エレユミ「……には、どうすればいいと思う?」
ミカサ「……」
エレン「なあミカサ。オレ、ユミルと結婚したいんだけど」
ユミル「なあミカサ。私、エレンを殺したいんだけど」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
ミカサ「……」
ミカサ「……なぜ、私に聞くの?」
エレン「だってミカサ以外の女にこういうこと聞きづらいし」
ユミル「エレンのことはお前が一番分かってるだろ」
ミカサ「……」
ミカサ「……エレン、なぜユミルと結婚したいの?」
エレン「そりゃユミルはいい女だからだ。いい女と添い遂げたいと思うのは男として当然だろ?」
ミカサ「……ユミルのどういうところがいいの?」
エレン「え? 普通にユミルのこと見てたら感じると思うんだけどな。とはいえオレもそれに気付いたのは最近なんだけど」
エレン「ユミルって普段は無神経で女らしくないけどさ、よく見るとしっかり周りを気遣ってるんだよ」
エレン「一度そこに気付くと外見まで良く見えると言うか、格好良さと可愛さを兼ね備えてるよな、ユミルって」
エレン「……とまあ、そんな感じだ」
ミカサ「……」
エレン「どうだミカサ? ユミルと結婚するにはどうすればいい?」
ミカサ「……少し考える時間をちょうだい」
エレン「分かった」
ミカサ「……ユミル、なぜエレンを殺したいの?」
ユミル「そりゃエレンがこんな調子で気色悪いことほざくからだ。初めは下らない冗談かと思ったが毎日しつこく迫られてな」
ユミル「何度てめぇに興味はないと突き放してもめげずに付きまとわれて、いい加減我慢ならなくなったんだ」
ユミル「だからいっそのこと殺してしまった方が手っ取り早いんじゃないかと」
ミカサ「……」
ユミル「どうだミカサ? エレンを殺すにはどうすればいい?」
ミカサ「……少し考える時間をちょうだい」
ユミル「できるだけ早くな」
ミカサ「……」
ミカサ(……この状況はなに? 全く意味が分からない。意味不明過ぎていろいろ聞いてしまったけれど、それでも分からない)
ミカサ(まさかドッキリ? 確かに私にドッキリを仕掛けるならこのくらいでないと効き目はない)
ミカサ(けれど二人は本気のように思える。ユミルは確信できないけれど、エレンは間違いなく本気)
ミカサ(つまりエレンは本気で、ユミルと結婚したいと言っている……)
ミカサ(……)
ミカサ(……落ち着け私。落ち着けミカサ・アッカーマン)
ミカサ(エレンの言い分は、許し難いけれど理解はできる。ユミルが好きだから結婚したい、それだけ。許し難いけれど)
ミカサ(対してユミルの言い分は、途中から飛躍している。なぜ殺すという手段に出るのか。そもそもエレンを殺すなんて許されない)
ミカサ(……結局、二人とも説得するしかない)
ミカサ(まずは……)
ミカサ「ユミル。考えがまとまった。聞いて欲しい」
ユミル「お、なかなか早かったじゃねぇか」
エレン「オレは後回しかよ」
ユミル「で、エレンを殺すにはどうすればいい?」
ミカサ「まずそれが間違っている。殺すだなんて極端な手段を用いる必要はない。何度求婚されても断り続ければいい」
ミカサ「その方が私にとっても好都合」
ユミル「だからそれはやったって。毎日毎日付きまとわれて辟易してんだよ、こっちは。ストーカーかっての」
ミカサ「確かに大変かもしれないけれど、たとえ相手がストーカーでも殺していいわけではない」
ミカサ「そんなことをすれば処罰されるのはもちろん……クリスタも悲しむのでは?」
ユミル「だから、私がやったと分からないようにエレンを殺すにはどうすればいいかを聞いてるんだよ」
ミカサ「ユミル」
ユミル「あん?」
ミカサ「あなたは一つ重大なことを忘れている。できれば指摘しないままでいたかったけれど、もう我慢の限界」
ユミル「なんだよ?」
ミカサ「もしあなたがエレンを殺せば、今度は私があなたを殺す」
ユミル「……」
ミカサ「それを知った上でなお、私に相談を続ける?」
ユミル「……は、ははは。冗談だ冗談。本当に殺すわけないだろ、なに真に受けてんだ」
ミカサ「……」
ユミル「……いや、悪かった。エレンがうざ過ぎてどうかしていた。確かに殺しはよくないよな、うん」
ミカサ「分かってくれて私も嬉しい」
ユミル「だが困っているのは本当だ。エレンを殺さずにどうにかするにはどうすればいい?」
ミカサ「……私がエレンを説得する」
ユミル「できるのか?」
ミカサ「がんばる」
ミカサ「エレン。考えがまとまった。聞いて欲しい」
エレン「ようやくか……で、ユミルと結婚するにはどうすればいい?」
ミカサ「まずはその考えを改める必要がある。あなたがユミルの魅力に気付いたのは最近のこと。それで結婚決めてしまうのは尚早」
ミカサ「結婚は人生の一大事。簡単に決めてはいけない。悩んで、考えて、ちゃんと段階を踏むべき」
エレン「……それは確かに」
ミカサ「でしょう? 今のエレンは少し舞い上がってしまっているだけ。冷静に考えればユミルよりも結婚に相応しい相手がいることに」
エレン「婚約指輪が必要だな!」
ミカサ「……は?」
エレン「その存在を忘れていた。言葉だけじゃなく婚約指輪でオレの気持ちを伝えないとな!」
ミカサ「そ、そうではなくて」
エレン「でも訓練兵の身分じゃ婚約指輪を買う金なんてないし……どうすればいいと思う?」
ミカサ「……」
ユミル「全っ然ダメじゃねぇか!」
ミカサ「……エレンは舞い上がっているだけ。舞い上がっているだけ。舞い上がっているだけ。舞い上がって……」
ユミル「ダメだこりゃ」
エレン「おい、どうしたミカサ? 婚約指輪を用意するにはどうすればいいか聞きたいんだが」
ミカサ「ぶつぶつぶつぶつ」
エレン「おかしくなっちまった……仕方ない、違う奴に聞きに行くか」
ユミル「ミカサはもう役に立たねぇな。他に相談できそうな相手っていうと……」
エレン「婚約指輪を用意する」
ユミル「エレンを殺さずにどうにかする」
エレユミ「……には、どうすればいいと思う?」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
エレン「なあライナー、ベルトルト」
ユミル「なあライナー、ベルトルさん」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
ライナー「……いきなりなんだ。意味分からんぞ、お前たち」
ベルトルト「いったいどうしたんだ?」
エレン「だからだな」
ユミル「一から説明すると……」
エレユミ「……と、こういうわけだ」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
ライナー「……つまり要約すると、エレンはユミルへの求婚のために婚約指輪が欲しい」
ベルトルト「ユミルはその求婚が不愉快で、どうにかしたい」
ライナー「……あまり付き合いたくない話題だが、二人とも真剣なようだし、無下にはできんな」
ベルトルト「じゃあ僕はユミルを。ライナーはエレンの相手を頼む」
ライナー「分かった……」
ライナー「エレン。婚約指輪を用意したいということだが……」
エレン「おう。なんかいい考えあったか?」
ライナー「現実的に考えて俺たち訓練兵には無理だ。おもちゃの指輪ならともかく、な」
エレン「やっぱりそうだよな……さすがにおもちゃじゃ本気とは思ってくれないだろうし」
ライナー「だから婚約指輪は諦めて、他のものにすればいいんじゃないか?」
エレン「他のもの?」
ライナー「ああ。事情を説明すれば相手も分かってくれるだろ……例えば、花とかなら俺たちでも買うことができる」
エレン「そうか、オレが買えるぎりぎりの値段で思いが伝わりそうなものを渡した方がいいな。指輪はオレがしっかり稼げるようになってからで」
ライナー「それがいいと思うぞ」
エレン「でも代わりに花か……花はしばらくしたら枯れちまうよな。やっぱり一生残るものにしたいんだが、何かないか?」
ライナー「うーん……俺も考えたことないからな。すぐには」
エレン「だよな。でも助かった。ライナーに相談して良かったよ」
ライナー「少しは役に立てたようだな」
エレン「ああ……指輪の代わりは他の人に当たってみる」
ライナー「あてがあるのか?」
エレン「女子に聞いてみる。ミカサ以外には聞きづらいとか言ってられねぇし」
ライナー「なるほど。女子に直接どういうものがいいか聞くわけか」
エレン「そういうことだ」
ベルトルト「ユミル。エレンを殺さずにどうにかしたいということだけど……」
ユミル「ああ。なにかいい考えでもあったか?」
ベルトルト「殺さず相手を無力化するのは難しいが、ユミルの実力があれば強制的に黙らせることができると思う」
ユミル「私の実力?」
ベルトルト「実力行使で黙らせるんだ。殺さなければ問題ない……例えば、エレンの口を手で塞いで喋れなくするとか」
ユミル「アホか。一日中あいつの口塞いでろってのか? それに黙らせても気色悪いことが解消されてねぇだろ」
ベルトルト「うーん……相手を殺さずに無力化する術を聞くなら僕よりも他に適任がいると思う」
ユミル「……確かにな。あんたに聞くのは間違いだったか」
ベルトルト「力になれなかったようだね。でもその適任なら僕に心当たりがある。彼女なら……」
ユミル「……なるほど。あいつならいろいろ知ってそうだ。助かったぜ」
ベルトルト「いや、大したことはしてないよ」
短いけど今日は終わりです
エレン「婚約指輪に代わるものを探してるんだが」
ユミル「エレンを強制的に無力化する方法を探してるんだが」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
アニ「……」
エレン「なあアニ。女性にとって婚約指輪の代わりになりそうなものって」
ユミル「なあアニ。エレンを殺さずに黙らせる方法って」
エレユミ「どんなのがある?」
アニ「……その前になんでその問いを私に投げかけるのか、聞いてもいい?」
エレン「ああそっか」
ユミル「つまりだな……」
アニ「……また下らない話だね。私には何の関係もない」
エレン「下らないとか言うなよ。オレは真剣なんだぞ。頼む」
ユミル「私も真剣に困ってるんだ。それにお前がこの疑問に答えるのに最適だと判断したから聞きに来たんだぞ」
アニ「……はあ、じゃあ順番ね。まずはユミルから」
ユミル「ああ」
エレン「また後回しか」
アニ「それで、無力化させる方法か……確かにいくつかある。一撃で気絶させる技、とか」
ユミル「お、本当かよ」
アニ「まあね。上手く扱うためにはそれなりの練習が必要だけど、あんた身体能力自体は高そうだし、いけるかな」
アニ「対人格闘の訓練ではいつも怠けてるけど私から見れば丸分かり。お相手のクリスタは全力のようだけど」
ユミル「よく見てやがるな、お前……それで、その技を私に教えてくれるのか?」
アニ「面倒だしできればやりたくないけど……それに、あんたが技を習得したとして、まだ問題が残ってる」
ユミル「あ? その技でエレンをぶちのめせば済む話だろ?」
アニ「あいつが気絶させられたとして、その程度で諦めると思う?」
ユミル「……」
アニ「今までに何度拒否しても諦めなかったんでしょ、あいつ。多少の痛みくらいでそれが変わるとは思えない」
アニ「もう少し、やり方を変えてみたら?」
ユミル「……と言うと?」
アニ「殺すとか無力化するとかさ、無理矢理引き離そうとしてもあいつは諦めないと思う」
アニ「だからそんな物騒なやり方じゃなく、もっと平和的にやった方があいつも納得するんじゃない?」
ユミル「……へえー」
アニ「……なに?」
ユミル「いんや、本当によく見てるなと思ってさ、誰かさんのこと」
アニ「なにが言いたいわけ?」
ユミル「べつにー……お前の意見はなかなか良かったなと思っただけだ。だからその平和的に解決する方法を」
アニ「悪いけどそれは別の奴に聞いて。次はエレンの番」
ユミル「おいおい……ま、礼は言っとく」
アニ「そりゃどうも」
アニ「エレン。婚約指輪の代わりのことだけど」
エレン「お、ようやくか……それで、アニは婚約指輪の代わりには何がいいと思う?」
アニ「その前に確認したいことがある」
エレン「なんだ?」
アニ「あんたはさ、ユミルと付き合ってるの?」
エレン「え?」
アニ「さっきの説明だと、ユミルを好きになってすぐ求婚を始めたみたいだけど、それならあんたたちは付き合ってないんじゃないかって」
エレン「……ああ、そうだな。その通りだ」
アニ「やっぱりか……呆れた。求婚や婚約指輪の前にもっとやることがあるでしょ」
アニ「そんなんじゃユミルに相手されなくて当然。好きな人ができたからって舞い上がってないでちゃんと段階を踏みな」
エレン「それ、ミカサにも言われた」
アニ「ったく……」
エレン「婚約指輪はまだ先の話なのか……じゃあその段階ってのは具体的に何のことなんだ?」
アニ「少しは自分で考えたら? さっき付き合ってるのかって聞いたでしょ」
アニ「付き合ってもいないのに結婚しようだなんてバカがすること。あんたのことだエレン」
エレン「お、おう。そうだよな……じゃあユミルと付き合えるように頑張るよ。ありがとなアニ」
アニ「もうこんな厄介事持ち込まないでよね」
???「……」
エレン「ユミルと付き合いたいんだが」
ユミル「エレンを平和的にどうにかしたいんだが」
エレン「サシャ」
ユミル「コニー」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
サシャ「もぐもぐむしゃむしゃばくばく」
コニー「汚ねぇな! もっと落ち着いて食え!」
エレユミ「……おい」
サシャ「んぐっ……そうはいきません。早く食べないと料理がなくなってしまいます」
コニー「料理をなくしてるのはお前だよ」
エレユミ「……聞けよ!」
サシャ「ん? ユミルにエレン?」
コニー「なんだお前ら、いたのか」
ユミル「さっきからいたっての。全く聞いてねぇんだからお前は」
エレン「もう面倒くさいからこっちから説明するぞ」
エレユミ「……どうすればいいと思う?」
サシャ「はあ……ユミルと付き合いたい、ですか」
コニー「エレンを平和的にどうにかする、か」
エレン「サシャってユミルとそこそこ付き合いあるだろ? 何か知ってそうだなと考えたわけだ」
ユミル「コニーってバカだろ? 何か閃かないかと考えたわけだ」
サシャ「そう言われましても……私だって異性と付き合ったことなんてないですし、ましてやユミルのことなんて」
コニー「バカじゃなくて天才の間違いだろ。でも確かにオレの閃きはすげぇからな、少し考えてやる。えーと……」
エレン「ちょっとしたことでもいいんだ。ユミルと付き合うにはどうすればいいと思う?」
ユミル「ちょっとしたことでいいからな。エレンを平和的にどうにかするにはどうすればいいと思う?」
サシャ「そうですね……ユミルと、というよりも一般的な答えになってしまいますが」
コニー「……あ、閃いた」
エレユミ「なんだなんだ?」
サシャ「付き合うということはつまりお互いに好き合っているということですから、やはりお互いのことをよく知っていないとダメなはずです」
コニー「ユミルはエレンの求婚を拒絶してたみたいだけどさ、どうせその拒絶の仕方って興味ないとか気色悪いとか、そんな素っ気ない感じだろ」
エレユミ「……確かに」
サシャ「ですから人と付き合うためには、自分のことを知って貰って、同時に相手のことを知らなければなりません」
サシャ「そうすることで相手の知らなかった一面を見ることがあるかもしれませんし、逆に今までの自分にない一面が出てくるかもしれません」
サシャ「そういうところも込みで好き合えるのなら、付き合うという関係になるんじゃないですかね」
コニー「そうやって一方的にあしらってるだけだからちゃんと伝わらねぇんじゃないか?」
コニー「いくらエレンをどうにかする方法を探したって、お前がそんな態度だと状況はずっと変わらないぞ」
コニー「エレンがうざいのも分けるけどよ、真剣に向き合ってやめてくれって言えばあいつだってやめると思うしさ」
エレユミ「……なるほど」
エレン「まずはユミルとお互いのことを知り合えってことだな!」
ユミル「まずは私もエレンに対して真剣に向き合えってことか」
エレン「ありがとな、サシャ」
ユミル「ありがとよ、コニー」
サシャ「いえいえ、どういたしまして」
コニー「相談事の一つや二つ、オレは気にしないぜ」
エレユミ「でも……まさかお前からこんな良い答えが聞けるとは思ってなかったけどな」
サシャ「失礼な!」
コニー「やっぱバカにしてんだろ!」
エレユミ「ははは」
???「……」
エレン「確かに今までは一方的なアプローチばかりだったな……自分のことしか考えてなかった」
ユミル「確かに今までは適当に拒絶するだけだったな……少しはエレンのことも考えてやるべきだったか」
エレン「でも実際やってみると難しそうだよな……ユミルはオレと知り合おうとしてくれるのか?」
ユミル「でもエレンと付き合うつもりはないしな……向き合ってみればその考えも変わるのか?」
エレユミ「うーん……」
ジャン「……」
マルコ「……」
エレユミ「うーん……」
ジャン「……あれ!? 素通り!?」
マルコ「今までの流れなら僕たちにも相談に来たはずなのにね……」
???「……」
エレユミ「……というわけで」
エレン「ユミルと知り合いたいんだが」
ユミル「エレンと向き合いたいんだが」
エレユミ「どうすればいいと思う?」
クリスタ「……そんなの簡単だよ」
エレユミ「簡単?」
クリスタ「二人きりで、話してみればいいじゃない。知り合うのも、向き合うのも、まずは会話から始まるはずだから」
エレユミ「……あ、そっか」
クリスタ「がんばって!」
???「……」
エレン「ユミルと」
ユミル「エレンと」
エレユミ「二人きりで話す」
エレユミ「……には、どうすればいいと思う?」
???「……」
エレユミ「なあ、アルミン」
アルミン「……」
アルミン「……もう好きにしたらいいんじゃないかな」
アルミン「実はミカサに頼まれて、二人がアニに相談するあたりから尾行させて貰ったんだけど、もう見てられなかったよ」
エレン「全然気付かなかった」
ユミル「なんとなく人の気配は感じていたが、お前だったのか」
アルミン「まったく……君たちは人に相談しないと話すこともできないの?」
アルミン「なかなか二人きりになれないとかなら分かるけどさ、今日ずっと一緒だったじゃないか」
アルミン「二人はバラバラに相談相手を探していたはずなのに行く先々で鉢合わせするとか何の偶然だよ」
アルミン「他にも今日だけで二十回以上ハモってるしさ、どれだけ息合ってるんだ」
エレユミ「え、そんなに?」
アルミン「また一回増えたね……つまり僕に相談するまでもなくいくらでも機会があっただろ、ってこと」
エレユミ「……そう言えば」
アルミン「わざとじゃなかったのか……あと、もうカウントしないから」
アルミン「だからさ、今から思う存分二人きりで話せばいいよ。邪魔が入らないように僕が何とかしておくから」
エレン「悪いな、アルミン」
ユミル「助かる」
アルミン「そう思うなら二人ともがちゃんと納得できるような会話をするんだよ……わざわざ相談に乗ってくれた皆のためにも、ね」
アルミン「じゃあまた、後で」
エレン「……」
ユミル「……」
エレユミ「……」
エレユミ「……あの」
エレユミ「……」
エレン「……ユミル、先言えよ」
ユミル「……お前こそ、先に言え」
エレユミ「……」
エレン「……試しに、同時に言ってみるか?」
ユミル「……そうだな。アルミン曰く、何度もハモってたみたいだし」
エレン「二人して全く同じことを言いそうな気がするんだが」
ユミル「奇遇だな。私もだ」
エレン「……それじゃあ」
ユミル「せーの……」
エレン「オレと」
ユミル「私と」
エレユミ「――二人きりで話してくれ!」
おわり
短いけど以上です
ちょっと変則的?なエレユミが書きたかった
読んでくれた人ありがとう
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