勇者 「妹を拾った」 (152)

妹 「よろしくねお兄ちゃん!」

勇者 「……」 ジィー

妹 「好きにしていいんだよ?」

妹 「あたしはお兄ちゃんに拾われたんだから!」

勇者 「……」

妹を捨てますか?

→ 捨てる

やめる



妹 「それを捨てるなんてとんでもない!」

勇者 「……可愛い」

妹 「……へっ?」

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-始まりの街-

勇者 「さて、魔王を倒す旅の始まりだ」

妹 「お兄ちゃん、魔王を倒したいの?」

勇者 「生まれた時から、そういう宿命を背負わされてたからな」

勇者 「今さら、ほかにすることも思いつかない」

妹 「そうなんだ、すごいねお兄ちゃん!」

勇者 「なんのなんの」

-広場-

幼女 「……ふぇぇん、お母さん……」 ゲホゲホ

勇者 「……ゲヘへ、お嬢ちゃん、どうしたんだい?」

妹 「怖がられるよお兄ちゃん!」

幼女 「お母さんがね、帰ってこないの」

勇者 「ふむふむ……、それで?」

幼女 「幼女の風邪を治すためにね、森に生えてる薬草を取りに行ったっきり……」

幼女 「……ふぇぇぇ!」 ゲホゲホ

勇者 「……大体わかった」

勇者 「任せて、お嬢ちゃん」 ナデナデ

幼女 「……ふぇ?」

勇者 「君のお母さんは、必ず見つけてみせるよ」 キリッ

幼女 「……いいの?」

勇者 「お礼は君のキスで」 キリッ

幼女 「……ふぇ?」

妹 「変態だねお兄ちゃん!」

勇者 「……ふぇ?」

妹 「可愛い声を出しても無駄だよお兄ちゃん!」

妹 「それで、どうするのお兄ちゃん?」

変態 「とりあえず、武器が棒切れ、防具が革の服って状況をどうにかしたいな……」

妹 「あたしもあたしも!」

妹 「できれば布切れ以外の服が着たい!」

勇者 「……そうだった、妹の服も買い揃えないとな」

-武器屋の主人-

主人 「らっしゃい! なんでも買ってってくれや!」

勇者 「ロングソードぐらいは買えるか……?」

妹 「だといいね、お兄ちゃん!」

→ ロングソード 20000G

バスターソード 35000G

ロッド 45000G

喋る赤い剣 9500000G

金の斧 10000G

馬鹿には見えない剣 0G

妹 「世の中そんなに甘くないねお兄ちゃん!」

勇者 「なにこのムリゲー」

主人 「おいおい、冷かしかよ?」

勇者 「……馬鹿には見えない剣で」

-防具屋の主人-

主人 「らっしゃい! 好きなものを買っていってくれ!」

勇者 「……防具ぐらいは、まともな値段で売ってくれるよな……?」

妹 「それはどうかなっていう言葉があるよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……不吉な」

→ 高価な防具 10000G

超高価な防具 100000G

高価な服 1000000G

決闘盤 50000G

馬鹿には見えない服 0G

妹 「世の中そんなに」

勇者 「わけがわからないよ!!」 クワッ

主人 「おいおい……、ひやかしは」

勇者 「……馬鹿にはみえない服でお願いします」

-道具屋-

勇者 「さ、さすがに道具ぐらいは……」

主人 「なんでも好きなのを選んでくれい!」

妹 「もう諦めたほうがいいと思うよ、お兄ちゃん!」

→ 高価な薬草 100000G

宝箱の鍵 300000G

不思議な力を得られる果物 9500000G

馬鹿には見えない薬草 0G

妹 「世の中」

勇者 「馬鹿には見えない薬草でいいです」

勇者 「……はぁ」

妹 「さっき買った服とか剣を装備しないの? お兄ちゃん!」

勇者 「……妹にあげようか?」

妹 「あたし馬鹿だから服が見えないみたいだよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……俺もだよ」

勇者 「……なあ、妹」

妹 「どうかしたのかなお兄ちゃん!」

勇者 「テンション高いな、お前」

妹 「明るいことだけがあたしの取り柄だから仕方ないよ、お兄ちゃん!」

勇者 「その底なしの明るさ、俺にも分けてくれよ……」

妹 「あたしの顔でも食べちゃえば、きっと明るくなれるよ!」

勇者 「俺にカニバリズムの趣味はないよ……」

勇者 「……なあ、妹」

妹 「どうかしたのかな、おにい」

勇者 「やっとわかった気がするよ」

妹 「なにがわかったのかな、お兄ちゃん!」

勇者 「……この街の住人達の服装が、一部を除いて貧しく見える理由だよ」

妹 「確かに布切れの服を着ている人が多いよね!」

勇者 「ああ……」

-最寄の森-

勇者 「さてと、気を取り直して、あの女の子のお母さんを探さないとな」

妹 「そうだねお兄ちゃん!」

妹 「でも、そんな装備で大丈夫?」

勇者 「大丈夫だ、多分」

妹 「すっごく頼りないねお兄ちゃん!」

勇者 「妹、お前は時折俺の心を抉ってくるな」

妹 「キノセイだよお兄ちゃん!」

スライム が 現れた!

勇者 「勇者様の力を甘く見るなよスライムが!」

妹 「気を付けてお兄ちゃん!」

勇者の 攻撃!

スライムは 攻撃を 回避した!

妹 「最近のスライムは、すっごく強化されてるらしいよ!」

勇者 「なん……だと……」

スライム 「……」

スライム の 体当たり

勇者 「キューン」 バタッ

勇者は 力尽きた!

妹 「弱すぎるよお兄ちゃん!」

妹 の 蘇生魔法!

勇者 は 蘇った

勇者 「逃げるが勝ちだ!」

勇者 は 逃走を 図った!

スライム 「……」

しかし まわり 込まれた!

妹 「か弱い妹を置いてくなんてひどいよお兄ちゃん!」

妹 の 火炎魔法(大)

スライム 「……!」

勇者 「俺まで巻沿いなのかよ……!」

スライム を 倒した!

勇者は 巻沿いを 喰らって 力尽きた!

妹 「ごめんお兄ちゃん! あたしってばドジっ娘だね!」

妹 の 蘇生魔法!

勇者 「……わざとだろ、今の」

妹 「何の事だかさっぱりだよお兄ちゃん!」

森の奥

巨大サソリ 「……」 ギロッ

女性 「……私は、あの子に薬草を……」

妹 「助けに来たよ、おばさん!」

女性 「……子ども?」

勇者 「あれが化け物か、妹!」

妹 「合点承知だよお兄ちゃん!」

妹 の 火炎!

巨大サソリ 「……!」

巨大サソリ は 燃え尽きた!

女性 「……」

勇者 「流石、自慢の妹だ」

妹 「防具も武器も要らなかったね、お兄ちゃん!」

女性 「あ、あの……、助けていただいて……」

勇者 「……! い、いや、その……」

妹 「お礼なんていらないよおばさん! それじゃあね!」タッタッタ

勇者 「待て、待て妹……!」 タッタッタ

女性 「……はっ!」

―――――

妹 「あたしって、凄いよね!」

勇者 「……俺、必要なのか?」

妹 「当然だよお兄ちゃん!」

妹 「今のあたしは、お兄ちゃんの傍にいないと100%の力を発揮できないんだもん!」

勇者 「……そう、なのか?」

妹 「うん、だからそんな暗い顔しないでよお兄ちゃん!」

勇者 「……お前だけだよ、そんなことを言ってくれるのは」 ナデナデ

妹 「……ふぇ?」

-魔王城-

魔王 「側近よ」

側近 「……どうかしましたか? 魔王様」

魔王 「……我は、魔族を力で率いている」

側近 「そうですね」

魔王 「人間界の侵略を、推し進めている」

側近 「ええ、表向きにはすべての生命を我々魔族が支配するために」

側近 「それにしても、数の力はすごいですね」

魔王 「ああ ……だが、我の同族からの評価は変わらん」

側近 「……例え誰一人貴方を見ていなくとも、私が貴方を見つめています」

魔王 「ふっ、甘い言葉を囁く……」 ナデナデ

側近 「それが、わたくしの役目でしょう?」

魔王 「……済まないな、我がミスを犯さなければ、お前は」

側近 「……別に、わたくしのことは良いのです」

側近 「魔王様さえよければ、それで」

魔王 「……」

魔王 「案ずるな」

魔王 「計画に生じた歪みは、我が必ず修正する」

魔王 (そのためにも、我は見つけださなければならぬ……)

魔王 (計画を修正するための、鍵を……)

elonaは知ってるけどプレイしたことはない、そんな>>1

みなさんの理想ないし、お好きなタイプの妹をここに書き込むと、
その書き込みに沿った妹が、このSSに登場する……かもしれません

ともあれ、これにて区切り

-薄暗い洞窟-

妹 「すっごく暗いね、お兄ちゃん!」

勇者 「そう、だな」

妹 「お兄ちゃんの雰囲気もすっごく暗いね!」

勇者 「うるさいよ……」

勇者 「……暗闇は、どうにも好きになれない」

ギュっ

勇者 「妹……?」

妹 「手を繋げば寂しくならないよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……いつも底抜けに明るいな、お前は」

妹 「今のあたしの唯一の取り柄だからだよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……」 ナデナデ

妹 「撫でてもらえてすっごく嬉しいよお兄ちゃん!」

勇者 「……」

-活気のない街-

勇者 「……薄暗い洞窟を抜けた先も陰気くさいところだ」

妹 「人の事言えないと思うよお兄ちゃん!」

勇者 「喧しい……」

「……やる気が起きねえ」

「働かなくてもいいってのは、やっぱりいいねぇ」

「ここから少し歩いたところにある、子どもができない呪いを掛けられた街」

「そこに子どもを売るのと引き換えに、生活物資と交換してもらえるから、なにもしなくていい」

「この街の『魔法』は便利だよな」

「ああ、それで子どもの才能の有無を判別できるんだからな」

ザワザワ

妹 「なんだか凄いねお兄ちゃん!」

勇者 「……」

妹 「顔が怖いよお兄ちゃん!」

勇者 「……妹は、なにも感じないのか?」

妹 「なにを言ってるのかな! お兄ちゃん?」

勇者 「……無垢な幼女が売られる現実を見て、なにも感じないのか?」

妹 「なんでもかんでも幼女に結び付けるお兄ちゃんは変態だね!」

勇者 「……お前なぁ、俺をなんだと」

ふぬけ顔の街人 「おや、旅人さんかい?」

勇者 「……あ、はい」

ふぬけ顔の街人 「この街はどうだい?」

勇者 「ま、まあ、悪くないんじゃないでしょうか、ははは……」

妹 「さっきと言ってることが違うよお兄ちゃん!」

勇者 「妹は黙ってろ!」

妹 「ね、この街はすっごく楽ができそうだよね!」

ふぬけ顔の街人 「ははは、そこのお嬢ちゃんは小さいのによくわかってるねぇ」

妹 「ねえねえおじさん、この街の資金源の子どもはどうやって作ってるの?」

ふぬけ顔の街人 「……よし、実際に見せてあげようか」

妹 「うん! みたいみた」

勇者 「早過ぎるわッ!」 バシッ

妹 「痛いよお兄ちゃん!」

ふぬけ顔の街人 「旅人さん、この子の兄なのかい?」

勇者 「え、ええ、成り行きといいますかなんといいますか」

ふぬけ顔の街人 「それにしては、似ていないねえ」

妹 「あたしは拾われたの、お兄ちゃんに!」

ふぬけ顔の街人 「拾った……?」 ジィー

勇者 「え、あ、いや、その……」 アセアセ

ふぬけ顔の街人 「……いい拾い物をしたね」

勇者 「……え?」


ふぬけ顔の街人 「ここから少し歩いたところの街で、その子を売るといい」

ふぬけ顔の街人 「きっと、いいことがある」

勇者 「はぁ……」

ふぬけ顔の街人 「拾ったのなら、愛着も湧かないだろう?」

ふぬけ顔の街人 「愛着がわく前に、売ってしまうといい……」 タッタッ

勇者 「……」

妹 「……売らないでね、お兄ちゃん!」

勇者 「表情は、変えないんだな」

妹 「あたしは笑顔を絶やさないんだよ、お兄ちゃん!」

「婆さん、あんたももう歳だろう」

「だから、なんだってんだい」

「アンタが匿ってる子ども、さっさと売っちまえよ」

「そうすりゃ、生活に困ることもなくなるぜ?」

「ふん、あんたらみたいなふぬけじゃないんだよあたしゃ!」

「まだまだあたしゃ、狩りでもなんでもこなせるよ!」

婆 「まったく、近頃の若者ときたら……」

妹 「お婆さん?」

婆 「……おやおや、迷子かえ?」

妹 「違うよ!」

婆 「そうかそうか、気を付けるんだよ、売られないようにねぇ」

勇者 「……」

婆 「アンタがこの子の保護者なんだね?」

勇者 「……まあ」

婆 「この街で子どもから目を離しちゃあ絶対にいけない、攫われるよ」

勇者 「攫われる……とは?」

婆 「……聞きたいかい? 昔話を」

勇者 「……是非」

妹 「子どもが絡むと雰囲気変わるね、お兄ちゃん!」

勇者 「……やかましい」

-婆の家-

婆 「さあ、上がっておくれ」

妹 「……随分狭い家だねお兄ちゃん」 ボソボソ

勇者 「……」

「……あっ、お帰りなさい姉さん」

婆 「……ただいま、敬語妹」

勇者・妹 (妹、だと……!?)

これにて区切り

敬語妹、増殖する妹了解 (ニヤリ

他にも妹に関するリクエストがありましたらお気軽に

勇者 「……失礼、この妹さんはあなたの実の妹で……?」

婆 「いいや、拾ったのさ」

敬語妹 「……」

婆 「あれは丁度、この街の子ども達が売られ始めた頃だったかねぇ……」

―――――

若かりし頃の婆 「……子ども、私の子どもをどこにやったの!」

婆の夫 「ふん、さっさと物資に換えてやったさ」

婆 「なんたってそんなことを!」

夫 「占い師に調べてもらってわかったろう?」

夫 「俺たちの子どもは無能だと、育てるだけ無駄無駄」

婆 「……出ていけ」

夫 「……ああ?」

婆 「さっさと出てけ! このロクデナシが!」

-街の外-

若かりし頃の婆 「……なんで、なんでこんなことに……」

「……」

婆 「……?」

「……姉さんが、わたしを拾ったのですか……?」

婆 「ああ、そうだよ」

敬語妹「わたしは、敬語妹……」

敬語妹 「拾われた身として、姉さんに全力で奉仕させていただきます」

婆 「そうかい、なら……まず肩の力を抜きな」

婆 「それ以来、この娘とは長い付き合いさ」

敬語妹 「……見た目は、幼いままですけどね」

勇者 「……落ちている『妹』は成長しないのか」

妹 「合法ロリって奴だねお兄ちゃん!」

勇者 「どこで覚えてくるんだよ、そんな言葉……」

婆 「……あたしゃ買い物に出かけてくるよ」

敬語妹 「はい、姉さん」

敬語妹 「留守番はお任せください」

婆 「……相変わらず、良い子だねぇ」 ナデナデ

゙タン

敬語妹 「……貴方、わたしと同じ『妹』でしょう?」

妹 「よくわかったねマイシスター!」

妹 「いかにもあたしは、純粋無垢で拾われ者の妹ちゃんだよ!」

勇者 「俺が彼女を拾った、勇者だ」

敬語妹 「……なら、勇者さんはわたしの『兄』にあたると」

勇者 「……お前たちに血のつながりがあるのか?」

敬語妹 「兄さん、わたし達『妹』の生まれは皆同じでして」

敬語妹 「……どこで生まれたかまでは、よく覚えてませんけど」

勇者 「……そうなのか? 妹」

妹 「あたしも初めて聞いたよお兄ちゃん!」

勇者 「残念な妹だなお前は!」

妹 「お兄ちゃんのほうが残念だと思うよ!」

勇者 「やかましい!」 バシッ

妹 「痛いよお兄ちゃん!」

敬語妹 「……」 クスッ

勇者 「っと、見苦しいところを見せた」

妹 「うちの残念なお兄ちゃんがごめんね!」

勇者 「しつこい」 コツン

敬語妹 「いえ……、ちょっと羨ましいです」

勇者 「……あのお婆さんだって、敬語妹を大切にしてくれるだろ?」

敬語妹 「ええ、……でも」

勇者 「でも?」

敬語妹 「……時々、姉さんは遠くを見つめてるんです」

妹 「もしかしてぼけて」

勇者 「妹は黙ってろ、それで?」

敬語妹 「その視線の先には、例の人買いの街がありまして」

勇者 「……売られた子どもの事を思い出してるんじゃないか、と」

敬語妹 「……売られた当時、その子どもは4,5歳だったと聞きます」

敬語妹 「生きていれば、もう成人しているでしょう……」

勇者 「……どうしたいんだ? 敬語妹は」

敬語妹 「できることなら、会わせてあげたい……」

敬語妹 「そう、思っています」

勇者 「……優しいな」 ナデナデ

敬語妹 「……ぁ、いえ、その……」 ポッ

敬語妹 「……『妹』の役目は、兄ないし姉に、出来る限り尽くすこと」

敬語妹 「わたしは、そう記憶しています」

敬語妹 「……けど、わたしは兄さんになにもしていません」

敬語妹 「だから、こんな……」

敬語 「えっと、わたしが、その、嬉しく……」

勇者 「固く考えすぎだって、敬語妹は」

敬語妹 「……え?」

勇者 「俺が妹みたいな小さい子を撫でる理由なんざ、いつも一つ」

勇者 「そこに幼女がいるからさ!」 ドヤッ

敬語妹 「……」

妹 「やっぱり変態なんだねお兄ちゃん!」

勇者 「うっさい!」

敬語妹 「……わ、わたしは兄さんのお役に立てていたのでしたらそれで……」

勇者 「……」

-洞窟-

勇者 「……で、なんでまたこんな洞窟に」

敬語妹 「呪いのせいで子どもができない街は、子どもを買うための物資を必要とします」

敬語妹 「故に、沢山の人が働きに出なければならない……」

敬語妹 「そうすると、その街の人たちの時間が奪われます」

敬語妹 「結果として、姉さんの子どもさんは、休みを取ったりして」

敬語妹 「姉さんと自由に会うことができなくなると思うのです」

勇者 「……働き詰めなんてのは、嫌だな……」

妹 「ブラックタウンだね、お兄ちゃん!」

勇者 「……ブラックタウン?」

キュバス 「うふふ、魔王の下にいるなんて、もうまっぴら」

サキュバス 「……あの魔王、醜いくせに魔力だけは凄いんだから」

サキュバス 「でも、あの魔王の魔力の一部を奪い取ったことで……」

サキュバス 「私は直接行為に及ばなくても、人間たちから精力を奪い取れる魔法を完成させられた……」

サキュバス 「これで、私はもう働かなくてもいいのよ、うふふ……」

「話は聞かせてもらったよオバサンさん!」

サキュバス 「……なんですって!?」

敬語妹 「妹さん、もう少し相手の気持ちというものを……」

妹 「悪者の気持ちなんて知ったこっちゃないよ、敬語妹!」

敬語妹 「そ、そうですか」

サキュバス 「な、生意気なガキね……」

サキュバス 「……ん、このガキ共、どこかで」

サキュバス 「……思い出した」

サキュバス 「小娘共、『姉』のなり損ないじゃないか」

妹 「あたしは生まれてからずっと妹なんだよオバサン!」

敬語妹 「……貴方は、何を言って」

サキュバス 「生意気な小娘共に聞かせてやる義理はないわ!」

妹 「いいよーっだ! 力づくで聞かせてもらうだけだもん!」

敬語妹 「……兄さん、構いませんよね?」

勇者 「……」

サキュバス 「ふふ……? お兄さん、こっちにこない?」

勇者 「……」 ピクッ

サキュバス 「……私と手を組んで、この小娘共を潰す手伝いをしてくれるなら……」

サキュバス 「いいこと、沢山して、ア・ゲ・ル」 チラッ

勇者 「……」 ピクピクッ

サキュバス 「……うふふ、好きにしても」

勇者 「……黙れよババア」 イラッ

サキュバス 「……あぁ?」

敬語妹 (妹は主に似るとでも……?)

勇者 「今の俺には、妹という小さな女の子がいるんだ!」

勇者 「まだまだ純真な子に慕われたり罵られたりするこの悦び……」

勇者 「そうだよ、どれも子どもだからいいんだよ! 小○生ぐらいの子だから最高なんだよ!」

勇者 「とっくに成人して薄汚れた女がやってもな、白々しいだけなんだよッ!」

敬語妹 「……わたしは」

妹 「言ってることは立派な犯罪者だねお兄ちゃん!」

勇者 「見て見ろ、この嘘偽りのない心からの本音をぶつける妹の愛くるしさを!」

サキュバス 「」 ポカン

勇者 「……よし、今だ妹!」

妹 「お任せ!」

妹 の 火炎魔法(強)!

サキュバス 「……!?!?」 メラメラ

勇者 「よく見ておけ我が妹たち……」

勇者 「あれが、サキュバスの本来の姿だ」

妹 「ゴキブリより酷いねお兄ちゃん!」

敬語妹 (ゴブリンやオークよりも醜い……)

敬語妹 「……あれが、サキュバスの本当の姿なのですか」

化け物 「○△×□~!」

勇者 「化け物がなんか言ってるぜ妹!」

妹 「汚物は消毒だぁー!」

メラメラメラ

敬語妹 「……息、ぴったりですね」

勇者・妹 「当然!」

――その後

婆 「……敬語妹、言ったろう、勝手に外に出歩いちゃいけない、と」

婆 「……お前さんまで、この老いぼれを置き去りにする気か……」

「……かあさん?」

婆 「……ま、まさか……」

「かあさん! 俺だよ! 俺俺!」

婆 「……俺俺詐欺は間に合ってるわい」

「……もう、俺のことなんか忘れちゃったか」

婆 「……嘘だよ、大きくなったなぁ」

婆 「……息子」

―――――

勇者 「呪いは解いた!」

勇者 「これで子どもが売られることもない!」

勇者 「隣町の住人は休暇が取れる!」

妹 「仲間も増えたよ! やったねお兄ちゃん!」

勇者 「……よかったのか? 敬語妹」

敬語妹 「はい、わたしは姉さんと血のつながりがあるわけじゃありませんから」

敬語妹 「もう大人なのでしょうけど……」

敬語妹 「わたしなんかよりも愛情を注ぐべき相手が、今の姉さんにはいますから」

勇者 「……お前たちがどんな存在だろうと、俺にとってお前達は大事な『妹』だ」

勇者 「だから、敬語妹も自分を否定しすぎるな」 ナデナデ

敬語妹 「……はい」 ニコ

これにて区切り

爆発する妹、フラグが立った瞬間に周りを滅ぼすほどの爆発する妹了解

ほかにも妹に関するリクエスト等ありましたらお気軽に

―――――

-明るい森林/湖-

勇者 「暑い……、蒸されそうな暑さだ……」

勇者 「……この暑さも、魔王の仕業か……?」

勇者 「……とりあえず、水の確保を」

女の子 「……」ヌギヌギ

勇者 「……あ」

女の子 「……ッッ!!!」

                               ヽ`
                              ´
                               ´.

                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
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              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
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                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙

敬語妹 「今、何かの爆発音が……」

勇者 「た、助けてくれぇ……」

敬語妹 「……兄さん!?」

妹 「地面に穴が空いちゃってるねお兄ちゃん!」

勇者 「見りゃわかるだろ……」

妹 「穴の中にいるんだねお兄ちゃん!」

女の子 「……」

敬語妹 「……?」

女の子 「……み、見られた、汚された」

女の子 「こ、こんな……」

妹 「……思ってた以上の外道だったんだね、お兄ちゃん!」

敬語妹 「……妹さん、確かに兄さんの性癖は常人には理解できないものかもしれませんけど……」

敬語妹 「でも、兄さんは優しいですから、無理に……その、そんなことをしたりはしません」

勇者 「……フォロー、だよな……?」

妹 「へタレの間違いだと思うよ、敬語妹!」

勇者 「……覚えてろ、妹」

敬語妹 「……彼女、わたしたちとどこか似てませんか?」

女の子 「……同じ、妹?」

敬語妹 「……あなたも妹なので?」

妹 「敬語妹! それは違うよ!」

敬語妹 「……そうなので?」

妹 「そうだよ! 妹のあたしたちよりも育てるべきところが育ってるなんて!」 ペターン

敬語妹 「……確かに、桃みたいにふっくらしてますけど」 ペターン

女の子 「……し、知らない、そんな……」 ボン

妹 「むぅ、けしからん!」 ムニッ

女の子 「……ッ」 カァ

敬語妹 「……あっても重いだけではありませんか?」

妹 「それも違うよ! 夢と希望が詰まってるんだよ、敬語妹!!」

女の子 「……本当に、悔しいわけじゃなさそう」

妹 「あたしがいつも笑ってるからって、心まで笑顔だとは限らないよ!」

敬語妹 「……ところで、お名前は……?」

女の子 「……爆発妹」

爆発妹 「爆弾を作り出せるから、爆発妹」

敬語妹 「爆発妹ですね? わたしは敬語妹――」

妹 「あたしは妹! 同じ妹ってことがわかってものすごく悔しいけど、よろしくね爆発妹!」

爆発妹 「……」 コクリ

妹 「体つきの割に大人しいね爆発妹!」

爆発妹 「……体つきは、関係ない」

妹 「……そーなの? お兄ちゃん!」

勇者 「どうでもいいから、早く引き上げてくれ……」

勇者 「……ああ、助かった、敬語妹」

敬語妹 「いえ、これぐらいどうってこと……」

勇者 「敬語妹は、意外と力持ちなんだな」

敬語妹 「……魔法は苦手ですけどね」

妹 「怪力妹に改名すればいいと思うよ、敬語妹!」

敬語妹 「……買い被り過ぎです」

勇者 「……爆発妹は爆弾を作り出せるのか」

爆発妹 「……うん」 ギュッ

爆発妹 「いろんなタイプの爆弾を、作り出せる……」

敬語妹 「……兄さんは怖くありませんよ?」

爆発妹 「……私を拾ったにぃ以外の男の人に、……見られた」

爆発妹 「……兄さん」

勇者 「あ、あれは事故だよ、事故!」

勇者 「……まあ、それは置いておいて」

勇者 「その男のことが好きなのか? 爆発妹は」

爆発妹 「うん……、にぃのためなら、私は何だってしてあげられるのに……」

爆発妹 「にいは、出かけたっきり帰って、こない……」

敬語妹 「……つまり、爆発妹さんは兄を探してこんな湖に……?」

爆発妹 「……」 コクリ

敬語妹 「……すごいです、爆発妹さんは」 ナデナデ

爆発妹 「……え?」

敬語妹 「わたしには、一人で踏み出す勇気なんてものはありませんでしたから」 ナデナデ

爆発妹 「……でも、結果が伴って、ない」

敬語妹 「……たまには過程で満足したって、罰はあたりません」

爆発妹 「……いい、の?」

敬語妹 「はい……」 ニッコリ


妹 「敬語妹は子どもの扱いがうまいねお兄ちゃん!」

勇者 「お前もまだ子どもだろ」

妹 「……ゲヘへ」

勇者 「なにその笑い方」

眠いからこれにて区切り

エロ系担当の妹、桃みたいな妹、高飛車ツンデレで酒乱な妹、放火魔なポニテの妹了解

引き続き妹に関する要望は受付中

なお、アニメ等の版権モノのキャラクターを元にした妹をご希望される場合、
こちらで登場させた妹のキャラが、モチーフとしたキャラからかけ離れる等、ご期待に沿えないことがあります、予めご了承くださいませ

敬語妹 「……いいことを思いつきました」

爆発妹 「……?」

敬語妹 「爆発妹さん、一人で旅をするのも大変でしょう?」

爆弾妹 「……」

敬語妹 「よければ、わたし達と一緒に行きませんか?」

爆発妹 「……私も、一緒に……?」 キョトン

妹 「いいの? お兄ちゃん!」

勇者 「どうせすぐに世界が滅ぶわけじゃないんだ、寄り道する時間ぐらいある」

勇者 「だから、俺は別に構わない」

敬語妹 「……無理いってすみません、兄さん」

勇者 「妹の我儘を聞いてやるのも、兄の務めだ」 ニッコリ

爆発妹 「……でも、勇者、怖い」

敬語妹 「大丈夫です、兄さんはいやがる人にまで手を出すようなゴミじゃありませんから」

勇者 「……いやがらなきゃ幼女にも手を出すみたいな言い方だな!」

妹 「あ、あたしにあんなことをしておいてお兄ちゃんは……!」

勇者 「事実無根だ!!」

爆発妹 「……信じても、いい?」

敬語妹 「心配でしたら、わたしと一緒に居れば大丈夫です」

勇者 「……俺、そんなに信用ないか?」

妹 「幼女大好きを公言してるから仕方ないよ、お兄ちゃん!」

勇者 「YESロリータ、NOタッチ」 キリッ

妹 「あたしらの体を触りまくっといてどの口がいうのかな、お兄ちゃん!」

爆発妹 「……わかっ、た」

敬語妹 「やった!」 ニコニコ

爆発妹 「……どうして、喜ぶの?」

敬語妹 「賑やかなほうが楽しいでしょう?」

爆発妹 「……たの、しい?」

敬語妹 「はい、同じような存在だからこそ、お喋りだって弾むと思いますし」

爆発妹 「……妹って子だって、同じ妹……」

敬語妹 「……まあ、そうなんですけどね」

敬語妹 「……ところで、爆発妹さん」

爆発妹 「……?」

敬語妹 「バクちゃん、って呼んでもいいですか?」

爆発妹 「……バク?」

敬語妹 「爆発妹だから、バク」

敬語妹 「それなりに生きていますと、愛称で呼び合う友達っていうのに憧れちゃいまして」

敬語妹 「……ダメ、ですか……?」

爆発妹 「……別に、いい」

敬語妹 「やったっ! ありがとうございます、バクちゃん♪」ギュッ

バク 「……あぅ」 ポッ

妹 「そういえば、敬語妹ちゃんって長生きなんだよね、お兄ちゃん!」

勇者 「……ああ、そうらしいな」

勇者 「話を聞く限りではずっと引きこもってたみたいだ」

勇者 「だから、子どもっぽいところがあるのも無理はない……のか?」

妹 「ということは実年齢はババ」

敬語妹 「妹さん、後で面貸してくださいね?」 ニッコリ

妹 「……助けてお兄ちゃん!」


勇者 「……愛称か」

敬語妹 「……♪」

バク 「……?」

妹 「……痛いよお兄ちゃん」

勇者 「……なあ、敬語妹」

敬語妹 「……あ、兄さん、お呼びでしょうか?」

妹 「無視されたよお兄ちゃん!」

バク 「……」 ツンツン

妹 「ん? あたしに用事? 何かなバクちゃん!」

勇者 「ああ、お前の愛称を考えてみたんだ」

敬語妹 「……愛称、ですか……?」

勇者 「憧れてたんだろ? 気軽に呼び合える友達ってのに」

敬語妹 「……で、ですが、兄さんを友達呼ばわりだなんて……」

勇者 「お前、俺と話す時はいつも固くなるな」

敬語妹 「……ごめんなさい」

勇者 「……まあいいさ、それで愛称だけどな」

勇者 「……ケイ、なんてどうだ?」

敬語妹 「……ケイ、ですか?」

勇者 「ああ、敬語妹だから、ケイ」

勇者 「我ながら、いいアイディアだと思わないか?」

敬語妹 「……」

勇者 「……気に入らない、か?」

敬語妹 「……いえ、嬉しいです」

ケイ 「……ありがとうございます」 ニコ

――夜

バク 「……」 zzz

ケイ 「……」 zzz

妹 「二人そろって仲良く眠っちゃったね、お兄ちゃん!」

勇者 「……敬語妹に懐いたらしいな、爆発妹は」

妹 「そうだねお兄ちゃん!」

妹 「でも、妹は我儘だから喧嘩の一つもすると思うよ、お兄ちゃん!」

勇者 「俺とはしょっちゅう喧嘩するだろ、お前」

妹 「あの子たちがお兄ちゃんと喧嘩するとは限らないよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……しっかし、お前はいつも幸せそうだ」 ナデナデ

妹 「それは褒めてるのかな? お兄ちゃん!」

勇者 「……さて、な」

妹 「お兄ちゃんは時々暗くなるね!」

勇者 「……それなりに生きてるとな、悩みの一つや二つぐらい抱える」

妹 「なら、あたしもいつか幸せじゃいられなるかもだね、お兄ちゃん!」

勇者 「……できれば、そうなってほしくはないな」

妹 「……ふぁぁ、眠たくなってきたよお兄ちゃん」

勇者 「……なら、今日はもう寝るか?」

妹 「うん、そうしようよ……」

勇者 「一人で眠るか?」

妹 「……あの二人を見てると、それはそれでなんだか虚しいね、お兄ちゃん」

勇者 「……なら、俺と寝るか?」

妹 「……やっぱり変態さんだねお兄ちゃん!」

勇者 「何考えてるんだお前は……」

勇者 「……で、どうする?」

妹 「たまにはいいかもだね、お兄ちゃん!」

勇者 「だな」

妹 「……お休み、お兄ちゃん」

勇者 「……お休み、妹」

これにて区切り
入力の手間が省けるよ! やったねお兄ちゃん!

『Hな妹』、クーデレ妹、幼女な妹、無口妹了解

妹に関する要望は随時受付中、お気軽にどうぞ

-険しそうな山道・入口-

勇者 「……俺たちの目的はなんだ? 妹」

妹 「ついにボケたんだね、お兄ちゃん!」

勇者 「喧しい」 ポカッ

ケイ 「世界を脅かす魔王を討伐すべく、遥か北の大陸を目指しているところでしたね」

バク 「……バクのことも、忘れちゃいや」 ギュッ

ケイ 「忘れてませんよ、必ずバクちゃんのお兄さんも見つけ出して見せます」 ナデナデ

妹 「バクって愛称が気に入ったみたいだね、バクちゃん!」

勇者 「……俺にも心を開いてくれたらなぁ」

妹 「バクちゃんの水浴びを覗いた変態がなにいってるのかな、変態!」

勇者 「あれは事故だよ!」

勇者 「……ゴホン」

勇者 「俺たちが今いるのは……」

ケイ 「南の大陸ですね、たくさんの人々が平和に暮らしています」

勇者 「平和に、ねぇ……」

妹 「妹も沢山拾えるよね、お兄ちゃん!」

勇者 「……いや、俺が拾った妹はお前だけだぞ?」

妹 「……そーだった?」

ケイ 「はい、わたしは姉さん……」

ケイ 「……もとい、子どもを売りさばいていた街に住む女性に拾われたわけですし」

バク 「バクを拾ったのも、こんなのじゃない……」

勇者 「……こ、こんなのって」

妹 「勇者らしいことをしてないから仕方ないね、お兄ちゃん!」

勇者 「言うな……」


ケイ 「でも、以前サキュバスを焼いたのは妹さんでしたよね」

バク 「……勇者はダメな子?」

勇者 「……や、やめてくれ、俺のライフはもう」 ガクッ

ケイ 「に、兄さん!?」

妹 「おお、お兄ちゃん! 死んでしまうとはなさけない!」

バク 「……こんなのがいなくたって、生きていける……と思う」

ケイ 「だ、ダメですよ! 一応兄さんなんですから!」

ケイ 「お、起きてください!」 ユサユサ

勇者 「……天使だ」 ギュッ

ケイ 「へっ? あ、あわわ」

バク 「……お邪魔虫、ケイから、離れろ」っ爆弾

勇者 「……はい」 サッ

妹 「爆発したら弱い威力のやつでも地面に穴が空いちゃうよね、お兄ちゃん!」

-山道・休憩所-

勇者 「……」 ゼェゼェ

妹 「もう息切れなんて早すぎるよ、へタレお兄ちゃん!」

勇者 「……や、喧しい……」

ケイ 「大丈夫ですか……? バクちゃん」

バク 「う、んッ……」

ケイ 「……ば、バクちゃん!?」

妹 「足擦りむいちゃったんだね、バクちゃん!」

ケイ 「笑っている場合じゃないでしょう!」

勇者 「このあたりに、確か小屋があったはずだ」

ケイ 「わかりました、探してみましょう」

ケイ 「……バクちゃん、わたしの肩に掴まってください」

バク 「……うん」

妹 「……人一人おんぶできるなんてすごいね、ケイ!」

勇者 「身長はバクとそんなに変わらないだろうに、どこにそんな力が……」

ケイ 「……わたし、こう見えて力には自信があるんです」 ニッコリ

勇者 「……地図によれば、このあたりに……!?」

妹 「どうかしたのおに……」

ケイ 「……小屋が、焼けてます」

「……やはり、建物が焼ける様は見ていて飽きない」

「……そうかしら?」

「ああ、芸術と言ってもいい」

「……よくわかりませんわ」

「君が好むお酒というのも、ボクには理解できない味だ」

「お酒はよくてよ、疲れが吹き飛びますわ」

勇者 「……誰だッ!」

妹 「小屋を燃やした悪党だね、多分!」

? 「……人通りのない山道だからと、油断したようだ」

? 「まさか、こうもすぐに気づかれるとは思いませんでしたわ」

? 「……クー」

クーと呼ばれた女の子 「……今回は油断していたよ、ツン」

勇者 「……どことなく妹に似てるな、お前ら」

妹 「ツンって子は、お兄ちゃんよりも背が高いけどね!」

勇者 「……俺よりも大人っぽい妹、だと……」

これにて区切り
本当はハロウィンの日になにか投下したかったけど時間がなかったんだよ、お兄ちゃん!

お嬢様妹、すぐにキレる妹、ふわふわ飛んで行きそうな妹、勇者よりちょっと年上に見えちゃう妹了解
妹に関するリクエストはまだ受付中、貰ったリクエストはどこかしら捻じ込みます

――起きて

勇者 (……なんだ?)

――いつまで寝てるの?

勇者 (……俺は、起きてる)

――痛い?

勇者 (……なにを、言ってるんだ?)

――この世界は、貴方に優しい?

勇者 (……)

-宿-

勇者 「……ッ」

クー 「目が覚めましたか? 兄さん」

勇者 「……クーか」

勇者 「バクが怪我をして……、それから妙な二人組に出会ってだな」

クー 「……? なにを言っているんですか?」

勇者 「……ちょっとまて、どこだ? ここ」

クー 「忘れたんですか?」

クー 「バクちゃんのお兄さんがいるとの噂を聞いて……」

クー 「わたしたちは、治安の悪そうな街に訪れたんです」

勇者 「……そう、だったか?」

勇者 「……そうだ」

勇者 「バクだ、バクの怪我はどうなったんだ?」

クー 「……怪我? 怪我なんてしてませんよ?」

勇者 「……何?」

クー 「ええ、山道を抜けるのには苦労しましたけど……」

クー 「わたしがずっと、バクちゃんをおぶっていましたから」

勇者 「……そう、だったか?」

勇者 (……妙だ)

-街-

妹 「……」

勇者 「……おい、妹」 ユサユサ

妹 「……」

勇者 「……妹!」

妹 「……! なにかなお兄ちゃん!」

勇者 「……ずっとぼんやりしてたみたいだが、どうかしたのか?」

妹 「ううん、なんでもないよダメダメお兄ちゃん!」

勇者 「……」

妹 「……お兄ちゃん?」

勇者 「……俺がダメダメ?」

勇者 「……俺は、勇者だぞ?」

妹 「い、痛いよ、痛いよお兄ちゃん!」

勇者 「……っと、悪い」

妹 「乱暴者は嫌われるよ、お兄ちゃん!」

勇者 「……それも、そうだな」

妹 「……?」

バク 「……にぃ」

柄の悪そうな男 「……こんなところまで追ってきやがったのか? 爆発妹」

バク 「……うん、バクだよ、にぃ」

頭の軽そうな女 「ごめん、待った~?」

柄の悪そうな男 「おっせぇな、どんだけ待たせんだよ」 ゲラゲラ

バク 「……誰?」

頭の軽そうな女 「ちょっとぉ、なによこの子ども」

柄の悪そうな男 「……ボロボロにしたと思ったのによ、まだ俺を慕うたぁな」

柄の悪そうな男 「妹ってのは、本当に嫌だねぇ」

頭の軽そうな女 「えぇー? こんな子どもになにしたのよ~」

柄の悪そうな男 「そりゃ無論、こんなところではおおっぴろには言えねぇことだよ」

バク 「……なに、言ってるの……?」

柄の悪そうな男 「でもよ、こいつは俺がなにやっても俺を慕ってきやがる」

柄の悪そうな男 「……うざいんだよ」

バク 「……え?」

頭の軽そうな女 「それでぇー、捨てちゃったのぉ~?」

柄の悪そうな男 「ああ、こいつ一人を置き去りにしてやったよ!」

バク 「……バクは、捨てられたの?」

柄の悪そうな男 「わかったらさっさと消え失せろよ、雌豚が」

バク 「……ッ!!」

「……お前、妹をなんだと思ってるんだ?」

柄の悪そうな男 「あ……?」

バギッ ドガッ

頭の軽そうな女 「……だ、大丈夫!? 男!」

柄の悪そうな男 「……てめえ、どういうつもりだ?」 ギロッ

勇者 「……行くぞ、バク」

バク 「……ば、バクは、いらない子……」

勇者 「こんな奴のいうことなんか聞いてやるな!」

バク 「……!」

勇者 「……俺じゃ、ダメか?」

バク 「……え?」

勇者 「俺が、お前の新しい兄になっちゃダメか?」

頭の軽そうな女 「きっもー、年下の子にプロポーズまがいのことをする男って」

柄の悪そうな男 「……変態だろうがなんだろうが、俺をなぐった罪は償ってもらおうか?」

勇者 「……ッ」

バク 「……」 ギロッ

                               ヽ`
                              ´
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                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙

柄の悪そうな男 「」

頭の軽そうな女 「……え?」

バク 「……急ごう、にぃ」 ギュッ

勇者 「……バク」

バク 「……はやく」

勇者 「……ああ!」 タッタッタ

妹 「……あ、おかえり、お兄ちゃん!」

ケイ 「……兄さん、息を切らしてますけど……?」

勇者 「……バクの兄に会ってきた」

ケイ 「……え?」

勇者 「逃げるぞ、このままだと捕まってリンチにされる」

妹 「……なにがなんだかわからないけどわかったよ、お兄ちゃん!」

ケイ 「は、はい!」

勇者 「……」 ゼェゼェ

バク 「……」 ギュッ

ケイ 「……なにがあったんですか? 兄さん」

妹 「あれだけ嫌ってたお兄ちゃんにくっついてるなんておかしいよね、バクちゃん!」

勇者 「……さっきも言ったような気がするけどさ」

勇者 「……バクの兄に、会ってきたんだ」

ケイ 「……それで?」

勇者 「……クズだったよ、そいつは」

ケイ 「……」

勇者 「……バクは、俺が面倒を見る」

勇者 「……異論はないな?」

妹 「……ヒーローみたいだね、お兄ちゃん!」

勇者 「……よしてくれ」

妹 「悪党からお姫様を掻っ攫う、まんまヒーローじゃん!」

勇者 「……褒めてるのか? それ」

ケイ 「……兄さんにだけ、面倒を見させやしません」

勇者 「……ケイ?」

ケイ 「わたしは、バクちゃんの友達ですよ?」 ニコ

勇者 「……ケイ」

バク 「……」ギュッ

妹 「結局、いつもとあんまり変わらないねお兄ちゃん!」

勇者 「……そうだな」

これにて区切り

妹の募集は締め切るよ、お兄ちゃん!

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