女P「我等独身同盟!」 小鳥「はいぃ?」 (49)

<ラッシャッセー!

女P「仕事終わりの焼き鳥ほど私の体に染みる物はない」モグモグ

小鳥「ッハー! この一杯の為に働いてると言っても過言ではないわ!」

三条馬「最初から飛ばしすぎてません!? 二人とも」

女P小鳥「「大丈夫! 明日は休みだから!」」

三条馬「私は明日も仕事なんです!」

<ヤキナベウドンサンチョウオマチー

三条馬「あ、いただきます」

~時系列~
美希「ミキは数学界に革命を起こすの」 律子「はぁ?」

響「宿題が終わらないぞ!」 貴音「なんと?」

冬馬「何ニヤついてんだ? マネージャー」 三条馬「え?」

ココ

ほかの奴は読まなくても大丈夫です。

※このSSでは、フェアリーの三人とJupiterが両方とも961プロに所属しています

三条馬「ああ……暖まる」

女P「この時期の焼き鍋うどんは犯罪級の美味しさ。ダメだこれ、焼き鳥より上位かも」

三条馬「前言撤回早すぎない?」

女P「味覚には忠実なの」

小鳥「ん~、美味しい!」

三条馬「うどん持ってきた店員さんの顔が忘れられないわ」

女P「『なんで女三人で居酒屋来てがっつりうどん食ってるんだ』って顔だったね」

女P「……とまあ、腹ごしらえもした所で本題に入ろうか」

三条馬「ええ……」

小鳥「えっ、私普通に飲み会って聞いてたんだけど、本題って何?」

女P「この飲み会はね……」

三条馬「ただの飲み会じゃないんですよ……」

小鳥(なんで二人ともゲンドウポーズなの……)

女P「我等独身同盟!」ガタッ

小鳥「はいぃ?」

三条馬「もっと言うなら独身どころか彼氏も居ない同盟!」

小鳥「は、え、えぇ?」

女P「多忙を極める芸能プロダクションの裏方」

三条馬「961プロはともかく、人員の少ない765プロでは相当な忙しさだと聞いています」

女P「プロデューサーは何人か居るけど、未だに事務員は一人だから小鳥の仕事量は業績とともに鰻のぼり」

小鳥「ぎょ、業績が伸びてるんだから良いじゃない」

三条馬「聞きましたよ、音無さん!」バンッ

小鳥「うわっ、びっくりした」

三条馬「明日のオフ、半年ぶりらしいじゃないですか」

女P「正確には8ヶ月ぶりくらいかな」

小鳥「でも、それは私にしか出来ない仕事が……」

女P「仕事が恋人、っていうなら私も心配しないんだけどさ……」

女P「小鳥、アンタ絶対恋人欲しいでしょ」

小鳥「」ピクッ

小鳥「な、なにを……」

女P「因みに私は小鳥の好きな人を知っています」

小鳥「!?」

女P「765の元プロデューサーでしょ?」

小鳥「」ドキッ

小鳥「ちょ、ちょ、ま、そんなわけないじゃない、ね、うん、」

女P「図星突かれるとテンパるの治した方が良いよ、小鳥」

三条馬「因みにその人の今の職場も知っています」

小鳥「えっ、私には教えてくれなかったのに」

三条馬「この間偶然知ったんです。まさか、ライブのゲストに呼んだアイドルの所属事務所にそんな名プロデューサーが居たとは思いませんでした」

小鳥「……ライブのゲスト?」

女P「この間765&961コラボレーションライブをした時にゲストを呼んだでしょ?」

女P「高垣楓、諸星きらり、輿水幸子」

女P「彼女らの所属事務所に勤めてるってさ」

女P「そんな情報を掴んだ私たちは考えた」

三条馬「音無さんは、美希ちゃんや貴音ちゃんが765に遊びに行っても大丈夫なように黒井社長と交渉してくれましたし」

女P「私は入社直後からフォローされてた借りがある」

三条馬(26)「だからこの同盟は」

女P(27)「いわば恩返しの意味を込めた」

女P三条馬「「音無小鳥&元Pランデブー同盟!」」

小鳥(2X)「……は?」

小鳥「……二人とも」

女P「ん?」

三条馬「はい?」

小鳥「」スッ

小鳥「アホか!」ペシッ

女P「あだっ!」

三条馬「痛っ!?」

小鳥「私の心配してる場合ですか貴女達は!」

女P「え、私は仕事が永年の伴侶だから」

小鳥「ワーカホリックにも程があるわ」

三条馬「私はまだ大丈夫ですから」

小鳥「あと二年もすればその余裕もなくなるわ」

小鳥「……あのね、私はもう諦めてるの、プロデューサーさんのことは」

小鳥「だから今更どーこー言われた所で私は何もしません! 告白もしません!」

小鳥「そんなことより、アイドルの皆の話でもしましょう?」

女P「……」

三条馬「思ってたのと反応違わない?」ヒソヒソ

女P「守りに入ってるなぁ……遠まわしにでも一回フラレたのがキてるのかな……」ヒソヒソ

小鳥「出来ればジュピターのマネージャーである静さんに詳しく話を聞きたいわ!」フンス

女P(あれ、なんだろう、凄く元気そうだけどこの先が心配ではある)

小鳥「ほらほら~、なんかあるでしょう? ジュピターの三人と何か~」

三条馬(絡み方が悪酔いした社長に似てる……)

――――――――――――
―――――――――
―――

小鳥「なっ、縁日をパンイチで闊歩する冬馬くん……!」

女P「ブフッ、アイドルがパンイチで……」

三条馬「あと、男子アイドル対抗の運動会のときの写真とか……」

小鳥「あらかっこいい」

女P「これ見る限り、翔太が物理法則無視したジャンプしてるようにしか見えないんだけど」

小鳥「多分そういうパワーを持ってるのよ」

女P「ジュピターって凄い」
――――――――――――
小鳥「これ! 疲れてソファで寝ちゃったやよいちゃんと伊織ちゃんの2ショット!」

女P「え、何これ、あとで送って」

三条馬「天使……!?」

小鳥「迷うことなくシャッターを押していたわ」

女P「待受にしたら伊織に怒られそうだな……」
――――――――――――

女P「やよいといえば、この間千早がやよいの『おはよう! 朝ごはん』ずっと聴いてて……」

女P「なんでそんなにリピートしてるのか聞いたら」

千早『……私もこんな感じに歌いたかったです』

女P「って」

小鳥「やっぱりアレに納得してなかったのね……」

女P「でもああいう指示だったから……」

三条馬「え、そんな酷い出来なの?」

女P「聴いてみる?」スッ

ウォークマソ『~♪』

三条馬「……成程」

女P「千早はどこかで必ずリベンジするって言ってた」

――――――――――――
―――――――――
―――

三条馬「……そうね、これはなにかの悪夢よ」

三条馬「私は一人で寂しく飲みに来ていた、ツレはいない」

三条馬「ツレはいな――」

女P「ウィーアーリヴィング!」

小鳥「リヴィンディエイティス!」

女P「たっぽい!」

小鳥「たっぽい! フー!」

三条馬「……二人がこんなに悪酔いする質だったなんて!」

???「ウィ? 隣が騒がしいな」

???「まあまあ、酔ったアンタも中々うるさいからな」

???「なんだと!? いつまでたってもへっぽこプロデューサーの分際で!」

三条馬「!? こ、この声は……!」

三条馬(隣の個室とはふすま一枚で隔てられているだけ……ちょっと覗くだけなら)

黒井「それにしても、高木はいつになったら来るのだ」

元P「あ、もうそろそろ来るって連絡入ってた」

黒井「あいつのそろそろはあてにならんからな」

三条馬(やっぱり……! それに、向こうに座ってるのは……)

三条馬「噂をすれば、なんとやらね」

元P「いやー、それにしても黒井社長のおごりかー、悪いなー」

黒井「ちょっと待て! いつ私が奢るといった!」

元P「そう言っていつもしっかり払ってくれる黒井社長、嫌いじゃない」

黒井「……フンッ!」グビッ

黒井「ところで、最近の景気はどうなんだ? CGプロは、まだ売れているとはお世辞にも言えんだろう」

元P「この間のコラボライブに呼んでもらったお陰で、うちの事務所も知名度だだ上がりですわー」

黒井「フン、そうか。貴様が765プロを辞めると聞いたときには遂に765を潰せると思ったがな」

元P「潰せてないでやんの」

黒井「やかましい」

元P「まあまあ。あ、店員さん、焼き鳥ヒナレバ二本追加で」

三条馬(険悪、ではなさそうね。ていうか、あのプロデューサー社長にタメ口って……)

女P「おぉーい、小鳥ぃー、静が隣の席覗いてんぞー」グデン

小鳥「それはいけないわねー、犯罪よ盗撮はー」フラッ

女P「撮影はしてないけどなー」グデンッ

三条馬「あーあー、これ二人帰れるのかしら。タクシー呼ばないと」

小鳥「んー、私も覗いちゃおっ」

元P「あ、社長今事務所でたって」

黒井「あの男のそろそろは、やはり信用できん!」

小鳥「!?」

小鳥「な、あ、あれ、あれ!」

小鳥「なんでプロデューもがもご」

女P「小鳥うっさい、気づかれるってヴぁ」ガッシリ

三条馬「……三人して隣の席覗いてるのはかなり怪しいわね」

小鳥「私が見るわ」

三条馬「私は別に……」

女P「ちょっと小鳥、私まだ覗いてな――」

ガラッ

高木「……何をやっているのかね、君ィ」

黒井「……」

三条馬「……」

黒井「……言い残すことはあるか」

三条馬「……いえ」

黒井「では、潔く罰を受けたまえ」

女P「ちょっと待って! 私は未遂ですってば!」

小鳥「ゆ、許してください!」

黒井「えぇい! 黙れ! さっさとせんか!」

グビッ

三条馬「えおっほっ!」

女P「ごふっ! は、ハバネロジュースはきつい……えふっ」

小鳥「ちょ、ちょっと待ってなんで私だけジョロキんんっ!? んっ……ふっ、ん……げほぇぁっ!!!!」

黒井「隣の席を覗くとは随分いい趣味をしているな」


高木「待て黒井、音無くんが悶えて話が聞ける状態じゃない」

小鳥「はぁっ……はぁぁぁっ……!」

女P(ジョロキアジュースとか頭おかしいだろ……)

三条馬(追い討ちのように社長が水を手渡してたのがエグかったわ)

黒井「まあ、反省したならば良い」

高木「せっかくだ、ふすまを開けて繋げてしまおう」

女P「あ、社長ナイス」

高木「君はもう少し反省したまえ」

女P「はい」

元P「大丈夫ですか? 音無さん」

小鳥「えほっ、大丈夫dあ、やっぱりダmげほっ」

三条馬(黒井社長にはタメ口なのに、音無さんには敬語なんだ……この人)

元P「まさかこんな形で再会するとは思ってませんでしたよ」

小鳥「ははは……けほっ」

高木「……君が765プロを辞めると言った時は、心底驚いたものだよ」

高木「水瀬くん、律子くん、天海くんをランクSまで押し上げた君が、突然だったからねぇ」

女P「……」

黒井「フン、今までで一人だけだ。面と向かって、この私を負け犬呼ばわりした男はな!」

元P「そんな、過ぎた話を……」

小鳥「プロデューサーさんそんなことしたんですか……」

黒井「IU決勝だったか。貴音ちゃんがIUで敗退し、水瀬伊織が優勝した」

黒井「私が貴音ちゃんをクビにしたと知ったこの男と水瀬伊織が私のもとにやってきてな」

P『黒井社長、アンタは負け犬だ』

P『言ってたよな、アンタ。王者でなければ生きている価値がない、って』

P『伊織と貴音の素質はほぼ互角だった。なのに貴音は負けて伊織が勝った』

P『アンタは王者の器じゃない。いつか、切り捨てられたのは貴音じゃなくアンタだって気づければいいな』

黒井「などと……っ!」

高木「君ィ……流石にそれは……」

元P「す、過ぎた話じゃないですか!」

元P「でも、結局貴音は961に留まりましたからね」

黒井「……まだ次はあるからな。素質ある者を見抜けぬほど、私の目は甘くない」

元P「ほら、社長、俺の一言で心を入れ替えたんですって」

黒井「貴様は私をおちょくりすぎだろう!」

小鳥「……」

女P(気づいちゃってるんだよなあ、私。小鳥がさっきから元プロデューサーから目を離してないの)

三条馬「あ、ジョロキアジュースちょっと残ってる……一口だけ……!? ぐぇっほっ」

女P「何やってんの静」

飯食ってきます。
戻ってきて残ってたら書く。残ってなかったらこの作品はお倉入りで。

小鳥「……」

小鳥(変わってないな、プロデューサーさんは……)

小鳥(ずっと諦めたつもりでいた)

小鳥(でも、もう一度直接会って気づいた)

小鳥(私、まだプロデューサーさんのこと好きだなあ)

高木「……」

女P「……社長?」ボソッ

高木「! び、びっくりさせるんじゃないよ君ィ」ヒソヒソ

女P「社長なら、ちょっと良い雰囲気のお店とか知りません?」ヒソヒソ

女P「二人の男女が思い出話に花を咲かせられるようなお店」

高木「……ふむ」

高木「黒井」

黒井「なんだ」

高木「――」ヒソヒソ

黒井「……成程、面白い。乗ってやろうじゃないか」

黒井「ただし条件がある」

高木「条件?」

黒井「ああ、――」

高木「……成程、良いねぇ、私も賛成だよ」

社長s「「フッフッフッフ」」

元P「なにあれきもい」

高木「君ィ、ちょっと良いかね」

元P「はい、なんでしょう?」

高木「もう一軒連れて行く約束だったが、ちょっと私と黒井は急用が入ってしまってね」

高木「音無くんとは行ったことがあるから、音無くん達と一緒に先に行ってくれ。あとから行く」

元P「そうですか。分かりました」

小鳥「ふぇっ!? 私が案内するんですか!?」

ワーキャー

黒井「……」スッ

三条馬(? なんか今、握らされたような……って、これ、盗聴器!?)

黒井「音無くんの服にでも貼り付けておけ」ヒソッ

三条馬「社長……」

黒井「因みにやらなかったら君もジョロキアジュースだ」

三条馬「やります」

高木「……!」グッ

高木(後は任せたよ、君ィ)

女P「!」グッ

女P(任せてくださいよ、社長)

女P「我等」ボソッ

三条馬「独身同盟」ボソッ

小鳥「じゃ、じゃあ、プロデューサーさん」

元P「はい、案内よろしくお願いします」

女P三条馬(ミッション開始!)

女P(作戦内容は簡単!)

三条馬(高木社長に教えてもらったお店まで行ったら、私たちは適当な理由をつけて席から離脱)

女P(ちょっと離れた席に座って、様子を観察!)

三条馬(……以上!)

女P(正直自分の恋人も居ないのに他人の恋の手伝い方なんて知るかってば!)

三条馬(でもまあ、音無さんにメール送るとかは出来るかも)

ピロリン♪

女P三条馬「ん?」

『From:千早
 添付:位置情報
 本文:真が、カツアゲしにきたチンピラを殴って応援が来てしまいました。真を止めてください』

女P「なにやってんの真ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ダッシュ

小鳥「ちょっ、どこ行くんですか!?」

『From:北斗くん
 添付:位置情報
 本文:帰りに寄った寿司屋でフェアリーの三人と遭遇。冬馬が貴音ちゃんと大食い対決して撃沈。助けて』

三条馬「本当に冬馬くんはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ダッシュ

小鳥「ちょっ、二人とも!?」

女P「先行ってて!」

三条馬「後から行きます!」

小鳥「お店知らないでしょう!? ……行っちゃった」

元P「……どうしましょうか」

小鳥「でも、社長たちは後から来るって言ってましたし、一応行きますか?」

元P「そうですね。まあ、あの二人にもあとでメールしとけば大丈夫でしょう」

小鳥(私、静香さんのメアド持ってたかなあ……)

小鳥「……着きましたね」

元P「……おしゃれですね」

小鳥「じゃあ、入りますか」カランカララン

マスター「はい、いらっしゃい」

小鳥「えーと、いつもの席で」

マスター「かしこまりました」

元P「いつもの席って何ですか?」

小鳥「社長たちと来る時は必ず、店の端にある個室なんです」

元P「へぇ……」

小鳥「……」

元P「……」

小鳥(話題が見つからない!)

小鳥(どどどどどどうしよう! プロデューサーさんと二人きりで個室とか妄想が捗るピヨ、でも妄想みたいに喋れる自信がないよどうしよううあうあ→)

小鳥(ダメだわ、下手な物まね(脳内)しても興奮がごまかせないわどうしよう)

元P「あの」

小鳥「はひ!? なんでしょう!?」

元P「あいつら、元気にしてますか?」

小鳥「……伊織ちゃん達のことですか?」

元P「はい」

小鳥「そうですね……伊織ちゃんは竜宮小町のリーダーとして、凄く頑張ってますよ」

小鳥「春香ちゃんなんて、この間海外からオファーが来たんですから!」

小鳥「律子さんも、今はプロデューサーですけど、竜宮小町を一人で引っ張ってます。亜美ちゃんには鬼軍曹なんて呼ばれてましたけどね」

元P「あー、律子はプロデューサーになっちゃったんですね」

小鳥「ええ……」

元P「まあ、選んだのは律子ですから、俺は口を挟みませんが……」

元P「伝えておいてください、『ライバルに情けはかけないぞ』って」

小鳥「ええ、伝えておきます。ふふっ」

元P「ほかのアイドル達は?」

小鳥「皆元気ですよ」

元P「自分の後輩が担当しているアイドルについても詳しく聞きたいんですけど」

小鳥「プロデューサーさんに負けず劣らず敏腕ですよ? もしかしたらすぐにプロデューサーさんを抜かしちゃうかも、なーんて」

元P「ほう……」

小鳥「千早ちゃん、やよいちゃん、雪歩ちゃんを担当してて、今や三人ともAランク!」

小鳥「特に千早ちゃんは、この間からグングン人気が出てますからね。最近は食生活なんかも見直してるらしいですよ?」

小鳥「やよいちゃんはこの間デビュー1周年アルバムを出して、『私が1年もアイドルが出来たのは二人のプロデューサーのお陰ですっ!』って」

小鳥「雪歩ちゃんは……やっぱり、担当プロデューサーが女性で安心したのか、仕事場での男性はまだ怖いらしいですけど、でも徐々に克服してますから」

小鳥「あとほかの子も――」

小鳥「この間なんか真美ちゃんに『そのネタ古くて分かんないよ→』って言われちゃって……」

元P「……ふふっ」

小鳥「! あー、プロデューサーさん笑いましたね!」

元P「いえ……元気でよかったな、と思って」

小鳥「はい、皆元気です」

元P「あ、そうじゃなくて」

小鳥「?」

元P「音無さんが元気そうで、良かったってことですよ」

小鳥「……えっ?」

元P「俺が765プロ辞めるって皆に伝えた時、」

元P「一番悲しそうにしてたのは、伊織でも律子でも春香でもなく、」

元P「音無さんだったので」

小鳥「……私、そんなに悲しそうな顔してましたか?」

元P「ええ、とっても」

小鳥「……」

小鳥「……そりゃあ、悲しくもなりますよ」

元P「……」

小鳥「ずっと、一緒に働けると思ってましたから」

小鳥「最初に事務所で会った時は、空回りしそうなくらい元気な人だなぁなんて思って」

小鳥「一緒に仕事をする内に、この人は凄いなぁなんて思って」

元P「そんな凄いなんてことは……」

小鳥「たった半年で三人のアイドルをAランクまで上り詰めさせた人のどこが凄くないんですか」

小鳥「……それで、こんな素敵な人とこの先働けるんだ、と思った矢先に……」

小鳥「辞めるだなんて」

元P「……」

小鳥「悲しくないわけ、ないじゃないですか……」

小鳥「……私、プロデューサーさんのこと好きです」

小鳥「男性として」

元P「えっ……」

小鳥「お願いします」

小鳥「ここで一言、「付き合えません」って言ってくれれば、それでいいんです」

小鳥「それで、諦められますから……」

小鳥(『あの時』みたいに、遠まわしじゃなくて、直接フッてくれれば……諦められるんです)

元P「……」

元P「嫌です。言いません」

元P「代わりに言います」

元P「俺も好きです」

小鳥「……」

小鳥「……えっ!?」

元P「俺は765プロに入社して少し経った頃から、ずっと音無さんが好きです」

元P「……だから、「付き合えない」とは言いません」

元P「付き合ってください」

小鳥「……」ポカーン

元P「……音無さん?」

小鳥「……」←やや口角を上げつつ放心

元P「音無さん!?」

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