ほむら「サンタは朝日を浴びると灰になって死ぬ」(213)

マミの家

ピンポーン

ほむら「お邪魔します」

マミ「いらっしゃい暁美さん」

杏子「遅ぇよ、昼ご飯もう食べちまったぞ」

ほむら「お昼は家で食べてきたわ。それとおやつを買ってたのよ」

杏子「それを早く言えよ!よく来たなほむら!」

ほむら「あなたの家じゃないでしょう」

マミ「まあまあ、今日はクリスマスよ?少しくらいいいじゃない」

ほむら「あら、どうしてQBまでいるのかしら」

QB「いいじゃないか。炬燵は人類が生み出した文明の利器だよ」

杏子「何があ~るかな~」ゴソゴソ

杏子「どういうことだおい……」

ほむら「ごめんなさい」

マミ「佐倉さん、そんなに暁美さんを攻めなくても……」

杏子「普通クリスマスのお菓子と言ったらチョコとかさ、ミニなケーキとかさ、ポテチやらスナック菓子やらあるだろ」

杏子「するめいかとか柿ピーとかチー鱈とか……」

マミ「おつまみみたいね」

ほむら「その…誰かとクリスマスパーティーなんて……あの…し、したこと…なかったから……」ゴニョゴニョ

マミ「仕方ないわよ、暁美さんは入院生活が長かったんでしょ?」

杏子「それにしたってよぉ」

マミ「嫌なら無理に食べなくていいのよ?佐倉さん以外で食べるわ」

杏子「……ほむら」

ほむら「何?」

杏子「すまん、ありがたく食わせて貰う」

ほむら「ありがとう…」

マミ「さてと、そろそろ準備に入りましょうか」

杏子「おっ、やっとかよ。待ちくたびれたぞ」

ほむら「何かするの?」

マミ「勿論、クリスマスケーキよ。お店みたいな本格的なのは無理だけど」

QB「とかいってずっと練習してたんだけどね、マミは」

マミ「ちょっとQB、余計なことは言わなくていいのよ!」

ほむら「言ってくれたら買い出しなんかも手伝ったのに……」

マミ「いいのよ、私の趣味みたいなものだから」

ほむら「今からでも何か手伝えないかしら?」

マミ「ありがとう…じゃあ、一緒に作りましょう」

杏子「頑張れよな~」

QB「君は手伝わないのかい」

杏子「あたしの戦場はここじゃねえ」

杏子「しっかし、さやかのやつ遅いな~…なにやってんだ」

ほむら「言ったでしょ、上条恭介のクリスマスコンサートよ」

杏子「んなこと言ってたっけ…あいつもよくやるよ、彼女でもないってのに」

ほむら「幼馴染だもの。まあ、二人で聞いてるはずだから気まずいことは気まずいんでしょうけど」

マミ「……志筑さんだったかしら?その人と一緒なの?」

ほむら「一体どういう心境で演奏を聴いてるのかしらね」

杏子「あいつ呪い振りまいて帰ってくるんじゃないか」

ほむら「ありうるわね……」

ピンポーン

マミ「あら、お客さんみたいね」

杏子「噂をすればなんとやら…か」

ガチャッ

さやか「きょうごぉぉ~~~~~~~~!!!」グズグズ

杏子「うわっ、なんて顔してんだ」

さやか「ぎょうずけがぁぁひどみどぉぉ~~」

杏子「分かったから入れ。遠慮すんなって」

ほむら「だからあなたの家じゃないでしょうに」

マミ「美樹さん大丈夫!?何かあったの!?」

さやか「ふぐぅぅぅぅひっく…ぇぅううう」グスン

杏子「いいから落ち着け」

杏子「ほら、裂きイカでも食うかい?」

さやか「なんでイカなのよぉ……」カミカミ

ほむら「悪かったわね」

さやか「落ち着いたから改めて突っ込むけどなんでイカなの?」

ほむら「それはいいから…何があったのか話さないの?」

さやか「はぁ……吹っ切れたと思ってたんだけどなぁ……」

杏子「ったく、いつまでも愚痴愚痴言ってんじゃねえよ。男の一人や二人でさ」

さやか「はいはい、どうせお子様の杏子ちゃんには分かりませんよーだ」

杏子「喧嘩売ってんのかてめぇ」

さやか「どっちが」

マミ「二人ともそこまでよ。こんな日くらい喧嘩はやめなさい」

杏子「分かってるよ」

さやか「あたしこれから世の中のカップルのこと割り箸って呼ぶわ」

ほむら「割れるのね……」

さやか「あっ、恭介と仁美は別ね?例えるなら……紐で繋がってるさい箸?」

ほむら「知らないわよ」

QB「それにしても、世の中はお祭りモードなハズなのに、今日はやけに瘴気が濃い気がするね」

ほむら「あら、原因なんて分かりきってるじゃない」ジー

さやか「……えっ、あたし?」

ほむら「というより、独り身で寂しいとか抜かしてる甘ちゃん達の怨念ね。くだらないわ」

さやか「あれ、あたしほむらにも喧嘩売られてるの?」

杏子「なんだよ、仕事があるならそう言えよ」スクッ

マミ「もう、ケーキまだできてないのに……」

さやか「いいっすよ気にしなくて。あたしと杏子でサクッと魔獣ども片付けてきちゃいますから」

杏子「そうだな。あたしにはそっちの方が性に合ってるし」

さやか「自分のつけは自分で払わないとね」タハハ

ほむら「いざとなったらすぐに私達を呼ぶのよ?」

さやか「心配御無用!ちょっくら行ってきますよっと!」

数時間後

ほむら「あとはクリームを塗るだけね」

マミ「えぇ、あと少しよ」

ほむら「何かトッピングとかしないの?」

マミ「イチゴとクリスマス用のチョコプレート、それにサンタさんの砂糖菓子」

ほむら「いつも思うんですけど、ケーキの上のサンタって邪魔じゃないですか?」

マミ「そうかしら?可愛いじゃない」

ほむら「見た目の問題じゃなくて食べる時の話よ」

マミ「そうねぇ、確かに甘過ぎて一人で食べる時には残しちゃうわね」

ほむら「一人でホールを…?」

マミ「どうしてそこに突っ込むのかしら…?流石に一人でホールを食べたことはないわよ」

ほむら「まあ、どうせ杏子あたりが食べるでしょうね」

マミ「そうね」

ピンポーン ガチャッ

さやか「ただいマンモス~」

杏子「寒っ」

さやか「確かに外寒かったね~」

杏子「いやお前だよ」

さやか「あれかな?やっぱり杏子君は私に喧嘩売ってるのかな?」

マミ「おかえりなさい二人とも。平気だった?」

さやか「余裕っスよ!それに若干スッキリしましたし」

杏子「おっ、うまそうな匂い…もうできたのか?」

ほむら「これから最後の仕上げよ」

さやか「いい匂い……ケーキってさ、あたしも自分家で作ったことあるんだけどうまくいかないんだよね~」

マミ「なら、今度教えてあげましょうか?」

さやか「やった!やっぱり乙女としてはケーキくらい作れないとね~」

ほむら「そうね、乙女として作れなかったから上条恭介に――」

さやか「それ以上言ったら流石のさやかちゃんも怒っちゃうよ?」

マミ「と、いうわけで……」

「メリークリスマ―――ス!!!」

杏子「サンタもーらい!」ヒョイッ

さやか「杏子ズルイ!あたしもサンタ欲しいのに!」

杏子「早いもん勝ちなんだよこう言うのはさ」

さやか「ぬぬぅ~、今日はいつにも増して腹立たしい……」

マミ「ほら、ケーキ切り分けたわよ」

ほむら「はむっ……うん、おいしいですマミさん」

杏子「どれどれ」パクッ

杏子「おお~!確かにうまい!」

さやか「めっちゃうまっスよ!」モグモグ

マミ「ありがとう…よかったわね暁美さん、一緒に作った甲斐があったわね!」

ほむら「えぇ……こういうの初めてですけど…楽しいです」

マミ「四人でこういう風に楽しめるなんて、あの頃は夢にも思ってなかったものね…」

ほむら「本当に……そうですね」

さやか「はぁ~、昔は良かったなぁ」

杏子「なんだよ藪から棒に」モグモグ

さやか「だってさ、昔はいちいちやれ恋人がどうの独り身がどうのとか言わずに、ただただサンタさんが来てくれるのを楽しみにしてたわけよ」

さやか「あの頃のあたし、なんて純粋だったのかなぁ…ってさ」

マミ「それが大人になるっていうことね、きっと」

杏子「あたしもプレゼントは楽しみにしてたな……大したもんじゃなかったけど、それでも朝起きてそこにあると舞い上がっちまったよ」

さやか「杏子にもそんな時代があったはずなのにねえ」

杏子「サンタなんて今は信じてないけどよ」

さやか「流石にこの年で信じてる人なんかいないっしょ~」

ほむら「あら、いるわよ」

四人「……」

ほむら「何かしら?」

さやか「ごめんほむら。あたしの耳には届いたんだけど心には届かなかったみたいなんだ……もっぺんゆって?」

ほむら「サンタはいるわよ」

QB「……どうしたんだい暁美ほむら、疲れてるのかい?」

マミ「暁美さん、体調が悪いのなら言ってくれてもよかったのに」

杏子「こりゃ天然記念物だな」

ほむら「ちょっと、何がおかしいのよ!」

さやか「いいかいほむらちゃん」

ほむら「どうしたの急に」

さやか「残酷かもしれないけどね…サンタさんはね……君のお父さんとお母さんなのだよっ!!」ビシィッ

ほむら「……あぁ、そういう説もあるわね」

さやか「説!?」

マミ「……そっか!暁美さん、プレゼント交換を早くしたかったのね?」

さやか「なるほど!全く、恥ずかしがり屋なんだからほむらぁ~」ツンツン

ほむら「待ってよ。プレゼントはサンタから貰うものっていうのは普通じゃないの?」

杏子「落ち着けほむら。ほら、あたしだって頑張ってプレゼント交換用にプレゼント探してきたんだぞ?」

ほむら「私は落ち着いてるわよ?ッて言うか杏子、それどうやって手に入れたの」

マミ「私の家でアルバイトよ」ニコッ

杏子「おいバラすなよ!……まあ、そういうこった…」カァ

ほむら「そうだったのね……確かに、プレゼント交換は確かに友達同士でやるもの(と聞いているわ)ね」

ほむら「でも、私が言いたいのはそれとは別よ」

ほむら「いい?私の知っているサンタ・クロースというのは――」

・クリスマスの夜、恵まれない子供たちへプレゼントを配って回るのが仕事

・招待されないとその家へ入れない

・流れる水を渡れない

・朝日を浴びると灰になるのでその日のうちに仕事を終わらせる

ほむら「こんな感じよ」

さやか「何そのご飯の代わりに血でも吸ってそうなサンタは」

ほむら「確かに後半は唯の噂よ」

ほむら「他にも、時間を止めることができるから一日で仕事ができるという説もあったけれど、流石にそれは信じていないわ」

杏子「いやいや、まだそれだけの方が信憑性あるっていうか」

ほむら「何より私、昔サンタを見たことあるもの」

さやか「もうやめてほむら…私そんなほむほむ見たくない」ブワッ

ほむら「その名前で呼ばないでって言ってるでしょう!」

ほむら「あれは私が8歳の頃だったわ」

マミ「語り出してしまったわ……」

さやか「マミさん、今は静かに事の成り行きを見守りましょう……」

~~~~~~~~~~

当時から私は病弱で、病院でクリスマスを過ごすことも初めてじゃなかった

その年は特に病状が悪化して、私にとっては嫌な一年だったわ

だから私はサンタさんにお願いしたの

ほむら「私の病気がよくなりますように」

サンタさんが入ってこれるように寒かったけれど窓も開けて置いたわ

本気で凍え死ぬかと思ったけれど、サンタさんが来てくれることを信じて私はいつの間にか眠ってしまっていたの

ふと物音がして私は目を覚ました

ほむら「んっ…誰…?」

サンタ「うむ、ワシは……サンタじゃ!!」ドーン

ほむら「サンタ…さん?」

サンタ「君へのプレゼントは、そうじゃな……病気を少し良くしてやろう!」

ほむら「ほんとですか!?」

サンタ「食らえッ!サンタの光をッ!!」ズァアア

シューーン

しゅぅぅぅぅぅぅぅ

ぽん

サンタ「これでしばらく君は元気じゃ!あまり長いこと持つ物ではないがの!」

サンタ「それでは!ワシはまだ他にも回らんといかんのでこれにて……さらばじゃッ!!」

ほむら「サンタさん……!」

翌朝、私の病気は本当に良くなっていたの

~~~~~~~~~~


ほむら「――ということがあったのよ」

ほむら「それから2カ月ほどは今までが信じられないくらい健康体だったわ」

さやか「ほむら…辛い病院生活を楽しく乗り切ろうとして、そんな妄想を……」ブワッ

杏子「あんたも大変だったんだな」グスッ

ほむら「……まだ理解してもらえないのかしら?」

マミ「流石にそれだけでサンタさんの存在を信じろと言われてもね……私の家には来てくれなかったわよ?」

ほむら「それはマミさんが招待していなかったからじゃないかしら?窓を開けるなりして招待しないと、サンタは入ってこれないわよ」

マミ「そこ結構重要なのね」

QB「ほむら。僕は長年この星にいるけれど、そんな話は聞いたことがないよ」

ほむら「はぁ……分かったわ。そんなに言うなら、今日サンタを捕まえましょう」

四人「……え?」

ほむら「今年の私は間違いなく恵まれていなかったわ」

杏子「そうだっけ?」

さやか「あたしなんか幼馴染に振られて友達に恋人になられちゃってるんだけど?」

ほむら「私がこの一年のうちの一カ月を何回繰り返したと思ってるの?」

マミ「そういえば、昔そんな話をしてもらったわね」

QB「あんなの、君の夢物語と区別がつかないじゃないか」

さやか「あたしはなんとなく信じてるけどね。あのほむらがちゃんと自分のこと話してくれたのは、あれが初めてだったし」

ほむら「……今の生活は好きよ。でも、やっぱり私の隣にいて欲しい人が、今はいないの」

ほむら「不幸だとは思わないわ……本当に恵まれていると言ったら、きっとそれは嘘になってしまう」

杏子「分かった分かった…どうせここにいる全員暇なんだし、付き合ってやろうじゃん」

マミ「なら、暁美さんがサンタさんを招待すれば、あなたの家に現れるのかしら…?」

ほむら「おそらくね」

さやか「ま、なんか面白そうだからあたしも付き合ったげるよ!」

マミ「そうね、暁美さんがこんな話を冗談でするイメージないもの…何か訳があるのよね」

ほむら「みんな……ありがとう!必ず捕まえましょう!」

杏子「捕まえて見たら、ただの変態のおっさんだったりしてな!」

マミ「やめてよ佐倉さん!本当に入ってきたらどうするのよ」

さやか「そんときは全員でボッコボコにしてやりますよ!魔法少女舐めんなって感じです!」

杏子「さ、話はこんくらいにして、そろそろプレゼント交換やろうぜ!」

さやか「なぁんだ、一番楽しみにしてたのはあんただったんじゃん」プププ

杏子「う、うっせーよ!」///

ほむら「ふふ……楽しみね」


QB(わざわざ捕まえなくても、プレゼント置いて行ってもらえばそれで済むような気もするけど…まあ、言わないでおくか)

深夜、ほむらの家

カチッ コチッ カチッ

スッ ストッ

サンタ「……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

サンタ「……」キョロキョロ

サンタ「!!」

ほむら「……」

さやか「捕まえろーーー!!!」

杏子「おりゃーーー!!!」

マミ「リボンで縛り上げてあげるわ!!!」

シュルシュル キュッ

サンタ「な、なんじゃこりゃあ!?」

杏子「おぉ、ほんとに変態のおっさんが捕まったな」

さやか「サンタの格好しておなごの家に忍び込むとは…この変態がっ!!」

サンタ「なんじゃキサマラ!?」

ほむら「落ち着いて下さい…私達は危害を加えるつもりはありませんので」キッ

マミ「もう半分加えてるような気もするけれど……」

サンタ「ムムッ!娘……何度か見覚えがあるぞ……一度病院で治してやったかな…?」

ほむら「えぇ、その通りですサンタさん」

さやか「ほむらのことを知ってる!?本物かな?」ヒソヒソ

杏子「待て、ただのストーカーの可能性もあるぞ」ヒソヒソ

サンタ「懐かしいわい…どうやら体の調子も良くなった様で安心じゃな」

ほむら「その節はありがとうございました」ペコリ

サンタ「それで、わざわざワシを縛りあげてまで一体何の用かな…?」

ほむら「はい、一つはあなたの存在を証明したかったということです」

サンタ「ワシの?」

ほむら「彼女達はまだあなたの存在を信じていない、純真な少女だったようなのです」

さやか「普通信じてる方が純真じゃないかな?」

マミ「そうかもしれないわね……」

サンタ「なるほど…まあ、これでワシがいるということが分かって貰えたかな?」キリッ

杏子「まだ変態ストーカーのおっさんかもしれねえだろ…そうじゃねえって証拠を見せて貰わねえとな」

サンタ「ん?そっちの娘も何度か見たことあるな……」

杏子「あたし?」

サンタ「あれは去年とその前の年じゃったか…家亡き子となり一人寂しい中、ワシへの手紙を書いて眠っていたお主!」

杏子「てめぇなんでそれを知ってやがる!?」

さやか「杏子可愛い~」

マミ「暁美さんのこと言えないわよね」

杏子「うるせえ!!」カァー

サンタ「ワシは差し入れとして食べ物を与えてやったことがあるの」

杏子「あっ!そういや朝起きたら盗んでもない弁当とカップ麺が置いてあったことがあった気が……」

さやか「なんか、サンタの割にせこいですね」

サンタ「それは違うぞ嬢ちゃんよ。生ものを与えてしまえば調理用具を持たないその娘には扱えぬ!すぐに食べられるものを与えてやるのがワシの成すべきことじゃったのじゃ!!!」

杏子「ぐぬぅ、マジに本物なのか……?」

サンタ「それで、二つ目の理由があるのかな?」

ほむら「勿論、私のお願いを聞いて欲しいということなんです」

マミ「そういえば、暁美さんのお願いってなんなのかしら?」

サンタ「ふっふっふ、言わずとも分かるぞ……お主の願いはこれじゃッ!!」

サンタ「食らえッ!サンタの光をッ!!」ズァアア

ビビーーーーー

しゅぅぅぅぅぅぅ

ぽん


まどか「…………?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

まどか「――――~~~ッ!?!?!?」

サンタ「クフゥ…流石に神様を具現化するのにはかなりのパワーを使ってしもたわい……」ゼェハァ

ほむら「何をしているのマミさん!早くリボンをほどいてあげて!!」

マミ「!え、えぇ……」シュルシュル

杏子「どういうことだおい……」

杏子「この寒いのに半袖だぞ!」

さやか「うん、そこじゃない」ビシッ

さやか「え、誰?なんなのこの子?」

サンタ「君の描いたクリスマスを過ごしたいという願い……違ったかな?」

ほむら「ありがとうございますサンタさん!!」

まどか「あれ?何ここ?何処なの?なんで私こんなところにいるの?」

まどか「あれ、さやかちゃんにほむらちゃんにマミさんに杏子ちゃんも……何がどうなってるの?」

さやか「あたしらの名前を知ってる…だと…?」ゴクリ

マミ「どこかで会ったことあったのかしら?」

ほむら「うぅぅっ…まどかぁ……」グスン

杏子「おい、どうなってんだほむら!説明しろ!」

サンタ「良かったのぉ…じゃが残念ながら永遠ではないぞ?」

サンタ「謎のサンタパワーをそこにいた神様に注入して、その効力でその姿を保っておる」

サンタ「じゃがその力を使い切ると元に戻ってしまう……多分1~2カ月は保つじゃろうから、その間楽しい時を過ごすがよい」

ほむら「それでもいいの……ありがとうございます」グズッ

まどか「サンタさん……」

サンタ「すまんの嬢ちゃん。ワシの仕事は子供たちの幸せを叶えることなんじゃ……」

まどか「分かっています…でも、こんなやり方――」

さやか「ねえサンタさん!!私の願いも叶えてくれない!?私も今年一年不幸だったよ!?」

サンタ「君の不幸っぷりでは少し足りんのう…来年出直しなさいッ!」ズビシィッ

さやか「何それ不公平だよ!」

サンタ「それでは!ワシはまだ他にも回らんといかんのでこれにて……また会おうぞッ!!」 シュイン

杏子「消えた!?瞬間移動か!?」

マミ「きっと時間を止めて、その隙に移動したんじゃないかしら?」

さやか「もう!なんなのよ!」ジダンダ

ほむら「ま、まどか……」

まどか「……久しぶりだね、ほむらちゃん」

ほむら「ごめんなさい…あなたのことを考えていたら、どうしても……」

まどか「うぅん、いいんだよ…ありがとうほむらちゃん」ニコッ

ほむら「まどかぁ……」グスッ

さやか「あの~、何やら盛り上がってるところ悪いんだけど」

マミ「どういうことなのか説明してもらえないかしら?」

杏子「てめえ何もんだ?」

まどか「初めまして、私鹿目まどか」

まどか「円環の理の神様をやってます」

さやか「円環の理の…?」

マミ「もしかして、ソウルジェムが濁りきった時、私達が導かれるときに現れるという噂の?」

まどか「そうですよマミさん…魔法少女が絶望に負けないようにいるのが私なんです」

???「ジャスト一分じゃ。」

ほむら「えっ?」

パリーンッ!

サタン「ふぉっふぇっふぉ、悪夢は見れたかの?」

ほむら「ゆ、悪夢?」

マミ「暁美さんが言ってたのはあなたのことだったのね」

杏子「待ってくれよ…サンタだけでも混乱してんのに、急に現れたあんたはさらに神様だと?意味不明すぎる」

まどか「そうだよね、急にこんなこと言われても普通は信じられないよね」

さやか「正直サンタがいた時点で、もうなんでもありな気もするけど…確かに「はいそうですか」とはいかないよね~」

まどか「うーん……それじゃあ、みんなの素敵な思い出を語ってあげようかな?」ニコッ

マミ「思い出?」

まどか「私にはあったかもしれない過去もこれから起こる未来も…全てのものが見えているんです」

まどか「それで信じてくれるかな?杏子ちゃん」

杏子「素敵な、って部分がもう嫌な予感しかしないんだが……」

マミの家

さやか「というわけで恒例!『クリスマス特別企画!神様によるみんなの恥ずかしい過去でも暴露しちゃうよ!』のコーナー!!」イエーイ

杏子「んー、待て待て待て待て……」

杏子「いつ恥ずかしい過去になった!?」キリキリ

さやか「ちょ、やめ…く、苦しい……」ギブギブ

マミ「美樹さんが、『せっかくのクリスマスだし楽しい方がいいよね!?神様もそう思いますよね!?』って言いだしたからよ」

まどか「私は本当に普通の思い出話で終わらせるつもりだったんだけどね」

まどか「さやかちゃんがどうしてもって言うから……」

ほむら「まどか、無理にさやかに合わせる必要はないわよ?」

杏子「っていうか、クリスマスもう終わってんじゃねえか!」

マミ「あら、いつの間にか零時過ぎていたのね」

さやか「いい?私だって恥ずかしい過去なんか晒されたくないわけよ?でもそこの神様…まどかって言ったっけ?」

さやか「まどかがもし本当に私の親友だったのなら、私の意図に気付けるはず…!」

さやか「それでこそ、初めて信憑性が出てくるというものではなかろうか!?」

杏子「はい、本音は~?」

さやか「みんなの面白い話聞きた~い」

杏子「おいマミ、こいつ追い出さないか」

マミ「まあまあ佐倉さん、落ち着いて……」

さやか「待って!今のなし!嘘だから!」

ほむら「まどか、さやかのから言ってあげなさい」

さやか「ほむらさん!?」

まどか「それじゃあ、さやかちゃんのために…私、言うね!」

さやか「あ―なんか私の意図が伝わってない気がする」

まどか「――ってことがあったよね?」

さやか「///」プルプル

マミ「美樹さん……」

杏子「あー…な?もうやめないか?」

ほむら「これ以上被害を増やさない方が賢明だと思うの」

さやか「うるさい!なんで私だけこんな目に遭わなきゃいけないわけ!?」

杏子「うん、さやかが言い出しことだろ」

さやか「こうなったらみんなの話聞くまでは終われないよ!!」

まどか「ねえさやかちゃん」

さやか「何さ神様!?」

まどか「本当はあれより恥ずかしい話があったんだよね?」

さやか「!まどかぁっ!!」ダキッ

まどか「よしよーし」ナデナデ

杏子「さやか、お前あれよりひどい話があるのか……」

さやか「ありがとうまどか!やっぱり私の心の友だね!!」

まどか「まだ信じてもらえてないと思うんですけど、私はみんなのことよく知ってます」

杏子「あぁ、それはなんとなく分かったよ」

まどか「だから、その…本当は今とっても嬉しいんです!」

マミ「ありがとう鹿目さん…ごめんなさいね、私達は全然あなたのことを覚えてないのに……」

まどか「いいんです…マミさんが背中を押してくれたんですよ」

マミ「私が?」

まどか「今度その話もしてあげますね」ティヒヒ

さやか「今日はサンタにも会えたし神様にも会えたしめでたい日だよ!どうせ明日も冬休みなんだし、今日はオールナイト決定ね!!」

ほむら「……えぇ」

さやか「さては、ほむほむはオール初めてだな~?」

ほむら「そ、そうよ…悪いかしら?」プイッ

さやか「盛り上がっちゃいますよぉ!」イエーイ

マミ「美樹さん、ここマンションだから少し静かに……」

ドンドン

ガミガミ

ペコペコ

バタン

さやか「……えぇーっと……怒られました」

杏子「ふぁぁ~…あのおっさん話長ぇよ……ったく、興が冷めちまった」

マミ「だから言ったのに…まあ、早めに注意できなかった私が悪かったわね」

まどか「ごめんなさい……」

マミ「鹿目さんのせいじゃないわよ」

杏子「なぁ、まだやるのか?」

さやか「流石に怒られちゃったらねぇ……まどか、悪いんだけど今日はやめちゃう?」

まどか「そうだね……ほむらちゃんも、ほら」

ほむら「……」コックリ

マミ「ふふっ、今日一日で色々あって疲れちゃったのかしらね」

杏子「あのおっさんの話が長いせいだろ。あたしもあれで一気に眠くなったしなぁ」

さやか「ところでマミさん、あたし親に友達の家に泊まるって言っちゃったんですけど……今晩泊めてもらえませんか?」

杏子「今聞くのかよ」

マミ「勿論、私はいいわよ。でも、お布団足りるかしら…?」

ほむら「私も!泊まります!」

まどか「大丈夫ほむらちゃん?」

ほむら「ごめんなさい、ちょっとウトウトしてて……」

マミ「じゃあ、みんなで泊まっていきなさい」

ほむら「お世話になります」

まどか「……ありがとうございますマミさん」

マミ「神様にお礼言われるなんて、なんだか恥ずかしいわね」

まどか「ティヒヒ、そうですか?」

杏子「あたし炬燵でいいから気にすんなー」イソイソ

さやか「やめなって、死ぬよ?」

杏子「魔法少女が簡単に死ぬかよ……じゃ」

さやか「こやつめ…こんな時ばっかり魔法少女っての利用して」

マミ「ごめんなさい、お布団が2枚しかないみたいなの。私はソファで何か被って寝るから、三人でうまく使ってくれない?」

さやか「ありがとうございまーす」

まどか「私いらないから、二人が使って?」

ほむら「でも、そんなのまどかに悪いわ」

まどか「大丈夫だよ!私神様だから!」

さやか「何その自信…せっかくだから入りなよ?むしろまどかが一枚使ってあたしとほむらで一枚にするのに」

まどか「でも……」

さやか「そしてほむらは、私と濃厚な夜を語り合おうではないかぁ!」グヘヘ

ほむら「さやか、変態のおっさんっぽいわよ」

さやか「サンタより?」

ほむら「断然」

まどか「ありがとう…私は布団の境目で大丈夫だよ」

さやか「謙虚だなぁ…ま、とりあえず敷きますかっとね」

カチッ コチッ カチッ

まどか「……ねえ、誰か起きてる?」

カチッ コチッ カチッ

まどか「私、みんなとお話しができて本当は凄く嬉しいの」

まどか「でもね、私はここにいちゃ駄目な存在なの……だって、神様だもん」

まどか「いつか逢えるのかなって思ってたのが、こんな状態でなんて思ってもみなかったの」

まどか「みんなとは違う世界を生きて……うぅん、生きてすらいない」

まどか「お布団の温かさなんてもう忘れてたのにね」

まどか「そんな私がここにいる意味……私はまだ分からない」

まどか「……何言ってるんだろう私」

まどか「こんな私でも眠れる…のかな」

カチッ

コチッ

カチッ

翌朝

さやか「朝もはよからおはよーございまーす!ってさぶっ何これ寒っ!!」

マミ「あら、おはよう美樹さん」

まどか「おはようさやかちゃん」

さやか「おはようでーすマミさんまどか~…ふぁ~」コスコス

マミ「簡単な朝ごはん用居するから、待っててね?」

さやか「ありがとでーす」

杏子「んぐ~……あ~……体が固ぇ気がする……そして寒い!」

さやか「起きたの杏子?言ってくれたらみんなで寝たのに」

杏子「いいんだよ別に」コスコス

さやか「ほーむらー」ペチペチ

ほむら「んっ……」モゾモゾ

まどか「もう少し寝かせてあげる?」

さやか「やれやれ、意外とほむらってだらしないんだね」

朝食後

ほむら「目が覚めたわ」キリッ

さやか「そりゃあシャワー浴びたら誰だってね~」

杏子「で、どうすんだ?」

さやか「何が?」

杏子「神様だよ…まどかだっけ?あんた家あんのか?」

まどか「あるにはあるんだけど……ないと言えばない、かな」

杏子「なんだそりゃ」

マミ「なら、しばらくは暁美さんの家に泊まるのかしら?」

ほむら「うち、ですか?」

マミ「暁美さんの願いが叶ったおかげなんですもの」

さやか「当然じゃないかな?うちは親いるし」

杏子「あたしはマミんとこの居候だし」

ほむら「じゃあ、あの…まどかがいいなら……」モジリモジリ

まどか「うん!よろしくね、ほむらちゃん!」

ほむらの家

まどか「お邪魔しまーす」

ほむら「ごめんなさい、すぐ片付けるわね」

まどか「気にしなくてもいいんだよ」

ほむら「そうはいかないわ」ゴソゴソ

QB「へぇ、珍しい客が来てるみたいだね。暁美ほむら」

まどか「あは、QB久しぶりだね」

ほむら「まどか、QBが見えるの?」

QB「僕を知ってるみたいだね」

まどか「勿論だよ」

QB「君は本当に不思議だね。魔法少女のようで魔法少女ではない存在…ただの人間のようにも見えるけれど」

まどか「私はね、神様だよ」

QB「……暁美ほむら、今日は四月一日だっけ?」

ほむら「何言ってるのQB。昨日あれだけクリスマスで騒いだじゃない」

QB「あぁ、うん、そうだよね。神様とか言われて一瞬わけが分からなかっただけなんだ」

まどか「そういえば、ある意味QBのおかげなんだよね。ありがとうQB!」

QB「何の話か分からないよ」

まどか「――というわけなんだよ」

QB「なるほど。円環の理だとかサンタだとか色々と気になるところはあるけど、どうやら現実のようだね」

ほむら「それで、何か用かしら?」

QB「別に用というか、様子を身に来ただけなんだけど」

まどか「そうなの?」

ほむら「どうかしら、QBも一緒にいてくれない?」

QB「どうしてだい?」

ほむら「その……二人きりだと、あの……」

ほむら「上手く話せそうにない、から」カァ

まどか「ほむらちゃんったら…」

マミの家

杏子「ふぅー、すっきりしたなー」

マミ「ようやく片付いたわね」

杏子「ところでさ、マミはどう思ってるわけ?実際のところ」

マミ「鹿目さんのこと?」

杏子「昨日の話、聞いてたくせに」

マミ「あら、ばれちゃってた?」

杏子「あいつがここにいる意味…難しいこと考え過ぎなだけだと思うんだけどなあ」

マミ「そうねぇ…鹿目さんも混乱してるんだもの。今は答えを見つけられなくても仕方ないわよ」

杏子「神様って大変なんだな」

マミ「鹿目さんが特別なだけだと思うけれど」

翌日

ほむら「……」ジリッ

まどか「……」ススッ

ほむら「まどか、何も難しいことを言ってるわけじゃないのよ?」

まどか「言ってるよ。十分難しいことだよ!」

ほむら「いいから…行きましょうまどか」

まどか「無理!無理だよほむらちゃん!」

QB「鹿目まどか、君がそこまで拒む理由が僕には理解できないなあ」

まどか「無理のムリムリだよ!」

まどか「今更ママやパパに会うなんて!」

ほむら「まどか、挨拶をしようという訳ではないのよ?きっとまどかが神様だなんて言っても信じてもらえる筈はないもの」

ほむら「でも、それでいいとは思わないでしょ?」

まどか「そんなこと、ないよ……私は今のままでも、ほむらちゃん達と一緒にいられるだけで十分だよ」

QB「君は今その家族とは赤の他人なんだろう?だったら、すれ違いざまに挨拶するぐらいどうってことないんじゃないかな?」

まどか「だって……」

ほむら「もうっ…分かったわ、今日のところは諦めましょう」

まどか「明日でも嫌だよ!」

翌日

まどか「さやかちゃんから呼びだし?何か用があるの?」

ほむら「そうよ…まあ、行けば分かるわ」

さやか「おはよーほむら!まどか!」

ほむら「おはよう」

まどか「おはようさやかちゃん」

仁美「おはようございますほむらさん、それと初めまして」

まどか「――ッ!?」

仁美「わたくし志筑仁美と申します」

まどか「あ、あの、えっと」ポカーン

さやか(計画通り)ニヤリ

まどか『さやかちゃんどういうことなの!?』

さやか『いやぁ、ほむらに相談されちゃってね』

さやか『私の親友だったということはそれ即ち!仁美とも友達だったということ!』

ほむら『いきなり家族に会うよりは話しやすいんじゃないかしら?』

まどか『だからって……』

仁美「?あの…」

まどか「あ、ごめんなさい!鹿目まどかです!」ペコリ

仁美「ほむらさんの従妹、で良かったのかしら?」

ほむら「そうよ」

まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「よーし!今日はみんなで遊びまくるよー!」

仁美「久しぶりですわね」

ほむら「いいわね」

まどか「全然よくないよぉ……」

さやか『さーてここでまどか様に問題です』

まどか『?』

さやか『私達が遊ぶ時はどこに行って遊んでいたのですか?』

まどか『さやかちゃん、それ問題じゃなくて質問だよ……もう』

まどか「最初は買い物だよね!」

さやか「んじゃあ適当にぶらつこう!」

まどか「行こっ、仁美ちゃん!」

仁美「!え、えぇ」

さやか「おぉーこの服可愛い~」

仁美「いいですわね」

さやか「仁美にはこっちのエロエロなやつが似合うと思うなー」ニヒヒ

仁美「もう!からかわないでください!」

まどか(この服いいかも…でも、私が買っても……)

ほむら「どうまどか?」

まどか「うん、楽しいけど……ほむらちゃん、これ似合うんじゃないかな?」

ほむら「え!?派手すぎないかしら…?」

まどか「そんなことないよ?」ティヒヒ

ほむら(これでまどかのお母さん達に会ってくれるといいのだけれど……)

それから――

さやか「はっはっはー!さやかちゃんの華麗なボウリング捌きを見るがいい!!フゥハハハー!!!」

まどか「さやかちゃん頑張って!」


ほむら「なんて強敵なのかしら……」

仁美「うぅっ……買える物なら買いますのに……」

さやか「二人ともUFOキャッチャー苦手なんだね?はっはっはー!ならば!さやかちゃんの華麗なボタン捌きを身見――」


夕方

さやか「はー!今日は楽しかったねー」

まどか「今日はありがとうさやかちゃん、ほむらちゃん、仁美ちゃん」

仁美「はい!とても楽しかったです!」

まどか「仁美ちゃん、これあげるね」

仁美「これは…?」

まどか「私達の友情の証…かな?なんてね」ニコッ

仁美「えぇ、ありがとうございます」

ほむら「まどか……」

さやか「……さ、帰ろっか」

まどか「うん……またね、仁美ちゃん」

仁美「はい…さようならまどかさん」


ほむら「今日はどうだったまどか?」

まどか「うん、楽しかったよ……」

ほむら「そう?良かった…」ホッ

まどか「……でもママ達に会うかはまた別だよね」

ほむら「あれ?」

大晦日、マミの家

マミ「いらっしゃい」

まどか「お久しぶりですマミさん」

ほむら「みんな来てるのね」

さやか「よく来たよく来たー!さあさあ炬燵に入りたまえ!」ガバッ

杏子「おいやめろ、熱気が逃げる」

まどか「杏子ちゃん久しぶり」

杏子「よお。元気そうだな」

まどか「うん、なんとかね」

ほむら『結局ご両親には会わなかったのよ』

マミ『そうなの?鹿目さん大丈夫かしら……』

杏子「ま、こうやって集まっても正直やることねーよなー」ヌクヌク

さやか「何を言ってるのさ杏子、集まることに意義があるのだよ意義が」ヌクヌク

杏子「どんなだよ」

さやか「意味なんかないんだよ~」

杏子「どっちだよ」

まどか「こういうの初めて」ヌクヌク

ほむら「私もよ」ヌクヌク

マミ「今年はいろいろあったわね」ヌクヌク

ほむら「マミさんはこれからが勝負なんじゃないんですか?」

マミ「うっ…それはそうなんだけどね……」

ほむら「本当にいろいろあったわね……」

さやか「そうだねー。そのほむらが頑張ってたおかげでここ最近面白かったねー」

杏子「サンタとかなー」

まどか「さやかちゃん、その言い方は失礼だよ」

マミ「本当にいろいろあったわね」

正月

さやか「あけましておめでとう!」

マミ「おめでとうみんな」

杏子「おー、似合ってんじゃん」

ほむら「そう、かな……変じゃないかしら?」

まどか「ほむらちゃん着物似合ってるよ」

ほむら「うー…」///

さやか「じゃ、全員揃ったところで初詣行きますかー」

神社

\ワイワイガヤガヤ/ \ジャマダオラー/ \コミスギワロタ/ \セイッ/ \メガッ/

杏子「うぜー…誰か蹴散らせよこいつら」

さやか「マミさん、ここはティロ・フィナ」

マミ「美樹さん、今忙しいから余計な突っ込みさせないでね?」

まどか「――っ!!」ススッ

さやか「まどか?」

ほむら「!まどか、あそこにいるのあなたのご両親じゃないの?」

まどか「……」プイッ

マミ「鹿目さん、どうするつもり?」

まどか「今は、まだです」

杏子「あんま言うつもりはないけどさ…逃げんなよな」

まどか「……逃げなんかじゃ、ないよ」

さやか「うおーー!人多すぎ!!どいたどいた!!」

さやか「ほら行くよまどか!」グイグイ

まどか「ちょ、さやかちゃん引っ張らないでよ!」

さやか「っしゃー!最前列着いた!ほら、願い事して」

まどか「私なんかが願い事なんて……」

さやか「何言ってんの!私達魔法少女は、きっとみんなまどかに感謝してるんだよ」

さやか「いろんな希望になってるまどかが一個ぐらい何か願ってもバチは当たらないよ!っていうか、神様には当たらないんじゃない?」

まどか「あはは…そうだね」

さやか「ん?むしろ神様であるまどかに願えばいいのか…?」パンパン

まどか「もう、そんなんじゃないってば~」

ほむら「早すぎよさやか」グイグイ

さやか「マミさん達は?」

ほむら「人込みをかき分けるなんてルール違反だわ、と言って杏子と並んでるわよ」

さやか「律儀だなー」

まどか「さやかちゃんが反則したんだよ?」

さやか「何さ、だったらほむらだってそうじゃん」

ほむら「私は五人でお参りしたかったのに……」

さやか「うっ…なんか凄い悪いことした気分……」

まどか「さ、ほむらちゃん手を合わせよ?」

ほむら「えぇ」

ジャランジャラーン

パンッ パンッ

それから――

マミ「お待たせ」

さやか「遅いっすよー」

杏子「さやかがせこいだけだろ」

マミ「暁美さんと鹿目さんは?」

さやか「ついに勇気を出したみたいなんですよ、ほむら付きですけどね」

杏子「あー、ようやく行ったのか」

マミ「頑張って、鹿目さん」

タツヤ「おうちかえるー」グズグズ

知久「そうだなー、こんなに混んでるとは思わなかったしね」

詢子「あ―もうイラつくなーこんな奴ら根こそぎ蹴散らしていきゃいいのにさー」

知久「ははっ、ママは相変わらずだな」

ほむら「あの、ちょっといいですか」

詢子「ん?誰だっけあんた?どこかで会ったような……」

タツヤ「まろかーまろかー!」

詢子「そうだ思い出した!いつだったか河原で一緒に話した子だよね?うわー元気だったかー?」

ほむら「はい、おかげさまで」

タツヤ「ねーちゃ、まろかー」

知久「おや、そっちの子は……初めましてかな?」

まどか「…………初めまして」

詢子「うん、初めまして」

まどか「私、まどかと言います」

タツヤ「まろかー!」

詢子「へー、君まどかって言うんだ!偶然だなー、タツヤがさ…あぁ、タツヤってこの子ね?」

まどか「はい……」

詢子「ちょっと前まで『まどか』って子が気になってたみたいでさ」

詢子「そういえば、タツヤの描いてた絵にちょっと雰囲気似てるねー」

まどか「そう、なんですか……ありがとうございます」ニコッ

知久「ママ、結構空いてきたよ」

詢子「お、チャーンス…じゃね、二人とも。また機会があったらタツヤと遊んでやってよ」

タツヤ「ばいばーい」フリフリ

まどか「ばいばい」

まどか「ママ、パパ、タッくん……」

ほむら「……どうだった、まどか?」

まどか「うん、少しスッキリした…かな」

まどか「覚えてもらえてないのは分かってたし、三人と話せただけでも充分嬉しかったよ」

ほむら「そう…ありがとうまどか」

まどか「お礼を言うのはこっちだよ?ほむらちゃんのおかげで、またみんなと話すことができたんだもん」

まどか「改めて、ありがとうほむらちゃん」

ほむら「……うん、どういたしまして」


さやか「お二人さーん、そろそろあたしらも帰るよー」

杏子「マミ、たいやき買って帰ろう」

マミ「いいわよ」


ほむら「行きましょう、まどか」スッ

まどか「行こう、ほむらちゃん」ギュッ

それから――


さやか「学校めんどくさー」

ほむら「まどか、合鍵を渡しておくわね」

まどか「頑張ってね」


日々は少しずつ過ぎて行き――

マミ「水平リーベ―サインコサイン墾田永年私財法アルティマシュートいとおかし……」ブツブツ

杏子「大変そうだな~」


それぞれの思いを胸に――


杏子「なんかヤバそうだから出てきちゃった」

QB「まあ、マミは追い込みの時期だからね。仕方ないさ」


まどかがこの世に具現化してから一カ月ほどの時が過ぎた――!!!


ほむら「だからってうちに来るの?」

杏子「他に行くとこねーし」

まどか「賑やかだね」ティヒヒ

ほむら「でね――」

ほむら「結局推薦で何とかなりそうなのよ」モグモグ

杏子「ふーん」モグモグ

まどか「まあ、私知ってたんだけどね」モシャモシャ

杏子「なんだよ、知ってたんなら教えてやればいいのに」モグモグ

まどか「でも、マミさん油断したら結構危ないから」モシャモシャ

ほむら「確かに……」ズズー

まどか「あ、身体が……」スゥ

杏子「知ってたらあたしマミんとこにいたのによー」モグモグ

ほむら「うちがこんなに賑やかになるなんて思ってもみなかったわ」

ほむら「……」クルッ

杏子「あー、マミんとこなら目玉焼きなんてほむらんとこの半分以下しか出ないのに」モグモグ

まどか「そろそろかなって思ってたんだよね」

ほむら「……まど、か…?」

杏子「……」モグモグ

杏子「……」ゴクン

まどか「サンタさんパワー、効力切れかな」

杏子「……え?あれ?」

ほむら「そんな……」

杏子「おい……何やってんだよ!何勝手に消えようとしてんだよ!!」

まどか「サンタさんももう年だもんね。2カ月なんて無茶はできないよ」

杏子「だからってなんで今なんだよ!」

まどか「さやかちゃんとマミさんに、挨拶……できなかったなぁ……」

ほむら「やめてまどか…行かないで……」ポロポロ

まどか「ほむらちゃん、もともと私は概念になってた神様なんだよ?だからこれでいいの」

ほむら「ごめんなさい……私が、勝手に…願ったせいで……うぅぅ」グスン

まどか「心配しないでよ……きっとまたいつか逢えるんだからね?」

QB「いってしまうのかい、まどか」

まどか「うん…ばいばいQB」

さやか「っしゃおらーーーー!!!!!」

ドギャシャァァン

まどか「さやかちゃん!?」

杏子「何天井ぶち破って入って来てんだよ!」

マミ「鹿目さん!」スタッ

まどか「マミさんも…なんで……」

さやか「QBが教えてくれたの!何やってんのまどか!!」

まどか「……もう、ほむらちゃんと杏子ちゃんには挨拶しちゃったのになぁ……」グスッ

まどか「泣かな、いで…ひっく…別れ、られると、思って…たのになぁ……えぅぅ」ポロポロ

マミ「元気でね、鹿目さん…さようなら」

まどか「マミさんもお元気で」

さやか「ありがとう!この一カ月楽しかったよ!」

まどか「私も楽しかったよ」

杏子「次に会うときは死ぬ時だが、お手柔らかにな」

まどか「えへへ…心配しなくても大丈夫だよ」

ほむら「ありがとう、まどか…きっと逢いにいくから」

まどか「ありがとう…ずっと待ってるからね」


まどか「もう……サンタさんは帰ったらお仕置きかな……」スゥ

――ばいばい

翌年、クリスマス

杏子「いえーす!じす!いず!くりすまーーす!!!」

ほむら「ノリノリね杏子」

杏子「はぁー、やれやれ…分かってないなーほむらは」

ほむら「……何がかしら?」

杏子「いいか?今日はクリスマスなんだぞ?」

ほむら「それで?」

杏子「ケーキが食えるだろうが!!!」

ほむら「さすが食いしん坊魔法少女杏子」

杏子「あだ名みたいに言うの止めろ!」

さやか「君たちあれかネ?私を地獄へ突き落す悪魔的な何かかネ?」

杏子「さやかはどうしたんだ?」

ほむら「受験勉強よ」

杏子「あー」

さやか「うーマミさんみたいに余裕なんて持てないよ……」

ピンポーン

ほむら「来たわね」

ガチャッ

マミ「こんにちは暁美さん」

ほむら「いらっしゃい。来てくれないかと思ったわ」

マミ「ふふっ、可愛い後輩たちに呼ばれたんですもの。行かないわけにはいかないでしょ?」

さやか「マミさ~ん、勉強教えて下さい~」

杏子「おいおい、今日くらい辛気臭い話はやめろよな」

さやか「うるさい小卒」ボソッ

杏子「喧嘩売ってるよな?ん?」

ほむら「家で暴れないで」

さやか「あー、この調子なら今年はサンタをうちに呼べそうだよ……」

ほむら「来るとしたら…来年じゃないかしら」

さやか「それは滑っちゃうって話!?負けてたまるかー!」

杏子「いいからケーキにしようぜ」

マミ「切り分けたわよ」

杏子「サンタいただきー!」ヒョイッ

さやか「ズルイ!あたしだってそれ食べたかったのに!」

杏子「早いもん勝ちだよ…って、これデジャブじゃないか?」

さやか「ところでマミさん、どうして六等分なの?」

QB「僕の分だとしても一個多いね」

マミ「ほら、鹿目さんのよ」

ほむら「ありがとうございますマミさん…」

――ありがとう

ほむら「!今、声が……」

さやか「声?」

杏子「何?」

マミ「聞こえなかったわよ?」

ほむら「……いえ、きっと気のせいだと思います」

マミ「さあ、食べましょう」

「「「「「「いただきます」」」」」」


おしまい

おまけ

まど神「また戻ってきちゃった」

ブッダ「お帰り鹿目さん」

まど神「ただ今戻りました…ところで、サンタさん見ませんでしたか?」

イエス「サンタならさっきと仲いの世話してたと思うよ?」

まど神「ありがとうございます」ペコリ

まど神「さーて、サンタさんには言いたいことが山ほど――」

ワル夜「まどかさーん、お仕事溜まってますよ」

まど神「……え?」

ワル夜「一か月分の導かれなかった魔法少女達を導いてきて下さいね」

まど神「アイトァー」


おしまい

ちなみにサンタ・クロースの設定はラブ時空版でしたとさ

まだ残ってるびっくり
まどほむ成分はほぼゼロだけど一カ月のくだらない内容でも垂れ流すか

激動の一カ月のとある一日

QB「君にはぜひ聞きたいことがあるんだよ、暁美ほむら」

ほむら「何かしら」

QB「勿論、人間が一人で暮らすのに必要なスキルではないけれど」

QB「君は料理ができないんだね」

ほむら「っ!」

QB「ここ最近目玉焼きしか食卓に並んでいるのを見ていないよ」

ほむら「西海岸っぽくサニーサイドアップと呼んで貰おうかしら」ファサァ

QB「うん、別に呼び方はなんでもいいんだけど、そのサニーサイドアップばっかりだと飽きないかい?」

ほむら「……正直…最近は卵を見るだけで嫌気がさすのよね」

QB「君が意地張って、まどかに料理をさせるわけにはいかない!自分が全部やる!って息巻いていたのはいいけれど」

QB「例えばさっきの目玉焼きを見た時のまどかの顔を見たかい?」

ほむら「勿論……」

QB「まるで、ゴキを素手で捕まえて『オオクワのメスを捕まえた』とか抜かしてる様な、恐ろしい顔をしていたよ」

ほむら「分かってるから…少し気を使って、インスタントラーメンも増やしてるのに」

QB「それと目玉焼きの2パターンって……」

ほむら「サニーサイドアップよ」キリッ

まどか「お風呂あがったよー」ホクホク

ほむら「えぇ、入らせてもらうわ」

QB『とにかく、どうにかしないと彼女との仲が険悪になる一方だと思うよ』

ほむら『言われなくても…はぁ、QBにまで気を使われるなんて……』

バタン

まどか「……ねえQB」

QB「なんだいまどか」

まどか「いつもパパの料理を食べてたから何とも思わなかったんだけど……」

まどか「食事って大変なんだね」

QB「君は料理できないのかい?」

まどか「どうかな……神様になってからもう包丁なんか握ってないけど…イケると思う!」グッ

QB「自信があるんなら、二人で料理してみればいいじゃないか」

まどか「二人で…?」キョトン

QB(考えてもなかったのか)

まどか「うん、それいいね!後でほむらちゃんに相談してみる!」

翌日

ほむら「……あえて言うなら」

まどか「誰も悪くはなかったよね」

QB「いや悪いから。明らかに君達のせいだから」

ほむら「二人でやれば大丈夫だと思っていたのに……0+0は0だったわね……」

まどか「目玉焼き見るたびに変な顔しててごめんねほむらちゃん…実はなんと、私もお料理できないの!」

QB「君達はどうしてマニュアルに従っているはずなのに失敗するんだい?わけがわからないよ」

ほむら「本を見ながらするのと人に教えて貰うのとでは、雲泥の差があるのよ」

まどか「ねえQB、この失敗したおかず……食べる?」

QB「全力で断るよ」

結局マミに教えて貰って炒飯だけはできるようになったとかなんとか

激動の一カ月のとある一日

ほむら「……」ジリッ

まどか「……」ジリッ

杏子「……」ススッ

まどか「杏子ちゃん、何も難しいことを言ってるわけじゃないんだよ?」

杏子「やめろ、あたしに近づくな!」

ほむら「そうよ、ちょっとこれを着て貰えないかしら?というだけよ」

杏子「そんなフリフリ衣装着れるかよ!」

QB「佐倉杏子、君がそこまで拒む理由が僕には理解できないなあ」

杏子「無理のムリムリだな」

杏子「あたしはTシャツジーパンで十分なんだよ!」

まどか「杏子ちゃんなら似合うと思うんだけどなあ……」

ほむら「仕方ないわね…応援を呼びましょう」


さやか「なるほど」

マミ「事情は理解したわ」

まどか「いいと思いません?」

杏子「マミ、あたしが何のために家を出てやったと思ってんだよ……真面目に勉強してろよ」

マミ「息抜きは大事でしょ?」

さやか「いいじゃん着てみれば?所謂一つのギャップ萌えだよ」

杏子「そんなもんいらん、つうか帰れ暇人ども!」

まどか「こうなったら力づくだよ!」

杏子「よーしどっからでもかかってこい!」シュッシュッ

さやか「そう?そんじゃあまあ、遠慮なく」

杏子「おいやめろ来るな……あたしのそばによるなーーーッッ!!!」


まどか「可愛い!似合うよ杏子ちゃん」

マミ「素敵よ佐倉さん」

さやか「うーむ、予想以上に可愛い…だと…?さやかちゃんの立場危うし」

ほむら「他にもあるわよ」ズラァ

杏子「もう……勝手にしろ……」

激動の一カ月のとある一日

さやか「まどかさん…いえ、まどか先生!」

まどか「…何、さやかちゃん?」

さやか「先生は未来が見えてるんですよね?」

まどか「うん、一応」

さやか「あたしがどの高校に」

まどか「駄目だよ」

さやか「まだ途中なんだけど!」

まどか「さやかちゃんは今私に教えられた高校に行こうとすると、間違いなく勉強をさぼっちゃって落ちてしまうので言いません」

さやか「何それ!?さぼらないよあたし!」

まどか「ちなみに、ほむらちゃんは教えても教えなくても高校は余裕で入れるよ」

ほむら「ありがとうまどか…でも言わなくてもいいのよ?」

ほむら「私は自分で選んだ道を自分で歩いてみたいの……あなたの守ろうとしたこの世界を、自分の足で」

まどか「うん、頑張ってね!」

さやか「えぇー、何いい話でまとめようとしてんの」

まどか「もう、しょうがないなあさやかちゃんは……じゃあ、これだけ教えてあげるね」

さやか「教えてくれるの!?」

まどか「さやかちゃんは、ほむらちゃんに勉強教わりながら高校に合格できるよ!だから頑張って!」

ほむら「!?」

さやか「マジッすか!ありがとうほむら先生!」

ほむら「まどか、そんな未来聞きたくなかったわ」

まどか「頑張ってね!」

ほむら「さっきと意味合いが違うじゃない……」

まどかが消える一日前

まどか「杏子ちゃん、そんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ」ユサユサ

杏子「ん~……ほむらー、布団借りるぞー」イソイソ

ほむら「全く、こたつで寝たらどうなるのか身を持って体験しておいて……」

まどか「ねえ、ほむらちゃん…今の生活、楽しい?」

ほむら「どうしたの急に?」

まどか「別に、なんとなくだよ……」

ほむら「えぇ…とっても楽しいわ」

まどか「そっか」

ほむら「さやかがいて、マミさんがいて、杏子がいて、仲の悪かったはずのQBもいて、学校には仁美もいて」

ほむら「そして何より、まどかがいるわ」

ほむら「私の思い描いていた日々はきっと…こんな感じだったんだと思うわ」

まどか「うん、素敵だと思うよ…すごく」

ほむら「……あと、どれくらいなの…?」ボソッ

まどか「ん?ほむらちゃん、何か言った?」

ほむら「うぅん、なんでもないの……さあ、私達も寝ましょう?」

まどか「そうだね」

まどか(ごめんね、ちゃんと聞こえてたよ)

ほむら「杏子、布団被りなさい。風邪引くわよ?」

まどか(私には未来が見えてるから、明日だってことも分かってる)

ほむら「電気消すわね?」パチン

まどか(できるだけ泣かないで……お別れできるかな)

ほむら「おやすみまどか」

まどか「おやすみほむらちゃん」

まどか(おやすみなさい…ほむらちゃんの素敵な日々)


今度こそ終わり

勢いで書いた
反省はしていない

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