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(日が落ちて、しばらくの後……)
(今日は、ナナリーは中等部の先生や友達と、夜遅くまで過ごすと聞いていた)
(俺は、咲世子と共に夕食を先にとっていると、クラブハウス玄関で人の声がした)
咲世子「あら、来客でしょうか?……ちょっと出て参ります」パタパタ
ルル(大人数で来たみたいだな……何者だ?)
(まさか騎士団の連中ではないはずだし……?)
\トリックオアトリート!!/
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(……と、一斉に言う声が玄関から聞こえてきた)
(俺は何事かと思い、玄関に出てみると、そこには怪物や幽霊の仮装をした生徒の集団が、)
(黄色い声をあげながら騒いでいた……その先頭には、)
ナナリー「あっ、お兄様!トリックオアトリートですよ!」
ルル「ナナリー、おかえ……うん?ナナリー、その恰好は?」
ナナ「今日はハロウィンですよ、お兄様!」ニコニコ
「この衣装、中等部のみんなで作ったんです!」
ルル「そうか、今日はハロウィンだったな、へえ……うまいものだ」
「かわいらしい魔女さんだな」ニコッ
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ナナ「さあお兄様、トリックオアトリートッ!」
ルル「はいはい……っと、咲世子さん、お菓子を出してあげて」
咲世子「はい、ご用意しています、こちらを」
ルル「これでいいかな?魔女さん?」
ナナ「はい!」ニコーッ
「お兄様、他の方のところに行ってきますね!」
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ルル「ああ、あまり遅くならないようにな」
(ナナリーは、中等部の友達たちと一緒に、わいわいと賑やかしく去って行った)
咲世子「楽しそうですね」
ルル「ああ……仲のいい友達が、たくさんいるみたいだな」
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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
(夕食をとり終え、俺が部屋に戻ると……)
(ベッドに寝そべって本を読んでいたCCが、むくりと起き上がる)
CC「何だかにぎやかだったな、今?」
ルル「ああ、今日はハロウィンだからな」
「ナナリー達がお菓子を求めてきたのさ」
CC「ハロウィンか……お菓子か、さもなくば死か、というアレだな」
ルル「なぜそんな殺伐とした解釈をするかな、お前は」
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C.C.「元々はそういう儀式だ」
「死霊や魔女のタタリを恐れてだな……」
ルル「今は違うだろう、原理主義はよくないぞ?」
C.C.「無知なお前に教えてやろうと思っただけだ」
「さて…………とりっくおあとりーと!」スッ…
ルル「……なんだ、その手は」
C.C.「と、とりっくおあとりーと……!」ブンブン
ルル「お菓子なら、咲世子に言ってもらってこい」
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C.C.「無粋なやつだなお前は……」
「ホンモノの魔女がこうして要求しているんだぞ?」
「もっとノリノリで応じるべきだろう?」
ルル「全く……面倒な……」テクテク、ガチャ
C.C.「…………」ソワソワ
ルル「……」…ガチャ、テクテク
「ほらお菓子だ、これでいいか?」
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C.C.「だめだ、タタリ決定」
ルル「なに?何がだめだというんだ?」
C.C.「私が要求するんだ、ピザに決まってるだろう」
ルル「どっちが無粋なんだ!」
C.C.「カリフォルニアドリームのLサイズ」
ルル「種類まで指定するか!」
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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
C.C.「~♪」モグモグ
ルル(閉店ギリギリに注文とか……ほとんとイヤガラセじゃないか)ハァ…
(C.C.は常連だとはいえ、配達員の笑顔もこわばっていたぞ)
C.C.「うむ、うまいな、これは」
「今日のは格別だ」モグモグ
ルル「いつも食ってるだろう……」
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C.C.「バカだな、お前は」
「ほんとにバカだお前は」
ルル「2回も繰り返されるほどバカなことを言ったか、俺は?」
C.C.「シチュエーションが大事なんだよ」
「ハロウィンに、トリックオアトリートで手に入れたピザ……」
「ゆえに、うまさが違う……」モグモグ
ルル「……言いたいことはわかるが……」
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C.C.「……しかも、閉店ギリギリだ」
「バイトの配達員の、早く帰りたいという焦りが絶妙のスパイスとなって」
ルル「お前、いま最低なことを言ってる自覚があるか?」
C.C.「ふふ、まあ彼も仕事なのだから、このくらいは我慢してもらわないとな」
「それよりもルルーシュ、わかってるだろうな?」
「あとでお菓子もだぞ?」モグモグ
ルル「いっぺん胃下垂で倒れてしまえ」
「この食い道楽め」
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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
C.C.「ふうー、食った食ったー」ゴロン
ルル(……本当にお菓子まで食べたか、このフードファイターは)
C.C.「ハロウィンは素晴らしいな、ルルーシュ!」
ルル「そうか、それは良かったな」
C.C.「うむ」
「……ところでお前は、トリックオアトリートはしないのか?」
ルル「俺が?」フッ
「そういう子供じみた真似はもうできない年齢だ」
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C.C.「年齢は関係ないだろう、現に私もこうして」
ルル「お前は比較参考にならん」
C.C.「いやいや、本当に」
「あ、それともあれか、言って貰えない時が怖いのか?」ニヤ
ルル「……何だそれは」
「そういうイベントなのだから、貰えないわけがないだろう」
C.C.「童貞特有の恐怖症かぁ……」
ルル「童貞はぜんっぜん関係ないだろ!」
C.C.「関係ないか?」
「まあ……ルルーシュ、試しに私に言ってみろ、ん?」
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ルル「…………ほう?」
「お前が俺に、お菓子をくれるというのか?」
C.C.「そういうイベントだろう?」
「ほれ、言ってみろ……たまには、童心に帰ってみろ?」
ルル「…………」
C.C.「ほら、ルルーシュ……」
「私を、いつまで待たせる気だ?」ニコッ
ルル「……フッ、よかろう……これも一興だろう」
「…………ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
「トリック・オア・トリィトォッ!」キィィィン!!
C.C.「何だそれ」プークスクス
ルル「シッ、シィイツウウウウウゥゥゥッ!///」
────── 終劇
小ネタでした、くぅ疲!
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