私の名前は矢澤にこ

猫みたいな名前と笑顔のにっこり

だってナンバーワンアイドルには必要なこと

誰が騒いだって私は振り向かない

私は私

矢澤にこは前しかみえないの★☆ｷｭﾋﾟｰﾝ☆★

そんなあたしの前にあいつが現れた

あいつの名前は……

にしきの

真姫

名前に姫とかつけられるなんて……

きっと親はヤンキーの親ね

キラキラネームをつける人の八割が

男がヤンキー

女がギャル

今じゃそう珍しくはないけれど

だって

にこみたいな正統派の名前はなかなかいない

ふっ

矢澤の前に道はなく矢澤の後ろに道はない

我が生涯に一片の悔い無し

あたしは手を正面にドーンとうちつけた！

だってあたしは矢澤

握った右手をつきあげてドーンと高くつきあげる

だってあたしは矢澤

ふっ

それが出来る女なのだから

こんな無敵のにこにーの前に

真姫ちゃんがあらわれた

くっ

くやしいけどこの子とてもかわいい！！！

殺しにかかってるわ

流石にたじろがないあたしはたじろいだ！

だけど、にこは前をむく

三歩さがったので二歩だけ前にでた

ふっ

負けは一歩だけ

二歩になっていないから

私の負けじゃない

ふっ

だってあたしはにこにー★ｷｬﾋﾟｷｭﾙｰﾝ★

にこにーはドキドキしながら

まきちゃんに声をかけてみた

にこ「そこのアンニュイな美少女」

真姫「何いってるのにこちゃん」

にこ「なーに」

真姫「アンニュイじゃないわ安寧な美少女よ」

くっ

さすがは真姫ちゃん

殺しにかかってるわ

アンニョンハシムニカ

安寧ですかは

アンニョンハセヨ

アイドルの活躍に外国語習得が欠かせない

だから英語をにこにーは勉強しようとした

だけど、にこにー英語は諦めた

学校でいっぱい習っているもの

だから

韓国語を勉強しようとした

1ページの挨拶がアンニョンハセヨだった

安寧ですか

あたしは作戦をかえた

ちゅどーん

にこ「ねぇ真姫ちゃん……」

真姫「なーににこちゃん」

にこ「真姫ちゃんが好きなの」

真姫「……」

真姫ちゃんは黙って俯いた

シリアスで真剣なあたしはチャンスを逃さない

あたしは知っている

ここはチューすればチューできる瞬間なのを

人が恋する瞬間はチューから始まるの

真姫と私の一日は今日もキスで始まりキスで終わる



ｷｬﾋﾟﾘｰﾝ！