ルルーシュ「トリックオアトリート?」(18)

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(日が落ちて、しばらくの後……)
(今日は、ナナリーは中等部の先生や友達と、夜遅くまで過ごすと聞いていた)
(俺は、咲世子と共に夕食を先にとっていると、クラブハウス玄関で人の声がした)


咲世子「あら、来客でしょうか?……ちょっと出て参ります」パタパタ

ルル(大人数で来たみたいだな……何者だ?)
   (まさか騎士団の連中ではないはずだし……?)


\トリックオアトリート!!/

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(……と、一斉に言う声が玄関から聞こえてきた)
(俺は何事かと思い、玄関に出てみると、そこには怪物や幽霊の仮装をした生徒の集団が、)
(黄色い声をあげながら騒いでいた……その先頭には、)


ナナリー「あっ、お兄様!トリックオアトリートですよ!」

ルル「ナナリー、おかえ……うん?ナナリー、その恰好は?」

ナナ「今日はハロウィンですよ、お兄様!」ニコニコ
     「この衣装、中等部のみんなで作ったんです!」

ルル「そうか、今日はハロウィンだったな、へえ……うまいものだ」
   「かわいらしい魔女さんだな」ニコッ

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ナナ「さあお兄様、トリックオアトリートッ!」

ルル「はいはい……っと、咲世子さん、お菓子を出してあげて」

咲世子「はい、ご用意しています、こちらを」

ルル「これでいいかな?魔女さん?」

ナナ「はい!」ニコーッ
   「お兄様、他の方のところに行ってきますね!」

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ルル「ああ、あまり遅くならないようにな」


(ナナリーは、中等部の友達たちと一緒に、わいわいと賑やかしく去って行った)


咲世子「楽しそうですね」

ルル「ああ……仲のいい友達が、たくさんいるみたいだな」

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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

(夕食をとり終え、俺が部屋に戻ると……)
(ベッドに寝そべって本を読んでいたCCが、むくりと起き上がる)


CC「何だかにぎやかだったな、今?」

ルル「ああ、今日はハロウィンだからな」
   「ナナリー達がお菓子を求めてきたのさ」

CC「ハロウィンか……お菓子か、さもなくば死か、というアレだな」

ルル「なぜそんな殺伐とした解釈をするかな、お前は」

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C.C.「元々はそういう儀式だ」
   「死霊や魔女のタタリを恐れてだな……」

ルル「今は違うだろう、原理主義はよくないぞ?」

C.C.「無知なお前に教えてやろうと思っただけだ」
   「さて…………とりっくおあとりーと!」スッ…

ルル「……なんだ、その手は」

C.C.「と、とりっくおあとりーと……!」ブンブン

ルル「お菓子なら、咲世子に言ってもらってこい」

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C.C.「無粋なやつだなお前は……」
   「ホンモノの魔女がこうして要求しているんだぞ?」
   「もっとノリノリで応じるべきだろう?」

ルル「全く……面倒な……」テクテク、ガチャ

C.C.「…………」ソワソワ

ルル「……」…ガチャ、テクテク
   「ほらお菓子だ、これでいいか?」

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C.C.「だめだ、タタリ決定」

ルル「なに?何がだめだというんだ?」

C.C.「私が要求するんだ、ピザに決まってるだろう」

ルル「どっちが無粋なんだ!」

C.C.「カリフォルニアドリームのLサイズ」

ルル「種類まで指定するか!」

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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

C.C.「~♪」モグモグ

ルル(閉店ギリギリに注文とか……ほとんとイヤガラセじゃないか)ハァ…
   (C.C.は常連だとはいえ、配達員の笑顔もこわばっていたぞ)

C.C.「うむ、うまいな、これは」
   「今日のは格別だ」モグモグ

ルル「いつも食ってるだろう……」

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C.C.「バカだな、お前は」
   「ほんとにバカだお前は」

ルル「2回も繰り返されるほどバカなことを言ったか、俺は?」

C.C.「シチュエーションが大事なんだよ」
   「ハロウィンに、トリックオアトリートで手に入れたピザ……」
   「ゆえに、うまさが違う……」モグモグ

ルル「……言いたいことはわかるが……」

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C.C.「……しかも、閉店ギリギリだ」
   「バイトの配達員の、早く帰りたいという焦りが絶妙のスパイスとなって」

ルル「お前、いま最低なことを言ってる自覚があるか?」

C.C.「ふふ、まあ彼も仕事なのだから、このくらいは我慢してもらわないとな」
   「それよりもルルーシュ、わかってるだろうな?」
   「あとでお菓子もだぞ?」モグモグ

ルル「いっぺん胃下垂で倒れてしまえ」
   「この食い道楽め」

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~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

C.C.「ふうー、食った食ったー」ゴロン

ルル(……本当にお菓子まで食べたか、このフードファイターは)

C.C.「ハロウィンは素晴らしいな、ルルーシュ!」

ルル「そうか、それは良かったな」

C.C.「うむ」
   「……ところでお前は、トリックオアトリートはしないのか?」

ルル「俺が?」フッ
   「そういう子供じみた真似はもうできない年齢だ」

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C.C.「年齢は関係ないだろう、現に私もこうして」

ルル「お前は比較参考にならん」

C.C.「いやいや、本当に」
   「あ、それともあれか、言って貰えない時が怖いのか?」ニヤ

ルル「……何だそれは」
   「そういうイベントなのだから、貰えないわけがないだろう」

C.C.「童貞特有の恐怖症かぁ……」

ルル「童貞はぜんっぜん関係ないだろ!」

C.C.「関係ないか?」
  「まあ……ルルーシュ、試しに私に言ってみろ、ん?」

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ルル「…………ほう?」
   「お前が俺に、お菓子をくれるというのか?」

C.C.「そういうイベントだろう?」
   「ほれ、言ってみろ……たまには、童心に帰ってみろ?」

ルル「…………」

C.C.「ほら、ルルーシュ……」
   「私を、いつまで待たせる気だ?」ニコッ

ルル「……フッ、よかろう……これも一興だろう」

   「…………ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
   「トリック・オア・トリィトォッ!」キィィィン!!

C.C.「何だそれ」プークスクス

ルル「シッ、シィイツウウウウウゥゥゥッ!///」


   ────── 終劇

小ネタでした、くぅ疲!

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