エレ←アニ←ベルトルト
でござる。
アニエレがすきなわけでも、アニベルがすきなわけでもなく
ただベルさんの恋愛心情が書きたかっただけですはい。
暇潰しによかったら
「まだまだね、あんたも」
「もう一度だ!アニ!」
「懲りないね。…もう一度だけだよ」
ドカッ
ベルトルト「…はあ。」
ライナー「み、ミカサやめろ」
ミカサ「不毛」
ギャー
ベルトルト「はあ」
金髪の髪
キリリとした目
白い肌。
僕の恋い焦がれる女の子
それが、アニ
幼馴染みで、同じ運命を背負わされた女の子
僕よりずっとたくましく、かっこよく
それでいて儚く美しい
それが、アニ・レオンハート
アニ「ベルトルト」
ベルトルト「!?びっくりした…」
アニ「何。私があんたに話しかけちゃいけないの」
ベルトルト「ち、違うよ。でも、関わると計画に問題が」
アニ「今、皆は飛んできたライナーと下敷きになったエレンの方に意識が向いてる。問題ない。」
ベルトルト「そ、それもそうだね」
アニ「今日夕食後、第2倉庫裏集合ね。」
ベルトルト「え?」
アニ「2度はいわないから。じゃ」スタスタ
いってしまった。
おそらく、男子なら思うだろう。
フラグじゃね?と。
でも絶対違う。
アニにはすきな奴がいる。
本人に直接聞いた訳じゃないけど
対人格闘の、あの生き生きした表情
あれは、間違いなくエレン・イェーガーに向けたもので
おそらく、少なからず彼に行為を抱いているだろう。
ベルトルト「はあー…」
ため息は止まらない。
すきな子にすきな奴がいて
それでも諦められず、ずっと思い続けている。
つらい。
でも、別にいいんだ。
アニがいてくれればそれで
アニが約束を忘れてくれなければそれで。
「3人で、故郷に帰ろう。」
夕食後
ベルトルト「あっ」
アニ「遅くなって悪いね。エレンに引き留められた。」
ずきっ
またエレン
ベルトルト「へえ。用件は大丈夫だったの?」
アニ「明日も対人格闘付き合えってさ。断ったけど」
ベルトルト「なんで?」
アニ「ミーナと先に約束したのさ。先約があるなら断るだろう」
ベルトルト「そっか。」
内心、安心した自分が憎い。
ベルトルト「そういや、ライナー遅いな。」
アニ「ライナーは呼んでない」
ベルトルト「え?なんで?」
アニ「私はあんたに頼みがあんの」
ベルトルト「僕に?なに?」
アニ「…に……てくれ…い?」
ベルトルト「ん?」
アニ「たまに夜に、話し相手になってくれない?」ムスッ
ベルトルト「…え?」
なんで?
アニ「いやさ、周りと関わらないでいるの、ストレスなんだよ。ミーナがちょっかい出してくるけど、本音なんか話せないし。」
いや、知ってた。
今回の計画、一番の負担はアニだ。
3年、誰ともかかわらず、氷のように冷たい女を演じ
僕らみたいな友人とも対して話せない。
ベルトルト「え、エレンとか…」
アニ「巨人駆逐云々いってる馬鹿に、巨人の私が関わるの?」ムスッ
僕はずるい。
でも、アニはちゃんと分かってくれている。
ベルトルト「そうだよね、ごめん。でもなんでライナーいないの?」
アニ「あんな周りに仲良くしてるお人好しがいたら、ばれるかもしれないでしょ。ただでさえでかいのに。」
僕も結構背は高いけどな。
ベルトルト「そうだね。ぼくでいいなら。」
アニ「すまないね、面倒なこと頼んで」
ベルトルト「いや、アニの負担は僕らのせいでもあるから。気にしないで。」
アニ「…ありがとう。じゃ、次は明後日の夜、ここでね。」
ベルトルト「アニ!」
アニ「何だい、でかい声出して。」
ベルトルト「頼ってくれてありがとう。おやすみ。」
アニ「…ふん。おやすみ。」スタスタ
嬉しい、なんて言葉は飲み込んで。
でも、好きな人に頼られるのは、すごくうれしい。
エレンじゃなくて僕を選んでくれたとか錯覚しそうになりながら
僕は寝床に戻った。
今日はここまで。
また明日来ます。
昨日これなくてすみませぬ
かくよー
明後日
ベルトルト「」ソワソワ
ライナー「ベルトルトー。風呂いこうぜ」
ベルトルト「もう入った。」ソワソワ
ライナー「早いな。」
ベルトルト「」キョロキョロ
ライナー「どうした?」
ベルトルト「え?」
ライナー「お前らしくない。そんなそわそわして。」
ベルトルト「そ、そうかな?」
ライナー「ああ。」
ベルトルト「気のせいだよ。」
ライナー「そうかよ。なんかあったらいえよ。じゃ」スタスタ
ベルトルト「うん。」
もうすぐ、約束の時間だ。
アニ「…。」
急ぎ足で第2倉庫裏にいくと、既にアニはそこにいた。
すこし頬が赤いのは、お風呂上がりだからだろうか。
アニ「遅いよ。」
ベルトルト「ごめんね。」
アニ「まあ、頼んだのは私だからいいけど」プイ
ベルトルト「アニ。お風呂入って髪ちゃんと拭いた?」
アニ「拭いたよ。」
ベルトルト「この時期寒くなってくるから、ちゃんと拭いてから来てね。僕はちゃんと待ってるから」
アニ「…昔から変わらないね、あんたも。」クスッ
ベルトルト「!!あ、うん。」
アニの笑った顔は久々に見る。
昔から普段はクールな感じだけど、笑うし泣く、普通の女の子だ。
アニ「…なに?」
ベルトルト「へ?」
アニ「私の顔になんかついてる?」
ベルトルト「いや、アニの笑顔久々に見たから。」
アニ「なにいってんだい。氷のように冷たい女が笑っちゃおかしいかい?」
ベルトルト「誰が氷の女なの?アニはシャイなだけだもんね」
アニ「ヘタレルトにそんなこと言われてもね、ふふ。」
ベルトルト「昔のあだ名使うのやめてよ。もう。」
アニ「ごめんごめん。」
アニは僕が泣くといつもヘタレルトって馬鹿にしていた。
でも、そのあとはいつも励ましてくれるんだ。
アニ「でもまあ、それでもベルトルトだからね。元気だしな。」
ベルトルト「…ありがとう。」
こうやってね。
アニ「そういえば、今日、あんた立体機動手を抜いてたね」
ベルトルト「…そんなことないよ」
アニ「まあ、適度に手を抜かないとあれだけどさ、上の空じゃなかった?」
心当たりはある。
そりゃあ、夜に好きな人と二人きりなんてことがあれば、落ち着かないのは当たり前なことで。
そして昨日の寝不足が増して、今日の訓練はほとんど上の空だった。
ベルトルト「気のせいだよ。」
アニ「エレンが心配してたしね。気を付けな。」
どきっ
ベルトルト「エレンが…」
アニ「あいつ、手を抜いてるって怒ってた。」
ベルトルト「それ心配じゃないよね。」
アニ「そうだね。でも内心は気にしてんじゃない。あの馬鹿でも。」
ベルトルト「そうか。明日からは気を付けるよ。」
アニ「あ、明日は来れる?」
ベルトルト「これるよ。アニは?」
アニ「ありがと。じゃあまた明日ここで。」
ベルトルト「うん。おやすみ、アニ」
男子寮
ライナー「ベルトルト」
ベルトルト「んー?」
ライナー「そわそわしてねえな。」
ベルトルト「だからさっきのは気のせいだよ。」
ライナー「そしてうきうきしてる」
ベルトルト「それも気のせい。
ジャン「でもお前、昨日全然寝てなかったろ。」
エレン「そうなのか?だから今日本調子じゃなかったのか。」
ライナー「まあ、今日はしっかり寝ろ。明日の座学、一番問題溶けなかったやつは水汲み当番だからな。」
コニー「へーへーどうせ俺だよ」
ベルトルト「まだコニーと決まった訳じゃないよ。みんな迷惑かけてごめんね。」
女子寮
ミーナ「アニーィ」ニヤニヤ
アニ「何。」
ミーナ「いつもよりすっきりした顔してるねえ」ニヤニヤ
ユミル「どうせ男といちゃついてたんだろ?」
アニ「はあ?」ギロリ
クリスタ「ユミル!アニはそんなこじゃないよ!」
サシャ「イモォ…イモ…」zzz
ミカサ「まさかエレン!?」
アニ「はあ。そんなんじゃないから適当なこと言わないでくれない。」
クリスタ「ごめんね、アニ」
ミカサ「エレンじゃなければいい。」
ミーナ「まあ、アニは恋人とか作らなそうだしね。」
アニ「そんなもの邪魔でしかないよ。もう寝るから。」
ミーナ「おやす…み…」ショボン
きょうはこれまで。
明日23時まで仕事だからこれるか微妙。
できたらかく
よし。かく
オアエリ~。待ってたよ~!
次の日
コニー「ほらあああああ俺だったろ?」
マルコ「まあ、がんばって。」
ライナー「しかたねえよ、コニーだしな。」チラ
ベルトルト「…」
コニー「なんだよ、コニーだしって!」
アルミン「まあまあ、今度わからないところ教えてあげるから。」
コニー「さすがアルミンだな!」
エレン「アルミン、甘やかすなよ。」
ジャン「でも、今回の一位は…」
ベルトルト「…」
ライナー「…ベルトルト」
ベルトルト「なんか、ごめん。」
エレン「謝るなよ。」
アルミン「僕も一問だけまちがえたけど、全問正解はすごいよ。」
ベルトルト「…ありがとう」ズーン
コニー「なんで落ちこんでんだ?」
ジャン「さあな。」
ライナー「…」
アニ「…」
そう、僕は昨日あれこれ言われたのを気にして、手を抜くことなくしっかり座学を解いた。
結果、満点
教官「フーバー!今回の小問、全問正解はお前だけだった!貴様らもフーバーを見習い、知識をしっかり頭に叩き込め!!」
だそうだ。
アニとライナーの目が痛い。
張り切りすぎた…はあ。
ライナー「昨日皆に言われたのがプレッシャーだったか?ごめんな、気づけなくて」
ベルトルト「ライナーのせいじゃないから気にしないで。ごめん。」
とりあえず、
>>21
ありがとう
夜、第2倉庫裏
ベルトルト「すみません」
アニ「全く。しっかりしなよ」
ベルトルト「すみません」
返す言葉もない。
それでも、アニと一緒にいれるというだけで気持ちが舞い上がってくる。
アニ「でも、ま。」
ベルトルト「?」
アニ「たまにはいいんじゃない。ていうか、本気を出しても私は満点とれるか微妙だし。すごいと思う。」ナデナデ
ベルトルト「!!」カアァ
ベルトルト「う…ん。でも、き、気を付ける。」
アニ「…いい子。」
撫でられたことなんて、幼い頃に数えるくらいにしかなかった。
ましてや、美しい女性になったアニに、この年になって撫でられるなんて。
恥ずかしい、嬉しい。
うつむくことしかできない。
アニ「照れてんの。ふふ」
こうしているとまるで、僕がアニの恋人になったような気がして
すごく幸せなんだ。
好きな人が僕の隣で笑っているのが。
こんな時間が、ずっと続けばいいのに。
アニが誰を好きなんてどうでもいい。
ただ、アニが僕の横にいてくれたら。
そして、3人で故郷に帰るんだ。
アニ「…次は、明後日に第5倉庫裏でいいかい?」
ベルトルト「いいけど、どうしたの?」
アニ「ユミルとミーナが、げすい顔をしてた。下手したらばれるかもしれないから、一日おいて、一番女子寮から遠いところにしようと思ってね。」
ベルトルト「なるほどね。了解したよ。」
アニ「じゃ、また。」スクッ
ベルトルト「あ、うん。」
アニ「おやす…
クイッ
ベルトルト「…」
アニ「…?ベルトルト?」
ベルトルト「あ!ええと、ごごごめん。」パッ
アニ「…へんなの。」クスクス
ベルトルト「ごめんってば」ショボン
アニ「じゃあおやすみ。」スタスタ
変だ。
急にアニの手を引いたりして。
変に思われなかったかな。
今日はここまで。
また明日!
アニの太ももに挟まれたい。
かくぜーできるだけかくぜー
明後日、夕方
クリスタ「ねえユミル、本当にいくの?」
ユミル「ったりめえだろ!こんな楽しいこと、訓練中は滅多にないぜ?」
ミーナ「クリスタだって、アニが最近機嫌がいい理由、知りたいでしょ?」
クリスタ「そうだけど…だからって尾行は」
ユミル「あいつはいつも、風呂から出たらストレッチをして真っ先に部屋に戻ってたろ。最近はストレッチをするにもいつもより長いんだよ。」
ミーナ「数分の差だけどね。」
クリスタ「ユミルは、その辺はよく見てるよね」
ユミル「まあな。よし、風呂から出たらアニを尾行な!」
ミーナ「イェス!!」
クリスタ「…はあ。」
アニ「やっぱり。気を付けていこう。」
ベルトルト「第5倉庫遠いなー」
この第5倉庫は、あまり使われていない古びた倉庫で
寮から一番遠くにある。
掃除の当番も、週に一度しかない。
つまりは、滅多に人が来ない。
最初からここにすればよかったとも思うけど、
アニは帰りが遅くなって噂になるのが嫌なのだろう。
ベルトルト「ここか。」
アニは、まだ来ていない。
数分後
アニ「待たせたね」
ベルトルト「大丈夫だよ。」
アニ「ユミルとクリスタ、ミーナの3人が付いてきた。うまく巻いたけど。」
ベルトルト「そうなんだ、流石はアニだね」
アニ「ふん。」
ユミルたちは
ユミル「アニ、どこにいくんだろうな。」
クリスタ「やっぱ戻ろうよ、アニに失礼だよ」ソワソワ
ミーナ「平気平気!足蹴りくらいで許してくれるって!」
クリスタ「えー?…あ!」ビクッ
ユミル「どうした」
クリスタ「アニこっち見てるっぽい」
ミーナ「やば!隠れよ!」
サササッ
ユミル「行ったか?」チラ
ミーナ「どう?」
ユミル「…消えた」
ミーナ「え!?」
クリスタ「じゃあもう戻ろうよ」
ユミル「…仕方ないな。」クルッ
ミーナ「そうね。残念」クルッ
クリスタ「あれ?」
ユミル「今度はなんだ?」
クリスタ「あっちの空、暗くない?」
ミーナ「本当だ。雨降るかもね。」
クリスタ「アニ大丈夫かな」
ユミル「どうせすぐ戻ってくるだろ。先いってようぜ。私のクリスタが濡れる前にな」
クリスタ「もう!」
ミーナ「一応、タオル用意しとこうかな…」テクテク
アニ「クリスタがそわそわしてたし、分かりやすいやつらだよ。」
ベルトルト「そうか、はは。」
アニ「でも、こっちのほうが落ち着いて話せるね。こんなところだれもこないし。」
ベルトルト「ちょっととおいけどね。」
その分、早く帰らなきゃいけないけど。
なーんてことはいえないね。
そう息をついたとたん、アニは床に腰を下ろし、開脚をした。
アニ「ベルトルトーお願いがあるんだけど。」
ベルトルト「…なつかしいね。了解。」
僕はアニの後ろにたち膝をして、アニの背中をゆっくり押した。
昔は、よくアニにストレッチの補助を頼まれていた。
曰く
『父さんは手加減を知らない。ライナーはたまにおちょくる。あんたが一番上手いし適任』
だそうだ。
ベルトルト「せーの、いーちにーいさーーーん」グー
アニ「ふーーう」ノビー
ベルトルト「しーごーろーーーく、なな!」
アニ「はっ」スッ
ベルトルト「柔らかくなったね。」
アニ「毎晩欠かしてないからね。」
ベルトルト「流石だね。僕も見習わなきゃな。」
アニ「やってあげるよ。座りな」パンパン
僕は毎日なんてやってない。
ましてや、成長期で膝やら肩やら痛くなり、昔ほど柔らかくない。
そして、
ベルトルト「いたいいたい!痛いよストップ!!!」
アニ「たるんでるんじゃないのかい?固くなったねえあんたも。」グイグイ
アニは手加減というものを知らない。
ベルトルト「仕方ないだろ?アニと違って成長期凄まじかったんだから!」ハアハア
アニ「ふーん。私と違って、ね。」グググ
ベルトルト「ハヒィ!ゴメンナザイイイイイ」
そして、痛い中で気づいてしまった。
アニの胸が、背中に当たっていることを。
ベルトルト「ちょ、もうほんとやめて!アアアア!」
アニ「甘ったれんじゃないよベルトルト。あんたは戦士だろう?」
戦士である前に一人の男だよ!
ベルトルト「ごめんなさいこれから毎日しますから!ひいいいい」
アニ「はあ…しかたないね。」パッ
ベルトルト「はあはあ…楽しそうな顔して。」
アニ「楽しいよ、あんたといるとね。」
これ以上僕の愚息を立ち上げるのはやめてくれ…
でも僕は、その言葉がすごく嬉しかった。
アニ「なに照れてんの。らしくない。」
ベルトルト「そりゃだって…」カアア
ぽつり
ベルトルト「あ!!」
アニ「!」
ベルトルト「雨、降ってきた…」
ここまで
また明日きます。
ボディラインが一番美しいのはサシャ。
異論は認めない
仕事が忙しかったんだ
まだ見てくれてる人いないかもしれないけど、
半端に終わらせるのが嫌だから最後まで書く
暇潰しにでも見てってください
仕事が忙しかったんだ
まだ見てくれてる人いないかもしれないけど、
半端に終わらせるのが嫌だから最後まで書く
暇潰しにでも見てってください
ここは、寮から一番遠い第5倉庫
そして、雨は思ったより強い
アニ「ちっ…走って戻るしかないね」スッ
ベルトルト「だめ!」グイッ
アニ「!?」
ベルトルト「か、風邪引いたら心配になる…せめて、少し弱くなるの待とうよ」
アニ「でも、あまり遅かったら」
ベルトルト「素直に、散歩してたら雨降ったから雨宿りしてたとでも言えばいい。」
アニ「…」
ベルトルト「…っ」ドキン
アニ「……そうだね。分かったよ」
アニは渋々僕の横に座る。
右半身から伝わる、アニの体温
アニに伝わってしまいそうな、僕の胸の鼓動
そして一緒にいれる貴重な時間
アニ「そういえば、エレンがさ、足技決めたんだよ」
またエレン…
ベルトルト「…誰に?」
アニ「ライナーだよ。あいつも手を抜いてたけど、まさか決められるとは思わなかったんじゃないの」
ベルトルト「はは、そうかもね」
アニ「エレンは頑張ってるんじゃない。まあ、私には勝てないだろうけど」フッ
ベルトルト「…そう、だね」
アニは、やっぱりエレンが好きなのだろうか
胸の奥が、ちくちくと痛む
同時に、黒い感情に包まれる
ベルトルト「アニ、寒くない?」
アニ「まあ寒いけど…雨だしね」
ベルトルト「アニちょっと立って?」スッ
アニ「は?…なんだい」スッ
アニを僕の前に立たせ、僕はアニを包み込みながらしゃがんだ
アニ「は!?え?ちょ、なにしてんだいあんた!」バタバタ
ベルトルト「こうしたら暖かいでしょ」ギュ
アニ「だ、だからって!!」バタバタ
後ろから強く、優しく抱き締める
アニからはシャンプーの匂い
そして、気のせいか分からないけど耳が赤い
ベルトルト「僕も、アニも寒い。これ以外に団をとる方法はないし。昔みたいでいいじゃないか」
アニ「…かくれんぼしたときか」ピタッ
昔、3人でかくれんぼをしたことがある。
ライナーが鬼で、僕らは酒樽のうしろに隠れたんだ
今みたいに、僕がアニを包みながら
アニ「なつかしいね」
ベルトルト「うん。」ギュ
アニ「…いまだけだからね」
ベルトルト「はいはい」ギュッ
アニ「…ふふ。暖かいね」
ベルトルト「うん。暖かい」
しばらくぼくらはこうしていた。
僕にとってはすごく長く、尊い時間だった
でも、実際は10分くらいで雨は弱まり、ぼくらは寮に帰った。
今の幸せがまたあってくれるのなら
僕はいくらでも、どんなことにでも耐えられる気がした。
次の日
ライナー「ベルトルト」
ベルトルト「おはようライナー。どうしたの」
ライナー「昨日お前、だれといた?」
ベルトルト「…は?」
ライナー「少し遅くに、雨にぬれて帰ってきたろ。誰かといたんじゃないのか」
ベルトルト「…さあね。僕は散歩してただけだよ。」
ライナー「わざわざ遠い5番倉庫までか」
ベルトルト「!…なんで5番ってわかったの?」
ライナー「あんだけおそけりゃな。勘だ。近かったら小走りで帰ってくるだろうし」
ベルトルト「流石だね。でも君が心配してるようなことはなにもないから安心して。」
ライナー「そうか、ならいいが。でも」
ガタンッ
アニ「…」
ミカサ「…アニ、貴女は調子に乗りすぎた。」
アニ「別にそんなもんに乗ったつもりはないがね。」
エレン「ミカサやめろよ!俺がいつもアニに無理矢理付き合わせてたんだからこいつは悪くねえだろ!!」
ミカサ「エレンまでこの女狐を庇うの?エレンは騙されている」
アニ「それは失礼なんじゃないかい?私はね、あんたみたいに色恋に首突っ込むほど暇じゃないんだよ。ましてや、エレンみたいな私より弱い奴なんて興味ないね。」
ミカサ「…エレンを侮辱するなら容赦しない。」
アニとミカサ。
ついにぶつかり合うときが来たのか…
アニも、あまり目立たないほうがいいのに
エレンなんかに構うから…
エレン「アニも逆立てるこというなよ!ミカサも落ち着け!!」
ミカサ「でも、エレンもエレン。対人格闘も座学も立体起動も、私ひとりいればこと足りる。のに、こんな女にわざわざ」
ガッシャーン
ベルトルト「…痛い」ポタ
ライナー「ベルトルト!?どうしたお前!!」
ベルトルト「手が滑っただけだよ。」
エレン「太ももに破片が刺さったのか!?血がにじんでるぞ!」
ベルトルト「これくらい…」
エレン「いくぞ、医務室。アルミン、教官に事情説明しといてくれ。ライナーは肩貸してやってくれ。」
ライナー「エレンじゃ身長足りねえもんな。いくぞベルトルト」
ベルトルト「あ、うん。」
アルミン「こっちは任しといて。ベルトルトお大事にね」
ミカサ「…ちっ」
アニ「…ふん」スッ
ミカサ「…」
アルミン「まあまあ。そろそろ食器片さないといけないよ?」
ライナー「大丈夫かよ」
ベルトルト「うん、ごめん」
エレン「全く。気を付けろよ?今回は傷が浅くてよかったけど」
ベルトルト「そうだね、気を付けるよ」
ライナー「…エレン、あとは俺だけで平気だから、お前は訓練に戻っていいぞ。ありがとうな」
エレン「そうか?じゃあ行ってくる。ライナーよろしくな。ベルトルトお大事に」スッ
ベルトルト「うん」
ベルトルト「…」
ライナー「…なあ」
ベルトルト「なに?」
ライナー「あれ、アニを庇ったんだろ。」
ベルトルト「…さすがだね」
ライナー「らしくねーな。」
ベルトルト「…かもね」
ライナー「まだアニが好きなのか?」
ベルトルト「気づいてたの!?」
ライナー「昔からお前はアニに優しいからな。見てりゃわかる」
ライナー「でも、周りには気づかれないようにしろよ」
ベルトルト「…分かってるよ。3人で故郷に帰るためにも。」
ライナー「ああ。じゃあ俺も行くわ。」スッ
ベルトルト「うん。ありがとうね」
ライナー「おう。」
あしたで終わらせる
よし、今日でおわらせる
流石だね
ライナーには分かっちゃうんだね
頼れる兄貴って言われるだけある
まあ、ずっと一緒にいたしね
僕は、アニがミカサと争うところが見たくなかったんだ
まるで、エレンの取り合いみたいで
見たくなかった
ベルトルト「まだまだ子供だな、僕も。嫉妬なんて」
ガチャ
アニ「…調子はどうだい」ムスッ
ベルトルト「…アニ?」
ベルトルト「なんでいるの…?」
アニ「なに?私が来ちゃいけないわけ?」
ベルトルト「だって今、訓練中だし…」
アニ「…私も怪我したんだよ」
ベルトルト「え!?大丈夫なの?どこ!?」ガタッ
アニ「大袈裟だよ。ちょっと突き指しただけ」
ベルトルト「…そうか。めずらしいね、アニが怪我なんて」
アニ「私だってか弱い女の子なんだ。怪我くらいするさ」
知ってる。
アニが一人の女の子だってことくらい。
強がりだけど実は強がってるだけのか弱い子で
僕の大好きなアニは、けしてみんなが思ってるような冷たい女の子じゃない
アニ「ねえ、ベルトルト」
ベルトルト「なに?」
アニ「あんたは、好きなひといるの?」
ベルトルト「え!?」
予想外すぎる一言に僕はただ驚いた
ベルトルト「なんで?」
アニ「なんとなくね」
ベルトルト「……いる、よ」
アニ「…ふーん……じゃあなんで今朝私を庇ったの?」
ベルトルト「っそんなの」
好きなのはアニだから
ベルトルト「決まってるじゃないか」
アニだから
ベルトルト「同郷の幼馴染みだからだよ。」
アニ「そう。」
ベルトルト「…」
アニ「その好きな子には、告白しないの?」
ベルトルト「しないよ。」
アニ「なんで?」
ベルトルト「するわけがない。だって」
アニ、好きだ
だなんて、そんなこと
アニ「…?」
ベルトルト「できるわけないじゃないか…!」ポロ
アニ「!?」
ベルトルト「だって僕が好きな子には、別の好きなひとがいるんだ」グスッ
アニ「なんでわかるの?」
ベルトルト「仲良さそうだから。そいつといると楽しそうだから。」
アニ「ふーん」
ベルトルト「僕はね、その子の一番幸せな道をいってほしい。指命だとか、立場とか気にしないで」ポロポロ
アニ「うん」
ベルトルト「だから、僕はね、その子のこと見守るんだ。そう決めたんだ」ポロポロ
ベルトルト「決めたはずなのに、…苦しいんだ」
アニに幸せになってほしい
でも出来ることなら…
ベルトルト「その子が幸せそうに笑っているとき、隣にいるのが僕でありたいって、わがままなことかんがえて」
ベルトルト「でも、今までもこうしてたまに会って他愛もない話して笑ってるだけですごく幸せで…」
ベルトルト「そう思ってるのは僕だけかもしれないけど、そう思ってくれてたらって、少しずつでいいから、その子の頭の片隅に僕という存在を置いといてほしくて」
ベルトルト「もし告白なんてしたら、それで断られたりなんかしたら…、もうそう願うことすら出来なくなる。たまに会って話すこともなくなる。」
ベルトルト「僕は、」
ベルトルト「今の日常が壊れるのが怖いんだ。」
ベルトルト「このささいな幸せを、手放したくないんだ。」
ベルトルト「だから告白はしない。彼女を見守り続ける。」
アニ「…そうかい。」
ベルトルト「…ごめ、泣いたりして」フキフキ
アニ「案外その子もさ、ベルトルトのこと、好きかもね。」
ベルトルト「え?」
アニ「…ちなみに私は、エレンのこと好きじゃないよ」
ベルトルト「え?そうなの!?だって…」
アニ「あいつはみてて面白いだけ。好きなんかじゃない。」
ベルトルト「そう、なんだ…」ホッ
ベルトルト「じ、じゃあ…アニは、アニの好きなひとは…?」
アニ「…背が高くて」
ベルトルト「うん」
アニ「影の薄い泣き虫ヘタレで、さみしがりやの腰巾着。」
ベルトルト「…え?」
アニ「なんども言わないよ腰巾着」
ベルトルト「え?えそれってさ、え?ん?」
背が高い、影が薄い、泣き虫、さみしがり…腰巾着
それは、間違いなく僕しかいないはず
ベルトルト「ほんと?僕…なの?」ポロ
アニ「あーまた泣いたね、ヘタレルト。」フキフキ
ベルトルト「ちょ…」カアァ
アニ「こんなんじゃ子供もきっと泣き虫だね。」
ベルトルト「こ、こど…!!」
アニ「冗談さ。でも、付き合うのは3人で故郷に帰ってからだからね。」
ベルトルト「つき…!?」カアァ
ベルトルト「…うん!そうだね!」
ベルトルト「アニ、好き」
アニ「…私もさ、ベルトルト
」
おわり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません