エレン「ミカ荘・・・?」(233)

現代パロディ。キャラ崩壊有です。


両親が死んで、遺産目当てで親戚が寄ってくる。そんな毎日に嫌気がさした俺、元フリーターのエレン・イェーガーは全く知らない土地をトボトボと歩いていた。

エレン「何も考えないで出たからな・・・住むところも考えてねぇ・・・仕方ねぇ・・・今日はビジネスホテルにでも泊まるしか・・・」

エレン「ん?」

『ミカ荘 即日入居可。朝夜ご飯付。敷金礼金無。家賃(光熱費諸々)、月5万』

エレン「ななな・・・なんだこれは!!?」

エレン「あ、怪しいくらいに好条件すぎる・・・!」

エレン「と、とりあえず話だけでも・・・!」

エレン「大家さんは・・・あの人か?」

庭で誰かが箒を掃いている。黒髪が綺麗な女性だ。

エレン「あのー・・・」

「・・・どなた?」

エレン「外の張り紙みたんですけど・・・」

「! 新規入居者・・・!」ガシッ

エレン「うわっ!?」

物凄い速さで女性は近づいてきて両手で右手を包み込んだ。長い間掃き掃除をしていたのか手は冷えていた。

「大家のミカサ・・・よろしく」ペコリ

エレン「エレンです・・・よろしく」ペコリ

ミカサ、といったか。第一印象は暗い女性だな。と思った。

ミカサ「荷物、持とうか?」

エレン「いや、大丈夫だ」

グイッと荷物を持ち直してミカサに着いていく。

ミカサ「とりあえず貴方の部屋だけ案内しよう。丁度1室あいていた。」

エレン「おぉ~よかったぁ~・・・」

そういって靴を脱ぎ、棚に並べると廊下を少し歩いて階段を上る。2階になるのだろうか。だとしたら少し嬉しい。高いところから見る風景は嫌いじゃない。

ミカサ「ここ」

エレン「」ゴクリ

木製のドアに捻じ込まれている鉄製のノブを引く、どうやらカギは掛けていなかったらしい。

エレン「おぉ・・・!」

予想以上に広い。9畳はありそうだ。正直、6畳、いや、それ以下だって覚悟していた。
あまりにも好条件すぎる。いいのか、ミカ荘。

まさか・・・

エレン「あの・・・本当に外の張り紙通り・・・」

ミカサ「大丈夫、外の張り紙通り、私は嘘が嫌い。」

エレン「そ、そっか・・・」ホッ

今日はここまで
長くなりそうだけど完結目指して頑張ろう

こんばんは、基本バイト終わりに書きにきます。
では始めます

ミカサ「晩御飯は7時30分から、それまで少しあるからゆっくりしているといい」

ミカサ「自己紹介もするから考えといて」

ドアから半身だけ出して俺にそう告げた後、フェードアウトしていったミカサ。
持っていた荷物を足元に下ろし、適当に広げてみる。

うん、片付けは明日にしよう。

風呂入ってきます。しばし待たれよ。

ただいも

パタパタ

エレン「ん?」

足音が聞こえる。そういえばドアは開きっぱなしだった。

「あ!本当に新しい人来たんだ!」

ひょこっとドアから金髪の子が顔を出した。

エレン「あ、どうも・・・今日からここで住むエレンといいます・・・」

「敬語なんていいよ!ムズムズしちゃうからさ!僕はアルミン。アルミン・アルレルト」

エレン「おう、ありがとな。よろしく、アルミン」

アルミン「・・・!」

アルミン「君は・・・僕が男か女かわかるのかい・・・!?」

エレン「はぁ?何言ってんだ?アルミンは男じゃないのか?」

アルミン「うわあああああああああああ」ギュッ

エレン「はぁ!?なんだ一体!?」

アルミン「初対面で僕が男だと気づいてくれたのは君くらいだよ!!ありがとうエレン!!」

エレン「あ、ああ・・・」

エレン(言われてみたら女に見えてきたな・・・だまっとこ)

アルミン「・・・コホン」

アルミン「多分、他のみんなは部屋にいるけどご飯の時まで出てこないと思うしゆっくりしててもいいと思うよ」

それミカサも言ってたな。

アルミン「食堂っていうか居間は、階段を下りて右の部屋だからね」

お、それは初耳だ!

エレン「助かったアルミン。ありがとう!」

アルミン「ふふ、エレンとは一番仲良くやっていけそうだよ」

喜々として笑っているアルミンを見ると俺も自然と頬が緩んできた。
きっと根っからいい奴なんだと思う。

アルミン「じゃあ、僕は右の1室挟んだ部屋に住んでるから、何かあったら気にせず戸を叩いてね。」

アルミン「勿論、只の暇つぶしでも構わないからね!」

そういってアルミンは部屋を出て行った。
うーむ、ここに来て早速友達を一人作ってしまった。調子がいいな。

ここに住んでる人みんながアルミンみたいないい人だったらいいなぁ。

エレン「さ、諦めて少しでも片付けをしますかね」

袖を上げて、俺は片付けに取り掛かることにした。

――――


エレン「・・・んあ?」

エレン「ここは・・・ああ、そうだったな」

いつの間にか寝ていた。
知らない天井を見つめること1秒足らずで今までの経緯を思い出す。

遅れて時計を見てみると。短い針は7を少し過ぎていた。

エレン「丁度いいかもな・・・」

枕代わりにしていたバッグから頭を離して、2、3回服を叩く。
アルミンの言っていた言葉をもう一度反芻しながら、俺は廊下へと移動した。


エレン「階段を下りた~右だっけ?」

1段、1段下に下る。
もしかしたら、もう誰か知らない人が来ているかもしれない。

そう思った瞬間、緊張して足が動かなくなった。

「ワハハハハ!!」

ビクッと身体が震えた。知らない声だ。
今までの2人は自然な形・・・というか向こうから話しかけてきてくれた。

自分から接しに行くのはこれが初めてになるのか・・・よし

深呼吸をして足を1歩、踏み下ろそうとした瞬間だった。

「ふー、ちょいトイレ・・・お?」

食堂らしき部屋から金髪で大柄の男が出てきた。
如何にもリング上でヒールとしてイカしたパンツを履いて大技を決めてそうな男だ。恐い。

男は俺を見てニヤリと笑うと右手をサッと出してきた。

「話は聞いてるぜ、エレン。俺はライナー・ブラウン。テキトーにライナーとでも呼んでくれ」

イメージがプロレスのヒールから爽やかラグビー部に一瞬で変わった。
気さくでとてもいい奴だった。

ライナー「俺は歳はお前とはあんまり変わらないとは思うがー・・・あ、こういうのは自己紹介の時にすればいいのか。ハハハ」

やはり爽やかだ。屈強な体格からは信じられないくらいの爽やかさがある。

ライナー「心配すんな。みんないい奴だからな。」

そう言って俺の肩を叩くと、「トイレに行くんだった」といって俺の横を通り過ぎていった。

彼が曲がり角で消えるのを目視してから、俺は意を決して、彼の言葉を信じて食堂へ入る。

エレン「へぇ・・・!」

食堂、というより居間という感じ。
縁側へ抜ける襖の上には「協調」の文字が書かれた看板。キッチンへ続いているのだろうもう一つの襖の隣には部屋には似合わない大型の液晶テレビが置いてあった。
液晶テレビには今、人気のバラエティー番組が流れている。

そして居間の中心に置かれている大きな机。その周りに置かれている座布団の上には既に何人か座っている。

「お、新参者の登場かー!」
「こら、ユミル。新参者とか言わない!」
「ご飯まだですかね!?」
「ハハハ・・・、相変わらずだね、サシャ」
アルミン「待ってたよ、エレン!」

う・・・当たり前だけど知らない人達ばかりだ・・・!
俺はペコリと頭を下げると、丁度空いていたアルミンの隣の座布団に腰を下ろした。

短いけど今日もここまで
やっぱ地の文が多くなっちゃいますね、ごめんなさい。
おやすミン

ただいも。コールして風呂入ってから書きにきます。

年齢はエレンを20としてそこから原作と同じ年齢差として考えてます。
別に21歳でも何歳でもそこまで変わらないと思うのでお好きな年齢を想像していただけたら嬉しいです。

リヴァイ班のみんなは原作の年齢差を把握していないので2、3歳差と想定して書きますので悪しからず。

更に付け加えると、リヴァイ27歳。ハンジ27歳。エルヴィン29歳と考えちゃってます。
こちらも原作の細かい年齢は把握してないです。ごめんなさい。

ただいも

「お、いきなりその席とは新参君やるねー」

ビクッと身体が震えた。何かヤバい席にでも座ってしまったか?
いや、このミカ荘の食事時には何か席に関する暗黙の了解でもあったか?

何にせよ、とりあえず席を変えたほうがいい。

エレン「すみませんっ!すぐ席を――」

と言いかけたとき隣のアルミンが肩を叩いて「大丈夫、問題ないよ!」と制止させてきた。
その言葉に一瞬固まるが、何か気を使わせているのかもしれないので「いや、大丈夫だ」とだけ返して席を立った。

「やめなよユミル!エレン君が困ってるじゃない!」

ユミルと言われた彼女。髪は短くソバカスが特徴的な女性だ。
何か性根が悪そうな顔つきなのは見間違いではないだろう。

ユミル「ごめんごめん、結局君が座るところはそこしかないんだ。気にせず座ってくれよ」

男勝りな口調に押されつつ、再度俺は腰を下ろす。
クソ、遊ばれてるのか俺は。

ユミル「ってか飯まだかよー!?ミカさんー!?」

ミカさん?多分、大家のミカサのことを言っているのかな?

ミカサ「聞こえてる。まだあるから手伝って」

襖の間からミカサがおぼんに茶碗を乗せて入ってくる。
やっぱりミカさんはミカサのことだったのか。あだ名みたいなものかな?だったら俺もそう呼ぶことにしよう。

「あ、じゃあ私持ってくるね」

金髪の女の子が立ち上がり、先程ミカさんがいたと思われる部屋(キッチン?)に入っていった。

「今日っのごっはんは~!?」

茶髪の女性が食い気味に茶碗を覗き込む。

「残念、これは只の汁物。」

フフッと笑ったミカさんはお盆を机に下ろしてキッチンへ戻っていった。

「はいはい」
「へいへい」

そこからバケツリレーの様に茶碗が回ってくる。
俺も倣って茶碗を回そうとアルミンの方を向いたが、アルミンの目の前には既に汁物が置いてあった。

エレン「あ、もうこっち大丈夫です」

そう言うとユミルは「オッケー」とだけ返して茶碗を自分の目の前へ置いた。

「フフフ・・・驚くことなかれ・・・!」

襖の間からさっきの金髪の女の子が自信ありげに顔を出す。

「今日はなんと・・・」

彼女の脳内ではドラムロールでも再生されているのだろうか、勿体ぶって一向に晩御飯の正体を明かそうとしない。

「すき焼き」

耐えきれなかったのか背後でミカさんがボソッと呟くと、茶髪の女性とソバカスの女性が席を立って叫びだす。

「うおおおおおおおお!!!」
「すき焼きですううううううううう!!!」

「あははは・・・」
「ははは・・・」

彼女達とのテンションとは反比例して男性陣の盛り上がりは低い様だ。

「お?どうしたどうした?」

そこにライナーっていったっけ?金髪の屈強な体格のラガーマン(正確にはそうじゃない)が部屋に入ってきた。

「今日のご飯はすき焼きだよっ!」

金髪の女の子がそう言う。
さて、彼はどっち側の反応をするのだろうか。

「結婚しよおおおおおおお!!!」

どっちだ。

ライナー「すき焼き!!うおおおおおお!!」

エレン「なぁ、今、一瞬変なのが聞こえたけど・・・」

「聞き間違いだよ・・・」

長身の男が冷え切った目線でライナーを見つめながら答える。

「自己紹介が遅れたね。僕はベルトルト・フーバー。よろしく。ベルトルトって呼んでくれたら嬉しいよ。」

笑顔が眩しい。長身でスタイルもいいし顔も整っている。モデルの人みたいだ。第一印象でそう思った。

「よろしく。俺はエレン・イェーガー。エレンって呼んでくれ。」

俺達は膝立ちになり、アルミン越しに握手を交わす。頃合いを見てお互いまた席につくと、晩御飯の準備が出来たのか、ミカさんがパタパタと机を回って俺の隣に座ってきた。
なるほど、ユミルが言ってたのはこういう意味だったのか。

ミカサ「・・・一人来てない。」

ユミル「そうだった・・・」

ん?誰か来てないのか?そういえば座布団に空きが二つあるな。

「私呼んでくるよ」

また金髪の子が立ち上がる。部屋を出てそのまま階段を上がっていく。そこまで確認できた。多分2階に住んでいる人でまだ来ていない人がいるのだろう。

ユミル「バカは仕事だからいなくてもいいとして・・・アイツ相変わらず時間にルーズだなぁ・・・」

頭を書きながらテレビを見るユミルという女性。
ライナーもベルトルトと談笑し始め、各々時間を潰す時間になってしまったようだ。
ミカさんはぺたぺたと隣に置いてある炊飯ジャーからご飯をついで人数分の準備をしている。
俺とアルミンはテレビを見ながらミカさんが盛ったご飯をみんなに回していた。

「お待たせ―」

金髪の女の子が戻ってきた。
それに続いて新しく見る女性も部屋に進入する。
金髪で髪を後ろに纏め、前髪で右目が隠れている。怒っているのか怒っていなのかわからないが、兎に角機嫌が悪そうな顔をしていた。

「ごめん、寝ちゃってた・・・」

そう言って決められていたんだろう自身の席に腰を下ろすと、箸を持って手を合わせた。

ミカサ「アニ、いただきますはまだ」

片目の女性はアニという名前なのか?

アニ「? どうして」

ミカサ「あなたとコニーはまだ知らないと思うけど・・・新しい入居者がきた」

ミカサはそう告げて俺をチラリと見るとアニも視線につられて俺へと瞳を動かす。

アニ「へぇ・・・知らなかった。じゃあ、いつものだね。」

ミカサ「そう」

「ええーー!!いただきますしてからにしましょうよ!!」

茶髪の女の子が箸を構えながらミカさんに直訴するが。

「駄目、口答えするとサシャだけすき焼き、たまご無し。」

「なあああああ!!?」

サシャと呼ばれたその女性は箸を落として頭を抱える。そこまでショックなことなのか。

エレン「いつものって・・・?」

アルミン「新しい入居者がきた場合はみんな順番で自己紹介することになってるんだ」

アルミンが人差し指を立てて説明してくれる。

アルミン「ここまではいいんだけど・・・新しい入居者は自己紹介した人に何か一言、言わないといけないっていう決まりもある・・・」

エレン「一言・・・」

考え込んでしまう。何も浮かんでこなかったらどうしよう。

何故かライナーが笑いを堪え、ベルトルトが苦笑いしているのかはよく分からないが・・・やるしかないのか。

ミカサ「まず私から」

ミカサ「大家のミカサ・アッカーマン。みんなからはミカさんと呼ばれてはいるが、正直ミカサでも構わない。」

ミカサ「・・・」

ミカサ「・・・一言」

終わり!?今ので何を言えばいいんだ!?

エレン「あー・・・」

エレン「髪が綺麗だね、ショートカットも似合いそうだ。」

ミカサ「・・・!」

ミカサ「・・・そう」

俯いて相槌を返すミカさん。

待て!!これ思った以上に恥ずかしくないか!?

ユミル「プ・・クク」

ミカサ「次、クリスタ」

「え?私?」

予想していなかったのかクリスタと呼ばれた彼女は慌てて腰を上げる。

クリスタ「えーっと、クリスタ・レンズっていいます!近所の女子大に通ってます!」

クリスタ「好きな食べ物だけ言っておきますね、アイスクリームといちごが好きです」

ライナー「おお~」

ライナーが拍手しているのがよく分からないが、何か好きな食べ物を言う流れになったのはわかる。

エレン「えっと・・・俺はチーズハンバーグが好きかな・・・」

ユミル「ブッ」

机の端でユミルという女性が噴き出したのが見えた。

ユミル「ブハハハハ!!その歳でチーハンとかっ・・・ガキじゃないんだからさ!」

腹を抱えて笑うユミルにつられて周りも微かに笑い出す。
いい気分ではないが・・・まぁウケがとれたのは十分・・・って、ん?

アニ「・・・」

物凄い形相で俺を睨んでる人がいる。アニだ。

今日はここまで
アニは何で怒ってんだろ。白根。

おやすミン

マルコ、ジャンなどは違う形で出てもらうかも。
エルヴィン達にも違う形で出てもらいます。
あくまでもしエレンがフリーターで周りの人達が進撃のみんなだったらという感じで書いてます。ほのぼのした雰囲気が伝われば嬉しいなぁ。

ちな鍵に関してですが、かけていなかっただけで鍵はついてます。エロはなしです。ワタシガカケナイカラネ。

さっきの怒っているのかわからない微妙な顔つきとは違う。完全に怒っている。
おっかないにも程があるので、敢えて目を合わせようとせず次の自己紹介を待つことにした。

ミカサ「次、ユミル。」

ユミル「お、私か。」

ソバカスの女性だ。

ユミル「私はユミル。204号室に住んでいる。好きな食べ物はサバみそかな」

ユミル「ほら、一言」

エレン「あ、」

急に言われてビックリした。

エレン「204ってことは・・・俺の隣ですね、よろしくお願いします」

ユミル「うげっ!敬語とか止めろ!慣れてないんだ・・・」

本当に嫌そうな顔を見るとあまりそういう上下関係などには慣れてないのだろうか?
なんにせよサバサバしているのはこちらもやりやすい。

エレン「わかった。よろしく、ユミル」

ユミル「おう」

ベルトルト「ん?まさかミカさんから時計回りで自己紹介しているのかな?」

ベルトルトがミカさんのほうを見ると、ミカさんは静かに頷いた。

ベルトルト「そっか、じゃあ次は僕だね」

ベルトルト「さっきも言ったけど、僕はベルトルト・フーバー」

ベルトルト「趣味は・・・特に無いかな。好きな食べ物は・・・強いて言えばギョウザかな」

眩しい笑顔を見せると少しだけ静寂の時間が流れる。あ、もう言っていいのか。

エレン「すっごいカッコいいなぁ。モデルの仕事とかしたら人気でそうだな・・・」

「「「・・・」」」

エレン「え?」

全員が白い目で見てくる。何かヤバいことしったか・・・俺・・・?

ユミル「あのなぁ・・・ベルトルトはもうモデルの仕事をしているんだよ・・・」

クリスタ「しかも結構人気・・・」

エレン「あっ・・・えっ・・・?」

え?じゃあ目の前にいるこの人は結構凄い・・・有名人?

エレン「あ、ごめっ・・・俺デリカシーのないことを・・・!」

ベルトルト「気にしなくていいよ。むしろ知らないって言ってくれて、ちょっと嬉しかったんだ。変だけどね」

ベルトルト「ほら、初対面で僕を知っている人だと、少し変な壁みたいなものが出来るんだ。それが嫌なんだ。」

ベルトルト「だから、僕のことは普通の一般人と考えてくれて構わないよ。モデルのほうも半分バイトだと思ってるしね」

か、か、

エレン「かっこいいな・・・お前・・・」

ベルトルト「やめてくれよ、そんな・・・」

エレン「知らなかった俺にも非がある・・・ごめんな」

エレン「俺、服とか何とか全く拘らないからさ・・・」

エレン「だから、今度何かファッションとかで困ったらベルトルトに相談するぜ!」

ベルトルト「うん、ありがとう」

ユミル「モデルは服だけとかじゃないんだがな・・・まぁいっか・・・」

ライナー「次は俺か。」

ライナー「エレンにはさっき自己紹介したんだが、改めて自己紹介しよう」

ライナー「ライナー・ブラウンだ。近所の会社で大工として働いてる。」

ライナー「何か困ったことや、わからないことがあったらなんでも聞いてくれ。俺で出来る範囲なら何でも助けてやるからな」

ライナー「好きな食べ物は骨付き肉。好きな女性は・・・」

チラチラとクリスタを見ているライナー。露骨すぎる。

ライナー「金髪の長髪、小柄で優しい天使のよう―――」

ユミル「エレン、一言。」

エレン「ああ、よろしくな」

サシャ「次は私ですね!」

ライナー「おい!!」

何故か彼のポジションがわかったような気がする。

ライナー「ライナー・ブラウンだ。近所の会社で大工として働いてる。」

ライナー「何か困ったことや、わからないことがあったらなんでも聞いてくれ。俺で出来る範囲なら何でも助けてやるからな」

ライナー「好きな食べ物は骨付き肉。好きな女性は・・・」

チラチラとクリスタを見ているライナー。露骨すぎる。

ライナー「金髪の長髪、小柄で優しい天使のよう―――」

ユミル「エレン、一言。」

エレン「ああ、よろしくな」

「次は私ですね!」

訂正しました。

「私はサシャ・ブラウスです!」

サシャ「好きな食べ物は全部!よろしくです!」

エレン「あー、予想通りだ・・・」

サシャ「予想通りってなんですかー!!?」

いや、自己紹介中も箸を離さないところをみると多分、大食いの方だな・・・と

ライナー「芋・・・」

ライナーが仕返しをするかのように笑いを堪えながら呟いた。

サシャ「ちょっ!止めてくださああああああああああああいいい!!」

エレン「芋?」

サシャ「なんでもないんです。なんでも・・・ハハハ・・・次!次いきましょう!」

苦笑いしながらライナーを抑える。ミカサへ目配せをし進行を早めようとしているようだ。

ミカサ「次・・・次は・・・いない・・・」

ユミル「あ、バカの番か・・・アイツまた仕事で遅れてんのかよ・・・」

ユミルがそう言った瞬間だった。
玄関のほうで何やら騒がしい音が聞こえる。

ユミル「噂をすれば何とやら・・・か」

誰か荘内に帰ってきたのか?ユミルの発言をするに、そのバカのことか・・・。
目があったら何かと気まずいのでテレビを見る。これなら少しだけ自然だろう。

テレビでは今人気らしいタレントがスタジオを盛り上がらせている。
少し前から頭角を現した、そのタレントは坊主頭と馬鹿な発言が印象的。
裏表がなさそうで真っ直ぐな性格が1番の長所だと思えた。

「うわ!もう飯食ってんのか!?」

男性の声が聞こえる。どうやら自室に行かず直接ここに来たらしい。
俺は少し時間を置いたのを確認すると視線を襖へと移動させた。

「おおおおおおおすき焼きか!!すき焼きなのか!!?」

テンションがやたら高いなこの男・・・ん?

エレン「・・・」

視線をテレビに戻す。

エレン「・・・」

男に戻す。

エレン「・・・」

テレビに戻す。

アルミン「アハハハ・・・」

アルミンは隣で苦笑している。

アルミン「彼はコニー・スプリンガー」

アルミン「エレンが今思っている通り、今流れている番組に出ている人と同一人物で間違いないよ」

コニー「うわ!俺が出てる!恥ずかしいからチャンネル替えてくれよ!」

慌ててリモコンを掴むとテレビへ向けてボタンを連打する。
チャンネルを替わったところを確認してから、何かを感じ取ったのか首を俺の方へ回した。

コニー「ん・・・誰だ・・・セールスマンか?」

ユミル「セールスマンが私服で人の家に上がり込んで飯に同席すると思うか?なぁ?」

コニー「思わねぇ」

ユミル「じゃあ、何だと思う」

コニー「・・・」

コニー「・・・!」

コニー「座敷童か・・・」

明日か今日書きに来ます・・・ちかれた。
じゃあね、またアルミン

ただいも。
書いていきます。

ベルトルト「コニー」

コニー「んあ?どうしたベルトルト」

ベルトルト「彼は今日から新しくここに住むことになった、エレン・イェーガー」

コニー「おお!」

エレン「よ、よろしくな・・・」

有名人様には悪いがこいつには敬語は必要ないと思った。

ユミル「そうだエレン。こいつに敬語は必要ない。」

コニー「よろしくな!って・・・なんか失礼なことを言われているような気がするぜ・・・」

本当に必要なかった様だ。

コニー「すき焼きかぁー!」

そう言いながら彼は鞄を部屋の隅に降ろし、素早くサシャの隣へと移動して座布団に座る。
そうか、席順で自己紹介してたからコニーはあそこになるのか・・・

ライナー「好きな食べ物を言うんだぜ、コニー」

コニー「ん?そうなのか?」

既にサシャと並んで箸を構えていたコニーは下ろした腰をもう一度上げて胸を張って答えた。

コニー「俺は唐揚げが好きだ!特に揚げたて!」

エレン「唐揚げは俺も好きだな、和風タレをかけると美味いんだ。」

コニー「お、わかってるなエレン!マヨネーズも捨てがたいが和風タレも強いんだよな・・・」

ミカサ「次はアニ・・・」

会話が長くなりそうだと察知したのか、ミカさんは素早くアニへとスポットライトを移す。

アニ「・・・」

アニ「アニ・レオンハート・・・」

アニ「202号室に住んでるよ・・・」

アニ「好きな食べ物は・・・」

アニ「好きな食べ物は・・・」

ん?なんだ?なんで俯いてる?

アニ「・・・もずくだから」

エレン「へ、へぇ~」

アニ「もずくだから、もずくが1番だから」

エレン「・・・へぇ~」

そう返すしかない。
「好きな動物は?」と聞かれて「猫。」と返されたら「可愛いよね」など会話を広げることは可能なのだが、「マントヒヒ。」と答えられたら、「へぇ」と返す他ない。
今のはまさにそれだった。

ミカサ「次・・・アルミン・・・」

またも察知したミカさん、素早くアルミンへマイクチェンジさせる。上手い。
アニが横で震えているのは気のせいだろう。

アルミン「あはは・・・アルミン・アルレルト。少し離れた大学に通ってる。」

アルミンが居心地悪そうに自己紹介を始めた。

アルミン「読書が好きで暇だったら本を読んでいるよ。本が読みたくなったら僕のオススメの本を貸してあげるよ。」

アルミン「エレンと同じ2階だけどユミルの隣の部屋だからね・・・ハハ」

ユミル「何か文句あんのか!」

アルミン「よろしくね、エレン」

エレン「あぁ、よろしく。本はあんまり読まないけど、アルミンの本で何かきっかけを掴めたらと思うよ」

隣同士なこともあって、アルミンとは握手を交わした。

ミカサ「最後は、エレンさん」

エレン「あ、はい」

両手を膝につっかえさせて立ち上がる。
みんなの視線が注目するのは緊張するが・・・ここで上手くやるためには失敗するわけにはいかないんだ・・・!

エレン「エレン・イェーガーです。色々あってここで住むことになりました。」

エレン「不安なこともあったけど、みんなの自己紹介を聞いて安心しました。」

エレン「駄目かもしれない自分ですけど・・・よろしくお願いします」ペコリ

パチ・・・パチパチ・・・

パチパチパチ!

疎らだった拍手も最後には纏まり俺を歓迎する音になる。
嬉しさがこみ上げて、頬がほころぶ。

みんなはそんな俺を見てニコリと笑うとそれぞれ箸を掴んで両手を合わせ始めた。
急いでそれに倣うと、ミカさんは俺達を見まわして確認した後、両手を合わせて口を開いた。

「いただきます。」

新転地、初夜の晩餐は最高だった。

肉を集中して狙うサシャを抑えるユミル。白菜だけ回されてくるコニー。
どこからかビール瓶を持ち出して晩酌をしだすライナー。
ライナーの愚痴に苦笑いで付き合うベルトルト。
ミカさんの席に座って俺に言いがかりをつけてくるアニ(多分、酔ってる)
色んな話を楽しそうに話すアルミン。

キッチンでは並んで洗い物をするミカさんとクリスタ。

両親が死んで、長い間感じることの出来なかったモノが一気に押し寄せてきている。
俺は今、部屋の窓を開けて夜空を眺めながらその幸福感を噛みしめている。

ここに来て良かった。そう思えた。

「よ、散々だったな」

突然、どこからか声を掛けられる。
急いで背後を確認するが誰もいない。

「こっちだよ、こっち」

窓枠から顔を出して左を向くと、ユミルが窓枠に座って煙草を吸っていた。

ユミル「アニに散々言われてたじゃねぇか」

エレン「あぁ・・・何したかわからないけどな・・・」

煙草を吹く様は中々に似合っている。堂に入った感じを見るに学生時代から吸っているかの様だ。
勿論、法には触れているが、そういう社会にたてついてきた・・・

要するにヤンキーにしか見えなかった。

ユミル「ま、アイツは色々と難しいからな」

エレン「そうか・・・ま、ボチボチやっていくしかないな・・・」

ユミル「だな、アイツといきなり仲良くなれる奴なんか見たことないしな」

ユミル「気長にやるしかねぇよ・・・」

煙草を1本吸い終わったユミルは灰皿へと吸殻を捻じ込む

ユミル「じゃあな、朝食は7時だ。遅れんなよ」

エレン「あぁ、ありがとな」

「よっ」という声とともにユミルは窓枠から腰を下ろしたようで、目の前からは見えなくなった。
もう一度、夜空を見上げて俺も窓を閉じた。

「こっちでもバイト探さなきゃな・・・」

ミカさんに借りた来客用の毛布に入り込み俺は携帯のアラームをセットする。
早起きは得意じゃないがアラームがあれば無理というわけでもない。

俺は昔、母さんが寝る前に歌っていた子守歌を頭の中で思い出しながら瞼を閉じた。

おやすみ。

やっと1日が終わった・・・長すぎィ!!
また書きに来ます。おやすミカミカミカ御神。

ただいも。
風呂も入ったし書いていきます。

――リロ・・・ピロリロリロ・・・ピロリロリロ!!

エレン「っは・・・!?」

布団から右手を突き出し、携帯を手探りで探す。
掴んだら急いで左手も出して携帯を操作し、アラームを閉じた。

エレン「・・・ふぁ・・・」

上体を起こして意味もなく部屋を見渡した。
床は畳。ドアは木製。初めから置いてあったタンスと、その上に置かれた掛け時計。
布団をしまうのであろう。押入れは部屋に入って右側にある。
それ以上の目立った特徴はない。

一通り頭を巡らせると目も覚めてきた。
もう一度携帯を掴み、時間を確認すると6時50分と表示されていた。
掛け時計見たほうが早かったな・・・と思いつつ携帯をスリープモードに戻す。
時間的には丁度いい。寝癖を手櫛で直して頬を叩く。
一通り身支度を済ませると7時になっていた。

エレン「やべっ・・・」

俺は急いでドアに手を掛けた。

アルミン「おはよう、エレン」

居間に入ると、テレビを見ていたアルミンはいち早く俺に気づいて挨拶をする。
それに続いてテレビを見ていた一同は俺に朝の挨拶をしていった。

エレン「ああ、おはよう」

それだけ言うと、欠伸をしながら昨日と同じ席に座る。

エレン「スマン、少しだけ遅れた・・・」

アルミン「大丈夫だよ。朝は夜に比べたらみんな結構ルーズだし」

それでも揃っていなかったのは、俺とライナー、アニだけだった。

エレン「ライナーとアニは?」

サシャ「ライナーは大工さんですからね、朝が早いんです。」

テレビを見ていたサシャが俺とアルミンの会話を聞いていたのか、アルミンに代わって返事をする。

ベルトルト「アニは・・・いつも通り寝坊だね、ハハハ・・・」

どうやら仲間はアニだけだった様だ。

アルミン「ライナーはいつも6時過ぎにここを出るからね」

エレン「へぇー・・・頭が上がらないな・・・」

ユミル「アニはいつもクリスタが起こしにいくんだが・・・大抵20分くらい遅刻してー・・・」

といいながらユミルの視線が廊下側の襖へと動いていく。

アニ「・・・はよ・・・」

ユミル「珍しいな・・・」

そこにはアニが不機嫌そうな顔をして立っていた。
珍しいことなのか、俺以外のミカ荘メンバーは目を丸くしていた。

サシャ「どうしましょう。私、アニを待ってる間にテレビを見ながら飲むお茶がとても大好きだったんです」

アニ「すまなかったね」

ユミル「しっかし珍しいこともあるもんだな・・・」

アニ「どこの誰かがバカでかい目覚ましを何十分間も流し続けるからね・・・!」

嫌味たっぷり込められて睨まれた。そうか・・・俺のあの携帯の目覚ましか・・・
たしか本当は6時半に設定してて5分毎にスムーズ機能がついてたから・・・すまん。

ベルトルト「まぁまぁ・・・こうしてご飯にも間に合ったんだし・・・」

アニ「目覚めは最悪だけどね・・・!」

コニー「目つきホント悪いな・・・お前・・・」

アニ「蹴るよ」

コニー「スマンなさい」

ミカサ「揃ったようで朝ごはん」

クリスタ「回して回して~」

キッチン側からミカさんとクリスタがお盆を持って入ってくる。
その上にはみそ汁と焼き魚、漬物、空の茶碗×人数分が乗っていた。

俺達がおかずを回している内に慣れた手つきでご飯を次々にジャーからよそうミカさん。
両サイドにいたクリスタと俺はそれを隣へ隣へせっせと回していくのだった。

「いただきます」

「「「いただきまーす」」」

――

エレン「しっかし・・・ライナーはこんな美味い朝ごはんを逃しているのか・・・勿体ないな」

アルミン「それが・・・そうでもないんだ」

あらかた朝ご飯を片付けた俺達は雑談に花をさかせる。

ベルトルト「ご飯をもらえないかわりに、ミカさん特製おにぎりが貰えるらしいんだよね」

エレン「へぇー」

サシャ「私1回食べたことありますよ!」

サシャ、食べ物の話なら何でも入ってくる人。

コニー「で、味は?」

サシャ「味・・・?うへっ・・・うへへへへ」

「「「!?」」」

正直彼女の笑いはちょっと気持ち悪い。
口の端からは涎が垂れて品が無いように思える。

コニー「美味いのか!?」

サシャ「朝ごはんも美味しいですけど・・・おにぎりもそれに負けず劣らす素晴らしいモノでした・・・!」

しかしその品が無いはずの涎と表情が・・・ミカさん特製おにぎりの美味さを表現している様にも思えた。

―――

ミカサ「エレンさん、今日の予定は?」

エレン「ん?今日はー・・・」

食器も片付け終わり、ほとんどの人が自室に戻っていった中、居間に座って熱いお茶を飲みながらテレビを見ていた俺にミカさんは話しかける。

エレン「こっちでのバイト先でも探しましょうかね・・・暇ですし・・・」

ミカサ「そう・・・」

ミカサ「もし昼、いるのだったらご飯を用意している。」

エレン「! ありがとうございます」

ミカサ「別に構わない。引っ越しの片付けが終わりそうになかったらそれも手伝おう」

エレン「さ、流石にそれは・・・」

ミカサ「遠慮しない」

ミカさんに右手を両手で包み込まれる。
う・・・どうやら俺は、この手にはめっぽう弱い様だ。

エレン「じゃあ・・・このお茶を飲み終わったら、荷物を整理します。」

ミカサ「わかった、手伝おう。」

今日はここまで。
ゆっくり進行で申し訳ないです。

では皆さん、さよなライナー

エレン「じゃあ・・・パパッと終わらせるか・・・」

パンパンに詰まったボストンバッグを目の前に仁王立ちする俺。
現在、ミカさんと自室にいます。なんでも片付けを手伝ってくれるようです。

エレン「ま、荷物は少ないんだけどな・・・」

次々に服や日用品を引っ張り出す。
ミカさんは服などをたたんでくれている。

ミカサ「畳んでからタンスに直すけど、大丈夫?」

エレン「あ、大丈夫ですよ。ありがとうございます」

日用品を片付けながら俺は答える。
この調子でいけば1時間もかからなそうだな。

―――

エレン「よーし・・・一通り片付いてきたな・・・」

予想以上に早かった。
多分、数十分しかたってない。

ミカサ「まだ何かある・・・?」

どうやら働き足りないミカさんは俺のボストンバックを覗き込んで

ミカサ「・・・?なにこれ?」

一つの袋を引っ張り出した。

あれは・・・

エレン「っあぁあ!!」

ミカサ「!?」

ビクリと跳ねるミカさん。

ミカサ「な、何かあった?」

エレン「なんでもないです・・・」

あの袋は駄目だ・・・。
実家に置いていけずついつい持ってきた18禁の絵本達なんだ・・・。

エレン「ミカさん、俺それやりますから!!」

ミカサ「大丈夫、やる」

張り切ったご様子。袋を掴んで離さない。

エレン「いやいや、ホントこれだけでも助かりましたって!」

だがなんとしても取り返さねばなるまいて!!

ミカサ「・・・あやしい」

心臓が跳ね上がった。不味い。疑われてる。

ミカサ「・・・これには何かある?」

違うものを期待しているのか目を光らせながら袋を覗き込むミカさん。終わった。


「キャー――!!」

突然、廊下から悲鳴が聞こえる。
ミカさんは瞬時に袋を置いて部屋から飛び出していった。

俺も急ごうとは思ったが、ミカさんが出たのを見届けてから。しっかりタンスの奥底に袋を隠して部屋を飛び出していった。

クリスタ「あぁぁ・・・びしょびしょだよぉー・・・」

廊下に出ると、水道前でタオルを被っているクリスタと床に零れている水を拭っているミカさんがいた。

エレン「? 何があったんですか?」

クリスタ「それが・・・蛇口が壊れたみたいで・・・いきなり水がブシャー!って」

なるほど・・・
蛇口を見てみるとハンドタオルがかかっていて水がポタポタと落ちている。
どうやら今も水が勢いよく漏れている様だ。

ミカサ「修理屋さんに電話しないと・・・」

そう言いながらタオルを絞るミカさん。
近くで見てみると・・・うーん、どうやらナットが緩んでいるみたいだった。水もそこから漏れている様だ。

エレン「レンチか何かありますか?」

クリスタ「あ、それならライナーがこの前モンチーレンジっていうのをキッチン横の棚に・・・!」

エレン「あ、モンキーレンチか。それ貸してくれないか?」

クリスタ「うん!」

頷いてタオルを被ったまま走っていくクリスタ。

ミカサ「直せそう?」

エレン「ナットが緩んでたみたいですね」

エレン「これなら直ぐに占め直せば多分、問題はないかと」

エレン「一応、専門外だとは思いますけどライナーに聞いたほうがいいかな?」

それだけ伝えるとミカさんは安心したようで「ふぅ」と息をついた。

ミカサ「ありがとう、助かった・・・!」

エレン「まぁまぁ、まだ直してないですし」

苦笑いしながら濡れた手をズボンで拭う。
ミカさんは「そうだった」とだけ言って微笑んだ。

初めて見たミカさんの笑顔(とも呼べるか微妙だが)に少し見とれてしまった。
元々美人な人だったし笑ったほうがその整った顔立ちも絶対生えると思う。それだけにいつもの無表情は少し勿体ないなと思ってしまう。

クリスタ「あったよー!」

タオルをキッチンに置いてきたのか、クリスタはモンキーレンチだけ装備して走ってきた。
クリスタからレンチを受け取ると、早速蛇口のナットとサイズを合わせてゆっくりと締めていく。

どうやら俺の読みはあたったらしく。水も滴らなくなってきた。

クリスタ「すごーい・・・!」
ミカサ「おおー・・・!」

背後で両手を叩いて称賛されると、ただレンチを回しただけだ。とも言えず、苦笑いだけを返すしかなかった。
でも、まぁ、貰える分に越したことはないかな・・・?


クリスタ「ここを出て右を真っ直ぐ行けば、左手側に見えるからね」

エレン「おう、情報ありがとな」

クリスタ「えへへ、さっきのお返しだよ」

晩ご飯はクリスタも手伝って作るらしい。
最初はミカさんも一人でやると言ってたが、何度もやらせてくれと頼んでいたらミカさんが先に折れて見事に晩ご飯調理班に加わることに成功したらしい。

ミカさん「お待たせ」

もわっと湯気を上げるお茶碗を三つ、お盆に乗せて登場したミカさん。
どうやら昼ご飯はラーメンらしい。

エレン「すげぇ・・・インスタントじゃないのか・・・」

ミカサ「身体に悪い・・・というより、ちゃんと作ったほうが楽しい」

ミカさんは料理が好きな様だ。

ミスった。
こっちが先です。

どうやら、みんな大学や仕事などでミカ荘に残っているのは俺、クリスタ、ミカさんだけの様だった。
クリスタは女子大の方が休みだったらしい。

ミカサ「ご飯、食べる?」

外の張り紙には朝、晩と書かれていたが、どうやら昼もご馳走になれるらしい。
俺とクリスタは声を合わせて「食べます!」と答えた。

クリスタ「へぇ~、じゃあエレンはコンビニでバイトしてたんだ」

エレン「あぁ、Lvinマートっていうとこなんだけど・・・またこっちでもバイト先探さないとな・・・」

クリスタ「あ、Lvinマートならここから少し歩いたところにあるよ!」

現在、居間でクリスタと雑談しながらミカさんのご飯待機中です。

エレン「本当か!?じゃあ昼にでも少し出かけて募集かけてるか見てこようかな・・・」


クリスタ「ここを出て右を真っ直ぐ行けば、左手側に見えるからね」

エレン「おう、情報ありがとな」

クリスタ「えへへ、さっきのお返しだよ」

晩ご飯はクリスタも手伝って作るらしい。
最初はミカさんも一人でやると言ってたが、何度もやらせてくれと頼んでいたらミカさんが先に折れて見事に晩ご飯調理班に加わることに成功したらしい。

ミカさん「お待たせ」

もわっと湯気を上げるお茶碗を三つ、お盆に乗せて登場したミカさん。
どうやら昼ご飯はラーメンらしい。

エレン「すげぇ・・・インスタントじゃないのか・・・」

ミカサ「身体に悪い・・・というより、ちゃんと作ったほうが楽しい」

ミカさんは料理が好きな様だ。


クリスタ「ここを出て右を真っ直ぐ行けば、左手側に見えるからね」

エレン「おう、情報ありがとな」

クリスタ「えへへ、さっきのお返しだよ」

晩ご飯はクリスタも手伝って作るらしい。
最初はミカさんも一人でやると言ってたが、何度もやらせてくれと頼んでいたらミカさんが先に折れて見事に晩ご飯調理班に加わることに成功したらしい。

ミカさん「お待たせ」

もわっと湯気を上げるお茶碗を三つ、お盆に乗せて登場したミカさん。
どうやら昼ご飯はラーメンらしい。

エレン「すげぇ・・・インスタントじゃないのか・・・」

ミカサ「身体に悪い・・・というより、ちゃんと作ったほうが楽しい」

ミカさんは料理が好きな様だ。

うわああああまたミスってる。すみません・・・

どうやら眠気でおかしくなっている様子、もう寝ます。

おやすみんな。

最後に
お茶碗→丼
に訂正。
茶碗にラーメンって男の一人暮らしかよってなるわい

未亡人違いますぜ

確かに、作って粉末かけてそのまま食う人多そう

ただいマルコ
書いていきます。

ズズズ・・・

エレン「美味いっ」

麺を啜り込むと絡んだスープの味が口の中に染み込んでくる。
味噌味のようで、本格的なラーメン屋にも勝らずとも劣らないラーメンだ。
家庭でこれだけのレベルを出せたなら100点以上のモノだろう。

ミカサ「ありがとう、うまく出来てよかった」

クリスタ「うーん、やっぱりミカさんは料理が美味いね・・・」

関心したようにラーメンを見つめながら呟く。
その言葉にミカさんは首を振り、器を置いた。

ミカサ「クリスタは料理が凄く上手。才能もある。ので、私なんかすぐに越えるだろう。」

その言葉にクリスタは照れくさそうに笑って、ミカさんの方へと向く。

クリスタ「ミカさんに言われたら自信がつくなぁ」

クリスタ「ミカさんを越えられるかはわからないけど、頑張ってみる・・・!」

クリスタの言葉にミカさんは頷くと、また器を持ってラーメンを食べ始めた。

その後は特別な会話も無く、みんな黙々とラーメンを食べ続けていた。
お昼のワイドショーと微かな麺を啜る音だけが両耳を通り抜けていく。

3人とも箸を置いて、手を合わせる。

「「「ごちそうさま」」」

ミカさんはすぐに器を重ねてお盆へと移す。
見かねた俺は腰を上げてミカさんの方へと寄った。

エレン「俺が洗います!」

何もしてないのは居心地が悪い。
せめて俺にでも出来ることをやろう。

「でも・・・」と呟くミカさんに「やります!」と追い打ちをかける。
するとミカさんも流石に折れたようで、渋々とお盆を俺に渡してくれた。

俺はそのままお盆をキッチンへと運び。シンクへと降ろす。
水を流して一通り洗い流した後はスポンジに洗剤を含ませてリズミカルに擦り始めた。

昔、母さんの手伝いで皿洗いをしていたのを思い出した。
父さんがリビングから皿を洗う俺と母さんを眺めていた。

どれくらい前だったかな・・・
9年・・・いや、もっと前か・・・?

エレン「あ・・・」

気づいたら既に水で器をすすぎ、泡を洗い流す行程までたどりついていた。

エレン「終わりました。」

手を拭いながらリビングへ戻ると、ミカさんとクリスタはさっきのワイドショーをまだ見ていた。
「いいとま!」とうフレーズで人気の番組だ。司会は芸能業界では大物のトーマスという芸人が務めている。

ミカサ「ありがとう、助かった。」

クリスタ「ありがとうエレンー」

俺の方を見て頭を下げる二人。上げると、二人はまたテレビを見始めた。

俺はその2人にを置いて居間を出る。
クリスタが言ってたコンビニに行ってみようと思った。

すまん・・・眠い・・・
今日はここまベルトルト

――

エレン「少し歩いたな・・・周りも少し栄えてきたしそろそろ・・・」

桜散り、緑が生える季節。
半袖とまでは行かないが長袖一枚で事足りるほど最近は暖かくなっている。

クリスタの言葉を思い返しながら、通りを一人で歩いている。

エレン「あ、あれかな?」

見覚えのある、緑と青をイメージカラーとした建物が見えてくる。
全国展開をしているコンビニ、Lvinマートだ。

引っ越し前はそこで1年と少しバイトをしていた。
その前は色んなバイトを転々としていたが、何故かこのバイトだけは長く続いていた。
多分、一緒にバイトをしていた人達が気の合う人達ばかりだったからなのだろう。

ここでもそういう人達がいればいいのだが・・・

バイトの面接も申し込んでないのに不安を抱えてしまう。
こういうのって捕らぬ狸の皮算用って言うんだっけ?

『ピロリロリロン』

自動ドアが開き、中へ入ると聞きなれた入店音が響き渡る。
その音に反応して、店員2人が入口側の方を向き、俺を見つける。

「「いらっしゃいませ、ようこそLvinマートへー!」」
彼らの声が店内中に広がる。
挨拶を聞いて瞬時に把握する。俺が前にいたところよりしっかりしているかもしれない。
妙な緊張感に背筋が伸びてしまう。

一通り店内を徘徊し、缶コーヒーとレジ前に置いてあるケースから気が向いたときに吸うタバコを掴むと、店員の一人が俺に気づいて駆け足でレジ前に寄ってくる。

「いらっしゃいませ」

老けた男だ。
性悪のオジさんに見えたその男の笑顔は地の顔とは反比例して、とても穏やかで優しい表情だった。

「ポイントカードはお持ちでしたか?」

エレン「いえ、持ってません。」

無くした。

「失礼しました。」

「100円が1点。410円が1点。合計で、510円です」

慣れた手つきでバーコードを読み取り、袋へ詰めて俺の前へ差し出す。
彼の動作を観察していた俺は、慌てて財布から1010円を引っ張り出してレジへ置いた。

「はい、1010円からお預かりします」

右手でテキパキと数字を打ち込んでいく。
パシーンとEnterキーを押すように年齢層ボタンを押し、お釣りの500円を俺へ手渡した。

「ありがとうございました、またお越しくださいませ。」

お辞儀をして見送る。
店外へ出た俺は、入るときは確認しなかった店頭ガラスをチラリと覗いてみる。

ガラスにはスタッフ募集の張り紙が張られている。

エレン「っ・・・!」

食い入るように張り紙を見つめ、募集している時間、時給などを見極めた後、最後に電話番号を見てみる。
電話しようかな・・・とポケットに手を伸ばしたが、いつも感じている異物感は感じられない。まさか、部屋に忘れたか・・・?

少し考えた結果、そのまま店へ突撃することに決めた。
この時間なら店長もいるだろう。

意を決して、俺は二回目の入店音を鳴らす。

エレン「あのー、すみません・・・」

腰を低くして、申し訳なさそうな顔を作る。前のバイトで客によく使った表情だ。

「? どうされました?」

先程の男がレジカウンターから顔を出す。
さっきはみなかったが、胸元には「ザボド」と書かれた名札がついていた。

エレン「外の張り紙を見たんですけど・・・」

ここまで言うと、「ザボド」さんは後は察した様で「少々お待ちください」とだけ伝えて裏へ消えていった。
多分、店長あたりに話を伝えにいったのだろうか。

1分もしないうちにさっきのザボドさんが戻ってきた。

「そっちから事務所へ入ってくれ、店長が待ってる」

さっきの丁寧語とは違う。これが彼の素なのか。
だとしたら予想通りというか見た目通りではあるが・・・

「失礼しまーす・・・」

ゆっくり戸を押して中へ入る。
棚には沢山の商品が並べられ積み重なっている。
何処もこんな感じなんだな。と思いつつ奥へ進み、事務所と思われる扉をノックした。

「どうぞ」

低い、でもまだ若い男性の声だ。
恐る恐る扉を引いて、顔を覗かせてみると椅子に座り、デスクへ向かってパソコンを打ち込んでいる男性がいた。
背筋を伸ばし、慣れた手つきでタイピングをしている。

エレン「失礼します」

部屋へ入り、扉をしめるとデスクへ向かっていた男性は椅子を回転させて俺の方へ身体を向けた。

「君がうちでバイトをしたいと言っていた?」

エレン「はい、エレン・イェーガーといいます!」

第一印象が大事と学生時代から何度も言われていたので、こういう時だけは姿勢よく元気よく挨拶をする。

「私は店長のエルヴィン・スミスだ。よろしく」

微かに微笑むエルヴィン店長。彼からは普通の男性からは感じられないアダルトな雰囲気を感じる。

エルヴィン「コンビニバイトの経験は?」

エレン「数日前まで同じ系列のコンビニで1年と少し働いてました。」

エルヴィン「! ほう・・・どこの店か教えてくれるかな?」

エレン「シガンシナ店です」

エルヴィン「シガンシナっていえば・・・凄く遠いな。引っ越しでもしたのかい?」

エレン「はい!先日引っ越して、こっちでもLvinマートでバイトしたいと思っていたので」

あれ?これって面接なのか・・・?
履歴書とか当然持ってきてないけど・・・

エルヴィン「そうか・・・うちは今人が少なくてね。丁度即戦力になれる人を探していたところなんだ」

大人の笑みを見せるエルヴィン店長。
これはもしかしたらもしかするんじゃないか・・・?

エルヴィン「この書類を埋めて、3日後にまた持ってきてくれ。制服は持ってるかい?」

エレン「は、はい!」

エルヴィン「よし、じゃあそれも持ってきてくれ。」

お、お、おおおおおおおおお!!!
まさか面接をこうもあっさり突破するなんて!

一礼してから事務所を出る。
店内へ戻ると、レジ前に立っていたザボドさんに頭を下げてから店をでた。


帰り道。
すっかり微かに暖かい缶コーヒーを開け、思いっきり飲んだ。

エレン「っしゃあ!」

誰もいないこと確認してからアスファルトの上で両拳を突き上げる。
3日後っていったな。
コンビニを教えてくれたクリスタにもお礼をしないとな・・・

自然とミカ荘へ戻る足取りも軽くなる。
すっかり浮いた心は、当分落ち好きそうにはなかった。

今日はここまで。
このスレ中に完結するか不安になってきた。

もしかしたら2スレ目いくかもです。

ではまたおやすミン

あ、オルオ•ボザドなんですね…
素で間違ってました。本当にすみません…

ただいも。書くよ。

ごめんなさい。
昨日の夜書こうとしたけど何故か書き込み画面でエラー出すから諦めてた。
また夜に書きに来ます。

はい、呪い花書いた人です...
残ってたの知りませんでした。近いうちに書きにいきます。ごめんなさい。

今日こそは。いきます。

エレン「あっ・・・」

ミカ荘前で偶然コニーと出会った。
彼は肩からバッグを下げて有名人というのに顔を何も隠さずミカ荘に入っていこうとしていた。

コニー「おお!名前は確か・・・エレンだっけ?」

エレン「ああ、エレン・イェーガー」

コニー「偶然だな、どこかコンビニにでも行ってたのか?」

お互い離しながらミカ荘へ入っていく。
こう普通に肩を並べて歩くと、有名人というより寧ろ友達と歩いているように感じてしまう。

ミカ荘の玄関を開けるとコニーが「ただいまー」と言ったので、俺もそれに倣う。

エレン「おう、丁度ここの近くにあるLvinマートでバイトすることに決まったんだ。」

コニー「おおおおお!!凄いじゃねぇか!!」

エレン「コニーに言われたらそう感じないな・・・」

コニー「変わんねぇよ、そんなもん。働いてればみんな一緒だ。」

普段の間の抜けた顔とは違う真剣な表情だ。テレビでも見たことが無い。

ミカサ「おかえりなさい」

丁度今から出てきたミカさん。
俺たちに気づいたようでスリッパをパタパタと鳴らしながら寄ってきた。

コニー「ミカさんが出迎えって珍しいなぁ」

ミカサ「たまたま」

相変わらずの冷めた反応。
そう見えるだけで実は何か感じているのかもしれない。
それをわかった上でコニー達はそれについては何も言及はしないのだろう。

コニー「そういえばミカさん、聞いてくれ!」

コニーの喜々とした表情にミカさんは少し反応する。
俺も少し気になったのでコニーの方を向いてみる。

コニー「エレンが通りのLvinマートにバイトが決まったってよ!」

あ、俺のことなのね・・・。
妙に気恥ずかしくなって照れ笑いをする。
ミカさんはさっきの様な冷めた反応をしているのかと気になって上目で伺ってみる。

ミカサ「凄い・・・!」

少しだけ驚いたような反応をしていた。
ほんの、少しだけ。

コニー「1発は凄いよなぁ!」

エレン「いや、ただのバイトだから・・・」

コニーが無駄に持ち上げるものだから更に恥ずかしくなっていく。

ミカサ「これからはスーパーの帰りに寄ってみる」

エレン「いや、まだそこでバイトもしてませんし・・・」

この話は当分終わりそうになかった。

―――

ライナー「へぇー、凄いじゃないか!」

みんなで机を囲み、聞き手には箸を持っている。
晩ご飯の時間にまでコニーはこの話を持ち出してきた。

エレン「やめろよコニー!ただのコンビニバイトなんだからさ!」

コニー「あ、そういやさっきも止めろって言ってたっけ・・・スマン・・・」

これを素でやっていることがコニーの恐いところである。
この報告に反応しているのはアルミン、クリスタ、ライナー、ベルトルト、ミカさんの5人だった。

アニとユミルは興味なさそうにおかずをつくじり、サシャはご飯を食べるのに一生懸命だった。

その今まで興味の無さ気だったユミルが口を開く。

ユミル「あのなぁ・・・履歴書も無しに採用って何か逆に怪しくないか?それに面接も5分足らず。私だったら絶対何かあると疑うね。」

利き手の箸を突き付けられる。
その言葉を少し納得したかのようにみんな少し黙るが、クリスタが負けじと噛みついてきた。

クリスタ「そんなこと言わないのユミル!店長さんもきっとエレンの良いところを見つけたんだよ!」

ユミル「ほぉークリスタ。だったらエレンの良いところを10秒以内に3つ上げてみろ。はい、よーいドン」

いきなり手を叩きカウントダウンを始めるユミル。
慌てたように俺とユミルを何度も視線を往復させるクリスタ。

クリスタ「えーっと!優しい!」

ユミル「無難だな、ハイ一つ。」

クリスタ「えーっと、えーっと!」

ユミル「どうしたクリスタ?あと5秒」

クリスタ「えーえー!責任感ありそう!」

ユミル「そうってなんだよ、あと3秒」

クリスタ「えー!あー!えーーー!!」

クリスタ「か、かっこいい!!」

ユミル「・・・ほぉーぅ?」

ライナー「・・・ほぉーぅ?」

アルミン「・・・ほぉーぅ?」

何で俺が睨まれてるんだ。
みんなの威圧と気恥ずかしさに思わず顔を伏せてしまう。

クリスタ「あっ!今のは違うのっ!何か切羽詰ったといいますかなんといいますか!!」

ユミル「わかったわかったクリスタ。無理難題を言った私が悪かった。」

ユミル「つまりだ。」

ユミル「私たちは半日、一緒にいたにも関わらずエレンの長所が見つけられない」

ユミル「それなのに5分足らずで即採用するのは怪しくないか?という話だ」

あ、もしかしたらこれ説明してなかったかな。

エレン「あ、俺って前は他の店舗のLvinマートで1年弱バイトしてたんだ。人手不足らしいし、即戦力としてすぐに採用してくれたのかもしれない」

ユミル「なんだ?バイト経験ありだったのか・・・早く言えよ。」

ユミルは途端に興味を失ったかのように、またご飯を食べ始める。
そんなユミルを見て、おもむろに手を上げた人物がいた。

ミカさんだった。

ミカサ「ユミル、エレンさんのいいところはまだある」

ユミル「・・・は?どうしたいきなりミカさん」

まるで授業中に自分の意見を発表したがる生徒のようだった。

ミカサ「今日、蛇口が壊れたとき、エレンさんは的確に原因を突き止めて、修理までしてくれた。」

ミカサ「ので、エレンさんは頼りがいのあるしっかりとした人」

ライナー「蛇口って・・・どこのところだ?」

クリスタ「2階の廊下のところ!あの時エレンがいなかったら水道代も大変なことになってたかも。ありがとねエレン!」

エレン「あ、あぁ」

ライナー「クソ・・・その時俺がいれば・・・!」

その言葉にユミルは少々驚いたように目を見開いたが、途端に目を細めて口角を釣り上げた。

ユミル「」

ユミル「『エレンさんの良いところはまだある』って、かっこいいって部分は認めるのか?ん?」

ミカサ「あっ・・・」

ユミル「クリスタは咄嗟に出た言葉としても・・・ミカさんは十分に考える時間はあったはずなんだがなぁ・・・」

ミカサ「あ・・・う・・・」

徐々に頬を赤らめ俯いていくミカさん。
ユミルはニヤニヤを笑いながらミカさんの表情を覗き込んでいる。

ユミル「どうなんだ?ん?ん?」

ベルトルト「ユミル・・・やめなって・・・」

見かねたベルトルトがユミルの肩を掴む。
その時だった。

ミカサ「はい・・・!」

ユミル「・・・え?」

ミカサ「かっこいい・・・エレンさんは・・・」

顔を真っ赤に染めながら蚊も殺せないような声で呟くミカさん。
一同、唖然。

当然だろう。クールなイメージしかなかったミカさんが顔を真っ赤にして・・・何というか。全く柄ではないことを言っているのだ。

ユミル「な、なんてこった・・・難攻不落のミカサ城が・・・ついに・・・」

ベルトルト「落城・・・間近・・・」

ライナー「中々・・・」

アルミン「よかったね、今のは・・・」

コニー「ん?なんだ?何がブロッコリーって?」

ミカサ「違う!あの!そういう意味ではなく!ただ単純に・・・!」

クリスタ「いやいや、ミカさんも乙女だったんだね!フフ・・・」

アニ「驚いた・・・!」

ミカサ「だからあの!カッコいいのだけれど!あ・・・!あぅ・・・」

そこまで照れられると俺も照れてしまう。
なんかこんなソワソワした感覚、小学生以来だった。

今日はここまD
眠いよ。バイト先人少なすぎてシフトが入りまくってるからあんまり書きにこれないかも。ごめんなさい。

ありがとうございます。
続けます。


エレン「ふぅー・・・」

湯船に浸かる。
ミカ荘の男達は1階奥の大浴場に集結している。

なんでも男と女で入浴時間にズレを作り、一つしかない浴場をやりくりしているようだ。

切り替えの時はミカさんが丁寧に入口の暖簾(のれん)を入れ替えているそうだ。俺はまだ見たことない。

ライナー「やっぱ男は裸の付き合いだよな」

コニー「だな!!」

ベルトルト「ライナー、それ何回言えば気が済むんだい?」

アルミン「ハハ・・・僕が初めて来たときもそれ行ってたね」

まだ髪を洗っているアルミン。
俺とライナー、コニー、ベルトルトは早々に身体と髪を洗って湯船に浸かっている。

エレン「ん?そういえば・・・みんなどんな順番でミカ荘に入ってきたんだ?」

ライナー「俺は結構、前の方だったなー・・・」

ベルトルト「僕はライナーの後だね」

コニー「俺はベルトルトより後、アルミンより早かったかな」

アルミン「僕は2番目に新参者だね。僕が入って大体2か月後にエレンがきたかな。」

エレン「へぇー・・・」

今のところ聞いた話では
ライナー→ベルトルト→コニー→アルミン→アルミンってところか?

ライナー「一番前からいるのはユミルだな。次に俺だ」

ライナー「順に、アニ、ベルトルト、クリスタ、サシャ、コニー、アルミン・・・そしてエレンだな」

ベルトルト「僕は度々ライナーのところに遊びに行ってたんだ。で、この寮の雰囲気を家賃諸々に惹かれてね」

ライナー「本当にそれだけかー?ん?ん?」

ベルトルト「や、やめてくれよライナー!」

アルミン「え?何々?ベルトルト何か別の理由があってきたの?」

ライナー「そりゃもう・・・」

コニー「んー?ミカさん目当てか?」

ニヤニヤと笑いながらベルトルトの顔色を伺うコニー。
いや、どう見たって・・・

エレン「アニじゃねぇのか?」

ライナー「おっ?」

アルミンコニー「え!?」

ベルトルト「ちょっと!!エレーン!!」

ズバリかよ・・・予想通りすぎるぜ・・・

ライナー「よ、よくわかったな・・・!」

エレン「わかりやすすぎるぞ・・・チラチラとアニ見てるし・・・」

エレン「大方、遊びにきている内にアニが気になって、いっそ住んでしまおうとかそんなんじゃねぇの?わかんねぇけど・・・」

アルミン「そうなんだー?」

コニー「へぇー、あの暴力女をねぇ」

髪を洗い流したアルミンも湯船に浸かり本格的に会話に参戦する。
ベルトルトの顔は照れなのか単にのぼせているのかわからないが、真っ赤になっていた。

ベルトルト「もう上がるっ!」

コニー「あっ、逃げた!」

颯爽と浴室から消えるベルトルト。
俺達も詮索が過ぎたと少し反省し、追い打ちをかけるのを止めた。

ライナー「しかし、見た目的に鈍感そうなエレンがなぁ・・・」

エレン「なんだそれ」

よく言われるけど・・・

アルミン「じゃあやっぱり?」

ライナー「ああ、ベルトルトはアニが好きなんだ。アニはどうかはしらねぇが・・・ま、嫌われちゃいないだろ」

ライナーは湯面に浮かせていた桶をパシッと叩いて回す。

ライナー「まぁ、あんまり言わないでくれ。見ての通り恥ずかしがり屋なんだ。」

アルミン「2人はミカ荘に入る前から知り合いだったの?」

ライナー「あぁ、幼稚園の頃からの幼馴染だ。」

エレン「凄いな・・・!」

ここまで長く一緒に付き合うのも珍しい。

ライナー「あぁ、小さい頃は俺の方がデカかったんだがな。中学の頃あっさり越されたよ」

身長の話か。
俺の成長期は大きく実感するほどの変化は見られなかったな・・・

ライナー「こっちに来た時、本当は俺と一緒に大工の仕事に就くはずだったんだが」

ライナー「スカウトされたらしくてな」

ライナーは嬉しいような寂しいような表情をする。

コニー「まぁベルトルトはデケぇしカッコいいし優しいし完璧だからなぁー」

アルミン「僕もあれくらい身長があれば・・・」

ライナー「アルミンはアルミンでまたいいと思うけどな」

アルミン「・・・」

無言で距離を離していくアルミン。
俺とコニーも少し離れる。念のため。

ライナー「コホン・・・ま、アイツは俺の親友ってことだ!勿論、お前たちもだぞ!」

エレン「あ、あぁ・・・さーて、上がるか・・・」

コニー「わりっ・・・俺も上がるわ・・・」

アルミン「僕も・・・」

ライナー「待て待て待て待て!!」

―――

今日も月が出ている。三日月か。
夜風が俺を通り抜け、部屋の中を巡る。
思いっきり空気を体内に取り込んでみた。

「よっ」

また声が聞こえる。
俺は息を吐いてから声の方へ振り向いた。

ユミル「お前も月を見てんのか?」

昨日とは違ってタバコではなく缶チューハイを持っている。
酒・タバコと来たか。次は何になるんだろうな。と思いつつユミルに応えた。

エレン「あぁ、月・・・というか夜空が好きかもな。」

俺の答えを聞いたユミルは、夜空よりもっと低い方向へ顎をしゃくる。

ユミル「ここ、結構高い位置に立地してるんだ。」

ユミル「しかもここも2階なもんだから、夜景が最高なんだ」

ユミルの言葉を聞いてから、顎で指された方を向いてみる。

エレン「へぇ・・・!」

目の前に広がる光景。
黒いキャンバスに少なくもなく多くもない色とりどりの光が散りばめられている。

ユミルの言っていた通り高い位置にあるらしく眺めも最高だ。

エレン「昨日はよく見てなかったから・・・初めて気づいたぜ・・・!」

ユミル「だろ?・・・っあー!うめぇ!」

この素晴らしい光景を見ながらの酒はさぞかし美味かろう、ユミル殿。

ユミル「あ?やんねーぞ?」

俺の視線に気づいたのか、ユミルは俺から見えない反対方向へ缶チューハイを移動させる。畜生。

なんというか・・・タバコの時もだったが学生時からグビグビのんでそうなほどの貫録と慣れが見えるな・・・

ユミル「Lvinマートにバイト決まったんだっけ?」

エレン「あぁ」

ユミルは缶チューハイを口元へ動かし、傾ける。片足は窓枠から突き出して1階の屋根の瓦へ乗せている。

ユミル「ふーん、」

ユミル「ま、気が向いたら行ってやるよ」

エレン「ああ、ありがとな」

ユミル「ちゃんとユミル様って呼べよ」

エレン「コンビニはそういう場所じゃねぇよ・・・」

ユミル「ハハ・・・あ、なくなっちったか・・・じゃ、またな」

酒がなくなった瞬間これだ。
サッと足を戻してニヤリと俺に笑みを見せた後、颯爽と室内へ戻っていった。

俺は夜空を見上げた後、夜景をボーっと見続けていた。

あの規則正しく並んだ暖色の光は道路の街頭なのか。あの白い光の下では家族が笑っているのだろうか。

色んなことを、ただ一人でボーっと考えていた。

今日はここまで
おやすみなさい・・・
応援していただいてありがたい限りです。

颯爽の使い方間違ってましたね。

颯爽と浴室から消えるベルトルト

逃げるように浴室から出ていったベルトルト

訂正で

ただいも。
風呂入ってきたら再開します。

―――

グリシャ「エレン・・・お前に立ち入ることを禁止してた地下の書斎・・・」

エレン「親父!喋っちゃだめだ!」

あれ?なんだっけこれ?

グリシャ「私の机の引き出しに・・・通帳が入ってある・・・名義はお前のものだ・・・」

エレン「何言ってるんだよ!?安静にしてなくちゃ駄目ってことくらい医者の親父が一番わかってるだろ!?」

目の前で・・・俺と・・・親父が・・・

グリシャ「お前のために使おうと思っていた貯金だ・・・ゴホッ・・・何でもいい・・・お前が使いたいと思ったときに使いなさい・・・!」

エレン「親父!親父・・・!」

親父・・・血・・・吐いてる・・・

グリシャ「お前の母・・・カルラも守れなかった私を許して欲しい・・・ゴホッ・・・」

エレン「親父・・・親父は十分頑張ったよ・・・」

親父

エレン「ごめんな・・・親父・・・医者の父さんとは違って・・・取柄もない普通のフリーターでさ・・・」

親父

エレン「もっといいところを見せたかったよ・・・ごめんな・・・親父・・・」

待ってくれよ、親父

グリシャ「エレン・・・私は・・・」

俺を置いてかないでくれ

グリシャ「私は、お前のような息子を持って・・・誇りに思ってる・・・!」

エレン「親父・・・!」

エレン「親父!!」

エレン「ハァ・・・ハア・・・」

見渡してみる。
目の前には死んだ親父はいない。清潔感があった病室の白とは違う落ち着きのある白色の壁に囲まれていた。

俺の下半身は布団に包まれている。

ここまできてやっとで理解した。今のは夢だったのか。

エレン「・・・クソっ」

妙に晴れない朝を迎えた俺は顔を洗いに廊下へ出る。
昨日、直したばかりの蛇口を捻り冷水を出すと顔へ2,3度浴びせて引っ掴んできたタオルでゴシゴシと顔を拭った。

エレン「ふぅー・・・」

自室のドアを開けてタオルだけ投げ込んでまた閉める。
寝癖を軽く直しながら、ゆっくりと一階へ降りていった。

ライナー「おう」

玄関でライナーが靴を履いていた。

エレン「おっす、今からか?」

ライナー「あぁ、エレンは朝は早いんだな」

エレン「たまたまだよ。」

夢のせいで早く目が覚めたのは伏せておく。
ライナーは靴を履き終えると、置いてあった鞄を肩へ下げて「うし!」と頬を叩いて気合を入れていた。

ミカサ「お待たせ」

トコトコと居間から出てきたミカさん。
手にはアルミホイルの球体がある。

ライナー「いつも朝早くありがとな!ミカさん!」

なるほど、昨日サシャが言ってたミカさん特製おにぎりか!

ミカサ「おはようございます、エレンさん」

ライナーにおにぎりを渡した後、俺を見て挨拶をするミカさん。
昨日の一件が頭をよぎり、妙に気恥ずかしく頭を軽く下げてお辞儀をしてしまう。

ライナー「おっと、邪魔者はさっさとおさらばしようかな」

そういってライナーはそそくさと出て行ってしまった。
ミカさんは昨日の一件を思い出したらしく、顔を真っ赤にして「お茶だしますね」とだけ言って居間へ逃げていった。

ライナーの野郎・・・戻りかけてたミカさんとの空気がまたこれだ・・・


それからは、俺はお茶を飲みながら居間でテレビを見て、ミカさんはキッチンで朝食の準備をしていた。
最初は俺しか居なかったものの、続々とメンバーが居間へ集結していった。

その中でも遅いのはやっぱりアニとコニー

以外にもサシャ、ユミルの二人は結構早い時間には来ていた。

「「「いただきます」」」

今朝は味噌汁と焼き魚と漬物と玉子焼き(白米もある)。
ミカさんは玉子焼きが砂糖派らしい。とても美味い。

今日は土曜なのでみんなゆっくりテレビを見たりお喋りをしながら朝食を完食した。

さて、今日は何をしようかな。

コニー「エレン!暇か!?」

ボーっとテレビを眺めていた俺にコニーが声をかける。
横にはベルトルトとアルミンもついていた。3人とも今日は仕事も大学も休みらしい。

エレン「あぁ、バイトは月曜からだし・・・それまでは暇だな」

アルミン「だったらさ、ゲームやらないかい?ベルトルトが結構持ってるんだ」

ベルトルト「ハハハ・・・ライナーにもらった奴が大半だけどね」

暇してた俺を気遣ってか、それとも単に遊びたかっただけか。
どちらにしても一人で過ごすよりかはマシだし、俺も早くみんなと仲良くなりたい。

エレン「勿論やるぞ!」

膝に手をついて立ち上がる。
ベルトルトを先頭に、男性陣は続々と並んで1階奥へ歩いていった。

エレン「で、なんでドラクエなんだよ」

ベルトルトの部屋でやってるのはプレイ人数一人のドラモンクエスト。
こういうのって大抵、大人数で出来る大乱戦スマッシュなんとかとかそういうものをやるんじゃないのか?

アルミン「チッチッチ・・・わかってないねエレン」

ちなみにコニーが操作、それを挟むように俺達は座って一つの画面を見ている。

ベルトルト「休みの日は長編RPGを1日ぶっ通しでプレイしてクリアまで運ぶのが楽しいんだ!」

コニー「そうだぞ!・・・あれ?これってどうやるんだ?」

エレン「そうなのか?・・・あ、それ多分、そこの石像を動かすんじゃないか?」

コニー「お・・・おおおお!!マジだ!」

アルミン「やるね、エレン!」

―――

コニー「なんだこのボスつええええ!!」

エレン「貸せよコニー!今度は俺がやる!」

アルミン「あ、じゃあ次僕ね!」

―――

ベルトルト「あ、死んだ・・・」

コニー「はいベルトルト代われーー!」

ベルトルト「待って!・・・ストーリーが続いてる・・・?」

アルミン「! これは負けイベントだったんだ!負けるのが正解なんだ!」

エレン「おおお・・・通りで敵が強すぎると思ったぜ・・・」

―――

ベルトルト「ふぅー・・・とりあえずご飯休憩しようか・・・」

アルミン「誰かコンビニいってみんなの分の昼ご飯買ってくる?」

コニー「なんだ?ジャンケンで決めるか?」

エレン「よっしゃ、俺パーだすからな!」

中途半端だが今日はここまで。
眠い・・・

お久しぶりです。
いきましょう。

ライナー「おおおおい!何か面白そうなことやってるじゃねぇか!」

ベルトルト「あれ?もうライナーが帰ってくる時間だっけ?」

アルミン「みんなでRPGやってたんだ」

ライナー「コニー漫画読んでるが・・・」

エレン「昼ご飯食べた後から急にグダグダしだしたからな・・・」

アルミン「そういうエレンも途中で携帯見てたりしたけどね・・・」

ライナー「まぁいい!続きやるぞ!」

コニーエレン「おう!!」

この後、俺達は日があけるまでゲームをし続けた。
ご飯と風呂の時間以外はベルトルトの部屋にこもっていたので、最後にはアルミンと俺以外全員が力尽きて雑魚寝している。

アルミン「結局クリアはできなかったね」

エレン「でも3分の2くらいは進めたんじゃないか?また機会があったらやりたいな」

アルミン「うん、そうだね」

微笑みながらそこらで寝ているライナー達に毛布をかける。
俺とアルミンは彼らを見届け、部屋の電気を切った。

廊下へ出て並んで歩いていると、居間のほうから光が漏れていることに気づいた。

エレン「ん・・・?」

ミカサ「・・・」

クリスタ「フフ・・・」

ユミル「ハハハハ!」

居間では机を前に並んでテレビを見ているミカさん、クリスタ、ユミルがいた。
3人はせんべいをつまんでいたらしく、机の中心には皿の上にせんべいが並んでいる。

少しの間しか見てはいないが、ミカさんとクリスタは一緒にご飯の準備をしていたし・・・仲がいいのか?
ユミルは多分、クリスタ繋がりか?いつも一緒にいたような気がするし・・・

3人の空気に俺とアルミンは割って入ることは出来ず、
居間の先に階段があるのだが・・・居間の前を横切ると物音がたって空気に切れ込みをいれてしまうかもしれない。

アルミンと1度、目を合わせてアイコンタクトを送る。
どうやらアルミンも同じことを思っているらしく困ったような表情をしていた。

クリスタ「そういえばさ・・・」

ユミル「ん?どうした?」

クリスタ「ミカさんってエレンが格好いいって言ってたけど・・・好きとか?」

エレン「っ・・・!」

思わず声をあげそうになったがアルミンが一瞬早く俺の口を閉じた。
ますます通りにくくなった。

ミカサ「っ・・・!」

ユミル「なんだなんだ~?やっぱりか~?」

1度だけ見たことあるミカさんの照れた表情。
どんどん独特な空気が膨れ上がっていく。

アルミン「・・・!」

アルミンが俺の肩を叩いてさっききた方向を指差す。
なるほど、1回ベルトルトの部屋に戻るか!

エレン「!」

俺はゆっくり頷くと、アルミンを先頭に縦に行進してベルトルトの部屋に戻る。
これ以上は聞いちゃいけない気がする。

俺・・・多分、アルミンも
今の光景を胸の奥にそっと閉じ込めておくことを誓った。

また後で来ます。
休憩TIME

ガチャ・・・

エレン「はぁ・・・結局戻ってきちゃったな」

ため息をつき、俺は室内の電灯をつける。
アルミンはハハハと笑いながらベットの上に腰を下ろした。
俺もアルミンを見て少し笑った。

部屋は静かだ。外ではカエルの鳴き声が聞こえる。
近くに水場でもあったのか。

アルミン「少し気になってたんだけどさ・・・エレンはなんで、こっちに来たんだい?」

沈黙に耐えられなくなったのか、アルミンは話を切り出してくる。
ここに来た理由・・・そうか、俺って親戚から逃げるようにここに来たんだな。
ここでの生活が楽しくて忘れてたな・・・ハハ・・・

言っていいのか。一瞬、迷う。
アルミンの表情は至って真剣だ。

もし、本当のことを言ったら、俺は不甲斐ない奴だと思われるかもしれない。
世界的有名な医者の息子がなんて様だと。

それと共に・・・いや、それ以上に親父の顔に泥を塗るのが嫌だった。
こんな息子がいては親父の名誉にかかわってくるかもしれない。

俺は・・・ゆっくりと俯いた。

アルミン「話したくなかったら、大丈夫だよ。誰だって言いたくないことはある・・・」

アルミンが気を使ってくれる。
今まで、アルミンを一緒にいた時を思い出す。

彼はいつだって落ち着いていて優しかった。
これが嘘の彼だとは思わないし、根っからのいい奴だってことはこれだけの間だけでもわかる。

顔を上げて、アルミンの表情をもう一度見た。

いつもと変わらない。
優しくて生真面目で、作られた嘘の表情ではなく、素直な表情だった。

エレン「俺さ・・・少し、親父が有名で、」

アルミン「!」

何故だろうか。彼の表情を見て、身の内の話が漏れるように口から流れ出ていく。

アルミン「有名?有名人でイェーガーっていうと・・・」

アルミン「まさか・・・」

エレン「ああ、信じられないと思うけど、グリシャ・イェーガーの息子だ」

アルミン「いや・・・待って・・・」

頭を抑えるアルミン。眉間にシワをよせて何か思い出しているようだった。

アルミン「昔、グリシャ先生のお嫁さんがテレビに、少しだけ出ていたんだ・・・」

アルミン「似ている・・・エレンにそっくりだ」

エレン「ハハ・・・グリシャの息子は今頃、医大で父を越えようと・・・世界各地の人達を救おうと医者になろうと熱心に勉強していると思ったか?」

ああ、やめろ。

エレン「これだ・・・何の変哲もないところで、何も変哲のない人生を送っている・・・」

こんな捻くれたこと言って、俺を嫌いにさせないでくれ。

エレン「向上心も失った。俺は・・・惨めな人間だ」

考えたくない、俺がどれだけ惨めなのかを・・・

アルミン「違うよ」

エレン「っ!」

アルミンの決して大きくはない、力強い声に・・・身体が震える。

アルミン「みんな、エレンを見ている」

アルミン「きっと、エレンの父さんがグリシャ先生だと知っても」

アルミン「見ているのはグリシャ先生じゃない、エレンだ。」

エレン「・・・」

アルミン「だから、自分をグリシャ先生と比べてそんなに卑下したら駄目だよ・・・」

頭を、ふと過る。

エレン「・・・みんな」

嫌な過去。

アルミン「?」

嫌な奴らだ。

エレン「みんな、そう言ってたんだ。」

アルミン「な、何が・・・?」

エレン「親父の財産を狙って、俺に近づく奴はみんなそう言ってた。」

アルミン「!」

エレン「見ているのはお前だ。とか言って置きながら、心は上の親父をしっかり見つめている」

エレン「ドブに落ちた俺はチラリとも見ない。」

アルミン「エレン・・・!」


エレン「・・・なんてな、冗談だよ」

笑ってみせる。

エレン「ありがとよ、アルミン!嬉しかったよ、お前にそう言って貰えて」

アルミン「エレン・・・」

腰を上げてドアノブを捻る。
ミカさん達も見ていた番組も終わって自室に戻っているだろう。

おやすみん
今日はここまででごわす。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月17日 (火) 18:12:29   ID: BIaKXxki

おもろい!!!
続き待てます!!!!

2 :  SS好きの774さん   2014年01月02日 (木) 23:21:05   ID: SWPppooj

面白いです!!
期待していますので、
頑張って下さい!
応援してます。

3 :  進撃の待人   2014年01月05日 (日) 19:01:09   ID: CU6ySZ2V

面白い!
早く続き出して~

4 :  少しマッチョさん   2014年01月05日 (日) 19:04:36   ID: CU6ySZ2V

ミカさんwww
文才あるわ~
めっちゃおもろいです。

5 :  SS好きの774さん   2014年01月05日 (日) 20:13:21   ID: CU6ySZ2V

続きお願いします

6 :  SS好きの774さん   2014年01月05日 (日) 20:27:41   ID: CU6ySZ2V

楽しみ!!!

7 :  SS好きの774さん   2014年01月10日 (金) 19:01:44   ID: QG_91cnm

まだかな

8 :  SS好きの774さん   2014年01月21日 (火) 15:58:03   ID: 2Rfv6cTT

続き見たい!

9 :  SS好きの774さん   2014年01月23日 (木) 10:33:31   ID: RnODo9Mr

期待

10 :  SS好きの774さん   2014年03月05日 (水) 00:15:32   ID: DD8UbsNi

続きを

11 :  SS好きの774さん   2014年03月08日 (土) 19:07:46   ID: n9jRgGWt

続きみたい!

12 :  SS好きの774さん   2014年05月18日 (日) 14:03:18   ID: 0hWtJnb3

続き!!!

13 :  SS好きの774さん   2014年12月29日 (月) 01:19:24   ID: W5zaQG09

期待!!

14 :  SS好きの774さん   2015年04月25日 (土) 22:20:42   ID: Ko67T0dX

KI☆TA☆Iです!!

15 :  SS好きの774さん   2016年08月05日 (金) 00:11:21   ID: 2-AJm8bC

作者の明日はあの日から来ないのであった…

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