊んでいる。


男(夢みたい…)

グッタリッ


━━━━
━━━━


男「……は!」

ブーブーブー

男「あ、…電話?…じゃないや…ドリーム」

『ごちそう様』

男「は?」

『       』

男「あ…」

男「アプリ強制終了した」

男「だが開く、もう一度あの夢を……あれ?どんな夢だ?」

タッチ

『「Dream」はただ今メンテナンス中です。後日お試しください。』

男「なんやねん!」


翌日。学校


ガララララ

男「おーはよーーー」

友「テンション高いな…月曜日なのに」

男「なんか清々しい!」

女「あ、男~おっぱ~」ボイン

男「おっす~」

友「……え」

女「うそ…だろ」

男「え、なにが?」

友「お前、いつもなら最後に『い』っていうだろ!」

女「そうだ!私がおっぱ~っていったらお前が『い』で終わらせるのが私たちのあいさつ!」

友「それで俺が『お前らwww』ってわらう!」

友・女「「それが俺達私達!」」

男「…いや、二人でゲッツされても」

女「そこじゃなーーーーい!!」


友「さてはお前…朝ヌいてきたな!」

女「……」スンスン

女「イカの臭いがぷんっぷんするぜぇ!」

友「なるほど…賢者だったか」

女「あ、イカはお前からだ」

友「   」

女「お前マジかよ」

友「う、うるせー!夢精なんて制御できるかよ!」

ザワザワザワ

ヨモッテムセイスンノ?ダセーwww
トモクンアンナカオデソンナ… ドウリデマイニチクサイワケダ ウホッ♡

友「おい!最後!だれだゴリラ!おら!てか俺毎朝くさかったのかよ!」


ガラララ

先生「はーい、お前らくだらない話は後にして席つけー」

ハーイ

男「さ、席に着いた付いた」

女「真相は俺が暴く!ばっちゃんの名に懸けて!」

友「んじゃ俺じっちゃんのなにかける」

━━━

それから時は流れ放課後。
屋上。

個々の屋上には人工芝生と土をわざわざ運んできてまで作った園庭が混在している。
男はいま園庭の芝生に寝そべっていた。


男「…ドリーム」

タッチ

『  まだ、無理  』

アプリは強制終了した。

男「……」

タッチ

『  まだ無理だよ  』

画面がホームに戻り、アプリは強制終了した。

男「……はぁ」

ピロリン

男「ん?通知?」

『 午後18時     からで    す 』

男「ん?」

通知をスライドして通知が来たアプリを開く。
画面は黒のロード画面からホームに強制的に戻された。

男「…なんだ?」


女「なんだかんだと聞かれたら!」

友「こたえてやるのが世の情け」

女「おんな!」

友「とも!」

バァーーーーンッ!

友「なにがあった…友よ」

男「ん……あぁ、お前らか」

女「おっぱ」

男「……女子がそういうこと言うもんじゃないぞ…下品だ」

女「!?」

友「病気だ…こいつ病気だ!」


男「…なんだそれ」

男「あー、今日は帰るわ」

友「え、あ、おう…お大事に」

女「また明日な…な?」

男「おう~」


男は二人に背を向けて扉の向こうへと去って行った。


女「あいつ……おかしいよやっぱ」

友「なんか憑かれてる…てきな?」

女「いや、本当そんな感じ」


男自宅。
午後六時。


男「…六時…」

タッチ

『  夢を見ますか?  』

男「はい」タッチ

『殺される夢

 殺す夢

 死ぬ夢

 死なない夢

 生きる夢

 生きない夢   ━━━━
 
 死んでる夢

 ━━━ いい夢

 ━━━ さっぱりな夢

      
               』

男「…ん?…生きない夢の隣ってなんだ?」

今日はこのへんで終わります

何なら次どの夢か案でもだしてくれるとありがたいかなーとかとか
アプリ系の不思議話って流行ってた(過去に)気がするので…たぶん気のせいだけど
書いてみたくなったので即興なのでgdgdですがどうかお許しを…ーー

次回更新は明日か明後日かその次(明後日の次ってなんなんですかね)
まぁ、たぶん明日です。米残してくれると書く意欲沸くのでどうか。
すぐ調子に乗るのでほめてはいけません(褒められるとも思ってません)よ。

長々失礼。だはまたノシ


男「あぁ、やっぱり押せないのか…」

男「ま、いいかなんでも」

タッチ

『生きない夢   ですね
                 』


フワァ

男「おっと…」クラッ

ガクッ


━━━
━━━


ドクン……ドクン……。

鼓動が鳴っている…どこから?
聞こえてくるのは上……だれかがいるのだろうか…わからない
見えない…なんだろう微かに明るい…けれど暗い。
ここは何処だろう…赤く、黒い…これは
見覚えがある気がする…どこか懐かしく落ち着く場所…見覚えはある気がする。でも思い出せない。

「━━━━!」

あぁ、母さんの声……そうか、ここは母さんの腹の中…腹?なんで?

「いらないわよ!こんな子!私は男の子なんて欲しくないの!」

なんだよそれ…なんで俺がここに居るのにそんなこと言うんだよ
あぁ、そうか…俺はまだ生まれる前の記憶の中にいるんだ……はは
そんなふうに思ってたんだ…。

「~~~!」

あぁ、父さんの声だ…遠くてなんも聞こえない…けど怒ってる感じだ
……母さんに嫌われて生まれた子供か……はは


なんで俺生まれちゃったんだろうな…


なんで俺今まで生きてきたんだろ…わかんないな


━━━
━━━


パチ

男「………」

目を覚ますとそこには見慣れた電気がぶら下がっている木目の天井が映った。

男「……記憶が鮮明にある」

ブーブー  ブーブー

男「……」


手に持っていたスマホの倍部に反応して熱転がっている自分の目の前。頭上へともってきて
視線をスマホにうつす。

『おかえりなさい   
  

      夢は   ミレタ?  
  

         まだ     ミ る?

                       』


男「……」


『殺される夢

 殺す夢

 死ぬ夢

 死なない夢 ━━━━

 生きる夢

 ━━━━   想像具現夢
 
 死んでる夢

 ━━━ いい夢

 ━━━ さっぱりな夢

      
               』

男「想像具現…か」

男「………死ぬ夢で」

タッチ

男「………あれ?」

『  
       イイ   の?

                』

男「…イエス」

タッチ



クラッ   バタンッ


━━━
━━━


男「……」パチッ

目を開けると先程同様、自分の部屋の天井が目に入った。
体をお越し周りを見回しても先程までスマホ片手に寝ていた状態と変わりない。
だが数か所違う点があった。

男「スマホ…がない」

男「時計が…」

秒針の代わりに長針がスーー、と回転している。

男「……」

ドタドタドタ、と階段を上り、廊下を小走りで走り回る音がこだましている。
音は男の部屋の前に来ると同時にぴたりと止まった。
代わりに息を荒げた音が壁越しに伝わってくる。
この呼吸の仕方は疲れとも違う。聞こえてくる呼吸から伝わるのは…焦り、戸惑い。
呼吸に混じり聞こえてくるのは何やらつぶやく女性の声……母の声だ。

男「……母さん?」

がたっ、と床を踏み込む音がなり、呼吸の音は徐々に引いていった。
コンコン、ドアが叩かれ返事をする間もなく母さんが入ってきた。


男「どうしたのかあさ━━━」

母の両手は背後に隠れていてよく見えなかった。
だから警戒なんてしていなかった……誰が母に殺されると想像するか。
創作の中でなら見たことがあるがまさか自分の身に起こるとは思わないだろう。

そう…母の隠れた手には果物包丁が握られていた。
その包丁が電気に照らされ煌めくさまを見たのは自分が床に倒れ、首から血が噴き出てる様を立てかけてあった
鏡で見たすぐ後の事だった。

不思議と痛みはない。
体の奥底からこみあげてくるそれは恐怖。そして悲しみ。
親に殺されたという事実。それを思うだけで悲しくなる。
涙が出る。
この涙はなんだろう?痛み?悲しみ?恐怖?
もう考えることすらままならない。
母さんが何かを言っている…なんだろう…ねぇ?何を言ってるの?聞こえないよ…

「妹ができたのよ…だからあなたはもういらない」

妹?俺に妹なんて……あぁ、そうか。母さんは女の子が欲しかったんだもんね…
俺なんか所詮変わりでしかなかったんだよな…

そう思うと不思議と悲しくはなくなった。
代わりの感情がそれよりも深く、濃い物として露になった。


憎い!憎い!!俺を殺したこの女が憎い!代わりとしか思っていない、自分をただの人形としか思っていない
このくそ女が憎い!殺したいほどに憎い!!!

だけど体はもう動かない。
あぁ、最後に一言言ってやりたかった。
この女に一言。

「いままでありがとう」と。憎いけど母親なんだ…と分かっているからこそ…そうしか言えなかった。
せめてこの言葉が言えたならこの女は後悔で苦しんでくれると信じていた。

だから俺は言った

男「あ……り…がと……いま……ま……で」

自分の死に顔はいつものように寝ているように綺麗な物だった。
自分で自分の死に顔を見るなんて思いもしなかった……


━━━━
━━━━

目が覚めるとやはりいつもと変わらぬ自分の部屋。
物が乱立するわけでもなく、整理されているわけでもない、そこそこ綺麗な部屋。
鏡には傷一つない肌の自分が映っていた。

男「……」

ブーブー ブーブー

『 おかえり   

        あと一回    見る?  

                       』


男「……ノー」タッチ

『  アプリを終了ります………。  』

スマホの画面はブラックアウトしてホーム画面へと戻った。
アプリを再度タッチしてアプリを起動させる。

『  アプリはメンテナンス中です  』

再びブラックアウトしてホーム画面へと戻される。

男「………」

部屋には「カチッカチッ」と、時計の音だけが鳴り響いている。
時計の時刻は午後の十一時をさしている。


男「…頭が痛い…」

ずきずきと指すような痛みに頭を押さえながら布団へと移動し、
布団へつき、就寝する。


◆   ◇   ◆

━━夢とは人が心の奥底で思っている事が夢として見ることがあると一節では言われている。
その奥そこの事を自在に操れればどうだろう?
見たい夢を自由に決められる…画期的な発明ではないだろうか?
それも時間を惜しまない。
人が一日一度は必要とする睡眠の時間に、体を休めることと同時に行えるのだ。
そんなことができたら人は休みながら更に楽しいことが味わえる。

だが人の思考を簡単にいじれるわけはなかった。

何事にも対価は必要なのだ。

そう、対価が。


今日は終りにします~

一度の投稿から二日三日四日をめどに投稿していこうと思います。
何も考えず本当に暇なときにのみ投稿しているのであしからず。

終わり方は考えてますので飽きたら無理やりにでも終わらせたい(とか言ってきちんとしていないと嫌な性格なのでそれはないかな)
では見てくれてる方、支援してくれた方ありがとうです。

また、コメントなど直してほしいところなどあれば行ってくだされば幸いです。
ではまた後日。ノシ



目がさめる。
頭はさえないまま洗面所へ行き、トイレを済ませ手を洗い顔を洗いうがいをして朝ごはんを取る。
毎日やっている事で自然に体が覚えて動くようになった。

男「おはよう」

母「おはよ……どうしたの?顔色悪いけど」

妹「夜中までゲームでもやってたんじゃないの?」

母「それはあんたでしょ」

妹「そうですがなにか?」

男「いただきます」パクパク

母「……あれ」

妹「兄さんのつっこみが飛んでこない」

男「ごひほうさも」

母「あら、もういいの?」

男「いってきます」



妹「兄さんなんか…ここに在らずって感じ」

母「反抗期かしら」アラアラ


学校━━

学校の席に着くと周りの人たちが一つの話で盛り上がっていた。
その話がどんなのかよく覚えていない…聞き取れなかったのかもしれない。
でも一つだけ聞き取れた言葉。
『Dream』

あのアプリか……

ふと何かが頭をよぎった。
何かを言われた気がした。

なんだろう…だめ?そう、誰かが俺に向かってダメと言っているんだ。
誰だろう?顔は分からない…でも声ははっきりと俺の耳に届く。

考えを遮るかのように教室の扉をガラガラと音を立てて教師が入ってくる。


先生「はいはーい、今日はお前らの楽しみを用意したぞ」

この先生は学校でも有数の嫌われ者。
人柄も授業もそこらの教師よりははるかに面白く人気。
だが一つだけ欠点があるとすれば、

先生「抜き打ちテストだ~今回は少し簡単にしといたぞ」

抜き打ちテスト。
前触れも予告もなく教室に入ってきた瞬間に手に持った紙の束を見せびらかして生徒の気力を奪う。
この教師が嫌われている理由がこれだ。
だが普段は温厚で器の広い人だからか生徒は嫌いとは言うが心の中ではいい先生と思っている。

テスト用紙を前から後ろに配り終えると時計を見て「十分でやるように」そういって
手を一回叩きテストを開始した。
生徒はこんなことにはもう慣れてしまったのか誰も文句を言わない。


十分たち、教師が再び手を叩く。
数秒のラグがあったが皆ほぼ一斉に手を置いた。
教師は答えの書かれた紙をみながら黒板へと問題、その下に答えを書いていく。
この抜き打ちテストはすぐにその場で採点(自分で)をするのだ。
残りの余った時間で間違った所をわかりやすく先生が教えてくれる。
この点でこの教師は人気である。

先生「さって、平均点が70って所か。優秀で何より」

先生「にしても男が満点を逃すなんて珍しいな。何かあったか?」

男「いえ…ただ考え事を」

先生「テスト中はテストに集中してくれよ…まぁ、いいけど」

テスト用紙を回収する際に丸の数を見て驚いた顔をした教師はそれだけ言って他の人の用紙も
集めて教卓へと戻る。
ちょうどチャイムが鳴り授業時間が終わる。
二時限目が終わり、十分程度の休憩時間に入る。


ブーブーブー

ズボンの右ポケットに入れていた携帯のバイブが鳴り
特に慌てるわけでもなく普通に取り出し画面を見る。

『  メンテナンス  終り


       夢を   見ますか?

                   ・yes ・no   』

男「……いえす」タッチ

視界が揺らいでいく。
机に腕を乗っけて腕に顔を乗っけて眠る形となる。


男「ん……あれ?」

男「ここは」

目を開けるとそこはいつもと変わらない教室があった。

ただ、そこには教室の真ん中に机がありそこに自分が寝ているだけ。
他の机はなく、教室の外は扉のガラス越しだが真っ黒。
時々目の様な物がこちらを見てまた瞼を閉じるようにしている。

男「……」

反対側、外。
窓をみると夕焼けが広がっている。
机から立ち上がり外を覗き込むと校庭には学生が数十人歩いている。下校だろうか?

振り返り廊下の方を見ると先程まで黒かった扉の外が不通に戻っていた。
戻っていたのは前の席の方の扉。後ろの方はまだ真っ黒なままだ。

扉の前に行き外を覗き込む。

何もない。

扉に手を掛け横に引く。
ガラガラガラと音を立て扉が開く。
顔だけをのぞかせて周りをみる、後ろの扉の前に黒いでかい黒いビニール袋の中にでも入っているのだろうかと思えるほどの
大きな黒光りする物体が音を立てず教室の扉に張り付いている。
しばらく見ているとこちらにきずいたのかこちらへゆっくり振り向く。
顔はないが手のひらサイズの目玉がこちらをとらえた。

やばい!

そう思ってすぐに扉を閉め鍵をして窓から見られないように体制を低くした。
やはり、と言うか何というか、あの物体はこちらに歩いて(?)きて扉を勢いよく叩いている。

このままでは扉が持たない。そう思って後ろの扉をゆっくり開けてすぐ横にある階段へと小走りで向かい、音を極力立てないように
靴を脱ぎ靴下の状態で階段から駆け降りる。
上の階と下の階の中間の階段の窓から上を見ると黒い奴の目は自分をとらえていた。
目を細めこちらを見てきた。
背筋が凍る感覚が襲い掛かってきた。
瞬間、瞬きをした。
目を開けると奴の身体は視界にはなく、反射したガラスに映っていた。
奴が立っているのは階段の上。
振り向くことはせず必死に階段を駆け下りる。


階段を下りると友の姿があり声を掛けようとして手を挙げた瞬間。
奴の身体は友の後ろにあった。
俺はとっさに叫んだ。友達の名を。

声は「バギッ」と言う音に殺された。
あと一歩前に出て手を伸ばせば届く距離から血飛沫が頬にとびちってくる。

男「…あ……アァア」

黒い奴はこちらを見て再び目を細める。
今度は職免から近寄ってくる。
口はない。が、確かに奴の身体に引きずりこまれていく友達の身体を見て逃げることを選択した。
階段を下りていると上から「ボテ、ボテ」と何かが段差に叩き付けられている音が聞こえながら近づいてきた。

サイトなおったんですね

音は直ぐに止んだ。
おそるおそる階段の上を除いたが黒い奴はいなかった。
その代り階段の上に誰かが立ってこちらを見ていた。逆光と言うわけではないが人の顔は黒く塗られた様に真っ暗で見えなかった。
ボテッ、再び音がした。
慌てて降りようとして階段の手すりに手を掛け、会談の一段目に足をかけた。
視線は自然と奴をとらえていた。
お腹のあたりに食われたまんまの友人の顔がこちらを見ていた。

男「…!く、くるな!!」

そういうとずりずりと階段を上ってきていた動きが止まった。

いきなり止まった奴の動きに一瞬戸惑ったがすぐに我に戻り降りてきた階段を駆け上がり反対側にある階段へと走った。

男「はあ…はぁ、な、なんだよあいつ…!」

暫く走っているとふと頭に疑問がよぎった。

(俺何時まで廊下走ってるんだ…?)

そんなに走っていないのは確かだ。だがそれは外でならばの話。
ここは校内。俺は曲がらずずっと走っていた。普通なら壁にぶつかってもいい距離を走った感覚がある。
そう考えながら走っていると徐々に息が切れてきたので足をゆっくりと止め壁に手をついて軽く体重を預け
深呼吸を一回、二回として辺りを見回してみた。

予想通り、やつは来ていた。
だが先程までの物体ではなく先程見た階段の上に居た奴だ。
暫く凝視していると人型の奴はこちらに両腕を向け手首から先をダラン、とたらし手の甲をこちらに向けて
ゆっくりと走ってきた。
最初は後ずさりで逃げれる速度だったが三歩、四歩、と言ったあたりから徐々に早くなって行き
今は息が切れている事も忘れて校内を永遠と走っている。
やつも息が切れてきたのか、少し速度が落ちてきていた。

男「はっはっは…はぁ…!まだくんのかよ!」

頭をぐらぐら揺らしながら安定のしない走り方をする奴を尻目に距離をはなしていく。
後ろに向けていた視線を前に戻すと壁ギリギリに迫っていたので急停止をして壁に両手を付き、壁を押すようにして
反動で方向転換をした。

男「うわぁああ!!!」

向きを変えた瞬間、の中心が真っ暗になって何かに当たり尻餅をつくように倒れこんだ。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom