吸血鬼「まっず!! 君の血まっずぅううう!!」(977)

吸血鬼「やばいやばいやばい何この不味さ!!」

吸血鬼「青汁みたいに不味いけど癖になるとかじゃなくて……」

吸血鬼「なんていうか……もう、単純に不味い! それも凄まじく!!」

吸血鬼「おえええええええええ!!」

男「お前が無理やり吸ったんだろ……泣くぞ……」

吸血鬼「いや、もう、想像以上! やばいやばい! 君やばいよ!」

吸血鬼「僕が今まで飲んだ血の中で断トツで不味い! 誇っていいよこれは!」

吸血鬼「あれ? どうしたの、うつむいて。可愛い少女を無視しないでよ、おーい」

男「急に現れて急に血を吸って何なのお前……」

吸血鬼「だから吸血鬼って言ったじゃん」

男「WhatじゃねぇよWhyだよ……」

吸血鬼「君に惚れたから」

男「え」

吸血鬼「君にまいっちんぐだから」

男「何故よりダサく言い直した」

吸血鬼「えっ!?」

男(素か……素でセンスが古いのか……)

男「え、ていうか何? 俺に惚れた?」

吸血鬼「うん。一目見た瞬間、ビビっと来たんだ」

男「ビビっと……」

吸血鬼「まるで雷に打たれたかのようだった……」

男「打たれたことあるのかよ……」

吸血鬼「あのときはさすがの僕も死ぬかと思ったね」

男「打たれたことあるのかよ!」

吸血鬼「だから吸血鬼の性交であるところの吸血を行ったんだ」

男「なん……だと……」

吸血鬼「ああけど、もちろん大体の吸血は食事のためだよ」

男「ああそう……」

吸血鬼「性交吸血を行ったのはさっきのが初めて。つまり僕の処女を奪ったのは君さ!」

男「そんな馬鹿な!」

吸血鬼「責任はとってもらうからね……」モジモジ

男「無茶苦茶だ!」

吸血鬼「膜はまだあるけどね!」

男「うるせえ!」

吸血鬼「とにかくそんなわけで僕は君にゾッコンラブというわけさ」

男「吸血鬼が? 俺を? 信じられねぇ……」

吸血鬼「しかし、よりにもよって愛する人の血がこんなにまずいなんて」

男「悪かったな……」

吸血鬼「これが性の不一致というやつか……」

男「違う!」

吸血鬼「心の相性は良くても体の相性は悪かったわけだ」

男「心もまだ通じ合ってねぇよ!」

吸血鬼「えっうそ!」

男「何で通じ合ったと思ってたんだよ……」

吸血鬼「あんな不味いもの飲ませておいて……やるだけやったらもうポイか!」

男「言いがかりがひどい」

吸血鬼「弄ばれちゃった……」

男「それは俺のセリフだよ。何だこの茶番……」

吸血鬼「茶番だと!? 僕は君のことが本気で好きなんだぞダーリン!」

男「ダーリン言うな。だいたい吸血鬼ってなんだよ、この不法侵入者」

吸血鬼「今さらそこを疑うのかい?」

男「吸血鬼なんているわけないだろ」

吸血鬼「この鋭い牙は?」

男「ちょっと鋭いだけの犬歯だろ」

吸血鬼「君の血を吸ったことは?」

男「何かそういう偏食的な病気かなんかだろ?」

吸血鬼「じゃあ君の影から現れたことは?」

男「それは……何かマジック的な……」

吸血鬼「はあ。ナンセンスだなぁ、ダーリンは」

男「だからダーリンはやめろ」

吸血鬼「チョベリバ、チョベリバだよ」

男(古い……)

吸血鬼「仕方ないからもう一回見せてあげよう」ズズズ

男「俺の影に沈んでいく……!」

吸血鬼「ほらほらー、肩まで沈んだよ? まだ疑うのかい?」

男「……わかった。認める、認めるよ」

吸血鬼「うんうん。素直で物分かりのいいダーリンが好きだよ」ズズズ

>>18
ヘルシングのロリカードだろうが。
もちろん中の人は中田譲二だ

男「まあ、仮にお前が吸血鬼だとしよう」

吸血鬼「真に僕は吸血鬼だよ」

男「だけどその……好きとかいうのは勘弁してくれ」

吸血鬼「何でさ、僕は君のことを愛してる、結婚しよう。式は6月ね」

男「いや、俺はお前のこと好きじゃないし……」

吸血鬼「ばんなそかな!?」

男「急に知らない人から告白されてもそりゃそうなるだろ」

吸血鬼「……え、知らない?」

男「え?」

吸血鬼「や、やだなぁダーリン。冗談はほどほどにしないと」

男「え、いやいや俺はお前のこと知らないぞ?」

吸血鬼「……!」

男「この世の終わりみたいな顔されても」

吸血鬼「ちょっ……ちょっと待ってて! タンマタンマ……」クルッ

男(後ろ向いて何してんだ……?)

吸血鬼「えっと……こうやって……よし……」

吸血鬼「……これでわかる?」クルッ

男(? 横に流してた前髪をおろして眼鏡を――って)

男「く、黒髪……さん?」

吸血鬼「ザッツライト、ダーリン!」

男「目を覆い隠すほどの前髪とその眼鏡……」

男「同じクラスの黒髪さん……?」

吸血鬼「そうだよダーリン、僕の名前は黒髪さ! ようやくわかってく――」

男「いやいやいやいや! え!? 黒髪さん!? 全然キャラ違うじゃん!」

男「黒髪さんってもっと大人しくて全然喋らなくて影薄いじゃん!」

吸血鬼「き、傷つくな……。影そのものと言っていい僕に影が薄いなんて」

男「あ、ああ、ごめん」

吸血鬼「まあ昼間は太陽とかがキツくて常にダウナーだから仕方ないけどさ」

男「キツいだけなのか……」

吸血鬼「気を抜くと蒸発するけどね」

男「危なすぎる!」

吸血鬼「うそぴょん☆」

男「」イラッ

男「しかし……黒髪さんが吸血鬼?」

吸血鬼「そうだよ、愛してるダーリン結婚しよう」

男「え、いやいや待て待て、てことは俺黒髪さんに惚れられてたの?」

吸血鬼「生まれる前から好きでした」

男「嘘つけ。一目惚れってことは入学式から……?」

吸血鬼「まあ一目惚れは嘘なんだけどね」

男「何でそこで嘘をついた」

吸血鬼「それは乙女の秘密だゾ☆」

男「殴っていいか?」

吸血鬼「だ、ダーリンにならいいよ……?」モジモジ

男「許容すんなよ!」

吸血鬼「まあそういうわけで僕とダーリンはお知り合いだったってわけさ」カチャ

男(また眼鏡外して前髪わけるのか)

男「マジか……」

吸血鬼「マジマジー」

男「黒髪さんって(中身がアレだけど)こんな可愛かったんだな……」

吸血鬼「……っ!」ポッ

男「ん? どうした」

吸血鬼「ちょっ、ダーリン卑怯だよそれは! 急に褒めても僕はすでに落ちているから無駄だよ!」

男「落ち着け」

吸血鬼「いやんいやん! そんな超絶可愛い美少女なんて僕困っちゃーうーなー!」

男「そこまでは言ってねぇよ」

吸血鬼「ダーリンはこれ以上僕を惚れさせてどうするつもりだい? 食べちゃうつもりなのかい?」

男「いや……」

吸血鬼「むしろ僕が食べちゃうよ! あむっ!」チュー

男「ばっ、やめ」

吸血鬼「まっずぅううう!!」

男「……」

吸血鬼「なんて不味さだ! でも好きだから!」

男「そりゃどうも……」

吸血鬼「そういうわけで結婚を前提にお付き合いしてください!」

男「ごめんなさい」

吸血鬼「ほわい!? 何故!? 知らない仲じゃないだろう!?」

男「そりゃ黒髪さんは知ってるけど、よく知らないことには変わりないだろ……」

吸血鬼「そんな殺生な!」

男「そもそも何で惚れられてるのか……一目惚れじゃないなら接点ないだろ俺たち」

吸血鬼「…………覚えてないの」

男「え?」

吸血鬼「何でもないよ、ダーリンのイケメン! アイラブユー!」

男「それもしかして罵倒か……?」

吸血鬼「罵倒だよ! 愛してる! 抱いて!」

男「お断りします」

吸血鬼「だいたいよく知らなくても美少女に告白されたら付き合うだろう!?」

男「そうか……?」

吸血鬼「そうだよ!」

吸血鬼「性交までしたのに……」

男「吸血だろ!」

吸血鬼「僕たちにとっては一緒なの!」

男(それでも無理矢理吸われたのだが……)

吸血鬼「男なら責任を持って結婚しなよ! 子供は三人がいいです!」

男「うるさい黙れ」

吸血鬼「そ、それは黙って俺について来い的な……」

男「違う。黙って帰れ」

吸血鬼「夜はこれからなのに!」

男「二時がきたぞ」

吸血鬼「今夜は寝かさないゾ☆」

男「帰れ。寝ろ」

吸血鬼「吸血鬼に酷なことを言う! ナイスプレイ!」

男「だいたい何で吸血鬼が学校通ってるんだよ」

吸血鬼「眠いのを我慢してまで学校に通ってるのは、まあ話せば長くなるんだけど……」

男「よしわかった帰れ」

吸血鬼「人間社会にとけ込むためさ……って聞いてよ!?」

男「話短いじゃねぇか。あと眠いなら定時制に通えや」

吸血鬼「こんな冷たく当たるなんてダーリンは本当に照れ屋なんだから……」

男「照れてねぇよ……ていうか本当帰ってくれ寝たいんだよ……」

吸血鬼「付き合ってくれたら帰る!」

男「誰が付き合うか」

吸血鬼「そんな今日は帰さないだなんて! きゃー!」

男「ポジティブさが怖い」

男「ほら、隣人さんも夜中うるさいと怒るから」

吸血鬼「隣は空き部屋じゃないか、知ってるよ?」

男「ガッデム……!」

吸血鬼「僕らの営みを邪魔する奴はいないよ、夜の営みをね……」

男「首筋に口を近づけるな」

男(ダメだ……眠くなってきた……)

男「マジで何なのお前……何が望みだ……」

吸血鬼「マリッジ」

男「ごめんなさい本当今日はもう帰ってください」

吸血鬼「愛する人に土下座をさせてしまった!」

吸血鬼「仕方ない、今日のところは帰ってあげるよ」

男「何その上から目線……」

吸血鬼「ああごめん僕としたことが、今すぐ這いつくばるね……」

男「今すぐ帰れ!」

吸血鬼「はーい。でもダーリンが一人暮らしでよかったよ……じゅるり」

男「親の反対を押し切ったことを後悔した!」

男(やはり高校生の一人暮らしなんか無謀だったのか……!)

吸血鬼「そんなことないよ、僕も一人暮らしだし」

男「心を読むなプライバシーを返せ」

吸血鬼「無理だよ僕とダーリンは以心伝心だからね!」

男「うるさい帰れ……」

男(本当帰れ……)

吸血鬼「そんなこと言っても心の中では帰って欲しくないだって……?」

男「全然読めてねぇじゃねぇか大人しく帰れ」

吸血鬼「じゃあそろそろ夜明けも近いし帰るね!」

男「ありがとうございます……!」

吸血鬼「な、なんか流石に申し訳なくなってきたよ。お礼言われるほどとは……」

男「そう思うなら早く帰れ……で、やっぱ飛んで帰ったりするのか?」

吸血鬼「まさか。目立つじゃないか、玄関から出て歩いて帰るよ」ズズズ

男「影から靴が……。しかし普通に帰るんだな。影の中を移動できたりは」

吸血鬼「出来ないねぇ、普通は。君の影から出てきたのはこっそり潜んでただけだから」

男「……ん? 潜んでたってことはまさか」

吸血鬼「そういえばちょっとオカズがマニアック過ぎないかな? まあダーリンになら僕も……」

男「うわあああ帰れ!! 今すぐ帰れえええ!!」

吸血鬼「あはは、ごめんねダーリン! また明日――てかまた学校で!」

ガチャ……バタン

男「…………泣きたい」

【翌日】

男「…………」

友「男ー飯食おうぜー……ってどうした、なんか暗いな」

男「寝不足なんだよ……」

男(おかげで寝坊して弁当も作れなかった……)

友「そっか、バイトとか家事とか大変だろうけどあんま無理すんなよ」

男「おう……飯か、なら購買に――」

黒髪「……あの」

男「……! く、黒髪さん……」

友「あ、黒髪さんどうしたの?」

黒髪「えっ……と……」チラッ

男「お、俺?」

黒髪「……ん」コクッ

男「あー……何の用だ?」

男(学校でも話しかけてくるとは、今まで無関係だったから油断してたな……)

黒髪「……」

友「あれ? その包み、もしかしてお弁当?」

黒髪「……ん」コクッ

男(まさか一緒に食べたいとか……? しかし何か包みが大きすぎるような――)

黒髪「……作ってきたの」


黒髪「だーりんに、食べて欲しくて……」


男「……」

友「……」

黒髪「……」

男「……え?」

シーン

男(何故……! 何故このタイミングで静かに……!)

「今、黒髪さんが男くんのことダーリンって……」

「おいおい、あの二人いつの間に出来てたんだ?」

「壁殴り代行始めましたー」

「マジかよ男はてっきり……」

ザワワ…ザワワ…

友「男……お前……」

黒髪「……? だーりん……?」

男「ばっ……! くっ、お前ちょっとこっち来い!」ギュッ

黒髪「あっ……」

すばらしい……

男「どういうつもりだ!」

黒髪「廊下で……責められてる……野外プレイ……?」ポッ

男「顔を赤らめるな! 屋内だ! じゃなくて、何で弁当なんか……」

黒髪「手料理で胃袋をつかんで永久就職……」

男「あのなぁ……」

黒髪「あと……昨日の、お詫び……」

男「…………はぁ」

男(悪気はないんだろーなぁ……てか昼と夜で全然テンション違うな)

黒髪「食べて、ほしい……ぼくも、弁当も……」

男「誰が食べるか」

黒髪「……」シュン

男「…………まあ、腹は空いてるから弁当は食べるよ」

黒髪「……!」パァアアア

男「弁当だけだからな!」

黒髪「……嬉しい」ニコッ

男「……っ! ちょ、ちょっと待ってろ!」

ガラガラ

男「おい友! すまんが今日は一緒に食えん!」

友「裏切り者! お前みたいな奴は彼女のうまい飯でも食ってろ!」

男「彼女じゃねぇよ!」

ガラガラ

男「おまたせ、ついて来いよ」

黒髪「……ん」

【屋上前踊場】

男「さて……ん?」

黒髪「……」ギュッ

男「服の裾なんか掴んでどうした」

黒髪「外は……」

男(ああ……そういや吸血鬼だったな……)

男「じゃあ踊り場で食うか? 人目につかなければ俺はどこでもいいし」

黒髪「事に及ぶために……?」

男「違うわ! 恥ずかしいんだよ普通に!」

黒髪「ん……」コクッ

男「座るのは地べたでも大丈夫か?」

黒髪「……まって」ズズズ

男「影からシートが……」

黒髪「どうぞ……」スッ

血の相性は悪いけどセックスの相性は抜群なんですね、精液美味しいとか言っちゃうんですね、わかります

黒髪「……これお弁当、手作りだから」スッ

男「……ありがとう」

黒髪「……」ボー

男「……これ、なんか媚薬とか入ってないよな」

黒髪「……! そんな手が……!」

男「ごめん何でもない、いただきます」

男(朝飯も食べてないし腹減って仕方ない……見た目はうまそうだがさて……)

黒髪「召し上がれ……」

男「…………んむ」パクッ

黒髪「……どう?」

>>83 ワロタ

眼鏡黒縁かな

男「…………うまい」

黒髪「ほんと……? 嬉しい……えへへ」

男(こいつ、こんな風にも笑えるのか……見た目は可愛いんだよなぁ)

黒髪「たくさん食べてね……」

男「おう……うまいな、この大豆の煮付けとか」

黒髪「……ん」

男「この小松菜の炒め物とか」

黒髪「……ん」

男「このほうれん草のおひたしとか……」

黒髪「……ん」

男「この……レバーとか……」

黒髪「どんどん、食べて……」

男「何この鉄分過多な弁当!!」

黒髪「……おいしくなぁれ」

男「弁当の話だよな……?」

黒髪「……」

男「何か言えや。……まあ、おいしいけど」

黒髪「……よかった。朝苦手だけど、早起きして作ったから……」

男「あ、ありがとう」

黒髪「というか寝てないけど……」

男「……」

黒髪「だから……ねむ……くて……」コテン

男「肩に寄りかかるな!」

黒髪「……すー……すー」

男「…………はぁ」

男(起こしちゃ悪いし、食いづらいなぁ……)

黒髪「くぅ……くぅ……」

男「…………」モグモグ

黒髪「むにゃむにゃ……もう飲めないよぉ……」

男「お前起きてね……?」

男(何だそのテンプレな寝言)

黒髪「すー……くぅ……」

男「……」

黒髪「すーはー……くんかくんか……」

男「お前起きてるだろ!」

男(呼吸音がおかしい!)

黒髪「はっ……今だーりんの匂いを……かいでる夢……」

男「現実だよ、紛う事なきリアルだよ」

黒髪「……くんくん」

男「首筋をかぐな」

黒髪「……かぷっ」

男「ばっ……!」

黒髪「おぇっ……」

男「……」

黒髪「まず……」

男「……」

            /  \____

             ⌒゙i\ \    \   
              . ゙i \ ゙i(゚)   ゙i     ____\   ー‐┐  一十一
             。., ' ⌒。゙i )   ゙i      \      ノ´   ノ |
            o。∴。゚//  ┬-、_      \    ー‐┐  
           (∴U//  }ノ ノ   \      ,>   ノ´   ─┬─
            |U゙/     / i |     l、     く.   ー‐┐    |
ー‐┐ 一十一 /  u' \ヽ‐'´  !|     ト、     \   ,ノ´    ─┴─
 ノ´   ノ |  /_____,  }j  ハ、  ヽ ヽ,___/    /  ー‐┐  ─┬─
ー‐┐    .     / ___ノ /\_,≧/ u 人.   /     ,ノ´   ─┴─
 ノ´  ─┬─  く  {上rン´  ,厶../ / ヽヽ   \    ||  
ー‐┐   |    /    ̄   ノ{こ, /,〃   !|    \   ・・   ─┬─
 ノ´  ─┴─  \     ,.イ !l`T´ | /     |:|     /     ..─┴─
ー‐┐ ─┬─   \   //    l  |     |_|   ∠.、      
 ノ´  ─┴─     /   ヒ_ー--、_|ー、____,ノj┘    /        ─┬─
ー‐┐         /     \ ̄\ー`トー-<    /          .─┴─
 ノ´  ─┬─  \      \  ヽ  \  ヽ    ̄ ̄|
 | |  .─┴─   >       \. ヽ.  ヽ   l      |/l   /|  ∧  /\
 ・・         /           ) lヽ   ',  l、      |/   | /   V
     ─┬─  \       , イ、_,上ハ   }  小          |/
    ─┴─    \     (乙≧='''"´ ,∠,__ノ/
             /           厶乙iフ/
      ─┬─  く               `¨¨¨´
      ─┴─    \

黒髪「頑張ってね……」

男「何で俺が惨めな感じになってんの……?」

黒髪「どんまい……」

男「うるせえ。俺が悪いみたいじゃねぇか」

黒髪「だーりんは悪くないよ……」

男「……」

黒髪「ちょいワルだよ……」

男「違うわ」

黒髪「ちょっと悪いくらいが格好いい……」

男「だから違うっつーの」

黒髪「ワイルド……そういうところも好き……」

男(埒があかない……)

男「あー……ちょっと聞いてもいいか?」

黒髪「今日のパンツは白だよ……?」

男「聞いてねぇよ!!」

黒髪「……あ、そっか、今黒タイツ脱ぐね」

男「お前は何に気づいたんだよ! 立ち上がるな!」

黒髪「あ、ごめん……全部だよね、脱ぐね……」

男「違うわ! スカートに手を入れるな! 座れ!」

黒髪「犬のように……?」

男「人のように!」

黒髪「だーりんにならぼくの全部を見せても……」

男「お前は大人しくても芯がぶれねぇなぁ!」

追いついたー
昼と夜の差っていいよね 待ち遠しくなるよ

黒髪「パンツは今晩見せるとして……」

男「見せんでいい」

黒髪「何が聞きたいの……?」

男「ん……いや、何で学校ではその格好なんだ?」

黒髪「……髪と眼鏡?」

男「せっかく可愛い顔してんだから髪上げりゃいいのに」

黒髪「……あぅ」カァア

男「どうした?」

黒髪「………………ずるい」

男「で、何で髪上げないんだ? 目立ちたくないとか?」

黒髪「ん……ぼくのこの瞳は」スッ

男(前髪かきあげる仕草サマになってんなぁ)

黒髪「特別だから……」

男「……まあ、確かに宝石みたいに綺麗な目をしてるよな」

黒髪「そ、そうじゃない……」カァア

男「じゃあ何だ?」

黒髪「吸血鬼の瞳は異性を魅了するから……」

男「だから隠してるのか」

黒髪「きみには……なぜか効かないけど……」

男「効いても困るんだが……」

黒髪「体の相性が悪いから……」

男「そういう風に言うな人聞きの悪い」

黒髪「そこ大事だからね……」

男「知らんがな」

水色と白の縞パンもちろんワンポイントのリボン付きで
クロッチ部分は透けるものを着用してこい

男「うわああああああ吸血鬼だあああああ」

吸血鬼「あのさ君何型なの?」
男「え、Bです」
吸血鬼「俺さーO型なんだよね
君の血飲んだら死んじゃうんだよね」




吸血鬼「本当にB型は自己中だわ」

>>121Σd(^ ^)

黒髪「まあ……そんなわけだから……」

男「おー、わかった。ありがとな。あとごちそうさま」

黒髪「お粗末様……」

男「お前は食べなくていいのか?」

黒髪「いやぼくは……」

男「あ、やっぱ主食は血なのか?」

黒髪「少食だからこれ……」スッ

男「ウィダーかよ!」

黒髪「これ好き……」チュー

男「つくづくよくわからない奴だな……」

黒髪「……んく、んく」チュウチュウ

男「それでこの弁当箱どうすればいい? 洗って返そうか?」

黒髪「いや……明日も作ってくるから……」

男「俺に?」

黒髪「ほかに誰が……?」

男「そうか……」

黒髪「……迷惑?」

男「いや……また食べたいくらいだが……」

男(正直食費も浮くし、時間もできるし助かるけど……)

黒髪「……?」

男(その分、こいつに負担が増えるってことだからな)

男「気持ちは嬉しいけど遠慮しとくよ、明日からはまた自分で作る」

黒髪「やっぱり迷惑だった……?」

男「いや……いやまあ周りが誤解するのは確かに迷惑だが」

黒髪「そこは誤解じゃないから大丈夫……」

男「誤解だよ。じゃなくて、お前に迷惑をかけるのが嫌なんだよ」

黒髪「……? 迷惑じゃないよ……?」

男「嘘つけ。吸血鬼なのに朝早起きして弁当作るのはつらいだろ」

黒髪「それは……」

男「事実、朝苦手って言ってたじゃねぇか」

黒髪「う……」

男「それに食費とか大変だろ」

黒髪「ぼくあまり食べないし……」

男「なら浮いた食費を自分のために使えばいいさ」

黒髪「……」

男「さんきゅ、うまかったよ弁当。昨日のお詫びは確かに受け取った」

黒髪「……ん」

男「弁当箱は洗って――」

黒髪「……」ギュッ

男「……どうした?」

黒髪「……」

男「……黒髪?」

もーちょい学校シーンがいい

黒髪「……作るから、返して」

男「いや、だから作らなくていいって」

黒髪「作りたい……」

男「……」

黒髪「作りたいから……ぼくは迷惑じゃないから……」

男「何でそんなに作りたいんだ?」

黒髪「一緒にご飯……食べたいから……」

男「……」

男(そういやこいつ、いつもひとりで……)

黒髪「あと胃袋をつかんでウェディング……」

男「お前はもう作ってくるな」

黒髪「そ、そんな……」

男「お前は作らなくていい――俺が作ってくる、二人分な」

黒髪「……え?」

男「勘違いするなよ、これは……予防だ」

黒髪「予防……?」

男「お前の作る弁当を食べてたら鉄分過多になるからな……そのうち薬盛りそうだし」

黒髪「そそそそそんなわけない……ぴゅーぴゅー……」

男「キョドりすぎだろ……あと口笛吹けないなら無理に口で言うなよ」

男「だから自分の分は自分で作るし、お前の分はついでに作る」

黒髪「いいの……?」

男「いくら少食だからってウィダーだけじゃよくないだろ」

黒髪「そんなこと……」

男「体調を崩したお前が『看病してダーリン!』とか言ってきても困るからな」

黒髪「……」

男「だからこれも予防だ。お前のためじゃないぞ、俺のためだからな」

黒髪「だーりん……」

男「一緒の弁当なのに別々に食べるのも変な話だから一緒に食べてやる」

男「お前は目を離すと何をしてくるかわからないから監視の意味もある」

男「友も一緒に食べるからな。人の目があれば少しは大人しさも増すだろ」

男「いいな、これは俺の身の安全を確保するための予防だからな」

黒髪「…………」

男「なんだよ」

黒髪「やっぱり、だーりんは優しい……」ギュッ

男「抱きつくな!」

黒髪「あむ……」

男「か、噛むなっ!」

黒髪「まず……」

男「もういい加減に学習しろ!」

黒髪「まずいけど……好きだよだーりん……」ギュッ

壁殴り代行おおおおおおおおおおお

ふん……マグマか

黒髪「もう4回もえっちしたね……」

男「してない! 吸血されたんだ!」

黒髪「認知してね……」ポッ

男「何も認めることはねぇよ!」

黒髪「あ、そろそろチャイム鳴るよ……」

男「お前は先に戻ってろ、俺は少し時間ずらして戻る」

黒髪「待って……ひとりで処理するならぼくのこの口を……」

男「何の話だ! 一緒に戻ったら勘違いされるだろ!」

黒髪「どうせ明日から一緒に食べるのに……」

男「友もいるだろ!」

キーンコーンカーンコーン

俺が壁になる

黒髪「チャイム……」

男「くそっ予鈴鳴っちまった!」

黒髪「あと五分で授業……」

男「早く先に行けよ」

黒髪「もう対して変わらないよ……」

男「くっ……仕方ない、ほら行くぞ!」

黒髪「帰ろう……ぼくらのいるべき場所に……」ズズズ

男「何カッコ良さげなセリフ吐きながらシートしまってんだ……」

友「ひるやすみはおたのしみでしたね」

男「何の話だ」

友「彼女の弁当はうまかったか?」

男「彼女じゃねぇ。弁当はうまかったがな」

友「ふっうーーーん」

男「なんだよ」

友「それがお前の最後の晩餐だ……!」

男「晩餐は夕飯のことだよ、馬鹿か」

友「え? じゃあ昼飯って何? ひるさん?」

男「チュウサン、昼餐な。あるいは午餐」

友「ゴサンかー」

>>157は犠牲になったのだ

友「それがお前の最後の午餐だ……!」

男「何でだろう、すごく馬鹿っぽく聞こえる」

友「馬鹿って言うな! お前は絶対に許さないからな!」

男「今度ダッツおごるから」

友「許した! やったー! ストロベリーねストロベリー!」

男「はいよ。あ、そうだ。明日から黒髪も一緒に飯食うことになったから」

友「え?」

男「なんか食う友達がいないんだとよ。別にいいだろ? 黒髪の初の女友達になってやれよ」

友「いつの間にか呼び捨て……」

男「友?」

誤算だったな

友「黒髪さんが弁当作ってくるのか? 男に」

男「んなわけないだろ」

友「そ、そうだよな……」ホッ

男「俺があいつの分まで作る」

友「は?」

男「あいつ、いつもウィダーだからな。何か食わした方がいいだろ」

友「でも黒髪さん料理できるんだろ? なら自分で作らせたらいいんじゃ」

男(……なるほど、よく考えたらそうか)

男「…………いいんだよ、一度作るって言ったんだから」

友「なんだよそれ」

嫉妬かわええな友

友「……3つ」

男「は?」

友「ハーゲン3つだからな!」

男「何でだよ、さっき許してくれたじゃねぇか」

友「知らん! 3つだからな!」フイッ

男(席に戻っていった……)

男「まあいいか……急になんだあいつ」

黒髪「だーりんは罪な人……」

男「うおびっくりしたいつの間に!」

黒髪「……」スタスタ

男「2人して何なんだ……寝よ」

はあぁん ツンデレ?ツンデレ?

【放課後、通学路】

男(寝過ごしたっ! 何でみんな起こしてくれなかったんだ特に友!)タッタッタ

男「バイト、ギリ間に合うか……?」

黒髪「……大変だねだーりん」ズズズ

男「いつの間に影に!?」

黒髪「寝てる間に……」

男「起こせや!」

黒髪「いつもは凛々しいけど寝顔は可愛いんだね……」

男「うるさい! あと顔半分だけ出すな! 出てこい!」

黒髪「下は全裸だけどいいのかい……?」

男「お願いします出ないでください」

問題無い。全裸で来い。

>>192まだだ
まだ早い

黒髪「ぼくとしては露出もありだけど……」

男「ありえないからな!」

黒髪「残念だ……」

男「残念がるな。喋りが流暢になってきたな、ようやくお目覚めか」

黒髪「太陽もだいぶ沈んできたしね……本調子にはまだまだ遠いけど……」

男「そうか、いいから早くその頭を引っ込めろ。変な怪談が生まれたらどうする」

黒髪「ぼくとだーりんが語り継がれるなんて興奮するね……」

男「しねぇよ」

黒髪「そう焦らずともこの道は人通りが少ないから……」

男「0じゃないけどな。あそこにも幼女が……って、この時間帯に?」

黒髪「さすがだーりん、ロリの察知が早い……」

男「ロリは関係ないだろ!」

黒髪「ぼくが童顔の吸血鬼でよかった……」

男「俺はロリコンじゃない。それよりあの子、なんか様子おかしくないか?」

黒髪「ぼくはだーりんほどロリに対する審美眼が養われてないんだけど……」

男「今はあの子の可愛さについて語ってないだろ」

黒髪「だーりん…………」

男「ほら、挙動がフラフラしてるって言うか。車道に飛び出しそうで怖い」

黒髪「ふむ、そうだね……。ん……? あれは……」

フラッ

男「っ! 車が! 危ない!」ダッ

黒髪「あっ、だーりんちょっとまっ――」

男「危ないからもぐってろ黒髪!!」

黒髪「あ……。……まあいいか」ズズズ

男(間に合うか――!)バッ

男「おおおおおおっ!!」ダキッ

幼女「ぁー?」

ダッ ゴロゴロゴロゴンッ

ゴォオオオォォ パァーーー!!

黒髪「……けたたましいクラクションだね」ズズズ

男「……」

黒髪「間一髪だったねだーりん……」

幼女「ぁー」スクッ

男「……」

黒髪「だーりん……?」ズズズ

男「……」

黒髪「頭を……! 軽い脳震盪っぽいけど……」

黒髪(家まで運ばないと……だーりんの家が近いか……)グッ

幼女「ぁー?」

黒髪「だーりんに感謝するんだね……きみの破損はまぬがれなかっただろうし……」ズルッ

幼女「ぁー、はそん?」

黒髪「壊れることだよ……」ズルッズルッ

幼女「ぁー、わたし、あぶなかった」

黒髪「そうだよ……」ズルッ

黒髪(くっ、少し重い……けどあと二分くらいで……)ズルッ

幼女「ぁー、お兄ちゃん、たすけてくれた?」トテトテ

黒髪「そうさ……ちゃんとお礼を言うんだね……」ズルッ

幼女「ぁー、あり、が……」パタンッ

黒髪「きみもか……!」

黒髪(まあこの子は放っておいても…………)

男「……」

黒髪(……はぁ、だーりんなら助けるよね)

黒髪「子供が寝るにしても早い時間だけど……起きたらだーりんに直接お礼を言うんだよ……?」

幼女「……」

黒髪「それじゃあ――」

吸血鬼「ここから先は僕の時間だ」

男(…………ん。ここは――俺の部屋?)

吸血鬼「やあ、起きたかいダーリン」

男「黒髪……? …………幼女は!」ガバッ

男(っ! 頭いてぇ……)

吸血鬼「女の子と言わずに幼女と言うあたりダーリンだよねぇ」

男「人をロリコンみたいに言うんじゃねぇよ」

吸血鬼「そろそろその言い訳は苦しいんじゃないかな……」

男「で、あの子はどうなったんだ?」

吸血鬼「君の隣で寝てるよ」

男「そうか、いい仕事したな。よくやった」

吸血鬼「それはその子の無事に関してで他意はないよね……?」

男「まあこの子が無事ならよかった。よし黒髪帰っていいぞ」

吸血鬼「2人をここまで運んできたのにそれは酷くない……?」

男「そういや、どうやってここまで?」

吸血鬼「2人を僕の影に押し込めてきたのさ」

男「お前の影なんでも入るの……?」

吸血鬼「まさか。ちゃんと制限があるよ、自分は入れないとか色々」

男「そうか……それで、どうやってこの部屋に?」

吸血鬼「もちろん、君が持ってた鍵だよ」

男「……ズボンのポケットに入れてたんだが」

吸血鬼「まさぐらせてもらったよ……り、立派なんだね」ニギニギ

男「汚されてしまった!」

吸血鬼「ほら、代わりに僕の胸を揉んでいいから。いや、揉んでください」

男「嫌だよ」

吸血鬼「何でさ! ほら君の愛してやまない貧乳だよ!?」グイッ

男「腕を引っ張るな! 何がお前をそうさせるんだ!」

吸血鬼「愛だよっ!!」

男「お、おお、想像以上に叫んだな……」

吸血鬼「とにもかくにもまずはひと揉み! さきっちょ、さきっちょだけでも!」

男「やめろ! 色々危ないから!」

吸血鬼「もう深夜だから! 大丈夫大丈夫!」

男「何がだよ! って深夜!? バイト――!」

吸血鬼「あ、ちゃんと連絡入れておいたよ」

吸血鬼はもしや全裸で二人を運んだのか

男「おまっ……まあ、助かったけど」

吸血鬼「ダーリンがまさかあんなところで働いてるなんてね……」

男「やばい所みたいに言うな、ただのコンビニだろ」

吸血鬼「そ、そうだよね。ただのコンビニということにしておかないとね!」

男「その言い方やめろ正真正銘のコンビニだよ! はぁ……ま、ありがとな」

吸血鬼「ふふん、できる女です」

男「で、どうやって連絡先を?」

吸血鬼「失礼だけど君の携帯を拝借して、ごめんね」

男「そうかそうか」

吸血鬼「うん」

男「………………え?」

吸血鬼「しかしダーリン、ぼっちの僕が言うのもなんだけど連絡先少なすぎじゃ」

男「うわあああああ……」

吸血鬼「僕の連絡先入れておいたからね! いつでも連絡して!」

男「誰がするか! うわぁ、マジかぁ……勝手に見んなよぉ……」

吸血鬼「へこみすぎじゃない? まあ、あんな画像を入れてたら仕方ないか……」

男「変態みたいに言うなや! 違う! 俺は健全な男子高校生だ!」

吸血鬼「大丈夫、僕はダーリンのこと好きだからどんなプレイにも耐えてみせる」

男「どんなプレイもしねぇよ!」

吸血鬼「あ、そうだ。ダーリンダーリン」

男「何だよ……」

吸血鬼「ほいっ」バッ

男「……っ!? おまっ、何をっ……!?」

吸血鬼「白パンツー」

吸血鬼「ほら、約束のブツだよ」

男「取り引きみたいに言うな! 早くスカート下ろせ!」

吸血鬼「そんなスカートを脱げだなんて大胆……わかったよダーリン」スッ

男「違うわ! パンツを隠せっつってんだよ!」

吸血鬼「何で目を背けるのさー、ほらほら黒タイツ越しの純白パンツだよー」

男「誰が見るか……!」

吸血鬼「やっぱりくまさんパンツの方が……?」

男「そういうことじゃねぇよ!」

吸血鬼「好きなのは否定しないんだ……」

男「違う。あ、そういえばこの子どうする」

吸血鬼「この流れで幼女の話にだって……!? やっぱりダーリン……」

男「変な勘ぐりはやめろ!」

吸血鬼「どうするって調教とかそういう……?」

男「違う! もう深夜なんだ、捜索届けとか出ているだろうし明日の朝にでも警察に――」

吸血鬼「その必要はないよ、ダーリン」

男「どういうことだ? あ、まさか既に連絡をとっているとか」

吸血鬼「その子に親はいない」

男「……どういうことだ?」

吸血鬼「その子に家族はいない。何故ならその子は死んでいるからね」

男「死んでるだって?」

吸血鬼「そうDEATH☆」

男「やかましいわ」

男「この子が死んでるだと? 笑えない冗談はやめろ」

吸血鬼「でも事実その子は生きてないよ?」

男「馬鹿言え、今だってこんなに可愛く寝返りを打ってるじゃないか」

吸血鬼「可愛いのは別に関係ないんじゃないかな……?」

幼女「ぅ……ん……」ゴロン

吸血鬼「それでも心臓は動いてないよ、確認してみるかい?」

男「そうだな、一応な」スッ

吸血鬼「待って待って待って待って、何をナチュラルに胸を触ろうとしてるんだい」

男「心音を確かめるんだろう?」

吸血鬼「ふつう手首の脈なんじゃ……」

男「誤診したらどうする!!」

吸血鬼「必死すぎる……」

幼女「ぁー……?」ムクリ

吸血鬼「おや、起きたようだね」

男「お前がうるさくするから……」

吸血鬼「え、僕……?」

幼女「ぁー、ここ、どこ?」

男「俺の部屋だ。このお姉ちゃんが連れてきてくれたんだ」

吸血鬼「だ、ダーリンからお姉ちゃん……いいかも……」

幼女「ぁー、お姉ちゃん、ありがとー」

吸血鬼「そうだダーリン、直接聞いてみればいいさ」

男「そうだな……そうだな……」

吸血鬼「落ち込んでない……? 君、名前は?」

幼女「ぁー、わたしの名前はゾンビ娘」


幼女「ぁー、わたしゾンビだよ、お兄ちゃんお姉ちゃん」

男「…………」

吸血鬼「だってさ、ダーリン」

男「いや本人が言ってるだけだろ決めつけるには早計だ」

吸血鬼「慎重だねぇ」

男「なあゾンビ娘」

ゾンビ娘「ぁー、何お兄ちゃん?」

男「胸を触らせてくれないか」

吸血鬼「何を言っているんだい!?」

男「勘違いするなよ、心音を確かめるためだ」

ゾンビ娘「ぁー、わかった」ヌギッ

吸血鬼「君も何脱いでるの!? 駄目だよ!」バッ

男「どけ! 診察の邪魔をするな!!」

吸血鬼「ゾンビ娘、腕を出してごらん」

ゾンビ娘「ぁー」スッ

吸血鬼「ほらダーリン確かめてみるといい」

男「チッ……わかったよ」

吸血鬼「今舌打ちしなかった……?」

男「どれ……」スッ

男(冷たい……体温がないみたいに……脈は)

男「ない……」

吸血鬼「だろう?」

男「まあ吸血鬼がいるんだ、ゾンビくらいいるよな……」ギュッ

ゾンビ娘「ぁー、ゾンビだよー」

吸血鬼「うんうん。ところで何でゾンビ娘の手を握ったの?」

吸血鬼「まあそんなわけでその子は不死身の怪物と名高いゾンビというわけさ」

男「イメージと違うな……」

吸血鬼「僕もこんなに出来のいいゾンビを見たのは初めてだよ」

男「出来のいいって……まるで物みたいに」

吸血鬼「物だよ?」

男「……は?」

吸血鬼「だってゾンビ死体から出来る物じゃないか」

男「お前」

吸血鬼「ゾンビは壊れても修復可能な、ネクロマンサー――死霊士の傀儡だよ」

男「こら」ゴツンッ

吸血鬼「あいたぁ!?」

男「ゾンビ娘を作り物みたいに言うんじゃねぇよ」

吸血鬼「いつつ……でも実際人と違って痛みも感じないし、いくらでも修復可能なんだよ?」

男「それが?」

吸血鬼「だいたい壊れても直せるんだからダーリンが危険を冒してまで助ける必要はなかった」

男「笑わせるなよ黒髪。そういう問題じゃないだろう」

吸血鬼「ダーリン……」

男「痛みを感じないからといって、怪我をしていい理由にはならないし」

男「怪我をしても必ず治るからといって、助けなくていい理由にはならないだろう」

吸血鬼「…………やっぱりそう言うよね、君は」

男「黒髪?」

吸血鬼「何でもないよ。さすがダーリン、いっかすぅ!」

男「それにこいつは物じゃねぇよ」ポンッ

ゾンビ娘「ぁー、それにわたし痛覚あるよ」

吸血鬼「嘘……いや、仮に本当だとしてもゾンビは死霊士の操り人形に変わりはないし……」

男「どこがだ?」

吸血鬼「え?」

男「こいつのどこが操り人形なんだ?」

吸血鬼「そういえば……傀儡にしては感情があるようだし……」

男「操り人形なら何でひとりであんなところにいたんだ?」

吸血鬼「すでに操られてたんじゃ……いや……」

ゾンビ娘「ぁー、わたし逃げてきた」

吸血鬼「逃げてきたって……死霊士のところから?」

ゾンビ娘「ぁー、そうだよ?」

ゾンビ娘「ぁー、逃げて、疲れたところをお兄ちゃんが……」

男「……? どうした」

ゾンビ娘「ぁー、忘れてた。お兄ちゃん、助けてくれてありがとー」

男「………………妹っていいものだな」

吸血鬼「ダーリン気をしっかり! その子は妹じゃない!」

男「ちゃんとありがとうの言えるこの子が物なわけないだろ」ナデナデ

ゾンビ娘「ぁー、くすぐったいよお兄ちゃん」

吸血鬼「まるで頭を撫でてるかのようだけど撫でてるのは胸だよね!?」

男「違う違う、心音を確かめてるんだ。うん、確かに動いてない」モミモミ

幼女「ぁー♪」

吸血鬼「揉む必要はなくない!?」

吸血鬼「ゾンビ娘、恐ろしい子……さっきから僕がダーリンに突っ込んでるよ……」

男「言い方に悪意を感じるような……」

吸血鬼「僕がダーリンに突っ込まれるのが正しいのに……穴という穴に」

男「言い方に悪意しか感じない!」

吸血鬼「やだなぁ、発言の穴にだよ」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃん穴に突っ込むの?」

男「そうだゾンビ娘、一緒にお風呂入ろうぜ」

吸血鬼「ゾンビ娘が危ない!!」

男「ほら、ゾンビ娘汚れてるから」

吸血鬼「むしろこれから汚される!」

男「子供がひとりだと危ないし、俺も入らなきゃいけないから効率よく、な?」

吸血鬼「なら僕が入れるから!」

男「いやほらもう夜も遅いからお前は帰れ、な?」

吸血鬼「僕は帰らないぞ、帰ったらゾンビ娘とニャンニャンする気だろう!?」

男「何言ってんだ……仲良く洗いっこするだけだ」

吸血鬼「危険だ!」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんお風呂入るー?」

男「入る入るー……あ、でもまだ沸いてないな」

ゾンビ娘「ぁー、お腹すいたー」グゥ

男「じゃあ先に飯食べるか――」

吸血鬼「っ! ダーリン危ない!!」

ゾンビ娘「ぁー、いただきます」

ガブッ

男「…………っ!」

吸血鬼「ダーリン!!」

ゾンビ娘「ぁー、あむあむ」

吸血鬼「このっ……離れろゾンビ娘――!」

男「待て黒髪!!」

吸血鬼「なんでさ! このままじゃ食いちぎられるよ!」

男「子供がまだ食べてるでしょうが……!」

吸血鬼「男前すぎる!」

ゾンビ娘「ぁー、おいしいー」アムアム

吸血鬼「いやいやいやそんな冗談を言ってる場合じゃ!」

男「大丈夫だ、ほら」スッ

吸血鬼「くっ、すぐに手当てを…………あれ? 歯形が、ない?」

男「アマガミ」

ゾンビ娘「ぁー、おちゃめー」

吸血鬼「…………」

男「いやー、ちょっと焦ったわー」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんびっくりしたー?」

男「やるなお前ー」ナデナデ

ゾンビ娘「ぁー♪」

吸血鬼「なんでやねん!!」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃん好きだからケガだめー」

男「おー、えらいぞゾンビ娘。ところで感染とかはしないのか?」

吸血鬼「映画のゾンビとは違って菌じゃないからそれは大丈夫だけど……焦ったよ」

ゾンビ娘「ぁー、でも肉好きー」

男「そっか、じゃあ今晩は親子丼にでもするかー。もう夜食の時間帯だなー」

吸血鬼「かるっ! 一応ゾンビは人も食べるからね!?」

男「妹に食われるのも兄の務め、そうだろ?」

吸血鬼「決め顔で言っても妹じゃないからね!?」

男「女の子にお兄ちゃんと呼ばれたらそれはもう兄妹の契りだろ」

吸血鬼「もうロリコン隠す気ないよね……?」

男「だから俺はロリコンじゃねぇよ」

男「さて、風呂沸かしてる間に飯作って食べるかー」

ゾンビ娘「ぁー、そうするー」

吸血鬼「はぁ……疲れた……。あ、手伝うよダーリン」

男「お前は帰れよ」

吸血鬼「酷い! 君、僕が帰ったらゾンビ娘としっぽりむふふする気でしょ!」

男「するか。あ、ゾンビ娘。布団一枚しかないから一緒に寝ようなー」

吸血鬼「説得力がなさすぎる……」

ゾンビ娘「ぁー、一緒に寝るー」

吸血鬼「駄目だよ! くっ、僕も残るからねっ! 泊まる!」

男「と言っても布団はひとつだしな……」

吸血鬼「まさかこれを出す羽目になるなんて……!」ズズズ

男「影から布団ってお前本当に制限あるのか……?」

幼女「ぁー、お姉ちゃんすごい」

吸血鬼「これで一緒に寝なくていいよね……!」

男「よかったなゾンビ娘、広く寝られるぞー。あ、ご苦労だったな黒髪。帰っていいぞ」

吸血鬼「それはいくら何でも鬼畜すぎる!」

男「冗談だよ。――仕方ない、泊まっていけよ黒髪」

吸血鬼「まあそういう鬼畜なところも含めて大好きなんだけど――いいの!?」

男「ここまで運んできてもらったお礼だよ、飯もごちそうする」

ゾンビ娘「ぁー、お姉ちゃん運んでくれてありがとー」

男「それに昨日は追い出したけど、やっぱり女の子を深夜にひとりで帰らせるのは危ないしな」

男(映画と違って、どうやら身体能力も人並みっぽいし)

吸血鬼「…………」

男「黒髪?」

吸血鬼「……うううぅ」ポロポロ

男「黒髪!?」

吸血鬼「ダーリンが優しいぃ……! 嬉しいぃ……!」ポロポロ

男「な、泣くほどか!?」

吸血鬼「だっ……だって、ダーリン冷たいからぁ……! 嫌われてるんじゃないかってぇ……!」ポロポロ

男「す、すまん。けどだってお前第一印象最悪だったじゃん! 夜這い同然だったし!」

吸血鬼「ううぅ……! よかったぁ……! 嫌われてなくてよかったぁ……!」ポロポロ

男(き、キツくあたりすぎてたかもしれない。もうちょっと優しく接しよう……)

男「わ、悪かった。ほら、一緒に飯作るぞ、な?」

ゾンビ娘「ぁー、お姉ちゃんよしよし」ナデナデ

吸血鬼「うんっ……! うんっ……!」ポロポロ

男「……」トントントントン

吸血鬼「な、なんか並んで料理してると新婚さんみたいだねダーリンっ!」カチャカチャ

男「違うけどな」

吸血鬼「もうっ、ダーリンのいけずぅ!」キャッキャ

男「……」

吸血鬼「僕が奥さんで、ダーリンが旦那さん。ゾンビ娘が娘かな」

男「妹だ。二度と間違えるな」

吸血鬼「真っ先に否定するのがそこっていう……」

男「さて、あとは煮るだけだな」

ゾンビ娘「ぁー、ごちそうさまー」

吸血鬼「お粗末様でした」

男「ゾンビ娘はいただきますとごちそうさまがちゃんと言えて偉いなー」

ゾンビ娘「ぁー、命を頂くから感謝ー」

男「偉いぞー。いただきます言わない奴は飯食べる資格ないからなー」

吸血鬼「それは厳しすぎる気もするけど、確かに大事だよね、いただきますは」

男「じゃ、風呂も沸いてるし一緒に入るかゾンビ娘」

ゾンビ娘「ぁー、入るー」

吸血鬼「待って待って待って、僕とゾンビ娘が入るから。ほら、行くよゾンビ娘」

ゾンビ娘「ぁー、お姉ちゃんとお風呂ー」

男「仕方ねぇ皿洗うか……タオルの場所わかるか?」

吸血鬼「わかるよー」

男「何でだよ――って、そうか、影に潜まれてたからか……」

ごめん俺も飯作るから30分ほど離脱する
とりあえずこれまでの支援保守感謝

それといくつか気になったレスを今の内に

>>19
そう、自分の中ではロリカードな見た目が近かったりする

>>79
その通りで実は体の相性がバツグンによかったりするとかなんとか

>>85
正解、黒縁眼鏡最高

>>217
あれは黒髪の冗談……のはず


エッチな展開全然なくてごめんな

保守

おまたせ
保守感謝

次から投下します

男「ほれ、タオルはこれ使え。着替えは?」

吸血鬼「僕は持ってきてるけど余分にはないね、下着以外は」

男「何で下着はあるんだよ。まあいい、じゃあこのTシャツを着せてくれ」スッ

吸血鬼「なんだろう……すごく受け取ってはいけない気がするけど……」

男「早くしろよ」

吸血鬼「あ、うん」パシッ

男「ちゃんと着せるんだぞ」

吸血鬼「わかったよ、それじゃあまた後で」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんいってきますー」

男「おう、ごゆっくり」

男(……さて、これからどうするかな)

男(まずゾンビ娘に関して。逃げてきたって言ってたし、詳しい話を聞かないと)

男(事によっちゃ警察――は、駄目か。ゾンビ娘は動く死体だし)

男(だいたいゾンビ娘についてもよくわかってないんだよな)

男(死霊士ってやつが何故ゾンビ娘を生み出し、何故ゾンビ娘はそいつから逃げ出したのか)

男(場合によっては黒髪と相談して、ゾンビ娘を匿わなきゃいけないな)

男(次にその黒髪についてだが、こいつは何で俺に構うのか……)

男(惚れてるとか言ってるが心当たりないし、吸血鬼にとって大事であろう血も不味いらしいのに)

男(その辺も聞いてみないとな……。まあ、別に嫌いではないし適当に構おう)

男「……皿洗うか」

幼女「ぁー、ほかほかー」ペタペタ

吸血鬼「ふぅ、いい湯だったよダーリン」

男「そりゃよかった。だいぶ狭かったと思うが大丈夫だったか?」

吸血鬼「大人二人なら密着必至だろうけどゾンビ娘は小さいからね、僕も平均よりかは小さいし」

男「そうか。ところでゾンビ娘の服なんだが……」

吸血鬼「ああ、さすがに僕の下着じゃ大きすぎるから君のシャツ一枚だけなんだけど」

吸血鬼「大きいからワンピースみたいで下も隠れるしいいよね」

男「ああそうだな……しかし今日は風が強いな」ガラガラ

吸血鬼「もう冬も近いんだけど何で窓を開けたのかな……?」

男「勘違いするなよ、脱いだ服を洗濯しに行くために開けたんだよ」

吸血鬼「ああ、ベランダにあるもんね、洗濯機」

男「そうそう。じゃあ脱いだ衣服を俺に渡してくれ、洗濯するから」

吸血鬼「あ、ちょっと待ってね――って駄目だよ! 僕が洗濯するからダーリンはお風呂!」

男「おいおい、お客様にそこまでさせられねぇよ。さ、早く服を」

吸血鬼「心遣いがいらなすぎる! てかダーリンの服も洗わなきゃいけないんだから!」

男「脱げと?」

吸血鬼「そうだよ、早く」

男「お前やっぱ変態だな……」

吸血鬼「納得がいかない!」

男(結局風呂に入ることになってしまった。ゾンビ娘は疲れて寝たみたいだし……)

男「明日はバイトないし、学校終わってから色々聞いてみるか――」

吸血鬼「背中流しにきたよダーリン!」ガラッ

男「うおおお! お前洗濯はどうした!」ガタッ

吸血鬼「今してるよ? お風呂から出たら干すね!」

男「出てけ! 狭いの知ってるだろ!」

吸血鬼「うん、大人は密着必至だよ……だからさ!」ピトッ

男「……っ! こ、この感触っ、お前まさかっ!」

吸血鬼「そう、スッポンポンだよ! ふふっ、大きくしちゃってー」スーッ

男「やっめ……ろ!」ガバッ

吸血鬼「ふぎゃ」ゴンッ

チャポン……

吸血鬼「いててて……」

男「どうせ出て行かないんだろ、ならせめて浸かってろ邪魔だ」

吸血鬼「うー、せっかく吸血しに来たんだけどなぁ」

男「……普通の性交じゃあないんだな」

吸血鬼「したいのかい?」

男「違う!」

吸血鬼「んー、吸血が性交の代わりだからね、必要ないし。子作りするときだけとか」

男「子作りは普通なのか。吸血で仲間を増やしたりとかするのかと」

吸血鬼「できるけど、それは奴隷みたいなものだよ。吸血鬼を増やしたりはできない」

男「奴隷ねぇ……その奴隷にするとどうなんの? 好きに操れんの?」

吸血鬼「いやいや、そんなことはないよ。力の共有とか感覚共有とかができるようになる」

吸血鬼「影の空間を繋げられたり、視界とかを共有できたり」

男「便利そうじゃないか」

吸血鬼「ところがぎっちょん、A面があればB面があるように物事には裏がある」

男「B面とかいつの時代の話をしてるんだお前は……」

吸血鬼「こほんっ、まあデメリットで一番厄介なのはライフリンクだね」

男「なんぞそれ」

吸血鬼「簡単に言えば片方が死ねばもう一方も死ぬということだよ」

男「あー……運命共同体というやつか」

吸血鬼「しかも疲労や痛みもリンクしてるから厄介だよ」

男「それは難儀だな……しかし、ゾンビ娘もそうだけど一々イメージと違うな」

吸血鬼「噂に尾ひれは付き物さ」

男「吸血鬼は流れ水が駄目っていうけど風呂にも入るし」

吸血鬼「お風呂は大好きだからね、週に14回ほど入る」

男「入りすぎだろ……」

吸血鬼「十字架もおしゃれだと思うし、駄目なのは太陽くらいじゃないかな?」

吸血鬼「あ、でも個人的にニンニクは好きじゃないな、えんがちょー」

男「個人的にか……」

吸血鬼「あと、銀の弾丸や杭を心臓に打ち抜かれたら流石に死んじゃうかも」

男「大抵の生物は心臓打ち抜かれたら死ぬわ」

男「ん? 流石に死ぬかもって、やっぱり不老不死だったりするのか?」

吸血鬼「流石でも死ぬとか言ってる時間で不死ではないと思うけど」

吸血鬼「うーん、でもあながち間違ってはないかな」

男「へえ、詳しくはどうなんだ?」

吸血鬼「普通に成長するし、老いで死ぬけど、物凄く死に難くて、老いが遅いって感じかな」

吸血鬼「僕にも可愛らしくて小さな子供時代はあったんだよ、今も可愛いけどね!」

男「じゃあもしかしてお前、実際の年齢が違ったりするのか?」

吸血鬼「いやいや、老いが遅くなると言っても成人を過ぎてからさ。サイヤ人みたいなものだよ」

男「何年くらい生きるんだ?」

吸血鬼「まあ200年くらいは。あ、ちなみに吸血で奴隷にした人間が不老不死になったりはしないよ?」

吸血鬼「少し新陳代謝がよくなったりはするけどね」

吸血鬼「吸血鬼は身体が吹き飛んでも治るけど、奴隷はせいぜい骨折がすぐ治るくらい」

男「なるほど……いやそれでも相当だぞ」

吸血鬼「そんなこんなで吸血奴隷化はいいことだけではないってことさ」

男「ふうん。しかし吸血にも色々あるんだな。食事に性交に奴隷化ねぇ」

吸血鬼「まだまだあるよー。ま、僕がダーリンにするのは性交吸血だけどね!」

男「それそんなにいいものなのか? 不味い不味い言いながら毎回やってくるが」

吸血鬼「ぜんっぜん! びっくりするほど不味いだけ! 不快だよ不快!」

男「…………」

吸血鬼「普通はすごく美味しいはずなんだけど」

吸血鬼「しかも滅茶苦茶気持ちいいはずなんだよね、吸う方も吸われる方も」

吸血鬼「けど君とは体の相性がとても悪いみたいで不味いわ気持ち悪いわ」

男「じゃあ何でお前は毎回吸おうとするんだよ……」

吸血鬼「君のことが好きだからだよ?」

男「……それがよくわからないんだよなぁ」

吸血鬼「? 何がだい?」

男「お前に好かれる理由がだよ。何でお前、俺のことが好きなんだ?」

吸血鬼「秘密」

男「おい」

吸血鬼「やーん、怒っちゃやだー。きっかけは秘密だけどダーリンが好きなのは本当だよ?」

男「なんで秘密なんだよ」

吸血鬼「恥ずかしいし、忘れられてるのが悔しいから」

男「忘れてるって、俺が?」

吸血鬼「うん。ま、その話はさておくとしてダーリンも浸かりなよ、冷えちゃうよ?」

男「お前が出て行けばな」

吸血鬼「話してる間も頑なにこっちを見ないし、ダーリンってばシャイなんだから」

男「うるせえ早く出ろ」

吸血鬼「仕方ないなぁ」チャポン

男「あ、出てもまだ起きてろよ。話がある」

吸血鬼「これから(二人の未来)のこと?」

男「ああこれから(ゾンビ娘について)のことだ」

吸血鬼「そ、そう……うん、起きてるね……」

男「? 夜行性なら起きてるのも容易いだろ?」

吸血鬼「うんそれは大丈夫だよ? じゃ、またあとでねダーリン」カプッ

男「おまっ……!」

吸血鬼「まず! 相変わらず! でも好きだよダーリン!」ガラガラ

男「……はぁ」

男「お待たせ」

吸血鬼「ま、待ってたよダーリン。さっ、座って座って」

男「何顔赤らめてんだ、のぼせたか?」

吸血鬼「いやそんなことないよ! じゃあ、これからのことについて話そうか」

男「そうだな。まずは(ゾンビ娘について)知ることが大事だと思うんだ」

吸血鬼「う、うん。まずは(お互いについて)知ることが大事だよね」

男「じゃ、教えてくれ」

吸血鬼「うん! ダーリンになら僕の全てを――」

男「ゾンビ娘って結局何者なんだ?」

吸血鬼「うん、まあそんな気はしていたさ。ゾンビ娘についてね……」

男「普通のゾンビのこともよく知らないんだが、結局ゾンビって何なんだ?」

吸血鬼「さっきも少し説明したけど、死霊士が作る動く死体のことだよ」

男「詳しくはどういう仕組みなんだ?」

吸血鬼「言葉のままさ。死体を自分の意のままに動くようにする」

吸血鬼「死体を使うから本来、ゾンビは肉体が損傷したものが多いんだ」

男「ゾンビ娘は綺麗な体してるじゃないか」

吸血鬼「君が言うといやらしく聞こえるのは気のせいかな……」

吸血鬼「まあ、おそらくゾンビ娘は比較的新しい死体を使ったんだろう」

吸血鬼「ゾンビは損傷しない限り作成時から老いも変わりもしないからね」

吸血鬼「ゾンビ娘の肌色からすると死後一日も経ってない新鮮な死体を使ったんだろう」

男「新鮮な死体って……。ということはゾンビ娘は一生あの姿のままなのか」

吸血鬼「うん。そうだね」

男「そうか……」

男「それでまあここからが本題なんだが」

吸血鬼「なんじゃらほい」

男「ゾンビ娘って何者なんだ? 普通のゾンビとは違うんだろう?」

男「意識があったり、人を食べなかったり。想像はつかないか?」

吸血鬼「ううん……たぶん、逆の発想なんだと思う」

男「逆?」

吸血鬼「僕はゾンビ娘を出来のいいゾンビと言ったけど」

吸血鬼「実際は、未完成のゾンビなんじゃないかな」

男「未完成のゾンビ……」

吸血鬼「死体に魂を降ろし、感情を奪い、傀儡とする」

吸血鬼「その途中の工程でゾンビ娘は逃げ出したんだろうね」

男「魂……ゾンビにも、あるんだな」

吸血鬼「そりゃそうさ」

吸血鬼「肉体は、魂なしには動かないんだから。そうだろう?」

男「…………朝か」

男(あれから一緒に寝ようとする黒髪を無理やり影に押し込んで寝たんだっけ)

男「眠い……が、飯と弁当作らないとな」スクッ

男「ゾンビ娘はまだ寝てるのか……とても死体の顔とは思えない安らかさだな」

男「……死体だからこそか?」

男(今日学校から帰って来てから、ゾンビ娘に話を聞く)

男(黒髪と話し合った結果そう落ちついたわけだが……)

男「逃げて来たって言うなら、早めに対処してあげたいんだよなぁ」

男「……まずは飯だな」

男「よし、こんなもんで良いだろ」

男(二人を起こさないとな……)

男「ゾンビ娘、起きろー」ユサユサ

ゾンビ娘「ぁー……うんー?」ムクリ

男「飯できてるから食べてな。あ、その前に顔洗ってこい」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんありがとー」トテトテ

男「おい黒髪。起きてるか?」

…………

男「影の中に入られたら起きてるかどうかもわからないんだがー」ゴンゴン

黒髪「…………おはよう」ズズズ

男「早く飯食って準備しなきゃ遅れるぞ」

黒髪「お風呂……」

男「週14回は冗談じゃなかったのか……」

ゾンビ娘「ぁー、ごちそうさまー」

男「お粗末さま。じゃあゾンビ娘、夕方には戻ってくるから待っててな」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんお出かけ?」

男「学校だよ。昼飯は冷蔵庫入ってるから、チンして食べろ。わかるか?」

ゾンビ娘「ぁー、大丈夫」

男「じゃあ行ってきます。ほら黒髪寝るな、行くぞ」

黒髪「……あ、うん……いってきます」

ゾンビ娘「ぁー、いってらっしゃい」

ガチャン

男「さて。走るぞ黒髪、このままじゃ遅刻する」

黒髪「え……しんどい……」

男「お前が風呂入ってるからだ! ほらいくぞ!」

ゾンビ娘「…………ぁー」

シーン

ゾンビ娘「……ぁー、ひとりぼっち」

白衣の女「そうは言うなよゾンビ娘。私がいるじゃないか」

ゾンビ娘「……っ、ぁー、おかあ、さん」

白衣の女「そうだよ。お前のお母さんだ。探したよゾンビ娘」

ゾンビ娘「ぁー、どうしてここに」

白衣の女「母たるもの、娘のそばにいるものさ」

ゾンビ娘「ぁー……」

白衣の女「なんてね。実際はお前の魂の反応を追って来ただけだよ」

白衣の女「ちなみにここいる私は実体がない」

白衣の女「さすがの私も生身だと騒ぎを起こさずには侵入できないからね」

白衣の女「また夕方。彼らが帰ってきたら改めて伺うよ。お礼をしないとね」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんたちにひどいことしないで」

白衣の女「おや? 私はお礼をすると言ったんだよ?」

ゾンビ娘「……ぁー」

白衣の女「それにお仕置きをするというならお前だよゾンビ娘」

白衣の女「感情を削り取る途中で逃げ出して、悪い子だね」

ゾンビ娘「ぁー……ごめん、なさい」

白衣の女「許そう。素直に謝るのはいいことだ」

ゾンビ娘「ぁー……ありがとう」

白衣の女「それじゃあまた夕方にね。おっと、逃げようなんて思わないでくれよ?」

白衣の女「またお前を探す手間をかけさせないでくれ……な?」

ゾンビ娘「……ぁー、わかった」

白衣の女「では私は煙草でも吸って時間を潰すとするよ。じゃあね」ヒュン

ゾンビ娘「…………ぁー、お兄ちゃん、お姉ちゃん……」

友「昼休みがやってきてしまった……」

男「何へこんでんだ」

友「べっつにー?」

黒髪「よろしく……」

友「……よろしく!」

友「(黒髪さんに罪はない……黒髪さんに罪はない……)」ブツブツ

男「黒髪をそんなに睨むなよ、蛇に睨まれた蛙みたいになってるぞ」

友「えっ!? わ、悪い黒髪さんそんなつもりは!」

黒髪「気にしてない……」

男「ほんじゃま飯食うか」コトッ

友「お弁当ふたつ……」

男「そういえば友、部活の調子はどうだ?」

友「ん、そこそこかな。可もなく不可もなくっつーか……」

男「つまり伸び悩んでると、人魚姫の二つ名が泣くな」

友「ぐっ」

黒髪「友さんは……確か水泳部だったよね……寒いね……」

友「いやー、室内プールのおかげでむしろあったかくていーよー」

友「あっ、黒髪さんは何部?」

黒髪「帰宅……」

男「俺と一緒だな」

友「ふたりとも駄目だなー、青春は部活だぜ?」

男「だから帰宅部入ってるって」

黒髪「今日も帰宅部全国大会の練習が……」

友「ねーよ」

友「オレ黒髪さんのことよく知らないから色々教えてくれない?」

黒髪「うん……ぼくにも友さんのこと教えて……」

男「お、ふたりともさっそく親睦を深めてるな」

友(どうやって男と仲を深めたのか探ってやるぜ……!)

黒髪(人を射んとせば……まず馬を射よ……!)

男(仲良くなりそうでよかった)

――――

【放課後、教室】

友「じゃーなふたりとも! オレは部活行くわ!」

男「おー、頑張れよー」

黒髪「じゃーね……。だーりん、一緒に帰ろう……」

男「まあしゃーねーな。行くか」

友「(お前らはやっぱ一緒に帰るんだな……)」

黒髪「…………」

【放課後、通学路】

男「さて、早く帰ってゾンビ娘に事情を聴かないとな」

黒髪「そうだね……」

白衣の女「その必要はないさ」

男「……! 誰だ!」バッ

白衣の女「家に帰るまで待つつもりだったが」

白衣の女「そういえば私は待つのが苦手だったんだ、忘れてたよ」スパー

黒髪「死霊士……」

白衣の女「正解。私は死霊士の白衣、よろしくね」スパー

男「……条約で歩き煙草は禁止されてるぞ、お姉さん?」

白衣の女「お姉さんか。いいね、いい響きだ。君はひょっとして良い子か」

白衣「しかし煙草は良い。健康に悪いところが最高だ、そうは思わないか少年」

男「俺は健康優良児なんでね……煙草は嫌いだ」

白衣「そうか。頂けないな。健康に気を遣いすぎると神様に怒られる」

白衣「何せ、奴は生きることを罪とした張本人だからな」

男「まるで神が実際にいるみたいに語るんだな」

白衣「いるさ、いない方がおかしい。なんだ、君は無神論者なのか」

黒髪「何の用……死霊士……」

白衣「おや、その魂の形は吸血鬼か。どうだ、私の研究材料になる気は?」

黒髪「あるわけない……」

白衣「ふむ、残念だ。用件だがゾンビ娘を返してほしい」

男「ゾンビ娘は逃げてきたんだぜ? 返すも何も」

白衣「しかし娘は母親と一緒にいるべきだろう?」

男→ロリ変態
黒髪→吸血鬼&僕っ娘
ゾンビ娘→ゾンビ
友→オレっ娘
白衣の女→死霊士

ほんとだ…化け物ばっかだた…

男「娘……?」

白衣「おや、知らなかったのかい? あれは私の娘だ」


白衣「私が殺してゾンビにした」


男「なっ……!」

白衣「しかし感情を削り切る前に逃げ出してしまってね、私のミスだ」

男「ふ、ふざけるなよ! 何でそんなことを!」

白衣「必要だったからさ。私は死霊士の前にゴーストハンターでね」

男「ご、ゴーストハンター?」

白衣「そう。ダサい名前だが悪霊とか悪魔とかを狩ったり捕まえたりなんかするアレだ」

黒髪「退魔師……エクソシスト……」

白衣「うーん、その名称は魔の道である私には相応しくないな」

>>389男ワロスww

白衣「とある悪魔……といってもレプリカだが、ソレを封じる器が必要でね」

黒髪「悪魔……?」

白衣「レヴィアタン。聞いたことくらいはあるだろうか」

黒髪「そんな高位悪魔を……?」

白衣「その悪魔がこの町にいる。あくまでレプリカだけど。おっと、洒落ではないよ?」

白衣「レプリカ。人為的に造られた偽物だ」

男「……それでお前は、その悪魔を封じるためにゾンビ娘を殺したのか」

白衣「うん。生身に憑依させると制御しづらいからね」

白衣「何せレヴィアタンは――」

男「ふざけんなよっ!」ブンッ

白衣「おわっ」ヒョイ

黒髪「だーりん……落ちついて……」

男「落ちつけるか!」

白衣「びっくりしたなぁ。私の身体能力は人並以下だから気を付けてくれ」

あれ吸血鬼ちゃんとのいちゃらぶは…

男「そんなことのために実の娘殺してんじゃねぇよ……!」

白衣「…………」

黒髪「……?」

白衣「とは言ってもレヴィアタンは絶対に、早急に捕まえなければまずい」

白衣「アレの担当は私でね、誰かに任せることはできないし」

男「誰かの肉体に封じなきゃいけないならてめえの身体に封じてろ!」

白衣「それはできない相談だ。私では耐えきれない。これからの仕事に支障が出る」

男「娘より自分が大事なんだな」

白衣「自分と同じくらい娘は大事だよ」

男「ならなんで」

白衣「生きているよりは、死んでいる方が楽だろう?」

男「狂ってる」

白衣「人間は狂うものさ。正常なのは死者だけだ」

>>399きっとやってくれるはず

パンツ履いた

男「……あんたとは話が成立しない、帰ってくれ」

白衣「ゾンビ娘を――」

男「帰ってくれ」

白衣「……まあ、無理やり奪い返してもいいんだけど」

黒髪「……」

白衣「それはやめておこう。今日のところは帰るよ」

男「明日も来るな」

白衣「では明後日来よう」

男「二度と来るな」

白衣「その約束はできないね、それじゃあまたね」スタスタスタ

男「…………」

黒髪「だーりん……」

男「黒髪、あいつにゾンビ娘はまかせられない」

黒髪「うん……」

男「早く帰ろう。ゾンビ娘にも色々聞かなきゃいけない」

黒髪「そうだね……」

男「どんな事情にせよ、匿うことに変わりはないだろうがな」

黒髪「気になるのは……レヴィアタン……」

男「この町にいるとか言ってたが、知るか。勝手にやってろ」

黒髪「…………もし誰か身近な人が」

男「どうした?」

黒髪「いや……なんでも……」

【アパート、男の部屋前】

男「何事もなく過ごしてくれたらいいけど」

ガチャガチャ

男「ただいまー」

ゾンビ娘「……ぁー、お兄ちゃんおかえりなさ」

白衣「いい部屋に住んでるね、必要最低限のスペースと物がある」ヒョコ

男「白衣!? ついてきて……! お前今日は来ないんじゃ!」

白衣「嘘だよ。嘘はつくためにある」ヒュッ

バンッ

黒髪「くっ……睡眠煙、幕……」バタッ

白衣「さあ行くよゾンビ娘、この二人は関係ないだろう?」

ゾンビ娘「ぁー……、わかった、お母さん」

男「まて……ゾンビ娘……!」ガクッ

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃん、迷惑かけてごめんなさい」


ゾンビ娘「さようなら」


男「ゾンビ娘!!」ガバッ

吸血鬼「起きたかい、ダーリン」

男「夢……?」

吸血鬼「ゾンビ娘が攫われたことなら現実だよ」

男「……黒髪、今何時だ」

吸血鬼「22時。僕の添い寝で4時間以上寝てたみたいだね」

男「ふざけるな。お前はいつ起きた」

吸血鬼「日が落ちてすぐ」

男「なら何でお前だけでもゾンビ娘を迎えに行ってないんだよ!」

吸血鬼「落ちついてダーリン。まだ時間はある」

男「時間って、だいたいひとりで行けないならもっと早く俺を起こせば――」

吸血鬼「いいから。まだ2時間ほど余裕がある」

男「……2時間?」

吸血鬼「おそらくあの死霊士は今日ゾンビ娘の感情を削り取ろうとするはず」

吸血鬼「レヴィアタンに後れを取るわけにはいかないからね」

吸血鬼「アレが誰かに取り憑いてしまえば手遅れだ」

男「……それで?」

吸血鬼「感情を削り取る作業にはそれなりの場所と準備が必要なんだ」

吸血鬼「そのことを考えてもあと2時間余裕がある」

男「2時間しかないんだろ、心当たりがあるなら早く迎えに行くぞ」

吸血鬼「その前に少し話をしようじゃないか、知識は大事だ」

吸血鬼「恋人が付き合っていくためにも、敵を倒すためにもね」

えっちぃのはしばらくおあずけか(・ω・`)

男「……何の話だ? 手短に頼むぜ」

吸血鬼「そうだね、僕も早くダーリンといちゃつきたいからね」

吸血鬼「まずはレヴィアタンについてだ、聞いたことは?」

男「ない。お前らの口ぶりからしてかなりの悪魔だってことはわかる」

吸血鬼「それじゃあ、リヴァイアサンは聞いたことある?」

男「確か、海にいる怪物だっけ? でっかいクジラとか海龍とか」

吸血鬼「海蛇さ」

男「海蛇……」

吸血鬼「海蛇は怖いよね。その牙には毒がある」

吸血鬼「そのリヴァイアサンの別名がレヴィアタンなんだ」

吸血鬼「レヴィアタンは水から生まれたとされる悪魔でね」

吸血鬼「また女性に取り憑く悪魔で、悪魔祓いは不可能とされている」

吸血鬼「だからあの死霊士、この場合はゴーストバスターと呼んだ方がいいのか……」

吸血鬼「とにかく、彼女の言うとおり早急に捕まえなければまずいんだが」

男「だからゾンビ娘を犠牲にしろと?」

吸血鬼「そうは言ってないよ、僕も封じるなら他の器にして欲しいと思う」

吸血鬼「ゾンビ娘は僕らのむす――じゃない。僕らの妹だろう?」

吸血鬼「家族は無事でいるべきだ」

男「そうだよな。あいつは俺たちの妹だ」

吸血鬼「だけどレヴィアタンが取り憑くのは人間だからね」

吸血鬼「代わりの器を用意するにしてもすぐには無理だし……」

吸血鬼「そもそも誰かが人柱にならなきゃいけないという現状がね……」

吸血鬼「まあ、取り憑かれる前に取り込めたらあるいは――」

男「とりあえず、それはゾンビ娘を助けてから考えようぜ」

吸血鬼「……そうだね、案ずるより産むが易しか」

男「器であるゾンビ娘を俺たちが助ける以上」

男「レヴィアタンに対する責任も発生するのかもしれないが……」

吸血鬼「君の言うように後で考えればいいさ。まずはゾンビ娘の安全を確保しよう」

吸血鬼「死霊士も肉体自体は普通の人間だ、ゾンビ娘を匿うこと自体は難しくない」

男「さっきみたいに不意を突かれたり道具を使わなければ……か」

吸血鬼「あるいは大量のゾンビに襲われなければ、ね」

吸血鬼「とは言ったけどゾンビの心配はないだろう」

男「なんでだ?」

吸血鬼「いるなら使ってるだろうしね」

吸血鬼「彼女が何のためにゾンビ娘を器に選んだのかはわからないが」

吸血鬼「わざわざ娘をゾンビにしたんだ、元々ゾンビは扱ってないんだろう」

吸血鬼「あるいはすでに使えるゾンビを所有していないか」

男「……なるほどな」

吸血鬼「とにかくそこは心配しなくていい。彼女は限りなく普通の人間に近い」

吸血鬼「ただ、さっきの睡眠煙幕とかには気を付けた方がいいかもね」

男「そうだな」

吸血鬼「さて、それじゃあその辺の対策も含めて準備をしてくるね」

男「一度帰るのか? ならゾンビ娘のいそうな場所だけ教えてくれ」

吸血鬼「そしたら君はひとりで行くじゃないか。心配しなくてもすぐだから」

男「すぐって……もう1時間半しかないぞ」

吸血鬼「1時間半までに向こうにつけば邪魔できるし、問題ないよ」

吸血鬼「それに心当たりの場所はここから30分もかからず行けるから大丈夫」

男「そうなのか?」

吸血鬼「うん、そこからゾンビ娘の反応も感じる」

吸血鬼「じゃあ僕も1時間程で――いや、40分で戻るから」

男「……本当にゾンビ娘の無事に間に合うんだろうな」

吸血鬼「大丈夫。僕の清純さにかけて保証しよう」

男「なるほど、冗談が言える余裕があるってことだな」

吸血鬼「え? 別に冗談じゃ――」

男「ほら、さっさと言ってこい黒髪」

吸血鬼「う、うん。それじゃあ待っててね。すぐ戻るから」

男「おう、気を付けてな」

吸血鬼「こんなシリアスさっさと終わらせて存分にいちゃらぶろーねダーリン!」ガチャン

男「……こんなときでもぶれねぇなお前は」

※ただ今シリアス回

男「…………さて、どうすっかな」

男(と言っても待つしかないのか……ゾンビ娘、待ってろよ)

男(しかし、レヴィアタンか……)

男「悪魔ねぇ……」

男(昨日今日で吸血鬼にゾンビに死霊士、そして悪魔か……)

男(いやまあレヴィアタンには流石に関わらないだろう)

男(さすがに俺の知り合いが被害にあったらわからんが……)

prrrrrrr

男「うおっ、なんだ? 携帯か……友の家からだ」ピッ

男「はいもしもし、男ですけど」

友母『ああ男さん……友母ですけど……』

男「どうしました?」

友母『友知りませんか? あの子まだ帰ってなくて……』

男「え?」

男(部活……なわけない。もう23時近いんだぞ?)

男「すみません……ちょっとわからないです」

友母『そう、ですか……こんなこと初めてで私どうしたらいいか……』

男「ええと、落ちついてください。俺らの年頃だとたまに夜遅くまで遊んだりしますし」

友母『そうでしょうか……捜索届けとか……』

男「明日の朝になっても連絡がなければした方がいいと思いますが」

男「とりあえず俺も探してみますから、今日はもうお母さんは休んでください」

友母『ありがとう、ごめんなさいね……それじゃあ……』ガチャ

男(部活終わったら直帰が友のスタイルのはず……たまたま今日?)

男「…………レヴィアタン」

男(女性に取り憑く悪魔。今この町いる悪魔。水辺から生まれた――)

pipipi! pipipipi!

男「友からのメール……!」

始まるか…

『from 友』

『件名 男なんか』

『本文』


『嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ
 嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ嫌いだ』

('A`)ヤンデレェ

【3時間前、学校屋内プール】

バシャバシャバシャバシャ……チャプン

友「はぁ、何やってんだオレ……」

友(もう8時だぜ……自主練にもほどがあるって……)

友(ストレス発散か……できてねー……)

友「男のばーか……デレデレしやがって……」

友「……黒髪さんいいなぁ」

友(男に好かれてて、羨ましいし――妬ましい)

友(オレも男に女として見られたいのに……)

友「……何考えてんだオレ、ひがんでも仕方ないのに」

『そうかしら。それはとてもいいことの様な気がするのだけど』

友「だ、だれだ!?」

『ワタシはレヴィアタン。身を委ねるといいわ。その激情に』トプン

友「――!?」ガクンッ

【23時、黒髪自宅】

吸血鬼「さて、死霊士対策として必要なものは――」

テヲツーナイダーラ イッテミヨーオ ♪

吸血鬼「ダーリンから着信!?」ピッ

吸血鬼「もしもしダーリンこちら妻です! うわぁダーリンから電話だよ電話ぁ!」

男『…………』

吸血鬼「……? ダーリン?」

男『吸血鬼』

吸血鬼「何かあった――」

男『助けてくれ』

吸血鬼「わかった。すぐに戻る」

男『頼む』ピッ

吸血鬼「すぐ戻らないと! 荷物は――持って行けないか」ダッ

【23時20分、男自宅】

吸血鬼「――ふむ、これが友さんから」

男「電話してみたが繋がらない。電源を切ってるみたいだ」

吸血鬼「普段からこんなメール来る?」

男「こねーよ、普通のメールだ。あいつはこんな奴じゃない。まさか――」

吸血鬼「おそらくレヴィアタンに取り憑かれてる。学校の方から反応も感じるし」

男「……くそっ、どうすんだ。悪魔祓いは不可能なんだろ……?」

吸血鬼「うん。だけど人から追い払うこと自体は不可能じゃない」

男「できるのか?」

吸血鬼「難しいだろうけど大丈夫。偽物なら尚更不可能ではないよ」

吸血鬼「……けど」

男「けど、なんだよ黒髪」

吸血鬼「…………ゾンビ娘の協力がいる」

男「どういうことだ」

吸血鬼「ゾンビ娘に、器になってもらうしかない」

男「……お前」

吸血鬼「そんな怖い顔をしないでよダーリン」

男「お前、何言ってるのか分かってんのか」

吸血鬼「一度器を得たレヴィアタンを悪魔として放置するのは危険だ」

吸血鬼「偽物と言えど町一つくらいは滅ぼしかねない」

吸血鬼「器に封じ込めるしかない。一刻の猶予もない」

男「なら、ならゾンビ娘を犠牲にしていいのかよ」

吸血鬼「そうは言っても現状、器に出来るのは彼女しかいない」

男「俺は……無理なのか」

吸血鬼「そうだね。レヴィアタンを取り憑かせることが出来るのは女性だけだ」

吸血鬼「ちなみに、僕も無理だ。人間じゃないからね」

男「人間じゃないと無理なのか? ならゾンビ娘だって」

吸血鬼「ゾンビも素体は人間だからね」

吸血鬼「それに、人間と言っても器にするなら、普通の人間じゃ無理だ」

男「何故?」

吸血鬼「単純に耐えきれない。肉体じゃなくて魂がね」

吸血鬼「感情がよほど希薄でないとオーバーキャパだ」

男「……」

吸血鬼「耐えられるとしたら、彼女だけだ」

男「…………でも、そのためにゾンビ娘の感情を無くすことなんて」

吸血鬼「何を勘違いしてるのさ、そんなことをする必要ないよ」

男「え?」

吸血鬼「あの死霊士はゾンビ娘の感情を消し去って器にしようとしたけど」

吸血鬼「もうすでに感情が大分削られてるんだ、きっと耐えられる」

吸血鬼「これ以上彼女の気持ちを奪う必要はない」

男「本当に?」

吸血鬼「ああ。だが、喜びなどを失わない代わりに苦しみも生まれるだろう」

吸血鬼「レヴィアタンを封じるとなると、その苦しみはきっと大きい」

男「……それなのに、ゾンビ娘に封じていいのか」

吸血鬼「よくないんだろうね、本当は。だからお願いするんだよ」

男「お願い?」

吸血鬼「僕たちを助けて欲しいって、さ」

男「……断られたらどうする」

吸血鬼「なんとかしようよ。友さんを見捨てるわけにもいかないだろう」

男「なんとかって……行き当たりばったりだな」

吸血鬼「人生そんなものさ。さ、ダーリンはゾンビ娘の所へ行って」

吸血鬼「もう時間もない。ごめんね、話し過ぎちゃって」

男「いや、それはいいが――お前はどこに行くんだよ」

吸血鬼「もちろん、友さんのところだ」

男「なら俺がそっちに行くからお前が」

吸血鬼「適材適所、だよ。今ダーリンがあっち行ったらたぶん死ぬよ?」

男「死ぬって」

吸血鬼「事実だよ。ダーリンじゃ友さんに……レヴィアタンに殺される」

男「……わかった、俺はゾンビ娘を助けに行くよ」

男「……助けに、なんて言えないかもしれないけど」

吸血鬼「助けに行くでいいんじゃない? 感情がなくなった方がいい?」

男「そんなわけないだろ」

吸血鬼「むしろこれはゾンビ娘に感情を取り戻すチャンスだ」

男「チャンス?」

吸血鬼「さっきはああ言ったけど、喜びも苦しみもあるのは当たり前だよ」

吸血鬼「心があるならね。なら、その心を取り戻してやろう」

吸血鬼「そのせいで苦しみが生まれても、それはあって当たり前の痛みだろう」

男「……そうか。わかった、じゃあ、ゾンビ娘を助けに行ってくる」

吸血鬼「うん、僕は友さんを救いに行ってくる」

男「場所は? そこからゾンビ娘を連れて学校に行けばいいのか」

吸血鬼「ああ待って、その前にすることがある」

男「なんだよ」

吸血鬼「これは提案なんだけど――」

【0時、廃工場】

白衣「準備は出来た。ゾンビ娘、今から君の感情を削り取る」

ゾンビ娘「ぁー、わかった」

白衣「……すまないね、悪く思わないでくれ――とは言わないよ」

ゾンビ娘「ぁー、お母さん……」

白衣「悪いことをしている自覚はあるんだ、だが私は」


男「悪いことをしている自覚があるならやめればいいだろ」


白衣「君は……!」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃん」

男「助けに来たぜゾンビ娘、一緒に帰ろう」

白衣「……そうはさせないよ。レヴィアタンの反応があった、時間は残されていない」

男「知ってるよ。その件について、ゾンビ娘に協力をもらいにきたんだよ」

白衣「なんだ、やることは私と一緒なんじゃないか」

男「違うさ。俺はゾンビ娘の感情を奪ったりなんかしない」

白衣「……なんだって?」

男「感情を持ったまま、ゾンビ娘にレヴィアタンを封じる」

白衣「ふ……ふざけるな!!」

男「……」

白衣「そんな苦しませるようなマネ、できるわけがないだろう!!」

男「……よかった、お前にも感情があるんだな。怒ったり、子供を想う心が」

男「だけどやっぱりどこか狂ってるよ、だからゾンビ娘はまかせられない」

白衣「……私たちは家族なんだ、部外者は入ってこないでくれ」

男「部外者じゃないさ。俺も家族だ」

男「俺のことをお兄ちゃんと呼んだあの日から、あいつは俺の妹だ」

白衣「何を勝手なことを……なるほど、君はロリコンと言うやつか」

白衣「嘆かわしいね。年端もいかない子供に劣情を催すなんて」

白衣「そんな男のところには尚更ゾンビ娘を渡すわけにはいかない」

男「…………ああそうだ。いい加減認めよう、俺はロリコンだ」

男「だがロリコンは子供に劣情を抱いたりなんかしない」

男「ロリコンってのはな、子供の幸せのために動ける奴のことを言うんだよ」

白衣「……率直に言って気持ち悪いな、君は」

男「男子高校生なんか総じてそんなもんだよ」

男「ゾンビ娘!」

ゾンビ娘「ぁー……?」

男「さっきは連れて帰るなんて言ったが、俺はお前の意見が一番大事だと思う!」

男「お前はどうしたい! 誰の傍にいたい!」

男「お前がこいつと一緒にいて感情を無くしても良いって言うなら止めない!」

白衣「君、何を――」

男「だけど感情を無くしたくない、俺たちの傍にいたいって言うなら、助ける!」

ゾンビ娘「ぁー……でもわたし、また迷惑かける」

男「そんなことない。お前がかける迷惑なんてただの可愛さでしかねーよ」

男「だからお前はごちゃごちゃ難しいこと考えなくていい!」

男「俺といたいか、こいつといたいか――どっちがいい! ゾンビ娘!」

白衣「いい加減にしてくれ。ゾンビ娘、彼に耳を貸さなくていい」

ゾンビ娘「……ぁー、お母さん」

男「……」

白衣「ゾンビ娘――」


ゾンビ娘「わたし、お兄ちゃんたちといたい」


白衣「な……」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんもお姉ちゃんも優しかった」

ゾンビ娘「ぁー、これからも一緒がいい……」

男「……だとよ。どうするお母さん?」

白衣「……君にお母さんと呼ばれる筋合いはない――教育の時間だ」

【同時刻、学校屋内プール】

チャプン

友「…………誰だ」

吸血鬼「下半身が海蛇なんて――人魚姫には程遠いね、友さん」

友「あんた……黒髪か?」

吸血鬼「おや、さん付けはやめたのかい? 距離が縮まったのかな」

友「やっぱり黒髪か」

吸血鬼「そうだよ? どうだい、なかなかの美少女だろう?」

友「ああ、知ってたよ――まったく、妬ましいぜ」ビュン

吸血鬼「おっと」ヒョイ

ザパァアアアアアン

友「オレの愛がこもった一撃を避けんなよ」

吸血鬼「いやぁ、流石に今の食らうと五体がバラバラになるしさぁ」

友「ふん。しかし良く避けられたな、もしかして黒髪人間じゃない?」

吸血鬼「吸血鬼だよ。身体能力は人一倍さ」

吸血鬼「ダーリンはなぜか一般人と同じくらいの身体能力だと思ってるみたいだけど」

友「ダーリンね、羨ましい。あー妬ましいね」

友「吸血鬼のチャームとやらで魅了したのか、卑怯だな」

吸血鬼「それができたら苦労しないだけどね……」

友「本当に妬ましいんだよ、あんた……!」ビュン!

吸血鬼「おっとっと」ヒョイッ

ザパァアアアアン

吸血鬼「さっきから妬ましい妬ましいと口煩いね、まあそれも当然か」

友「何しに来たんだよ……お前」

吸血鬼「話し合いさ――嫉妬の悪魔、レヴィアタン」

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アニプレ、シャフト、やらおんにステマアフィ疑惑が浮上
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ステマ疑惑を隠すべく、工作員がν速でステマ、アフィ連呼を行う

ν速民がブチギレ、板内のすべてのスレでアフィステマ連呼をするようになる

2ch運営「名前欄ステマにしたったwwwwww」

板全体が祭りに、アフィブログの多くがν速をアフィれなくなった

ステマ連呼のせいで転載できるスレが無くまとめブログが困ってる件 収入減るからもうやめてくれお前ら
http://blog.livedoor.jp/notaffiliate/archives/1944301.html

アフィ「ほんとはν速でアフィやりたいんだお…
でもν速はアフィで儲けさせてくれなくなったお…
だから代わりににVIPでアフィるお!それとVIPで煽って名前欄変更は死守するお!
VIPにもうちらのコメント欄からお友達たくさん呼んでくるから仲良くしようね!」

友「オレには話すことなんてない」

吸血鬼「僕にはある」

友「拳で語ろうぜ、わかりやすい」

吸血鬼「わかりやすい馬鹿キャラだよ君は……」

友「どちらかが死ぬまでやろう」

吸血鬼「レヴィアタンも吸血鬼も不死身の化物だよ? 不毛だね」

吸血鬼「君の鱗だらけの肉体は何の攻撃も通さない」

吸血鬼「まあ、だから、心に語りかけようと思ってね」

友「心だと? 臭いことを言うんだな、あんた」

吸血鬼「いいじゃないか。僕は好きだ」

友「オレは嫌いだ」

吸血鬼「そう、じゃあその辺も含めて説得をしようじゃないか」

吸血鬼「僕は一刻も早く、臭いラブコメがしたいんだ」

【同時刻、廃工場】

男「お母さん、ゾンビ娘の拘束を解いてくれないか?」

白衣「だから私のことをお母さんと呼ぶんじゃない」

男「じゃあお姉さん。早くゾンビ娘を解放してくれよ、時間がないんだ」

白衣「器にするなら感情を消し去る。それが絶対条件だ」

男「そう言えば大事なことを聞いてなかったな、ゾンビ娘に」

白衣「何を無視して――」

ゾンビ娘「ぁー、何お兄ちゃん?」

男「ゾンビ娘、レヴィアタンを封じる器になってくれないか?」

白衣「聞く耳を持つなゾンビ娘!」

ゾンビ娘「ぁー……お母さんにもなれって言われた」

男「それはすまないと思ってる、けどこいつが言うように感情を消したりなんかしなくていい」

ゾンビ娘「ぁー、このまま器になったらどうなるの?」

男「なに、少し感情豊かになるだけさ」

男「楽しいことが嬉しかったり、悲しいことが苦しかったりするだけだ」

ゾンビ娘「ぁー、お兄ちゃんたちを好きでいられる?」

男「ああ」

白衣「聞く耳を貸すなゾンビ娘!」

男「俺たちを助けてくれないか、ゾンビ娘」

ゾンビ娘「ぁー、うん、わたし器になる」

ダァン!!

男「――っ!」ガクッ

ゾンビ娘「……ぁー、お兄ちゃん?」

白衣「……お腹に風穴があいた気持ちはどうだい?」

男「っ……! さ、最高、だね……っ」

白衣「喋れるのか、驚いた。しかし銃は良いよね。分かりやすさが最高だ」

白衣「目的が世界で一番はっきりしてる、人を殺すためだけに造られた道具だ」カチャ

男「…………っ」

【同時刻、学校屋内プール】

吸血鬼「…………」

友「どうしたよ、さっきから黙って。説得は諦めたのか?」

吸血鬼「いや……緊張してるのか胃が痛くてね」

友「そのまま胃潰瘍になればいい」

吸血鬼「少し毒舌になった?」

友「毒が性に合ってるみたいでね、さっきから饒舌になる」

吸血鬼「なるほど、ダーリンとよく似てる」

友「あいつをダーリンなんて言うな!」ビュン

吸血鬼「そうは言ってもね」ヒョイ

バシャァアアアアアン

吸血鬼「……プールの水が減ってるけどいいの?」

友「減れば足せばいい」

吸血鬼「なるほど、贅沢だ」

吸血鬼「それじゃあ説得を始めよう。単刀直入に言うけどレヴィアタンを手放してよ」

友「……オレは取り憑かれてるんだ」

吸血鬼「冗談はよしこちゃんだよ、君はレヴィアタンを利用してるだけだ」

吸血鬼「取り憑かれているなら正気を保ってるはずがない」

吸血鬼「と言っても、姿が変わってるところは取り憑かれてるとも言えるのか」

吸血鬼「それでも君さえ拒否すれば、今ならレヴィアタンを手放せる」

友「……オレはこんな悪魔なんか出て行って欲しいと思ってる」

吸血鬼「嘘つきだね。レヴィアタンの器らしいや」

吸血鬼「水辺に縁があって、嫉妬深くて、嘘つきなんて」

吸血鬼「なるほど、レヴィアタンに取り憑かれるわけだ」

友「人が黙っていれば好き勝手に言いやがって!」

吸血鬼「そりゃ好きに言わせてもらうよ。嫌々喋っても仕方ない」

吸血鬼「君がその悪魔を手放さない理由はたぶん一つしかないよね」

吸血鬼「気持ちいいんだろ、すごく」

友「……何を」

吸血鬼「押さえこんでいた嫉妬の感情を表に出すことが出来て」

吸血鬼「君はとても助かっているんじゃないのかい?」

友「そんなこと」

吸血鬼「少なくとも学校での君は僕を殺そうとなんかしなかったじゃないか」

友「……」

吸血鬼「手放しなよ。君のそれはただのこじれた厨二病だ、必要ない」

友「でも……オレは……」

吸血鬼「……はぁ。そんなんだからダーリンに――男さんに好かれないんだよ、君は」

友「――うるせえ!!!」

友「ああ! あんたはいいよなぁ!! 男に好かれててさぁ!!」

吸血鬼「おっと、そうは言っても君もそれなりに好かれてはいるみたいだよ?」

友「友達としてだろ! 意味ないんだよ! オレも女として好かれたいんだよ!!」

吸血鬼(……僕が果たして好かれてるかどうかは黙っておこう)

友「オレも……女の子らしくなりたいんだよ!」

吸血鬼「……女らしくねぇ」

友「あんたみたいに! 小さくて! 可愛らしい女の子になりたかった!」

吸血鬼「ムチムチプリンな人間に言われてもね……」

友「男に好かれなきゃ意味ないだろ! 男は幼い子が好きなんだろ!?」

吸血鬼(どうしよう言い返せない)

いつの間にここまでw

友「オレも男に異性として見て欲しいんだよ!!」

吸血鬼「……男さんはさ、確かに幼い子が好きだよ」

吸血鬼「最近、僕も小さかったから助けられたんじゃないかと思うし……」

友「だからオレは!!」

吸血鬼「だけど男さんは幼い子を性的に見てるわけじゃない」

吸血鬼「何せ僕は――ダーリンの趣味を、余すところなく知っている」

友「なら何でオレは好かれないんだよ!」

吸血鬼「だいたいさ、おかしいんだよ。それが」

友「オレの何がおかしいんだよ!」

吸血鬼「その『オレ』がだよ! ちゃんちゃらおかしい! 笑わせるな!」

友「……っ」

吸血鬼「女の子らしくなりたいんだろ! 友っ!」

吸血鬼「異性として見られたいなら女の子らしくしなよっ!」

吸血鬼「可愛く見られたいならオレっていうのやめなよっ!」

吸血鬼「そんな態度で好かれたいなんて説得力ないんだよっ!」

友「そ、それができたらしてるよ!!」

吸血鬼「できなくてもしろよ! 好きなんだろ!!」

友「……っ」

吸血鬼「恥ずかしいとか、キャラじゃないとか」

吸血鬼「そんなくだらない理由で素直になれないなら恋なんてするな!!」

友「お、お前だって自分のことを――」

吸血鬼「僕? 僕はいいんだよ。だって僕っ娘は萌え要素なんだから」

友「なら、ならオレだって! オレっ娘ってのもあるんだろ!?」

吸血鬼「あるねぇ。でも駄目だ。君にはオレっ娘に大事なものが欠けている」

友「な、なんだよ」

吸血鬼「ギャップだよ」

友「ギャ、ギャップ……?」

吸血鬼「そうギャップだ。オレっ娘はボクっ娘よりもボーイッシュなキャラだ」

吸血鬼「漫画では主人公とは仲の良い友達ポジションとして登場することが多い」

吸血鬼「男友達の様に接しやすく、仲は深まりやすい」

吸血鬼「ただし異性として意識されないため、それ以上先には進みづらい」

友「……っ」

吸血鬼「その一歩先に進むために必要なもの、それがギャップだ」

友「ど、どういうことだ」

吸血鬼「異性として意識してなかった相手がふとした時に見せる女の子らしさ」

吸血鬼「そのギャップが君にはないんだよ」

この吸血鬼
分かってやがる

吸血鬼「友、君に少女趣味はあるかい?」

友「……ねぇよ」

吸血鬼「嘘だね。君が毎週妹と一緒にプリキュアを見ているのを僕は知っている」

友「何で知ってるんだよ!」

吸血鬼「ダーリンとの素行調査をしていたことが――まあそれはいいんだ」

吸血鬼「あと、部屋に大量のぬいぐるみが置いてあるよね」

友「なっ、なっ……!」

吸血鬼「しかも全部名前がついてて、たまに夜お喋りしてるよね」

友「うわああああああああ!! こ、こここのストーカー!!」

吸血鬼「吸血鬼である僕にストーカーとは。なじみ深く、また褒め言葉だね。ありがとう」

友「褒めてねーよ!! くっ、殺す、お前だけは絶対殺す――!」

吸血鬼「さらに自分を主人公としたダーリンとの夢小説を――」

友「殺して!! もういっそ誰か殺して!!!」

吸血鬼「残念ながら今の君は不死なんだけどね」

>>567昼夜のキャラ使い分けるだけある

吸血鬼「とまあ、実はちょっと引くレベルの乙女な君だけど」

友「ぐっ……悪いのかよ!」

吸血鬼「悪くないさ。素晴らしいギャップだ、とても可愛いと思う」

吸血鬼「だけどダーリンがそれを知らないんじゃ意味がない」

友「……言えるわけ、ないだろ……こんなの絶対気持ち悪いって言われる……」

吸血鬼「ダーリンが? 君を傷つけるような言葉を言うと思う?」

友「……思わない」

吸血鬼「だろう? あ、でも小説のことは黙ってた方がいいかも」

友「当たり前だろ!!」

吸血鬼「彼は優しいから、引くことはあっても気持ち悪いなんて思わないさ」

吸血鬼「君を異性として意識することも、悔しいがあるだろう」

友「…………本当に?」

吸血鬼「本当に」

吸血鬼「だから、その悪魔を手放しなよ」

吸血鬼「たまたま目を付けてきたような悪魔なんかに君の身体を許さなくていい」

吸血鬼「昔から君のことを見てきた人にこそ、君の身体を許すべきだ」

吸血鬼「もちろん、僕がそうはさせないけどね。僕らは恋のライバルだ」

友「黒髪……さん……」

吸血鬼「余所余所しいよ、友。恋について語り合った女子は、みな親友になるもんさ」

吸血鬼「そして恋のライバルらしく、喧嘩しつつ仲直りしながら学園生活を送ろうよ」

友「……黒髪」

吸血鬼「だいたいそんな姿じゃダーリンに女の子らしいところ見せられないよ?」

友「…………そう、だね」

吸血鬼「ダーリンに異性として意識して欲しいんだろ?」

吸血鬼「だったらそんな化物の姿は捨てて、誘惑しちゃいなよ」

吸血鬼「それは貧相な僕には出来ない方法だ」

吸血鬼「そして、レヴィアタンを捨てなきゃ出来ない方法だ」

友「……」

吸血鬼「それともダーリンを諦めるかい?」

友「嫌だっ!」

吸血鬼「……なら、レヴィアタンにさよならだ」

吸血鬼「海蛇でも人魚姫でもなくて、人間として恋愛しなよ」

友「……っ、うんっ、ありがとう黒髪――」

『あーあ。つまんないの、何その青春ごっこ』

『まぁ、嫉妬の感情は随分食べられたし満足としておきますか』トプン

友「うぐっ……!」ガクッ

ザパァン

吸血鬼「友!」バシャバシャ

友「……」

吸血鬼「気を失ってるだけか……よっ」ザバン

スタッ

吸血鬼「よく拒絶したね。お疲れ様」

『どうも、吸血鬼のお嬢さん。こんばんは』

吸血鬼「レヴィアタンか……しかしその姿はまだ」

『そうね、まだ怪物の形じゃないわ。さしずめ嫉妬の宝玉ってところかしら』

吸血鬼「見てるだけで嫉妬の念が湧いてきそうだね」

『あら、褒め言葉ね。受け取ってあげるわ、ありがとう』

吸血鬼「喜んでもらえて何よりだよ」

『……気に食わないわね。まあいいわ』

『まだ実体化できてない石だけど、あと数分でそれも終わる』

吸血鬼「へえ。やっぱり友の嫉妬を食ってエネルギーを溜めたのか」

『ええ、とても美味しい感情だったわ。最後は吐き気がしたけど』

吸血鬼「ひどいなあ、僕らの友情に」

『おえー。ま、諸々のお礼にこの町を滅ぼして行くことにするわ』

吸血鬼「荒っぽいねぇ、偽物なんだから大人しくしてればいいのに」

『偽物の本物もないわよ。悪魔は悪魔。それ以上でもそれ以下でもない』

『ここには封じる器もいないみたいだし、そこで指をくわえて実体化を待つといいわ』

吸血鬼「ふむ。ちなみに後どのくらい待てばいいんだい?」

『吸血鬼にも祈りの時間が欲しいかしら? 3分くらいは待ってあげるわ』

吸血鬼「3分間待つのだぞって? それは太っ腹だね。助かったよ」

『3分後には助からないけどね』

吸血鬼「いやそうでもない。本当に助かったよ」

『?』

吸血鬼「どうやら、間に合ったようだからね――」ズズズ

『影から一体何を……』


ゾンビ娘「ぁー、お姉ちゃんお待たせ」


吸血鬼「いいや、ナイスタイミングだよゾンビ娘」

『う、器!? どうして影から――』

白衣「私もいる。今度は逃がさないよ、レヴィアタン」

『ゴ、ゴーストバスター何故ここに!?』

白衣「子供がいるんだ。保護者としては当然だろう」

吸血鬼「あなたまで来るとは意外だったよ」

白衣「ふん。親の責務を果たしに来たのさ」

白衣「子供を支えるという、当たり前の責務をね」

【数十分前、廃工場】

白衣「……何故立ち上がれる」

男「いってぇ……黒髪大丈夫かなぁ……」

白衣「まさか……吸血鬼の奴隷になったのか!」

男「運命共同体だよ、奴隷じゃねぇし」

白衣「馬鹿な真似を……その危険性を知っているのか」

男「うるせぇな、いいんだよ。友やゾンビ娘を助けるために乗った提案なんだから」

白衣「器にしようとしてるくせに助けるなどと」

男「それはあんたも一緒だろ」

白衣「……」

男「なあ、正直な気持ちを教えて欲しいんだ」

男「あんたは娘の感情を奪ってもいいって、本気で思ってるのか」

白衣「……っ。そんなの……思ってるはずないだろう……!」

白衣「だけど、私は奴を捕まえなければいけないんだっ!」

男「ゴーストバスターとしてか」

白衣「……レプリカレヴィアタンを生み出したのは、私の夫なんだ」

男「夫?」

白衣「優秀な死霊士でね、しかし道を違えてしまった」

白衣「悪魔の魂を死体に憑依させて、ゾンビとして操ろうなどと考えた」

白衣「御しやすいよう偽物の悪魔の魂を造り、死体をこさえて……」

男「それで、その夫は今何してるんだ」

白衣「殺したよ、私が」

男「……」

ゾンビ娘「ぁー……お母さん……」

白衣「彼の造ったゾンビも、レプリカ悪魔の魂も、全部滅した上で殺した」

男「どうしてそんなことを」

白衣「…………」

ゾンビ娘「ぁー、わたしが、殺されたからだよ……」

男「殺されたって、それは、お前こいつに――」

ゾンビ娘「ぁー、ううん、お父さんにゾンビにされて、お母さん怒ったの」

白衣「ゾンビ娘、言わなくていいんだよ、辛いことを思い出す必要なんてない」

男「……悪者ぶったわけか」

白衣「ふん、夫のしたことは妻の私がしたことでもあるんだ」

白衣「だからあの人の不始末は私が処理することにした」

白衣「だが……レヴィアタンだけは消し去ることができなかった」

白衣「偽物とはいえ、奴の不死性は変わらなかった」

白衣「まったく、とんでもないものを生み出してくれたよ」

白衣「レヴィアタンは私が始末しなくちゃいけない、その責任が私にはある」

白衣「だが、アレに耐えきれる素材は、ゾンビ娘しかいなかった」

白衣「元々、レヴィアタン様の器に造られてしまっていたんだよ」

白衣「痛覚や感情のある、生きてる人間に近いゾンビをね。だから私は感情を削った」

男「……感情を削り取る必要はあったのか」

白衣「辛いじゃないか……父に殺され、母に器として利用される」

白衣「そんな辛さを感じないよう、感情をなくした方がこの子のためになる――」

男「あほか」

白衣「なっ」

男「何も感じなくなることがゾンビ娘のためになるわけねぇだろ」

男「嬉しいことも、楽しいことも、感じることがなくなるんだぞ」

白衣「でも――でも、辛いことや悲しいことは感じない方がいいだろう!」

白衣「生きていく上で、いや、死んでまでそんな苦しみを背負う必要なんてないだろう!」

男「そうかな。俺はそうは思わねぇけどな……」

白衣「何だと……?」

男「だいたい、感情を無くしちまったらあんたの娘はもう二度と笑わないんだぞ」

男「それでいいのか?」

白衣「それは……」

男「ならやっぱり感情は残しておくべきだろ、そのことでゾンビ娘が苦しんだり」

男「泣いたりしたら――その涙はあんたがぬぐってやれよ」

白衣「え?」

男「母親なんだろ? 娘が辛いときは支えてやれよ」

白衣「…………私は」

ゾンビ娘「ぁー、お母さん、聞いて欲しいことがあるの」

白衣「ゾンビ娘……」

最初のテンション跡形もなくきえたw

ゾンビ娘「ぁー、わたし、感情を失いたくない……」

白衣「けど、辛いことたくさんあるぞ……?」

ゾンビ娘「ぁー、いいの、わたし……わたし……」

男「……」

白衣「ゾンビ娘? ……! お前っ泣いて――」


ゾンビ娘「おかぁさんのことっ、すきでいたいよぉ……!」ポロポロ


白衣「ゾンビ娘……!」

ゾンビ娘「わたしっ……お兄ちゃんとお姉ちゃんといっしょいたいけどっ、でもっ」

ゾンビ娘「おかあさんとも、いっしょにいたいのっ……!」ポロポロ

白衣「まだ、そんな感情が残って……!」

ゾンビ娘「まだっ、おかぁさんのこと、すきでいたいのっ、だからっ……!」

ゾンビ娘「わたしのかんじょおをっ、けさないでくださいっ」ポロポロ

白衣「……っ」

男「……だとよ、お母さん。どうする?」

白衣「…………娘を、苦しめることになるけど、いいんだろうか」

男「よくはないだろ」

白衣「き、君ねぇ……!」

男「だから、その分良いことしてやれよ」

白衣「……」

男「俺も手伝うからさ。ゾンビ娘が辛いときは支えてやろうぜ」

男「それが家族の、親の役目だろ?」

白衣「…………ゾンビ娘の拘束を解こう」

男「本当か!?」

白衣「ああ、すぐにレヴィアタンのところへ向かおう」

男「……ありがとう」

白衣「こちらのセリフだよ……」

ゾンビ娘「ぁー、お母さん……」

白衣「ごめんね、ゾンビ娘。馬鹿なお母さんで」

ゾンビ娘「ぁー、ううん、大好きだよ、お母さん」

白衣「そうか……」

カシャンッ

白衣「急ごう。丁度今、レヴィアタンの反応が強まった」

男「それじゃあ、ふたりともこっちに、すぐ送る!」ズズズ

【0時半過ぎ、学校屋内プール】

白衣「もう一度娘の涙を見ることになるとは思わなかったよ」

ゾンビ娘「ぁー……お母さん……」

白衣「これからも、見れるだろうか……」

吸血鬼「見れるよ。そのために、今は」

『せっかく調子が出てきたところなのに、封じられてたまるか!』

『ここは一度引かせてもらうわ――』フワッ


吸血鬼、白衣「「逃がさない」」バッ


『――っ! いつの間に拘束して――!』

吸血鬼受けにしとけよ

白衣「君は絶対に逃がさない、逃がすわけにはいかない」

吸血鬼「ダーリンとゾンビ娘の頑張りを無駄にするわけにはいかないからね」

吸血鬼(そして好感度アップしてハッピーウェディング!)

『き、貴様ら――!』

白衣「やれっ! ゾンビ娘!」ヒュンッ

吸血鬼「――食べちゃえ!」


ゾンビ娘「ぁー、いただきます」


『ふっ、ふざけ――!』

バクン

ゾンビ娘「もぐもぐ……んくっ」ゴクン

吸血鬼「……大丈夫かい? 思ったよりもあっさり終わったけど」

ゾンビ娘「……ぁー、だいじょ、う――」フラッ

白衣「レヴィアタンが馴染むまで時間がかかる。おやすみ、ゾンビ娘」ギュッ

>>667白衣S安定

吸血鬼「……僕がこういうのもあれだけど、ゾンビ娘大丈夫?」

白衣「本当に君が言っちゃ駄目なセリフだな……まあ」

ゾンビ娘「……くかー」

白衣「大丈夫さ。私たちがそうして行くんだ」

吸血鬼「雰囲気変わったねぇ……よいしょっ」グッ

友「うーん……」

白衣「憑き物がとれたようだよ……なんて、この子の前で言うセリフじゃないか」

吸血鬼「本当にね……」

白衣「私たちは不謹慎だね」

吸血鬼「僕たちは不謹慎かな」

白衣「……」

吸血鬼「……」

白衣「ふっ」

吸血鬼「くっ」

白衣「ふふっ、ふふふっ」

吸血鬼「くくっ、くくくっ」

白衣「ははっははあはは!」

吸血鬼「あははっはははは!」

吸血鬼、白衣「「あははははははは!!」」


男「何を二人して夜道で笑ってるんだ、お前ら」


吸血鬼、白衣「「……!」」

男「しかも背中に人を負ぶって……奇怪だぞ……」

ここから吸血鬼とのキャッキャウフフが始まるのか

男「……どうやら、うまくいったみたいだな」

吸血鬼「まあね」グイッ

友「んんー……」

白衣「ありがとう、少年」グイッ

ゾンビ娘「ぁむー……」

男「そうか……よかった……」

白衣「少年……ひとつ提案があるのだが」

男「提案?」

白衣「というかお願いがあるんだ」

男「お願いって」

白衣「私にゾンビ娘をまかせてほしい」

男「……」

白衣「母親としての責務を果たしたいんだ」

白衣「いや違うか。私は、この子と一緒にいたい……」

白衣「これから先、一緒にいて支えてあげたいんだ……頼む……」

男「……んー」ガシガシ

吸血鬼「ふむ」

男「とは言われてもなぁ」

吸血鬼「そうだね」

白衣「やはり、駄目か――」

男「娘は母親と一緒にいるべきなんだろう?」

白衣「え?」

吸血鬼「今の君にならゾンビ娘をまかせられる」

白衣「い、いいのかい?」

男、吸血鬼「「いいよ」」

白衣「――ありがとう。本当に、ありがとう……!」

男「さて、じゃあ帰るかー。あーもう三日連続徹夜とか嫌だぜ」

吸血鬼「そんなダーリンにオススメなのが授業中に睡眠を取ることさ」

男「お前まさかいつも……」

吸血鬼「当たり前じゃないか。おかげでテストは散々だけど――」

白衣「あ、ちょっと待ってくれないか。最後にひとつだけ」

男、吸血鬼「「?」」

白衣「えっと、これからマトモな仕事について、ゾンビ娘を養っていきたいんだけど」

白衣「安定した住居とかもなくて、君たちの近くにいた方がゾンビ娘も喜ぶし……」

白衣「ハッキリ言うとだね……」

男、吸血鬼「「うん」」

白衣「どこか良い物件ない?」

男「もうあれから二日か……たまの日曜日だって言うのに」

黒髪「……だーりん?」

友「男……オレ、じゃない、わた、私何か手伝うことあるか、じゃない、ある?」

男「強いて言うなら帰れ、俺は惰眠をむさぼりたい」

黒髪「じゃあ添い寝……」

友「ず、ずるいぞ黒髪! オ、私がする! します!」

男「……はぁ」

ピンポーン

男「はーい、どちらさまかなっと」ガチャ

ゾンビ娘「お兄ちゃーん!」ガバッ

男「ぐえっ!」

ゾンビ娘「んー! お兄ちゃん好き好きー!」グリグリ

男「お、おお、偉く感じが変わったなゾンビ娘……」

黒髪「ゾンビ娘……」

ゾンビ娘「お姉ちゃんだー! お姉ちゃんも好きー!」グリグリ

黒髪「く、苦しい……」

友「お、男……? だれその子?」

男「ああ、この前話したゾンビ娘だ。お前の恩人だぞ」

友「そ、そうなのか、なんだ……なのね? とにかくありがとね!」

ゾンビ娘「だれっ! お兄ちゃんは渡さないぞ! 絶対!」ギュッ

友「お、男、こんな年端もいかない女の子をまさか――」

男「違うわっ!」

黒髪(胸とか揉んでるけど……)

ゾンビ娘「がるがるっ! わたしは大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるんだぞ!」

黒髪「残念だけど……無理……」

ゾンビ娘「そうだった! わたしゾンビなんだった! がーん!」

男「それ割と重い話なんじゃないか……?」

友「(それに男のお嫁さんはオ、私がごにょごにょ……)」

男「あれ? しかし、ゾンビ娘がここに来たってことは」

ゾンビ娘「おー! お母さんもいるよ!」

カツン

白衣「こんにちは、隣に越してきた白衣です」

白衣「娘ともども、よろしくお願い致します……というわけだ」

白衣「それで……引越しそばとやらを作ってみたんだが……」

黒髪「わざわざ持ってきたの……」

男「それじゃあ、中で食べようか」

ゾンビ娘「わーい! お兄ちゃんの部屋だー!」ダダダ

【数時間後、男の部屋】

友「……それじゃあもう暗くなるし、母さんも心配するから帰るね」

男「あ、送ろうか?」

友「いやいや大丈夫! それじゃあまた明日ね!」

男「おう、しかしこの間から女の子らしくなったな、お前」

友「そ、そう?」

男「うん。たまにドキッとするよ」

友「(……よしっ)」グッ

男「友?」

友「い、いや何でもないぜ、ないよ! じゃあね!」ガチャン

男「……なんだあいつ?」

白衣「さて、それじゃあそろそろ私たちもおいとまするよ」

男「あ、ゾンビ娘眠ってるし背負っていきますよ」

黒髪「むにゃむにゃ……」

男「こいつも寝てるのか……」

白衣「ああ、ありがとう……しかし君に敬語を使われるのは違和感があるな」

男「基本目上には敬語を使う男ですよ、俺は……っしょと」グイッ

ゾンビ娘「んあー……」

白衣「そうか。隣の部屋なのに悪いね」

男「いえいえ、お兄ちゃんの役目です」

白衣「お兄ちゃんなんて言わず、お父さんに興味はないかい?」

男「ないです」

白衣「そうか……」

白衣「(チッ)」

男「よいしょっと……ここに寝かせたんでいいんですかね?」

白衣「ああ、頼むよ。ありがとう」

ゾンビ娘「ふぬー……」ゴロン

白衣「すまないね」

男「いや、人を背負ったのなんか久々だったので良い体験でした」

白衣「良い体験って……」

男「いや、高校生にもなると中々ないですよ。人を背負うって」

白衣「そうなのか?」

男「前にも一度ありましたがね……」

白衣「幼女を背負う経験がかい?」

男「違いますよ……いえ、去年の春ごろ女子生徒が学校の廊下に倒れていましてね」

白衣「危ないね、無事だったのかい?」

男「ええ、ただの貧血だったみたいで」

ラストスパートー

白衣「それはよかった、それで? その彼女は今?」

男「さあ……その時は名前を聞いてなかったし」

男「見た目も覚えてないんですけど、ていうかちゃんと見てなくて」

男「でも、背負った体は華奢で、ありがとうって言った声が綺麗で」

男「思春期真っ只中だった俺はちょっとドキドキしちゃ、って……」

白衣「……男くん?」

男「…………黒髪だ」

白衣「黒髪くん?」

男「そうだ! 思い出した!! 黒髪じゃんあいつ!」ダッ

白衣「お、男くん!?」

男「あ、俺もう帰ります! ゾンビ娘によろしく言っておいてください!」ガチャン

白衣「……若いっていーなぁ」

ゾンビ娘「もぐもぐ……んぁー……」

男「ただいま」ガチャン

吸血鬼「ダーリンどこ行ってたのさ! わかってるよ! 隣だね!」

男「日が沈むと共に起きたのか……勝手に視界を覗くな」

吸血鬼「クールだね! 超クールだ! 何でそんなにクールなのさダーリン!」

男「何でお前はそんなにテンションがおかしいんだ」

吸血鬼「えー、さてー、なんででしょー?」ニヤニヤ

男「はぁ……俺が思い出したから」

吸血鬼「ぴんぽーん! あの日からダーリンにゾッコンラブなわけですよ!」

男「あんな倒れてる生徒見たら誰でも運ぶって……」

吸血鬼「それ以降ダーリンをストークした結果もあるんだよ?」

男「やめろや」

吸血鬼「そんなわけでダーリンにアタックー!」ダッ

男「すんな」ヒョイ

ドテッ

吸血鬼「あいてて……スカートめくれちゃったよー……チラッ」

男「わざとらしすぎるだろ!」

吸血鬼「ふっ、ダーリンの目線は僕のくまさんパンツにくぎ付け」

男「なわけがない。ほら、起きろ」スッ

吸血鬼「ダーリンが手を差し伸べてくれた! デレ期……?」

男「じゃない」

吸血鬼「あーもう! ダーリン好きすぎてかぷーっ!」

男「お前は懲りない奴だな!!」

絞らないでほしいな

吸血鬼「まっず!! ダーリンの血まっずぅううう!!」

男「……そんな笑顔で言われてもな」

吸血鬼「もうこんな不味いの飲めるのは愛故にだよ!」

男「はいはい」

吸血鬼「愛がないと飲めない! もうダーリン好き好き大好きー!」

男「うるせえ、黙ってろ」

吸血鬼「そ、それは黙って俺についてこい的な?」

男「……あー」

吸血鬼「え……!」パァアアア

男「あ、ちがっ。……本当お前は吸血鬼のくせに太陽みたいに笑うなよ」

吸血鬼「ダーリン結婚しよう! 来年! 来年ダーリンの誕生日に!」

男「うるさいうるさい! マジで黙ってろ!」

吸血鬼「あーんもう! ダーリン大好き!」

男「はぁ…………なあ黒髪」

吸血鬼「式の日取りは前言ったように6月で――え、何ダーリン?」

男「あの時、お前の提案を飲んで運命共同体になったわけだが」

吸血鬼「わかってるよ。勘違いするな、友とゾンビ娘を助けるために、でしょ?」

男「友とゾンビ娘を助けるためだけじゃなくてさ」

吸血鬼「ダーリンにとって僕はあくまで友達――え?」

男「お前と命を共有してもいいと思えたからでもあるんだよ」

吸血鬼「だ、ダーリン……」

男「なんていうか、知り合って間もないのに、それくらい信頼できて……」

男「まあ実際はもっと前に出会っていたんだけど」

男「でもそれだけじゃなくて、うまく言えないけど」

男「お前の弁当はうまかったし、会話は馬鹿みたいだけど楽しかった」

男「昼と夜とじゃ態度が違って可愛く見えたし、でも芯はぶれてないし」

男「なんつーか。一緒にいて飽きない奴って言うか」

男「こんなやつと死ぬまで一緒なら、楽しいなって思ったんだよ」

イアアアアアアアアア

吸血鬼「ダーリン、それって……」

男「…………」

吸血鬼「告白!? ラブミー!? うそうそうそ本当に!?」

吸血鬼「あああ友ごめんね僕の勝ちだ! でも好きなら略奪ってみてよ! 渡さないけど!」

吸血鬼「うあああああ今日は記念日だねダーリン! 好き好き!!」

男「あーもう! うるさい黙れ!」

吸血鬼「それはやっぱり黙ってついてこい的な!?」

男「……あーそうだよ。幸せにしてやるから黙って俺について来い」

吸血鬼「…………」

男「…………何か言えよ」

吸血鬼「本当に、本当に僕でいいの……?」

男「あー……実はな、色々好きになった理由を言ったけどさ」

男「結局一目惚れみたいなもんだったんだよ……お前と違って嘘じゃないぞ?」

末永く爆発しろ

吸血鬼「……それって、チャームじゃ」

男「それはないだろ。俺はお前のことろくに見てなかったし」

男「第一、あの時寝込んでたお前は目を開けてたのか?」

吸血鬼「じゃあ、本当に、僕のこと――」

男「……好きだよ。一回しか言わないぞ!」

男「たぶん、お前が言ってたチャームが効かないってのは、あれだよ」

男「前にお前も言ってただろ? すでに落ちているから無駄だぞ――って」

吸血鬼「……っ。ダーリンっ!」バッ

男「お前、また血を――」

チュッ

男「――!?」

吸血鬼「えへへ……キス、しちゃった」

吸血鬼「ダーリンと通じ合ったら、しようと思ってたんだ」

男「おまっ……なんっ……」

吸血鬼「えっちは何回もしたのにキスは初めてなんて、おかしいねっ」

男「だからお前がしたのは吸血だろ!」

吸血鬼「じゃあ今からする? 本当の性交?」

男「なっ……!」

吸血鬼「隙あり!」チュッ

男「んむっ!?」

吸血鬼「……あはっ、ダーリンの血は不味いけど」


吸血鬼「こっちはとても美味しいんだね!」



Fin.

つ壁


>>1

スレ汚しすまんかった

お疲れさまでした
本当に長い間保守支援感謝です

当初エロもある予定だったんだけど書けなくてごめんね
当初からハーレムルートはなかったんだごめんね

おつおつ
吸血鬼可愛かったわ

ID真っ赤なのは全員死ね

>>1乙 いいSSだった

>>838
俺は嬉しかったよ、ありがとう

ちなみに血が不味いのは単純に相性の問題
けど本当は身体の相性は抜群、エッチは気持ちいい

>>875
友とかゾンビ娘とかなんで恋心入れたの?

>>877
友は黒髪のライバルとして
ゾンビ娘は恋心じゃない

@219

エロいる?

>>875
なんだ、聖職者の家系とかじゃなかったのか

ではここから先は全部蛇足だから本編とは別ということで

ここまで来たら1000目指しましょ

>>895
別のところでもっと長くやってもいいんじゃないかな!

>>894
そういう設定も書く前にはあったけどやめた

>>899
いやここで終わらす


次から投下します

抽出 ID:7/QLNx+l0 (41回)

コピペにマジレスとな
41回って作者でもないのに

【とある日の夜、男の部屋】

吸血鬼「ここからはいちゃらぶエロエロな僕の独壇場だ……!」

男「何を言っているんだお前は」

吸血鬼「何にもないよ! それよりふたりっきりだね……ダーリン……」

男「俺の部屋に押し掛けてきたんだから当然だな、帰れ」

吸血鬼「もー、そんなこと言わずにね!」ギュッ

男「抱きつくな」コツン

吸血鬼「やんっ、ダーリンのエッチスケッチワンタッチ!」

男「小突いただけだろうが!」

吸血鬼「触れられただけでムラムラするよ! あーむっ!」チュー

男「くっ、どうせまた――」

吸血鬼「うぐぅ……まずい……」

まとめられるかこれ

男「お前は毎度毎度……不味いなら吸わなきゃいいのに」

吸血鬼「それでも愛してるから!」

男「そりゃどうも」

吸血鬼「愛してるなら求めたくなる……当然だろう?」

男「まあ、わからんでもない」

吸血鬼「でも本当に体の相性悪いんだなぁ……ちょっとショックだ」

男「そんなにか?」

吸血鬼「そりゃあ、セックスレスは夫婦の別れる大きな原因のひとつでもあるし」

吸血鬼「やっぱり快楽は人を縛りつけるし……」

男「……じゃあ」グイッ

吸血鬼「え?」

ドサッ

男「試してみるか? 普通のセックス」

吸血鬼「え、えと、ダーリン?」

男「吸血鬼だからなのかな、お前、吸血ばっかりでそれ以外はしてこないじゃん?」

吸血鬼「う、うん、だって吸血で十分気持ちいいんだから――」

男「それは普通の吸血鬼だろ? 俺たちは気持ち良くないだろ」

吸血鬼「むしろ不味いもんね……」

男「それにお前口だけはいっちょ前に誘惑してくるのに」

男「全然性欲は解消されないからたまってるんだよね」

吸血鬼「だ、だだだダーリンが狼さんだ!」

男「いいだろ?」

吸血鬼「や……」

男「や?」

吸血鬼「優しくしてね……?」

男「もちろんだ」

吸血鬼「は、はじめてだから……」

男「俺もだよ、だから期待はすんなよ」スッ

吸血鬼「あっ……」

男「……今日は白なんだな」

吸血鬼「く、くまさんが良かったかな……?」

男「いや……」サスッ

グリグリ

吸血鬼「んっ……なに、これ……」

男「どうだ?」

吸血鬼「へ、変な感じ……自分じゃ触ったりしないし……あっ」クチュ

男(頑張れ俺のAV知識)クリクリッ

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
    ドゴォォォォン!!
        ; '     ;
     \,,(' ⌒`;;)
   !!,' (;; (´・:;⌒)/
  ∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

男「……結構濡れてきたな」グリグリグリ

吸血鬼「ぱんつよごれちゃうよぉ……!」クチュ

男「脱がすか……んっ、黒タイツって結構脱がしにくいな」

吸血鬼「や、やぶっていいよぉ……?」

男「なんかもったいない」スルスル

吸血鬼「もぉ、ダーリンは貧乏性なんだからぁ」

男「うるせぇ」スルンッ

吸血鬼「あっ……み、みないで……」トロォ

男「糸引いてる」

吸血鬼「い、言わないで……あぅっ」クチャ

男「指一本入るな……二本は、まだ無理か……」ジュッジュ

吸血鬼「……っ! あっ、んんっ……あっ!」クチュクチュ

男「……どう?」ニチュニチュ

吸血鬼「き、きもちいい……っ。こ、こんなのはじめてぇ……!」グチュグチュ

うめ

埋め

ジュポッジュポッジュポッジュポッジュポ!!

吸血鬼「やぁ……! 音、はずかし……!」ニュチュニュチュ

男「だいぶ濡れてきたな……そろそろ」ジー

吸血鬼「お、大きいね……入るかな……?」

男「比べたことないし、わかんないけど……いいか」クチュ

吸血鬼「うん……きて……っ!」トロォ

男「……っ」クチャ

吸血鬼「は、入ってきてるっ……あうっ!」

グチャンッ

吸血鬼「――っ! いっ……た……!」

男「だ、大丈夫か?」

吸血鬼「だい、じょぶっ……はー、はー……動いて、いいよ?」

吸血鬼「やばいやばいやばい何この不味さ!!」

吸血鬼「青汁みたいに不味いけど癖になるとかじゃなくて……」

吸血鬼「なんていうか……もう、単純に不味い! それも凄まじく!!」

吸血鬼「おえええええええええ!!」

男「お前が無理やり吸ったんだろ……泣くぞ……」

吸血鬼「いや、もう、想像以上! やばいやばい! 君やばいよ!」

吸血鬼「僕が今まで飲んだ血の中で断トツで不味い! 誇っていいよこれは!」

吸血鬼「あれ? どうしたの、うつむいて。可愛い少女を無視しないでよ、おーい」

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