ハンジ「セックスと嘘とビデオテープ」(183)

ってタイトルで、誰かリヴァハン書けよ

壁外調査から帰還した直後は、血が騒いで仕方がない。

身の毛もよだつようなおぞましい死闘から生き延びた身体の細胞が、それを確認せよ、と叫びを上げる。

そんなときは、手っ取り早く男と寝ることだ。

血飛沫と汗、死臭と断末魔。

それらから逃れるために、男と身体を重ねる。

快楽は、私をこの残酷な現実から連れ去ってくれる。

だから、私とリヴァイはお互いをセックスパートナーとして契約を交わしている。

女は闇の中で、俺の意のままに動く。

脚を開け、尻を突き出せ、俺のモノをしゃぶれ。

どんな要求にも、従順に従う。

まるで意思を持たないセクサロイドのように。

だが、俺は、これが女の女なりの現実逃避だと知っている。

おめおめと自分だけ生き残った罪悪感と無力さを振り払うための哀しい儀式。

俺も女の上で目を閉じて腰を振る。

だけど、ある日、私たちの関係にヒビが入った。

昼間、リヴァイに用事があって彼の部屋を訪れた私は目撃してしまったのだ。

彼が彼の部下…小柄で栗色の髪をした愛らしい女性兵士だ…と抱擁を交わしているのを。

部屋に足を踏み入れた私に気がついた二人が、慌てて身を離す。

私も思いがけない場面に踏み込んでしまって、動揺を押さえきれなかった。

俺たちの姿を認めたあいつが、驚きに目を見開く。

慌てて飛び退いたが、あいつは何を勘違いしたのか、上擦った声で繰り返し謝罪しながら、駆け出していった。

すがるペトラを振りほどいて、後を追おうとしたが、すでにあいつの姿は見えなくなっていた。

その日からだ。

あいつにいつもの合図を送っても返事が無くなったのは。

私たちが互いを誘う為の合図は、ごくシンプルなものだ。

欲望が高まれば、窓際に蝋燭を立てておく。

今夜はOK、であれば、こちらも窓際に蝋燭を灯す。

吹けば一瞬で消え失せる私たちの関係にぴったりの連絡手段だった。

だけど、私はそれを無視した。リヴァイと彼の部下との抱擁を目撃したあの日から。

また俺の部下がたくさん死んだ。

俺に、後を頼むと言いおいて。

俺は、神妙に頷く。任せておけ、と答えながら、彼らを看取る。

部下たちの苦悶の表情が弛緩したあと、俺の身体はずん、と重くなる。

果たして、俺の翼は明日からも羽ばたくだろうか?

幾人もの手が俺の翼にしがみついている。

酷く、重い。

今回も犠牲者が多く出た。

私の部下も幾人も死んだ。

最期に母親を呼びながら、あるいは伴侶の名を、あるいは子どもの名を呼びながら。

こんな夜は心がバラバラになりそうだ。

きっとあいつもそうだろう。

向かいの部屋に輝く蝋燭を見なくてすむように、私はカーテンを閉めて蹲った。

幹部会議が終わったあと、エルヴィンの部屋を後にするあいつの腕を掴んで、引き留める。

痛いとぶつくさ文句を垂れるあいつに、どういうつもりだと問いただす。

何が?と惚けるあいつを無視して、耳元で今夜の約束を取り付ける。

ちょっと!と抗議の声がしたが、そんなことには構わずに、繰り返し、今夜開けておけ、と言いはなった。

ずかずかと部屋に踏み込んできては、さっさと服を脱ぎ出す男を呆れ顔で私は見る。

なんだ?生理なのか?と不躾な質問をしてくる男に思わず脱力する。

ううん、首をふると、男は、怪訝そうな顔で、早く服を脱げと偉そうに言う。

もはや話すのも面倒だから、私も黙って服を脱いだ。

久し振りの男とのセックスは、酷く優しく官能的で、私は胸の内にふいに生まれた微かな可能性を打ち消すのに必死だった。

久し振りの情交だからか、女は初め、ぎこちなかった。

今夜は、いつもの合図無しで半ば強引に取り付けたものだから、出来るだけ、優しく女を抱く。

じっくりと前戯を行い、何度も女を快楽の高みに連れていった。

だが、女は快感に溺れながらも、どこか苦しそうな表情を終始見せていた。

何故だろうか?身体はこんなにも悦んでいるというのに。

俺は、沸き起こってくるある疑念を打ち払おうと、一層激しく優しく女の身体を貪った。

額に汗をかきながら、山積する仕事と取っ組み合っている最中も、あの夜のことを思い出す。

あの夜、リヴァイは一切の奉仕を私にさせなかった。

ひたすら私の快楽を追求し、私からの能動的な行為はやんわりと封じられた。

何が彼をそう駆り立てたのだろう?

あんなセックスは二度とごめんだ。

あんなに優しく私の髪を漉き、あんなに情熱的に私を求めるのはもう辞めにしてほしい。

そうでないと、勘違いしてしまいそうだから。

ありもしない可能性にすがりついてしまいそうだから。

だって、あるはずがない。

リヴァイが、私を…しているだなんて。

エレンに稽古をつけながらも、あの夜の女の顔が頭をよぎる。

どこか苦しそうな女の顔。

そう言えば、合図を何度も送っても返事が返ってこなかったのだった。

特段、あいつの機嫌を損ねるようなこともなかった筈なのに。

…考えられる可能性は一つ。

あいつが、この関係に…もっと言えば、俺自身に嫌気が差したってことだ。

私の意に反して、私たちは、あれから何回か身体を繋げた。

相変わらずリヴァイは、濃厚で献身的なセックスをする。

その度に、私は、これっきりだと決意を固める。

でも、私の身体は、心は、そんな思いとは裏腹に、リヴァイを求め続ける。

彼が私を抱くたびに、言えない言葉が喉元にまでせりあがり、私は息が止まりそうになる。

俺の思い過ごしかもしれないと、あれから何回か女を抱いた。

回数を重ねるごとに、女の憂いは増していくようだ。

快楽の絶頂に身を震わせながら、涙を流す女を見ながら、俺は、二人の蝋燭の火が潰えたことを悟った。

終わりは呆気なく訪れた。

リヴァイが、ぶっきらぼうに私に告げる。

もう終わりにする、と。

私は黙って頷く。見てみぬふりをし続けた僅かな可能性は、心の何処かでしがみついていた一縷の希望は、無に還ったのだから。

私が言うべきことはなにもない。

黙って頷いて、それで終わりだ。

リヴァイはあの女性兵士と、私はまた適当な誰かと、夜を過ごすことになるのだろう。

リヴァイが部屋を去ったあと、私は声を上げて泣いた。

女の平静な様子に、俺は、密かに落胆し、そんな自分に驚いていた。

やはりそうなのか、と苦い気持ちが込み上げる。

所詮は、身体だけの関係だったのだから、俺がそれ以上を求めなければ、自分勝手に傷つくこともなかったのだ。

自分の愚かさを嘲笑いながら、女の部屋を後にする。

身体を合わせた後で、心まで欲しくなったなんて、誰が信じるものか。

あいつにはもっとふさわしい男がいるだろう。

これで良かったのだ、と言い聞かせながら、窓際に目を遣る。

溶けた蝋燭が、桟にこびりついている。

もう、そこに蝋燭を灯すこともない。

張り付いた蝋を爪で剥ぐ。

なかなか剥がれないそれに焦れて、小刀で削り取った。

後に残った涙型の痕跡に、俺は、思わず目蓋を押さえた。

終わり

乙!
即興でこんだけのもん書けるあんたはすげぇ人だと思う


すれ違いのままかぁ
…でも続きを書いてもいいと思うの。

見てくれてた人がいたとは…
リヴァイとペトラの抱擁は、ペトラからの一方的なものだったっていうのを入れ忘れてたわ…

続き…ねぇ…うーん、まあ思い浮かんだら、で…

鬼発注に対してすばらしすぎる!

乙!素晴らしすぎる…
是非また書いてくれくださいおねがいします

素晴らしい…
思い浮かんだらまたお願いします!

立て逃げからよくぞここまで……!乙!

こんな走り書きの駄文にコメントくれて、みんなありがとー

グダると思うけどもう少しこのすれ違いを書いていこうかな、と思ってる

夜にまた来ます

やったー待ってる

始めからPCバンバンしつつ見てたよ!携帯からだけど

発注に答えてくれるとは…ありがとう。正座で舞ってる

第二幕


最近、分隊長の様子がおかしい。

ごく、僅かな変化だが、長年お側で仕えてきた者として、私には分かる。

私の上司は、非常に変わり者だが、同時にとても優秀な人物だ。

普段は、寝食を忘れるほど巨人の研究に没頭し、何日も風呂に入らないことなどはざらにある。

会議には遅れる、重要書類はすぐに無くす。

大きな声で笑い、新しい発見があったと目を輝かせながら、熱く語る。

だが、有事となれば、その無邪気な子どもっぽさは成りを潜め、兵団のブレインとしての顔を見せる。

その横顔は、凛として厳しい。そんな二面性をもつ上司が、私は好きだった。

変化といっても、ただなんとなくのものでしかないが、なんというか…上司のふとした仕草に、女を感じることがあるのだ。

この表現では、語弊があるかもしれない。

だが、彼女が髪をかきあげる手首に、気だるそうに組み替える足先に、後れ毛が解れたうなじに、仄かに艶めいたものを感じてしまう。

誤解なきように明言しておくが、私は分隊長に対して、分不相応な感情は抱いていない。

在るのはただ、尊敬と、弟が姉に抱くような親愛の情だけだ。

だから、彼女の心の安らぎとその人生における多幸を祈らずにはいられない。

なのに、ふとした瞬間の彼女の虚ろな表情が、私の胸を締め付けるのだ。

どこか調子が悪いのか、と部下が、控えめに心配顔で聞いてくる。

どうして、と問うと、忠実な私の部下は、ここ最近毎日湯を使っているようですし、と生真面目に答えた。

その彼らしい返答に、私は思わず吹き出してしまう。

女盛り…いや、すでに花弁は散りかけているのかもしれないが、まだかろうじて現役だと思っている私になんて失礼なことを言うのだろう。

腹を抱えて笑い転げる私を、モブリットが、心配そうに、でもどこかホッとしたような表情で見つめる。

私はこの部下なしでは到底やっていけないだろう。

常に私を影から支えてくれる面倒見のよい男。

でも、私が欲しいのは、残念ながら、心の平安をもたらしてくれるような存在ではないのだ。

悪臭をはなつ

(ンー投稿失敗。スマホからの書きながら投稿は本当に遣りにくい)

悪臭を放つ滑る血糊と、脳髄にまみれた仲間たちの死体のなかで、ただただ生きていることを感じさせてくれる存在。

殺戮の果てにある朦朧とした意識をこの現実に引き戻してくれる存在。

戦闘の度に、孤独になっていく私を映すもう一人の自分が欲しいのだ。

目の前にいる実に家庭的な男では、この私の心は埋められない。

そう、あいつでなければ…。

私は、ひらひらと手を振ってモブリットを追いやる。

彼は、何かもの言いたげな表情を浮かべていたが、私の鉄壁の笑顔に気圧されて、背を向けた。

彼が部屋を出ていくのを見届けて、私はひっそりと溜め息を吐いた。

最近、酷く苛々する。

ペトラやエレンにまで、遠回しな表現で告げられて、益々面白くない。

今日は、遠目にではあったが、あの女を見かけた。

久し振りに見る女は、少し痩せたようだった。

もともと少年のような身体つきだったが、さらに尖った肩が痛々しい。

それでも女は、快活に喋り、笑い、隣に立つミケをうんざりさせていることにも気がつかない様子だった。

いつもの汚れたゴーグル越しに女の瞳がきらきら光る。

熱っぽく潤んだ瞳で隣の男を見上げている。

辛抱強く話に付き合っているミケにもなんだか腹が立った。

いつも皮肉めいたことしか言わない男が、今日はわざわざ歩みを止めて話に付き合っている。

一際、朗らかな笑い声とともに、ミケの肩に女の手が置かれた。

女の唇が何事か呟く。

俺は、思わず踵を返し、足早にその場を立ち去った。

(ペトラやエレンにまで、そのことを遠回しな表現で告げられて)

今日は久し振りに気分が良かった。

次の壁外調査の目処も立ったし、仕事が一区切りしたら、ミケと飲みに行く約束もしたのだ。

モブリットが休暇のため、話し相手に困っていたところ、偶然通りかかったミケを捕まえて、満足するまで喋り倒してやった。

ミケは迷惑そうな顔をしていたが、そんなことは知ったことではない。

私の巨人についての新しい考察には一切の意見を挟まず、…まあ、挟む余地などなかったのだが、
頻りに鼻を蠢かせては、風呂に頻繁に入っているようだな、と抜かした。

モブリットにしてもミケにしても一体なんだと言うのだ。

(…皮肉なものだな)

もう一人の私が囁く。いくら身なりに気を使おうと、既に手遅れなのに。

毎日身体を清めようが、新しい下着を身につけようが、私があの若く愛らしい女性兵士になるわけではないのに。

叩きつけるようにして上衣をテーブルに放りやると、部下たちが一斉にびくり、と身を震わせた。

椅子を引き、乱暴に足を投げ出して座る。

ペトラが恐る恐るお茶を淹れるか、と尋ねてきたが、今はそれすら鬱陶しい。

彼女は、班で唯一の女性兵士だ。普段は、その気配りの細やかさを有り難く思うが、たまに彼女のすがりつくような好意が重く感じることがある。

俺は、勝手な人間だ。自分勝手で、我が儘な人間だ。

ペトラの気遣いが、今は、余計に俺の矮小さを際立たせる。

俺は、むしゃくしゃしたので、隅で縮こまっているエレンに厩舎の掃除を言いつけてやった。

元々酒に強いわけではないが、酒場の猥雑な雰囲気が私は好きだ。

女たちの華やかな声、威勢のいい呼び込み、煙草と酒の入り交じった独特の香り。

喧騒、男たちの酔った笑い声。女たちの白粉の匂い。

久し振りの酒に、私はひどく上機嫌になる。

呂律の回らない口調で、最近行ったエレンの実験のこと、予算会議でのエルヴィンの口真似、とりとめのないことをミケにぶちまける。

寡黙な男から話を引き出すのは面倒だったから、私が一方的に喋った。

憑かれたように喋りながらも、いっこうに酔いの回らない頭の芯が冷え冷えとしている。

そのときだった。今、一番会いたくて一番会いたくない人物の姿が目に飛び込んできたのは。

酒場に向かう途中でエルヴィンに出くわしたのは、本当に偶然だった。

苛々した気分のまま、エレンに八つ当たりをかまし(ヤツはまだ三度目の掃除をやり直しているだろう)、
酒で気をまぎらわそうと抜け出してきた。

人混みの中で、後ろから不意に声をかけられる。

お互い珍しいな、と言い合って肩を並べて、酒場の暖簾をくぐった。

目に飛び込んできたのは、酔いに目元を染めて隣の男にしなだれかかる女。

こちらに気がつき、驚いたように、ミケの肩から身を起こす女に、俺の口は勝手なことを口走っていた。

「良い身分だな、分隊長。早速、俺からそいつに乗り換えたのか?」

口を滑らせて、はっとした。

女の唇が青ざめて戦慄く。大きく見開いた瞳にみるみるうちに、涙が盛り上がる。

…ああ。

俺は、目を閉じる。俺の言葉は女をひどく傷つけたことだろう。

俺は、店を飛び出る。エルヴィンが何事か後ろで叫んでいたが、振り返らず、ただ、闇雲に走った。

どうやって店を出たのか分からない。

気がついたら、自分の部屋で、ベッドに寝かされていた。

背中に逞しい腕が回されて、上体を少し起こされる。

唇に触れる冷たいグラスの感触。

喉に流れ落ちる水が、水底に沈んだ私の意識を浮上させる。

誰かの指が私の唇を拭ってくれた。

枕に頭を戻されて、私は自分が泣いていたことに気がついた。

男の掌が優しく私の頬を撫でる。目尻から伝い落ちる涙を拭いとり、何度も頬を撫でる。

大丈夫か、とミケが問う。

ええ、と答えて、私は目を閉じた。それを合図に、ミケの唇が

(最悪なところで、投稿ミス)

それを合図に、ミケの唇が私のそれに押しあてられた。

無我夢中で人混みを走り抜け、宿舎に辿り着く。

肩を怒らせ、息を切らした俺の姿を見て、ペトラが目を丸くする。

慌てて水を取りに行こうとするペトラの腕を掴んで引き寄せた。

俺よりも小さな身体は容易く俺の腕のなかに収まる。

驚きに声を失ったペトラのおとがいを掴みあげ、緩く開いた唇に噛みつくようにキスをした。

(グダってきたので今日はここまで。タイトルと終着点、何処に行った?)

あ?

おつおつ
なんつーとこで切るんだ気になって眠れん

素晴らしすぎる…あなたが神か
理想のリヴァハンがここに…

これは素晴らしい
続き待ってる

全裸待機

第三幕


いつの頃からだっただろう。嘘をつくことに抵抗を覚えなくなったのは。

私の名誉の為に言及しておくが、それは、人を惑わす嘘ではない。

それは、私自身に向けられた嘘だ。

本当の願望を心の奥底に押し隠し、目をそらす為に、自分で自分につく嘘。

こんな時代だから、私たちはそうやって早く大人になった。何かをゆっくりと諦めながら。

そうすれば、傷つくのは自分だけで済むと思っていたから。

俺は、ろくでもない人生を送ってきたから、ろくでもない死に方をすると思っている。

ガキの頃は、生きるためになんでもやった。とても人には言えないようなことも。

今だってそうたいして変わりはない。面立って動けないエルヴィンに代わり、汚れ役や「掃除屋」を勤めたこともある。

その生き方を恥じたことはない。いつ死ぬか分からない時代だからこそ、その過程を重視したいのだ。

だから、俺は、俺自身に振り回されるわけにはいかない。

そのためだったら、嘘くらいいくらでもつくのだ。

ミケの身体は大きくて、私が腕にすっぽりと埋まる。

髭が額に擦れてこそばゆい。

良いのか?と、聞かれ、私は、ええ、と嘘をつく。

あいつが好きだったんじゃないのか、いいえ。

ホラ、ね。私は、大丈夫。

厚い胸板に顔を埋めて私は嘘を繰り返すした。

ペトラに噛みつくように口づける。

男は怒りで女を抱けると言うが、確かにそれは本当だ。

沸々と込み上げる自分自身への怒りに俺は、酷く欲情を駆り立てられていた。

ペトラの怯えた瞳が、さらに俺を暴力的にする。

その場に力任せに押し倒したとき、女が囁いた。

どなたか…別の方がいらっしゃるのでは。

…いいや。

俺は、今、酷薄な表情を浮かべていることだろう。

嘘で塗り固めた私たちの均衡は、それからしばらくの間、保たれていた。

顔を合わせても、お互いに、立ち入った話はしない。主に仕事のことについてだけだ。

あれから何度か、リヴァイたちに会う機会があったが、彼の傍らにはいつもあの女性兵士がいた。

どうやら、私は、上手く彼をあの娘に渡せたらしい。

立ち去る私の胸に生じる寂寥感から目をそらすために、私は、必要以上に速く馬を駆り立てた。

このまま俺たちは、あの明白し難い関係に、大人としてそっと幕を引く筈だった。

だが、それが狂った。

エレンを連れての壁外調査で、俺は、部下を失い、自身も傷を負った。

これまでも部下を沢山失ってきたが、流石に今回のことは酷く堪えた。

たった独りで生き残ることが、強さの証ならば、俺は、人類最強の二つ名など欲しくはない。

独りで生き残った先に待っているのは、悠久の孤独だ。

俺は、みっともない顔をしていたと思う。痛む脚を引き摺りながら、辿り着いたのはあの女の部屋だった。

乱暴なノックに顔をしかめながら、扉を開ける。

ドサリ、と倒れかかってくる身体を抱き止めながら、私は、その馴染み深い香りに、ああ、と呟いた。

散乱する書物の上で私たちはセックスをした。

人生で一番静かなセックスだったと思う。

どちらも声を発することなく、ただ無言で身体を重ね、無言で果てた。

馴染んだ女の身体は心地よい。

まるで俺が来ることを見透かしていたかのように、女は、黙って俺を招き入れ、黙って身体を開いた。

一度、元の鞘に戻ってしまえば、後はなし崩しだった。

女も特段俺を拒むことはない。一度、意を決して、アイツのことはいいのか、と聞こうと思ったが、寸でのところで思い留まった。

それを聞いて一体なんになる。

これは、そう、ただの自己治癒だ。同情のセックスだ。女から俺に掛けられる哀れみのセックスだ。

決して、心の通いあった情交ではない。

なぜなら、この女の心は、他の男に寄せられているからだ。

あの夜から、何度もリヴァイとセックスをした。

以前のような蝋燭の合図こそ無くなったが、かつてと同じように身体を重ねる。

私は、正直、嬉しかった。またこうやって彼が私の部屋を訪ねてくることが。

いや、私は、嘘つきだ。

彼が私を通して失った恋人を見ていることが、堪えられなく辛い。

私は、所詮、彼女の代役にすらなれないのだから。

それでも、私は、偽りの笑みを浮かべながら彼の身体を受け止める。

これは彼の傷が癒えるまでの仮初めの関係。完璧な慈愛に満ちた笑み。

だから、彼には、私の心が誰にあるかなど

あの夜から、何度もリヴァイとセックスをした。

以前のような蝋燭の合図こそ無くなったが、かつてと同じように身体を重ねる。

私は、正直、嬉しかった。またこうやって彼が私の部屋を訪ねてくることが。

いや、私は、嘘つきだ。

彼が私を通して失った恋人を見ていることが、堪えられなく辛い。

私は、所詮、彼女の代役にすらなれないのだから。

それでも、私は、偽りの笑みを浮かべながら彼の身体を受け止める。

これは彼の傷が癒えるまでの仮初めの関係。完璧な慈愛に満ちた笑み。

だから、彼には、私の心が誰にあるかなど分かりっこないだろう。

(ここで終わりでも良いような気がしてきた。二重投稿に苛々したので、今夜はここまで。コメントありがとう)

乙!
重いわあ…

乙!
本当に素晴らしい

乙!
このすれ違いっぷりがたまらん

続き期待して待ってます!

第四幕


『二十二歳になれば少しずつ、臆病者になるわ』

ずいぶん昔の唄を、分隊長が口ずさんでいる。

女型の巨人の捕獲に失敗した私たちは、大きな損害を被った。しかし、エルヴィン団長を始め、幹部連中は、次の作戦に向けて動き出している。

私のような一兵卒には、知り得ないことを分隊長は掴んでいるようだ。

多くの被害を受けながらも、決して後ろを振り返らないその姿に、私は、いつも尊敬の念を抱いている。

だけど、同時に、とても心配になる。

いつも全力疾走のあの人が、いつかその情熱をぷつり、と失うことにはならないかと。

本当は、とても繊細な人だと私は、知っているから。

いつか、あの細い双肩が潰れてしまわないか、と心配でならない。

そうならないために、私が側で使えているのだが。

分隊長が突然こちらを振り向いた。

どうしたの、と分隊長が私に尋ねる。

ずいぶん古い唄ですね、と言うと、そう、と言ってカラカラと笑う。

私は、ふと思ったことを聞いてみることにした。

分隊長も臆病になることがあるんですか?

私の上司は、一瞬目を見張り、ぷっと吹き出す。

やだな、あるよ、勿論。あ、それとも二十二歳なんてとっくに過ぎてるのにって言いたいわけ?ひどいなあ、もう。

…んー、でも、人は臆病なもんだよ。自分の理解出来ないことは怖いし、痛いことや死ぬことだって怖いだろ?

でも、生きてる。ホント、なんでだろうね。

そう言って、分隊長は再び、作業に戻っていった。

いつか、この人が羽根を休めることができる日がくればいい。

そのための枝を差し出す人が現れたらいい。

まさかの谷村新司

脚の傷は徐々に良くなりつつある。

だが、医者には、一度受けた傷は一生残るから無茶はするな、と釘を刺
された。

脚が使えなくては、特段することもない。

こんなタイミングで時間をもて余すのはかなり辛いものがあった。

俺は、今まで一度も、戦死者の墓碑に弔いを捧げたことがない。

死は、死だ。死は、誰の上にも平等に舞い降りる。

人は、俺に心がないと言うが、俺に言わせればそんなものは犬にでも食らわせたらいい。

彼らが生きた証は、俺の翼に宿っている。

だが、そんな俺でも、死んだ女のことを考えると胸が痛んだ。

あの夜、怒りに身を任せて目の前にいた女を抱こうとした。

彼女が以前から俺に好意を寄せていたことは知っていたし、彼女もそれを望んでいたと思ったからだ。

だが、彼女に拒まれた。今のあなたには抱かれたくありません、そう言って彼女は自室に戻ったのだった。

モブリットがまた私のことを心配している。

本当に良く出来た、私には勿体ない部下だ。

彼がいるからこそ、私は、自由に動けるのだ。

良い部下に恵まれたことを天に感謝しながら、あの男のことを考えた。

彼も臆病者だろうか?きっとそうだろう。私とあいつは良く似ているから、私には分かる。

愛だの恋だのにかかずらっている心の余裕がないこの時代を、私は、少し恨めしく思った。

ミケが死んだ。独りで囮役を引き受けて戻って来なかったらしい。

幹部の死は、今後の引き継ぎの為にひどく事務的に扱われる。

班長より上の役職の者がエルヴィンのところに集められ、訃報が伝えられる。

盗みみた女の横顔は、白く強張っていたが、それ以上はなんの感情も読み取れなかった。

エルヴィンの執務室を後にするときに、一人の兵士に呼び止められた。いつもハンジに付き添っている男だ。

なんだ、と問うと、顔を真っ赤にして吃りながら、うちの分隊長をどうかお願いします、という。

いきなり何を言うかと面食らったが、男の真剣な顔つきに、俺は戸惑った。

あいつは殺しても死なねえタマだと思うが、と返すと、違うんです、と首を振る。

じゃあ何故だ、と聞こうとしたときにエルヴィンに呼ばれた。

あの男が言いたかったことは聞きそびれたが、あいつも恋人を失ったショックを受けているだろう。

今夜は、せいぜい気を遣ってあいつを抱くつもりだ。

ミケが戻って来なかった。つまりは、そういうことなのだろう。

変わり者ではあったが、腕の立つ同僚をまた一人失って、私の胸にはぽっかりと穴が空いたようだ。

あの夜、ミケに身体を許そうとしたが、どうしても出来なかった。

私は、酔っていたし、ひどく傷ついてもいた。自分から終わりを切り出した癖に、私を責めるリヴァイに腹も立てていた。

リヴァイへの復讐のために、ミケと寝るのは若干気が引けたが、私ももうそんな初な年齢ではない。

だが、どうしても出来なかった。早い話が、濡れなかったのだ。

私は、私の心より正直な身体を恨んだ。

そうして、ミケは、私たちの秘密に振り回されたまま死んでしまった。

(今夜はここまで。グダグダで歯がゆい。実は二人とも浮気?してなかったという…。引用した歌は、一世を風靡したシンジ・タニムラという歌手の歌です。あと、コメントいつもありがとう。本当に嬉しく思ってます)

乙です
泣けて仕方ねえ

本当に毎晩待ち遠しいです。
てっきり、二人ともしていたと思っていたのですが、してなかったのですね!
何回も読み直していますが、本当に即興でこんな文章書けて凄いです。
何か文学に関する仕事をされてるんでしょうか?

長々と気持ち悪いコメントすみません。
このSS好き過ぎます!
また続き待ってます!

イェア!!

乙です!
本当に素晴らしい…
もし可能でしたら完結した時にでも他作品を教えていただけると嬉しいです
貴方のような文章が書けるようになりたい

>>75
朝からテンション高いなww

乙です!ペトラさんあのままそうなってたらかわいそうだなと思ってたのでよかった。
毎回wktkしながら舞っとります

いつも感想をありがとうございます。今、少し終わりが見えてきたのでPCにメモってます。
上手くいけば、書き溜めした最終幕を投下出来るかと。ただし、PCが規制中なので、スマホに送信してから、になりますが。
皆さんの期待が嬉しくもあり、プレッシャーでもあります笑。ガッカリされたらどうしよう…。
それからageることの出来ないチキンな私に代わって上げて下さった方、ありがとうございました。
他のコメにつきましても終わりましたら、個別にお返事させてください。
ではもうしばらくお待ちください。

お疲れ様です!
ID変わってるかもしれませんが、>>74です。

何度読んでも、胸の奥がぎゅーっと押し付けられます。
文章が素晴らしく、頭の中にしっかりと景色が浮かびます。

楽しみに待ってます!
と、また書いてしまったら、またプレッシャーをかけてしまうようで申し訳ないのですが…
また待っています!

最終幕


ミケが死んだ夜も、ハンジとセックスをした。

女は、俺の予想に反して案外平静だった。

もっと悲嘆に暮れているかと思っていたが、いつものあの少し困ったような笑みを浮かべて、俺を部屋に招き入れる。

照明を落とした部屋。女の熱いため息。肉体の収縮。

見えてきた快楽の頂きに向かって一気に駆け上る。その後の倦怠感と静寂。

今、女は、うなじに汗で濡れた黒髪を張りつかせて、俺の隣に横たわっている。まだ息が荒い。

先程の彼女は、いつもよりも乱れていたように思う。何度も俺の背中にしがみつき、高みへと誘うように脚をきつく絡めてきた。

掠れたような甘い声が、ひっきりなしに上がる。

こいつはミケとどんな風に寝たのだろうか。あの男にもこんな顔をしてみせ、こんな声を 聞かせたのだろうか。

苦い気持ちが込みあげてくる。今、この瞬間も、彼女は、俺とあの男を比べているかもしれない。

俺は、自分の下劣さに舌打ちしながら、醜い嫉妬を胸の外に追いやるために、女を悦ばせる行為に没頭した。

行為は長く続いた。最後は息も絶え絶えに、女がもうダメだと繰り返し訴えるまで続いた。

目を瞑って息を整えようとする女の顔には、長年の苦労と疲れが刻み込まれている。

目の下の濃い隈、薄く尖った顎。

それらを眺めながら、俺は二人の馴れ初めを思い出していた。

実は、一番最初に関係を持ったときのことを、俺はよく覚えていない。

あれは、たしか前々回の大規模な壁外調査の後だったか。

まだ俺たちがエレンの存在を知らない頃のことだった。

多くの死者が出た壁外調査の後、団長に任命されたばかりのエルヴィンを含めた幹部連中が、審議会にかけられた。

追及は厳しく、作戦立案に携わった彼女も責めを受ける立場になった。

審議所では、気丈に頭をもたげて鋭い追及に真っ向から 対峙した彼女だったが、その夜、俺の自室を尋ねてきたときには、満身創痍の体(てい)だった。

ごめんね、ごめんね。
疲れちゃったんだ。

泣きながら、その場に佇む彼女を追い返すわけにもいかなくて、俺は部屋に招き入れた。

髪を下ろして、薄い生地のシャツを纏った女は、昼間のあのがさつな人間とは似ても似つかぬ別人だった。

俺も疲れていたのだろうか。

素直に感情を吐露する素の彼女の姿は、俺の警戒心を解くのに十分だった。

そうして、俺たちは肌を合わせた。

あれは、同情だったのだろうか。それとも、互いに傷を持つ者同士、寂しさを忘れるためのただの現実逃避だったのだろうか。

あのときから二人の間に流れているこの感情につける名前を、俺は知らない。

なんの意味も無い、互いに欲望を埋めるだけの行きずりの関係を、割り切った大人同士の関係を、持つはずだったのに。

…なのに、俺はこの関係に、この女に、こんなにも執着してしまっている。

女がようやく瞼を上げる。白い頬に張りついた髪の毛をかきあげてやると、ふっと女の目が笑う。

こいつの部下が俺に頼みたかったことが、なんと なく分かったような気がした。

どうしたの、と問いたげな女を、再び組み敷き、その唇を塞いで固く抱きしめた。

深夜、扉をノックする音が聞こえる。

きっとリヴァイだろう。

深呼吸を一つして、扉を開く。私の目線より僅か下から、男の切れ長な目がこちらを見ている。

私の胸の内を見透かすような視線を感じて、私はどきまぎしてしまう。

結局、どんな顔をしたらいいのか分からなくて、曖昧に笑ってみせた。

リヴァイは私に気を遣ってくれたのだろう。ミケを失って、落ち込んでいるだろう私を慰めに来てくれたに違いない。

その夜のリヴァイは、ひどく優しく私の身体を扱った。まるで壊れ物を触るかのように、大事に慈しんだ。

その手の動きが、頬を撫でる仕草が、深い感情を湛えた瞳が、私の身体に燻(くすぶ)る熾火(おきび)をかきたてる。

私は、声を上げ、髪を振り乱し、何度も何度もリヴァ イの下で果てた。

彼に抱かれながら、私はふと思った。

リヴァイは、やっぱり私のことを愛しているのではないだろうか、と。

その突飛な思いつきに思わず、笑いそうになる。

いや、愛だとか恋だとか、そんな単純な言葉で片付けられるものではない。

ただ、狂気にも似た互いへの執着心を、私はもう見過ごすことができなかった。

彼の性格上、そんなことはあろう筈もない、と思いながらも、繋げた互いの身体は熱く潤んでいる。

リヴァイの掌は、情熱的に私の身体の輪郭を辿り、彼の命ずる声は優しく、私はそれに逆らえない。

彼は、あの女性兵士と心を通わせていたはず。だから、これは互いの喪失感を埋めるだけのただのセックス---。

だが、そう思い込もうとしてもそれを許さない何かがあるのを、私は、この夜、知ってしまった。

---同情。憐憫。愛情。依存。恋情。

---知人。恋人。愛人。友人。家人。

二人の関係に、名前などつけようがない。

もともとが吹けば消える蝋燭のようなものだったのだから。

それでも私は構わないと思っている。今ここで、抱き合っている肉体の温かさだけは、揺るぎない本当のことだからだ。

互いの汗の香りも、指先の冷たさも、生きて残された者だからこそ、感じられることだからだ。

私はいつか死ぬだろう。明日にでも命を落とすかもしれない。

リヴァイだって いつかは死ぬ。だから、持っていくものはできるだけ少ないほうがいい。

それはとても難しいことだけれども。


散々交わったあと、まだ汗も引かぬうちにリヴァイが身体を抱き寄せる。

私より少し小さな身体。

それでも男の身体は重い。どうしてだろうか。

のし掛かる男の重みに、私はふと泣きたくなった。

あれから、私たちはいくつもの大きな戦を体験した。

人類の存亡をかけた闘いの先頭には、いつもあの人がいた。

いかなるときも、諦めることなく、踏まれてもなお頭をもたげる草のように、我が調査兵団は、血と汗と泥にまみれ、何度も死闘を繰り返した。

やがて壁は崩壊し、我々人類が、真の自由と尊厳を取り戻す。

そして、月日は流れ、空に航空艇や飛行船が飛び交う時代になり、私たちの背中にはためく自由の翼はその役目をようやく終えた。

兵団の象徴であった翼のエンブレムは、一式だけ残された立体起動装置とともに、街の博物館にひっそりと眠っている。

いまや、私たちは、巨人を倒すためでなく、自らの飽くなき探求心を満たすために、空を飛ぶ。

立体起動装置の力ではなく、電気や 水力、風力、火力を自在に操って。

地平のかなたには、砂の雪原や氷の大地、炎の水が広がっている。

これから、我ら人類が挑むべきは、この世界に眠る叡智の扉だ。

その扉を一番最初に開けた人物こそが、真の自由を手に入れることができるのだ。

あの人のことに話を戻そう。

調査兵団が解散した後のことは、私も人伝えにしか聞いていない。

あの人…私のかつての上司は、巨人の研究に一生を捧げた。

巨人を殲滅し、壁が崩壊した後も、我々の闘いを、後世に語り継ぐべく、日夜研究を行っていたそうだ。

結婚はしていなかったように聞いている。

だが、かつての同僚だという男とよく一緒に連れ立って歩いていたそうだ。

その男は、現役時代に負った怪我の所為で、わずかに片脚を牽きながら歩いていたらしい。

彼は、私が余計なことを言わなくても全て理解していたのだろう。




---さて、そろそろ出棺の時間だ。

あの人に何十年ぶりかに顔を合わせるのが、このような形になるとは思ってもみなかった。

私よりも先に旅立っていった敬愛する 上司を、見送るべく私は杖をついて立ちあがった。

空を仰ぎ見ると、あの人が、いまでもどこかで無邪気な笑い声を上げているような気がした。

(やっつけですが、一応、終わりデス。ありがとうございました!!)

コメントのお礼は明日にさせてください
お付き合いいただき、ありがとうございました

…上げてないのに上がってる?

乙です
平和な時代を一緒に過ごせたんならそれでええ…それでええんや…
本当に素晴らしいSSをありがとう

乙です
目の前で起きている出来事かのように生き生きとした文章で、初めから終わりまで夢中になって読ませていただきました
本当に素晴らしかったです
素敵なお話をありがとうございました

ありがとうございました!
頭の中に浮かぶ景色が鮮明で、どちらの気持ちにも感情移入できてしまい、涙出てきました
本当にありがとうございました
何回もコメントしてますが、私が文章力がないのでこの気持ちを上手く伝える事ができず残念です
他の方が言っていましたが、他に書いた作品あったら教えてください
すっかり作者様のファンなので、また何か書かれる事を待ってます!

すみません、ID変わってますが、
>>93は、>>74>>79です
何回もすみません

乙乙!!

続き要望して良かったわ。いや、困っただろうけどww応えてくれてありがとう。
すごい面白かったー!

勝手に上がる事はままあることだよ。街道たんのイタズラらしい。

お付き合いいただき、ありがとうございました。
タイトルの映画は観たことがなかったので、勝手に想像して書いてました。
真夜中にポチポチと下書きもせず、書きなぐっていたにも関わらず、多くの方に読んでいただいていたようで、嬉しくもあり、恥ずかしくもあります。
リヴァイハンジは大好きなので、書いていて楽しかったですね。
これからも幹部組の話が増えるといいなと思ってます。
コメント下さった方、ホントにありがとうございました!!

>>76>>93
したらばに投稿したのはこれが初めてです。普段は趣味で自分のサイトに創作文章を載せて遊んでいます。
専業の物書きではありません。
本当だただの趣味ですので…。
ですが、こんな走り書きのものに面白かったと言っていただいて、とても嬉しかったです。
調子に乗って、また書くと思います笑。

スレの残りが勿体ないので、また両するかもしれません。

ギャー上げたぁ!
しかも、両するって。利用するって書きたかったのです。

>>95
管理人さんのイタズラですか?
そんなこともあるんですね~

専業の方ではありませんでしたか…益々凄いです!
ほんとうに、また読むことが出来るのを楽しみにしています
幹部組の話もまた是非…!

次回作待ってます!
保守はマカセロー

『セックスシンドローム』
(幹部組・リヴァイ班掌編小説集)


01:共犯者

「…ねえ。リヴァイってさ、潔癖症なのに女とセックスはするんだね」

私は、下着のホックを外しながら、以前から気になっていた疑問をぶつけてみる。

「…人を不能みてぇな言い方すんな」

…似たようなものじゃん、と思いながら、服を脱いで、シーツの間に滑り込んだ。

ひんやりしたシーツの感触が官能的で、私の情欲を少しずつ高めていく。

誰が使ったか分からない連れ込み宿のバスルームなんか使えないと言って、彼はいつも私の部屋でセックスをする。

客が帰るたびに、リネン類を交換し、バスルームを掃除してくれる連れ込み宿のほうが、私の部屋より余程清潔な気がする。

リヴァイが、タイを外し、シャツを椅子に放りやる。

…あーあ、そんなにしたらシワになるよ?

神経質な男だが、セックスの前にシャツのシワなど気にしないあたりが私は、気に入っている。

私は、寝転がったまま、男が服を脱いでいく様を眺める。

ベルトを外し、靴下を脱ぐ。

セックスの裏舞台は、とても滑稽だ。

女は、バスルームでこっそり手足をシェービングし、男は、ぺニスにコンドームを装着する。

「…オイ、クソメガネ。見るな」

ベッドに腰掛けたリヴァイが、下着の縁に手をかけながら、私を睨み付ける。

…たしかに。男が下着を脱ぐところもかなり間が抜けている。

「ハイハイ」

くるり、と背を向けて待っていたら、やがて男がベッドに入ってきた。

私より若干高い体温が背中に触れる。

続いて、硬い体毛を纏った脚が絡みつく。この瞬間だけは、いつまで経っても慣れることがない。

「寒いか?」

ぶるり、と身を震わせた私にリヴァイが、尋ねた。

大丈夫、と答えると、背後から抱きしめられた。

リヴァイの掌が私の薄い乳房を包み込む。

『まあ、挨拶みたいなもんだろ』

一度、聞いたことがある。やっぱり、リヴァイもオッパイが好きなの?

乳房を揉みしだきながら、ときどき指先が尖端を掠める。

絶対にわざとだ。

オッパイを揉むのが男の挨拶なら、私も挨拶を返すのが礼儀だろう。

「…ん」

出来るだけ、色っぽい声を出して身体を捩った。

首をひねって唇を合わせる。互いの舌を絡めあい、喉に唾液を送り込む。

首筋を舐められ、乳首を吸われ、私の身体はゆっくりと溶けていく。

一通りの愛撫を受けたなら、今度は私の番だ。

男の腹筋に舌を這わせ、臀部を撫でながら、ぺニスを口に含む。

淫らな水音を響かせながら、舌を複雑に動かしてやると、うっ、と低いうめき声が漏れて、私は嬉しくなる。

慣れきった手順を踏みながら、私たちは身体を繋げた。

互いの性器を擦りあわせてイッたり、指でイッたり、舌を使ったりしながら、私たちは何度もイッた。

「ふふっ」

「…何が可笑しい」

「ん?今日も良かったなぁって」

「満足か?」

「うん、満足」

手足を絡めあったまま、私たちは汗が引くのを待つ。

「…ねえ、リヴァイ」

「なんだ?クソメガネ」

「リヴァイってさ、潔癖症なのになんで自分のアソコ舐めた女とキス出来るの?」

「またその話か」

「…私のも舐めてくれるよね」

「して欲しくないのか?」

「して欲しい」

「なら、良いだろうが。俺は、良く知りもしない他人に触れるのが嫌いなんだよ」

ふーん、なら、私はそこそこ知ってる知人ってとこ?

そう尋ねると、リヴァイはしばらく考えて、ニヤリと笑った。

「なんだ?お前、俺の女になりたいのか?」

「はっ。誰が?自惚れないでよね」

「…まあ、共犯者ってとこだろうな」

「…それ、いい言葉だね。なんかいけないことしてる気分になる」

「だろ?」

共犯者…悪くない響きだ。私は、そう胸の中で一人ごちて、微笑んだ。


01:共犯者 了

毎晩…とはいかないがちょびちょび創作予定
幹部組とリヴァイ班中心で書いていきたい

イイ歳した大人のほうが、結構純情だったりする
タイトルは>>1を受け継いで

ぎゃー!
早速新作ありがとうございます!
>>93です
レスもありがとうございました
趣味で書かれてるだけとは思えません…
創作サイト教えてほしいくらいです
でも、こちらで書いていってくれるようなので本当に嬉しいです
また待っています!

何度も書き込んでますが、早速素敵すぎるお話をありがとうございます…!
楽しみにしています

02:子どもの領分


「…エルド、グンタ、オルオ。残れ」

昼食が終わった後、食堂から出ようとしたときに、リヴァイ兵長がエルドさんたちを呼び止めた。

ペトラさんは、後片付けのために洗い場に行ってしまい、ここにはいない。

(なんの話だろう?)

俺は、ちょっと気になったが、兵長に顎で出ていけ、と命じられて、席を立つ。

リヴァイ兵長は、俺が出ていくまで口を開くつもりはないらしく、黙ったままだ。

だから、俺は、きっと大人同士の大切な話なんだろうと思い、可能な限りの速さで出口に向かった。

食堂から出ていくときに、チラ、と横目で見るとエルドさんとグンタさんが意味ありげに視線を交わしていたのが少し気になった。

俺に聞かせたくない話…何だろうか?俺の監視や扱いに関する話か?

それならば、リヴァイ班に俺が配属された時点で方針は決まっていた筈だ。

それに、俺の扱いに関することなら、ペトラさんも同席していないといけないだろう。

エルドさんとグンタさんとオルオさんにだけの用事とは一体なんだろうか。

普段は、気にしないようなことが、その日は妙に引っ掛かった。

昼からは、厩舎の掃除を命じられている。俺は、足早に廊下を歩いた。

(しまった…)

ズボンのポケットに部屋の鍵がない。

厩舎へ向かう前に、地下の自分の部屋に寄って手袋と馬の手入れに使うブラシを取ってくるつもりだった。

いつもは、俺の部屋の鍵は兵長が所持しているが、食事の前に、自室へ寄る旨を告げると、
逐一付き添うのが面倒になったのか、兵長が鍵を放って寄越したのだった。

それをポケットに入れておいたと思ったのだか、ない。

食事中にポケットから落ちたか、テーブルに置き忘れたか。

いずれにせよ、鍵は食堂だ。

ため息をつきながら、食堂へと戻る。

扉の前まで来たときに、中から話し声が微かに聞こえてきて、俺は、思わず立ち止まり、聞き耳を立ててしまった。

『…そんな!兵長はいらっしゃらないんですか?』

エルドさんの声だ。

『俺は、あのガキを見てなきゃならんからな。構わん、お前らだけで行ってこい』

リヴァイ兵長だ。

(? 行くってどこへだ?…任務なのか?)

『ペトラに任せてってわけには…』

グンタさん。

『ペトラには今夜は別件で使いを頼んである。で、その後は、実家に泊まって帰れと許可してあるからな』

お前らだけに息抜きさせて、ペトラには休みをやらんというのは、悪いからな、と兵長が続ける。

(息抜き?兵長たち、どこか遊びにでも行くのかな?)

俺がリヴァイ班に身柄を預けられてからずいぶん経つ。

たしかに先輩たちもいつもいつも緊張を強いられていたんじゃ身がもたないだろう。

(お酒でも飲みに行くのかな?)

『で、でも、兵長にガキのお守りを押し付けて俺らだけ遊んで来るなんてできませんよ!』

これはオルオさんだ。

『構わん、気にするな。ここに来て休まる日がなかったろう?お前らは若いからな。息抜きも必要だろう』

『…し、しかし』

『俺のことは気にするな』

やっぱり飲みに行く話をしているらしい。大人だもんな、みんな。なんか、俺がいるせいで迷惑かけてるな。

申し訳なさに、気分がずん、と下降していく。

そのとき、再びリヴァイ兵長の声が聞こえた。

『…それに、アイツを連れて行くわけにはいかんだろう』

(ん?連れて行くって、まさか酒場ですか?)

『…色街に、な』

…色街。もう、その意味が分からない歳じゃない。

子どもの頃、母さんに、絶対子どもだけで通るな、と固く言いつけられた通りがあった。

そこは表通りから離れた昼間でも薄暗い路地で、子ども心に気味が悪いと思いながらも、何があるんだろうと好奇心を抱いたことがあった。

訓練生になって、先輩たちがたまに朝早く石鹸の香りを身に纏って帰ってくるようになり(勿論無断外泊だ)、
なんとなくそこが何をするところなのか理解した思い出がある。

因みに、そこに行くなと言われた後、こっそりアルミンとその路地を探険しようとして見つかり、こっぴどく叱られた。

…ああ、なるほど。それで、か。

さっき、兵長が俺に先に食堂を出るように命じたのもこのためだったのか。

カタッ

「!」

しまった!僅かに身動ぎしただけだったのに、ブーツのつま先が扉に触れてしまった。

「オイ!」

バンッ、と食堂の扉が開く。俺は、思わず、ぎゅっと目をつぶってしまった。

「す、すみませんでした!け、決して盗み聞きするつもりはっ!」

「…テメェ…聞いてたのか?」

部屋の奥から、兵長のドスの利いた声。

「あ、いえ、いや、…あの、その」

「チッ!とにかく入れ!」

扉を開けたオルオさんに、胸ぐらを掴まれて中に引っ張り込まれた。

俺は、さながら、裁きを受ける人のように、小さく縮こまったまま、リヴァイ兵長が座るテーブルの脇に立たされる。

その周りを、エルドさん始めリヴァイ班の大人たちがぐるりと取り囲んだ。

ジロリ

兵長の三白眼がいつになく恐ろしい。

「…あの、すみませんでした…」

やっとのことで、声を絞り出す。

「…いつから」

「はい?」

「いつから聞いていた!」

「はっ、はい…あの…息抜きうんぬんの」

「…全部じゃねぇか」

兵長が、はぁ、とため息をついた。

すみません、と謝罪を繰り返す俺を遮って、兵長が言う。

「もういい。聞いてたのなら隠しても意味ねえ」

「聞いてのとおりだ。こいつらに休息を与えようと思ってな。今夜は、俺がお前の守りをしてやる。有り難く思え」

「兵長…俺が残ります」

グンタさんが申し出る。それに兵長がひらひらと手を振って、却下した。

「構わんと言ったはずだ。…それから、エレン」

「は、はい!」

「このことはペトラには言うな…」

「は、はい!も、勿論です!」

勿論、ペトラさんに密告する訳がない。班で唯一の女性だし、兵長たちが気を遣うのは当たり前だ。

「お、俺も男なんで!い、いろいろと解ってますんで!」

盗み聞きして申し訳ないやら、そのとんでもない内容に、どう対処していいやらで、混乱した俺の口は余計なことを口走る。

「…クッ」

兵長が吹き出す。それにつられて、エルドさんたちも笑い出した。

「くくっ。あーまあお前も男だもんな」

グンタさんが俺の肩をバンバンと叩く。痛いよ…。

ふっと和んだ空気に、俺は、どんな顔をしたらいいのか、ひどく困った。

そんな俺の様子を見た兵長が、ニヤリと笑った。

「…それとも、エレンよ」

「は、はい」

「お前もついて来るか?」

俺たちはもう共犯者だろう?リヴァイ兵長が、そう囁く。

俺は、思わず、ゴクリ、と喉を鳴らした。

ダメですよ、兵長。こいつはまだガキんちょですよ。バカ言え、俺がこいつくらいの時にはもう…。嘘をつくなよ。嘘じゃねえよ。

周りの大人たちは卑猥なことを口々に言いながら、相変わらずゲラゲラ笑っている。

俺は、その笑い声の渦の中で、子どもの領分を飛び越えるべきなのか、いつまでも迷っていた。


02:子どもの領分 了

大人たちが女を買いに行く話。
連作風味で続きそう。
今夜はここまで。

コメント、いつもありがとうございます。

うおおおこれもまた素敵です…!
続き楽しみにしてます

なんだかこっちまでにやにやしそうになるなw
乙!

03:いもうと


「グンタ」

朝食の後、リヴァイ兵長に呼び止められた。

「はい。何でしょう」

「いつもの配給だ。これはお前ら…こいつはペトラに渡しておけ」

「…分かりました」

「なんだ?いつものことだろうが」

俺は、曖昧に返事を返して、小さな箱を受け取った。

これは兵士に定期的に配給される避妊具…つまりはコンドームだ。

血気盛んな若者を抱える兵団が、兵士たちの衛生と健康を守るために配給している。

戦闘の後、血がたぎって仕方無いときは女を買う者も少なくはない。

性感染症やその他の病気、望まぬ妊娠などを防ぐために、必要なものだ。

使うか使わないかは、個人の自由だが、自分の身は自分で守らねば、名誉の戦死どころではなくなる。

(…だけど、これは流石に気まずいな)

女性兵士にも当然、避妊具は配られる。そう、我が班にもいる唯一の女性にも、だ。

(今回は俺かよ…エルドのやつはどこだ?)

いつもは、その配給品はエルドの手によってペトラに渡されている(はず)のだか、今回は運が悪いことにグンタに白羽の矢がたった。

(ちくしょう)

うんざりした気持ちで、廊下を歩きながら、掌の中の小さな箱を玩ぶ。

ペトラに配給されたそれは男性用コンドームではなくて、女性用のそれだ。

しかもアフターピル付き。

寝食を供にし、一緒に死線を潜り抜けてきた仲間に、そんなものを手渡すのはやっぱり気まずい。

(…はぁ。なんだって俺が)

エルドはその辺り巧く立ち回る。細やかな気遣いの出来る男は、きっとこういうこともさりげなくスマートにやってのけるのだろう。

(やつがモテるわけだ)

ため息をつきながら、廊下を曲がったとき、ちょうど当該人物の姿が視界に飛び込んできた。

「ペトラ…」

「なぁに?」

ペトラは洗濯当番だったのか、大きな洗濯籠を抱えて振り返った。

「あ、いや…えーと」

「どうしたの?」

「…手伝おう」

籠を代わりに持ってやる。ありがとう、と笑って、ペトラはグンタと肩を並べる。

洗濯場は、この突き当たりだ。そこに二人して向かう。

ペトラが鼻歌を歌っている。曲名は、「子どもの領分」だ。彼女も小さな頃は、ピアノを習っていたのだろうか。

隣を歩くペトラは幼く見える。キャリアはエルドやグンタと同じだし、年齢もそう変わらないはずだ。

ひとたび野戦になると、男女入り交じって野宿をする。

立体機動装置の手入れも一人でするし、当然、馬の世話…蹄鉄を打ち直したり、はみを調整したりもする。

いざ、壁の外に出ると、男だから、女だから、という考えは通用しない。

兵士は兵士として、闘うだけだ。

それでも、男どもに混じっての生活はやはり苦労が多かろうと、グンタは思う。

風呂にも入れないこともあるし、女には、生理という面倒な現象もついてまわる。

それでも彼女はその苦労を決して表には出さない。

いつも真面目に、真剣に、人類の存続のために、己の使命を全うしようと尽力する。

グンタは、そんな彼女のことがとても好ましかった。

いや、グンタだけではないだろう。エルドにしろ、オルオにしろ、そして兵長にしても、彼女を頼もしく、信頼のおける班員として認めているはずだ。

どんな苦境でも、常に周りを気遣い、優しさと芯の強さでもって、班を奮い起たせる。

そんな彼女を同志と見ることはあれども、一人の女として見ることはない。

(まあ、言うなれば妹みたいなものかな…いや、姉か?下手をすればお袋かもしれんな)

「グンタ、ありがとう」

洗濯場につき、洗い場に籠を降ろす。

シーツを選り分け始めるペトラの指先は、赤く荒れている。

小さな手は、節くれだって日焼けしている。

こんな時代でなければ、この指は、ブレードを握ることも、はみを削る小刀を持つこともないだろう。

美しい花を手折ったり、レースを編んだり、恋人に文を書いたりするために動くはずだ。

「ねえ、グンタ?どうしたの?」

ペトラの声に引き戻される。そうだった。俺は、気まずいおつかいをいいつかっていたのだった。

「あー、いや…」

ええい!腹をくくれ。

「これ。例の配給のやつ」

そう言って小さな箱をぽん、と放って渡す。


「…!」

怪訝な顔をして箱を受け取ったペトラが、一瞬固まり、次の瞬間、額の際まで真っ赤になった。

「…っ!」

それを見て、なんだか俺まで頬が熱くなる。

そそくさとその箱を洗濯台の端に置き、ペトラは俺に背中を向けた。

「…スマン」

何故か申し訳ない気持ちになる。

居たたまれなくなって、急いでその場を離れようとしたときに、ペトラが後ろを向いたまま、尋ねてきた。

「…これ…使ってると思ってる?」

「い?」

なんか変な声が出てしまった。

「いや、だからさ。グンタは、これを私が使ってると思ってるのかなあって」

え?いや?これは一体なんの話だ?俺は、どう答えるべきなんだ?まさか、フランクに男同士が交わすような猥談をペトラとやれってことなのか?

…答えを間違えるな!

「い、いや、ペトラ…俺は、決してお前がそれをバンバン使うようなアバズレだとは…」

「今、何て言った?」

…しまった。万事休す、だ。

「あ、じゃなくて、それを使ってるところなんか想像したりなんかしてません!」

…もう駄目だ。冷静さを失った俺の口は余計なことを口走る。

「というか、使っても良いじゃないか!いや、セーフティセックスのためには使うべき…」

「…なの」

ペトラが、ぽつり、と言う。

「え?」

「…だから!使ったことないのっ!それ!」

え?それはまずいぞ、ペトラ。女は病気以外にも妊娠というリスクが…。

「違うのっ!」

俺の心を読んだのか、ペトラが顔を真っ赤にしたまま、叫んだ。

「経験がないの!私!」

「経験ないって…お前、まさか」

処女、と言おうとしたら、殴られた。

言わなくていい!と、怒鳴られ、俺は無意識に手を後ろに回して直立する。

「こ、この歳で、へ、変だよね…でも…私、経験なくて…だから、そんなの要らないの」

「でも…兵団員には配布されるでしょ?…兵長には要らないって言えなくてさ…いっつもエルドに処分して貰ってたんだ…」

エルド…処分ってどうやってたんだ…?

ペトラが、頬を染めながら、続ける。

「で、でも、さ、ホラ!…男の人はそういうの必要なものでしょ?だから、私、グンタがそういうことしてても別に構わないよっ!」

何だか話が見えてこない…。

とにかく、今、俺は俺たちの妹が純潔を守ったままであるということを知ってしまった。

それは喜ばしいことなのか。セックスとペトラを結びつけて考えたことのなかった俺には、最早分からない。

ちょうどそれは、肉親のセックスなんて想像したくない気持ちと似ている。

そして同時に、女きょうだいから、自分のセックスを覗き見されたような気まずさを感じる。

もうここから立ち去りたい。馬でどこかに走り去って、無人の野原のただなかで大声で喚きたい衝動に駈られている。

そんな俺に、真っ赤な顔のままのペトラが追い討ちをかける。

「…ねえ、グンタ。兵長もコレ、誰かと使ってるのかな?…グンタは、知らない?」

エルド…助けてくれ…。

俺は、アフターピルとペッサリーの箱、そしてペトラの顔から視線を外して宙を仰いだ。

神の国はあまりに遠く、その御手は今だ差しのべられることはない。


03:いもうと 了

今夜はここまで
今更ながら、捏造や性的話題が多いので、気分を害する方がいれば申し訳ない

読んでくれた人、ありがとう

乙!
リコやエルヴィンも出て来る?

乙!今回も素敵でした…!
グンタもペトラも可愛い
続き楽しみにしています

乙です
グンタおもしろいw

乙乙
グンタとペトラ二人だけってあんまないけどいいね

風俗に行く話やら、コンドーム配給の話やら、品がない話ばかりで申し訳ない
掌編集は、一旦お休みして、リヴァイハンジで小話を書いていく
ゆっくり進行です

いつもコメントありがとうございます

『人魚姫異聞』


昔むかし、遥か彼方の未来のことでごさいました。

幾千もの銀河を越えて、星が生まれる宇宙の最果てに、ある小さな惑星がありました。

その星には、さまざまな生き物が住んでいましたが、いつも誰がこの星の覇権を握るか、で醜い争いが行われていました。

だいたい争いを起こすのは、人間と巨人と呼ばれる生き物です。

永いながい間、その二つの生き物は闘いを続けていました。

人間が勝っても、巨人が勝っても、この星の他の生き物たちは住む場所を奪われ、散々な目に合います。

ですので、この星で人間に次ぐ知性を持つ人魚たちは、長い間、中立の立場を保っていたのです。

しかし、そんなあるとき、人魚界の平和を揺るがす大変な事件が起きたのです。

人魚の王さまが巨人によって殺されてしまったのです。

人魚たちは深い悲しみに包まれました。

その中でも一際心を痛めたのは、王さまの娘のハンジ姫でした。

姫の嘆きは余りに深く、その涙は大雨を呼び、泣き声は嵐を起こします。

海は何日も荒れ狂い、魚たちは怯え、人間たちは船に乗ることも出来ず、巨人たちも何人も海に飲まれて溺れてしまいました。

姫につき従っている侍従のモブリットは、困り果てて、ついに姫の母親で女王であるエルヴィンに助けを求めました。

女王も娘のあまりの暴挙に、深いため息をつきながら、話しかけます。

「ハンジ。お前の悲しみも分かる。が、お前の節度のない行動でこの星を破壊するわけにはいかない」

「おかあさま。分かっております。私はこれより巨人どもを打ち倒し、おとうさまの仇をとって参ります!」

「…そういうことを言ってあるのではないんだがな」

(訂正:言っているのではないんだがな)

ハンジ姫は言い出したら聞かない娘だったので、エルヴィン女王も初めから期待はしていませんでした。

「お前は言い出したら聞かないからな…好きにしなさい。だが、巨人どもを倒すということは人間たちに与するということだぞ?」

「分かっております。この心臓を人類のために捧げましょう!!」

「…人魚も半魚人だから人類にカテゴライズされるのか?
まあいい、そんなお前にやるものがある。連れてこい!」

連れてこられたのは二体の巨人でした。

「こ、これは?」

「これをお前にやろう。この前、あの人が巨人に殺られたときに、私が報復のために生け捕りにしたのだ」

「これでいろいろと巨人について研究するがいい」

「ハイ!おかあさま!」

ハンジ姫は、その生け捕りにした二体の巨人にソニーとビーンという名前をつけて飼うことにしました。

痛覚の実験をしたり、日光を遮断した状況下での活動量などを調べたりしました。

もとより、頭が良く、加えて父親の仇をとるという決意に燃えていた姫は

昼夜研究に励み、かなりの結果を残していました。

そんなある日のこと、海面にたまたま浮上したハンジ姫は、運命的な出会いを果たすことになったのです。

「アイキャショーユーザワールド~」

ハンジ姫は、その日機嫌が良く、大声で歌を歌いながら、海上を泳いでいました。

「アッホーニューワー♪アニューファンタッスポイノブュー♪」

「ノワンツテルアスノウッ♪オーウェートゥゴー、オーセイウィアドリィミィング♪」

そのときでした。

「オイ!うるせえぞ!」

すさまじい怒号が飛んできたのです。

なんだなんだ?と、姫が振り返ると、波打ち際に、小さい人が仁王立ちになっていました。

「てめえの音痴な歌のせいで頭がいてえ!」

「あ、アンタはっ!人類最強と名高いリヴァイ王子!」

「…てめぇ。聞いちゃいねぇな…」

「ねえねえ!今までに何体巨人を討伐したの?ちょっとその立体機動装置見せてよ!」

「お、オイ!やめろ!素っ裸で海から上がって来るなっ!」

一旦、切ります

じわじわくる

「素っ裸って、ちゃんと貝殻つけるじゃん」

「なんか嫌だ」

「まぁまぁそう言わずに、さ。仲良くなろうよ」

ハンジ姫は、波打ち際に近寄ります。陸に上がって来るなと言われたので、ちゃぷちゃぷと波が打ち寄せる白い砂浜に横たわりました。

「なんか…扇情的だな」

「?」

「い、いや、なんでもない。それより、貴様!なんで俺に話しかける?俺は、貴様となど仲良くなりたくない」

「だって、あなた、人類最強でしょ?巨人倒す技術も凄いし、結構な駆逐脳だって聞いたよ?」

「…それがどうした」

「私も巨人を倒したい。この世から、巨人を一匹残らず駆逐したい!」

「…ほぅ。悪くない…お前、名をなんという?」

「ハンジ・ゾエ」

こうして、リヴァイ王子とハンジ姫は、運命的かつ禁断の出会いを果たしたのでごさいました。

ハンジ姫は毎日のように、リヴァイ王子に会いに行きます。

王子はいつも波打ち際で手を洗っていました。

「ねえ、リヴァイはさ、どうしていつも手を洗っているの?」

それを不思議に思った姫は、尋ねてみました。

「これか。これは、巨人の血だ。やがては蒸発するが、気持ち悪くてかなわんからな」

「ふぅん。リヴァイって潔癖症なんだね」

「…そんなことはない」

そう言って手を洗い続けるリヴァイの寂しそうな横顔に、ハンジ姫は胸が微かに痛むのを感じました。

(訂正:ちゃんと貝殻つけてるじゃん)

「でね、私が思うに、巨人というのは…」

毎日のように、ハンジ姫は、リヴァイ王子に巨人の実験のことや、そこから得た情報、考察を語ります。

熱の籠ったその演説を、リヴァイ王子は特に嫌がらずに黙って聞いていました。

彼女の考察は、確かにぶっ飛んではいましたが、なかなか面白く、傾聴に値すると判断したからです。

ハンジ姫も、お付きのモブリットが耳を押さえて逃げ出してから、話し相手に困っていたので、これ幸いと熱い演説をぶっていました。

しかし、姫の中では巨人の話が出来るからという以上に、リヴァイに会いに行きたい理由が膨らみつつありました。

それは、姫自身も無自覚なものでしたが、日に日にその思いは募ります。

それは、世間一般に申しますところの、恋というものでごさいました。

恋…それは、甘く切なく、胸を締め付けます。

恋に溺れた者は、我を忘れるといいますが、姫も例外ではなく、寝食を忘れるほどに思い悩んでおりました。

「あの人は人間。私は人魚…。私もあの人と同じ人間であったら!ともに肩を並べて、巨人を討伐することが出来るのに…!
…まあ、肩を並べてって言っても、私のほうが背が高いけどね」

一体誰に似たのでしょうか。姫は、結構酷いことをサラリ、と口にしながら、ソニーとビーンの檻で一日の大半を過ごします。

録に、食事も摂らず、睡眠も取らないので、姫の美しかった頬はこけ落ち、瞳だけが、爛々と異様な輝きを放っていました。

姫の余りの変わりように心を痛めた侍従モブリットは、姫の母親であるエルヴィン女王に報告します。

「姫さまは、最近ご飯も召し上がらず、お休みにもならずに、巨人の研究に没頭し、挙げ句の果てには、人間とお会いになっているとか。これではお身体が持ちません!」

「ふむ。まあ、これも予測出来たこと。他に気になることはあるか?」

「はい。姫さまは、お風呂にもお入りにならないので、危険きわまりない衛生状態でございます!」

「それは今に始まったことではないがな…。分かった。とにかく、私が話をしてみよう」

そう言って、エルヴィン女王は、娘を自室に呼びました。

今夜はここまで
そんなに長くはならない予定
読んでくれた人、いつもありがとう

まさかこう来るとはwすごいなぁ…
続き楽しみにしてます!

「ハンジ…お前は最近ひどく思い悩んでいるのではないか?」

「ええ。おかあさま。私、人間になりたいのです」

「…ふむ。その理由は?やはり、巨人関係か?」

「はい!ソニーとビーンの実験から私は多くの可能性を見いだしました。人類が巨人に打ち勝つ可能性を、です!」

「お前のことだ。止めても聞かないだろう。分かった。人間になる方法を教えよう。深海に住む魔女を訪ねるがいい。彼女ならお前を人間にしてくれるだろう」

そう言って、エルヴィン女王はハンジ姫に魔女のもとに行くように言いました。

姫は、ウキウキと出掛けて行きます。

「…女王さま。良かったのですか?」

「モブリット…お前には何が見える?」

「はい?」

「敵は何だと思う?」

女王はなにやら黒い微笑みを浮かべています。モブリットは思わず背筋がぞくり、としたのでした。

(なぜ上げた…)

ハンジ姫は、魔女の住む深海の宮殿に向かいます。

「アホールニューワー♪」

人間になれると聞いてワクワクしている姫は、大声でホールニューワールドを歌いながら、宮殿に乗り込みました。

「魔女子サァン!!」

大音量でおとないを入れます。

「なんだ!貴様、喧しいぞ!」

魔女キースが、入道のように、ぬっと現れました。

「あ、魔女っ子キース!!私を人間にしてよ!」

「」

なんでキース教官なのか小一時間問い詰めたい

ホールニューワールドで吹くwwwwww
女王やら魔女っ子やらが濃すぎてハンジ姫が普通に見えてくるふしぎ…

歌はデズニー人魚姫のpart of your worldじゃないんだw
他には誰が人間側なんだろうなー
期待!


ハンジが裸貝殻って事はエルヴィンも貝殻つけてるんだろうか
想像してしまったw

やめーや…

続き楽しみにしてます!
わくわく

まだかな
支援!

待ってます

魔女っ子が濃いな!
いいぞもっとやれ

お待たせしてすみません
放棄はしないのでもう少しお待ちください

待ってる

楽しみにしてます!

待機

魔女キースは唖然としました。海の中においてもなお、その頭部は光を失っていませんが、キースは言葉を失っていました。

「魔女子サァン!私を人間にしてよね!」

「…」

「どうしちゃったの?あ、私の美貌と美声に驚いたってわけね!」

キースはようやく自分を取り戻しました。海の女王エルヴィンの娘が、人魚であることを捨てたいと言っているのです。

これは、ただならぬこと。

魔女キースは、娘の輝く双眸に恋と野望の炎を見ました。

(哀れな娘よ…お前も巨人にとり憑かれたのか)

「…良かろう。ただし条件がある」

「条件?で、ございますか?」

「左様。お前を人間にしてやる代わりにお前の大切にしているものをわしに差し出すのだ」

「あっ!じゃここは当然髪のk「要らんわ!」

「えー?なんでよ?アンタつるっぱげじゃん。カツラでも作りゃいいのに」

「お前の汚ない風呂にも入ってないようなネチネチの髪の毛なんざ要らんわ!」

「」

タイムアップ
短くてご免なさい
保守やら支援やらありがとう
リヴァイ「無職童貞~」もよろしく


あっちもあんたかw
両方楽しく見てるよ

いやいや更新ありがとう!

乙乙!
やはり無職童貞もあなたでしたか…本当にあなたの書く文章は素晴らしすぎる
もっとやれください

両方見てる
続き期待

支援

保守

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