妹「私は抱き枕じゃありません」 (124)

兄「でも、聞いてくれよ」

妹「いやです」

兄「お前、柔らかくてあったかくて気持ちいいんだよ」

妹「知りません」

兄「ほら」ギュッ

妹「んっ……」

兄「柔らけえ……」ギュッ

妹「やめてください、いたいです」

兄「痛めつけてやる」

妹「キモいです。兄さんのくっさい息がかかってこしょばいです」

兄「んあ? 俺よくブレスケア噛んでるから口臭については問題ない」

妹「それ私のじゃないですか!」

妹「なんで私の私物を勝手に使うんです?」

兄「いいだろ、減るもんじゃないし」

妹「ブレスケアは確実に減ります!」

兄「でも妹抱き枕は減らない」

妹「気が滅入りますよ、テンションの減少です」

兄「まあまあブレスケアなんて小さなものを気にするな」

妹「略奪者はいつだってこちらの気持ちを知らないんです」

兄「略奪愛がどうしたって?」

妹「私そんなこと言ってません!」

兄「なんだ、していいのかと思ったぜ」

妹「言っておきますが、私とカレの愛は奪えませんよ」

兄「俺は別にお前を彼女にしようというわけじゃない」

妹「え?」

兄「ただ、枕にしたいだけ」

妹「それっていいように利用されているだけですよね?」

兄「お前は枕と聞いて何を連想する?」

妹「なんでしょう、わかりません」

兄「枕営業だ」

妹「死ね」

兄「……というのは冗談で、枕というのは愛着の象徴なのだ」

妹「愛着?」

兄「人間にとって最も重要ともいえる睡眠」

妹「最も重要なのは食事のような気がしますが」

兄「いいんだよ後でお前を食べるから」

妹「何か言いました?」

兄「いや? ……それでだな、睡眠が最も重要なわけだが」

妹「はい」

兄「その際のパートナーだ、毎日使うんだ、愛着がわくだろ」

妹「なるほど」

兄「な? 俺はお前に愛を感じているからこそ、抱きたいんだ」

妹「そのセリフだけ聞くと非常に危険です」

兄「な?」ギュッ

妹「うぅ……そもそも、愛着というのは通例ものに対して使う語のような気がします」

兄「当たり前だろ抱き枕なんだから」

妹「私は抱き枕じゃありません、人間です」

兄「おうそうだな」

妹「妹に対して、愛着ではなく……何か違う言葉を使えないんですか?」

兄「家族愛、とか?」

妹「それはまたピースフルな言葉ですね、愛情ではないんですね」

兄「さっきも言ったろ、俺はお前を彼女にしたいわけじゃない」

妹「そうでしたね、見損ないました」

兄「え? 『見直しました』じゃねえの?」

妹「すみません、噛みました」

兄「だが、『愛欲』ならあるかもしれない」

妹「危険度が3倍増しですね」

兄「言っただろ、俺はお前を抱きたいだけだって」

妹「やはりそういうことですか、見直しました」

兄「お前おかしくね?」

妹「お互い様です」

兄「でもお前を抱くと、お前の彼に悪いな」

妹「脳内おさるさんのお兄さんにも多少の罪悪感はあるようですね」

兄「申は罪悪感の塊だよ」

妹「なぜです?」

兄「知ってるか? 猿にオナニーを教えると、死ぬまでやり続けるって話を」

妹「聞いたことがあります、快感を我慢できないんですよね」

兄「オナニーってのはつまり、神様の設計ミスなんだから、常に謝りながらオナニーしてるんだ」

妹「なぜ設計ミスなんですか?」

兄「本来性器は子孫を作るためにするもんだろ、なのにオナニーというオプションによって俺たちは一人で性欲を解消できる」

妹「よって子孫を増やそうとは思わない、ということですか」

兄「その通りだ、猿は神に『ごめんなさいごめんなさい』と謝りながらしつづけるんだ」

兄「俺はお前に謝りながら、お前を抱く。ごめん」

妹「ごめんで済んだら警察いらないです」

兄「んで、彼とはどこまでいったんだ」

妹「守秘義務があります」

兄「義務という話をするなら、俺はお前を守る義務がある」

妹「まもる?」

兄「無理やり乱暴するような奴じゃないかどうか、確かめないと」

妹「……手を……繋ぐとこまでです」

兄「ウブだなお前」

兄「つまりお前の唇までもが処女ということか」

妹「唇が処女ってどういうことです?」

兄「ほら、よく言うだろ?『処女膜から声がでてない』とか、『耳が妊娠する』とか」

妹「アニオタのお兄さんらしい考えですね」

兄「ファーストタッチや、ファーストキスなんていう言葉があるけど、そんな言葉使う奴いないからな」

妹「まあ、今となっては恥ずかしいような気がします」

兄「そういえば、『ナウい』って『新しい』って意味の言葉だけど、古くてナウくないよな」

妹「深夜に頭が混乱してきました」

兄「ナウとかだっさwww」

妹「でも、ツイッターの流行でなうは再び注目されるようになりました」

兄「○○○なうはいい。○○○わずってどういうことだ」

妹「過去のことですね」

兄「nowの過去がwasになるのはおかしい」

妹「意外と神経質ですね、嫌われますよ」

兄「俺はお前が好きだ」

妹「どさくさにまぎれて告白しないでください」

兄「wasを使うと一人称の過去ということになる」

妹「はい」

兄「その出来事を体験したのがもし複数人の男女だったらどうするんだ!?」

妹「wereですね」

兄「例えば3Pセックスとか!」

妹「わー!」

兄「お前と俺と、時々お前の彼氏で3Pするのも悪くない」

妹「東京タワーっぽく言わないでください」

兄「すでに俺の東京タワーは白くライトアップされている!」

妹「そこであえて東京スカイツリーと言わないところが、お兄さんの短小っぷりを具現していますね」

兄「発射あ!!」ドビュッ

妹「うわっ! いきなりで驚きました。まさか今の私の発言で……?」

兄「ああそうだ」

妹「兄さんはMだったのですね」

兄「Mと言えば、20~24歳の女性の就労状況を知っているか」

妹「そこだけ落ち込んでいて、全体からみるとM字曲線になっているんですよね」

兄「なぜか知っているか」

妹「子育てのため、女性が離職するからです」

兄「そうだ! つまり孕むと女はMになるのだ!」

妹「兄さんはそんなことを考えながら授業を受けていたんですか」

兄「どうやってエロ路線に持っていきながら授業を受けるか、それが問題だ」

兄「『僕の前に道はない、僕の後ろに道はできる』。誰の言葉か知っているか」

妹「高村幸太郎ですね」

兄「タイトルは?」

妹「兄さんです」

兄「そう、つまり童貞だ。いや、『道程』だ」

妹「いちいち言わなくていいです」

兄「文学史の問題で、作者と作品のペアを作る問題が出たんだが」

妹「よくある話ですね」

兄「クラスの誰かが、『高村は道程』と言ったんだ」

妹「正答ですね」

兄「クラスの高村君は、悲しくて泣いていた」

妹「それって兄さんですよね」

兄「そうだな」

兄「童貞と処女、なにをすべきかわかっているな?」

妹「い、いや……やりませんが」

兄「ナニをすべきかわかっているな?」

妹「や、やりま……すぅ……すぅ……」

兄「あれ、寝ちゃったか」

妹「ZZZ」

兄「では、抱かせてもらおうか……大好きだよ」チュッ

妹「ZZZ」

兄「おやすみなさい。」


                                                                                            

                                                            END

翌朝

兄「おはよう」

妹「ZZZ」

兄「現在午前6時」

兄「なんか俺たちの日常が面白いというやつがいるので、今日は俺の一日を紹介しよう」

兄「俺は週末には、ジョギングをする」

兄「もちろん、妹の体操着を着てだ」

兄「少し小さめの体操服は胸に張りが出る」

兄「きつめは気持ちがいいのだ」

兄「おおっと、忘れていた」

兄「ジョギングに行く前に、持っていくものがある」

兄「姉もののAVである」

兄「さあ、出発だ」

兄「現在、午後6:30」

兄「この時間、必ず現れる奴がいる」

兄「犬の散歩をしている、友氏だ」

兄「言葉はいらない」

兄「お互いにすべてわかっている」

兄「お互いに歩み寄り」

兄「左手に持っている、俺の姉もののAVと」

兄「やつの妹もののAVを交換する」

友「AV じょゆうを かわいがって あげてね!」

兄「俺のコクーンが無限に進化しそうだわ」

友「そりゃイーブイだろ」

兄「ちなみに、あの時クラスで『高村は童貞』と言ったのはこいつである」

友「いや、別に悪気はなかった」

兄「うっせえよ五味」

ちえみ「わんわん!」

兄「ちえみというのは、友のお姉さんの名だ」

友「ちえみ、ちんちん!」

兄「俺お前と友達やめるわ」

妹「現在、午前7時」

妹「私は起床します」

妹「体についた兄さんの精液を指で取り」

妹「ロールパンに塗ります」

妹「その上からバターを塗って、朝食の完成です」

妹「え? 食ザーに引いたって?」

妹「あなたは引いているかもしれませんが、私は惹かれています。兄に」

妹「ご飯を食べたら、歯磨きです」

妹「兄の使っている青い歯ブラシで歯を磨きます」

妹「兄がいない、週末でしかできない技です」

妹「しかし兄も、私が寝てる間に私のピンクの歯ブラシを使っているでしょう」

妹「おかしいのは、お互い様です」

妹「兄さんが帰ってくるまでの間、私はパソコンのチェックをします」

妹「迷惑メールは来てないかなっと……」

妹「『これはやばいwww流出した兄×妹の近親●姦映像www クリックはこちら↓』」

妹「はあ……」

妹「次はたまった検索履歴の削除です」

妹「『妹 エロ』 『JK エロ』 『彼氏 別れさせ方』 『抱き枕 価格』……」

妹「『調理器具 価格?』なんでしょうこれは」

兄「ちょっと今日野暮用があるから早めに帰るわ」

友「わかった。じゃあな!」

兄「そういえばあの動画サイトのポイント何点たまった?」

友「30000点ぐらいかな」

兄「なんでそんなにたまったんだよwww」

友「ページ中段の姉ものの動画を購入するんだ」

兄「は? 死ねよ五味」

兄「遅くなってしまった、急がなきゃ」

妹「現在8時です」

妹「まだ兄さんは帰ってきません」

妹「オナニーチャンスです」

妹「兄さんはジョギングにスニーカーを使うので」

妹「通学用の靴はそこにあるのです」

妹「靴を舐めながら、おまたをおっぴろげてダイナミックにオナニーします」

妹「兄さん……兄さん……///」クチュクチュ

兄「ただい……え?」

妹「え?」

兄「な、何してんだよお前///」

妹「兄さんこそ……普段ならまだジョギング中のはず……どうして?」

兄「い、いやあそれは……」

妹「っていうか!!! 兄さんいつも私の体操服でジョギングしてたんですか!?」

兄「し、しまったついにばれたか」

妹「サイテーです……もうそれ着れません」

兄「ごめん」

妹「ごめんで済んだら警察はいらないです」

兄「ああそうだな」

妹「それは家宝にします」ボソッ

兄「とにかく今日は忙しいんだ、キッチン借りるぞ」

妹「キッチン? 兄さん料理なんてしないでしょ?」

兄「ああ。お前はほら、彼氏との約束の時間じゃないのか?」

妹「そうでした、行ってきます、兄さん」

兄「行ってらっしゃい、気を付けてな」

兄「今日は俺たちの一日を紹介すると言っておきながら」

兄「変則的な一日になってしまい申し訳ない」

兄「とにかく俺は今日キッチンにこもる」

兄「いつもは部屋にこもってるんですけどね☆」

兄「しばらくは妹の話だ」

兄「現在午前9時だ」

妹「9時に家を出たというのに」

妹「カレのおうちについたのは10時です」

妹「いくらですか?」

妹「え?……そんなにするんですか? っていうか家に入ってから1メーター上がりました?」

妹「広いから? ええもちろん広いです。わかりました。ありがとうございました。運転手さん」

妹「……よし」

ぼっちゃま「やあ、来てくれたかい妹」

妹「おはようございます、ぼっちゃま」

ぼっちゃま「その呼び方で呼ばれると、メイドのようだ。うん、気分がいい」

妹「彼は私のカレ、ぼっちゃまです」

妹「世界でも有数の大手企業の社長の息子さんです」

ぼっちゃま「君は毎週時間通りに来てくれるね。気分がいい」

妹「ええ、週末は時間をはからなければ面倒なことになります」

ぼっちゃま「なにかあるのかい?」

妹「鉢合わせにならないように気を付けなければなりません」

ぼっちゃま「そうかい、君も大変だね」

妹「今日はなぜか兄さんが早く帰ったせいで、お互いの秘密がばれてしまいました」

妹「はぁ」

ぼっちゃま「午前10時30だ。いこうか」

妹「ええ」

妹「この時間からお昼の間は、ぼっちゃまのお父様が融資しているという高級レストランでお食事です」

ぼっちゃま「私だ」

新米シェフ「お前だったのか」

ぼっちゃま「こ、この僕に対する何たる侮辱!! 気分が悪い!!」

新米シェフ「リッチジョークです、こちらへどうぞ」

ぼっちゃま「遠慮せず食べてくれたまえ」

妹「……」パクッ

ぼっちゃま「どうかな? おいしいだろう?」

妹「……まずっ」ボソッ

妹「ええ、とっても」ニコッ

ぼっちゃま「それはよかった。どうかお腹いっぱい食べてくれ」

ぼっちゃま「せっかく君のためにたっぷりと食事の時間をとっているんだ。もっと食べ給え」

妹「い、いいえ……私はもうこれで結構です……」

ぼっちゃま「結構? はっはっはそれは当然だ! なんてったって私はぼっちゃまなんだからな」

新米シェフ「名前はまだない」

ぼっちゃま「それは『ぼっちゃん』でなくて『吾輩は猫である』だ!」

新米シェフ「すみません、五味様でございましたね」

ぼっちゃま「あんまりにこやかに言うな、気分が悪い」

新米シェフ「リッチジョークです。またのご来店をお待ちしております」

新米シェフ「いらっしゃいませ」

友「おう」

新米シェフ「ゴミ箱は右側にございます」

友「知ってる。リッチジョークだろそれ」

新米シェフ「よく御存じで」

友「それってさ、玄人シェフになったらどうなるの」

新米シェフ「玄人は何も言いません。若気の至りです」

友「お前は若禿だけどな」

新米シェフ「それはジョークのつもりか? ゴミ野郎」

ぼっちゃま「このCDはいいだろう? 中世ヨーロッパで活躍したあのモーツァルトのものだ」

妹(私はこんなものよりお兄ちゃんの喘ぎ声のほうが好きです)

妹「ええ、とっても」ニコッ

ぼっちゃま「はっはっは、そうだろうそうだろう! 気分がいい!!」

妹「午後1時から夕方頃までは、ここから遠く離れた大型ショッピングモールでお買い物です」

妹「移動に時間ばかりがかかってしまいます」

妹「あの、私はもっと近場のしまむらとかでもいいのですが……」

ぼっちゃま「しまむら? なんだいそれは」

妹「……」

ぼっちゃま「セバスチャン、あれとこれとこれとあれとそれと……」

妹「そ、そんなに買うんですか……?」

ぼっちゃま「それはもちろんだ、なんてったって私はぼっちゃまだからな!! 気分がいい!!」

セバスチャン「し、しかしぼっちゃま、これ以上は私が持てません」

ぼっちゃま「なら、妹に持ってもらおう」

妹「え……?」

ぼっちゃま「だって妹は、私のメイド同然なんだからな!! はっはっは気分がいい!!」

妹「……」

兄「くっそ、うまくできない……」

ピンポーン

兄「はーい、なんだこの忙しいときに……」

兄「五味さん!!」

友姉「わたしのこと、ちえみさんって呼んでくれる?」

兄「す、すいません」

友姉「あら、素敵なもの作ってるじゃない。てつだわせてくれない?」

兄「こちらからお願いしたいくらいです! お願いします!!」

友姉「ねえ高村くん」

兄「『高村は童貞』」

友姉「知ってるから気にしないで」

兄「はい」

友姉「それで、高村くん」

兄「はい」

友姉「妹ちゃんって、私たちのいとこと付き合ってるじゃない?」

兄「そうですね」

友姉「最初は良好だったようだけど、最近仲が悪いみたい」

兄「そうなんですか? でも妹は……」

友姉「仲がいいとか、悪いとかじゃないのかなあ……まあ、あそこの家庭は少し変わってるから……」

兄「そうですよね」

友姉「デートの時には、友に偵察に行かせてるけど……うまくいってるかしら……」

兄「夜には、友にイカされてるんですよね?」

友姉「え?」

兄「偵察ではなく、警察の力が必要なようですね」

妹「現在午後5時です」

妹「ぼっちゃまはいろいろなものを買っていましたが、私には一つも買ってくれませんでした」

妹「今から家に帰るのにも、かなり時間がかかります」

妹「じゃあ私はこれで……」

ぼっちゃま「何言ってるんだ妹。一度私の家に戻ってもらうよ」

妹「え?」

ぼっちゃま「今日はたくさん買ってしまってね、車に荷物が乗り切らないんだ。頼んだよ」

妹「え……でもいまからぼっちゃまの家に寄っていたら、帰りが7時ごろになってしまいます」

ぼっちゃま「文句はないだろう? なんたって妹は私のメイド同然なんだからな!! はっはっは気分がいい!!」

妹「私は……私は……」

ぼっちゃま「ん? どうした?」

妹「いえ、何でも」ニコッ

ぼっちゃま「はっはっは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

妹「……」

妹「兄さん……」

ぼっちゃま「今日は楽しかったよ」

妹「午後6時。私は全く楽しめませんでした」

ぼっちゃま「ではまた来週」

妹「それだけ……ですか?」

ぼっちゃま「ん?」

妹「今日が何の日か……覚えていないんですか?」

ぼっちゃま「んん?」

妹「そういう……ことなんですね……」

妹「あなたの家まで遠いのに私が自腹で通い詰めても!」

妹「おいしくもないレストランにつれていかれても!!」

妹「移動時間ばかり長い車内で、好きでもないクラシックを流されても!!!」

妹「私には何も買ってくれなくて、荷物持ちさせられても!!!!!」

妹「それでも……今日は……」

妹「今日は……だからいいやって思ってたのに……」グスッ

兄「でも、妹は彼と仲がいいって……」

友姉「本当に『仲がいい』って言ってた?」

兄「あ……」



妹「言っておきますが、私とカレの愛は奪えませんよ」


兄「奪えない? つまりそれほど強固……束縛!?」

妹「今日は誕生日だから、いいやって思ってたのに!!!!!」

ぼっちゃま「O, Oh……そうか、すっかり忘れていた。何でもほしいものをいうがいい」

妹「……別れてください」

ぼっちゃま「それはできない!! なんたって妹は私のメイド同然なんだからな!!」

妹「……やだ、やだよぉ……」

友「ちょっと待てやあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

妹「友……さん……?」

友「お前は俺の親戚だし、最初は友好的だったから、お前に任せてもいいと思っていた」

友「でも、味を占めたお前は、妹ちゃんをメイド、いや奴隷にしようとしてるじゃねえか!!」

友「そんなお前に、もう妹ちゃんを任せられない……別れろ」

ぼっちゃま「くそ! 貧乏風情が、この私に楯突こうというのか!!」

友「金で全部解決するわけじゃねえんだよ……この粗大ゴミ野郎!!」

ぼっちゃま「……!!」

友「今だ! いけ、妹ちゃん! 兄のところに!!」

友姉「うんうん」

兄「え?」

友姉「メールの文面からすると、ハッスルしてるようね、これ完成したし、私は帰るわ」

兄「でもせっかくの誕生日、ちえみさんも来てくださいよ」

友姉「2人のガキんちょに説教する仕事が残ってるから、また今度お邪魔するわ」

兄「え?」

妹「午後7時です」

妹「涙で視界が悪いですが、なんとか家に帰りつきました」

妹「ただいま……」

兄「おかえり、妹」

妹「甘いにおいがします、なんですか?」

兄「俺って、料理下手だからさ……ちえみさんに手伝ってもらってやっとできたんだ」

兄「HAPPY BIRTHDAY、妹」

妹「これって、ケーキ!? う、うう……おにいちゃぁん、おにぃちゃああん……」ギュッ

兄「やれやれ、甘えん坊さんだなあ妹は」

妹「午後10時」

妹「我が家の就寝時間です」

妹「本当は兄妹別々の部屋なのですが」

妹「いつもお兄ちゃんが侵入してきます」

兄「今日はもうちょっかいかけないよ。いろいろあったしな」

妹「きょうは……きょうは……」

妹「いつもより、たくさん抱きしめてくださいね?」


                                                       END

俺の睡眠時間返せ

いいなあ妹がいる人は

まあ家族仲良く! と、いうわけで見ていただいた方、ありがとうございました!!

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