アスカ「あ゛っ。バガジンジぃ……」
シンジ「す、凄い声だけど……。風邪引いたの?」
アスカ「うん……ゴホッ」
シンジ「熱計った?」
アスカ「」フルフル
シンジ「はあ……。ちょっと待ってよ。ええっと……体温計、体温計……」ゴソゴソ
シンジ「ほら、アスカ」
アスカ「ありがと……ゴホッ」
-90秒後-
ピピピッ
シンジ「ええっと……38度……」
シンジ「今日は学校休もう。僕が帰ってくるまで安静に――」
アスカ「」ガシッ
シンジ「ど、どうしたの!?」
アスカ「……今日は一緒に居てほしいの……」
綾波「あぶない・・・・・アスカといると融合してしまう・・・」
--------------------------------------------------
シンジ「良い匂い」
アスカ「シンジィ・・・・・・・シンジィ・・・・・・・」
シンジ「で、でも……これから学校が……」
アスカ「私が許すから……ゴホッ」
シンジ「だ、だけど……行かないとミサトさんが……」
アスカ「私とミサト、どっちが大事なの?」
シンジ「そ、それは……」
アスカ「ゴホッ、ゴホッ」
シンジ(アスカ辛そう……。だけど学校も――」 ピンポーン イカリクーン
シンジ「ケンスケたちが来たけど……」
アスカ「居留守使いなさいよ……」
シンジ「で、でも……」
アスカ「『でも……』何なの?」
シンジ「……」
アスカ「……分かったわ。学校行ってきなさい」
アスカ「私も一人、ゆっくりしたいと思っていたのよ……」
アスカ「ヒカリのお弁当摘めなくなるのは残念だけど……」
シンジ「それじゃ……行ってくるけど……」
アスカ「何?」
シンジ「アスカのお弁当……。机の上に置いておいたから……」
アスカ「……」
シンジ「お昼になったらでもいいし、食欲があるときに食べてよね。後、水分補給をこまめに取って――」
アスカ「分かったから……行ってぎなざいよ……」
シンジ(鼻まで詰まってきている……)「じゃあ行ってくるね」バタムッ
――キョウハオソカッタヤナイカー イヤ、アスカガサ- ソレハダイジヤナ-
アスカ(声が遠くなっていく……もう行ったのかしら……)
アスカ「……静か」
――学校
ヒカリ「今日アスカ休みなの?」
シンジ「うん、熱出しちゃって……」
ヒカリ「それは一大事ね……。放課後、お見舞いに行ってもいいかしら」
シンジ「うん、アスカも喜ぶと思うから」
授
業体育
シンジ「……」
トウジ「何や、元気ないなあ」
ケンスケ「碇、朝から暗いけど……。やっぱ惣流?」
トウジ「せやろなあ……なんせ二人は夫婦やさかい。かたっぽがダウンしたらかたっぽが苦労するのは分かるで」
シンジ「そ、そんなことは無いんだ……。だけど……」
トウジ&ケンスケ「だけど……?」
シンジ「…………」
シンジ(アスカの部屋で今朝……あったのは僕のパンツだよな……)
ア
ス
カの部屋
アスカ「……暇ね」
アスカ「そう言えば……」ゴソゴソ
アスカ「……シンジのパンツ……」
アスカ(最近……シンジの事を思うだけで……。胸が……身体が熱くなって……。でも、私には加持さんっていう運命の人が……)
アスカ(だけど……何故か……シンジの顔が……)
アスカ「あっ……はんっ……んっ」
アスカ「……あぅっ!」ジワッ
アスカ「……んっ……」
アスカ「……シンジぃ」
三
時
限
目歴史
エーッ。そしてセカンドインパクトガー
シンジ「は……は……ハクションッ!」
クラス「…………」
トウジ「なんや、惣流にでもうつされたのかいな」
クラス「ワハハーッ」
シンジ(は……恥ずかしい……)
キーンコーンカンコーン
トウジ「はー、終わった終わった!」
トウジ「帰ろうでー」
シンジ「あれ? ケンスケは?」
トウジ「ああ、今日は軍艦の観艦式があるとかなんとかで飛んでったで」
シンジ「そうなの?」
トウジ「だから今日は二人だけの帰路になるなあ……」
シンジ「なんか寂しいね」
ヒカリ「碇君」
シンジ「どうしたの?」
ヒカリ「御見舞いは何時が良いかな?」
シンジ「いつでもいいよ」
ヒカリ「分かったわ じゃあね」
シンジ「バイバイ」
帰路――
シンジ「アイスなんて奢ってもらって……」
トウジ「いいんや。どーせ拾った金や、悪銭身に付かずーってな」
シンジ(それとこれは違うと思うけど……)
トウジ「そーや。今日、家にお邪魔していいかー?」
シンジ「良いけど……」
トウジ「この前のゲーム。今日こそクリアしたいんや」
シンジ「そう言う事ね。分かった」
家の前
ヒカリ「あっ、碇君――」
トウジ「よぅ、委員長」
ヒカリ「と、トウジ? どうしたの?」
トウジ「シンジの家でテレビゲームや」
ヒカリ「病人いるのよ?」
トウジ「部屋替えればいいやんか」
ヒカリ「良くないのよ? 電磁波がね――」
トウジ「あーっ。聞きとうない!」
シンジ「一応、部屋は広いから……。多分電磁波は大丈夫だよ」
シンジ「それに音量は極力、小さくするから。さ」
トウジ「さーすが碇君や! 分かったか委員長!」
ヒカリ「碇君が言うのなら……」
――アスカの部屋
アスカ「シンジぃ……」
アスカ(こうやって、今日……。何度も自分を慰めてばっかじゃない……)
アスカ(で、でも……止まらないの……。この指が……勝手に……)「あんっ!」
タダイマー オジャマシマース オジャマスルデー
アスカ「」ビクッ
アスカ(だ、誰!? シンジと……今の声はヒカリ……)
アスカ(そして、三馬鹿の一人……)
ちょっと飯
シンジ「アスカー? 帰ったよー」
シンジ「アスカー? 大丈夫?」コンコン
アスカ「すぅ…すぅ…」
シンジ「眠っているのかな?」
ヒカリ「寝ているの?」
シンジ「そう見たい。どうする?」
ヒカリ「勝手に済まないけど、アスカの部屋に入っても良いかしら?」
シンジ「僕に訊かないでよ……」
ヒカリ「ごめんなさいね。だけど、碇君の許可ならアスカ。許してくれると思う」
シンジ「どうして?」
ヒカリ「フフフ」ガラッ ピシャッ
シンジ「入っていった……」
シンジ「別にいいか……」
トウジ「起動したでー」
シンジ「あっ、今行くよ」
アスカ部屋――
ヒカリ「アスカ……?」
アスカ「……ヒカリ?」
ヒカリ「やっぱ狸寝入りだったのね」
アスカ「だって、面倒じゃない……」
ヒカリ「碇君と絡むことが?」
アスカ「!」
ヒカリ「図星ね」
アスカ「そ、そんな訳無いじゃない!」
ヒカリ(お互い、素直じゃないわね……)
――リビング
トウジ「喰らえィ!『石破天驚拳』や!」
シンジ「ほいっと」
トウジ「なぁに!?」
シンジ「はい、特格からのサテキャ」
トウジ「うあああああああっ!」
トウジ「しっかし……上手いなあ……」
シンジ「いや、トウジも上手いよ。あの場面、避けられなかったら負けていたし」
シンジ「それよりトウジってこの『ドモン・カッシュ』ってパイロットと声、似ているね」
トウジ「そうか? 『俺のこの手が真っ赤に燃える!』」
シンジ「あはは、そっくりそっくり!」
――アスカ部屋
オレノコノテガマッカニモエル!
ヒカリ「うるさいわね……」
アスカ「……ねぇ、ヒカリ」
ヒカリ「どうしたの?」
アスカ「……トイレ行きたいんだけどさ」
ヒカリ「……碇君と顔を合わせないように行きたいわけね」
アスカ「ご名答……ゴホッ」
ヒカリ(やっぱり素直じゃないわね……)
――リビング
シンジ「この短時間で、よく頑張ったねぇ……」
トウジ「ワイがここまで来れたのもシンジのお蔭やさかい。ありがとうな」
シンジ「そ、そんなことないよ。トウジだって……」
アスカ「」コッソリコッソリ
シンジ「次の機体は――」
トウジ「あれ? 惣流やんけ」
アスカ「」ビクッ
シンジ「ん? アスカ。身体はもう大丈夫なの?」
アスカ「……」ギロリ
シンジ「大丈夫……じゃないみたいだね……」
アスカ「……」
シンジ(トイレかな……?)
トウジ「選び終わったでー」
シンジ「あっ、機体まんまだ……」
ト
イ
レその向こうに
アスカ「……」ジョロロロロ
アスカ「…ん」チョロ…
アスカ「……」フキ
アスカ「…んっ!」フキッ
アスカ「はぁっ……んぁっ!……」ヌチャ
アスカ(こんなところで……弄ったら……誰かに聞かれちゃうっ!)
アスカ「だ、だけどぉ……」ニュルニュル
アスカ「指が……っ……んっ!」
シンジ「アスカ―? 大丈夫?」
アスカ「!」
シンジ「なんか声が聞こえたけど……」
アスカ「……女の子のトイレの音聞いていたの?」
シンジ「ち、違うよ! ただ、トイレに入りたくて……」
アスカ「……」
シンジ「だから……悪気はないんだ……」
シンジ「……ねえ、アスカ」
アスカ「……」
シンジ「明日は風邪……。治してよね」
シンジ「皆心配しているから……。僕も最低限の手伝いはするよ」
シンジ「だから――」
アスカ「」
シンジ「あ、アスカ……?」
アスカ「トイレ……入るんでしょ?」
シンジ「あ、ああ……」
アスカ「……フン」
――アスカ部屋
ヒカリ「これ……男物の下着? 何でアスカの部屋に……」
ヒカリ「確かこの家にはアスカと親権者のミサトっていう人だけ……」
ヒカリ「そして碇君……。つまり碇君の――」
アスカ「」ガラッ
ヒカリ「あ、アスカ!」
アスカ「あ゛ーっ!」
アスカ(……終わった……)ガックリ
ヒカリ「……アスカ」
アスカ(これで……嫌われたかな……)
ヒカリ「……これ碇君の下着よね?」
アスカ「」コクリ
ヒカリ「洗濯もの……畳んであげていたんでしょ?」
アスカ「……へ?」
ヒカリ「私も弟と妹の洗濯物良く畳むけど……男の人の洗濯物ってあまり畳んだことないのよ」
ヒカリ「その面ではアスカのほうが……先輩ね」
アスカ(な、なんか助かったのかな……)
-PM8:00-
トウジ「そろそろお暇しようかな……」
シンジ「途中まで送ろうか?」
トウジ「大丈夫や。多分そろそろ委員長も帰る頃だろうし。誰が惣流の面倒みるんや?」
トウジ「ミサトさんは帰ってこなさそうだし……」
シンジ「……そうだね。ありがと、トウジ」
――アスカ部屋
ヒカリ「そろそろ帰るわね」
アスカ「うん……」
ヒカリ「明日には元気になっているといいわね」
アスカ「ヒカリのお弁当食べるためにも……ね」
ヒカリ「多めに作っておくわね」ニッコリ
アスカ(ヒカリ……ありがと)
-PM11:00-
ミサト「ただいまー」
シンジ「あっ、お帰りなさい」
ミサト「あらシンちゃん。こんな遅くまで起きてどうしたの?」
シンジ「アスカが風邪引いちゃって……」
ミサト「それは一大事ね……」
シンジ「どうしたんですか? そんなに深刻そうな顔して」
ミサト「それがね、明日シンクロテストがあるんだけど……」
シンジ「明日までには治るんじゃ?」
ミサト「やっぱ風邪の後ってブランクというか、身体に重たいものがあるじゃない? それで正確な数値が計れなくなるんじゃないかって」
シンジ「大丈夫じゃないですか? 確か身体の負担は影響されない――」
ミサト「精神的にもきついじゃない。二日酔いに似て」
シンジ「僕はお酒飲んだことないから分かりませんよ」
――アスカ部屋
アスカ「シンジィ……」クチュクチュ
アスカ「朝から晩まで……弄ってばかり……」
アスカ「……朝から晩まで弄って、抑えられない――ッ!」
アスカ「――んぁっ!」
シンジ「あ、アスカ……?」
アスカ「!? いつの間に?」
シンジ「そ、その……『朝から晩』ってところから……」
アスカ(ぜ、全部見られていた?)
シンジ「その、さ……」
アスカ「…………」
シンジ「……それ僕のパンツ」
アスカ「……」
シンジ「右手に握って……顔に近づけて……匂い嗅いで……」
シンジ「左手は布団の中で……その……もそもそ動いていて……」
シンジ「そして……喘いで……」
シンジ「そんな変態だったなんて……」
アスカ「……」
シンジ「……信じられないよ!」
シンジ「僕は酷くない……。だから、誰にも言わないしこの事も忘れる」
シンジ「だけど、今の、このやり場のない思いをどうしたらいいのか……」
シンジ「……」
アスカ「……バカシンジ、ちょっとこっち来て……」
シンジ「嫌だよ! 変態の傍になんて……絶対に行くものか!」
アスカ「アンタの父親のほうがよっぽどの変態よ……」ボソリ
シンジ「……」
アスカ「……お願い、来て」
シンジ「だ、誰が……!」
アスカ「……」スクッ
シンジ「あ、アスカ!?」
アスカ「……」ヨロリ
シンジ(足取りが覚束ない……。まだ体調が優れないんだ……)
アスカ「シンジ……」ピトッ
シンジ「!」
アスカ「……シンジのホッペ、柔らかい……」
アスカ「シンジの額……シンジの鼻……シンジの唇……」ピトッ
シンジ「な、なんだよ!!」
アスカ「……私の左手、触ってみて」
シンジ「……!」
アスカ「……今日一日、頑張っていた左手。先端部が濡れているでしょ?」
アスカ「……気持ち悪いかも知れないけど、シンジの事を想って……」
アスカ「今晩は……一緒に、寝てくれない……?」
シンジ「今日は――遠慮するよ」
アスカ「!?」
シンジ「……明日、元気になったら、ね?」
シンジ「僕も風邪うつりたくないし……」
シンジ「だから――。アスカも今日で風邪……治して、ね?」
アスカ「……うん」
ミサト(あらら、青春真っ盛りねー)
ミサト(あーあ、若いって羨ましー)プシュ
-翌朝-
アスカ「おはっよー」
シンジ「あ、アスカ。元気になったんだね」
アスカ「御蔭様で。ミサトは?」
シンジ「まだ寝てる」
アスカ「そう……」ソワソワ
シンジ「どうしたの?」
アスカ「……何でもない! 今日の弁当は?」
シンジ「卵焼きと、プチトマトとか」
アスカ「ふうーん……」
アスカ「……ねえ、シンジ」
シンジ「ん? どうかした?」
アスカ「……なんでもない!」
アスカ(ここで言っても面白くないものね……。ちゃんと夜に言わないと)
アスカ(今行っちゃったら逃げの口実を作ってくるかもしれないし……)
-NERV-
リツコ「あら、今日はアスカの数値が安定しないわね」
リツコ「ミサト、何かあった?」
ミサト「さーね。青春ってホント、分からないわ……」
リツコ「?」
ミサト「気にしなくていいの」
-エントリープラグ内-
アスカ「…………」
アスカ(帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝)
アスカ(帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝)
アスカ(帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝)
アスカ(帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝、帰ったらシンジの添い寝)
リツコ「やはり……何かあったわね」
ミサト(うーむ……)
リツコ「今日のテストは終了。お疲れ様」
ミサト「アスカー? ちょっといいかしら」
アスカ「?」
-休憩室-
ミサト「シンちゃんと何かあった?」
アスカ「!」
ミサト「図星かしら?」
アスカ「何も無かったわよ。ていうか私、風邪引いていたし」
ミサト「じゃあ……これは――?」
アスカ「!!」
ミサト「どう見ても男のもののパンツー。アスカの部屋に落ちているのを拾ったわ。この臭さ……シンちゃんのね」
アスカ「……ど、どうしてそう言えるのよ!」
ミサト「女の……勘よ」
ミサト(て言うか、うちの家。シンちゃんしか男の子いないしー)
アスカ「て言うよりもミサト! 何でここにパンツ持ってきているのよ!」
ミサト「今ので確信したわ。やっぱりあなたね」
ミサト「普通、パンツ一つ見た位でこれ程まで焦らないもの」
アスカ「――ッ!」
ミサト「……そうね、私も鬼じゃないし」
ミサト「昨日、本当に何もなかったのよね?」
アスカ「……そうよ」
ミサト「じゃあ、何で今日おかしかったの?」
アスカ「それは……」
ミサト「それは?」
アスカ「……添い寝してくれるって……」ボソッ
ミサト「……へ?」
アスカ「添い寝してくれるって言ったのよ! 今日までに風邪治したら!」
ミサト「し、シンちゃんが?」
アスカ「そうよ!」
ミサト(シンちゃんも結構積極的ね……)
アスカ「な、何よ! その目は!」
ミサト「青春だなーって」
アスカ「は?」
ミサト「一つだけ言っておくわ。『快楽は一瞬だけど、責任は一生』よ」
アスカ「何の話――」
ミサト「そろそろ私行くから。あっ、今日は遅番だから朝まで帰らないわよ」
ミサト「それと、私の部屋の机の上から2番目の引き出し開けてみてね」
アスカ「何があるの?」
ミサト「それは観てのお楽しみってことで」
――帰路
シンジ「あっ」
アスカ「どうしたの?」
シンジ「今日の夕飯の食材……買い忘れた……」
アスカ「はあああ? 今日は夕飯無し!?」
シンジ「丁度コンビニがあるし、コンビニの弁当でも買おう」
アスカ「やだ! 美味しいのが食べたい!」
シンジ「駄々を捏ねないでよ……」
アスカ「やだ!」
シンジ「……はあ。今から距離あるけど…・・・スーパー行くか」
アスカ「今日はオムライスがいいなー」
シンジ「はいはい」
ヒカリにいるのは姉と妹じゃなかったか
-スーパーにて-
アスカ「これと、これと――」
シンジ「余計に買い過ぎじゃない?」
アスカ「何よ。元はといえばアンタが食材切らすからじゃない」
シンジ「それはそうだけど……」
幼女「ママー。向こうのお姉ちゃんなんか強いー」
母親「シー!」
幼女「なんか、ママとパパみたい!」
母親「シーッ!」
シンジ&アスカ「!!!」
シンジ「……」
アスカ「……あはは」
アスカ「こんなバカシンジと夫婦!? あはっ、それもいいかもね!」ギュー
シンジ「頬をつねらないでよっ!」
アスカ「……その気になっているようなだらしない顔だったから正しただけよ」
>>107
そうやったな すまない
シンジ「ただいまー」
アスカ「……」
シンジ「どうしたの? 入らないの?」
アスカ「……入るわよ! ただいまっ!」
シンジ「……何をそんなにカリカリしているんだろう」ボソリ
アスカ「先、風呂に入るわよ!」
シンジ「う、うん……」
シンジ(やっぱ……怒っている……)
シンジ「どうしてだろう……」
――風呂
アスカ「……なんでだろう」
アスカ「今日はどこかおかしい……」
アスカ(感じているのね……。私の……)
アスカ「そう言えばミサトが『引き出しの2段目』とか言っていたわね……」
風呂から出てきて――
シンジ「アスカー? 夕食できたよー」
シンジ「アスカ―?」
――ミサトの部屋
アスカ「2段目……2段目……」
アスカ「ここか!」ガラッ
アスカ「……これって」
アスカ「『快楽は一瞬、責任は一生』って意味、やっと理解したわ……」
シンジ「アスカー? そこに居るの?」
アスカ「今から行くー!」
アスカ「……やるわよ、アスカ……」
シンジ「御馳走様でした」
アスカ「あのさ……。シンジ?」
シンジ「ん?」
アスカ「約束、覚えてる?」
シンジ「約束?」
アスカ「そ、その……そ、そ、そ」
シンジ「そ?」
アスカ「添い寝の約束……」
シンジ「添い寝?」
アスカ「私、先に寝るから……。お休み」
シンジ「どうしたんだろう……」
――アスカの部屋
アスカ「はー! 言っちゃった!」
アスカ「……後はゆっくり待つだけ……」
アスカ「……ゆっくり待つだけ……まつだけ……だけえ……」スースー
-翌朝-
アスカ「…………」
シンジ「ど、どうしたの……?」
アスカ「何でもないわよ!」
シンジ(どうしたんだろう……。ギスギスしている……)
アスカ「先、学校行くわよ!」
シンジ「あっ! 弁当――」
アスカ「後で持ってきなさい!」ブシュー
シンジ「どうしたんだろう……」
アスカ(何で寝落ちしちゃったのよ! 私の馬鹿!)
アスカ「……」
ヒカリ「どうしたの……? 朝から」
アスカ「何でもないわよ!」
ヒカリ「まーた、碇君と喧嘩したの?」
アスカ「『また』って何よ!」
ヒカリ「お互い……素直じゃないんだから……」
トウジ「あら、今日は惣流と顔、合わせないなぁ?」
シンジ「僕と目が合うと嫌そうな顔するんだ。理由は知らないけど」
トウジ「それは災難やなぁ……」
ケンスケ「おはよーさん」
トウジ「おう、おはようさん」
シンジ「おはよう。一昨日の観艦式はどうだった?」
ケンスケ「ああ、最高だったね! あれほどまでのスケールを間近で見られる機会なんて滅多にないからね」
キーンコーンカーンコーン
シンジ「授業が始まるみたいだね」
トウジ「じゃあ、後でなー」
シンジ「うん」
セキニツケー テンニュウセイノショウカイヲスルー
シンジ「こんな時期に転入生?」
ハイッテー
カヲル「初めまして、渚カヲルです」
女子「ねー。かっこよくない?」
女子「カッコいい……」
シンジ(綺麗な人だな……)
カヲル「」ニッコリ
シンジ(今、僕の方を見て……)
――休み時間
シンジ「さてと……」
ワーキャーワーキャー
シンジ「渚君の席? 女子が沢山……」
トウジ「やっぱ男は顔やなぁ」
ケンスケ「そうだよねぇ……」
シンジ(さっき……僕を見て微笑んでいたよね……)
シンジ「渚……カヲル君……か」
綾波「……」
シンジ「あれ? 綾波……」
トウジ「ん? どうしたんや?」
ケンスケ「俺らも早い所、ガールフレンド作らないとね……」
トウジ「中学生にはまだ先の長い話や……」
シンジ「綾波? どうしたの?」
綾波「……あの人、何か私に似ている気がする」
シンジ「言われてみればどことなく似ているね」
綾波「……」
シンジ「どうしたの?」
綾波「今日は弐号機の人とあまり騒がないのね」
シンジ「アスカ? 今日は何故か僕と顔を合わせないんだ」
綾波「そう……」
綾波「……」
シンジ(綾波……)
アスカ「……チッ」
――放課後
アスカ「シンジ――」
カヲル「碇……シンジ君?」
シンジ「そうだけど……ええっと、渚――」
カヲル「『カヲル』でいいよ。シンジ君」
シンジ「か、カヲル君……」
カヲル「君は……エヴァをどう思うかい?」
シンジ「!」
カヲル「人が創りし、アダムの分身。それを使ってまで生き延びることを選ぶリリン――」
カヲル「僕にはそれが分からない……」
シンジ「な、何を言っているの?」
カヲル「シンジ君……僕は、君を救いに来た……」
シンジ「あっ……」
アスカ「すとーっぷ!」
アスカ「近すぎるのよ!」
カヲル「おや、君がセカンドチルドレンだね」
アスカ「だったら何よ!」
カヲル「……シンジ君は君に預けるよ」
アスカ「は?」
カヲル「シンジ君。また、明日……」
シンジ「あ……ああ……うん」
アスカ「……何で私がセカンドだってことを――」
シンジ「カヲル君って……」
――校舎内
カヲル「♪」
綾波「……」
カヲル「……おや」
綾波「何?」
カヲル「君も僕と同じ存在のようだね……」
綾波「そうかしら?」
カヲル「自分がよく分からない点とか、そっくりじゃないか」
綾波「そうね……」
カヲル「それで、君はシンジ君の事をどう思っているんだい?」
綾波「!」
カヲル「へえ……」
カヲル「その反応が見れただけで満足だよ。ありがとう」ザッ
綾波「……」
――家
アスカ「ただいまー!」
ミサト「アースーカー!」
アスカ「ど、どうしたのよ!」(うわっ! 酒臭いッ!)
ミサト「どうだったのよ 昨夜はぁ~」
アスカ「な、何もなかったわよ!」
ミサト「ほんとにぃ?」
アスカ「私が寝落ちしちゃったのよ」
ミサト「机の中のゴムぅ……。無くなっていたけどアスカが持っているの?」
アスカ「そ、そうだけど……」
ミサト「なら今日いい考えがあるの、耳貸してぇ~」
アスカ「うっ……酒臭ッ!」
ミサト「あのさぁ……今日さぁ……。『コレ』が手に入ったのよ……」コロンッ
アスカ「こ、これは?」
ミサト「こっちが『睡眠薬』でこっちが『媚薬』よん」
アスカ「こんなもの……どこから……」
ミサト「マヤちゃんの部屋から」
アスカ「…………」
ミサト「さて、時間が無いからシンちゃん帰ってくるまでに作戦を練るわよー!」
アスカ「……」
ミサト「あるぇ? 妙に乗り気じゃないわねぇ」
アスカ「昏睡レイプなんてよ、良くないと思うの」
ミサト「あら、私。シンちゃんの寝込み何回も襲ったことあるわよ。似たような手段で」
アスカ「!?」
ミサト「じょーだんよ。じょーだん」
ミサト(ホントはちょっち……)
アスカ「取りあえず、薬は却下!」
ミサト「えー……面白いと思ったのに……」
アスカ(というより何でマヤの部屋にあるのよ!)
ミサト「だったらこれは私が貰うとして……」
ミサト「どうしたいの? シンちゃんを」
アスカ「ぐしゃぐしゃになるまで犯したい」
ミサト「あらら、大胆な事」
アスカ「シンジのアレを触って、舐めまわしたい。甘噛みしてシンジに可愛い声出させたい」
アスカ「そしてシンジの前立腺弄り回したりして情けない声を聞きたい。主導権を握りたい」
ミサト「そこまで考えているのね……」
――帰路
シンジ「ぶあああっくしょん!」
トウジ「あらら、風邪うつされたんとちゃうか?」
シンジ「そうかなぁ……」ズズズ
シンジ「確かに身体がどことなく怠い気がする……」
トウジ「そりゃ大変やな。でも男なら気合や!」
シンジ「気合……ね」
シンジ(それと心なしか、アレと前立腺が少し痛む……)
シンジ「何なんだろう……」
――よくわかんない所
カヲル「……後一歩で」
綾波「二人をくっ付けたいの?」
カヲル「そう。あの二人をね」
綾波「……」
カヲル「君がいるせいで二人が上手く結ばれない。というのは分かっていると思うが、シンジ君はどうやら君の事もセカンドチルドレンの事も好きみたいだ」
綾波「……そう」
カヲル「ATフィールドで身体を形成し、それでいてお互いを理解しようとする矛盾。不毛な行為を繰り返すだけの人間関係」
カヲル「かつて、ATフィールドが無くなった世界というのを見たことがある。だがそれは、決して良いものではなかった」
カヲル「良いものと一つになる。だが悪いものとも同化する……」
カヲル「そんな世界で結ばれた二人――。いや、二人という概念は無くなって『一つ』としてしか存在しない」
カヲル「僕はシンジ君が苦しむ世界は観たくないんだ……」トッ
カヲル「君は……どうだい?」
綾波「……」
カヲル「君が望むシンジ君と、シンジ君が望む世界。どっちを取る?」
綾波「……」
カヲル「直ぐには返答できない……か」
カヲル「じゃあ行くよ。また、明日」
綾波「……碇君」
――再び家
アスカ「やっと完成したわ! 名付けて『シンジホイホイ作戦!』」
アスカ「協力者はミサトね。それで最終目標はこの私!」
アスカ「説明は簡単! ミサトのババ臭いハニートラップと私のピチピチなハニートラップ。取るんなら絶対私よね!」
ミサト「ババ臭くて悪かったわね……」
アスカ「さぁて……そろそろシンジが帰ってくる時間……」
シンジ「ただいまー」
アスカ&ミサト(……来た!)
ミサト「お帰りー。シンちゃん~!」
シンジ「あ、た、ただいまです……」(酒臭っ!)
アスカ「お帰りー! シーンジ!」
シンジ「うわっ!」ドスンッ
シンジ「……いてて」
アスカ「お帰り! シンジ!」
シンジ「あ、アスカ……。重いよ……」
アスカ(抑えろ……抑えろ……)
アスカ「今日は暑いねぇ……」パタパタ
シンジ「乗っかりながらいう事じゃないでしょ!」
アスカ「あ……ごめん……」
ミサト「シンちゃん? だいじょーぶ?」
シンジ「あ、ありがとうございます……!?」
シンジ(今日のミサトさんの恰好……胸元が開いて、いつものだらしない身体が見えそう……)
シンジ(ホットパンツからちらりと見える下着は態となのか?)
シンジ(そして汗の臭い……。あっ、理性が!)
シンジ「あ、え……。と、トイレ!」ダッ
ミサト「あっ、シンちゃ……」
ミサト「行っちゃった……」
アスカ(やばいやばい……)
――トイレ
シンジ「ハァ…ハァ…」ドピュ
シンジ「……」
シンジ「何だって……」
シンジ「ダメだな……僕」
ミサト(大変なことになったわね……)
ミサト(トイレに仕掛けた盗撮カメラ曰く……)
ミサト(アスカではなく……私の恰好をおかずにしているわね)
ミサト「私もまだいけるかしら……」
アスカ「そんなこと言っている場合じゃないでしょ!」
アスカ「私に協力してよ! 何で私がシンジとミサトをくっ付けるために噛ませをしているみたいになっているのよ!」
ミサト「まあ、シンちゃんが私を選んだってことで」
アスカ「何で三十路を選ぶのよ!」
ミサト「三十路には三十路なりの魅力があるのよ。匂いとか」
アスカ(はあ……男って分からないわ……)
食事中――
シンジ「……」
アスカ「シンジー。それ取ってー」
シンジ「……」ヒョイ
アスカ「ありがと……」
ミサト「シンちゃん、お茶とって~」
シンジ「は、はい……」コトッ
ミサト「ありがと」ニヤリ
アスカ(不敵の笑み……。ま、まさか――!)
ミサト(今更気付いたわね……。けど遅いわ、これでシンちゃんは私のものよ!)
アスカ(しまったッ! 嵌められた!)
ミサト(ふふ。私もシンちゃんの可愛さはよく分かるの。洗濯担当の時は匂い付パンツを被って遊んだこともあったわ……)
ミサト(だけどアスカがこの家にやって来て私への関心が薄れていたから……)
ミサト(今回、アスカを使う事によってアスカの印象を下げ、私の印象を上げて!)
ミサト(ふふっ、アスカぁ……どう出るかしら……)
アスカ「ッ!」
アスカ(……クソッ! やっぱ大人って最低のクズだわ!)
アスカ「ごっちそうさまっ!」ドンッ
ミサト「……あらら」
シンジ「……どうしたんだろう」
ミサト「ねね、シンちゃん――」
――アスカ部屋
アスカ「……くそっ!」
アスカ「ミサトを信じていたのに……!」
アスカ「…………」
アスカ「バカシンジ……」
シンチャン……! アンッ……!
アスカ「……!」
アスカ(まさか……!)ダッ
アスカ(……チラリッ)
シンジ「ミサトさんっ!」
ミサト「あっ……。んっ、はぁんっ!」
シンジ「はぁ……!ふぅ……!」
ミサト「んあんっ!……シンちゃん! シンちゃん!」
アスカ(何で――)
ミサト「はんっ! もぅダメぇ!」
シンジ「はっ、はっ……で、出るっ!」
ミサト「良いのよ……。膣内で……いいのよ!」
シンジ「は、はいっ!」
アスカ「……」ピシャ
アスカ「……」
アスカ「……」ダッ
シンジ「はっ……ふぅ……」
ミサト「んっ……はぁ……」
ミサト「ほら、シンちゃんの精液……こう溢れて……」
――第3新東京市 何処か
アスカ「……」
アスカ(……シンジはミサトが好きで、私の事なんて……)
アスカ(シンジっ……)グッ
アスカ「……」バンッ
アスカ「…………」
カヲル「ん? セカンドチルドレンの――」
アスカ「アンタは転校生の……」
カヲル「……そう言う事か、大変だったね」
アスカ「何よ。同情?」
カヲル「同情。と言えばそうかな」
カヲル「だけど、君の魂は果たして……」
アスカ「何よ」
カヲル「君の望みが『彼』の望み通りなら。暫くして世界が終わる――」
カヲル「終局の時を向かえるのは時間の問題、という事か……」
カヲル「運命の弐つの槍が直に交わるとき、新世界が創造され、旧世界は滅びる」
カヲル「僕はそれを……見守るだけさ」ザッ
アスカ「……世界が、終わる――?」
――綾波のアパート
綾波「……呼んでる」
ダレガ――?
綾波「誰?」
ダレガアナタヲヨブノ?
綾波「……碇君が」
綾波「……私を呼んでいる……」
――深夜12時 丁度
使徒、襲来。
それは裏死海文書にも記されていない。第19の使徒であった。
だがそれは――従来の使徒とは違い、形を現さない。
そしてそれは一人の少年の心に宿った。
サードチルドレン 碇シンジの心へ――。
僕は――
シンジ「誰?」
僕はシンジ。君もシンジ。
シンジ「そう。僕もシンジだ」
シンジ「だけど君もシンジ」
そう、僕も君もシンジだ。同じ碇シンジ。
シンジ「どうしたの?」
ゲンドウ「久しぶりだな。シンジ」
シンジ「父さん!」
ミサト「お帰りなさい。シンちゃん」
シンジ「ミサトさん!」
リツコ「お疲れ様」
シンジ「リツコさん……」
トウジ「どうしたんや。そんなくよくよした顔して!」
シンジ「トウジ……。そうなんだ、悩み事があるんだ……」
シンジ「僕は自分に嘘をついたのか、それともあれが本心だったのか。分からないんだ……」
シンジ「ミサトさんと……身体を馬鍬えている最中、アスカが覗いている事に気が付いた」
シンジ「だけど、僕はやめようとはしなかった……。アスカに見られているという背徳感がさらに心地よかったんだ」
シンジ「……アスカ……」
――某所
アスカ「……シンジ!?」
カヲル「やはり……誰の心にも存在する第19の使徒――」
カヲル「そのトリガーは『愛』と『憎しみ』なのかもしれない」
カヲル「誰かを愛すと自分を憎む――。シンジ君はこのタイプなのか……」
カヲル「やり直すことは可能だ。後は彼女に任せよう――」
綾波「碇君……」
シンジ「綾波?」
綾波「碇君は……どう思っているの?」
シンジ「何が?」
綾波「自分の行いと『彼女』への裏切り」
シンジ「裏切ったつもりはないさ! 勝手にアスカがそう思っていただけだ!」
綾波「彼女は深く、傷ついた。そのことについては?」
シンジ「……申し訳ないと思っているよ」
綾波「私は、貴方の事が好き。碇君の傍はぽかぽかするから」
綾波「だけど今の碇君は冷たい。全く温まらない」
綾波「まるで自分の身を極寒の海にでも封印したかのような。そんな冷たさ――」
綾波「貴方は自分に嘘を付いている――」
彼女の言う事は正しいが、君は嘘はついていないさ。正直だ。
シンジ「もう一人の僕……」
さあ、思い出してみろ。葛城ミサトを抱いたときの感触を。肉感、体温。彼女の呼吸とその喘ぎを。
彼女の体内はどうだった。気持ちよかったのだろう。
シンジ「僕はッ!」
普段から彼女に欲情し、毎晩覚え立ての猿。馬鹿の一つ覚えのように繰り返したあの行為を――。
シンジ「だけど……。アスカはっ!」
シンジ「僕には彼女が……アスカが必要なんだ!」
本当にそれでいいのか……? 葛城ミサトより惣流・アスカ・ラングレーを取るのか?
シンジ「…………」
シンジ「……アスカ!」
――某所
アスカ「シンジ!」
アスカ「シンジぃ……」ボロボロ
アスカ「もうバカなんて言わないから……。絶対約束事を守るから……もっと優しく接するから……」
アスカ「お願い……シンジ……来て……」
アスカー! アスカー!
アスカ「シンジ!?」
シンジ「あっ……アス――」
アスカ「シンジイイイイイイイッ!」ガシッ
シンジ「アスカ……」
アスカ「シンジっ……! はあっ、シンジぃ……」
シンジ「泣かないでよアスカ……」
アスカ「シンジ……」
シンジ「……ごめん。僕はアスカに悪いことをしたかも知れない」
シンジ「これだけじゃ許してもらえるとは俄かに信じられないけど……」
シンジ「まだやり直せる。だって、まだ14歳なんだから」
アスカ「……」
シンジ「今日は遅いから、家に帰ろ? ね?」
アスカ「……うん」
シンジ「……最終逃しちゃった……」
シンジ「どうする?」
アスカ「……」
シンジ「ホテルでも、借りる?」
アスカ「……」コクリ
シンジ「分かった。じゃあ、行こう」
アスカ「……」
――ホテル内
シンジ「シャワー。温かいよ」
アスカ「……うん」
シンジ「風呂に入ってきたら?」
アスカ「うん……」
――風呂後
アスカ「……」
シンジ「さっぱりしたね」
アスカ「あ、あのさ……」
シンジ「ん?」
アスカ「言いたいことがあるの」
アスカ「……その大きな声では言えないから耳近づけて」
シンジ「こう?」
アスカ「もっと――」
シンジ「こう――」
アスカ「んっ」チュッ
シンジ「!」
アスカ「……やっとできた」
シンジ「アスカ……」
アスカ「好きだった……好き。シンジ、好きなの」
シンジ「アスカ……」
アスカ「だから……」ハラリ
アスカ「今晩、よろしく」
シンジ「……分かった。こちらこそよろしく」
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