咲「部長がタラシになる病気?」 (70)

咲「…って、部長はもともとタラシじゃないですか」

久「あら、言ってくれるわね。…でも違うのよ」

咲「………え?」

京太郎「なんだ、咲、朝のニュース見てないのか?」

優希「T-1113っていう新種のウイルスらしいじぇ」

まこ「それにかかると、タラシになるらしいんじゃが…」

久「何故だかそのウイルス、麻雀部の部長にしかかからないらしいのよ」

咲「え、えええ……」

和「…ウイルスが部活の部長を見分けるなんて…信じられません」

久「まぁ、そうよねー」

まこ「もう結構流行しとるらしいなぁ」

咲「部長は…大丈夫なんですか?」

久「え?私も一応かかってるのよ?」

京太郎「ええぇ!?」

優希「全然変わらないから気づかなかったんだじぇ!」

久「…どこもかしこもそんな反応なのよね」ハァ

まこ「自分を行いを反省しぃ」クスクス

まこ「抗体が出来とらんけぇ、罹ったら放置しかないらしい」

京太郎「ウチの部長は、いつもと一緒だから問題ないけど…」

咲「麻雀部の、部長さんかぁ…インハイで沢山会ったよね」

優希「あの全国の部長さんが、一斉にタラシになるのか」

和「…なんだか、大変そうですね」

久「~♪」プルルル

久「ん?…別に、要はないけど、声が聞きたくなってねー…うふふ」ペラペラ

阿知賀女子学院 麻雀部部室

灼「…………ねえ、玄」

玄「なあに?」

灼「…トイレ、ついてきてくれない?」

玄「へ?」

灼「………ダメ?」ウルウル

玄「い、いえっ!行きましょうっ!」

トイレ内

灼「…こっち」

玄「え?」

バタン

玄「あ、灼さん?なんで同じ個室に…」

灼「…玄はさ」シュルシュル

玄「え、え?」

灼「おっきくないおもちは…嫌いなの?」

玄「え、ど、どうしたの灼さん!?」

灼「…ねえ、玄」

灼「私のおもち…おっきくして欲しいな?」

玄「!」ズキュンッ

――

憧「……え、玄がトイレで倒れてる…」

灼「…憧」

憧「わ、い、いつからそこに!?」

灼「……玄が、壊れちゃった」ジワ

憧「……え?」

灼「……憧は、私を壊してくれる?」シュルリ

憧「!」

宥「寒いぃ……」

灼「宥さん、大丈夫?」

宥「うん…もう8月も終わりだからねー」フルフル

灼「………」ギュウ

宥「あ、灼ちゃん?」

灼「…宥さん、寒いんだよね?暖めたげる」

宥「…え、でも、灼ちゃんは暑いよね?」

灼「…ううん、宥さんに幸せになって欲しいから」ニコリ

宥「!」キューン

灼「あ、あっちにはベッドもありますよ」

宥「…一緒に寝てくれるの?」

灼「うん、もちろん」

宥「…あ、ありがと」ドキドキ

――

穏乃「ひゃっ…灼さん、ダメですよっ、こんなところで」

灼「ごめん…穏乃」

灼「……穏乃が、どうしても、可愛くてっ…だめかな」ウルウル

穏乃「!」ズキューン

晴絵「……灼 」

灼「なぁに?ハルちゃん」

晴絵「トイレに二人、ベッドに一人、山に一人」

晴絵「ヘロヘロでアヘアヘな阿知賀レギュラーが倒れてたんだけど」

灼「そうなの、私は知らない」

晴絵「あ、あのなぁ……」

灼「…私はハルちゃんだけだから」ダキ

晴絵「!」

灼「ハルちゃん、ハルちゃん」スリスリ

晴絵「はいはい。仕方ないなぁ、灼は」ナデナデ

灼「…ねえ、今日も、遊んでくれる?」

晴絵「…皆に、内緒だからな」

灼「………もち」

阿知賀編 終

白糸台高校 麻雀部部室

尭深「………………」ズズ

菫「……綺麗だ、な」

尭深「?」

菫「…綺麗という言葉は、渋谷にこそ相応しい」

尭深「せ、先輩?」

菫「ほら、もっと顔を良く見せて…」ズイ

尭深「…か、顔が近いですっ…」カアア

菫「真っ赤に染まった顔も…美しいよ」クイ

尭深「…すみれ、せん、ぱ…」

菫「さぁ……その美しい唇を、私に…」スッ

ガララッ

淡「テルー!スミレ先輩居たー!」

菫「!?」

照「ありがと、淡っ!」ダダダ

菫「な、なんだ?私はただ……」

誠子「尭深はこっちっ!」グイ

尭深「え、え?」

照「………菫」

菫「どうしたんだ?照」

照「落ち着いて。今の菫、おかしい」

菫「私は普通だぞ?おかしいのは照の方だ」

照「いいから、お願い。この檻に入って」ガチャ

菫「……………なるほど、そういうことか」

照「?」

菫「照…さみしい思いをさせて、悪かった」ギュウ

照「!?す、菫?」

菫「私がフラフラするばかりに…檻に閉じ込めるほどに嫉妬してしまうとは…」

照「え、え…」

菫「だが、許してはくれないか?」

菫「ここには美しい華が多すぎるんだ」

照「いや、そういうのじゃなくてっ」

菫「…もっとも、一番美しい華は、目の前にいるんだが、ね…?」フッ

照「………!」ズッキュン

誠子「淡!何してる!早く確保ッ!」

淡「はっ!亦野先輩ごめんっ!」

尭深「……」ポー

誠子「尭深は無事に保護したっ!だから早く!」

淡「りょーかい!ほら、テルー、どいてっ!」

照「……嫌だっ!離れたくないっ!」ギュウ

菫「ふふふ…子供らしい、可愛いやつだ」ナデナデ

淡「わわわ、どーしよっ、テルーも落とされちゃった…!」

誠子「弘世先輩…T-1113にかかってから、タガが外れたように襲い始めた!」

淡「部員を三軍から食い始めてもうレギュラーだよ!」

誠子「残されたのは私と淡だけか…!」

菫「…亦野達も、どうだ?」ニコリ

誠子「!…騙されるな!早くこの檻にっ」

淡「りょーかいだよっ!」ズルズル

菫「…ふふ、ここは素晴らしい花園だっ……」ズルズル

白糸台編 終

姫松高校 麻雀部部室

洋榎「T-1113かぁ。大変やなー」

絹恵「お、お、お姉ちゃんは大丈夫なん?」ドキドキ

洋榎「勿論っ!風邪も引いたことないからな♪」ニカッ

絹恵「!そ、そんならええけどっ」

洋榎「絹も……気ー付けや?」

絹恵「や、私は部長やあれへんし…」

洋榎「ちゃうよ、体調。絹が病気になったら、ウチ、心配やから…」

絹恵「え、えう…ありがと」カアアッ

由子「………………」

洋榎「まー、ウチは余裕やっ!菌の類は近づいて来んから」ヘヘッ

漫「そうは言いますけど……」

漫「無理はせんといてくださいね?心配ですし」

洋榎「だーいーじょーぶって!」ガシッ

漫「!?」

洋榎「なんやぁ?先輩の言うことが信じられへんのかぁ?」プニプニ

漫「しゅ、主将っ…突つかんといてくださいっ……」カアアッ

洋榎「お、漫のほっぺやらかいなー?柔軟剤使っとるんか?」

漫「じょ冗談はよしてくださいっ」ドキドキ

由子「………………」

恭子「……」ジト

洋榎「ん?どーしたんや、恭子?」

恭子「別に、なんもないで」プイ

洋榎「えー、なんもない訳ないやろー!こっち向きっ!」グイ

恭子「きゃっ!」

ガタガタ

洋榎「あっ……ごめん」

恭子「い、いや…こっちこそ、ごめん」バクバク

恭子「(お、押し倒されたっ…)」

洋榎「……恭子って」ジッ

恭子「?」

洋榎「目…綺麗よな。引き込まれるわ」ジー

恭子「え、ええ?」

洋榎「もっと近くで見せてえな…」ズイ

恭子「やっ!ちょっと、近いっ…!」バタバタ

洋榎「ふふ、逃がさへんで…?」ニヤリ

恭子「!ちょっ……恥ずかしっ…」カアアッ

由子「……………もう」

由子「(誰も気付いてないみたいだけど…)

由子「(洋榎はもうばっちりウイルスにかかってるのよー) 」

由子「(三人とも元々惚れてるから、気付かないだけね)」

由子「……私もっ…」ドキ

洋榎「由子?どーしたんや?」

由子「…なんでもないっ」フイ

洋榎「そう?なんか悩んどるなら言うてや?」ポンポン

由子「(……お前のせいや、アホっ…)」バクバク

姫松編 終

新道寺高校 麻雀部部室

姫子「はぁっ………はぁ」ガチャガチャ

哩「姫子?逃げようとするとは感心せんな」ツー

姫子「ぶちょー…もう、やめましょうよっ…」ビクン

哩「?何がいかんと?気持ち良さそうやんね、姫子も」

姫子「ひゃっ……あああっ!」ビビクン

哩「ふふふ………」

煌「すばっ……ぶ、ちょうっ…」ピクピク

美子「えっと…」ガチャガチャ

哩「お、花田らも、目ー覚めたか」

美子「あの、なんで、部活中に、手錠を?」ジャラジャラ

哩「おまんらが気持ち良さそうやけんな」

哩「それに」グイ

仁美「なんもかんもぉおおお!」ビビクン

哩「支配してる感じが…ゾクゾクすっから」ニヤリ

美子「!」ドキッ

仁美「なんもっ……かんもっ…」ビクンッ

哩「よしっ……次、姫子か」

姫子「やっ……いやぁっ……!」

哩「…怖がらんとって」ナデナデ

姫子「!」

哩「姫子のこと…愛しとるから、こいなことすっとよ」ギュッ

姫子「あっ……えっ…」ドキドキ

哩「姫子、やらしか」

姫子「ううう…」カアアアッ

美子「いやぁっ!」ビビクン

哩「……よし、次、花田やな」

姫子「(やっ…このぶちょー、怖いのにっ)」カアアッ

煌「(全くもって、すばらくないのに…)」ガチャガチャ

仁美「(…そもそも、手錠に鍵かかっとらんのに)」

「「(に、逃げられん……)」」ドキドキ

哩「ふふふ…ええ奴らばい」

変態新道寺編 終

敦賀学園 麻雀部部室

ゆみ「T-1113とはな……」

睦月「タラシになるなんて…凄いですね」

桃子「加治木先輩が部長じゃなくて良かったっす♪」ギュウ

ゆみ「こ、こら、モモ」カアッ

佳織「…でも、心配ですね。智美ちゃん」

ゆみ「たしかに、蒲原がタラしこんでる所なんて、想像つかな…

ガラガラ

智美「おつかれー」ワハハ

佳織「!」

ゆみ「………蒲原、お前の周りに居るのはなんだ?」

「わんわん♪」スリスリ

「にゃーん♪」ゴロゴロ

「♪」ピヨピヨ

智美「なんか歩いてたら、みんなついて来たんだよー」ワハハ

ゆみ「なるほど……良かった、な」

モモ「……………」

睦月「これは、タラシ…なんでしょうか?」

敦賀学園編 終

千里山女子高校 麻雀部部室

怜「おつかれー」

セーラ「おつかれー、怜」ゴロゴロ

竜華「おつかれー」ナデナデ

怜「待てっ!あほ!」

竜華「どしたんー?」

怜「今日はセーラかっ!」

竜華「へ?」

怜「膝枕や!ひざまくらっ!」

怜「昨日は泉、一昨日は船Q…」

怜「どんだけ他人に膝枕したら気がすむんや!この浮気者っ!」

竜華「え、他の人に膝枕したらアカンの?」

怜「当たり前やろっ!安易に体許したら駄目に決まっとるやん!」

竜華「だってセーラ疲れてたから…なぁ、セーラ?」

セーラ「う、うん………」カアアッ

怜「セーラもセーラや!ウチが毎日怒りよるの知っとるやろ!」

セーラ「いやー、いつも怜ばっかりの竜華が俺を見てくれてるのが嬉しゅうて…ついな」テレテレ

怜「……………」プルプル

京太郎「わんわん♪」スリスリ

池田「にゃーん♪」ゴロゴロ

美子「♪」ピヨピヨ


うむ

怜「とりあえず、どいてや!そこウチの席やで?」

竜華「え、でも怜元気やし…」

怜「…病弱なのっ!ウチ、病弱やからっ」

セーラ「…この席は早い者勝ちやで」スリスリ

怜「……なんやと?」

セーラ「…譲られへん。気持ちええし、竜華が世話してくれるし」

竜華「こら、そんなこと言わないの…嬉しいけど」クス

怜「りゅ、りゅうかぁ…」ウルウル

ガラガラ

泉「……あ、取られてる」シュン

竜華「泉、お疲れー」

泉「ねえ、江口先輩!充分堪能したでしょ?代わってくださいよー」ユサユサ

セーラ「…いややー、もうちょっと…」ゴソゴソ

竜華「ごめんなー、泉も疲れとるのに…」シュン

泉「っ!」キュン

怜「……ひ、膝枕ぁ…!私にも、膝枕っ!」

船Q「……あの膝枕は、完全に凶器ですわ」

泉「だって…もう、あの感触が頭にこびりついてっ…!」カアアッ

怜「(枕…ふともも……ううぅ)」ドキドキ

竜華「あ…そや、怜」チョイチョイ

怜「何?」トテトテ

竜華「……帰りに、いっぱいしたげるな?」コソッ

怜「~~~!アホっ!竜華の、アホぉっ!!」

千里山編 終

清澄高校 麻雀部部室

アンアン!

和「…………」ハァ

フフフ,ココガイイノ?

イヤッ,ダメデスッ…アアンッ!

咲「………あぅ」カアアッ

優希「…これは酷いじぇ」

まこ「初めはかかっとらん時と変わらんやったが…」

咲「今はっ……こんな、こんな」ドギマギ

和「これは、病状が進んでいるのですか?」

優希「みたいだじぇ」

咲「な、何も仮眠ベッドでしなくても…私達もいるのに」

和「そーいうのが、考えれなくなるみたいですね」

まこ「朝、昼と別の子を連れてきて…もう三人目じゃ」ハァ

優希「清澄高校を食らいつくす勢いだじぇ」

咲「いったいどうすれば…」

まこ「抗体が、早く見つかればええんじゃが…」

prrrr

和「あれ」

優希「部長のケータイが鳴ってるじぇ」

ハアハアッ

ギシギシ

まこ「……出てええ。責任はわしがとるけぇ」

和「……はい」ピッ

『うえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさん』

和「え?」

『うえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさん…あれ』

和「か、風越の福路さん?」

『なんでうえのさんの携帯に他の女が…』ブツブツブツブツ

和「……」サアッ

咲「の、和ちゃん…大丈夫?」

『…ころす、ころすっ……!』

うわあああぁ

華菜『キャプテンっ!落ち着くしっ!』ドスッ

美穂子『きゃうっ』パタン

華菜『ふう……失礼したし』

和「い、いえっ……あなたは?」

華菜『風越の池田だしっ!キャプテンが暴れて…ごめんなさいだし』

咲「か、風越の大将さん?」

華菜『んで、お前ん所は、T-1113に苦労してんのか?』

和「ええ……貴方の所も?」

華菜『いや、風越OBの人が抗体を開発してくれたから大丈夫だっし』

和「抗体ですって!?」

優希「!ほ、本当かっ!?」

華菜『そ…そうなんだけど……』

和「……?」

華菜『……副作用で、とんでもないヤンデレになるんだし…』

和「……ああ、それで…」

華菜『副作用は一週間くらいらしいけど……正直疲れたし…』ハァ

まこ「……お、本当じゃ」カタカタ

咲「染谷先輩、何を調べてるんですか?」

まこ「ほれ、これ見てみ。多少の副作用はあるものの抗体が開発されて、各校麻雀部に送られたらしい」

優希「……あと一週間は苦労することになりそうだじぇ」

京太郎「おーい、先生から抗体貰って来たぞ!」

優希「おお!でかした京太郎!」

和「早く…部長が着替えてる間に早くっ!」

久「ふぅ……あれ、皆何してるの?」

優希「午後の優雅なティータイムだじぇ」

和「部長の分も、はい」スッ

久「ありがと」ゴクッ

まこ「(ん…よう考えたら…)」

咲「(これ…全国にヤンデレ化した部長さんがあふれるってこと?)」

灼「ハルちゃん……昨日穏乃とどこ行ってたの?」

晴絵「ああ、憧の誕生日が近いから…」

灼「そんなんが聞きたいんじゃないっ!」ドンッ

晴絵「!?」

――

竜華「怜…今日は36.8℃やな。通常時より0.4℃ほど高いで?体調悪ない?」

怜「う、うん…大丈夫やで」

竜華「困ったことがあったらなんでも言うてな?始末してあげるから…」ニッコリ

怜「……お、おおきに」カタカタ

哩「姫子……私のもとから離れんな」ガチャン

姫子「(け、結局手錠ですか…しかも今度は鍵かかってる)」

哩「私の…私だけの姫子ったい…ふふふふふふ」

煌「……矛先が姫子のみに向いただけですね」スバラクナイ

仁美「なんもかんもT-1113のせいばい…」

――

桃子「……先輩、抗体が届きましたよ」

ゆみ「う、うん……」

「わふー♪」ペロペロ

「にゃんっ♪」ツンツン

智美「わぁ、くすぐったいなぁ」ワハハ

佳織「…副作用が酷いらしいし、薬飲ませなくてもいいのでは」

睦月「……うむ」

久「……」プルルル

久「…あ、美穂子、出るの遅いじゃない、何してたの」

美穂子『携帯の使い方が分からなくて、華菜に聞いていました』

久「あら、そう。華菜さんとやらといちゃついてたわけね」

美穂子『そんなことありません!上埜さんこそ…っ!』

久「…私は、あなただけよ。何も考えられない、他には、何も…」

美穂子『……私も、そうですよ』

久「狂おしいほどに、愛しているわ」

美穂子『私も、愛しています』

美穂子『…殺したいほどに』


おわり

永水と宮守は部長わからなくて書いてなかった
ごめんなさい

乙でー
ヤンデレ化した洋榎ちゃんとかあんま想像出来ない

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