俺「よお俺。高校の卒業式以来だな」 俺「ああ…」 (23)

俺「ところで俺や俺はまだ来てないの?」

俺「ああ…」

俺「俺ならいるよ」

俺「おお俺じゃん!お前とはこの間の山荘での事件の時に会ったな」

俺「なになに?気になる~」

俺「ああ…」

俺「実はさあ~」

俺「大変だ!!!」

俺「「「!?」」」

『悔い改めよ!』

俺「こ、これは?!」

俺「俺に呼ばれと俺の部屋に行ったらこんなものが…」

俺「おい…これ、俺の字じゃないか?」

俺「ホントだ!間違いなく俺の字だ!なあ、俺!」

俺「…ああ」

俺「じゃあ、まさか、お、俺が?」

俺「おいおい…っ!ちょっと待ってくれよ!何で俺がこんなことしなくちゃいけないんだよ!」

俺「でもこれは俺の字じゃないか!」

俺「俺じゃない…本当だ!信じてくれよぉおお!うわああああああ」ダダダ

俺「おい!俺が逃げたぞ」

俺「まあ待て。本当に犯人は俺じゃないかもしれない」

俺「俺じゃなかったら誰なんだよ!あの部屋にあんなことできた俺しかいないぜ」

俺「それは俺たち以外に屋敷に人がいなかったらの話だろ?」

俺「は?わけわかんねえよ!俺たち以外にこんなところまで来るやつ――ハ、まさか」

俺「そう。たとえばまだここについてない俺や俺あたりなら…」

俺「俺か。たしかにあいつならやりかねない。じゃあホントに俺は関係なかったのか」

俺「実は今日俺のところにこんな手紙が」

俺「俺のところにも!?実は俺のところにも届いたんだ。俺はどうだ?」

俺「俺?…ああ、届いたよ」

俺「つまり全員のところに届いてるわけか…ということは俺のところにも届いてるわけだ」

俺「おい、俺。俺は何か嫌な予感がする。やっぱり俺の後を追いかけた方が…」

俺「俺も俺の意見に賛成だ。俺はたしか東館の方に――」

俺『うわぁあああああああ!!!!!!』

俺「今のは俺の悲鳴?!」

俺「急ごう!俺が心配だ」

俺「」

俺「死んでる…」

『俺は一人目の犠牲になった。次は俺の番だ!』

俺「さっきと同じ字だな。俺の血で書いたのか」

俺「やっぱりどうみても俺の字だよね~」

俺「まさか俺が殺されるなんて…」

俺「酷い。俺が一体なにをしたって言うんだ?」

俺「決まってるだろ…俺だよ。俺はきっと俺たちのこの状況を見て楽しんでるんだ」

俺「まさか俺に限ってそんなこと…」

俺「俺じゃなかったら誰だっていうんだよ」

俺「そんなことより俺の横に例の手紙が落ちてるぞ!」

俺「俺たちは全員一緒に居たんだ。やっぱり俺か俺以外に犯行は不可能だと思う。なあ俺」

俺「…ああ」

俺「俺は俺だと思うぜ。あいつ俺たち…特に俺の事は快く思ってなかったからな」

俺「そういうことなら俺だってそうだろ?それに俺だって」

俺「な、なんで俺が?」

俺「そうだそうだ。それにそれを言うなら俺だって俺とよく喧嘩してたじゃないか。俺は知ってたんだ。いや俺だけじゃない俺だって知ってたよな?」

俺「いや、俺は…」

俺「待て待てお前ら。ここで俺たちが仲間割れをしたら俺の思うつぼだろ」

俺「俺も落ち着け。まだ俺の仕業と決まったわけじゃ」

俺「崇りじゃ~~~~~~~!!!!」

俺「?!」

俺「俺、いきなりどうした?急に叫ぶなんて俺らしくないぞ」

俺「崇りじゃ崇りじゃ7年前に死んだ俺の崇りじゃ~~~ブホ!」

俺「俺?!どうした俺しっかりしろ!おい、俺!救急車と警察を」

俺「わかった。ダメだ圏外だ」

俺「なんだって?」

俺「ダメだ。俺が死んだ。きっと毒だ。俺は毒を飲まされてたんだ」

俺「相変わらずマヌケな奴だ」

俺「俺。そんな不謹慎なことを言ってる場合じゃない」

俺「そうだ俺が死んでるんだぞ」

俺「うわあああああ」グサ

俺「俺が俺を刺し殺した。」

俺「俺はもう俺も俺も信用できない!」グサ

俺「…ああ」ボテリ

俺「俺まで俺を殺すのか?」

俺「でも俺の言うとおりだぜ。犯人は俺かもしれない俺かもしれない。もう誰も信用できない!」バキューン

俺「俺ーーーーーーー!もうヤメロ!俺たちなかm…」

俺「俺どうしたーーーー!」

―――10分後

俺「ふ、全滅した。全て俺の計画通り。俺以外全員殺してやったぜ。俺も俺も。7年前に死んだ…いや殺された俺のために」

俺「そこまでだ俺」グサ

俺「――お前は、おれ?」

俺「そう。俺は俺だ」

俺「俺が俺の復讐のために俺や俺に仲間割れさせて俺や俺を皆殺しにするという俺の作戦を俺が坂手にとってやったぜ。流石だ俺」

おやすみ

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