ラブライブSS。卒業ネタあります。
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○
真姫「はあ……」グテー
花陽「最近元気ないね。大丈夫?」
真姫「そうね」
凛「そろそろ二学期末テストだから勉強教えてほしいなーなんて」チラッ
真姫「そうね」
花陽「あー、凛ちゃんの勉強は私に任せて。真姫ちゃんは自分の勉強もあるし、作曲だってやってくれるんだから」
真姫「そうね」
凛「わ、わかってるにゃー。ほんとは冗談のつもりで――」
真姫「そうね」
凛「……」
花陽「これは重症みたい」
凛「なんとかしなくっちゃ」
……
花陽「というわけでみんなに協力してほしいんだけど」
にこ「数字がぁ……漢字が夢に出てくるのよぉっ!」ガリガリ
凛「三年生も勉強とか大変だろうけど、でもこのままじゃμ'sが大変なことになるよ!」
海未「真姫はμ'sの要と言っても過言ではありませんからね。そういえば最近は練習にもあまり身が入っていないようでした」
絵里「たしかにあの子一人の負担が大きかったものね。ほかに曲を作れる子がいなかったからしかたのないことではあるけれど、そこに甘えていた部分はあるわ」
ことり「お医者さんになるために勉強もがんばらなくちゃいけないのに……。毎日すっごくがんばって、それで疲れちゃったのかも」
希「あんまり弱音を吐かない子やからね」
花陽「どうしよう……」
海未「変に気を使ってしまうと余計に無理をしてしまいそうですし、困りました」
絵里「簡単にその様子が想像できるわ」
にこ「くふ、ふっ。記号なんてこうよ、この。このこのこの!」ブツブツ
希「にこっちはそろそろこっちの世界に戻ってこようか」ワシ
にこ「え? ああ。それでどうするの?」
凛「真面目に考えてよー!」
ことり「穂乃果ちゃんはなにか案がある?」
穂乃果「……せんだ」
絵里「え?」
ことり「ごめん、もう一回言ってもらえるかな」
穂乃果「真姫ちゃん癒すぞ大作戦だー!!」
花陽「!!」
海未「なんですかそれ」
凛「その手があったにゃ!」
海未「いや、だからなんですかそれは」
希「さすが穂乃果ちゃんって感じやね」
にこ「にこもそれしかないと思ってたところよ」
絵里「……にこは無理して乗らなくていいから」
にこ「なんでにこだけっ!?」
穂乃果「疲れてる真姫ちゃんをみんなで癒してあげようって作戦だよ!」
ことり「そのまんまだね……。でもほかにできそうなことはないしなぁ」
穂乃果「もちろんあからさまにやっちゃってばれたらだめだから、さりげなーくが大事!」
海未「さりげなく疲れを取ってあげることなどできますか?」
花陽「うーん」
ことり「頭を撫でてあげながら耳かき!」
花陽「やってもらいたいかも」
凛「むしろもっと疲れさせてからぐっすり眠らせるとか」
にこ「倒れたらどうすんのよ」
海未「今でも十分に疲れているというのに、これ以上がんばらせるのは心が痛みます」
凛「むぅ……」
にこ「肩を揉んであげたりするのは?」
希「じゃあウチがわしわし――」
絵里「それはダメ」
希「冗談やよ。それで、穂乃果ちゃんはどうすればいいと思う?」
穂乃果「それは……」
穂乃果「みんなに任せるよ!」
海未「そう返ってくることは予想してました」
絵里「穂乃果らしいものね」
穂乃果「えへへ」
にこ「褒めてないっての」
花陽「わたし達が真姫ちゃんのためにがんばるのが大切だと思う」
凛「そうそう。いつもお疲れーって。ぱーって回復することは無理だけど、少しずつでも元気になってほしいよね」
ことり「うん。みんな真姫ちゃんにはすごく感謝してるから。じゃあこれで決まりだね?」
海未「異存はありません」
希「ウチや絵里ちはにこっちの勉強を見ながらだけど、きちんと手伝わせてもらうよ」
穂乃果「それではこれより、真姫ちゃん癒すぞ大作戦を開始します!」
海未「とはいえ実際なにをすればいいのでしょうか」
希「うーん、一つだけいいものがあるけど、これはウチがするつもりやからなー」
海未「教えてください!」
希「えー。まあ海未ちゃんが一番最初にやってくれるんならいいけど?」
海未「わかりましたやりましょう」
ことり「じゃあ一番手は海未ちゃんだね」
にこ「で、希はなにするつもりだったの?」
希「ポッキーゲームって知ってる?」
ことり「!!」
にこ「っ!」
海未「ぽっきー……? それはあのお菓子のことですか?」
希「そ。ちょっと二人ともこっち来て」
にこ「なによ」
希「ゴニョゴニョ」
ことり「!!!」
希「こほん。ポッキーゲームというのはね、相手にポッキーを食べさせる遊びなの。ね?」
ことり「そうそう、とーっても楽しくて癒されるゲームなんだよね、にこちゃん」
にこ「そそそそうねー。まああれ? 小動物に餌をあげる的な?」
ことり「かりかり食べ進んでいるのを見たらかわいくって幸せな気持ちになれるもんね」
希「そういうわけ」
海未「ふむふむ。そのようなゲームがあるとは知りませんでした。でも相手は人間ですよ?」
希「そこがいいんよ。海未ちゃんみたいな真面目な子だと、食べてるときとのギャップがね」
ことり「そのとおり!」
海未「……本当ですか?」
希「ね、にこっち?」
にこ「まったくもってそうよ」アセアセ
海未「わかりました。三人を信じて、私は真姫とポッキーゲームをやりましょう!」
希「……」グッ
ことり「……」グッ
○うみまき
音楽室
真姫「はあ……」
海未「調子が悪いようですね」
真姫「海未? 今日は休みなのにどうして」
海未「休みだからここに来たんです。きっと真姫はがんばっているだろうと思って。曲のほうはどうですか?」
真姫「それなり。別に急ぐ必要はないんだろうけど、十二月までには完成させたくて」
海未「がんばりすぎはよくありませんよ」
真姫「……そうね。少し休憩する」
海未「あの、特に手伝えることはないのですが、ここにいてもいいですか?」
真姫「好きにすれば」
海未「ありがとうございます」
真姫「……」
海未「……」
海未「こほんっ」
真姫「風邪?」
海未「いえ、少し喉が渇いて」
真姫「そう」
海未「……」
真姫「……」
海未「あーあの」
真姫「ん?」
海未「暇ですね」
真姫「別に」
海未「実はですね、暇つぶしの遊びを用意しているんです」
真姫「そう?」
海未「ポッキーゲームって知ってますか?」
真姫「ポッキー? ってあの、あれ?」
海未「あのお菓子です。それを使った簡単な遊びというか、そんな感じのものを希とことりから教えてもらいまして」
真姫「ふーん。どういうの?」
海未「なんでも相手がポッキーを食べるところを見るんだとか」
真姫「なにそれ」
海未「小さい動物がご飯を食べる様は、とても愛らしくてほんわかするそうです。それをもとにして考えられた遊びだとにこから聞いています」
真姫「楽しいの?」
海未「実際にやったことがないのでわかりません。しかし動物がものを食べるシーンはテレビなどでもよく見ますし、きっとみんな楽しんでいると思いますよ」
真姫「たしかに。それで、ポッキーは持ってきてるの?」
海未「はい」
真姫「準備いいわね」
海未「ま、まあ。では真姫、これを」
真姫「私が海未に食べさせるの?」
海未「お手柔らかにお願いします」ギュッ
海未(恥ずかしくて目をつむってしまいました)
真姫「じゃあ、軽く口開けて」
海未「ん」
海未(これ楽しいんでしょうか)サクサク
真姫「なんか変な感じ」
海未(もしかして今、この顔をじっと見られている? 恥ずかしいです……。とはいえ今さら目を開くのはどうなんでしょう)
海未(たしかにこの感覚は、変な感じとしか表せそうにありません)
海未(指が近づいてくる……)フニッ
真姫「あっ」サッ
真姫「ご、ごめんなさい」
海未「いえこちらこそ、すみません……」ドキドキ
海未「そっそれでどうでした?」
真姫「……よくわからなかった」
海未「そうですよね、わかりませんよね。……もう一回やります?」
真姫「いい。今度は海未がやってみて」
海未「え?」
真姫「私だけだと不公平だから」
海未「わかりました。では、入れますね?」
真姫「んっ」ギュッ
海未(顔が真っ赤です……)ゴクリ
海未(これは……いやちょっと待ってください。ここまできてなんですがこのゲームおかしくないですか?)
海未(とりあえず最後までやりますが。あとできっちり問い詰めましょう)フニッ
真姫「あっ……」
海未「すみません」
真姫「いいけど。どうだった?」
海未「変な感じ、でした」
海未(十一月も終わろうとしているのに、熱くってしかたがありません)
真姫「だいぶ暇がつぶせたわね……」
海未(そう言って真姫はピアノを弾き始めます。なんだか音が踊っているように聞こえました)
海未(これが癒しの力なのですね!)
絵里「それは違うと思う」
海未「えっそうなんですか?」
花陽「そもそもポッキーゲームって……」ゴニョゴニョ
花陽「だからその、ね?」
海未「……希はどこですか、にこは、ことりはっ!」クワッ
凛「希ちゃんとにこちゃんは勉強してるみたい」
穂乃果「ことりちゃんはー。あれ、いない!」
海未「ふふ……ふふふふふ」ゴゴゴゴ
絵里「まあまあ落ち着いて。一応効果はあったみたいよ。今日は少し機嫌がよさそうだったし」
凛「そ、そうだよ! 授業もばっちし受けてたし。ねえかよちん?」
花陽「うん!」
ガチャ
真姫「どうかした?」
凛「えっ! あーなんでもないにゃ!」
花陽「なんでもないなんでもない」
真姫「ならいいけど……どうしたの、海未」
海未「世の中には知らないほうがいいこともあります」ググッ
真姫「……意味わかんない」
うみまき編終わり。今日はここまで。
○ことほのまき
神田明神
ことり「うー、ようやく開放された……」
穂乃果「お疲れさま!」
ことり「海未ちゃんはひどいよ。たしかにわたしもちょっとは悪かったと思うけど」
穂乃果「テストが終わってからの走りこみかー。にこちゃんと希ちゃんは受験勉強があるからってあんまり参加しなかったし」
ことり「ごめんね穂乃果ちゃん、つき合わせちゃって」
穂乃果「いいのいいの。一人でなんてかわいそうだし」
スッ
穂乃果「あれ?」
真姫「……」
穂乃果「真姫ちゃんだー!」
真姫「っ!」ビクッ
穂乃果「おーい!」
真姫「大きな声出さないで!」
ことり「どうしたの、こんなところに」
真姫「よくこんな寒い中走っていられるわね。ほらこれ、近くで買ってきたから」ヒョイッ
穂乃果「あったかい……いいの?」
ことり「えっとお金は」
真姫「いいわよこれくらい」
穂乃果「かたじけない」
ことり「わたし達のほうが先輩なのにね」
真姫「海未は弓道の練習があるから、こっちは私に頼まれたの。凛と花陽は先に帰したわ」
穂乃果「真姫ちゃんがいればμ'sは安心だね」
真姫「まさか。あなた達のお守りなんて三日も持たないわよ」
穂乃果「ひどい!」
真姫「とにかく帰りましょう。ちゃんと練習してたって海未に伝えておくわ」
ことり「ありがとう。心配してくれたんだ」
真姫「当たり前でしょ。この時期に怪我や病気はかんべんして。μ'sの練習はどうするのよ」
穂乃果「真姫ちゃんが素直だー!」
真姫「別に驚くほどのことでもないんじゃない? ていうか私はどんなイメージなの」
穂乃果「もっとこう『べ、別に心配なんかしてないんだから!』とか『どっちでもいいじゃない!』的なものを」
真姫「はあ……。ちょっと傷ついたわ」
穂乃果「ご、ごめん」
真姫「いいわよ」
穂乃果「……ことりちゃん」ボソッ
ことり「……チャンスだね」ボソッ
穂乃果「そうだ、うちに寄ってく?」
真姫「え?」
穂乃果「あったかい飲み物おごってもらったお礼をしなくちゃ」
真姫「別に……」
ことり「よし、行こう!」グイッ
真姫「ちょ、ちょっと」
穂乃果の家
穂乃果「ささっお客さんはこっちだよ!」グイッグイッ
真姫「引っ張らないで」
穂乃果「はい座って。お茶とお菓子持ってくるから!」
バタバタ
真姫「……なんなの」
ことり「あはは……」
ことり「そういえば新曲、すっごくよかったよ」
真姫「そう。とりあえず私のするべき大きな仕事が終わってほっとしたわ」
ことり「衣装もがんばって作るからね!」
真姫「ええ」
ことり「……」ソワソワ
真姫「落ち着かないみたいね」
ことり「だって――」
バタバタ
穂乃果「お待たせー」
ことり「早かったね」
真姫「だって、なに?」
穂乃果「なんの話?」
ことり「えっと……。よし」グッ
ことり「真姫ちゃん、耳かきしてあげようか」
真姫「はあっ!? いきなりなにを言い出すのよ」
ことり「膝枕してあげるから」ポンポン
穂乃果「ずるいよことりちゃん。私だってやってほしい!」
ことり「やる側じゃないんだ……」
穂乃果「じゃあことりちゃんが右耳で私が左耳をやってあげるね」
真姫「だれも頼んでないし、穂乃果にされるなんて怖くてしかたがないわ」
穂乃果「そんなことないもん! 人にやったことないけどうまくできるもん!」
ことり「やっぱりだめかー」
真姫「ちょっと待って。なにがどうなってそんな話になったの?」
ことり「あー……」
真姫「私に隠してることでもあるわけ」
穂乃果「……」
真姫「この前の海未も、いきなり来たかと思えば変なゲームをしようなんて言ってきて」
ことり「うぅ……」
真姫「怪しい」
穂乃果「ぎくり」
真姫「いったいなにを企んでいるのよ」
穂乃果「……だって」
穂乃果「新曲作るってなってから真姫ちゃん元気ないんだもん。そりゃ私達に作曲は無理だから手伝えないけどさ」
穂乃果「きっと本当にがんばってて、そのせいですごく疲れちゃったんだろうなって思って」
ことり「だから、みんなで真姫ちゃんの疲れを取ってあげようってなったの。その名も真姫ちゃん癒すぞ大作戦!」
真姫「ネーミングセンスがないわね」
穂乃果「そういうわけでほら、お姉ちゃんに甘えて?」
真姫「だれが妹よ」
ことり「大丈夫だよ真姫ちゃん。わたし耳かきすっごく得意だから」ポンポン
真姫「……別に、いいし」
穂乃果「お、照れてる照れてるー」
真姫「うるさい! それより穂乃果、テストの点数大丈夫なんでしょうね?」
穂乃果「うっ……。終わったばっかりなのにテストの話しないでよー」
真姫「赤点なんて取ったときには覚悟しなさ――」ボフッ
穂乃果「必殺、座布団投げ!」
ことり「真姫ちゃん!」
真姫「……」プルプル
穂乃果「自分の都合が悪くなったからってテストの話を持ち出す真姫ちゃんにはこうだ!」
真姫「……やったわね」
ことり「二人とも落ち着いて」
穂乃果「ふふん、真姫ちゃんには先輩としての意地を見せてあげなきゃ」
真姫「受けて立つわ!」バッ
ドタバタ
ドタバタ
ことり「だれか助けてー!」
バタン!
雪穂「うるさい、私勉強してるんだよ!? 静かにして!」
穂乃果「ご、ごめんなさい」
真姫「……ごめんなさい」
ことり「ごめんなさい……」
雪穂「まったくもう、こっちは受験生だってのに……」ブツブツ
穂乃果「怒られちゃった」
真姫「はあ……。帰りに謝っておくわ」
ことり「二人ともだいぶ疲れてるね」
穂乃果「いっぱい動いたからね」
真姫「私は別に」グゥー
ことり「あっ……」
真姫「……」
穂乃果「明日から休みだし、今日は真姫ちゃんもことりちゃんも泊まってく?」
真姫「……あとで家に電話する」
ことり「わたしも」
穂乃果「じゃあお母さんに伝えてくるから!」
バタバタ
真姫「疲れた」
ことり「……真姫ちゃん」ポンポン
真姫「……」
ことり「おいで」
真姫「言っておくけど私の耳はそんなに汚れてないから」スッ
ことり「ふふっ。じゃあ始めるよー?」
真姫「~っ!!」
○
真姫「……」
凛「真姫ちゃん?」
真姫「えっ? 凛ね……」
花陽「最近なんだかぼうっとしてるよ。なにがあったの?」
凛「心ここにあらずって感じにゃ。それでもノートをきれいにまとめてるところはうらやましいけど」
真姫「いつもどおりのつもりだけど」
花陽「ううん、絶対おかしいよ」
真姫「振り付けのこと考えてるからかしら」
花陽「新曲の?」
凛「昨日もミスいっぱいだったもんね。調子悪いのかな」
真姫「さあ」
花陽「……あのね真姫ちゃん。実はわたし達」
真姫「穂乃果から聞いてる。私の疲れをどうこうってやつでしょ」
凛「喋っちゃったんだ」
真姫「そこまで心配しなくていいわ。自分のことは自分でもある程度わかるもの。そこまで疲労が残ってるわけじゃない」
花陽「本当?」
真姫「ただ、そうね」
真姫「みんなに心配かけちゃってるならもう少し休んだほうがいいかもしれないわね。卒業ライブ以外の予定は今のところないわけだし」
真姫「今日は練習を休ませてもらうわ」
凛「それがいいにゃ!」
真姫「私がいないからって変に張り切って怪我したりしないでよ?」
花陽「うん。真姫ちゃんもいっぱい休んでね!」
真姫「そうさせてもらうわ」
○のぞにこまき
図書室
真姫(μ'sに入ってからここにあんまり来れてないのよね。そもそも休日以外に読書に割り当てられる時間がないし)
真姫(冬休みはがんばって読もう。まあ、勉強でもない本をわざわざがんばって読む必要なんてないけれど)
真姫「……」ペラッ
真姫(凛や花陽はああ言っていたけど、実際私の気は緩みまくっている)ウトウト
真姫(小説を読んでいてこんなに眠くなってしまうのは、決して疲れきっているからではなく、ただ――)コトン
真姫「……ん」
真姫(少し眠ってしまったようだ。何人か生徒が入ってきているらしい。隣からぶつぶつ言っている声が聞こえた)
真姫「んん……。希と、にこちゃん?」
希「よく眠ってたみたいやね」
真姫「どうしてここに?」
希「勉強する場所は毎日変えてるんよ。それで今日は図書室ってこと」
にこ「あんたが眠ってたからちょうどいいしここにお邪魔したってわけ。わかった?」
真姫「そう……」
にこ「部活はどうしたのよ」
真姫「休んだ」
にこ「あっそ」
希「変な話やね。ついこの間までは『今日は部活どうしたの』なんて聞くまでもなかったのに」
にこ「受験が憎い」
希「まあそう言わずに。ウチががんばって新曲の練習時間確保してることやし」
にこ「あーあ」
真姫「図書室では静かにして」
希「ごめんごめん。真姫ちゃんはこのあとどうするの?」
真姫「もう少し寝る。帰るときになったら起こして」
希「了解」
にこ「……」カキカキ
帰り道
にこ「不思議ね、ほんと」
真姫「なにが?」
にこ「にこがこうしてここにいること」
真姫「……」
希「にこっち、とうとう勉強しすぎておかしく――」
にこ「違うわよっ! そうじゃなくて、希が言ってたみたいなこと」
にこ「ちょっと前までにこ達も当たり前のようにμ'sで練習してたから、だれかが休んだーなんてすぐわかったじゃない」
希「もうわざわざウチらに連絡する必要ないもんね」
にこ「体調崩して休んでも、一緒に見舞いへ行こうってメールが練習終わってから来るくらい」
真姫「寂しい?」
にこ「不思議ってだけ。今はまだそれ以上考えらんないわ」
希「受験合格できるかどうかも怪しいからね」
にこ「できるっての。ていうか、する。じゃなきゃ希や絵里に悪いし、ほかのみんなにも示しがつかない」
希「お、ようやく三年生らしくなってきた」
にこ「ったくあんたは……」
希「真姫ちゃんは寂しい?」
真姫「……さあどうかしら。私も私で、今はほかにやらなくちゃいけないことがあるから」
希「ウチらとしては卒業式でわんわん泣いてほしいところやね」
真姫「そういうキャラじゃないし。それに私達は卒業式が終わったあとが本番よ」
にこ「卒業ライブねえ。にこ達は合間を見て練習してるけど、真姫ちゃんはどうなのよ」
希「聞いた話によると最近調子が悪いみたいやけど」
にこ「卒業ライブでやる曲を作るのに全力出しすぎた反動じゃないの?」
真姫「そうね。曲ができて、振り付けもある程度覚えて。なんていうか力が抜けちゃった」
希「まあ今のうちから本気で取り組みすぎてもだめかもね。まだ冬休みでもないし」
真姫「そういうわけでやる気が出ないから休ませてもらった。もちろんみんなにはそこまで正直に話してないけど」
にこ「あいつらには秘密にしといてあげるわ」
真姫「間違っても穂乃果には言わないでよね。今度は私のやる気を出すために変なこと思いつくだろうから」
にこ「げっ知ってるの」
希「穂乃果ちゃんは正直に言いそうやね」
真姫「ことりからも聞いたわ。海未にポッキーゲームを教えたのがだれかって」
にこ「……」
真姫「そして本当のポッキーゲームがどんなものかも」
希「そういえばそんなこともあったようななかったような」
真姫「はあ……」
希「さて、ばれちゃったみたいやし、なにかしてあげないとね。真姫ちゃんはどうしてもらいたい?」
真姫「そう聞かれても答えらんないわよ。別に私が望んでることなんてないし」
にこ「でも二年組はもうなんかやったんだし、凛と花陽だってあんたのこといろいろ気を回してるのに、三年生だけなにもしないってわけにはいかないわよ」
真姫「そんなことよりあなた達にはするべきことがあるでしょ」
にこ「勉強のことは置いときなさい!」
希「こういうのはどうかな。真姫ちゃんの悩みを聞いてあげる」
真姫「はあ?」
希「ほかのだれかには言えないような、真姫ちゃんが心の中に溜め込んでるもの。それを聞いてあげる。案外すっきりするんよ?」
真姫「そういうのはいらないわ」
にこ「まあにこ達にできることって言ったらそれくらいよね。人生の先輩として」
真姫「……」ジー
にこ「そういう目で見るな!」
希「ほら、はっきり言ってみて?」
真姫「にこちゃ――」
にこ「にこの見た目について言うんじゃないわよ?」
真姫「……じゃあ言わせてもらうけど。卒業ライブの曲はたしかに本気で作ったけれど、にこちゃんと希にどう思われるかなんて気にしてないの」
真姫「だって、どうせどんなものでもいいって言うに決まってるし」
にこ「言い返せないわね」
真姫「そしてだからこそ私は、自分の持つすべてを使って作曲したつもり」
真姫「どんなものでも喜んでくれるなら、自分の納得がいく最高のものを贈りたいから。そのためならどんな努力も惜しまないわ」
希「それだけできあがったあとの反動が大きくなったと」
真姫「そういうこと。これまでだって手を抜いたことなんてなかったけれど、今回ばかりはこれまでどおりにいかなかった」
真姫「いろんなもの詰めすぎてどうしていいのかわからなくなった。どんな顔してどんな気持ちであの曲と向き合えばいいのか」
真姫「あれが最高のものだという思いは二週間くらい経っても変わらない。ただまだ冷静になれてないの。もう少しだけ時間がほしい」
にこ「いいんじゃない? だってライブは三月よ。まだ年も明けてないのにがむしゃらに練習したってどうにもならないし」
希「うんうん。真姫ちゃんはうそが下手だから、休みたいときはてきとうにうそついていいんよ」
真姫「どういうこと?」
希「真姫ちゃんが本当に大丈夫じゃないときは、きっとみんな気づけるから」
にこ「大丈夫じゃないって言っても顔見ればすぐ大丈夫だってわかるから安心しなさい」
希「だから体調悪いってうそ言ってさぼったって、みんなして急にお見舞いに行ったりなんてしないよ」
真姫「……それは安心できることではあるけどなんか言い方が納得いかないわね」
真姫「でも……ありがとう」
にこ「あんたがうまく踊れないほうが、練習時間の少ないにこにとっては好都合なのよね。こっちの練習不足を隠せるし」
希「こら、そんなこと言っても勉強の時間は減らさないからね?」コツン
にこ「ぐぬぬ」
真姫「ふふっ」
真姫「決めたわ、今年いっぱいはもうがんばらないって。にこちゃんが必死に勉強してる横で眠ってやるから」
にこ「くっ……このぉ!」
真姫「じゃあこの辺で」
希「うん。気をつけてね」
にこ「覚えてなさいよーっ!」
真姫「……覚悟してなさい、私達の本気を」
今日はここまで。残りは「えりまき」と「まきりんぱな」です。
○
絵里「残るは私と凛と花陽……。いったいなにをすればいいと思う?」
海未「私に聞かれましても。そもそもみんながなにをしたのかさえ聞かされていないんですから」
絵里「内容が被ってしまうのはいやなのよね。と言っても、穂乃果達が考えつきそうなことはわからない」
絵里「真面目に考えてしまえば今度はそれが裏目に出てしまうかも。海未がうらやましいわ、一番手で」
海未「内容はあれでしたが。真姫は怒っていないようだったので助かりました」
絵里「はあ……どうすればいいのかしら」
海未「難しいですね」
絵里「二人で遊びに行ったり。いやこの時期に連れまわすのはさすがにかわいそうね」
海未「逆に走り回るのはどうでしょう」
絵里「なにの逆かはわからないけど。この時期は……いえ、それもありといえばありかもしれないわ」
絵里「ダンスの練習は少しずつやっているとはいえ、勉強が忙しくて最近体力が落ちているし」
海未「ではそれでいきましょう! ともに汗をかき汗を流しあえば、なんとかなるでしょう」
絵里「……やっぱりやめ。まあ、結論はもう少し先ね」
海未「そうですか」
○えりまき
部室
ガチャリ
真姫「……絵里?」
絵里「あら奇遇ね。みんなは?」
真姫「練習じゃない?」
絵里「じゃない? って、あなたはどうしたの」
真姫「さぼったのよ」
絵里「練習さぼって部室にいるなんていい度胸してるわね」
真姫「でしょ」
真姫「絵里のほうこそなにしに来たの?」
絵里「ちょっと凛と花陽に相談したいことがあったんだけど」
真姫「私だけ外したってことは、あれのことでしょ」
絵里「どうせばれてるとは思ってた。私もなにかしなくちゃいけないとは思うんだけど、正直に言ってしてあげられることがわからないの」
真姫「ふーん。絵里にはしてほしいことがあるんだけど」
絵里「本当? よかったら教えてちょうだい」
真姫「あなたには私達の最後のライブを評価してほしい。μ'sに入る前の絢瀬絵里なら今の私達をなんて言うか知りたいの」
絵里「……」
真姫「あんまり思い出したくなかった?」
絵里「そういうわけではないけれど。でもどうして?」
真姫「今度の曲がμ'sの集大成だから。あのときから比べると私達はすごく成長してる。今なら絢瀬絵里を歌と踊りで納得させられるかしら?」
真姫「いつか見返してやるってずっと思ってたの。これは私からの挑戦状よ。受けてもらえる?」
絵里「……」
真姫「希やにこちゃんと違って絵里は厳しい評価もしてくれる人だから」
絵里「わかったわ。がんばりましょう」
真姫「ええ」
真姫「ところで勉強しなくていいの?」
絵里「一日くらい大丈夫よ。それにここは落ち着く場所ではあるけれど、勉強に集中できる場所ではないわ」
真姫「そう?」
絵里「受験勉強には、ね。真姫もいつかわかる日がくるわ」
真姫「……なんでこう安心できるのかしらね」
絵里「私達の場所だからよ。もともとにこのいたアイドル研究部のものもあるけれど、今では私達がここにいた証がいっぱいある」
絵里「雰囲気とか匂いとか。だからこうして二人きりでもぜんぜん寂しくないのよね、ここは」
真姫「きっと二年後の私はここで勉強しながら絵里のことを思い出すんでしょうね。それで集中できなくって、物思いにふけって」
絵里「そこまで会わないわけでもないんじゃない? 暇があればμ'sのライブは見に行くつもりだし」
真姫「そうなの?」
絵里「今度はみんなの友達として、元メンバーとして。少し離れたところからあなた達のライブを見るのは今から楽しみ」
真姫「なら気は抜けないわね」
絵里「希や穂乃果にからかわれそうね。後輩の子はたぶん真姫のことをすごく尊敬してて、からかわれてムキになる真姫に驚くのよ」
真姫「かんべんして」
絵里「そうして真姫達もまた、この部室から去っていく」
真姫「でもただいなくなるわけじゃないって絵里達に教えてもらったから、大丈夫だと思う」
真姫「今でもまだアイドル研究部のものがあるように、私達のいた跡は残り続ける」
絵里「穂乃果や凛は消えない傷をつけるわね絶対」
真姫「そうね」
絵里「もしそういうのがなくなっても残り続けるものはきっとある。私達はそれをあなた達に託して卒業するの」
絵里「あなた達はまた次の子達に託して。すごくありがちだけど、そういうのって憧れない?」
真姫「絵里も穂乃果にだいぶ影響を受けてるみたいね」
絵里「こうなってしまうくらいには深くつき合ってこれたというわけよ、私達は」
絵里「真姫だって急に『昔の絵里に伝えたい』なんて言うからびっくりしたわ。もう一度言ってみて」
真姫「いやよ」
絵里「……真姫は、どう?」
真姫「なにが?」
絵里「あなたもμ'sに入る前はアイドルなんてって思ってたそうじゃない。だから、どうなのかなって」
真姫「……ライブが終わったら教えてあげる」
バタン
穂乃果「あれ、二人ともここにいたんだ!」
海未「真姫は連絡もなしになにをしているんですか」
真姫「あーえっと」
絵里「さぼりだそうよ」
真姫「そこはかばうところでしょ!」
海未「……」ジー
真姫「いや……まあ、悪かったわよ」
ことり「みんな心配してたんだよ。今度からはちゃんと連絡してね」
凛「無断欠席なんて真姫ちゃん不良にゃ!」
真姫「気をつけるわ」
花陽「絵里ちゃんはどうしてここに?」
絵里「相談したいことがあったんだけどもういいわ。そうだ、今度のクリスマスのことだけど――」
真姫(なんていうか、はあ……)
○
真姫(今年ももう終わる……。みんなで集まってパーティする日以外は、家庭の事情で練習をさぼった。もちろん家庭の事情とはうそだ)
真姫(今日はどんな練習があったのかとか、宿題がどうだとか、そういうメールや電話がよく来た。それにいちいち返答しながら、考える)
真姫(高校生になってからまだ一年も経っていないというのに、本当にいろいろあった。こんなに楽しかったのははじめてかもしれない)
真姫(医者になるためといってすべてを諦めようとしていたはずなのに。私は結局音楽を諦めきれず、友達と――仲間と一緒に夢中でやってこれた)
真姫(成績を維持するための努力は疲れるけれど、それすら心地よさを感じてしまう。自分のためだけじゃなくて、だれかのための努力でもあるから)
真姫(年が明けたら私は本気で練習する。さぼってて遅れた分を取り戻すのは時間がかからないだろう。一人で動きの確認とかはやってたし)
ヴー
真姫(電話? 穂乃果から……)
穂乃果『真姫ちゃん助けて!』
真姫「なによ急に」
穂乃果『海未ちゃんがー』
海未『まだこの問題が終わってないでしょう。真姫、気にしないでください』
真姫「宿題中?」
穂乃果『今日くらい休もうって言うのに許してくれないんだもん』
海未『昨日も同じことを聞きました。まだたくさん残ってるんですからちゃんとしてください』
ことり『ごめんね、急に電話なんかしちゃって。大丈夫?』
真姫「まあ別に」
ことり『真姫ちゃんはもう宿題終わらせた?』
真姫「当たり前よ」
ドタバタ
真姫「……そっちは大変そうね」
ことり『あはは……』
真姫「用はそれだけ?」
ことり『うん、ほんとごめん』
穂乃果『あー待って! 真姫ちゃん、初詣はちゃんと真姫ちゃんの分までお願いしてくるからね!』
真姫「あんまり変なこと願うんじゃないわよ」
穂乃果『わかった! あー海未ちゃん取らないでっ!』
海未『それでは穂乃果は宿題に向き合うので失礼します。体調には気をつけてくださいね』
真姫「そっちも。いろいろ大変だろうけど」
穂乃果『えーもう終わり? もっと休ませ――』プツッ
真姫(忙しくて楽しい人達)
真姫母「あら、お友達と電話?」
真姫「……うん。今度うちに来るから」
真姫母「じゃあなにか用意しなくちゃね」
真姫「一人じゃなににすればいいのかよくわからないから、今度一緒に見に行ってもらえる?」
真姫母「珍しいわね。あなたから買い物につき合ってほしいなんて」
真姫「別に……」
真姫母「いいわ。いつごろになるのか、あとでしっかり教えてね?」
真姫「わかった」
真姫(μ'sのみんなのことを家族に話すのは今でも少し気恥ずかしい。けどそのことを聞くと両親はとても嬉しそうにしてくれる)
真姫(そういう人達と、私は出会った)
○まきりんぱな
凛「ふわ~あ。真姫ちゃんおはよ」
真姫「おはよう、凛、花陽」
花陽「おはよう!」
真姫「ちゃんと宿題終わらせたんでしょうね」
凛「もう真姫ちゃんそればっか! ちゃんと終わったってメール送ったのに信じてないの?」
真姫「どうなの、花陽」
花陽「凛ちゃんすごくがんばってたよ」
真姫「そう」
凛「かよちんだとあっさり信じるんだ。いじわる!」
真姫「お疲れ様」
凛「え?」
真姫「とにかく、ちゃんと終わらせてるなら心置きなく練習できるわね」
凛「うん! 真姫ちゃん冬休みずーっと来なかったんだから、凛がダンス教えてあげようか?」
真姫「けっこうよ。家で練習してたし」
凛「くーっ」
花陽「やっぱり真姫ちゃんがいないと寂しかったよ。だから凛ちゃん、今日はすごく張り切ってたの」
凛「そうそう! 真姫ちゃん真姫ちゃーん!」ギュッ
真姫「ちょ、ちょっと!」
凛「かよちんもほら。すごくあったかいよ!」
花陽「じゃあお邪魔します」ギュッ
真姫「花陽まで……」
花陽「あたたかいね」
凛「勉強疲れたから眠いにゃ……」
真姫「どうせ宿題終わったからって羽目を外して夜更かししてたんじゃない?」
凛「ぎくっ」
花陽「凛ちゃんらしいといえばらしいけどね」
真姫「穂乃果もそうでしょうね」
花陽「今ごろくしゃみしてるかも」
凛「真姫ちゃんはこの冬休みどうだった?」
真姫「特になにもなかったわね。だれかに話したいようなことは、なにも」
凛「凛達はみんなで初詣に行ってきたんだよ!」
真姫「知ってる。メールばっかりで返信が面倒だった」
花陽「絵里ちゃんとことりちゃんも来れなかったんだよね。真姫ちゃんは別なとこに行ってたみたいだけど、どんなことをお願いしたの?」
真姫「私は自分のことより凛や穂乃果なんかのほうがよっぽど心配だから、ほとんどそっちね」
花陽「ふふっ、やっぱり真姫ちゃんもそうなんだ」
真姫「やっぱり?」
凛「海未ちゃんがね、成績がよくなりますようにーとかうまく踊れますようにーとかもっとたくさん食べたいーとか、そういうのは自分でなんとかしなさいって」
凛「だから凛はみんなが元気でいられますようにって願ってきた!」
花陽「わたしも。なんだかせっかく一年の始まりなんだから、自分のことだけ考えるのはちょっと寂しいなって思って」
花陽「真姫ちゃんや凛ちゃん達が仲良く元気でありますようにってお願いしたの」
真姫「……そう」
真姫「案外みんな似たようなものなのね」
真姫(それぞれの好きなものも、目指している場所も違う私達ではあるけれど、こうして一緒にいて互いに影響しあっている)
真姫(こういうのを親友とか大切な仲間とか言うのかもしれない。なんて昔の自分では絶対に考えないようなことが思い浮かぶ)
真姫(いったいだれのせいなのかしらね?)
凛「新学期がんばろう! 真姫ちゃん癒そう大作戦は大成功にゃ!」
花陽「そういえばそんなこともしてたね」
真姫「……」
花陽「どうかした?」
真姫「なんでもないわ」
真姫(面倒なことになりそうだから、本人達には口が裂けても言えないわね)
凛「えー気になるから教えてよー!」
真姫「絶対にいやよ」
花陽「あ、待ってよー!」
終わり
以上で終了です。
とにかく「みんなが真姫に優しい」というのが好きなので、そこから始めました。
ご期待に沿えず申し訳ありませんでした。
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