真姫「涙で濡れた部屋にノックの音が転がった」 (22)

真姫「誰にも会えない顔なのに、もうなによどちら様?」

にこ「名乗る程たいした名じゃないが 誰かがこう呼ぶわ ”ラフ・メイカー”」

にこ「アンタに笑顔を持って来たの。寒いから入れてにこ」

真姫「ラフ・メイカー?冗談じゃない! そんなモン呼んだ覚えはないわよ!」

真姫「構わず消えてよ。そこに居られたら泣けないじゃない・・」

(・8・)ルララ ルラ ルララ ルラ♪

大洪水の部屋にノックの音が飛び込んだ――

真姫「あいつまだ居のね。消えてくれって言ったじゃない」

にこ「そんな言葉を言われたのは生まれこの方初めてにこ」


にこ「非常に哀しくなってきた・・どうしよう泣いちゃいそう(´;ω;`)」

真姫「う゛ぇえ!?」

真姫「ラフ・メイカー?冗談じゃないわ!アンタが泣いてちゃ仕様がないじゃない」

真姫「泣きたいのは私の方よ・・こんなモン呼んだ覚えはないわ!」

>ω<ルララ ルラ ルララ ルラ

二人分の泣き声 遠く・・・・・・

ドアを挟んで背中合わせしゃっくり混じりの泣き声

膝を抱えて背中合わせすっかり疲れた泣き声

真姫「今でもしっかり私を笑わせるつもり?ラフ・メイカーさん?」

にこ「それだけが生き甲斐だから・・笑わせないと帰れない・・」

真姫「今ではアンタを部屋に入れてもいいと思えたわ・・」

真姫「でも困った事にドアが開かないわ。溜まった涙の水圧ね」

真姫「そっちでドアを押して。鍵なら既に開けたから」

真姫「・・・・・?」


真姫「ちょっと!!なにか言いなさいよ!!」

真姫「どうしたの?まさか・・」

真姫「ラフ・メイカー?冗談じゃない!今更私一人置いて・・・」

真姫「いつもそうね・・一人で勝手に信じちゃって馬鹿みたい・・


パリーン!!

真姫「!!」

にこ「あなたに笑顔を持ってきたにこ」

真姫「にこちゃん・・」

にこ「ほら、泣かないの。ね?」

真姫「だって、だってぇ・・にこちゃん、昨日、穂乃果と・・」

にこ「あれは買い物に付き合ってもらっただけ。にこが好きなのは真姫ちゃんだけよ」

真姫「にこちゃん・・・うわああああああん」ぎゅっ

にこ「付き合ってもらった買い物ってのは・・これ」

真姫「私に?」

にこ「そ。開けてみなさいよ」

真姫「マフラー・・」

にこ「付き合って今日で一ヶ月でしょ?だから・・ね?」

真姫「ごめん、ごめんねにこちゃん・・私、勘違いして・・」

にこ「はいはい。だから泣かないの。ま、勘違いさせたにこも悪かったけど」

真姫「そんなこと言って、さっきにこちゃんだって泣いてたくせに」

にこ「う・・あ、あれは演技よ演技。油断させるための」

真姫「そっか」

にこ「・・・・・」

にこ「ほらっ、巻いてあげるから。おとなしくしてなさいよ」

真姫「うん」マフラーまきまき

にこ「はい出来た。にこにー特製Cutie Panther巻き」

真姫「イミワカンナイ」

真姫「でもあったかい」

にこ「でしょ?いいマフラーなんだから」

真姫「こうした方がもっと暖かいかも」半分にこにまきまき

真姫「にこちゃん愛してる」ちゅっ

にこ「い、いきなり大胆ね/////」

真姫「ありがとね。これ、一生大事にする」

にこ「そ。じゃあにこは用事があるから・・」

真姫「待った」がしっ

真姫「窓ガラス、弁償しなさいよね?」にこっ

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