真美「兄ちゃん、何読んでんの?」 P「斬」(171)

代行

真美「斬? 何それ?」

P「一昔前に少年ジャンプで掲載されていたんだ。読んでみるか?」

真美「へー、知らないや。どんな話?」

P「そこまで難しいものじゃないぞ。読めば分かる」

真美「ふーん、真美にも読ませて!」

P「良いけど、後悔するなよ?」

真美「? まあ良いや。どれどれ……」

真美「兄ちゃん、これ本当にジャンプで連載されたの?」

P「ああ、残念なことに連載されていたんだ」

真美「真美の友達のほうがもっと綺麗な絵を描くよ……」

P「まあネットでは夏休みの自由研究の作品だなんて言われたりするぐらいだからな。俺もこの漫画を読んだ後、俺でも漫画が描けるんじゃないかと思ってしまったぐらいだ」

真美「でも天下のジャンプでしょ? ワンピースとかブリーチとかの」

P「真美、1つ教えておくと、ジャンプに載った漫画全てが面白いと言うわけじゃないんだ。勿論個人の好き嫌いが有るから、一概にこれは駄作だなんて言えないんだ。真美はイマイチだっただろうけど、実は俺はこの斬が好きだったりする」

真美「えー、趣味悪いよ?」

P「まあ否定はしないでおくか」

P「じゃあ聞こう、真美はこの漫画を読んでどう思った?」

真美「うーん、色々有るけど……、見にくいかな。絵があんま上手くないし」

P「見難いのは否めないな。例えば、ヒロインの月島さんはアイドルを凌ぐ美少女設定なのにそうは見えない。なにより漫画家にとっては致命的なぐらいが絵が下手なんだ。勿論それは杉田先生の画力の低さから来るものなんだけど、問題はそれだけじゃない」

真美「うん、ゴチャゴチャしてる」

P「長い説明台詞で1コマの3分の2を埋め尽くすこともあったからな」

真美「それ漫画でやる意味あんの?」

P「漫画は小説と違って、全部を文で表現できないからな。確かに読者の知らない情報をそれとなく教えてくれるのはありがたいが、それがテンポを悪くすることだってある。1話のこのシーンなんか特にな」

真剣は切れ味がある分扱いやすいし、素人から玄人まで幅広く使われている武士の基本武器 対して研無刀は見た目なんかは真剣とほとんど変わらねぇが
あえて斬れない様に鋭く研がない分硬度と重量をかなり増加させて斬るより破壊を目的とした玄人好みのあつかいにくすぎる刀
使いこなせねぇとナマクラ刀より弱いただの鉄クズみたいなもんだってのに 何であのガキは?

P「これを1コマに収めるなんてまず無理だ」

真美「いかにもな説明台詞だね」

P「絵で表現しきれない部分を台詞で補う、それはいいとしても、必要以上に具体的な長い説明がちらほらと出て来る。それも原因だろうな」

真美「読み辛いよ!」

P「まあ最後まで読むと、作者の画力が上がっていくのが目に見えてきて、ダメな子の成長記みたいで読んでて楽しかったんだ」

P「けど、ジャンプ編集からしたらアンケート票が集まらない作品をいつまでも残すわけにいかないからな。夏休みが終わるぐらいで打ち切られたんだ」

真美「確かに熱意は伝わってきたかも。1巻しか読んでないから分からないけど、絵は上手くなったの?」

P「ドーピングレベルってわけじゃないけど、実力は徐々に伸びていったよ。打ち切られた後も、読み切りを描いたんだが、結構面白かったんだ」

真美「それはどうなったの?」

P「連載もされて、今度こそはと思ったけど、結局打ち切られたんだ」

真美「なんか可哀想だね」

P「ジャンプは他の雑誌以上に、アンケートの結果を重視するんだ」

真美「アンケート至上主義だっけ? 服部さんが言ってた」

P「ああ。その結果全くの新人が人気作家になることもあれば、大ヒットした漫画を描いた後に、早々と打ち切られるなんてこともある。等しく平等にチャンスがあると言えば聞こえは良いけど、なんでこれを打ち切ったんだというファンの声が挙がることも有る」

真美「今載っている漫画は凄いってこと?」

P「まずジャンプに載ること自体が凄いんだ。そして1年続くってのも難しい。初連載の新人なんかは特にな。20週もせずに打ち切りなんてよく有るよ」

真美「他には?」

P「なんだ、興味が出てきたのか?」

真美「うん」

P「そうだな……、全部持っていくと凄い量になるしな。真美、今からうち来るか?」

真美「ええ!? 兄ちゃんの家?」

P「ああ。斬の2巻もそうだが、他にも色んな漫画があるぞ。給料の殆どを漫画に使ってるからな。ちょっとした漫喫だぞ」

真美「に、兄ちゃんが良いなら行くけど……」

P「うっし、じゃあ親御さんには連絡しとけよ?」

真美「分かった!」


真美「これが兄ちゃんの部屋かぁ。本棚に漫画がぎっしりだね」

P「子供の頃から集めているからな。折角だし、今日は打ち切られた漫画について話していこうと思う。適当に座っててくれ」

真美「はーい、先生!」

P「えーと、まずはこれだな。テコ入れが行われることの多いジャンプ漫画の中でも、ここまで大きく変わった漫画はないだろうな」

真美「タカヤ-閃武学園激闘伝-?」

P「本作は第1回金未来杯グランプリを受賞した作品がプロトタイプとなっている。金未来杯ってのはジャンプの次世代を担う新人漫画家の作品を読切として発表し、読者のアンケートで優秀な結果を残した作品に与えられる賞だ」

真美「オーディションみたいなの?」

P「そういうことになるな」

真美「それってすごいよね?」

P「ああ。今連載されている作品だと、ぬらりひょんの孫や、べるぜバブが受賞したな。後打ち切られたけど花咲一休とか」

真美「結構有名じゃん。でも打ち切られたの?」

P「ああ、最初はありがちなラブコメと、分かりやすいバトルものだったんだ。かの有名な『あててんのよ』っていう言葉は、実はこの作品が初出だったりする」

P「ところがだ。連載一周年ごろ、テコ入れが入る。グダグダな展開が続く中、作者が悪いのか編集が悪いのか、いきなり格闘ラブコメ漫画から、異世界ファンタジーへと変わってしまったのだ」

真美「ファンタジーになった? どういうこと?」

P「それまで何の前触れも無かったのに、主人公とヒロインは突如異世界へ飛ばされる。そこからタイトルも変わって夜明けの炎刃王という副題になったんだ」

真美「つ、付いていけないよ……」

P「俺としては見本のような打ち切り方に笑わせてもらった。俺たちの戦いはこれからだ! よくあるパターンだが、ここまでテンプレに嵌ると拍手を送りたくなったな」

真美「打ち切り漫画って碌なの無いの?」

P「それは早とちりもいいとこだぞ。打ち切り漫画の中には、どうして打ち切ったんだ、という作品や短い中で綺麗にまとまったものも有る。その代表例がこれ」

真美「惑星をつぐ者?」

P「惑星と書いて『ほし』と読むんだ。これは9週で打ち切られたが、非常によく出来た作品で、今なお打ち切り漫画の中でも屈指の完成度を誇る作品として語られている。といっても人を選ぶ作品なのは事実だな」

真美「ふーん。どれどれ……」

P「どうだ、真美?」

真美「面白かったよ。でも真美にはあまり合わないかも。最後が少し駆け足だったのが残念かな」

P「そこは仕方ないな。ただ、これの素晴らしいところは、よくある、『俺たちの戦いはこれからだ!』だったり、『数年後……』って終わりではなく、無理なくキチンと終わらせていたこと。未来に希望が持てる素晴らしい終わり方だったと思う」

真美「なんでこれが打ち切られたんだろうね」

P「真美のように肌に合わない人が多かったんだろうな。それでも面白いのは事実で、ジャンプのスペースオペラは何かと聞かれると、コブラかこれが出てくるんじゃないかな? ちなみにこの作者は、これがデビュー作だったりする」

真美「勿体無いね」

P「この後も青年誌で描いたりしていたが、最近はあまり活動していないっぽいな」

P「まあ1995年の作品だから、真美はまだ生まれてないな」

真美「最近のやつならわかるかも。light wingとか!」

P「あれは好きだったんだがなぁ。キャラがよかったし。それと近いころに連載していたヤツだが、」

真美「逢魔ヶ刻動物園? これ読んだことあるかも。ウサギが主人公のやつじゃない?」

P「そうだな。ウサギの園長、椎名の性格や物語の展開は賛否両論あるけど、伏線回収が丁寧だったり、個性的で可愛らしいキャラクターが魅力的だ。関係ないが、俺は歴代ジャンプヒロインの中でも蒼井華は上位に入ると思っている」

真美「何も無いところでこけるって、なんかはるるんみたいな子だね」

P「ん? 言われてみればそうかもな。健気で頑張り屋、んでドジっ子。似てるな」

真美(兄ちゃんはるるんがタイプなのかな?)

P「まあ読んで損は無い作品だと思うぞ。動物園という敢えて難しいテーマで最後まで戦いきった姿勢は素晴らしいと思う。単行本は加筆も多いから、作者の愛も感じれる良作だ」

真美「他には他には?」

P「うーん、そうだなぁ。ここまで良作を紹介してきたからな。それじゃあヒット作を描いても、その後打ち切りになったという例を1つ。うすた京介って知ってるか?」

真美「ジャガーさんの人だっけ?」

P「そうだな。すごいよ! マサルさんも聞いたことがあると思う」

真美「セクチ→コマンド→だよね!」

P「ああ、そんなジャンプきってのギャグ漫画作者である彼も、20週打ち切りという憂き目にあったことがあるんだ」

真美「そんな人でもなるんだ」

P「ああ。この人に限らず、るろうに剣心の和月先生、聖闘士星矢やリングにかけろ! の車田先生、ボボボーボ・ボーボボの澤井先生、アニメや実写にもなった有名な作品を描いた彼らも、アンケートの結果により打ち切られたんだ」

真美「それって面白くないから?」

P「一概にそうとは言えない。前作の出来が良かったから、期待した割にはイマイチだったり、前作と同じような話だったりと色々だな」

P「うすた先生の武士沢レシーブは、前作マサルさんのイメージを払おうとシリアスな展開も持ち込んだが、ギャグとシリアスの両立を目指した結果、どっち付かずになった印象はあるな」

真美「ニート追うものはイートをも得ずだっけ?」

P「間違ってないが、二兎追うものは一兎をも得ずだろ。そう捉えられても仕方ないかな。ただ、この作品の最終回は、打ち切り漫画史上最高の終わり方をしたとまで言われているんだ」

真美「綺麗に終わったの?」

P「いや、吹っ切れて打ち切り自体をネタにしたんだ」

真美「どういうこと?」

P「17ページ与えられたんだが、最後の6ページで最終決戦を終わらせたんだ。ダイジェストと年表という荒業で。時間が足りなくなったからこそ出来た、ある意味捨て身の大技だ」

真美「そんなの有りなの?」

P「今後使えない、まさに伝説の最終回だ」

P「短い期間で最終回をどうまとめるか、それも漫画家の力量だな。ソードマスターヤマトみたいなのがあっても良いが、できれば綺麗に終わりたい」

P「ここでもう1つ伝説の作品を」

真美「また最終回がすごいの?」

P「はっきり言うと、斬よりも酷い作品だ。なんせ事実かどうか知らないが、あの冨樫がやる気を出したぐらいと言われてるからな」

真美「ど、どんな漫画なの……」

P「覚悟しろよ、これがかの有名な漫画、私立ポセイドン学園高等部だ!」

真美「……ねえ兄ちゃん」

P「なんだ、真美」

真美「これ、漫画だよね?」

P「ああ、恐ろしいことに。いや、落書きといったほうが良いか。この作品は5ヶ月間も連載されたんだ」

真美「まだ斬の方が何倍もマシだよ! こんなの小学生も喜ばないよ!」

P「ちなみにだ、この作品はとある図工教師が片手間に描いた作品なんだ」

真美「へっ、図工の先生? こんな絵で?」

P「まあ漫画を描くのと、図工はまた別なんだろう。冨樫が休載したための代原とはいえ、これはあまりにも酷かった。斬が愛される打ち切り漫画なら、これとわじマニアは愛されるどころか憎まれる打ち切りってとこだな」

真美「これなら真美の方がまだ面白い作品を描けるっしょ!」

P「そう思ってしまう読者が増えてしまうのも問題なんだけどな。実際に取り掛かってみたら分かるが、週間で15ページ以上も描き続けるのは至難の業だ! その辺はバクマンを読めば分かるか」

真美「忍耐力はあったんだね」

P「漫画家なら誰もが持ってるだろう。冨樫……、も持ってるよ! 多分」

P「ポセ学は衝撃的だったか?」

真美「うん。ジャンプの将来が心配になったよ」

P「まああれはとりわけ酷いからな。擁護する点が見当たらない漫画なんかそんなに無いぞ」

P「小学校からというと、作者が小学生のころから構想を温めてたという漫画もある」

真美「小学生のころから?」

P「妄想ノートと言われたらそれでお終いなんだが、夢をかなえたというのは尊敬に値するな」

真美「ダブルアーツ?」

P「ああ、今なお人気がある作品だ。これやさむらいうさぎはどうして打ち切ったって声が多いな」

真美「この絵キングダムハーツに似てるね」

P「影響を受けたと本人も言っているな。ボーイミーツガール、ロードムービーのような話でファンが多かったが、声が届くことなく打ち切られてしまったな」

真美「1話のワクワク感はすごいね」

P「最近だとスターズがそうだったな。最後まで読者を惹き付けるのは難しいな」

P「現在古味先生はニセコイを連載中だ。こっちが好きな人も居れば、ダブルアーツを描いて欲しいってファンもいる。ファンに恵まれた作者だな」

真美「うーん、ダブルアーツが今でも人気なのは分かったよ。愛される打ち切りって他には?」

P「愛されるかどうかは知らないが、これはどうだ? 知っている人のほうが少ないかもしれないけど」

真美「キララ? 野球漫画かな?」

P「ああ。そうなんだが、ドカベンとかMAJORと同じように考えないほうがいいぞ」

真美「銀行強盗?」

P「そう、この作品、いきなり銀行強盗のシーンから始まったんだ」

真美「これ、野球漫画だよね?」

P「まあ読んでいけば分かるさ」

真美「ゴメン、もう無理」

P「まだ1話じゃないか。これぐらいで驚いていたら先が読めないぞ?」

真美「いやいやいや! 1話から撃たれて主人公もヒロインも倒れるってどういうことなの!?」

P「1話あたりの内容が濃いからな、ちなみに続きだが、ヒロインは下半身不随、主人公は銃弾の毒素によって余命数年になってしまう」

真美「凄い展開の速さだね……」

P「主人公は再起を賭けて、関東一の不良校に入学するんだ」

真美「なんでわざわざ不良校なの?」

P「マイナスからのスタートを切るためだそうだ。ヒロインが下半身不随になったのは、さっさと試合を決めなかったお前のせいだなんて言いがかりをつけられたからじゃないか?」

真美「真美には理解できないよ……」

P「この極端過ぎるのが、この作品と平松先生の魅力だろう。ちなみに、この漫画は14週打ち切りで、試合も1試合しかしていないんだ。しかも相手は……」

真美「これなんて地獄甲子園?」

P「地獄甲子園は知っているのか。まああれ程ではないけど、毒針を仕込んできたりとラフプレーが目立つな」

真美「うん、普通じゃないね」

P「その他にも突っ込みどころは多く、人数が足りないからって女子がバッターボックスに立ったり、何より主人公の投げるボールは上から落ちてくる女の子を持ち上げる程の威力があるんだ。

真美「テニヌを思い出したよ!」

P「挙句の果てには毒針の毒を受けて、体内の毒が中和されるという、おれ自身でも何言ってるか分からないことになってしまう」

真美「そこまで無茶苦茶だと面白いよね」

P「まあテニヌもトンでも技のオンパレードだし、黒子のバスケも人間離れしたやつが多いから、スポーツ漫画はリアリティよりも派手さを求められてるんだろうな」

真美「でもこんな話は普通作れないよ!」

P「テニヌで思い出したが、許斐先生の作品でこんなのが有る。結構有名かな」

真美「COOL -RENTAL BODY GUARD-? なんか聞いたことあるかも」

P「このころから許斐先生はギャグ漫画家としての才能を見せていたな」

真美「でもあまり上手くないかも」

P「この作品はラジカセで会話するという予知能力者みたいなボディガードCOOLが主人公だ」

真美「クールってテニヌでも出て来るよね」

P「許斐先生は好きなんだろうな。この主人公、テンションが高ぶるとCOOL! COOL! と言いながら暴れるんだ」

真美「相変わらず凄いんだね」

P「まあ見て損はない。テニヌにも流れるものがあるしな。やはりあの人は天才だ」

真美「スポーツならミスフルもじゃない?」

P「あれもトンデモ野球だな。キララよりもクレイジーだとは思う」

真美「最初はHなギャグかと思ったらいきなり暗くなるよね」

P「初期のノリの方が好きなんだ。リトルリーグVS天国は今でも笑えるし、下ネタが多かったけど割りと好きだったな」

真美「試合が冗長なのがダメなのかな?」

P「武軍戦はそれが謙虚だったと思う。天国はベンチに居るから中々出てこないし、キャプテンと蛇神さんが倒れたりとバイオレンスだったな」

真美「けど変化球とか面白かったよ?」

P「ただ時々パクリじゃないかって技がでてきたのは頂けなかったな。通天閣投法やら、回転木馬は殿間の白鳥の湖だし」

真美「止まって見える球とかスワローとか好きなんだけどな」

P「根津は好きだったな。あいつが黒撰で天国とバッテリーを組んだのは熱かったぜ」

P「ただ、この後に書いたバリハケンは下ネタだらけだから、あまり女子にはお勧めできないな。ミスフルほどの勢いもないし」

真美「スポーツものならフープメンってあったじゃん?」

P「あれか。あれも可哀想な作品だったな。黒子と被ってたのもあるが、黒子がミスディレクションやら緑間やら超人を出したから、そこで差が付いたかな」

真美「黒子っちの方が目立つもんね」

P「フープメンはどちらかと言うとリアル路線を行ったからな。掲載時期が違えば、もっと評価されただろう」

P「大分話がそれたな。キララに戻るが、実はブラック・エンジェルズという作品のようなバイオレンスな作風が得意だったんだ」

真美「だからこんな世紀末野球をしてたんだ……」

P「漫画家にとっても得手不得手は有る。それを上手く描かせるのが編集の仕事だろうな」

真美「バクマンの新妻エイジが恋愛漫画苦手ってやつ?」

P「そう捉えてもらっても構わないぞ。例えばいちご100%の河下先生がドラゴンボール張りのバトル漫画を書けるかはまた別だ」

真美「それはそれで見てみたいかも」

P「ジャンプから離れるが、今サンデーで連載されているポケモンなんかはそうだな」

真美「ポケットモンスター ReBurstだよね。あれはどう評価していいか分からないよ」

P「作者は妖逆門の田村先生だが、この人実はバトル描写があまり得意ではない。描く女の子は可愛いんだがな」

真美「それなのに描いてるの?」

P「漫画家だから文句は言えないんだろう。このリバースト、通称嘔吐はそれが顕著だ」

真美「ポケスペの方が面白いよ!」

P「また可哀想なことに、原作がついていたが、いつの間にかシナリオ協力へと変わってる」

真美「逃げちゃったんだ!」

P「まあ、苦手な分野を描くのはどれだけ大変かってことが分かってくれたかな?」

真美「少し見方が変わってきたよ」

P「漫画家も色々だ。冨樫みたいなのもいれば、澤井先生のようにファン1人1人に返事を送るようなマメな方もいる」

真美「聞いたことあるかも。ボーボボの作者ってめっちゃいい人って」

P「ああ。だからこそ、チャゲチャは残念だった」

真美「それって確か……」

P「ああ、8週打ち切りの憂き目にあった作品だ」

真美「作者はいい人なのに……」

P「ボーボボの二番煎じと見られたんだろう。実際新説以降は徐々に人気も落ちてきたし、ギャグがいまいち受けなかったんだろう」

真美「ボーボボ好きだったよ!」

P「澤井先生で忘れちゃいけないのは、読み切りの梟。俺の中ではこれと格闘料理人アウディは単発にするには惜しい作品だと思っている」

真美「両方知らないかも」

P「黒梟はお爺ちゃんがヤンキーと戦うというジャンプでも非常に珍しい作品だ」

真美「発想が凄いね」

P「ああ。意味不明なシリアス、流れる独特の空気、子供向けじゃないパロディが面白かったぞ」

真美「読んでみたいかも! アウディは?」

P「これは非常に有名なんだ。料理漫画というと、まぁぶっ飛んだのが多いが、これもかなりぶっ飛んでいる」

真美「味っ子とかも面白いよね」

P「あれはアニメがやりすぎた感があるが……。さてアウディの話だが、悪人にしか見えないアウディが主役の勧善懲悪ものだ」

真美「ふむふむ」

P「ただリアルタイムでみたのは二つ目だけなんだ」

真美「二つ目? 二回読み切りをしたの?」

P「ああ。最初は鉄道駅員の格闘職人ボルボ駅長、二つ目は日本料理の格闘職人天龍源三郎と戦うんだ」

真美「でも凄く面白いならなんで連載しなかったの?」

P「それは分からないが、ただ言えることはアウディは連載ではなく読みきりだからこそ神格化されているんだと思う」

真美「どうして?」

P「連載だとマンネリ化してしまうからな。亜城木先生も似たようなこといってたろ?」

真美「その読み切りに全てをかけた……」

P「そうだな。読んでみたかった気もしないでもないが、アウディはひょっこりどこかでまた見れるぐらいがいいんだよ」

真美「連載すりゃ良いってわけじゃないんだね」

P「そうだな。読み切りは良くても、連載になると失速するなんてざらに有るからな」

真美「ジャンプも色々あるんだね」

P「ああ、今こうして掲載されている作品は、厳しいサバイバルを生き残ってきたということだ。それぞれの漫画に個性や良さがあるから、好きな漫画を守りたければアンケートを出すこと、ジャンプではそれが一番だな」

真美「ねえねえ、漫画を見てたら、真美も描いてみたくなってきたかも! 何か面白いの書けそう! 兄ちゃん手伝って!」

P「おっ、乗り気か? んじゃ飽きるまで付き合ってやるか」

P「俺たちの戦いはこれからだ!!」

えっと、書き溜め終わってしまいました。いくつかレスされたやつも書いていこうと思うので、少し休憩

バイトまで少しだけでも書いとく。

真美「と言ってもどんな漫画書こうかなぁ」

P「なんだ、まだ思いついてなかったのか」

真美「兄ちゃん、そういえば剣道漫画のクロガネってどうなの?」

P「あれか。剣道をやっている人からすると話にならないらしいな」

真美「でもさ、普通に剣道描くより面白いんじゃないの?」

P「まあ地味になるよりかは良いのかな。あの作品が嫌われているのは他にも理由があるんだが……」

真美「そうなの?」

P「作者が少々尖った人なんだ。twitterでやらかしてしまったのもあってか、作品以上に作者が嫌われてたりする」

真美「作者も影響するんだね」

P「剣道漫画で言うと、バンブーブレードも有名だな。俺は剣道を知らないからなんとも言えないが、個人的にあの作品はお気に入りだ」

真美「そっちもぶっ飛んでるの?」

P「タマちゃんは少し常人離れしてるけど、そこまでかなぁ。あれは剣道勝負というより、タマちゃんの成長記みたいなもんだし」

P「そうそう、ジャンプらしくない漫画ってのも結構あるぞ」

真美「例えば?」

P「デスノートとかはその筆頭だな。また短命だったけど、アスクレピオスって漫画はジャンプに無いジャンルだったな」

真美「どんなの?」

P「医療漫画だよ」

真美「ブラックジャックみたいな?」

P「現代ではなく中世が舞台だ。中世ファンタジー自体あまり無いけどな。そこで医療というテーマは面白いけど、あまり受けなかったな。残念だ」

真美「ジャンプって難しいんだね」

バンブレBとやらはおもしろいの?

P「同じ中世ファンタジーなら、拷問をテーマにした世にも珍しい漫画がある」

真美「そ、そんなのあるの!?」

P「まあそこまできつくは無いかな。ローの能力みたいなもんだし」

真美「オペオペだっけ?」

P「ベルモンド Le VisiteuRって作品だ。まあコイツも設定は面白いけど、上手く活かせなかったからか短命だな」

真美「面白い設定でも活かせないとダメなんだね」

P「真新しすぎても、上手く表現できないとダメだ。うえきの法則はそういう所が上手に出来てたと思う。サンデー屈指の名作だな」

真美「勉強になりますなぁ」

>>109 俺は嫌いじゃない

P「話の面白さもそうだが、絵の力も必要だ。面白い話でも、ポセ学のような絵じゃ誰も見てくれない」

真美「あの絵でラブコメはいやかな」

P「しかし、逆に汚い絵でしか描けない物がある。その代表格が漫☆画太郎だ」

真美「ガキ使で浜ちゃんの絵を描いてた人?」

P「ああ。去年はあれと今崎ホセが面白かったな。それはさておき、実は画太郎。描こうと思えば可愛い子もかけるんだ」

真美「そうなの?」

P「ババアの印象が強いけど、萌え絵の元祖とも言われているんだ」

P「まあそれはググるなりしてくれ。ただあの人の描くババアは本当に凄いな」

真美「ホントだ、可愛い絵かけるんだ」

P「罪と罰の表紙も一見の価値があるな」

P「あえて下手な絵、これは下手というか大胆というほうが正しいかな」

真美「あっ、ネウロだ!」

P「ネットでも伏線回収が秀逸な漫画は? と聞かれると、何人かはこれを挙げるな」

真美「そこまで気にしてなかったかも。この人の描く犯人がいつも強烈でさ」

P「至郎田シェフや、デヴィット・ライスと狂いに狂ったヤツを描かせるとこの人の右に出る人はそういないだろう」

P「特に、近年稀に見るぐらいのド外道シックスを産んだのは流石だと思った」

真美「真美あれ嫌い! やってることがもうね……」

P「だからこそあの最期は痺れたよ。多分今後でない良悪役だな」

真美「良い悪役って変な感じだね。べジータみたい」

P「ちなみに、シックスの名前の由来を聞いた時は驚いた。そこまで考えて漫画を描くんだと感動したものだ。ぜひともまた連載を描いて欲しいな」

真美「描いてないんだ」

P「読みきりはあるよ。どちらも俺たちには考え付かない松井ワールドが繰り広げられているから、一読の価値はあるぞ」

P「絵が下手だからって敬遠するのは勿体無い。今で言うとパッキーなんかがそうだな」

真美「あれコロコロに載せるやつじゃないの?」

P「読んでみると意外と面白いんだ。古生生物という目線で現代日本を皮肉っていて、打ち切られそうだがもう少し読んでみたい気もする」

真美「そうなんだ。読んでみよ」

P「風刺というと、これは俺の思い出だが、コロコロのカービィを推薦するな」

真美「カービィ?」

P「今やっているやつはそれで良いんだが、俺たちからしたらひかわカービィの印象が強いんだ」

真美「アニメとは別なの?」

P「アニメはアニメで狂っていたな。DVDが全部出てないのが残念だ」

P「このひかわカービィだが、小学生がメインターゲットなのに、赤字国債やらバブルやら憲法やら妙に大人向けなネタが多いんだ」

P「月1の楽しみだったんだけどなぁ」

真美「どうかした?」

P「いや、少し懐かしいなと思って」

真美「アニメカービィで思い出したけど、パロネタってどうだろ?」

P「意味が分かれば面白いが、分からなければなんのこっちゃってとこだな。やりすぎると寒く感じるが、パロを主体にした作品もある」

P「例えば太臓もて王サーガだな」

真美「また色物だね」

P「例を挙げると、手塚ゾーンみたいな技で女の子を引き寄せたりとやりたい放題だったな」

真美「銀魂もそんな感じだね」

P「そもそも新撰組だったりをパロっているから、あれも元ネタありきの作品なんだがな」

P「さて、パロディの話をしたが、パクリになってしまわないように気をつけなくちゃならない」

真美「パクリって基準がいまいち分からないんだよね」

P「ああ、なかなかデリケートな話題だからな。創作していると、どうしてもネタがかぶることがあるんだ」

真美「皆使うから?」

P「それもそうだし、新しいと思った設定っが実は既存のものだったり。一概にああだこうだ言うのは危険だな」

真美「難しいんだね」

P「最近だとエニグマが挙げられていた。未来日記やらSOWのパクリと言われてたが、果たしてどうかは本人のみぞ知るというとこだ」

P「ただ、あれは作者がそこまで賢くなかったのも致命的だな。単行本を買うと分かるが、良くも悪くも勢いミステリーだ」

申し訳有りません。バイトの時間になってしまいました。帰って来た時に残ってたら書きます。
落ちてたら後日自分でスレ立てます。
読んでくださった方ありがとうございました。0時頃に戻れる予定

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