結衣「京子が喋ってくれなくなった」(145)

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京子「ゆいちゃん、絵本よんで」

結衣「また?京子はこの絵本好きだなあ」

結衣「しかたない、1回だけだよ?」

京子「ありがとう、ゆいちゃん、だいすき」

結衣「じゃ、よむね」

結衣「題名は、にんぎょひめ」

………

……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~結衣宅~

結衣「うーん…もう朝…?」

結衣「何か懐かしい夢、見てたなあ…」

京子「……」

結衣(あの頃の京子、可愛かったなあ…)

結衣(勿論、今も可愛いんだけどね///)

結衣「て、しまった、もうこんな時間じゃないか」

結衣「京子、起きて、急いで学校へ行こう」

京子「……」コクコク

結衣「京子?」

京子「……?」

結衣「どうしたの?昨日から喋ってないけど…」

結衣「…あ、ひょっとして、風邪で声が出ないとか?」

京子「……」

京子「……」コクン

結衣「もう、仕方ないなあ、京子は…どれどれ、熱は…と」ピト

京子「///」

結衣「うん、熱は大丈夫みたいだね、学校行ける?」

京子「……」コクン

結衣「よし、じゃあ行こうか、もし辛いようだったら言うんだよ?」

京子「……」ニコリ

~学校~

結衣「ふう、何とか遅刻せずにすんだね、京子」

京子「……」コクン

結衣「綾乃、おはよう」

綾乃「……」ポー

結衣(綾乃、プリンと向かい合ってポーっとしてる)

結衣「綾乃」

綾乃「はっ!?あ、ごめんなさい、おはよう」

京子「……」ペコリ

結衣(あれ、珍しいな、綾乃が京子に絡んでこないなんて)

綾乃「……大好き」ニヘラ

結衣(ああ、プリンが気になってそれどころじゃないのか…)

結衣(確かにあのプリンは美味しそうだからな…)

結衣(昨日みたいに、またわけて貰おうかな…)

京子「……」ツンツン

結衣「あ、ごめん、京子」

京子「……」プイッ

結衣「綾乃のプリン見てたからってそんなに怒らないでよ」クスッ

~放課後~

~廊下~

結衣「さ、京子、部室へ行こうか」

京子「……」コクン

結衣「あれ、あそこに居るのは…千歳?」

結衣「いや、千歳は昨日鼻血出し過ぎて入院したから、千鶴かな」

結衣「千鶴、こんにちわ」

千鶴「……どうも」

京子「……」ペコリ

千鶴「……」

千鶴「な、なんだよ、歳納」

結衣「あ、ごめん、京子は今、風邪で喋れないんだ」

千鶴「……何か調子が狂う」

京子「……」ニコリ

千鶴「……!」

千鶴(無駄に喋らない歳納って、何か、可愛いな)

千鶴(そ、それに、何か良い匂いがするし)

京子「……?」

千鶴「……な、なんでもない」チッ

結衣「じゃ、私達はもう部活に行くよ」

京子「……」ペコリ

千鶴「あ、ああ、じゃあ…」

結衣「あ、そういえば、京子、昨日結局プリント出せてなかったよね」

京子「……」コクン

結衣「また綾乃に手間かけさせるのも何だから、持って行ったほうがいいんじゃない?」

京子「……」コクン

結衣「よし、じゃ、一緒に行こう?」スッ

京子「////」

結衣「も、もう、京子、手繋いだくらいで照れないでよ///」

~生徒会室~

結衣「綾乃、いる?」ガラッ

綾乃「あ、あわわわわわ////」

結衣(綾乃、またプリン食べてる)

結衣(ほんと、大好きなんだなあ、プリン)

結衣「大丈夫だよ、綾乃、隠さなくても盗ったりしないから」

綾乃「え、あの……そ、そう?///」

結衣「実は京子のプリントがまだ出てなかったから、届けに来たんだ」

京子「……」ペコリ

綾乃「あら、そうなの?」ジー

結衣(うわあ、綾乃、プリンが気になって仕方ないんだな)

結衣(またプリンと向かい合ってるよ…)

結衣「じゃ、じゃあ、ここに置いておくね」

綾乃「わ、わざわざごめんね」

結衣「いや、いいよ、何時もの事だし」

結衣「じゃ、部室に戻るから」

綾乃「え、ええ、わかったわ…」

京子「……」ペコリ

結衣「綾乃、あの、ほどほどにね?」

綾乃「///」

~部室~

京子「……」

あかり「京子ちゃん、今日はどうしたんだろう?」

あかり「結衣ちゃん、何か聞いてる?」

結衣「ああ、ちょっと風邪引いちゃったみたいで声も出せないみたいなんだ」

結衣「だから今日は大人しくしてるって」

あかり「そ、そうなんだぁ…心配だね…」

ちなつ(それで、今日は私に抱きついてこないのか…ちょっと寂しいかな…)

ちなつ「お待たせしました」

結衣「ありがとうね、ちなつちゃん」

京子「……」ペコリ

あかり「何時もありがとう、ちなつちゃん…あれ?」

ちなつ「ん?どうしたの、あかりちゃん」

あかり「え、だって、一人分…」

あかり「……あ、ごめん、やっぱり何でもないよ、ごめんね!」

あかり「そっか、これ、ちなつちゃんなりの気遣いなんだ…あかり、馬鹿だな…」ボソッ

ちなつ「……?」

京子「……」

~結衣宅~

結衣「京子、今日の晩御飯はどうする?」

結衣「風邪だからお粥にしておく?」

京子「……」コクン

結衣「よし、じゃあ、美味しいお粥作ってやるからな」

京子「……」ニコリ

結衣「はい、完成」

京子「……」ペコリ

結衣「ふふ、ゆっくり食べてね」

京子「……」ニコリ

結衣(京子が喋れないのは残念だけど…)

結衣(何か普段より可愛く感じるな…)

結衣「さ、じゃ、じゃあ、一緒お風呂入る…?」

京子「……!?」

京子「////」

結衣「はは、冗談だよ、京子は風邪引いてるから、入っちゃまずいよね」

京子「……」ショボン

結衣「もう、京子、そんな残念そうな顔しないで」ナデナデ

京子「////」

結衣(可愛いよ、京子…)

結衣「フー、さっぱりした…」

結衣「よし、じゃあ、そろそろ寝ようか、京子」

京子「……」コクン

結衣「じゃ、布団に入って…電気消すよ~」

京子「……」コクン

結衣「……京子、もっとこっちへおいでよ…」

京子「////」

結衣(本当、可愛いなあ、今日の京子…)

結衣(それに、甘い、いい匂いするし…)

結衣「あ、そういえばさ」

京子「……?」

結衣「明日からの連休は、実家に帰られないといけなくなったんだ」

京子「……!」

結衣「もう、京子、そんな驚ろかなくても…」

結衣「ほんの数日の事だし、さ」

京子「……」コクン

結衣「うん、じゃあ、おやすみ…」

~休日~

~洋菓子屋~

ちなつ「~♪」

ちなつ「あれ、洋菓子屋さんに京子先輩が…」

ちなつ(何だろ、何か寂しそうだな…)

ちなつ「京子先輩!」

京子「……!」

京子「……」ペコリ

ちなつ「まだ、喋れないんですか?大丈夫です?」

京子「……」ニコリ

ちなつ(うわ、き、昨日より、笑顔が魅力的…)

ちなつ(だ、だめよ、チーナ、だめなんだから…)

ちなつ「こ、こんな所で、何やってるんです、京子先輩」

京子「……」モジモジ

ちなつ「ん?あ、ひょっとして、お菓子が欲しいけどお金が無いとか?」

京子「////」コクン

ちなつ(もう、やめてよ、京子先輩、そんなに可愛いしぐさで私を魅了しないで///)

ちなつ「じゃ、じゃあ、おごりますよ、普段から、京子先輩には色々よくしてもらってますし///」

京子「……!」ニコー

ちなつ「じゃあ、幾つか買ってあげますね///」

ちなつ「わ、わたしの家に行って、一緒に、食べましょう///」

ちなつ(ああ、私、何言ってるの、けど、止まらないよお///)

京子「……」コクコクコク

ちなつ「そ、それじゃあ、レジ行きましょうか///」

ちなつ(う、うう思ったよりお金かかった…)

ちなつ(今月は厳しいのになあ…)

京子「……♪」

ちなつ(けど、まあ、京子先輩がこんなに喜んでくれてるから、いいか…)

京子「……?」

ちなつ「な、なんでもありませんよ…あの、京子先輩、お菓子食べたら帰ってくださいね!」

京子「……」ショボン

ちなつ「京子先輩?」

京子「……」ショボン

ちなつ「あ、そういえば、今日は結衣先輩、実家に帰ってるんでしたっけ…」

京子「……」コクコク

ちなつ「うーん、京子先輩の家って、両親は旅行に出てるらしいし」

ちなつ「今日は1人って事ですか」

京子「……」コクン

ちなつ(それで、寂しくて、行き場が無くて、あんな顔してたんだな…)キュン

ちなつ(な、何なのよ、このキュンは…別に京子先輩のことなんか…)

ちなつ(けど、可愛そうだよね、今日一日くらいなら…)

ちなつ「じゃ、じゃあ、京子先輩、あの、私の家に泊まります?」

京子「……!」

ちなつ「別に、他意は無いんですからね、変な事しちゃ、だめですよ?」

京子「……!」ペコリ

京子「……」ニコー

ちなつ(だ、だから、その笑顔やめて///)

ちなつ(もう、我慢できなくなっちゃいそう///)

ちなつ「じゃ、じゃあ着いて来て下さい!」プイッ

京子「……」コクコク

ちなつ(うう、黙ってついてくる京子先輩、可愛い…)

~ちなつ宅~

ちなつ「あ、京子先輩、食事はどうします?」

京子「……」フルフル

ちなつ「何処かで食べてきたとか?」

京子「……」コクコク

ちなつ「私ももう食べちゃいましたしね、じゃあ、このままお菓子パーティーに突入です!」

京子「……」ニコニコー

ちなつ(あ、もうだめだ)

ちなつ「京子先輩!」ガバツ

京子「……!?」

ちなつ「きょ、京子先輩が悪いんですからね、そ、そんな無防備な///」

ちなつ「無防備な笑顔で私を魅了するから///」

京子「//////」

ちなつ「ああ、京子先輩、可愛いです、もう、食べちゃいたいです、京子先輩///」スリスリ

~コンビニ~

千鶴「ふう…姉さんは鼻血出し過ぎて入院しちゃってるし、お婆ちゃん達もその付き添いだし…」

千鶴「今日は1人か…」

千鶴(……げ、洋菓子コーナーに居るのは、歳納なんたら…)

京子「……」ペコリ

千鶴「……相変わらず、喋れないのか?」

京子「……」コクコク

千鶴(喋れない歳納って、本当に、可愛いよな…)

千鶴(何時もは殴りたくなるけど、今日は全然そんな気になれない…)

千鶴「何してるんだ、こんな所で」

京子「……」モジモジ

千鶴「……ああ、お菓子が欲しいのか」

千鶴「買えばいいだろ、これくらいなら」

千鶴(あ、そういえば、綾乃さんが…歳納の家はしばらく前から家族が旅行に出てるって言ってたな…)

千鶴「もしかして、もうお金ないのか?」

京子「……」コクン

千鶴「そ、そうか…」

千鶴(1人の上にお金まで無くて、更に声も出せない…か)

千鶴(流石にかわいそうだな)

千鶴「仕方ない、私が買ってやるよ、それくらいなら手持ち有るし」

京子「……!」パァ

千鶴(凄く元気になったな、まあ、喋れないのは相変わらずだけど)

千鶴(こいつは、これくらい笑ってた方が似合う…)

千鶴(って私何考えてるんだ///)

千鶴「ふう、割と高かったな、そのお菓子」

京子「……」ペコリ

千鶴「ああ、そんなに礼しなくても大丈夫だ」

千鶴「それより、今日はもう家に帰るんだろ?」

京子「……」ショボン

千鶴(また沈んだ…まあ、家に帰っても1人なのは、確かに寂しいからな…)

千鶴(仕方ない…)

千鶴「歳納、私の家に来るか?」

京子「……!?」

千鶴「私の家も姉さんや家族は病院に居るし」

千鶴「1人分の飯だけ作るのも、食材がもったいないからな」

京子「……!」コクコクコク

千鶴(う、必死で頷いてる様子、可愛い…)

千鶴「じゃ、じゃあ、大人しくしてるんだぞ?」

千鶴「ちゅっちゅとか言い出したら、追い出すからな?」

京子「……」コクン

京子「……」ニコー

~池田宅~

千鶴「ふう、食べた食べた…」

京子「……」ペコリ

千鶴「風呂ももう入ったし…そろそろ寝るか」

京子「……」コクン

千鶴「じゃあ、私はソファーで寝るよ、風邪引いてるヤツはベッドで寝ろ」

京子「……!」フルフルフルフル

千鶴「なに?一緒にベッドでって?」

京子「……」コクン

千鶴「お、お前な、幾らなんでも、その///」

京子「……?」

千鶴(…ああ、そうだよ、私、歳納如きに何を意識してるんだ///)

千鶴(無視して一緒に寝てしまえ///)

千鶴「いいか、歳納、私に触れたら本当にたたき出すからな?」

京子「……」コクン

千鶴「まったく、お前と一緒のベッドで寝る日がこようとは…」

千鶴「さ、もう電気消すぞ」

京子「……」

千鶴「な、なんだよ、私の顔をじっと見るな///」

京子「……」ニコニコー

千鶴「何なんだよ、何でお前、そんなに嬉しそうに私を見るんだ///」

千鶴(う、うう、やっぱりソファで寝たほうが…歳納、いい匂いがするし///)

千鶴(けど、我慢、我慢だ私…!)

京子「……」コロン

千鶴「お、おい、私、さっき言ったよな、触ったら追い出すって///」

京子「……」ウルッ

千鶴「あ、いや、違うんだ、嫌なわけじゃなくて、な?」

京子「……」

千鶴「ああ、もう、わかったよ、ちょっとなら触れてもいいから///」

京子「……!」ニコー

千鶴(ああ、もう、可愛い///)

千鶴(けど、我慢だ、我慢しろ私…!)

~ケーキ屋~

向日葵「櫻子、歳納先輩が困ってますわよ、早く手を離しなさい!」

櫻子「べーだ!歳納先輩が嫌がってるのはお前なんだよ!早く手離せ!」

京子「……」オロオロ

向日葵「え、あ、ごめんなさい、歳納先輩、困らせてしまいましたわね…」

櫻子「あ、別に本気で喧嘩してるわけじゃないですし、そんな顔しないでくださいよ、歳納先輩」

京子「……」ニコー

向日葵(ああ、可愛いですわ、歳納先輩、食べてしまいたい…)

櫻子(う、うう、いい匂いがするよ、歳納先輩、よだれが…)

~百貨店~

りせ「……」

京子「……」ニコ

りせ「……」

京子「……」コクコク

りせ「……」

京子「……」ニコー

りせ「////」

京子「……?」

~連休明け~

~朝~

結衣「うう、連休中は、全然、京子に会えなかった…」

結衣「暇を見つけて京子の家を訪ねても、居なかったし…」

結衣「友達の家に泊ってるって、誰の事だよ…」

結衣「うううう…」

結衣「あかりか…ちなつちゃんか…まさか、綾乃って事ないよね…」

結衣「あ、きょ、京子!?」

京子「……」ニコ

結衣「きょ、京子、何処に行ってたの?」

結衣「連休中、居なかったでしょ!?」

京子「……」オロオロ

京子「……」ペコリ

りせ「……」

結衣「え、京子、どうして会長と…」

京子「……?」

りせ「……」

結衣「あ……そ、そうか…そうだったんだ…」

結衣「会長の家に、ずっと泊ってたんだ…」

結衣「あ、あはは、気付くべきだったよな」

結衣「京子、喋らないのは、風邪とかじゃなくて…」

結衣「会長に、会長に合わせてたからなんだ…」

京子「……!」

京子「……」フルフルフル

結衣「違うって言うの?じゃあ、どうして、喋らないの?」

結衣「もう、何日も経ってるのに、全然しゃべらないじゃない…」

結衣「風邪とかじゃ、ないんでしょ…」

京子「……」

京子「……」コクリ

結衣「……」

結衣「……もう、わかった、わかったよ…」ウル

結衣「あ、あはは、ごめんね、ちょっと、変な言いがかりつけて…」

結衣「そうだよね、京子が、誰と親しくなろうと、私、関係ないもんね」グス

結衣「じゃ、じゃあ、私、先に学校行くね…」タッ

京子「……!」グイッ

結衣「離して……もう、京子の事、わかんないよ…ごめん…!」バシッ

京子「ま、待って!結衣!」

結衣「……!」

結衣「……久しぶりに、聞いたよ、京子の声…」

京子「……」

結衣「ああ、また、喋らないんだ…」

結衣「もう、意味が判らないよ…京子…」

結衣「私を、私をいじめて、楽しいの…?」

京子「だって、だって……結衣、信じてくれないんだもん…」ウル

京子「私が、好きだって言っても、信じてくれないんだもん…」

結衣「京子…?」

京子「私、言ったよ、何度も、結衣の家に泊まりに行った時も…」

京子「娯楽部で二人っきりになった時も…」

京子「けど、結衣、笑って流して…」

京子「きっと、私が、お喋りだから信じて貰えないんだって、思った…」グスン

京子「同じような言葉を他の子にも使ってるからだって…」

京子「だから、言葉に出す事で想いが薄まってしまうなら…」

京子「い、いっそ、人魚姫みたいに、言葉を捨ててしまおうって…」ヒック

京子「そ、そうすれば、きっと、結衣にも伝わるはずだって…」

結衣「きょ、京子…」

京子「でも、ごめん、私、人魚姫には、なれなかったよ…」

京子「ずっと、結衣に黙ってるの、辛かったし…」

京子「…けど、その分、想いは薄まってないと思うから、今のうちに言葉に出すね…」

京子「結衣、私は…」

京子「貴女が好き」

京子「本当に、愛してるの…」

結衣「きょ、京子…」ポロ

京子「ゆ、結衣、泣かないで、どうしたの?」オロオロ

結衣「ご、ごめん、私も、私もずっと京子が好きだった…」

結衣「け、けど、私も、言葉に出してなかった…」グスン

結衣「それどころか、京子の言葉、本気かどうか確かめるのが怖くて…」

結衣「ずっと、避けてた…」ヒック

結衣「ごめんね、ごめん…」ヒック

京子「結衣…ありがとう」

結衣「京子、こんな泣き虫じゃ、私も王子様にはなれないね…」ゴシゴシ

結衣「ごめん…」

京子「……いいよ、王子様じゃなくても…」ダキッ

結衣「京子…」

京子「ずっと想いを伝えられなかった私達は、二人とも人魚姫の方がお似合いって事で」ニコ

結衣「////」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

京子「ゆいちゃん、絵本よんで」

結衣「また?京子は本当にこの絵本好きだなあ」

結衣「すごく悲しい話だと思うんだけど」

京子「そんなことないよ」

結衣「え?」

京子「わたしも、ゆいちゃんが好きだし」

京子「一緒にいられるなら、にんぎょひめと同じ事すると、思うの」

結衣「京子…」

結衣「じゃあ、わたしも、京子と一緒にいるために、にんぎょひめになる!」

京子「ありがとう、ゆいちゃん」ニコ

結衣「えへへへ///」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~夜~

~結衣宅~

結衣「じゃ、京子、電気消すよ?」

京子「うん」

結衣「……」ゴソゴソ

京子「……」

結衣「……」

結衣(京子、何かいい匂いするな…)

京子(結衣、温かいな…)

結衣(どうしよう、すり寄ってキスしたい…)

京子(抱きしめて、キスしてあげたい…)

結衣(言ってみようかな…)

京子(けど、いやらしい子だって思われるかも…)

結衣(……)チラッ

京子(……)チラッ

結衣(京子も同じ事考えてくれてる…)

京子(なら、言葉はいらないよね…)



二人とも人魚姫だから



チュッ



余談1

~学校~

~2-5教室~

京子「おはよ、綾乃」

京子「あれ、まだそのプリン、食べてなかったんだ」

綾乃「歳納京子に貰った限定品プリン…これが最後の一つですもの」

綾乃「ゆっくり味わって食べるわ…」ポー

綾乃「って、歳納京子、何時の間に!?」

京子「あんまりゆっくり食べてると、摘み食いしちゃうよ?」

綾乃「だめ!このプリンだけは歳納京子でも駄目なの!」

結衣「綾乃は本当にプリンが好きだよな」

余談2

~放課後~

~娯楽部~

あかり「ちなつちゃん、どうしたの?」

ちなつ「うう、な、何でもないの…」ガクッ

ちなつ(つい京子先輩に襲いかかったなんて、言えないよ…)

ちなつ(な、何とか踏みとどまって、冗談って事で乗り切ったけど///)

あかり(もしかして京子ちゃんの事心配してるのかなぁ)

あかり(ちなつちゃん、優しいから…昨日も、皆にはハーブティー配って)

あかり(京子ちゃんにだけは普通のお茶出してたし…)

結衣バッドエンドSS
綾乃「歳納京子が喋ってくれなくなった」


※京子はガチ天使ですので常に良い匂いはしてます。

最初泡にならずにプリンになる予定もありまして

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