春香「いま語りましょう……怪盗アクラの伝説を」 (216)

前々回:春香「夢見ることは盗むこと」
前回:春香「水瀬家のお宝を盗んじゃいます!」

あらすじ:春香さんが怪盗で今のところ狙ったエモノは逃がしてないよ。今回は探偵絵理との取引で愛ちゃんのぱんつを盗むことになったよ。
      でも絵理のホームでの戦いだけど、正直、今をときめくアイドルかつ世間を賑やかす怪盗である春香さんは負ける気がしてないよ。


春香「あーあ……しまらないなぁ」

春香「ガンダムや時価数億円のティアラを盗んできて、いきなり愛ちゃんのパンツだもんなぁ。アクラのイメージが悪くなっちゃうよ」

春香「これはあれだね! 『愛ちゃんのぱんつ』を盗めばいいんだから、愛ちゃんや876プロごと盗んで派手にするしかないね!」

春香「予告状は書いたけど……日付はいつにしようかな。台風が来るって言ってるし」

春香「決めた! >>5にしよう!」

台風の前or後

春香「これは台風の前にしよっと!」

春香「嵐の中、探偵の罠を掻い潜り、見事目的を果たす――これはカッコいいね!」

春香「よし、どうせなら台風が来る直前にしよう」

春香「逃げる時台風が吉と出るか凶と出るかわからないけど……いや、吉にしてみせますよ! これぐらいバクチが無いとおもしろくないしね!」

春香「ではまた、ミクちゃんのフィギュアのツインテールをこのペンチで」

春香「えいえい!」ポキ!ポキ!

春香「これを添えて予告状を出せばいいけど……」

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我は怪盗アクラ。荒ぶる嘶きに誘われ、876プロダクションの日高愛のぱんつを盗みに参上する。
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春香「やっぱりしまらない……暗号を使ってちょっとぼかすか」

春香「愛ちゃんのぱんつ……>>8って言い方カッコいいかも!」

>>1のニート生活

春香「でもこれ探偵の絵理ちゃんに向けての挑戦状でもあるから、何か皮肉を交えたいな」

春香「そういえば愛ちゃんが『絵理さんはヒキコモリだったんですってー!』って何の邪気もなく言ってたのを聞いたことがある」

春香「それを踏まえて……『惰眠を貪ったNEETの手からから姫君の衣を頂戴する』! こういこう!」

春香「こっちは絵理ちゃんの挑戦を受けてるんだもんね! これぐらいの挑発いれてもいいよね!」

春香「怒ったら怒ったでやる気出してくれるだろうし。よしこれで行こう!」


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我は怪盗アクラ。荒ぶる嘶きに誘われ、惰眠を貪ったNEETの手から姫君の衣を頂戴するため876プロダクションに参上する
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――

――――

絵理「予告状が届いた?」

尾崎「ええ! これよ!」

絵理「に、ニート……」ズキッ

尾崎「一体どういう意味なのかしら?」

絵理「言わんとするところは、大体分かる」

絵理(初音ミクのツインテール部分が添えられているから、これはアクラからのものでまず間違いない……)

絵理(そうとう私を調べたのか……それとも、知り得る立場にあった?)

絵理(前の事件から、芸能関係者・それもアイドルの線が浮上してる。もしかして、765プロの人?)

絵理「捕まえて確かめる。そして訂正させる……!」

絵理(監視カメラやセンサー類は用意するつもりだったけど、それだけじゃ多分捕まえることができない)

絵理(おかしな乗り物で破壊されながら突入されると、捕まえるどころじゃなくなっちゃう)

絵理「待ちうけるだけじゃダメかも。もういっそ……>>14でもしてみる?」

舞に相談

絵理「舞さんに相談してみる?」

尾崎「ひ、日高舞さんに……?」

社長「危険よ!  テトロドトキシンをもってアルカロイドを制するようなものよ!」

絵理「私、舞さんならアクラに勝てると思う。社長はどう思う?」

社長「そ、そりゃあ私だってそう思うけど……」

絵理「思えば、アクラの手口……大きなマシンで破壊と共に突入してくるっていうのは舞さんといっしょ」

絵理「あの人なら、アクラの考えを見抜く」

社長「そう、そこまで言うならわかったわ。探偵であるあなたに従うわ」

絵理「『L-lu+li』が私だっていうことはまだないしょ?」

尾崎「そうですよ、社長。アクラを捕まえたらアイドル活動に専念させるんですから」

絵理「じゃあ舞さんに、会いにいこ?」
 

日高邸

舞「怪盗アクラ~? えっえっ! 予告状は届いたの? 見せて見せて!」

絵理「ひ、ひぅ……はい、これです」スッ

舞「へ~、ほ~、なるほどねぃ。怪盗アクラに狙われるなんてすごいわねー! で、どうやってコイツふんじばるのかしら?」

絵理「そ、そのことで、あの、舞さんに協力してもらいたいんです……実は狙われるのは愛ちゃんのぱんつなんです」

舞「へっ、なにそれ? 愛のぱんつなんか盗んでどーするの? 嗅ぐの?」

絵理「さ、さあ……多分鑑賞用にする?」

舞「ふーん、一枚や二枚ぐらいプレゼントしてあげてもいいけど、わざわざ盗みに来るって言うならあげるわけにもいかないわね」

舞「よし! 思いついた! ちょい待ってて!」ドヒューン

尾崎「なにしに行ったのかしら?」

舞「じゃーん、これが愛のぱんつよ! カワイイでしょー!」ブワーッ

尾崎「え」

舞「今はいてるの以外はこれで全部のはずよ。自分で買ってきた大人びたやつも部屋から盗ってきたから」

絵理「それは、ちょっと」

舞「これを、こーしちゃいましょ! はっ! 日高剣舞六連!」ジャキジャキジャキジャキ!!

尾崎「全部裁ちばさみで切り裂いたー!?」

絵理「えー!?」

絵理(あ、でもこれは……)

絵理「これで怪盗アクラの目標を一枚だけにできる……」

舞「そそそ、全部切っちゃっおうかなって思ったけど、愛をノーパンにするのは忍びないし」

尾崎(下着を切り裂いたことは忍びなくないのかしら)

舞「それに、どうせなら盗もうとするアクラを真っ向から叩き潰してみたいしね!」

絵理「当日まで愛ちゃんのぱんつと言えるものを1枚だけにしておけば、アクラはそれを狙わざるを得ない」

絵理「でも、それだと……愛ちゃんごと盗まれる危険がある」

舞「ま、盗まれたら盗まれたでいい経験になるわ。私も素敵な怪盗に連れ去られるのを夢見たことあるし、愛も喜ぶんじゃないかしら?」

尾崎「あの! あなたの子どもなんですよ!? そんなんでいいですか?」

舞「嫌ねえ、アクラは人に対しては概ね紳士的って聞いてるからよ。クズだと判断したら……絶対愛に近づけず、コナゴナにするわ」

絵理(ひぅぅ! 舞さんのオーラが……深く黒く染まっていく……!)

舞「ま、せっかくアクちゃんと遊べるんだから! ド派手に行きましょーよ!!」

舞「アイドルたるもの華を忘れちゃダメよー! アクラを利用するぐらいで行かないと!」

絵理(舞さんの言うことは一理ある……いくら万全の備えをしても、あのアクラの強引な突入方法で全てが乱される……)

絵理(ならばいっそ、その手を使わせないために、『乱れた』状態にしておく……)

絵理「華。私もそう思ってました」

尾崎「絵理?」

絵理「ですから、犯行予告の時間に、私達はライブをやろうと思います」

尾崎「!?」

舞「グッド! 流石は絵理ちゃんね~!」

伊織「『876プロ怪盗アクラ迎撃ライブ』……とんでもない手段に出たわね、876プロも」

真美「すっごく楽しそー!」

亜美「行きたい行きたい! 絵理おねーちゃんもアクラにも会いたーい!」

律子「や、やるわね……! アクラのファンも取り込めて、チケットは飛ぶように売れているらしいわ」

真「ライブかぁ。涼に話せばチケット貰えるかなぁ」

響「うん、前は目の前で逃げられたからな! アクラを今度こそ捕まえてみたいぞ」

春香(なんとゆー奇策……ライブ会場なんか出されたら、そこに出向くしかないよ!)

春香(でも、言うほど難度は上がってないや。関係者の振りして控室にいけるもん)

P「お、おい! みんな」ガチャ!

やよい「プロデューサー?」

P「お前ら、アクラにまた会いたいか……? 正直オレはまた会いたい。会ってアイツとの因縁をつけたい!」

あずさ「一体どうしたんですか~?」

P「その迎撃ライブにゲストとしてこの765プロのアイドルを呼びたいそうなんだ!」

真美「ええ! はいはい! 真美出る!」

亜美「亜美も亜美も!」

伊織「絵理にも会いたいし、いいかもね! アクラに私の怒りをこんどこそ刻みつけてやるわ!」

真「まだ恨んでるんだ……」

響「真もじゃないのかー?」

真「ボクは恨んでるわけじゃないよ! ただもう一度会ってアクラがどういう人なのか確かめたいんだ」

春香(あらららら! この流れは……!)

千早「ふふっ、全員参加ねこれは。秋月さんともう一度歌い会えるなんて……アクラにちょっと感謝かしら」

春香(折り悪く、野外でのライブが台風でキャンセルされ、全員のスケジュールに空白ができていた……これで私も出るしかない)

P「765プロ、ファイトー!!」

おー!!

P「どうした春香?」

春香「い、いえ……」

P「教えたあれで気合いを入れるぞ!!」

春香「えええ、あれですか……」

P「流派東方不敗は!」

春香「王者の風よ!」

P「全新!!」

春香「系裂!!」

P&春香「天破侠乱!!」

P&春香「見よ!東方は紅く燃えている!!!!」バァーン!!

伊織「――いつもの漫才はそれで終わり?」

P「うっ……よ、よし! 876プロサイドには全員参加で臨みますと返事しておく」

春香(ガンダムアイドルは大変ですよ)




春香「参ったなー、アイドルでライブしつつ、怪盗で盗みを働かなきゃいけないなんて」

春香「ちょっと燃えてきたかも……そうだ、今回>>31でも使ってみようかな」

ドム

春香「ライブはドームで行われるのかー」

春香「ドームですよ! ドーム!」

春香「それなら洒落を交えてドムですよ! ドム!」

春香「ホバークラフトで走る噛ませ犬だってプロデューサーさんに聞いたけど……私がその風評を取っ払って見せる!」

春香「さっそく、裏のメカニックに連絡しよーっと」ポパピプペ



春香「それにしても愛ちゃん達を傷つけるわけにはいかないし……ライブ会場のお客さんも傷つけたくないなぁ」

春香「春香さんは優しいアイドルでアクラは紳士的な怪盗なのです」

春香「やっぱり愛ちゃんごと盗むことになるよね。状況的に」

春香「ここは、紳士的なところをアピールするために、演出として>>37をしよう!」

マジックショー

春香「マジックショー……マジック」

春香「そうだ。これが必要なんだ。みんなの目をくらませるには」

春香「ドムを使って……、ステージのみんなの視線は……これは、一世一代の大マジックになる」


窓を強風が叩き、ガタガタと歯噛みのような音を立てた。
――台風が近い。

果たして怪盗アクラは、探偵の罠を掻い潜り、アイドルとしての自分を保ちつつ、愛ちゃんのぱんつを奪うことができるのか――

対決を待て。

ちょっと考えます。どうせ勢いで進むけど、ね

876プロ会議室

春香「愛ちゃーん、こんにちは!」

伊織「絵理来てあげたわよ」

愛「あ! 春香さん伊織さん! こんにちはー!!!」ビリビリ!

伊織「相変わらず耳が痛くなる元気さね……」

絵理「伊織さん、こんにちは。今、打ち合わせ中?」

尾崎「進行は、やはりHallo!から初めて次に、愛を……」

律子「うーん……サプライズが欲しいかも。アクラ目当てで来ているお客さんの目を覚ますような」

春香「サプライズかぁ……私が全部歌うとか!」

伊織「そうね。春香に全部歌ってもらいましょう。ぶっつづけでね」

春香「じょ、冗談だってば! 喉が枯れちゃうよ!」

愛「えー! 春香さんが全部歌っちゃったら私達が歌えませんよー!」

HELLO!!です。エクスクラメイションマークが2つ。
あ、aになっとる。アホか。ごめんなさい

春香「冗談だよ、愛ちゃん。ね、プロデューサーさん。876プロの歌を歌うなんてしちゃいけませんもんね。律子さんは前、涼君の曲を歌ってましたけど」

律子「あ、あはは……でも涼は喜んでくれたわよ」

P「いや、いい案かもしれない! こっちのアイドルとデュオで歌う曲を入れよう!」

尾崎「なるほど。きっと盛り上がるわ! でも愛のいっしょに歌うのは誰にしましょうか……?」

社長「探偵からは、『犯行時刻には愛を歌わせろ』と指示が出ている。迎撃のためにね」

伊織「そっか、万が一アクラのヤツが来たら巻き込まれる危険があるわね。アイツおでんで嫌がらせしてくるぐらいだもの。あー思い出したらまた腹が立ってきたわ!!」

春香「……」

絵理「……」

愛「あの、あたしは! よければでいいんですけど……>>50と歌いたいです」

はるか

愛「あたし、愛ちゃんと歌いたいです!」

春香「ええ! 私!? (きたあ! 計算通りですよ計算通り!)」

絵理「春香さん……」

愛「ダメですか? あたしどーしても春香さんといっしょに歌いたいんです」

春香「……いいよっ! 断るわけないよ! 二人でアクラを止めるぐらい素敵な歌を謳おうね!」

愛「はいっ!!」

律子「いいんですかプロデューサー?」

P「いいのさ。大人の決め付けで安全になると言っても、それが若き人々を窒息させるものならば……オレはそんな保護は無くした方がいいと思う」

律子(なに言ってるのこの人)

春香(――これで、チャンスはものにしたね)

――
――――

そして、予告された日――ドーム


愛「みなさーん!! 今日は集まって頂いてありがとーございまーっす!!」

絵理「今夜怪盗アクラが愛ちゃんの私物を狙ってくることは、みなさんご存じだと思います」

涼「心配している人もいますよね。でも! みなさんの協力があれば! 怪盗アクラはなにもできないんです!」

愛「私達は! 絶対にアクラの企みをくじいて見せます! それで、本当に大事にすべきものは何なのか教えてあげます!」

絵理「そのために……みなさん、私達についてきてほしい?」

涼「盛り上がって盛り上がって! アクラが圧倒されるような、価値観を変えるような感動を、いっしょに作りましょう!」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
リョウクーン!! アイチャーン!! センパーイ!!

愛「ありがとうございます! ありがとうございます!!」

絵理「では――早速第一曲目」

涼「『"HELLO!!"』」


ワアアアアアアァァァァ―――――――

雪歩「みなさん、立派ですぅ」

P「ああ……! 必ずこのライブは成功させよう!」

真「もちろん迎撃も、ですよね!」

春香(ふふふ、できるかな)


そして、ライブは進んでいった。


絵理『思い通りにならない 世界なら もういらない』

伊織『ほしいのは一つだけ』

絵理&伊織『全部 全部 全部 全部』



涼『ねえいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい あなたの声を』

律子『そういっぱいいっぱいいっぱいいっぱい 聞かせてほしい』
 

ワアアアアアアアアアアァァァァァァァ・・・・・・!!!


春香「すっごく盛り上がってるね!」

あずさ「そろそろ愛ちゃんと春香ちゃんの番ね~!!」

P「そう、もうじき予告された時間だ」

響「安心して歌ってくればいいさ! 絶対アクラには手を出させないから!」

愛「ありがとーございますっ!! 行きましょう! 春香さん」

春香「うん!」

春香(よし。このまま行って、歌ってる最中に遠隔操作でドムを突入させれば注意はそっちにいくからその隙に・・・・・・)

絵理「・・・・・・。待って、春香さん」

春香「ん、なにかな」

絵理「>>61しといた方がいいと思う」

愛ちゃんのパンツをはいておく

絵理「愛ちゃんのぱんつをはいておいた方がいいと思う」

春香「ぶっ! な、なんで!?」

絵理「簡単なこと? 怪盗アクラは愛ちゃんのぱんつが目当ての変態さん。だから愛ちゃんを狙ってくるはず。その裏をかく」

春香「変態って・・・・・・誰のせいだと、いや何かの事情があると思うけど。そっか、裏をかくのか」

愛「春香さんとぱんつを交換するんですかっ?」

絵理「そう」

春香「でも、絵理ちゃんとか別の人と交換していれば十分裏をかけるんじゃない?」

絵理「探偵さんが見極めたいから」

愛「へ?」

絵理「怪盗アクラは本物と偽物をどういう根拠で見分けるのか、見極めたいらしい。ぱんつを交換したことをどうやって知るのかを」

春香「そうなんだ・・・・・・。怪盗さんの手腕を見るんだ、はは。いいよ、交換しよっか。汗かいちゃってるけど」

愛「春香さんが良ければっ! アクラが来た時にはあたしがオトリになりますので逃げて下さいね!」

スルスル・・・ハイ、コレ。カワイーガラデスネッ!
ハイ、アタシノデス。オーコレガアクラガネラウオタカラカー

春香(さあどうしよう)

ワー!! アイチャーン! コンドハ アマミハルカト イッショダ!
アクラニマケルナー!! アクラヲタオセー!!

ワアアアアアアアアァァァァ!!!!


愛「はい! みなさん! アクラをいっしょにぶっとばしましょー!! 行きますよ春香さん!!」

春香「うん!『乙女よ大志を抱け!』 いっくよー!!」

春香(とりあえず、ドムだ。ドムを突っ込ませよう! それでステージに煙幕張って、愛ちゃんを眠らせて……!)

チャーラーラーラー~♪

愛&春香「の・の・ワ!! 乙女よ大志を抱け!!♪」

春香(もうすぐ時間だ……!!)


ワーワー! アイチャーン!
~♪ ~♪


愛「め・ざ・ま・しジリジ~リ♪」

春香「ガッ・コ・ウにまたギリギ~リ♪」

春香(ギリギリですよ! まだ突入してこない! どうして? 警察に止められる規模じゃないのに!)

そして――


貴音「今のところ何か変わったことはありませんね」

真美「甘いよお姫ちん! アクラはそー思ってたら来るんだから!」




『刻』が迫り――


観客A「なんだ、アクラが来る様子ないな」

観客B「ああ、前はアイドルの寝顔写真ばら撒いてくれたって言うから期待してたのに」

希代の怪盗アクラは


ドム「――」シュゴォオオオオォオオオオオオオォ!!

?「おお、あれがアクラの名物ドッキリメカね。まさか真正面から来るとはねー」




獲物の喉元に予告通り――


ドゥン!! ドゥン!! ドゥン!! ドガォゥッッ!!!  ガガガッガッガガッガ!!!!!!



観客「!?」

春香「!?」

春香(――なに今の。砲撃音?)

警官A「なんだ! あの戦車の隊列は!? 自衛隊にも捜査協力を要請したのか! 捜査権はこちらが――いやそもそも街中で砲撃など」

舞「固いこと言いっこなしよ。根回しは済んでるからねー事後承諾的に!」

警官B「あ、あなたは! 日高舞!! あ、あの私ずっとファンで」

舞「そう、ありがとー! でもね、あのドッキリメカの中にいるアクちゃんをさっさと捕まえる方が先じゃない?」

舞「一斉発射で、足を壊したけどまだなんかあるかもしれないしねー」

ドム「・・・・・・」ブスブス





春香(わかる……)

春香(今、ドムが死んだ)

春香(何の成果も上げることなく、墜ちた)

P『ジェットスクリームアタック。聞いたことあるだろ? 黒い三連星が高速で動くこの機体で行う一撃必殺の戦法だ』

P『作画の手間を省くためのホバー移動だがな、オレはあれ、好きなんだ』

P『UCじゃそのホバー移動で切り込んでな。トリントン基地の襲撃に成功してな……』

P『ああ、いいところ見せられて良かったと、親のような気持ちで思ったもんだ』

――

――――

春香(あんなにプロデューサーさんが気にいっていたドムが……)

春香(――――)

春香(ま、しょうがないか、あれ調べても私には繋がらないし)


愛「たーちーあがれ、おんなしょくん!!♪」

春香(こっちの心配しないとね。ドムが使えない今、このステージの上でできることは――>>77)

ウォドムを使う

春香(予備として用意しておいたウォドムを使うしかないっ!)

春香(あんなオーバーテクノロジーは流石に再現できなかったから走ることぐらいしかできないけど!)

春香(あれを使って、逃走したと装おう!)

春香&愛「自分~ば・ん・ヴァイ!! ♪」

春香(歌い始めてから3分23秒。ステージで喋った時間、ライブ仕様の序奏の時間を考えて――予告時間は今!)

春香(もうやるしかない!)

春香(靴にしこんだ、スモークディスチャージャー! これにてドロン!)


プシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!


愛「! うわわ! 煙だ!」



絵理「きたっ」

伊織「アクラね! 曲止めて!」

ウワー!!アクラカ! アイチャーン!!
ザワザワザワ・・・・・・


愛「春香さーん! 大丈夫ですかー!?」

愛(わわわ、アクラが来ちゃうよー! どうにかしなきゃ、春香さん守らなきゃ)

愛「ううう、煙が濃すぎてなにも見えないよー! 春香さーん!!」

愛「どこですかー! 春香さーん!!」

愛「返事を――った」ドン


春香(アクラ)「失礼お嬢さん。――捕まえたよ」

愛「あ」

春香「ん?」

愛  「  う  わ  ー  !  !  !    ア  ク  ラ  だ  ー  っ  ! ! 」

春香「」キーン!

春香(アクラ)「ほらお嬢さん」

愛「日高チョーップ!」ビシィ!

春香「ごふっ!」

愛「日高ドライブ! 日高アッパー」ドシュバキッ!

春香「痛っ! ちょっ!」

愛「ひーだーかー……!」グググ

春香「やめなさい!」ガシッ!

愛「わー捕まったー!」

春香(ふー、やれやれ)

春香(さて、愛ちゃんのぱんつは今私がはいているわけで……となると、
   『怪盗アクラは春香さんが愛ぱんつをはいていると見破り、春香さんの方をさらった』ってことにすればいいわけか)

春香(被害者も私になるから、いくらでも辻褄が合うね。じつはこれはいいかも)

春香(なら、後は探偵さんに見つからないように逃げるだけ……愛ちゃんはどうしようか。>>84しとこう)

麻酔で眠らせる

春香(麻酔で眠らせておこう。変装衣装は前もってステージに仕込んでおいた。アイテム類はこのテープの先から4歩)スタスタ

春香(これこれ!)パカ!

春香「さあ、お嬢さんちょっとちくっとするからねー」

愛「ちゅ、ちゅーしゃ、嫌いだよー」

春香「好きな献立は何かな?」

愛「え、えーっと……ご飯山盛り太郎!」チクッ

春香「はい、終わり」

愛「え、すごい! 全然痛くなかっ、ぐー!」トサ

春香(楽勝だね!)





絵理「チャンスは今! ステージに仕掛けていた>>89の仕掛けを作動させる」

タライ落とし

絵理「タライ落としトラップ・オン!」カチ!

尾崎「え、なにそれ」


ガシャーン!! ガシャーン!!


絵理「ステージの上空に仕掛けた黄金色の罠……! さあ、かわせるものならかわしてみて!」





春香(アクラ)「うわわわっなにこれー! タライが降ってきた! 足止めかー!」

春香(ドームという巨大な密室から逃れるのは確かに難しいと思ってたけど、絵理ちゃんの狙いはステージにあったんだ)

春香(恐らく絵理ちゃんは、ステージの上で私を捕える気なんだ……!)


真「春香ー! 愛ー! そっちにいるのかー!?」

真(絵理から渡されたサーモグラフィーで、場所が分かる……でも人影は2つしかない?)

春香(アクラ)(真の声!?)ガシャーン!

春香「いたっ! もう! タライは番組だけで十分だよ!」

春香(早く逃げないと……ウォドムを起動させて、ドームに来させて)タタッ

真「おい、春香! ――あ」バッタリ

春香「あ、久しぶり」

真「あ、アクラ……! アクラああああっ!」

真はほとんど反射的に蹴りを出していた。
アクラはそれをかわし、後退する。

春香(わー、真まで来た……これ以上なんかあったら流石にアクラでもきついかも……)

しかし、アクラ滅ぶべしなり、という天の配剤か。
さらなる災難がアクラを襲う。
>>97

日高舞襲来

キュラキュラキュラキュラ・・・・・・

観客A「うわー、なにが起こってるんだ……ん、音が聞こえる」

観客B「えっ」


  ド  グ  ォ  オ  オ  オ  ン  !  !  !


瞬間、ドーム横っ腹に大穴が開き、戦車が会場に乱入した。
そのまま真っ赤な塗装が施されたイスラエルのメルカバに似た戦車は、観客の群れを十戒の如く割って、ステージに向かっていく。

舞「あっはっはー! 派手にやってるじゃないの! 大変結構よー!」

舞「いやーあのドッキリメカの中だーれもいないんだもん。囮だったのかしらね!」

舞「怪盗ハント私も混ぜなさいよー! 愛は私が守るわ!」


ワー! キャー! ヒェー!! マイサンダー!! アノ ヒダカマイダー!!


春香「――」ゾクリ

響「やっと見つけた! 真無事かー!!」タタッ!

真「うん! アクラを見つけた!」



舞「あっはっは! 安心して観念しなさい! フレシェット弾は使わないでおいてあげるわ!」



絵理「混乱に乗じて逃げられる前に、ステージの周りに警官と警備員を配置して!」



伊織「前みたいに警察のヘリに細工させられちゃかなわないわ! 水瀬家のヘリを出して! 空も封鎖するわ!」



ドム「・・・・・・」ブスブス



春香「これは……乗り切ったら伝説になるクラスの絶体絶命度ですね……あはは」

春香(アクラ)(諦めるわけにはいかない。)

春香(怪盗アクラは義賊! 不可能を可能にする夢の存在! 難業を成し遂げ続けることでアイドルとはまた違った形で人々に憧憬の灯をともすの)

春香(私は怪盗! 絶望さえも盗んでみせる!)

春香(状況整理だ。このまま逃走は難しい。でも、まだ煙幕はステージ上に色濃く残っている)

春香(目の前には真と響ちゃん。突破して、タライに滑らないようにステージ外に逃げて)

春香(でもあの日高舞さんの目の前に出るのは危険だ。捕まる気がする。戦車を奪うことができれば有利になるけど)

春香(となると……ここは、アクラから天海春香に戻って、警戒を解いてからさらわれた振りでもするしかないか)

春香(早着替え、変装……怪盗アクラの十八番!)

春香(でも……春香に戻るということは、アクラとしての撤退を意味する……。そして絵理ちゃんに正体に気付かれるかもしれない)

春香(どうしよう。春香に戻ってやりすごすか。それとも別の方法をとるか)

春香(>>111だ)

>>110

春香(アクラ)(認めるよ、絵理ちゃん。私に愛ちゃんのぱんつを履かせることで動きを縛り、
   なおかつ『怪盗で無くなることで解決できる』ようにして怪盗としての誇りを壊してくるなんて)

春香(素晴らしい手腕だ。作戦はイレギュラーな要素があるにしろ、ね)

春香(ああ……もう目当ての品は手に入れてはいるのに。ここまで追い詰められるとは)

春香「でも」

春香「一つだけ気に入らないのは」

春香「自分は引っ込んで、引きこもって、直接私と戦わないところかな!」バッ!!

響「跳んだ!」

真「待て、アクラ!」ショウリュウケン!!

春香「お嬢さん……!」ガシッ!

真(止められた!)

春香「私にはやることがあるのだ。絶対に、絶対にやらねばいけないことだ」キッ!

真(何て目だ……迷いも、罪悪感もない……なんて、きれいな……)

春香「なので……止まってる暇はない!」バッ!

響「ああ、逃げられた! でもあっちは、舞台袖だぞ」

真「――……」

春香(アクラ)「予告状にも書いたよね、絵理ちゃん。『惰眠を貪ったNEETの手から姫君の衣を頂戴する』って」

春香「でもそこまで挑発しても、あなたは直接戦わなかった。最後の怪盗を捕まえるということも他の人の手に任せている」

春香「単にスタイルの違いと言えばそれまでだけど……私は認めたくないよ、そういう効率の良さ。だから、目を覚ましてあげる」

春香「念のため更に煙幕をはって」ボフンボフン!

春香「絵理ちゃんに、変装!」バババッ!

春香(絵理)「完成! 水谷……絵理です?」

春香(絵理)「さあ、この格好で……>>117をする」

ジャンプ

絵理「アクラはまだ捕まってない」

尾崎「そうみたいね……」

絵理「どうして、ステージの包囲が遅いの? 煙幕を引かせる手配はまだ?」

尾崎「外から警官が大勢入り込んで、ファンも興奮してるから……思うように動けないみたい。舞さんの乱入あったし」

絵理「指示したのに・・・・・・。アナウンスする」

尾崎「えっ、ちょっと絵理!?」

絵理「探偵『L-lu+li』として、アナウンスすればみんな言うこと聞いてくれる……っ!」 

尾崎「……あなたが探偵だって知ってるのは、私と社長、それに舞さんだけよ。アナウンス室まで行っても……」

絵理「早くしないと逃げられるかもしれない!」

尾崎「落ち着きなさい。私が行ってくるわ。焦ってはダメよ絵理。探偵はクールにね」

絵理「……! 尾崎さん」

尾崎「さ、あなたはみんなの所に戻ってなさい。一人になると危険だわ」

絵理「うん、わかった」

絵理「みんなのところに――」タタッ!

スタッフ「あれ? 水谷さん……!? どうしてここに?」

絵理「――え」

絵理(『どうしてここに?』)ゾクリ

絵理「さっき『私』と会った? どこに行きましたか、『私』は」

スタッフ「え、は? え? さっき自分は探偵『L-lu+li』だとおっしゃって……ワイヤー設備のオペレーターといっしょに行ったんじゃ」

絵理「ワイヤー設備……! 捜査室はどこっ?」

絵理「いや、その前に舞台に行かなきゃ」ダッ!

スタッフ「え、え、あの?」




絵理「一歩遅かった……!」


ステージの上に曇る煙は雲に見えた。『飛ぶ』人間の姿があったためだ。
その者の装いは、先ほど歌い踊っていた、水谷絵理のステージ衣装――――


絵理「とめて、とめて、とめて、それは私じゃない!」

ナンダ、エリチャン? ミズタニエリダー! センパイガ ソラトンデマス! マジ エンジェル!


春香(絵理)「絵理ちゃんを探偵エル・ル・リ――通称『エリ』だと明かし、アクラはもう逃げた可能性があるとオペレーターに話した」

春香(絵理)「そして、俯瞰視点からなら見つけられると言いくるめ……ワイヤー設備を操作させた」

春香(絵理)「目指すは、舞さんが空けた穴。そこから脱出する」

春香(絵理)「どう、絵理ちゃん? 直接向かい合わないからこうなるんだよ」

春香(絵理)「私は一度ジャンプするだけ――それだけで、脱出口に向かえる」

春香(絵理)「舞さんもこの姿じゃ撃てないでしょうし……」


涼「撃って下さい舞さん! あれは絵理ちゃんじゃありません!!」

舞「うーん、ホントに? 私もちょっち変だなとは思ったけど」


春香(絵理)(って、涼さぁああああああん!!??)

舞「どうして絵理ちゃんじゃないってわかるのかしら?」

涼「絵理ちゃんは、あんなことできません。デジタルで反論できるものは冷静に見つめることができますけど、
   それでも高いところとか暗いところとかは、当たり前に怖がるんです……僕と同じように。できるわけないんですあんなワイヤーアクション」

舞「――! ん、なーるほどね! 暴徒鎮圧用の弾ならあるよ! 一本いっとくぅ!?」

涼「はい!」

舞「よーし! スカイウォッチ内臓で対空射撃可能な『舞ちゃんウルフ』の破壊力! とくと味わいなさい!」


ウィィーン


春香(あっ、砲口の方向が)


舞「ってー!!!」ドゥン!!!


春香(絵理)(あっ、咆哮が)

――

――――

真美「やったか!?」

亜美「それフラグだよ真美ー!」

雪歩「はい、やってません!」

P「ここからじゃよくわからなかったが……アクラ、『落ちた』よな?」

律子「ええ、観客達の中に落ちていくのが見えました」





ナンダー!! エリチャンガオチター!! ドコニイルンダー! サワラセテクレ!!

春香(アクラ)(ワイヤーをとっさに斬らなければ……当たっていた!)

春香(絶体絶命……されど、ポーカーフェイスは崩さずに)

春香「怪盗アクラの最大のマジック>>137を披露する時はいま、か」

影分身の術

アクラは周囲の観客を絶妙な足運びでいなしつつ、両手の中指と人差し指を立て、交差させる。
追い詰められた怪盗の最後の大マジックの、『印』。

春香(アクラ)「――――影分身の術!!」


ボ  ボ  ボ  ボ  ボ  ン  !  !


一瞬、煙が発生したかと思うと、観客席に大量の人影が出現する。

なんとそれは全て怪盗アクラの姿をしていた。

観客「うわああああああああ!!! なんだぁあああ!?」

観客「アクラ!? なんでこんなにいっぱい!?」


ウワァアアアアアアア!!! ギャアアアアアアア!!


春香(アクラ)「本体の私はその隙に離脱です!」

舞「おおー忍者の影分身ね!? 私に狩らせなさいっ!!」

涼「ちょっと舞さん!?」



絵理「怪盗アクラどこに逃げようとも無駄。春香さんと服を交換する時にぱんつに発信機を付けさせてもらったから……」カチカチ

絵理「……やっぱり、バレて外されてるか」ショボン

絵理「次はどうくる。どうくる……? 警官や観客に変装する? それともまたアイドルの誰かに……」

警官A「アクラだ! 確保に向かえー!!」

警官B「あの、いっぱいいますけど?」

警官A「ぜーんぶっ確保だっ! 観客の誘導班と確保班に分かれてアクラを捕えるんだ!」

絵理「――あ」
 

飯食ってきます

舞「おりゃーそりゃー!」ドシュォオオ!! バキィイイイイイ!!

観客「舞さんすっげええええええ!! ホントに千切っては投げ千切っては投げしてる!」

舞「あら、これ風船じゃない」

警官「え」

舞「すっごい精巧にできてて、人間っぽく動いてるけど……これ風船よ」ドスッ!!

アクラ「――」プシュー

警官「ほ、本物がどこかにいるはずだ! 探せー!!」

舞「そうかしら? これもまた囮なんじゃないの? 注意を他に向けて、本命は意外な所から……マジックの基本よ」

警官「どこにいる、どこだアクラめ!!」

律子「アクラの分身は風船……? そ、そりゃそうよね、分身なんてできるはずないものね」

パンパン!! パンパン!!

真美「うわっ! 観客席が光ってる!」

亜美「花火だ花火!」

P「ますます混乱し始めてる! みんなここから動くなよ!」

伊織「はぁ……? ヘリが来れないってどういうことよ!? え、台風……?」

貴音「混迷を極めておりますね。春香達は無事でしょうか」




ステージ

春香(アクラ)「はぁはぁ、ありったけのアイテムで気を逸らしまくってようやく戻ってこれた……」

春香(アクラ)「あーどうしよう。アクラのままここから脱出するのは流石に厳しいなぁ」

春香(アクラ)「ここは、愛ちゃんのぱんつを>>164するかぁ」

焼却

春香(アクラ)「……ッ! この長い混迷極まる状況に終止符をうつには――こうするしかないようだ」シュボ!

春香「これを燃やし、私も消えれば……全ては楽におしまいだ。全ての証拠は残らず、真実も残らない」

春香「完璧だ。これこそ芸術――」


ガコン!


春香「ん、足元にタライが滑ってきた?」


絵理「怪盗アクラっ!!」ピョンピョン!


春香「これはこれは――――探偵さん。ここには一人でおいでかな? ……なにを跳ねている?」

絵理「ひぅぅ、シュートで捕まえようとして蹴ったら……全然飛ばない……足が痛い・・・・・・!」

春香「そ、そうか……まあ、その痛みも君が自分で行動した故だ。って本当に大丈夫?」

絵理「ちょっと待って。和らいできた」

春香「そう」

絵理「はーはー……怪盗アクラ、もう観念したまえ」

春香(アクラ)「探偵モードになったね」

絵理「あなたはさっき言った。楽におしまいにしたいと言った。そして目当てのエモノを燃やそうとしたんだ」

絵理「わかるかね? あなたは――もはや怪盗ではなくなったのだ」

春香「む」

絵理「ここにいるのは、獲物を採り損ね地団太を踏む子狐一匹。悠々と闇夜をかける黒烏の威は失墜したのだ!」

春香「うむむむ……」

絵理「さあ、渡せ。そして私に>>172をしろ」
 

絶対服従

絵理「私に絶対服従しろ」

春香(アクラ)「絵理君……テレビの君とは随分イメージが違うね……」

絵理「あなたは私に従うしかない。もう逃げられないのだから」

春香「私を操ってどうする気だ。探偵=怪盗の格好を手に入れてマッチポンプでも演じるつもりか」

絵理「そんなことはしない。ただ、もう二度と怪盗なんてマネはさせない」

春香「――――ハッキリ愚痴を言わせてもらうと芸能活動シンドイです」

絵理「?」

春香「君達アイドルの歌さ。かんじがらめのスケジュールの中、夢を与えるために、夢を叶えるために羽ばたく君達――」

春香「私はそれに憧れている。夢を与える仕事に誇りを持つ。それが私と君達の共通点だ」

春香「その仕事をしていればね、譲れないものがでてくるんだ」

春香「私は、君に、従わない」ボウッ!!

絵理「な、ぱんつを燃やした!?」

絵理「なにしてるの」

メラメラと、燃えていく。瞬く間に、燃え尽きていく。

絵理「……けないでよ」

同僚の下着が。怨敵の目標が。自分の守るべきものが。

絵理「ふざけないで!!」

――燃える

絵理「こんな、こんな結末! 私は望んでない!!」

春香(アクラ)「残念! もう燃え尽きた――私に奪われ、私の『モノ』として燃え尽きたのだ」

春香「君は守れなかった。君は果たせなかった。君は勝てなかった。君は――――」

春香「名探偵になれなかった」

絵理は膝をついた。

絵理「そんな――」

春香(アクラ)「さらばだ――また、別の場所に舞い降りるとしよう」

アクラが煙に紛れて消えていく。

絵理「ま、」

絵理「まって……あなたはそれでいいの?」


去りゆく後ろ姿に、なけなしの敵意を込めて言葉を投げる。
アクラはその声に、にやりと笑いながら振り向いた。


春香(アクラ)「やれやれ。――何のために燃やすことを君に聞こえるように喋ったと思っているんだ?」

絵理「え……」

春香「ヒントを上げよう。『私はこのステージで君に変装した』。考えたまえ」

にっこりとした笑みを浮かべ、アクラは身を煙に溶かしていった。

シャワァァァ…………

真「わっ! 雨!? 雨漏り?」

響「いや、これはどう考えてもスプリンクラーだろ」

真「どっかで何か燃えたのかな? それとも、この煙を晴らすための処置?」



絵理(考えて――)

絵理(燃えたぱんつは本物? 偽物?)

絵理(私に変装したってことは……)

絵理「春香さん。春香さんを確かめなきゃ」



P「あっ! 春香と日高さんが見つかったぞー!!」

律子「いつの間にか開いていた奈落の底に寝かされていますね……」

伊織「アクラは!? どこいったのよ!」

あずさ「また消えちゃってるわねー?」


絵理「――!」タタッ!


亜美「! 今の絵理おねーちゃん?」

真美「なんだか顔恐かったよ」


絵理「春香さん、春香さん――――!」

絵理「スカートの中見せてほしい」
 

P「え?」

律子「え?」

石川社長「え?」

愛「むにゃ?」

春香「ふぁああああ……え?」

絵理「スカートの中、見せて下さい!」

スタッフ「ちょ、ちょっと水谷さん! ひとまず救護室に運んでから……」

絵理「見せて!!」

春香「うわああ! 絵理ちゃんなにするのー!?」

春香のスカートの中身>>195

絵理のパンツ

絵理「!? ――これはどういうこと?」

絵理「私と同じぱんつ……」

律子「えっ、ホント!?」

P「それは本当なのか?」

尾崎「なにのぞきこもうとしてるんですか!」ペシン

P「あふん!」

絵理(えーっとひとまず)

―――――――――――――――――――――――――――――――
燃えたパンツは本物? 偽物?

・春香さんに本物がはかされたまま。(盗まれていない)

・春香さんはノーパン。もしくは別のぱんつを履かされている。
 →アクラは本物を燃やした
 →アクラは本物を所持し、偽物を燃やした

◆ステージで私水谷絵理に変装している。下着を用意するのは可能。
―――――――――――――――――――――――――――――――

絵理(この、『盗まれていない』は消えた。ここに『私』のぱんつがはかされているって言う新情報はどういう意味を持つか)
   それは>>207という可能性)

偶然柄が被った

そもそも入れ替えるときに春香のパンツみてるんじゃなイカ?

絵理「偶然柄が被った?」

尾崎「なにを言ってるの? しっかりしなさい絵理! 
    >>209さんの言う通り、愛と天海さんはぱんつを交換したのよ!」

絵理「分かってる。盗まれた後に別のぱんつをはかされたってこと」

P「二重の意味で紳士なやつだな、アクラ」

律子「人のこと言えるんですか……?」

絵理「柄が同じだということは、私の衣装を用意した時見せパンまで揃えていて、それをはかせたのだと考えられる」

春香「何の話ですかー? アクラはどうなったんですかー?」

絵理「煙幕に包まれていた間、アクラは私に変装し、春香さんに私と同じ柄のぱんつをはかせた」

絵理「この時点で、愛ちゃんぱんつはアクラの手の中……」

絵理「そうなれば、結局燃やされたのは本物のぱんつということに……」

絵理「それとも他にぱんつを入れ替える方法があった? そのタイミングは?」

絵理「……>>214はどうだろう」


涼(愛ちゃんと絵理ちゃんに駆け寄りたいけど、なんか入りにくい話してる……)

影分身のタイミング

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