ルル「母…親…？」


ルル「いや、どう見てもマリアンヌではないのだが…」


母？「ほら、早く朝ごはん食べなさい」


ルル「あ…ああ…」


ルル「とりあえず落ち着くか…」ムシャムシャ


ルル「目覚めたら見知らぬ場所…･･･ということは夢か」


ルル「･･･！！」


ルル「そうだ…ゼロレクイエム!」


ルル「･･･…俺は死ななかったか？」


ルル「だとしたら、これはいつの俺が見ている夢なんだ？」


ルル「ゼロレクイエムのくだりからすべて夢なのかもしれんな…」


ルル「つまり俺は、夢の中で夢を見ている訳か…ハハッ」


母「独り言が多いわね…どうしたのかしら、この子は」

ルル「そうだ母上」


母「母上!?」


ルル「妹はどこに？」


母「妹って…あんた一人っ子じゃないかい」


ルル「なんだと!?俺の夢でありながら、ナナリーが登場しないというのか!!」


ルル「バカげている……ナナリーはどこかにいるはずだ…!!」


ルル「ならばまず、この夢の世界観を把握しなくてはならないな」


母「ねぇルルーシュ」


ルル「なんだ母上、俺は今席を立たずにこの世界の全体図を掴む方法を模索しているんだが…」


母「ナナリーってナナリー王女のことかい？」


ルル「王女だと!?この世界のナナリーは王女なのか!!…いや、それは元の世界でもだったか」


ルル「いいだろう…この俺が直々に城まで出向いてやろう…ふははは」


母「なにいってんだい、ナナリー王女は一週間前に、魔物の軍勢にさらわれてしまったじゃないかい」


ルル「なんだと!!!?」

ルル「それで!?ナナリーは無事なのか!!!?」


母「確か魔王のところへ連れられたって噂だったっけねぇ…」


ルル「魔王だと…？おのれ…俺のナナリーを奪うとは、万死に値する!!」


母「なんでもいいから、お隣のスザク君家に回覧板届けてくれないかい？」


ルル「スザクだと!?この世界にはスザクもいるのか!?」


ルル「ふははは…勝った…勝ったぞ魔王!!」


−−スザク家前


ルル「スザク、いるか？」コンコン


スザク「はーい？あ、ルルーシュ？」ガチャ


ルル「スザク、ナナリーがさらわれてしまったんだ。頼む、協力してくれないか？」


ルル(しまった、この世界のスザクにナナリーの話をしても、わかるはずが…)


スザク「ナナリーって、君の妹のかい？」


ルル「！！？」

ルル「スザク、ナナリーのことがわかるのか…？」


スザク「わかるのか…って…君の妹だろ？あ、この世界では王女なんだっけ？」


ルル「話が通じている…？」


スザク「君こそ、昨日までのルルーシュとは違うみたいだね…」


スザク「もしかして、あのルルーシュかい？」


ルル「ああ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、ルルーシュ・ランペルージ、ゼロのルルーシュだ」


スザク「やっぱり!君もこっちに来たんだね」


ルル「こっち…？これは俺の夢じゃ…？」


スザク「ルルーシュ、僕がこの世界に来たのは、今から３日前なんだ」

スザク「僕も最初は夢だと思ったさ。でもね、僕はこの世界で、夢なのに意識がはっきりしていることに違和感を感じていたんだ」


ルル「ああ、それは俺も感じていたな」


スザク「でも、いつかこの夢も醒めるだろうと思って、普通に家の手伝いをして過ごしたんだ。それが一日目だよ」


ルル「お前、地味に偉いな」


スザク「でも、目が醒めてもこの世界のままだったんだ。それで二日目にはこの世界のことを調べたんだよ」


ルル「待て、ということは何かお前はこれが現実だと思ってるのか？」


スザク「本気で信じてる訳ではないさ。でも、もしかしたら…ってね」


ルル「そんな馬鹿な…」


スザク「この世界での僕とルルーシュの関係は、家が隣同士の幼なじみなんだ。あ、ちなみにどちらの家も農家だよ。畑を共有してるんだ」


ルル「俺には似つかわしくない気がするんだが…」


スザク「この世界でのルルーシュは下手したら一ヶ月家を出ない引きこもりだよ」


ルル「……」

スザク「ところでさ、ルルーシュって、ゲームとかしないよね？」


ルル「いや、そんなことはないぞ？お前も知っているだろう、俺はチェスが得意なことを」


スザク「そうじゃなくて、僕が言ってるのはテレビゲームとかのことだよ」


ルル「ああ、確かにあまりやらないな」


スザク「この世界は、RPGに似ているんだ」


ルル「ロールプレイングゲームに、か？」


スザク「ああ。王様がいれば魔王もいる、剣と魔法の世界さ」


ルル「バカげている…」


スザク「言うと思ったよ」


ルル「そういえばさっきも…魔王がどうとか言ってたような…」


スザク「あ、そうだよ。ナナリーが魔王にさらわれてしまったんだ」


ルル「この世界のナナリーは、王女らしいな。その…国王は…」


スザク「あはは、シャルル皇帝じゃないよ。この世界の国王さ」


ルル「そ、そうか…」

ルル「……」


スザク「？」


スザク「ルルーシュ？」


ルル「なぁ、スザク。お前は元の世界のことがわかるんだよな？その…ゼロレクイエムはどうなったんだ…？」


スザク「……大丈夫、ゼロレクイエムは成功だよ」


ルル「本当か!?」


スザク「ああ。君の遺体はナナリーの希望で、手厚く葬られたよ」


ルル「そうか…よかった…」


スザク「僕がこの世界に来たのは、君が死んでから二日後なんだ」


ルル「なぁスザク。これが夢でないとすると、俺は一体…」


スザク「ルルーシュ…」


ルル「いや、すまない。大丈夫だ」


ルル「たとえ今の俺がなんであろうと、俺のすべきことは決まっている」


ルル「ナナリーを助けるぞ、スザク」


スザク「もちろんだよ、ルルーシュ」

スザク「ところでルルーシュ、夢だとかどうとか言う話はもういいの？」ザッザッ


ルル「ああ、今の状況には疑問しか残らないが…夢だろうと現実だろうと、俺がナナリーを救うことに変わりはない」ザッザッザッ


スザク「…ルルーシュ、なんだか死んでから考え方が柔らかくなったね」ザッザッザッザッ


ルル「ふっ…そうかもな…」ザッザッザッザッザっ


スザク「ふふ…あ、ホラ、見えてきたよ」ザッザッザ…


スザク「この国の城だ」


ルル「門兵がいるな…。厄介だ」


スザク「どうする？強行突破？」


ルル「お前なら出来なくはないかもしれないが…魔王を倒すという使命の元では人間側のバックアップがあったほうが何かと都合がいい。ここで揉め事を起こすのは得策ではないな」


スザク「なるほどね、僕らは勇者として旅立つんだね」


ルル「そういうことだ」


ルル「よし、俺が説得してみよう」ザッザッ

門兵Ａ「なんだ貴様は！」


門兵Ｂ「止まれ！」


ルル「いや、怪しい者ではない。少々国王と謁見させて貰おうと思ってな」


門兵Ｂ「国王と？何用だ。ナナリー王女がさらわれたこともあって、国王は謁見を控えられている」


ルル「そのナナリー王女のことで、だ」


門兵Ａ「なに！？どういうことだ」


ルル「我々は勇者として魔王討伐の旅に出ることを決意した。国王にはその報告と承認、そしてバックアップをしてもらうために来た」


門兵Ａ「勇者さまは確か先日出発なされたハズだが？」


ルル「…え?」


スザク「あ、そういえばそうだったよルルーシュ」


ルル「スザク！なぜ…なぜ言わなかったぁあああああ！！！」


スザク「忘れてたよ、あはは」


ルル「あははだと！？だいたいお前は昔から…」


門兵Ｂ「とりあえず勇者を騙る不審者として、一緒に来てもらおうか」


ルル「…え、あれ？」


ルル「えっと…」


ルル「うるさい！俺は勇者だ！国王と謁見させろぉおおお！！」

スザク「ヤケになってないかい？ルルーシュ」


ルル「こんなことをしている場合じゃないんだ！！ナナリーが…ナナリーがぁああああああああ！！！！」


門兵Ａ「おい、コイツ重症だぞ」


門兵Ｂ「早いとこ連れていくか」


ルル『いいから国王の元へ案内しろ！！』キィィィン　カシャッ


門兵Ａ「こちらです、どうぞ」ギアスギアス


ルル「ああ」


スザク「ギアス使えんのかよ」

国王「何者じゃ？」


ルル「お初にお目にかかります、国王。私たちは勇者として魔王討伐の旅に出たいと云々かんぬん」


国王「む？勇者は先日出発 ルル『俺たちは勇者だ。出発させろ』キィィィン
カシャッ


国王「よかろう。だれか準備をしてやれ」ギアスギアス


国王「この城下町から魔王の城に向かって最初の町に勇者に転職するための神殿がある。おぬしらが真に勇者たりえる者ならば、その悟りが開くであろう…」ギアスギアス


スザク「どうしようルルーシュ、ドラクエみたいに転職する必要があるみたいだよ。僕らって真に勇者たりえる者じゃないんじゃないかな？もう勇者いるし」


ルル「なに、その時はそこにいる神官だかなんだかにギアスを掛けるまでだ」


国王「では、行けィィィ」

スザク「というわけで、大した装備も揃わないまま街を出たわけだけれども」


ルル「次の町までに、普通にモンスターがエンカウントするんだろう？農民標準装備の布の服じゃあ心許ないな」


スザク「そう思って国王からいただいた軍資金で防具を買ってきたよ」


ルル「本当か？でかしたぞ、スザク」


スザク「多くはなかったから武器を買う余裕はなかったんだけどね。防具がしっかりしてれば最悪逃げ回ればいいと思ってさ。序盤のモンスターはそんなに強くはないと思うし」


ルル「そうだな。で、どんなものを買ってきたんだ？」

スザク「これだよ、アッシュフォード学園の制服」


ルル「あったのか、防具屋に！？」


スザク「軍資金が尽きるほどの高級品だったよ」


ルル「ちょっと待て！その軍資金には生活費も含まれているんじゃないのか！？」


スザク「まぁ、効果は布の服と変わらないんだけどね」


ルル「だったら布の服でよくないか！？」


スザク「ダメだよダサいし」


ルル「そこ我慢できないだろうか！？」


スザク「足りないところはステータスで補おうよ」


ルル「俺たちはまだレベル１なんだが…」


スザク「とりあえず一度ステータスを見てみようよ」


ルル「ああ、そうだな」

枢木スザク
Lv.1
農民
男
HP 2578
MP 0
ちから:8725
すばやさ:5643
みのまもり:4992
かしこさ:2
うんのよさ:1084


ルルーシュ・ランペルージ
Lv.1
農民
男
HP 4
MP 9
ちから:1
すばやさ:8
みのまもり:3
かしこさ:12070
うんのよさ:1227



ルル「極端じゃないか！？」


スザク「すごいね僕たち」


ルル「お前凄すぎだろう！？レベル１の域軽く越えてるだろ、コレ！！」


スザク「これならステータスでカバー出来そうだね。じゃあ行こうか」ザッザッ


ルル「まぁこの辺にいるのは精々スライムとかだと思うが…」ザッザッ


ボストロールがあらわれた


ルル「ええええ！？」


スザク「全然序盤モンスターじゃないよルルーシュ！」


ルル「どうりでやたら厳重に門を閉めてたわけだ…。危険過ぎるだろうこの辺」

ボストロールは棍棒を高々と振り上げた！


スザク「危ない！」


ルル「うおおおお！！」


スザクはルルーシュを抱えて避けた！


スザク「気をつけてよルルーシュ。君は当たったら即死なんだから」


ルル「あ、ああ…。なんだろう、この惨めな感じ」


スザク「なにか呪文とか使えないの！？」


ルル「なるほど、呪文か！…ダメだ、ホイミしか使えない」


スザク「なんでそこだけレベルに忠実なの！？」

ボストロールは棍棒を高々と振り上げた！


スザク「ふぅんむぅ！！」


スザクは棍棒を頭上で受けとめた！


スザク「うおおおお！」


スザクは棍棒を弾き飛ばし、ボストロールに殴りかかった！


スザクの拳が乱気流を引き起こし衝撃波を生んだ！


ボストロールの内臓がぐちゃぐちゃになった！


ボストロールは死んでしまった！


ルル「ハンパないなお前のパンチ」


スザクはレベルが3に上がった！


ルルーシュはレベルが2に上がった！


スザク「ふぅ、なんとか勝てたね」


ルル「圧勝じゃなかったか？」


スザク「とりあえずなんとかなりそうだね」


ルル「俺は未だに立ち位置を見出だせていないがな」

スザク「町についたよ」


ルル「やったぜ」


スザク「さっそく転職かな？」


ルル「そうだな。早いとこすることを済ませて、宿でゆっくりしよう」


——ダーマ神殿


スザク「すいませーん。転職したいんですけどー」


神官「では、お名前を記入してあちらでお待ち下さい」


ルル「事務的だな」


大神官「転職希望者か？」


スザク「はい！」


大神官「すまんが。今回は諦めてくれまいか」


スザク「え」


ルル「どういうことだ？」


大神官「事情は話せんが…汝らを転職させることは出来ない」

ルル「そういう訳にもいかないな」


ルル『さっさと転職させろ！！』キィィィン　カシャッ


大神官「……」ギアスギアス


スザク「なにも起こらないね」


ルル「どうした、早く始めろ」


大神官「……」ギアスギアス


ルル「ふむ…どうやら〈転職させない〉のではなく〈転職させられない〉のかもな」


大神官「だから、転職させられないんだ」


スザク「あ、ギアス解けた」


ルル「自白したぞコイツ。ギアス使う必要なかったじゃないか」


大神官「ふむ…確かにロクに説明もせずに追い返すのも申し訳ない話だな。仕方ない、事情を説明しよう」

大神官「転職を実行するには神の御言葉を綴った聖書が必要になるのだが、三日前魔物に盗まれてしまったのだ」


スザク「魔物に？」


大神官「魔物にしては知恵のあるやつでな。魔王に命じられたのかどうかは知らんが、転職さえできなくしてしまえば勇者は生まれないと踏んだのであろう」


ルル「まて。勇者は数日前に国を出発したのではなかったか？」


大神官「勇者がこの街に着いたのは昨日のこと。まだ勇者に転職していない」


大神官「勇者とその仲間が魔物を追って行ったが、勇者に転職していない身ではあの魔物との戦いは厳しいであろう」


スザク「ルルーシュ」


ルル「ああ。俺たちも行こう」


大神官「なんだと？危険だぞ」


スザク「大丈夫ですよ。僕たちも勇者なので」

ルル「話によると、北の洞窟にその魔物が潜んでいるらしい」


スザク「その情報、どこで仕入れてきたんだい？」


ルル「ギアスを使った。ギアスを使えば、本人が無意識に除外している噂話のような情報も聞き出すことができるからな」


ルル「そしてその情報の中から信憑性の高いものに絞り、絞り、絞り、絞り、裏付けを得て割り出した情報だ」


スザク「仕事早いね」


ルル「では行くか」

スザク「洞窟の入口についたよ」


ルル「この洞窟、なかなか深そうだな」


モンスターが現れた！


スザク「うらっしゃぁぁぁぁい！！」


スザクは右ストレートを繰り出した！

モンスターは消滅した！


ルル「消滅！？」


スザク「なんだ。ただの雑魚だったね。ボストロールに数段劣る」


ルル「どんなチートだお前は･・・」

スザク「思ったんだけどさ、これ僕の正拳突きで直線上に掘り進んだほうが早くないかい？」


ルル「いや、それは辞めておいたほうがいい。この洞窟、確かに深いがなかなかに通路が狭い」


ルル「洞窟全体が崩れると生き埋めになってしまうからな」


ルル「魔物を倒す時も威力は必要最低限に抑え、洞窟にダメージがいかないようにするんだ」


スザク「わかったよ」


—
———
——————


ルル「結構深くまで来たな」


スザク「効率良く進めているから、結構なペースで来れたね」


?「うわぁあああああ！！！！」


ルル「･・・悲鳴だな」


スザク「助けにいこうか」

少年「くそっ･･･僧侶･･･！」


僧侶「あ･･･ぐ･･･」


魔物「ふはははは！弱い･･･弱いぞ人間！！」


少年「くそっ･･･くそぉおおお！！」


少年はホイミを唱えた

しかしMPが足りない


スザク「まずいよルルーシュ！１人重症だ！」


ルル「応急処置にもならんかもしれんが･･･」


ルルーシュはホイミを唱えた！

ルルーシュはホイミを唱えた！

ルルーシュはホイミを唱えた！

ルルーシュはホイミを唱えた！


僧侶「う･･･うぅ･･･」


ルル「よし、とりあえずはこれで大丈夫だろう」


少年「あぁ･･･あんた、ありがとう･･･」

ルル「お前、勇者か？」


少年「あ、ああ。一応そうだが」


ルル「では、聖書とやらを持っている魔物はアイツか？」


スザク「よし、じゃあぶっ倒そう」


ルル「待てスザク。いくつか聞きたいことがある。[ﾋﾟｰｰｰ]なよ」


スザク「わかったよ」

おっと
これが規制か

ルル「お前、勇者か？」


少年「あ、ああ。一応そうだが」


ルル「では、聖書とやらを持っている魔物はアイツか？」


スザク「よし、じゃあぶっ倒そう」


ルル「待てスザク。いくつか聞きたいことがある。殺すなよ」


スザク「わかったよ」

魔物「ふはははは！！貴様のような矮小な人間が俺を倒すだと！？笑わせてくれる！！」


スザク「シッ！！」ヒュンッ


スザクの音速を超える拳は直線状の衝撃波を生み出した！


魔物「ふはは･･･」ボンッ


魔物「･･･は？」


魔物の右腕は消し飛んだ！


魔物「お･･･おい、ちょ」


スザク「シッ！シッ！シッ！シッ！」


魔物「あああああああああ！！！！」ボンッボンッボンッボンッ


魔物の左腕は消し飛んだ！

魔物の左脚は消し飛んだ！

魔物の右脚は消し飛んだ！

ルル「スザク、もういい」


ルル「おい、魔物。今回の行動はお前の独断か？命令か？」


魔物「がぁああああ･･･！！！！腕がぁああああ･･････！！！！！！！」


ルル「ふむ･･･『質問に答えろ』」キィィィン　カシャ


魔物「了解した」ギアスギアス


ルル「ほう･･･魔物にもギアスは効くのか」

ルル「では答えろ。聖書を奪ったのはお前の独断か？」


魔物「違います」ギアスギアス


ルル「やはりな。こんな馬鹿っぽい魔物が転職の阻止なんぞ思いつくはずもないと思ったいた」


ルル「では、誰の命令だ？」


魔物「側近様です」ギアスギアス


ルル「側近？知っているか、スザク」


スザク「え、何？聞いてなかった」


ルル「･･････」


ルル「勇者、お前は知っているか？」


少年「すまない、知らないな」

ルル「側近とは誰だ？」


魔物「魔王様の側近です」ギアスギアス


ルル「では、そいつも魔物か。強いのか？」


魔物「魔界No.2の実力です」ギアスギアス


少年「つまり、間接的に魔王の命令ってことか？」


魔物「･･････」ギアスギアス


ルル「間接的に魔王の命令だということか？」


魔物「いいえ。勇者討伐については側近様が指揮をとっておられますので」ギアスギアス


少年「･･････」

魔物「･･･はっ！」


魔物「ぁあああああああああああああ！！足がァああああああ！！！！」


ルル「･･･スザク」


スザク「とどめだね」


魔物「ヒッ･･･！ちょ･･･ちょっと待ってくれよ･･･。い･･･命だけは･･･」


スザク「残念だけど、現実は甘くはないんだよ」グチャッ


スザクは魔物を踏みつけた！


魔物は原型がわからないほどぐちゃぐちゃになった！


スザク「ふぅ･･･終わったよ」


ルル「ご苦労」


少年「すごいなあんたたち」

スザク「ルルーシュ、聖書見つけたよ」


ルル「よし、早いとこ帰ろう。怪我人もいることだしな」


スザク「そうだね」


ルルーシュはリレミトを唱えた！


——洞窟入口


ルル「よし」


スザク「ルルーシュ、ホイミ以外使えたんだね」


ルル「この前レベルUPした時にな。そんなことより、急いで戻ろう」

——町


ルル「さて、じゃあ急いで病院に･･･」


少年「宿屋に行こう」


ルル「ぇええええええええ！！？？」


スザク「知らないのかいルルーシュ？RPGでは宿屋に泊まればHPを全快できるんだよ」


ルル「宿屋にそんな機能が！？」


——宿屋


店主「いらっしゃい」


ルル「ボロい！！」


スザク「失礼だよルルーシュ」


店主「一泊２ゴールドだよ」


ルル「破格！！」


少年「ああ、それでいい」


ルル「いいのか！？なんか怖いんだけど！？」


僧侶「ぅ･･･すいません･･･」


少年「今はしゃべるな」

——
————
——————


——翌日


僧侶「いやーよく眠れたっ」


ルル「嘘だろ！？」


スザク「素晴らしいね」


少年「あんたたち、ホント助かったよ。どれだけ感謝しても足りない」


ルル「礼はいい」


スザク「君は今から勇者に転職するんだよね。よかったら一緒に行かないかい？」


ルル「そうだな」


少年「いいのか？」


スザク「もちろんだよ。さ、行こっか」

——ダーマ神殿


大神官「おおっ！無事だったか勇者よ！」


少年「ええ。彼らのおかげです」


大神官「彼ら？」


スザク「ども」


ルル「昨日ぶりだな」


大神官「お前たちは･･･。そうか、なかなかの実力者だったのだな」


ルル「早速ですまないが、そこの勇者と俺たちの転職を済ませてくれないか？」


大神官「そうだな。うむ、させてもらおう」

大神官「ここは　転職をつかさどるダーマの神殿。職業をかえたい者が来るところだ」


大神官「転職を希望か？」


ルル「え、それは今更確認することなのか？」


スザク「形式だよ」


少年「はい、お願いします」


大神官「では、少年よ。勇者の気持ちになって祈りなさい」


ルル「なんだ勇者の気持ちって」


スザク「小学校の先生が言いそうだよね。相手の気持ちになって考えなさいって」

大神官「おお、この世のすべての命をつかさどる神よ！少年に新たな人生を歩ませたまえ！」


大神官「これで少年は勇者として生きてゆくことになりました」


大神官「生まれ変わったつもりで修行にはげんでください」


勇者「おお･･･。力が溢れてくる･･･！」


ルル「もう終わったのか」


大神官「ほかにも転職したい者はいるか？」


スザク「あ、はいはーい」


大神官「転職を希望か？」


スザク「あ、また言うんだ･･･。はい、そうです」


大神官「スザクさんがなりたいのはどの職業だ？」


スザク「あ、勇者でお願いします」


勇者「え？」


僧侶「な」


大神官「は？」


スザク「あれ？やっちゃった？」

ル「っぽいな。なにが問題なんだ？」


僧侶「あのですね、勇者様というのは世界の守り神である精霊様が認める選ばれし者のみにしかなれない職業なんですよ」


スザク「そこをなんとか」


大神官「いや、そういうことじゃないんだけど･･･」


スザク「どうしようルルーシュ」


ルル「無理なものは無理なんだろう。仕方ない･･･勇者、よかったらお前のパーティに加えてもらえないだろうか」


勇者「え、俺はいいけど･･･ってかむしろ大歓迎だけど」


ルル「よし、じゃあ適当に転職しようか」

スザク「というわけでよろしく」


大神官「うむ。･･････ぅむ？」


ルル「どうした？」


大神官「そんな･･･馬鹿な･･･」


ルル「だからどうした」


大神官「スザクといったか」


スザク「はい？」


大神官「おめでとう。勇者への転職が可能なようだ」


スザク「やったー」


勇者僧侶「「ぇええええええええ！！！！？？」」

ルル「よかったな」


スザク「ラッキーだね」


勇者「いやいや･･･ええ？」


僧侶「し･･･信じられません･･･」


スザク「じゃ、早速お願いします」


大神官「では、スザクよ。勇者の気持ちになって祈りなさい」


スザク「え。どうすればいいんだろう」


大神官「おお、この世のすべての命をつかさどる神よ！スザクに新たな人生を歩ませたまえ！」


大神官「これでスザクは勇者として生きてゆくことになりました」


大神官「生まれ変わったつもりで修行にはげんでください」


スザク「あ、終わった」


勇者「でもそうか･･･。無職の状態であれだけの強さなら、精霊様に認められてもおかしくはないか･･･」


スザク「無職･･･」

ルル「さぁ、では俺も勇者に転職させてもらおうか」


大神官「うむ･･････ぅむ？」


ルル「またか。どうした？」


大神官「汝、勇者、無理」


ルル「なんだと！？」


スザク「ふっ」


ルル「なんだその勝ち誇った顔は！！？」

大神官「汝･･･魔王への転職が可能だ･･･」


勇者「え」


ルル「･･･マジで？」


スザク「どうするんだい？ルルーシュ」


ルル「まぁいい。魔王に転職させてもらおうか」


大神官「断る！！どういうことなのかはわからんが、魔王を二人も出現させるわけにはいかない！！」


ルル『さっさと転職させろ！！』


大神官「イエス、ユアハイネス」ギアスギアス


スザク「あ、前かけたギアスが残ってたんだね」

——
———
——————


ルル「というわけで魔王への転職が完了したわけだが」


スザク「やったね。レア職業だよ」


僧侶「･･･貴方たち･･･本当に何者なんですか･･･？」


スザク「農民です」


ルル「民間人です」


勇者「魔王になった者を放置するわけにもいかない･･･。今の様子なら心配はいらないだろうが、しばらく一緒にいてもらうぞ」


ルル「構わんよ」


僧侶「ええ？そんなあっさり」


ルル「別にやましいことがあるわけでもないからな。魔王なんて、ただの職業でしかないさ」


僧侶「･･････」


スザク「まだ朝だね。どうする？」


ルル「今後の方針でも考えるか？」


勇者「そうだな」

ルル「まずは情報だな。勇者、なにか魔王について知っていることはないか？」


勇者「すまない。何も知らないんだ。本格的に動くのは勇者に転職してからにしようと思っていたから･･･」


ルル「では、僧侶も同様か」


僧侶「はい･･･。申し訳ありません」


ルル「いや、いい。ならばこの町でできる限り情報を集めておこうか」


勇者「聞き込みか？」


ルル「俺たちは今後についてもう少し計画を練ったほうがいい。大丈夫だ、情報のほうはあてがある」


スザク「あて？」


ルル「ちょっと待ってろ。おーい、そこの二人組ー」スタスタ


チンピラA「あ？」


チンピラB「んだよコラ」


ルル『この町で魔王についての情報をできる限り集め、午後六時にここで報告しろ』キィィィン　カシャッ


チンピラA「わかった･･･」ギアスギアス


ルル「待たせたな」


勇者「何をしてたんだ？」


ルル「いや、別に」


ルル「それじゃあ、戦闘時における配置と役割分担についてだが——」

——
———
——————


ルル「こんなところか」


勇者「まぁ、妥当なところだろうな」


僧侶「ルルーシュさんはこういった戦略を立てるのがお上手なんですね」


ルル「そうか？4人編成のパーティならパターンは限られているから誰でも思いつくことだと思うが･･･」


僧侶「そうなんですか？でも私のような戦闘の素人にもわかりやすい説明でしたよ？」


勇者「確かにな。とてもただの農民だとは思えない」


ルル「･･････そうかもな」


僧侶「というか、なぜか今まで疑問に思わなかったんですけど、ただの農民であるはずのお二人がどうして魔王討伐を？」


勇者「勇者が正式に決まっているんだから、わざわざ危険を冒してまで旅に出る必要はないのかもな」


ルル「･･･助けたい人がいるんだ」


勇者「ほう」


僧侶「恋人ですか？」


ルル「ああ」


スザク「妹だろ」

少ないですけどとりあえず投下
書き溜めってこんな早く尽きるんだなぁ･･･

ルル（六時まではまだ時間があるな）


ルル「今のうちに旅に必要なものを揃えておこう」


勇者「そうだな」


僧侶「食料と水は十分ありますよ」


スザク「じゃあ装備かな」


勇者「そうだな」


ルル「優先するのは前衛の勇者とスザクの装備だな」


スザク「そんなにお金あるかな」


ルル「スザクの武器は速さにもあるからな。重すぎる武具はやめといたほうがいい」


スザク「そうだね。防具はいいから短剣をひと振り欲しいな」


ルル「余裕があれば俺と僧侶の防具も買おう」


スザク「いや、僕とルルーシュは防具いらないよ」


ルル「なに！？」


スザク「せっかくのアッシュフォード学園の制服を隠しちゃうようなこと、したくない」


ルル「確かに･･･？」


僧侶「納得なんですか！？」

——
———
—————


勇者「こんなところか？」


ルル「購入したのは勇者の剣と鎧、スザクの短剣に僧侶の法衣だな」


僧侶「私までよかったんでしょうか･･･」


ルル「序盤でいきなりボストロールが出たりする世界だ。用心するにこしたことは
ないさ」


僧侶「でも、ほとんどお金なくなっちゃいましたけど･･･」


ルル「金は･･･まぁなんとかなる」


ルル「っと、それよりもそろそろ六時か」


ルル「済まないがみんなは先に宿に戻っていてくれないか？俺は行きたいところがある」


スザク「わかったよ」


勇者「いや待て。俺も行く」

ルル「なに？」


勇者「いくら命の恩人でも魔王を１人にするわけにはいかない。それとも、俺がいちゃマズいのか？」


ルル「そういうわけではないが･･･。･･･わかったよ、ついて来い」


僧侶「では、私たちは先に戻っていますね」


勇者「わかった」




勇者「信用してないようで悪いな。でも俺は一応ルルーシュの監視役も兼ねているから」


ルル「いや、気にしてないさ。魔王が危険な存在であることはわかっている。まぁなぜ俺が魔王になったのかは依然不明だが」


勇者「で、どこ行くんだ？」


ルル「ああ、情報屋のところだ。この町に着いた時に魔王についての情報を集めるように依頼しておいた」


勇者「･･････やっぱりお前のことは心の底から信頼できるようになりたいよ」


ルル「はは、そうだな」

——広場


ルル「ここで落ち合う手はずなんだが･･･」


ルル「お、いた」


チンピラAB「･･････」ギアスギアス


勇者「彼らか？」


ルル「ああ。ちょっとガラが悪いが、裏に精通しているようなやつのほうが情報を持っているしな」


勇者「ふむ、なるほどな」


ルル「さて、報告してもらおうか」


チンピラA「残念ながら、直接魔王に繋がりそうな情報はありませんでした」ギアスギアス


チンピラB「ですので、とりあえず片っ端から情報という情報を集めてみたのですが、もしかすると魔王に繋がるかもしれないという情報が一つだけ」


ルル「ほう･･･」

----------------------------------------------------

僧侶（スザクさんと二人きりなんて珍しいな･･･）


僧侶（わ･･･話題に困る･･･）


僧侶（やっぱり私から話かけたほうがいいのかな･･･）


スザク「どうしたの？」


僧侶「ふぇ？なっ･･･何がですか？」


スザク「いや･･･なにか難しい顔をしてたみたいだから。なにか悩み事？」


僧侶「い･･･いえ、そういうわけではなくて」


スザク「本当に？ならいいんだけど」


僧侶「あの･･･スザクさん」


スザク「ん？」


僧侶「スザクさんはどうしてあんなに強いんですか？」

スザク「え？」


僧侶「ほら。洞窟で魔物を退治したとき･･･」


スザク「ああ、意識があったんだね」


スザク「えっとね、僕は兵士だったことがあるんだ」


僧侶「え？」


スザク「あ、始まりの国のじゃないよ？もっと遠いところでね」


僧侶「でも･･･スザクさんはそこいらの兵士に比べても群を抜いていると思いますが･･･」


スザク「ああ･･･。まぁ、そうかもしれないね。それは幼少期の頃のことが影響しているのかもしれない」


僧侶「幼少期ですか？」


スザク「うん。僕は小さい頃、特殊な教育をされていたんだ。将来国を背負っていくためのね」


僧侶「･･･農民の家ですよね？」

スザク「まぁ･･･色々あったんだよ」


ルル「スザク、まだ宿に戻っていなかったのか」


スザク「ルルーシュ。用事は済んだのかい？」


ルル「ああ」


僧侶「その大量の本はなんですか？」


ルル「魔導書だ。図書館で借りてきた」


スザク「なんでそんなものを？ルルーシュはほとんどの魔法を使えるんじゃなかったっけ？」


ルル「ああ。『魔王』は攻撃魔法に特化した職業だ。だが、確かに他の魔法も使うことはできるな」


僧侶「ではなぜ？」


ルル「自分の武器の特性をよく知っておくのは、当然のことだろう？」


スザク「ルルーシュはこういう人なんだよ」


僧侶「真面目なのはいいことです」


勇者「今日もうゆっくり休もう」

勇者「さて、今日から旅を再開するぞ」


スザク「今日はいい天気だね。冒険日和だ」


勇者「昨日ルルーシュに手に入れてもらった情報によると、どうやら北東にある山脈のどこかに魔女の湖があるらしい」


僧侶「魔女ですか」


勇者「ああ。魔族の者かもしれないし、魔王に一切繋がりがないかもしれない」


スザク「それでも行くんだね」


ルル「当然だ。それしか道がないからな」

少ねぇなぁ･･･
ロクに来れなくてマジすいません

しかもそろそろテスト期間なのでさらに来れません
でも、なんとか完結させたいとは思ってるので、どうぞお付き合いください

あ、それと
まさかレスもらえるのがこんなに嬉しいとは思いませんでした

マジ励みになります
ありがとうございます

ちょっとだけ投下します

ていうか最初のレベルがあがった！みたいな表記を完全に忘れているという･･･

———
——
—


ルル「町を出て三日目か･･･」


スザク「そろそろ着いてもいい頃なんじゃないの？」


勇者「この辺のはずなんだが･･･」


ルル「よし——【千里眼】！！」


勇者「どうだ？ルルーシュ」


ルルーシュ「半径2km以内にそれらしき場所はなかった」


スザク「ダメか･･･」


ルル「だが、怪しい場所は発見した」


僧侶「どういうことですか？」

僧侶「どういうことですか？」


ルル「ここから北北西に約1.3kmの地点になんらかの魔術的要素を感じた。おそらく結界の類だろう」


勇者「ならそこに？」


ルル「ああ。魔女の湖があるかもしれない」

------------------------------------------------------------------------------------------

ルル「——【魔力視】」


勇者「どうだ？」


ルル「なかなか高度な術式だな。魔導書を読んでいなかったら解けなかった」


ルル「だが･･･」パキャァァァン


勇者「湖だ！」


僧侶「さっきの魔力視って何ですか？」


ルル「口では説明しにくいが･･･魔力の流れとか構成術式を視ることができる」


ルル「視覚を繋げれば目の代用も可能だな」


勇者「千里眼といい･･･そんな魔法は聞いたことがないが」


ルル「魔導書で得た知識を元に、自分で術式を作った」


勇者「え･･･」


僧侶「ルルーシュさんが･･･自分で作った魔法なんですか！？」

ルル「まあ･･･な」


スザク「すごいねルルーシュ！そんなに柔軟にこの世界に馴染むなんて！」


ルル「できれば魔法のほうを褒めてほしかった」


僧侶「広い湖ですねー」


勇者「魔女はどこにいるんだ？」


ルル「見たところ住むところはなさそうだが･･･」


キィィィン　ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


スザク「なんだこれは！？」


僧侶「魔法陣･･･！？」


ルル「罠か！！」


勇者「地面が沈むッ！」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ　　ズゥン･･･


僧侶「おさまった･･･？」


スザク「湖周辺が十メートルぐらい沈んだよ･･･。これは登るのに苦労しそうだね」

？？「勇者一行ですね」


勇者「誰だ！？」


？？「私は魔王様の側近を務めている者です」


側近「魔王様の脅威となり得る可能性がありますので、ここで倒させていただきます」


スザク「一人でかい？それはちょっと無謀なんじゃないかな」


側近「いえ、お相手するのは私ではありません」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


スザク「湖が消えた？」


ルル「幻覚だったのか」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


スザク「おいおい･･･」


勇者「嘘だろ･･･？」


僧侶「魔物の大群･･･？」


ルル「百･･･いや、千は超えているぞ」


側近「では勇者一行、ご健闘を——【ルーラ】」

ちょっと読み返してみたらレベルアップとかの設定忘れてるなぁ･･･
今更復活させるわけにもいかないので自動で上がってることにしてください

あと、魔王に近づくにつれてギャグ入れにくくなってきて困る･･･
スザクのチートばりの強さもめんどくさくなってきたので若干修正いれるかもです

もう、手際の悪さが如実に現れてますが、よければもう少しお付き合いください

ルル「みんな、壁際に寄れ！背後に回られないように！！」


スザク「どうする！？」


ルル「やるしかないだろう！スザクと勇者は前衛で近づく魔物を潰せ。あまりここから離れ過ぎないように気をつけろ！」


スザク「了解！」ダッ


勇者「わかった」バッ


ルル「僧侶は前衛二人の回復だ。それ以外には極力魔翌力を使うな」


僧侶「わかりました！」


ルル「俺は後方から戦況を見ながら指示を出しつつ範囲魔法で魔物を蹴散らす」


魔物の大群「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！！！！！！」」」」」

おっと

魔翌力→魔力

スザク「ルルーシュ！こいつら一撃で死なない！」


ルル「上級モンスターか･･･。厄介な･･･！」


ルル「——【灼熱魔法中】」
ゴォォォォォッ


僧侶「すごい！30匹ぐらい倒しましたよ！今のは･･･ベギラゴン？」


ルル「いや、同じ灼熱系の魔法だがベギラゴンではない」


ルル「そもそも一般的に使われている魔法の術式は誰にでも扱えるようになっている。つまり、魔力の燃費はいいが、威力が低い」


ルル「だが、俺は魔王だ。保有魔力量は山のようにある。だから燃費は悪いが威力が強いように術式を書き換えたんだ」


ルル「灼熱魔法小で既にベギラマを超える威力。灼熱魔法中なら、ベギラゴンを超える威力だ」


ルル「ただ、灼熱魔法大は書き換えが困難でまだ完成していないがな」

僧侶「はあー。ルルーシュさん、すごいんですね･･･」


ルル「ありがとう。だが、どうやら灼熱系は奴らに効きにくいようだ。——【氷結魔法中】！！」
パキィィンン


スザク「枢木流——四連剣舞！！」
ヒュォォッ


勇者「——ギガスラッシュ！！」
バチバチ


僧侶「——【ベホマ】ッ！」

------------------------------------------------


勇者「ルルーシュ、何かおかしくないか？」


スザク「敵が減らないよ！」


ルル「確かに･･･——【千里眼】ッ！」


ルル（これは･･･）


ルル「魔物の大群の後方にワープホールと思しきものを発見した」


スザク「そこから魔物が出てくるんだね」


ルル「ああ。しかし、どうする？この大群を突破する手段がないぞ」


勇者「俺のギガスラッシュは、威力はあるが、直線上には放てない」


スザク「僕もそんな大技はないかな･･･。基本単体技ばっかりだし」


ルル「･･･仕方ない。俺がやろう」


スザク「なにか案があるのかい？ルルーシュ」


ルル「ああ。だが、うまくいく保証はない。ここからワープホールの解析をするから、しばらく二人で耐えてくれ」


勇スザ「「了解」」


ルル「勇者、MP残量のことは考えずに大技を連発していい」


ルル「では、解析を始める——【千里眼】【魔力視】！！」
キュィィィ


スザク「枢木流抜刀術——三連居合ッ！！」


勇者「ギガ･･･スラーッシュ！！」

------------------------------------------------------------------------------


勇者「はぁ･･･はぁ･･･まだかルルーシュ」


スザク「そろそろ疲れてきたよ」


ルル「よし、解除式ができた。うまくいくかわからないから、僧侶にも教えておく」


僧侶「はい」


勇者「二連ギガスラッシュ！！」


スザク「成長してる！？」


ルル「･･･では、いくぞ。失敗したら、教会で蘇生よろしく」


僧侶「えっ？」


ルル「——【遅延魔法】対象【ザオリク】」


ルル「——【メガンテ】」


魔物の大群「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオ！！！！！！」」」」


僧侶「魔物が･･･全滅！？」


スザク「でも待って、今の呪文って･･･」


ルル「･･････。」


勇者「ルルーシュ！？嘘だろ！！？」


スザク「ルルーシュが･･･死んだ･･･？」

僧侶「そんな･･･ッ」


勇者「･･･くっ」


スザク「･･････とにかく今は、ワープホールを閉じるのが先だ。魔物が出現する前に急ごう僧侶さん」


僧侶「･･･はい」


-----------------------------------------------------


僧侶「ワープホールを閉じました」


スザク「これで一安心だね」


僧侶「これからどうしましょう」


スザク「僕は勇者の判断に従うけど･･･」


勇者「この山の中を闇雲に歩き回っても危険なだけだ。一度町に戻ってルルーシュを蘇生させよう。･･･こうなってみると、俺たちがどれだけルルーシュに頼りきりだったのかがよくわかるな･･･」

キィィィン


ルル「ぷはっ！はぁ･･･はぁ･･･」


勇僧ク「「「！！？？？」」」


ルル「ふぅ･･･成功したみたいだな･･･」


スザク「えっと･･･ルルーシュ？質問はよろしいのでしょうか？」


ルル「ん？ああ、遅延魔法というのを使ってザオリクの発動時間を遅らせたんだ」


僧侶「じ･･･時間制御が成功したなんて聞いたことないですよ･･･」

勇者「そ･･･それよりも、まずはこの壁をどうやって登るか考えないか？」


ルル「ロープか･･･できれば縄ばしごがありがたい」


勇者「いや、だからどうやってそれを垂らすんだよ」


ルル「スザクにやってもらえばいいだろう」


勇者「スザクはここにいるだろう」


スザク「それじゃあ、30分ぐらい待っててくれるかい？」


ルル「待て、——【使い魔召喚】」
ォォオオオ


ルル「こいつを連れていけ。聴覚の感覚共有をしておくから何かあればこいつに話しかけてくれ」


スザク「コウモリかい？可愛いね」


スザク「じゃ、行ってくるよ」


勇者「なあルルーシュ、さっきからスザクは一体なにを言っているんだ？」

スザク「ふッ！！」ダッ


ダダダダダダダダダダッ


勇者「壁を･･･走って･･･？」


僧侶「目測だけでも10m以上ありますよ･･･？」


ルル「あいつ体力あるからなぁ」


勇者「そんなレベルじゃねえよ！なんだその感想！？のほほんとするわ！！」


ルル「俺たちは休ませてもらおう」

------------------------------------------------------------------------
——10分後


スザク『ルルーシュ、山小屋かなにか建物がないか探してたんだけど･･･』


ルル「む･･･——【念話】」キィィィン


ルル「ああ、見つかったか？」


スザク「うん、湖に館が浮いてるよ」


ルル「本命見つけてた！？」


スザク『ちょっと、ロープ借りてくるね』


ルル「待て、うかつに･･･」


スザク『ごめんください』ピンポーン


ルル「スザァァァァァァク！！！！」


スザク『君は！？え？あ、うん、わかったよ』


スザク『あ、ロープ･･･。うん、ありがとう』


スザク『ところで、なんで喋らないんだい？･･･ああ、ルルーシュの感覚共有か』


スザク『じゃあ、一旦みんなのところにもどるよ』


スザク『ロープ借りれたよ』


ルル「なんだ今のは！？」

スザク『え？そりゃあ･･･ねえ？･･･ww』


ルル「笑うな！！」


スザク『じゃあそっちにもどるね』


ルル「スザァァァァァァク！？」


僧侶「さっきから全然わからないんですが･･･」


ルル「スザクがロープを手に入れたようだ」


勇者「ほう」


ルル「･･･魔女の館で」


僧侶「見つけたんですか！よかった」


ルル「あ･･･ああ」


ルル（だが、あのスザクの口ぶり･･･。知り合いであると考えるべきだろうか）


ルル（そして魔女という聞き覚えのある響き･･･これは･･･）


ルル「不安材料が尽きん」

ルルーシュにとっては呪文解析して新しく作るのってプログラム組むようなものなのかな？
第2次スパロボZ再世篇ではキリコの機体のミッションディスク作ったりしてたけど

おお･･･
コメたくさんありがとうです

いやぁ、嬉しいなぁ

じゃ、少ないけど投下しますね

-----------------------------------------------------


スザク「お待たせー。ロープ下ろすよー」


ルル「ロープか･･･」


—5分後


勇者「いやぁ、助かった」


僧侶「はぁ･･･わ、私･･･体力･･･ないんですけど･･･はぁ･･･」


スザク「大丈夫だよ。ルルーシュはもっと体力ないから」


僧侶「･･･え？」


勇者「まだ半分も登ってないぞ」


ルルーシュ「･･･く･･･くそ･･･」


—30分後


ルル「･････････ゼェ･･････ゼェ･･････」


スザク「あ、やっと来た」


僧侶「遅かったですね」


勇者「じゃ、行こうか」


ルル「まっ･････････おねが･･･待っ･･･て･･････」

-----------------------------------------------------------------

—湖


ルル「ようやく着いたか、やれやれ」


勇者「お前ずっとスザクにおぶってもらってたろ」


僧侶「スザクさんの体力が底なし過ぎて流石に怖いです」


ルル「ていうか館･･･」


勇者「ああ、湖の真ん中に浮いてるな」


ルル「スザク、お前どうやってあそこまで行ったんだ？」


スザク「いや、ほら。全力ダッシュで･･･」ダッ


スザク「水面を走ればいいんだよ！！」シュパパパパパ


僧侶「すいません、もはや言葉が出ません」

---------------------------------------------------------------------


ルル「というわけで、スザクに山中駆け回って山小屋を探してもらい、そこになぜかあったボートを担いで持ってきてもらったわけだが」


勇者「すげぇな」


僧侶「それにしても大きな館ですねぇ」


ルル「スザク、中にはどうやって入ったんだ？」


スザク「えっとね、さっきは勝手に中から開けてくれたんだけど･･･」


？『中に入りたいか？』


勇者「なんだ？」


スザク「あ、魔女の声だよ」

ルル「この･･･声は･･･！！」((((；ﾟДﾟ))))ガクブル


？『では、とりあえずルルーシュに裸になってもらおうか』


ルル「なんだと！？」


？『それが出来なければ中には入れんぞ』


ルル「この･･･魔女が！！」


？『ほーれ、はっだっかー。はっだっかー』


ルル「くっ･･･」


スザク「頼むよルルーシュ」


勇者「なんかしらんが、お前の力が必要みたいだ」


僧侶「ルルーシュさん、脱いでください」


ルル「ぐぬぬ･･･ てぇええい！！」バッ


ルル「どうだ！！脱いだやったぞ！？」


スザク「何してるんだいルルーシュ、もう開いてるよ」


勇者「さっさと中にはいろうや」


僧侶「風邪引きますよ」


ルル「お約束だぁああああああ！！！！」

-------------------------------------------------------------
—館内


勇者「とうとう魔女と対面か」


僧侶「ドキドキしますね」


ルル「確かに･･･」ゴクリ


？「よくここまで来たな･･･童帝ボーヤ」


ルル「お･･･お前は･･･！？」


C.C.「魔女だ」


ルル「やっぱりかぁああああああああああ！！！！！！！！」

C.C.「ずいぶん大変な思いをしてここまで来たみたいだな」


スザク「いや、そんなに」


ルル「俺は一回死んだけどな」


C.C.「知っているさ。私も見ていたからな」


ルル「あそこにいたのか！？」


スザク「助けてくれればよかったのに。アンタ死なねェんだしよ」


C.C.「別にその場にいたわけじゃないぞ？ていうか枢木スザク、お前口が悪いな」


勇者「知り合いみたいだな」


僧侶「綺麗な人ですねー」


ルル「で、見ていたとはどう言う意味だ」


C.C.「そのままの意味だよ。ルルーシュ、お前は確か千里眼の魔法を使っていたな？」


ルル「ああ」

C.C.「私が使っていたのはそれの強化版といったところだな。もちろん、お前が一晩で仕上げたような荒削りな呪法ではなく、もっと美しく優雅な千里眼だがな」


ルル「一言多いんだけどなんなのコイツマジで」


C.C.「具体的に言えば私の千里眼はこの世界の全てが見通せる」


スザク「マジでか」


C.C.「私が巷で魔女と言われている所以もこの千里眼にある。どっかの国のお偉いさんとかも私を訪ねてくるほどなんだぞ？」


勇者「なんかすげえな」


C.C.「まあ、全員結界で追い返しているがな」


僧侶「ひでぇですね」


ルル「待て、世界中を見渡す程の千里眼だと！？確かに千里眼はあまり魔力を消費するような魔法ではないが、それだけの規模となると訳が違うぞ。俺のような魔王であれば別だが、並の魔法使いが行使できるような魔法じゃないだろう」


C.C.「私は並の魔法使いではないがな。確かにそれだけの魔法を行使するのには魔力が足りないな」


C.C.「重要なのは場所だ」


ルル「場所？」


C.C.「ここは大陸の魔力溜まりが吹き出す『霊脈』。私はそこから噴出される大量の魔力を利用している」


ルル「霊脈か。確か文献で見たな」

とりあえず投下終了です

なんかC.C.に違和感が･･･
アニメ見直してこようかな

>>106
魔法についてはこんな感じの解釈でお願いします
ぶっちゃけ私もそんなに深い設定を考えているわけではないのでww

既に5日ほど経過していますが、あけましておめでとうございま

年末年始はダラダラすることにひたすら時間を費やしていたので
ぶっちゃけほとんど書き溜めてませんが、とりあえず書いてるところまで投下したいと思いますよ

スザク「じゃあここから離れれば大したことないんだねww」


C.C.「帰れ」


勇者「なあ、ルルーシュ。コレ、もしかして魔王の手がかりになるんじゃないのか？」


ルル「なぜだ？」


勇者「世界中見渡せるなら、魔王の城の位置も特定できるんじゃないだろうか」

ルル「あ、マジだわ。どうなんだC.C.？」

C.C.「無理だな」

ルル「あぁん！？」

C.C.「なんだ、知らないのか？魔王の城はこの世界にはないぞ」

スザク「どういうこっちゃい」

C.C.「世界は一つではない。ありとあらゆる可能性世界、並行世界がこの世には存在している。それはお前たちもよく知っていると思うがな」

ルル「つまり、魔王の城は別世界にあると？」

C.C.「そうだ。魔界･･･というらしいな」

C.C.「ただ、魔界とこの世界はつながっている。それが他の世界との違いだな」

ルル「つまり、魔界に行く方法があるということか？」

C.C.「もちろんだ。この世界と魔界をつなぐゲートがいくつか存在している。ああ、ちょうどお前たちが罠にかかった時のワープホールも同じものだな。違いといえば規模と、人工物か否か･･･ということくらいか」

勇者「理屈はいいさ。俺たちは一刻も早く魔王を倒さなくてはならない。ルルーシュの妹さんを助けるためにもな」

ルル「ああ、そういえばそういう目的だったな」

スザク「すっかり忘れてたよ」

僧侶「･･････」

C.C.「まあ今日くらいはゆっくり休んでいけ」

ルル「そういえば、家事なんかはどうしているんだ？お前にはそんなこと出来ないだろう」

C.C.「ふん、自慢じゃないが、私は掃除もできん」

スザク「ホントに自慢じゃねえよ」

C.C.「というわけで、傀儡の術を使ってメイド人形にやらせた」

メイド隊「「「「おかえりなさいませ」」」」

勇者「おぉう･･･」

ルル「お前･･･魔法のバリエーションがなかなか豊富だな」

C.C.「ま、この一ヶ月なかなかに暇だったものでな。この館にある蔵書を読みあさって魔法について勉強していた」

ルル「お前が･･･勉強だと･･･！？」

C.C.「おいおい、そんな意外そうな顔をするな。魔法といえば完全に未知の世界だぞ？興味も湧くだろう」

ルル「ギアスも魔法みたいなものだろう」

C.C.「私も箒に乗って飛び回る魔法少女になってみたいと思ったのさ」

ルル「魔法･･････少女？」

C.C.「なにか語弊があるか？」

ルル「いや、ないですねはい」

投下終了です（汗

マジか
3レス分しか溜まってなかったのか

ちょ、もうちょいペース上げるのを心がけてみます･･･

どうも、おひさしぶりです
ちょっと書き溜めてきたんですが、また３レス分ぐらいしかないかもです

ペース上げるとか言ってた俺、カムバック！

メイドA「C.C.様、そろそろお食事の準備ができますが」

C.C.「そうか。こいつらを食堂に案内してやれ」

メイドA「かしこまりました」

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ルル「こッ･･･この料理は！！？」

勇者「なんて豪華な料理なんだー！！」

スザク「･･････ってほどでもないね」

勇者「普通に家庭料理レベルだな」

メイドB「申し訳ありません。この館の書庫唯一の料理本を参考にしてみたのですが」

僧侶「いえいえ、マトモな料理なんて久々ですから」

ルル「そしてC.C.、なぜお前はこっちでもピザしか食べないんだ！！」

C.C.「こいつらは教えたことしか出来んからな。苦労したぞ、この味を再現するのは。なにせ私も作り方を知らん」

ルル「威張って言うな！」

-----------------------------------------------

C.C.「さて、お前らにはこの部屋で寝泊りしてもらおうか」

ルル「待て、C.C.。寝る前にお前の魔法に関する知識を教えろ」

C.C.「ほぅ･･･なかなか大胆な行動に出るじゃないか、童貞ボウヤ」

ルル「なっ！違う！！」

C.C.「いいだろう、教えてやる。まあお前程度なら私の魔法であしらえるしな」

ルル「だから違うっつっとるやろうが、あぁん！？」

僧侶「あ、私も教えてほしいです」

勇者「俺も聞いとこうかな」

スザク「じゃあ僕も！」

勇者「お前、魔法使えないだろ」

ルル「なるほど、お前の魔法は本当に幅広いんだな」

C.C.「お前たちが来るまで暇過ぎて、ここの蔵書を読みあさってたからな」

ルル「そういえばお前はいつこの世界に来たんだ？」

C.C.「そうだな･･･半年前といったところか？」

C.C.「この世界の私は前からこの館に住んでいたらしい」

ルル「お前にも、元の世界の自分がいたのか」

C.C.「ああ」

勇者「それにしても、今まで感覚的に使っていた魔法のことをなんとなく理解できたよ」

僧侶「私もです」

スザク「ボクは全くわからなかったよ！」

ルル「なんでコイツも『勇者』なのに勇者と全然特性が違うんだ」

C.C.「ちょっと見てやろうか——【魔力視】ルルーシュよりもすごい版」

ルル「一言多い」

C.C.「ん？なんだ、お前たち、加護を受けている神が違うじゃないか」

勇者「加護？」

C.C.「ん、知らんのか？勇者という職業は神から加護を得ることで、人間を超越した力を得ることができるんだ。加護というか、神の力の一部か」

勇者「知らなかった…」

スザク「僕も」

ルル「だろうな」

C.C.「勇者は精霊ルビス、スザクは…なにかの武神のようだな」

スザク「あ、枢木神社で祀っている神かな」

ルル「なるほど、加護を受けている神が違うから勇者としての特性が違うのか」

C.C.「そういうことみたいだな」

僧侶「あの、魔王はどうなんでしょうか？」

勇者「どういうことだ？」

僧侶「魔王という職業があること自体知らなかったんですけど、でも勇者と同じく別格の職業だと思うんですけど･･･」

C.C.「なるほど、力の源はどこになるのか･･･ということか？」

僧侶「はい」

スザク「どうなんだい、ルルーシュ？」

ルル「勇者という職業の特殊性を聞いて初めて気がついたが、確かに何かの加護を受けている気はするな」

C.C.「ほう」

ルル「だがこれは･･･おそらくスザクや勇者とは根本から違う」

勇者「神なのか？」

ルル「おそらくは」

C.C.「面白いな」

メイド長「みなさま、もう夜も遅いので、お休みになっては」

ルル「そうだな」

勇者「休息は大事だからな」

魔王城

側近「——というわけで、作戦は失敗いたしました。申し訳ありません」

魔王「何をしておったのだ貴様は！」

側近「はっ、申し訳——」

魔王「はんッ！これだから雑種は･･･」

側近「･･････」

魔王「ともかく勇者討伐は貴様に一任しているんだ。二度と失敗は許さん」

側近「それについてですが、やはり魔王様が直接指揮されたほうが魔王軍全体の士気も上がるのではと･･･」

魔王「なぜ余がそんなことをしなくてはならん」

側近「そんなことと申されましても——」

魔王「そんなことは王たる余ではなく、貴様ら下々の者がしておれば良いのだ。わかったらさっさと勇者討伐に行かんか」

側近「･･･失言をお許しください」

側近「･･･では、失礼いたします」


側近「････････････」

魔女の館

C.C.「さて、魔界に繋がるゲートのだが、ここから北の王国の領内に存在している」

勇者「俺たちの国とは別に国か」

C.C.「そうだ。で、この王国だが、少々厄介なことになっていてな」

ルル「厄介なことだと？」

C.C.「魔王軍の侵攻により世界各地で飢餓や貧困が起こっているのは知ってのことだと思うが･･･」

ルル（知らなかった･･･）

スザク「知らなかったよ」

僧侶「えっ？」

勇者「えっ？」

C.C.「えっ？」

ルル「えっ？」

スザク「えっ？」

C.C.「話を続けるが、この国は古くから絶対王政を行っていたが、王家の者は人柄も良く、国民からの指示も高かった」

C.C.「だが8年前、国全域にわたって大嵐が続いてな、作物を作っても作っても吹き飛ばされてとうとう作物の種すら尽きてしまった」

勇者「そんなこと、ありえるのか？」

C.C.「あったんだ。で、もともと自給自足で成り立っていた国だったが、隣国に支援を求めた」

C.C.「その時の隣国との交流がきっかけで、隣国の王女がその国の王子に見初められ、二国間のトップが結婚、そのまま国も合併して作物不足も解消されたんだ」

ルル「いい話じゃないか」

C.C.「問題はここからだ。国が合併した途端なぜか断続的に続いていた大嵐が止み、国民は平穏を取り戻した」

C.C.「それから急に王家は『嵐が止んで作物不足はなくなったから』と、税金を引き上げた」

C.C.「国民は以前よりもひどい貧困に悩まされた」

C.C.「そしてそこに魔王軍の侵攻、今や国は壊滅的だ」

C.C.「いつからかすっかり枯れた大地が広がるその国は、『砂の国』と呼ばれていた」

C.C.「で、ゲートがあるのがその国というわけだ」

スザク「隣国が犯人だ！！」

ルル「わかってる、スザク。お前はちょっと黙ってろ」

勇者「なかなか酷い状勢なのはわかったが、ゲートを通るのになにか問題があるのか？」

C.C.「その国のいたるところで国民の反乱軍による大規模クーデターが起こっている。領内のほとんどが戦場だ」

僧侶「それは酷いですね･･･」

ルル「素通りするのは難しそうだな」

勇者「反乱軍か王国軍が静まった時を狙うしかないが･･･」

C.C.「まあ、ないだろうな」

ルル「俺たちで抑えるしかないか」

勇者「どうせなら俺たちでその問題を解決してやろう」

勇者「なにせ俺たちは勇者なんだからな」

ルル「そう言うと思ったよ」

僧侶「国民を虐げる悪政、許せません」

C.C.「お前たちだけではいささか心元ないな。私も手伝ってやろう」

スザク「え、なに？なにか決まったの、ねえ？」

投下終了です

ふぃー、結構行ったんじゃないですかね？行ってないですかね？
ここしばらく魔女の館でグダグダしてたのにようやく物語が動き出しましたよ
C.C.のセリフが長かったからいつもより書いてる気になってるんですが、気のせいでしょうか

感想ありがとうございます
めっちゃ嬉しいです
ギャグがおもろいって言ってくださる人がいるのがマジで嬉しいです
物語が進むにつれてだんだんシリアスになってきそうですが、どうか見捨てないでくださいね

あ、あと勇者一行の戦闘における特徴というか利点というかみたいなのを書いておきたいとおもいます


ルルーシュ　職業：魔王

神（？）の加護により霊脈に匹敵する魔翌力を保持しており、マジハンパない威力の魔法を扱うことが可能。
ただ、ルルーシュの個人的な傾向により回復系の魔法は苦手。
しかも打たれ弱い。

また、この世界でも絶対遵守のギアスを使用することが可能。
目があれば魔物にも有効。


スザク　職業：勇者

神の加護により常人を圧倒的に凌駕するパワーとスピードを持つ。つまり対単体戦最強。
スピードを保持するために鎧や盾といった防具の類は身につけてないので、攻撃が当たれば結構モロい。でも当たらない。


勇者　職業：勇者

神の加護により、全てのステータスが常人より頭一つ飛び出している万能タイプ。
世界で唯一光属性の魔法を扱うことができる。

勇者に転職するまえはマジカスだったが、転職してからその力は数倍に跳ね上がっている。


僧侶　職業：僧侶

PTの回復の要。
まだ未熟だが、とんでもない回復魔法の才能を秘めている。


C.C.　職業：たぶん魔法使い

暇な時間に蔵書を読みあさったため、幅広い魔法の知識と技術を持つ。そのバリエーションはルルーシュを軽く凌駕する。
魔翌力は平均的な魔法使いと変わらないため、魔翌力の持久力が弱点。

あと、たぶんコードも持ってる。
たぶん死なない。

かすかに投下します

—————————————
砂の国

浅黒い肌の少年「我々は長らく王族の者たちに譲歩してきた」

浅黒「税金が高騰しても、物資が支給されずとも、大地が枯れるまでに働かされようとも」

浅黒「しかし、我々にも限度がある。前王族の名誉のためにこれまで平穏を保ってきたが、もう我慢ならぬ」

浅黒「前王族の名誉のために、そしてなにより我々の名誉のために、剣を取り、戦おうではないか！！」

民衆「「「「おおおぉぉおおぉぉおおおおおおおお！！！！！！！」」」」

浅黒「まず五つの班に分かれ——」

民衆A「くぞッ･･･なんだあの武器は･･･！？」

民衆B「あんな遠くから攻撃されたんじゃ勝目はねェぞ！」

浅黒「鉛弾を飛ばす武器のようだ･･･。火薬を用いているからか、何より威力が」

民衆C「B,C,E班、壊滅しました！」

浅黒「くそッ！私はまだ･･･こんなところで死ねない･･･！！」

？『二十秒後突撃しろ』

浅黒「なっ！？」

民衆B「なんだ！？」

？『二十秒後に奴らに隙ができる。その時に突撃しろ』

浅黒「なんだお前は！？どこから話している！！？」

？『誰でもいい。勝ちたければ私の言うことを信じろ』

とりあえずここまでやりたかっただけです
以上２レス投下でした

ちょろっと投下

—数分前

勇者「ここが砂の国か･･･」

ルル「こんな砂漠地帯に国があるとはな。人間がどこにでも住みつくのはむこうと同じか」

僧侶「むこう？」

C.C.「なんでもない。それでは早速町の様子でも見てみるとするか･･･【千里眼】」

ルル「どうだ？」

C.C.「ん？城下町で交戦中のようだな。戦況は国軍が圧倒的に有利だ」

ルル「･･･これはチャンスかもしれんな」

スザク「助けるのかい？」

ルル「ああ」

勇者「確かに、ここで俺たちを売り込めば反乱軍の中でも優遇された立場で迎えられるだろうな」

C.C.「いや、ルルーシュの目的はそこではない」ニヤリ

勇者「なに？」

C.C.「そうだろう？ルルーシュ」

ルル「･･･C.C.、物質の生成、もしくは変化の魔法を使えるか？」

C.C.「当然だ、私を誰だと思っている？——【物質変換】」

C.C.「ほら、これが欲しいのだろう？」

ルル「流石だな、共犯者」

C.C.「元･･･だろう？」

勇者「なんだ？その衣装は」

ルル「これから必要になる物さ」カシャン

スザク「そろそろ助けに行かないと反乱軍が耐えられないんじゃないのかい？」

ルル「そうだな、C.C.、詳しい配置を教えろ」

C.C.「反乱軍は五つの班に分かれて行動していたようだが、そのうち三つは既に壊滅。残った二つは国軍と交戦中だ。国軍もいくつかの班に分かれているな。反乱軍の班を迎撃した国軍は援護のために交戦中の班と合流するようだ」

C.C.「･･･む？マズイな。一応膠着状態を保っていたが、今国軍の増援が合流した」

ルル「よし、俺と勇者は増援が来た方の救援に向かう。C.C.、スザク、僧侶は膠着状態の方へ向かってくれ」

C.C.「わかった。急げよルルーシュ。そっちは国軍が今にも突撃しかねない」

ルル「ああ。急ぐぞ勇者。——【ピリオム】」ギュンッ

勇者「あれか！？」

ルル「国軍の突撃が始まっている！？･･･くそッ、間に合わない！！」

勇者「･･･なぁ、ルルーシュ。俺の魔法でなんとか出来ないか？」

ルル「･･･！　よし、俺が合図したら国軍と反乱軍の間に光属性の魔法を放ってくれ！」

勇者「わかった！」

ルル「——【念話】」

ルル「二十秒後突撃しろ」

浅黒『なっ！？』

民衆B『なんだ！？」

ルル「二十秒後に奴らに隙ができる。その時に突撃しろ」

浅黒『なんだお前は！？どこから話している！！？」

ルル「誰でもいい。勝ちたければ私の言うことを信じろ」

浅黒『勝つ･･･』

ルル「勇者！今だ！！」

勇者「——【デイン】！！」カッ

ルル「全員目を瞑れ！！」

反乱軍『！！？』

バチバチバチ

国軍A「うわああああああああああ！！！！」

国軍B「なんだこの光は！！？」

国軍C「目が･･･目がぁあああああ！！！！」

ルル「突撃しろ！！」

反乱軍「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！」」」」

国軍「「「「ぎゃーす！！」」」」

反乱軍「「「「オラオラオラオラ！！！！」」」」

国軍「「「「げふ痛いごめんやめて！！！！」」」」

国軍D「舐めやがって･･･！！」

国軍E「視力が戻ってきたぞコラ･･･」

ルル「退避しろ！」

浅黒「退避！？」

民衆A「このタイミングでか？」

民衆B「退避だ！！」

国軍F「逃がすかこの野郎！！」

民衆C「誰だ？あの仮面の男は！？」

国軍G「なんだてめぇ？反乱軍か！？」

ゼロ「我が名はゼロ。弱者の味方だ」

勇者「は･･･？ゼロ？」

国軍H「コイツ頭沸いてんじゃねぇのか？」

ゼロ「よく持ちこたえたな。お前たちは今日、自らの意思で反旗を翻し、初めて勝利する！！」

浅黒「その声は･･･さっきのテレパシー･･･？」

ゼロ「ここからは私に任せろ･･･。——【灼熱魔法大】！！」

ゴオオオオオオオオオオオオ

国軍「ぎゃー」

国軍I「なんて魔法だー」

国軍J「凄すぎるー」

勇者「な･･･なんという火力だ！だが、コミカルな悲鳴のせいでいまいち凄さが伝わらない！！」

ゼロ「進路クリア。だが、まずはここにいる国軍の奴らを捕縛する」

勇者「捕縛？」

ゼロ「ああ。戦闘不能状態ではあるが、一人も殺していない。再び歯向かわれると面倒だ。あとは保険の情報収集要員といったところか」

勇者「保険？」

ゼロ「情報収集は基本的にはC.C.の魔法でなんとかなるからな」

浅黒「アンタ･･･」

ゼロ「ん？私か」

浅黒「助かった。なんと礼を言っていいか･･･」

ゼロ「構わない。私たちも訳あって国軍を倒さなくてはならないからな」

浅黒「それでもなにか礼をさせてくれ」

ゼロ「ふむ･･･では、私たちと共に戦ってくれるか？」

浅黒「願ってもないことだ。むしろこちらからお願いしたい」

投下終わりです
ホント、早く魔王来てくれないかなぁ