あかり「頭痛いよぉ…風邪かなぁ…」(238)
京子「ちなつちゃーん!」
ちなつ「結衣せんぱーい!助けて下さーい!」
結衣「ほらやめろ京子」
あかり(頭痛い……)
あかり(なんか…目の前が…暗く…)
ドテン
綾乃「としのーきょーこー!」
千歳「お邪魔します~」
京子「どうした綾乃ー」
あかり「…………」
綾乃「あんたまたプリント出してないでしょ!」
京子「そうだっけ?」
結衣「あれじゃないのか?」
京子「あーはいはい」
あかり「…………」
京子「ほい!綾乃」
綾乃「あああるなら、最初から出しなさいよ///」
千歳「ええなぁ…」ダバダバ
ちなつ「わわわ池田先輩ティッシュティッシュ!」
あかり「…………」
ワイワイガヤガヤ
あかり「…………」
~生徒会室~
櫻子「遅いなぁ先輩方」
向日葵「そうですわね」
櫻子「次期生徒会副会長のあたしが迎えに行こう!」
向日葵「ちょっと櫻子!次期副会長は私ですわ!」
櫻子「と言うわけでごらく部に行ってきます会長!」
りせ「………」
~ごらく部室~
櫻子「失礼しまーす!」バン
向日葵「失礼しますわ」
綾乃「あらあなた達一体どうしてここに?」
櫻子「先輩達が遅いからですよーってあかりちゃん!どうしたの!?」
一同「え?」
向日葵「赤座さん!しっかりしてください!」
あかり「…………」
向日葵「と、とにかく保健室へ!櫻子!」
櫻子「がってん!」
~保健室~
櫻子「失礼します!先生あかりちゃんが!」ドタバタ
先生「とにかく病院に連れてった方がいいかもしれないわね…」
ピーポーパーポー
~病院~
ドタドタ
あかね「先生!あかりは…妹は!?」
医者「高熱の風邪です。命に別状はありません、すぐに良くなるでしょう」
医者「…ただ、意識を失ってからしばらく放置された様子で…何かしらの後遺症は残るかもしれません…」
あかね「そんな………あかり……」
京子「なぁ、結衣……私達がちゃんとあかりのことを見てれば…」
結衣「……今は何も言わないでくれ…」
ちなつ「あかりちゃん…」
ちなつ(私は…)
綾乃「私ったら歳納京子のことばかり見て……」
千歳「綾乃ちゃん…ウチも気づけんかったから…そんなに自分を責めんといて…」
櫻子「あかりちゃん…」
向日葵「赤座さん…」
~翌日~
あかり「ここは…?」
あかね「あかり!」ダキッ
あかね「目が覚めたのね!良かった…本当に良かった…」ポロポロ
あかり「あか…り…?誰…?というかお姉さんはどちら様ですか…?」
あかね「…え?あかり何を言ってるの…?」
あかり「うっ…」ズキン
あかね「あかり!大丈夫!?」
あかり「はい…ありがとうございます…」
あかね「まさか…記憶が…?」
あかり「?」
あかね「とにかくお医者さんに相談しましょう」
あかね「あの…あかりは…?」
医者「あかりさんは記憶を失っているようですね」
あかね「!やっぱり…」
医者「しかし所詮風邪によるものです。しばらく経てば治るでしょう」
あかね「良かった…」ホッ
あかり(さっきのお姉さんは一体誰なんだろう…)
あかり(それに私はなんで病院に…?)
あかり(…何も思い出せない…)
あかね「あかり…?」
あかり「あの…あかりって…?」
あかね「あなたの名前よ」
あかり「あかり…」
あかね「そう…赤座あかりがあなたの名前…そして、私は赤座あかね…あなたの姉よ」
あかり「お姉さんだったんですね…すいません」
あかね「謝る必要なんてないわよ」
あかり「はい…」
あかね「とにかく今日退院だから家に帰りましょう」
あかり「はい…よろしくお願いします」
あかね「ただいまー」
あかり「お邪魔します…」
あかね「お邪魔しますなんて…ここはあなたの家でもあるのよ」
あかり「そうですよね…すいません」
あかね(あかり…随分性格が変わっちゃったわね…)
あかり「お姉さん?」
あかね「あ、いやなんでもないわ!あなたの部屋に行きましょう」
あかり「ここが私の部屋…」
あかね「ええ、そうよ」
あかり「ここが…」
あかね「じゃあ荷物を置いてご飯にしましょう」
~食事後~
あかり「おいしかったです!」
あかね「そう?喜んでもらって良かったわ」
あかり「……」ウトウト
あかね「あかり眠いの?」
あかり「あ!いえ別にそんなことは…」
あかね「じゃあお風呂に入ってもう寝ましょう!」
あかり「はい」
あかり「一緒に…お風呂に入るんですか…?」
あかね「うふふ…、そうよ?いつもそうしてたのよ?」
あかね「あかり…明日の学校なのだけど…」
あかり「行く予定ですけど…ダメですか?」
あかね「いえそんなことないわよ!でも道は分かるのかしら?」
あかり「あ…それは…」
あかね「ふふ…お姉ちゃんが着いてってあげる」
あかり「すいません…」
~翌日~
あかね「あかり…起きた?」
あかり「はい、おはようございます」
あかね「おはよう、それじゃ顔を洗ってきなさい朝ご飯作っておくから」
あかり「はい!」
あかり「やっぱりお姉さんのご飯は美味しいです!」
あかね「ふふ…そんなことないわよ」
あかね(ご飯が好きな所は変わってないわね)
あかね「ご飯を食べたら行きましょう」
あかり「……」キョロキョロ
あかね「あかり危ないわよ」
あかり「あ、すいません…道を覚えないとお姉さんに迷惑がかかってしまうと思ったので…」
あかね「そんなこと気にする必要ないわよ。家族なんですから」
あかり「はい…ありがとうございます!」
~学校~
あかね「あかり着いたわよ」
あかり「ここが…」
櫻子「あかりちゃんだー!あかりちゃーん!」
あかり「?」
向日葵「赤座さんもう大丈夫なんですの?」
あかり「あ…はい」
櫻子・向日葵「?」
あかね「二人はあかりのお友達?」
櫻子「は、はい!あかりちゃんと同じクラスの大室櫻子です!」
向日葵「古谷向日葵と申します」
あかね「あの実はあかりはね…」カクカクシカジカ
向日葵「そんなことが…」
櫻子「あかりちゃん…」
あかね「と言うわけであかりのことは二人に任せていいかしら?」
櫻子「もちろんです!次期生徒会副会長のあたしが!」
向日葵「櫻子!それは譲りませんわ!」
あかね「じゃあ、よろしくお願いするわね」
櫻子「じゃああかりちゃん行こっか!」
向日葵「櫻子。まず自己紹介しますわよ」
櫻子「あ、そっか」
あかり「あ、あの…」
櫻子「あたしは大室櫻子!あかりちゃんの友達だよ!」
向日葵「私は古谷向日葵です。赤座さんのお友達ですわ」
あかり「大室さんに古谷さんですね。よろしくお願いします」
櫻子「え…大室さん…?」
あかり「?」
向日葵「以前とは性格も違うようですわね」ボソボソ
櫻子「そう…みたいだね…」ボソボソ
櫻子「と、とにかく教室行こう!」
あかり「はい!」
~教室~
ガラッ
アカザサンダーアカリチャーン!
あかり「え?え?」
櫻子「みんな心配だったんだよ!」
向日葵「もちろん私達も…そしてあの人も…」
あかり「あの人?」
ちなつ「あ、あかりちゃん…おはよう」
あかり「この人は…?」
ちなつ「え?あかり…ちゃん?」
櫻子「あかりちゃんはこの前の風邪でキオクソーシツになっちゃったんだよ」
ちなつ「え?え?」
櫻子「誰かさん達が気づかなかったせいでね!」
ちなつ「!」
向日葵「ちょっと櫻子!言い過ぎですわ!」
ちなつ「それ本当…なの?あかり…ちゃん?」
あかり「…はい、だからあなたが誰だかも…ごめんなさい…」
ちなつ(私のせいで…でもあの時は誰も気づいてなかったし…私一人のせいってわけじゃ…)フラッ
向日葵「吉川さん?大丈夫ですの?」
ちなつ「え、うん。大丈夫大丈夫!」
ちなつ「私は吉川ちなつ。あかりちゃんのお友達だよ」
櫻子(あかりちゃんに気づかなかったくせに…)
あかり「そうでしたか…よろしくお願いします吉川さん」
ちなつ(吉川さん…か…)
~放課後~
ちなつ「あかりちゃん!部活行こうか!」
あかり「私は部活をやっていたんですか?」
ちなつ「そうだよ。ごらく部って言ってね…」
櫻子「ごらく部には行かない方がいいよ。あかりちゃん」
あかり「え?」
櫻子「それだけ。じゃああたしは生徒会に行くね。困ったことがあったらいつでも来てねあかりちゃん」スタスタ
向日葵「櫻子!ちょっとお待ちなさい!」タッタッタ
ちなつ(櫻子ちゃん…そう…だよね…私達はあかりちゃんに…)
あかり「吉川さん?部活に行かないんですか?」
ちなつ「え?ああ、行こう」
~ごらく部~
ちなつ・あかり「失礼します」
京子「ちなつちゃー…ってあかりぃ!」ダキッ
あかり「うっ苦し…いです…」
結衣「京子」
京子「結衣ー止めるなよーあかりが来たんだからさー」ポロポロ
結衣「私も混ぜろよ」ダキッ
あかり「さらに…苦しい…」
結衣「あかり…ごめんな…」
ちなつ「京子先輩…結衣先輩…その…あかりちゃんは…」
京子・結衣「?」
あかり「あの…どちら様ですか?」
京子「あかりー何言ってんだよ笑えないぞー」
結衣「そうだぞあかり」
ちなつ「先輩…あかりちゃんはこの前の高熱で…」カクカクシカジカ
京子「そんな…」
結衣「私達のせいで…」
ちなつ「……」
あかり「私達のせい…?」
京子「実はあかりは……」カクカクシカジカ
あかり「そうだったんですか…」
京子「ごめんなぁ…ごめんなあかりぃ…」ポロポロ
結衣「許してもらおうとは思わないがそれでも謝らせてくれ、ごめんあかり…」
ちなつ「ごめんねあかりちゃん…」
あかり「私は気にしてませんよ!そもそもみんなに気づかれるような努力をしなかった私が悪いんですから…歳納先輩も船見先輩も吉川さんも気にしないで下さい!」
京子「あかりは変わらず良い子だなぁー」ズビッ
結衣「ああ、これでごらく部が再始動できるな!」
あかり「えへへ…」
ちなつ(ごらく部には行かない方がいいよ……か)
ガラッ
綾乃「としのーきょーこー!赤座さんが復活したって!」
千歳「お邪魔しますぅ~赤座さん大丈夫なん?」
あかり「あ、はい…あのお二人は…?」
綾乃「大室さんと古谷さんが言ってた通りね…ごめんなさい赤座さん…あの時私達もいたのに…」
千歳「ホンマにごめんなぁ」
あかり「気にしないで下さい!私は大丈夫ですから!」
ちなつ(あかりちゃん…本当に大丈夫なの…?記憶がないって軽いことじゃないのに…)
綾乃「ありがとう赤座さん…」
千歳「良かったなぁ綾乃ちゃん気にしてたもんなぁ」
綾乃「ななな、ちょっと千歳!///」
京子「お、綾乃ーあかりに惚れたか~」ニヤニヤ
綾乃「いや私が好きなのは…!」
結衣「綾乃、好きな人いるのか?」
京子「おー!誰だ誰だー!」
千歳「ええなぁ」ダバダバ
あかり(私…空気みたいになっちゃった)
あかり(そうだ…大室さんと古谷さんにお礼言いに行こう)
あかり「吉川さん、良かったら生徒会室まで案内してくれませんか?」
ちなつ「え?うん…いいよ」
ちなつ(ちなつちゃんって呼ばれたいよ……あかりちゃん…)
あかり「すいません、ちょっと生徒会室に行ってきますね」
ワイワイガヤガヤワイワイガヤガヤ
ちなつ「聞こえてないみたいだね…」
ちなつ「このまま行こっか」
あかり「え…でも…」
ちなつ「いいからいいから!」
あかり「吉川さん…いいんですか?あのまま出てきて…」
ちなつ「書き置きしたし、大丈夫でしょ!」
あかり「はぁ…」
ちなつ(あかりちゃんと二人っきり…って私は何を考えてるの!)
ちなつ(結衣先輩…結衣先輩…結衣先輩…結衣先輩…結衣先輩…………………あかりちゃん)
~生徒会室~
向日葵「櫻子。今日はよく働きますわね」
櫻子「向日葵以上に働くなんていつものことじゃん!」
向日葵「その口ねじ切りますわよ」イラッ
ガラッ
あかり・ちなつ「失礼しまーす」
櫻子「あかりちゃんだー!どうしたのー!」
あかり「今日はお二人に大変お世話になったので、そのお礼を言いに…」
向日葵「そんなの気にする必要ありませんわ。友達なんですもの」
櫻子「向日葵にしてはいーこと言うじゃん!その通りだよあかりちゃん!」
あかり「でもお世話になったのは事実ですから…」
ワイワイガヤガヤ
ちなつ(私一人…あかりちゃんも普段こんな気持ちだったのかな…)
櫻子「む~じゃあもうすぐで仕事終わるから、そしたらどっか遊びに行こう!」
あかり「いやでも…それじゃ…」
向日葵「櫻子にしては良いこと言うじゃありませんの。それで良いですわね赤座さん」
櫻子「向日葵のやつ…根に持ってやがったな…」
あかり「じゃあここで待ちますね、吉川さんも一緒に……って吉川さん?」
櫻子「ちなつちゃんがいなくなった?」
あかり「はい…部室に戻ったのかもしれないのでちょっと探してきます」
櫻子(自分を無視した相手を探すなんてあかりちゃんは本当に良い子だなー)
櫻子(だからこそ…ごらく部がやったことは許せない許したくない…杉浦先輩も池田先輩も!)
櫻子(でもあかりちゃんが許すって言ってるのに関係ないあたしがこんなこと思ってても…)
向日葵「櫻子」
櫻子「え!何!?」ビクッ
向日葵「あなたは頭が良くないんですからそんなに難しく考える必要はありませんよ」
櫻子「い、いきなり何言い出すんだよおっぱい魔人!」
向日葵「私達の大切な友達が許すと言ってるのですから私達は気にしなくていいのです」
櫻子「大切な友達だからこそ…」
向日葵「櫻子の言いたいことも分かります。ですが、赤座さんの意思を尊重しましょう」
櫻子「ソンチョー?あかりちゃんはどこの村の人なの?」
向日葵「はぁ?」イラッ
櫻子「なんだよ!」イラッ
~ごらく部室~
京子「ちなつちゃん?来てないよ?」
あかり「そうですか…分かりましたありがとうございます歳納先輩船見先輩!」タッタッタ
京子「あかり…もう京子ちゃんって呼んでくれないのかな…」グスッ
結衣「あかりの記憶は戻るよ…絶対!」
京子「結衣ぃ…結衣ぃ…」ポロポロ
結衣「京子…」ギュッ
あかり「はぁはぁ」タッタッタ
あかり(吉川さん…一体どこに…)
――――
―――
――
―
ガラッ
櫻子「お!あかりちゃん待ってたよ!ちなつちゃんは?」
あかり「どこにもいませんでした…」
向日葵「もう帰ってしまったのかもしれませんわね…」
櫻子「じゃあ残念だけどちなつちゃん抜きで行こうか」
あかり「はい…」シュン
向日葵「赤座さん元気を出してくれませんか?あなたに暗い顔をされるとみんな暗くなってしまいます」
あかり「はい!吉川さんには明日事情を聞きます」
櫻子「よーしその意気だ!行くよあかりちゃん!向日葵!」
あかり「はい!」
向日葵「気をつけないと転びますわよ」
あかり(それにしても吉川さんどこに行ったんだろう…)
櫻子「あかりちゃん!」
あかり「あ!はい!」ビクッ
櫻子「まったくーまだちなつちゃんのこと考えてたなぁー」
あかり「あはは…」
櫻子「それでさ、大室さんって呼ぶのやめてよ!」
向日葵「私も気になってましたわ」
あかり「え?」
櫻子「前は櫻子ちゃんって呼んでくれてたからさ!今も櫻子ちゃん…いやもうこの際櫻子って呼んでよ!」
向日葵「私のことも向日葵で結構ですわ」
あかり「そ…それじゃあ、改めてよろしくお願いします櫻子、向日葵」
櫻子「それでよし!あたしもあかりって呼ぶからね!」
櫻子「よろしくあかり」
向日葵「よろしくお願いしますわあかり」
あかり「えへへ…とても嬉しいです」
櫻子「それじゃー遊ぶぞー!」
あかり・向日葵「おー(ですわ)」
~吉川家~
ちなつ(なんで帰っちゃったんだろう…)
ちなつ(一人にされたから?)
ちなつ(あかりちゃんは帰らなかった…)
ちなつ(あかりちゃんが櫻子ちゃんや向日葵ちゃんと仲良くしてたから?)
ちなつ(私は結衣先輩が……)
ちなつ「もう…わけ分かんない…」
~赤座家~
あかり「ただいまー」
あかね「あらあかり。お帰りなさい」
あかね「家の場所は大丈夫だったの?」
あかり「友達が送ってくれたんです」
あかね「あら、良いお友達を持ってるのね」
あかり「はい!それで明日も迎えに来てくれるって」
あかね「ふふ…良かったわね。じゃあ荷物を置いて手を洗ってきなさい」
あかり「はーい!」
あかね(あかりの友達だもん良い子に決まってるわよね)
~翌日~
あかり「おはようございますお姉さん」
あかね「おはようあかり。朝ご飯できてるわよ」
あかり「はい!いただきます」
あかね(お医者さんはしばらくすれば治るって言ってたけど…)
あかね(記憶を失ってもあかりはあかりだわ)
あかね(このままでも…)
ピンポーン
あかね「お客さんかしら?」
あかり「お姉さん、私が出てきます」
あかり(櫻子と向日葵かな?)
あかり「はい」ガチャ
京子「ようあかり!迎えに来たぞ」
結衣「おはようあかり」
あかり「え?なんで歳納先輩と船見先輩が…?」
京子 「あーあかりと私達は幼なじみでさ、ごらく部の仲間でもあるし朝一緒に言ってたんだよ」
あかり「そうでしたか…すみません。今日は櫻子と向日葵が迎えに来てくれる予定になっていて…」
結衣「大室さんと古谷さんが…?」
京子「なにー!幼なじみの私達を差し置いて…」
結衣「やめろ京子!」
京子「結衣…?」
結衣「分かった私達は先に行くよ。学校でなあかり」
あかり「はい…すみません折角来ていただいたのに…」
結衣「気にするな。それじゃ」
京子「……」テクテク
結衣「……」テクテク
京子「私達よりおっぱいちゃんとちっぱいちゃんか…」
結衣「仕方ないだろ…あかりは覚えてないんだから」
結衣「それに私達はあかりに対して………」
京子「………ちなつちゃん迎えに行こう…」
結衣「……うん」
ちなつ「おはようございます京子先輩、結衣先輩」
京子「おはようちなつちゃん」
結衣「おはよう」
ちなつ「あの…あかりちゃんは…?」
結衣「大室さんと古谷さんと行くって」
ちなつ「そうですか…」
ちなつ(あかりちゃんがいなくて少しホッとしたけど、櫻子ちゃん向日葵ちゃんと行くんだ…)
~赤座家~
ピンポーン
あかり「はーい!」ガチャ
櫻子「ハァ…おはよう…ハァ…あかり…」
向日葵「おはよ…ハァハァ…ございます…ハァ…あかり…」
あかり「なんで二人とも息切らしてるんですか!?」
向日葵「ハァハァ……ふぅ…櫻子が寝坊をいたしまして」
櫻子「ハァハァ…ふぅ…なにー向日葵がおっぱいに手間取ってるからだろー!」
あかり「玄関でそんなこと言わないで下さい!」
櫻子「ごめんごめん」
向日葵「とにかく行きますわよ。このままでは遅刻してしまいます」
櫻子「まったく向日葵が…」タッタッタ
向日葵「櫻子が…」タッタッタ
あかり「ほら二人とも!」タッタッタ
~教室~
ガラッ
あかり「良かった…間に合った…」
櫻子「ギリギリセーフ!」
ちなつ(あかりちゃんが来た…)ドキッ
ちなつ「三人ともおはよう!」
櫻子「おはようちなつちゃん」
向日葵「おはようございます」
あかり「おはようございます吉川さん」
ちなつ(吉川さん…)ズキン
櫻子「向日葵のせいだよねーあかり?」
向日葵「はぁ?櫻子のせいですわよねあかり?」
ちなつ(あかり…?)
あかり「櫻子も向日葵も悪いってことでどうでしょうか?」
櫻子・向日葵「よくない(ですわっ)!」
あかり「まったく…」ヤレヤレダゼ
ちなつ(櫻子?向日葵?)
あかり「どうしました?」
あかり「吉川さん」
ちなつ(私だけ吉川さん…櫻子ちゃんも向日葵ちゃんもいつの間にか名前で呼んでるのに…)
ちなつ「……なんでもないよ」
あかり「?」
あかり「痛っ」ズキッ
あかり(頭が…痛い…)ズキッズキッ
あかり「……」ズキッ
あかり「治まった…?」
あかり「何だったんだろう…?」
~放課後~
あかり(なんか今日は頭がよく痛むなぁ…)ズキッ
あかり「吉川さん部活に行きましょうか?」
ちなつ「………」
あかり「吉川さん?」
ちなつ「行かない」
あかり「え?」
ちなつ「帰るじゃあね」
あかり「ちょっと吉川さん!」
~生徒会室~
ガラッ
櫻子「あかりじゃん。どうしたの?」
あかり「櫻子と向日葵に用があって…」
向日葵「どうしました?」
あかり「今日吉川さんを部活に誘ったら帰ってしまって…」
櫻子「なんか用事があったんじゃないの?」
あかり「それがなにやら様子がおかしくて…それで心配なので吉川さんの家に行こうと思ったのですが…」
向日葵「場所が分からないってことですのね」
あかり「はい」コクン
向日葵「しかし私達にも仕事が…」
あかり「いや地図を書いてくれればそれで充分です」
櫻子「迷ったら危ないよ!」
ガラッ
りせ「………」
西垣「気にするな行ってこいって松本が言ってるぞ」
向日葵「会長!」
櫻子「聞いてたんですか?」
りせ「………」
西垣「最初からな」
櫻子「なら入ってくればいいのに…」
向日葵「それよりあかりについて行っていいんですの?」
りせ「………」
西垣「二人はよく仕事してるし大切な友達のためなんでしょう?なら行くべきだってよ」
櫻子「会長…」
向日葵「ありがとうございます」
あかり「会長さん!ありがとうございます!」
りせ「………」
西垣「気にするな。生徒の為に動くのが生徒会会長だって言ってるぞ」
櫻子「そうと決まれば早速行こう!」
あかり「はい!」
向日葵「では行ってきます会長、西垣先生」
西垣「おー行っといでー」
ガラッ
タッタッタ
西垣「いやしかし松本よ。若いってのはいいよなー」
りせ「………」
西垣「え?いや私はもう結構年食っちゃってるし」
りせ「………」
西垣「はっはっは。松本も若いうちに色々やっとかないと勿体ないぞ」
りせ「………」
西垣「嬉しいこと言ってくれるねーじゃあ、また実験しに行くか!」
りせ「………」
西垣「大丈夫だってーちょっと爆発するくらいだからさ」
ガラッ
綾乃「あら?西垣先生いらしてたんですか」
千歳「また実験失敗したんですかぁ?」
西垣「ああ、ちょっとな。あと少しだと思ったんだがなぁ…」ブツブツ
りせ「………」
西垣「今日は一年生二人がいないから二年生二人が頑張ってくれって言ってるぞ」
綾乃「二人はどうしたんですか?」
西垣「ちょっと青春しにな」
綾乃・千歳「?」
~吉川家前~
櫻子「ここだよあかり」
あかり「ありがとう二人とも」
あかり「それじゃ」
ピンポーン
ちなつ「はい」ガチャ
ちなつ「ってあかりちゃん!櫻子ちゃんに向日葵ちゃんも!」
ちなつ「いったいどうして?」
向日葵「あかりがあなたの様子が少しおかしかったと心配していたので」
ちなつ「そっか………悪いんだけどあかりちゃんと二人にしてくれないかな?」
あかり「え?」
ちなつ「あかりちゃんと話したいことがあるの」
櫻子「それは…」
向日葵「いいですわよ。」
櫻子「向日葵!」
向日葵「もともと私達は案内役ですから」
櫻子「……分かったよ」
ちなつ「ごめんね」
あかり「じゃあ、お邪魔します」
~ちなつの部屋~
ちなつ「いらっしゃいあかりちゃん」
ちなつ(あかりちゃんが私の部屋に)ドキドキ
あかり「ここが吉川さんの部屋…きれいで可愛いですね」
ちなつ「ありがとう」
あかり「それで話したいことと言うのは…?」
ちなつ「………」ドキドキ
ちなつ「………あかりちゃんは私のことどう思ってる?」
あかり「え?」
ちなつ(ばっ、いきなり私はなにをっ!変なこと言っちゃった)ドキドキ
あかり「もちろん大切なお友達だと思ってます。でなければ家にまで来ませんよ」
ちなつ「………櫻子ちゃんと向日葵ちゃんのことは?」
あかり「?同じくらい大切なお友達だと」
ちなつ「ならなんで私は名前で呼んでくれないの!!」
あかり「!」ビクッ
ちなつ「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは名前で呼んでるのに!」
ちなつ「私だけ…吉川さんって…」
ちなつ「それが…寂しくて…」
ちなつ(それが…悔しくて…悲しくて…)
あかり「………」
あかり「あの二人には名前で呼んで欲しいって言われましたから」
あかり「吉川さんもそう言ってくれればお呼びしますよ」
ちなつ「…………」
ちなつ(そうじゃない…私は名前で呼んでほしいんじゃなくて…)
ちなつ(いや名前も呼んでほしい…けど)
ちなつ(あかりちゃんと…)
ちなつ「あかりちゃんは私のこと大切な友達って言ってくれたけど…」
あかり「はい言いました」
ちなつ「私はあかりちゃんと………それ以上の関係になりたい」
ちなつ(いつの間にか私は結衣先輩じゃなくあかりちゃんに惹かれていたんだ…)
ちなつ(結衣先輩を落とすための相談はいつしかあかりちゃんと喋るためのツールに変わり)
ちなつ(あかりちゃんと二人で過ごす時間が好きだった)
ちなつ(そのことに…あかりちゃんが記憶を失ってから気づくなんて…私はバカすぎる)
ちなつ(その上あかりちゃんが倒れてるのにも気づかないで…バカバカバカバカ私のバカ!)
あかり「………………」
あかり「へ?」
あかり「えーーーーー!」
あかり「そ、それ以上って……その……?」
ちなつ「うん」コクン
あかり(え?いや私達女の子同士だよね!)ズキッ
あかり(でも、櫻子と向日葵ってそういう…///)ズキッズキッ
あかり(いや、あの二人はただ仲が良いだけで///)ズキッズキッ
あかり(そもそも記憶がないから私と吉川さんはそんなに…)ズキッ
あかり(頭が…痛い…)ズキッ
ちなつ(やっぱこんなタイミングで言うべきじゃなかったよね)
ちなつ(でも、今言わなきゃ…)
あかり「あのー吉川さんは船見先輩のことが好きなんじゃなかったんですか?」
ちなつ「結衣先輩は確かに好きだったけど今は…ってあれ?あかりちゃんにその話したっけ?」
あかり「え?」
あかり(そういえばなんで私は…なんであかりはそのことを知ってたんだろう?)
あかり(というかちなつちゃんがあかりのことをそんな風に思ってたなんて…///)ズキッ
あかり(ってあれ私吉川さんのことちなつちゃんなんて…自分のことをあかりって)ズキッ
あかり(よく分からない…)ズキッ
あかり(頭が痛い…)ズキッ
ちなつ「あかりちゃん!その……返事…は?」
あかり「わ…たし…は……あか…りは…」ズキッズキッズキッズキッ
バタン
ちなつ「え?」
ちなつ「あかりちゃん!しっかりして!」
あかり(意識が……遠のいて…)
ちなつ「あかりちゃん!」
あかり(吉川…さん…)
ちなつ「あかり!」
あかり(ちなつ…ちゃ…)
あかり「はっ」
あかり「ここ…は?」
あかね「あかり!目が覚めたのね!」
あかり「お姉ちゃん、あかりは何を…?」
あかね「え?あかり…記憶が…?」
あかり「え?記憶?」
あかね「なんでもないわ」ポロポロ
あかり「お姉ちゃんどうして泣いてるの?」
あかね「あかりが無事だからよ…」
あかり(あかりが目を覚ました時は病院にいた)
あかり(熱で数日間眠っていたとお姉ちゃんに聞いた)
あかり「あかり、寝坊助さんだなぁ」
~病院~
あかね「あの…あかりの記憶は?」
医者「ええ、ちゃんと戻りました。もう安心してください」
あかね「良かった…」
あかね「あの、変な言い方ですが記憶を失っていたときの記憶は?」
医者「失っているようですから数日間寝ていたと教えた方がよいでしょう」
あかね「はい、分かりました」
あかね(あかりが戻ってきた)
あかね(でも記憶を失っていたときのあかりは戻ってこない)
あかね(でもあかりがいる…)
あかね(それだけで私はいい)
あかね(だってあかりは…)
あかね(私の大切な妹なんですもの)
~翌日~
ピンポーン
京子「おーいあかりー今日こそは行くぞー」
結衣「ブフッ!」
京子「いや別に京子と掛けたわけじゃねーよ」
あかり「はーい」
あかり「お待たせ。行こう京子ちゃん結衣ちゃん!」
結衣「あかりは朝から元気だなぁ」
京子(あかりの記憶が戻ったとあかねさんから聞かされた)
京子(私は喜んだ反面怖かった)
京子(あかりを放置したことを責められるのが)
京子(でもあかりはそんなことをしなかった)
京子(そして、あかりは記憶を失っていたことを覚えていない)
結衣(だからこそまたこんなことにならないように)
結衣(私達はあかりを守ろうと思った)
結衣(大切な仲間だから…)
あかり「そういえば京子ちゃん。今日こそはってどういうこと?」
京子「そ、それはあれだよ!この前あかりを置いて行っちゃったからさぁ」
あかり「もうひどいよ京子ちゃん!」プンプン
京子「あはは…」
~学校~
あかり「あ、ちなつちゃん今日は朝早かったんだね!どうしたの?」
ちなつ「あかりちゃん…」
ちなつ(昨日お姉ちゃん経由であかりちゃんのお姉さんに聞いた通りあかりちゃんは元に戻ったんだ…)
ちなつ(でもその間の記憶はなくなって…私の告白も…)
あかり「あ!櫻子ちゃんと向日葵ちゃんだ!おはよー!」
櫻子「おーすあかりちゃーん!」
向日葵「おはようございます赤座さん」
ちなつ(みんなもあかりちゃんが記憶を失っていたことは隠してる…)
ちなつ(だから私が…私だけがあかりちゃんの記憶喪失をほじくり返すことはできない…)
あかり「ちなつちゃんどうしたの?」
ちなつ「ん、なんでもないよあかりちゃん」
あかり「?」
ちなつ「今日も頑張ろうね!」
あかり「うん!」
~放課後~
あかり「ちなつちゃん!部活行こう!」
ちなつ「…うん」
~ごらく部~
京子「今日は学校探検でもやろう!」
結衣「なんだそれ」
京子「あまりにも暇だからねー面白いもの見つけた方が勝ちってことで」
京子「じゃあ行こうぜ結衣!」
結衣「まったく」
あかり「行っちゃったね…」
ちなつ「そうだね」
あかり「じゃあ私達も」
あかり「行こう」
あかり「ちなつ」
ちなつ「え?」
ちなつ(今、ちなつってなんで…?)
あかり「どうしたの?」
ちなつ「覚えててくれたんだ…」
あかり「これだけは、ね」
ちなつ「ありがとう、あかり」ギュッ
あかり「どういたしまして、ちなつ」ギュッ
あかり(夢の中で悲しそうなちなつちゃんにあった気がする…)
あかり(名前を呼ぶと嬉しそうにしてた)
あかり(あれは夢じゃなかったのかな…?)
ちなつ「あかりどうしたの?」
あかり「なんでもないよぉ。で、まだ手をつなぐの?」
ちなつ「いや?」
あかり「もちろんいやじゃないよ!」
あかり(夢でもなんでもいい)
あかり(今あかりの隣にちなつがいるのは夢じゃないのだから)
終わり
もしもしから遅筆糞SSをスマン
初めて書いたから稚拙なとこが多数あったけど支援してくれてありがとう
最初からちなつとあかりをくっつけるつもりだったんだ
それじゃまたどこかで
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