美少女「一人で食べるフライドポテトは美味しいなぁ!」(197)

美少女「今ならLサイズだって150円だよ!」

美少女「あはは……ちょっと、多いや」

モグモグ

美少女「……」

コンコン

ガチャ

妹「……お姉ちゃん」

美少女「あ……たべる?」

妹「また……ズル休み?」

美少女「あ、あは……」

妹「……お姉ちゃん」

美少女「ち、違うよ!えーと、今日は頭痛が痛くて」

妹「頭が痛いの?それとも頭痛がするの?」

美少女「えーと……」

妹「昨日は腹痛、一昨日は腰痛だっけ?」

美少女「……」

妹「バリエーションに富めば良いってもんじゃないよ」

美少女「……」

妹「明日は、ちゃんと行きなよ?」

美少女「うー……」

妹「学校で、何かあったの?」

美少女「何も……ない」

妹「なら」

美少女「何もない……から」

妹「から?」

美少女「何もないから……行きたくない」

妹「……あのさぁ」

美少女「……」

妹「部活でも入ったら?」

美少女「人間関係は疲れるので……」

妹「それじゃあ一生何もないよ……」

美少女「返す言葉もございません……」

妹「そこは返してよ……」

美少女「えっと、その……」

美少女「あの……」

美少女「……」

妹「……はぁ」

美少女「……ごめん」

妹「謝らない」

美少女「ご、ごめ」

妹「また」

美少女「ぅ……」

ピンポーン

美少女「!」

妹「……誰かな?」タッ

バタン


美少女「……」ソワソワ

美少女「……」ソワソワ

ガチャ

妹「お姉ちゃんのクラスの人だけど」

美少女「そ、そう」

妹「そうって……」

美少女「む、無理……」

妹「男の人だけど……」

美少女「!!」

妹「心当たり、あり?」

美少女「う、ううん」

妹「……はぁ」

バタン

美少女「……」ソワソワ

美少女「……」ソワソワ

ガチャ

美少女「!」

妹「プリントだって」

美少女「あ、そう……」

妹「定期テストの範囲だって」

美少女「……あ」

妹「……忘れてたんだね?」

美少女「……ええと」

妹「忘れてたんだよね?」

美少女「……はい」

妹「……はぁ」

美少女「ごめ」

妹「謝らない!」

美少女「ぁ……」

妹「……」

美少女「……」

妹「明日はちゃんと学校に行くよね?」

美少女「ぅう……」

妹「もー……」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「頼むよ……」

イケメン「嫌だ」

男「一生のお願い!」

イケメン「絶対嫌だ!!」

男「何でだよー……」

イケメン「何で俺が不登校児を説得するのについていかねばならんのだ……」

男「ひ、一人じゃ心細くて……」

イケメン「こんな事言うのもなんだけどさぁ」

男「お、おう」

イケメン「好きなんだろ?その子の事」

男「えあっ!?」

イケメン「図星だろ?」

男「そのあの……なんというか」

イケメン「皆まで言うな……態度で丸わかりだ」

男「やっぱか……はは……」

イケメン「あの子は見た目も悪くないし……ほっとくとすぐとられちまうぜ?」

男「まさか、お前……!?」

イケメン「ねーよ」

イケメン「(高校生とかババァだろ……)」

男「ほっ……それなら良かった」

イケメン「まぁ俺の周りには狙ってる輩も多いがな」

男「ぐっ……」

イケメン「わかったんならさっさと行動に移すべきだな。俺はお前の味方だから安心しろ」

男「味方ならついてきてくれよ!」

イケメン「それとこれとは話が別だろうが!」

男「頼むよー……」

イケメン「はぁ、しかたねーな……」

男「っしゃあ!」

イケメン「ただし!」

男「おっ?」

イケメン「俺は遠くから見守るだけだからな!?」

男「何でだよ!」

イケメン「何でもだ!」

イケメン「(下手したら俺が惚れられてしまうかも、なんざ、口が裂けても言えないだろ常考!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

ピンポーン

男「……」ドキドキ


イケメン「(大丈夫なのか……?)」

ガチャ

妹「はいはい……あぁ、この前の方ですか」

男「は、はい!」

妹「本日は如何様なご用件で?」

男「そ、その、ちょっと、話したいことが、ありまして……」

妹「お姉ちゃんに……ですか?」

男「は、はい」

妹「ふむ……」

妹「……」

妹「わかりました、どうぞあがってください」

男「あ、ありがとうございます」

妹「お姉ちゃんの部屋は、二階に上がって左なので」

男「あれ、妹さんは」

妹「すこし用事ができたので、外出すると伝えておいてください」

男「は、はい……」

バタン

――――――――――――――――――――――――――――――――

妹「あの」

イケメン「うお!?」

妹「ウチに何かご用ですか?」

イケメン「(何この子!ちっちゃい!可愛い!!
美幼女ktkr!!)」

イケメン「……アイツの付き添いだ」

妹「じゃあ何故一緒に来られないんですか?」

イケメン「実は……」

――――――――――――――――――――――――――――――――
妹「なるほどそういうことでしたか」

イケメン「俺としては、頑張って欲しいところなんだがな……」

妹「利害は一致しますね」

イケメン「ん?」

妹「私も協力します。水嶋さん」

イケメン「いや誰だよ」

妹「あれ?芸能人の方じゃなかったんですか?」

イケメン「いやごく普通の一般人ですが……」

妹「すみません、あまりに似ていたもので」

イケメン「あはは……(ぶっちゃけよく言われるんだよな)」

妹「……あの」

イケメン「何だ?」

妹「差し支えなければ、ですが」

イケメン「……うん?」

妹「お兄ちゃん、って呼んでも宜しいですか?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

コンコン

ガチャ

美少女「あ、さっきの誰だったの……」

男「……あ、どうも」

美少女「……」

男「……」

美少女「ってえええええええええ!!??」

男「おわ!?」

美少女「って、なん、な、なん、何で……!!?」

男「あの、妹さんが、用事で、何か、外出するらしくて、入っててと言われて……」

美少女「ソ、ソッスカ、ソ、ソッスヨネ、ハ、ハハイ」

男「とりあえず、落ち着いてくれると嬉しいんだけど……」

美少女「おち、おおちおちおちん落ち着いてるわよ!」

男「(駄目だこれは)」

男「あ、知らないかもしれないから一応自己紹介しておくとー……」

美少女「し、知ってる」

男「え?」

美少女「知ってる……て、天秤座の、A型で、趣味は、読書……」

男「な、何で……」

美少女「さ、最初の、じ、じこ、自己紹介……」

男「(そういえば、そんなことも言ったような……)」

美少女「わ、わた、わたわた私は……」

男「いや流石に知ってるよ」

美少女「へっ」

男「有名だし……」

美少女「この矮小な俗物の名を……?」

男「矮小でも俗物でもないと思うけど……」

美少女「(何かすごく嬉しい……)」ジーン

男「あ、それで話なんだけど……」

美少女「あ、ああ、お、お茶でも、出します」

男「え、いいよそんな気を使わなくて……」

美少女「でも……」

グー

美少女「あ(お昼ご飯まだだっけ……)」

男「あー……」

男「マックでも行く?」

美少女「……マック?」

男「うん」

美少女「ふ、二人で?」

男「あー……やっぱ嫌なら」

美少女「違う!!」

男「!?」

美少女「行こう!!今すぐ行こう!!フライドポテトが今なら150円なんだよ!?さ、さ!行こ!行こ!?」

男「え、ええ!?」

美少女「(一人じゃなくて!誰かと、しかも男の子と二人でマック行くなんて……私!今最高にリア充してる!!非リアのあの頃とはオサラバなんだ!!)」

男「う、うん……今回はこっちがいきなり来ちゃったのもあるし、奢るよ」

ピクッ

美少女「……え?」

男「……ん?」

美少女「……駄目」

男「……え?」


『オゴッテヨ!ワタシタチトモダチデショ?』

『キャーヤッサシーイ!ツイデニジュースモカッテキテ?』

『モチロンオゴッテクレルヨネ?ワタシタチ、トモダチダモンネ!』


美少女「……駄目!!絶対に駄目!」

男「どうしたの!?」

美少女「割り勘……割り勘じゃないと嫌!」

男「お、え、あぁ……」

美少女「あっ……」

男「……」

美少女「ごめん……」

男「何か……あったの?」

美少女「……」

男「……嫌なら、話さなくても」

美少女「……マック、行こ」

男「……うん」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン「今……なんて?」

妹「お兄ちゃん、と呼ばせていただきたいと」

イケメン「……」

イケメン「(うわああああああ!!!なにこの生物!!!超可愛い!!
もって帰りたい!!可愛いよペロペロ!!!フヒヒ!!お兄さんと楽しいことしようか!!
はっ駄目だ!YESロリコンノータッチ!!やばい可愛すぎて世界がヤバイ!生きていくのが辛い!!フヒヒwwサーセンwww)」

イケメン「いきなり、どうしたんだい……?」

妹「……すみません、初対面の方に対してこのような不躾なことを」

イケメン「いや、それは良いんだ。何か、理由でもあるのかな、と……」

妹「……」

イケメン「もちろん、言わなくても……」

妹「似ているんです」

イケメン「……?」

妹「死んだお兄ちゃんに」

イケメン「……!!」

妹「……すみません。こんな重い話を」

イケメン「……いや、構わないさ」

妹「お兄ちゃんがいたころは、お姉ちゃんももっと明るくて、お母さんも、お父さんもー……」

イケメン「……」

妹「お兄ちゃんが、いた、ころ、は……」ポロ

イケメン「……辛かったんだな」

妹「う……ひっく、ふぇっ……」ポロポロ

イケメン「……だが、妹さん」

妹「……はい?……ぐすっ」

イケメン「俺は君に言っておかなきゃならないことがある」

妹「……はい」

イケメン「俺は君たちのお兄さんの代わりにはなれない」

妹「……」

イケメン「君たちのお兄さんは、一生でたった一人だけだ」

イケメン「俺は俺という人間でしかない」

イケメン「それに……」

イケメン「亡くなったお兄さんは、君たちの中で生き続けているんだ」

イケメン「勝手に殺すなと怒られてしまうよ」

妹「……」

イケメン「……まぁ」

イケメン「君はもう、無理しなくていい」

イケメン「君はまだ、ただの子供だ」

イケメン「辛くなったら、いつでも大人に甘えれば良い」

妹「……」

イケメン「君さえよければ、俺に甘えてくれれば良いさ」

妹「……」

妹「おに゛……」

妹「お兄……ちゃ……ん」ポロポロ

イケメン「……よしよし」

イケメン「あ、最後に一つ」

妹「なんでずか」グスッ

イケメン「俺は君のお義兄さんになる気はないぞ」

イケメン「……大切な、友を裏切りたくはないからな」

妹「……あ、それは結構です」

イケメン「おおう!?」

妹「別に私は貴方にお義兄さんになって欲しいなんて言ってませんし」

妹「むしろ嫌です」

イケメン「(自分で言っておいてアレだけどなんか傷つくでござるwwwwワロタwwwwワロタ……)」

妹「……お兄ちゃんは、私のですから」

イケメン「……」

イケメン「……(あれ?これフラグ?)」

妹「あ、お姉ちゃんたちが外出するようです!」

イケメン「何!?追うぞ!」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「ハンバーガーセットください!ポテトはLで!ポテトはLで!」

男「(元気良いなぁ……)あ、俺チーズバーガーセットで」

美少女「ポテトはLで」

店員「かしこまりました」

男「(えっ……まぁいいか)」



妹「マックに入ったようです」

イケメン「俺たちも時間をずらして入ろう」

――――――――――――――――――――――――――――――――

店員「お待たせしました」

美少女「~♪」

男「マック、そんなに好きなの?」

美少女「えっ、そのあの」

美少女「(そういえば、好きでもないのにこんなに喜んでたら気持ち悪いよね)」

美少女「だ、大好きだよ!!」

店員「(素晴らしい宣伝だ)」



イケメン「このポジショニングならかろうじで会話が聞こえるな」

妹「お姉ちゃんは大丈夫でしょうか……」

イケメン「まぁよっぽどのことがなければ……」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「それで、話なんだけどさ……」

美少女「~♪」モシャモシャ

男「(うわっ!明るっ!話辛っ!)」

男「(というか何でこんな明るい子が不登校気味なんだよ!)」

美少女「あ、ごめん、何?」

男「いや……何で学校来てないの?いや割とガチで」

美少女「えっ……」

男「あ」

美少女「……」

男「(しまった)」

美少女「……だって」

男「(お?)」

美少女「……だって、つまんないんだもん」

男「……つまんない?」

美少女「た、退屈だし、授業、面白くないし……」

男「はぁ……」

美少女「あ、あなたも」

男「ん?」

美少女「あ、貴方も、わ、私に説教する気?」

男「え?」

美少女「しょ、将来がどう、とか……い、言うつもり、なんでしょ?
せ、先生に言われたの?な、内申点、欲しいの?」

男「……いや」

美少女「だ、だったら何よ、ば、罰ゲームか、何か?」

男「ただ単に、君に学校に来てほしかっただけ」

美少女「……は、はぁ?」

男「そういえば……別段、大した理由もなかった」

美少女「え?」

男「いや、何というか」

美少女「……」

男「ただ単に、君がいないのが何か違和感を覚えたというか」

男「いてほしいというか……」

男「(はっ俺何言ってんの!?何これキモい!確実に引かれる!)」

男「いあっごめっ今のは」

美少女「……」ポー

男「……あれ?」

美少女「……ひゃい!?」

男「ごめん、聞いてた?」

美少女「ひゃ、ひゃい!」

男「……(聞いてなかったくさいな)」

美少女「……私がさ」

男「うん?」

美少女「学校に行ったら」

男「うん」

美少女「何が、あるの?」

男「……俺が喜ぶ」

男「(はっ)」

男「やっぱ今のな」

美少女「ひゃー……」

男「…あれ?(フラグ?)」

美少女「じゃ、じゃあさ」

男「何?」

美少女「ひ、一つだけ」

男「うん」

美少女「わ、私とお友達になってください!!」

男「え?」

美少女「そ、そしたら学校行ってあげる!」

男「……そんなのでいいの?」

美少女「えっ、えっ」

男「え?」

美少女「こ、断らないの?」

男「いや、何で?」

美少女「いや……」

美少女「……その、ほら」

男「うん」

美少女「私、暗いし」

男「そう?」

美少女「引きこもりがちだし」

男「だから来たんじゃん」

美少女「友達いないし」

男「俺が友達になればいいじゃん」

美少女「……」

男「……」

美少女「本当にいいの?」

男「そりゃまぁ」

美少女「や、休み時間に談笑したり」

男「うん」

美少女「お昼休みにお弁当食べたり」

男「うん」

美少女「テ、テスト前に勉強教え合ったり」

男「実際今テスト前だし」

美少女「ちょっと帰りに買い物したりしてくれるの!?」

男「俺でよければ」

美少女「……」

男「……」

美少女「……ふぇぇ」ポロポロ

男「!?」



イケメン「やったねたえちゃん!!友達ふえるよ!!」

妹「お姉ちゃん落ち着いてー!!」

買い物したり×
買い物につきあってくれたり○

訂正

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「……落ち着いた?」

美少女「……うん。ごめん」

男「気にしなくていいよ」

美少女「……ぁ、ありがと」

男「……あのさ」

美少女「な、何……?」

男「嫌なら、いいんだけど……」

美少女「……」

男「昔、何かあったの?」

美少女「……」

男「あ、やっぱり今のはなかったことに……」

美少女「……ごめん」

男「いや……」

美少女「今は、ちょっと無理だけど……」

男「……」

美少女「いつか、ちゃんと話す」

男「……はい」

男「(この子のキャラがいまいちつかめん……)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

アリガトウゴザイマシター

美少女「……その」

男「……ん?」

美少女「きょ、今日は……あ、あり、ありが、とう」

男「こ、こちらこそ……」

美少女「わ、私」

男「……」

美少女「あ、あした、が、学校行くから」

男「……おっけ。待ってる」

美少女「……(うっひょい!)」



妹「今日はお赤飯だね、お姉ちゃん……」

イケメン「良く考えたら俺ら意味なかったな」

妹「まぁいいじゃないですか。むふふ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「……おはよう」

美少女「お、おはようございますゅ……」

男「(……ゅ?)」

男「ちゃんと来てくれたんだな」

美少女「……あの」

男「何?」

美少女「あ、あまり話しかけないで……」

男「えっ」

美少女「……照れる」

男「(何この生物可愛い)」


イケメン「あ、もしもし?壁殴り代行ですか?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

キーンコーンカーンコーン……

美少女「……」ガタッ

スタスタスタスタスタ

男「な、何……?」

美少女「お、お昼」

男「ああ……」

美少女「あ、あの、いや……」

男「え?」

美少女「屋上で……」

男「(いつもいないと思ったらそういうことか)」

男「おっけい。じゃあ……」

男「あれ……あいつ、どこいった」

男「……まぁいいか。あいつにもいろいろあんだろ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン「リア充は爆発すべき」

友「お前が言う……?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「……」モグモグ

男「……あのさ」

美少女「ひゃい!?」

男「そんな無口だっけ?」

美少女「え、えと……」

美少女「その……」

美少女「こ、こんな風に、お昼、た、食べたのは、ひ、久しぶり、で…」

男「……」

美少女「……なんというか、落ち着かないと、言うか」

男「やっぱり俺より他の人の方が」

美少女「ち、違くて!」

男「えっ?」

美少女「な、なんというか、う、嬉しくて、ほわほわしてて」

男「……」

美少女「う、うまく、話せない、というか……」

男「(何この生き物信じられないくらい可愛い抱きしめたい衝動に駆られる)」

美少女「……ごめん、うまく言えない」

男「いいんだ、いいんだよ」ナデナデ

美少女「な、なにー?」

男「あっごめん思わず」

美少女「あっ」

男「ん?」

美少女「も、もっと」

男「(KAWAEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

DQNA「……で……だろ?」

DQNB「……わかった、それで……」

DQNC「……よし……」



イケメン「……なんか、嫌な予感がするな」

友「どした?」

イケメン「いんや。何も」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「た、ただいま……」

妹「おかえり、お姉ちゃん」

美少女「むふふ……」

妹「どうしたのお姉ちゃん。ニヤケてるよ?」

美少女「そ、そんなことないよ~!」

妹「(うわぁ露骨に嬉しそうだなぁ)」

妹「何かあったの?」

美少女「それがねー私友達ができたの!!」

妹「本当?よかったじゃん!(実は知ってるけど)」

美少女「それでねそれでね……」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン『と、いうわけだ』

男「なるほど……わざわざありがとう」

イケメン『いや、こちらも注意は払っとくから、そっちも怠るなよ』

男「おう。もちろんだ」

ピッ

男「……やっぱ、そううまくはいかないか」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「あ、あの!」

男「おう!?」

美少女「きょ、きょ、きょきょきょ……」

男「とりあえず落ち着いて」

美少女「今日、い、一緒に勉強しない?」

男「……勉強?」

美少女「え、ぁ、う……い、嫌なら」

男「いや、全く問題ないよ」

美少女「本当!?」

男「教科は何?そういえば俺結構置き勉激しくてさ……」

美少女「え、英語とか……」

男「おっけ。教科書とってくるわ」

美少女「あ、私も……」

男「いいって。先帰っておいてくれる?」

美少女「……待ってる」

男「……ん、わかった」

男「(まぁ、いざとなればアイツもいるし、大丈夫だろ……)」

タッ

美少女「……」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「……まだかな」

DQNA「おい、君二組の生徒!?」

美少女「え、あ、はい!」

DQNB「何か君の知り合いっぽいのが倒れてるんだよ!こっち来てくれない!?」

美少女「えっ……!?(嘘、まさか……!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「……どうしたよ。何の用だ?」

DQNC「わかってんだろ……?」

DQND「もちろんお前は手ぇ出せないよな……?」

男「お前ら……まさか!?」

DQNE「ぐへへwwwwwwふへへwwwwww」

男「(笑い方がキモい!)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「あの……誰もいませんが」

DQNA「ウヒヒ……そりゃそうさ!!」ガバッ

美少女「きゃっ!?」

DQNB「ちょっと大人しくしてれば済むからねぇ……」

美少女「いや……いやあっ!!」

イケメン「せんせーこっちっすこっちー」

DQNA「ゲェッ!先公だと!?」

DQNB「ちっ!ずらかるぜ!!」

タッタッタ……

イケメン「いつの時代のヤンキーだよ……」

美少女「ひっく……ひっぐ……」

イケメン「おい、大丈夫か……」

美少女「……あ!」

イケメン「どうした?」

美少女「嫌な予感がする……こ、こっち!」

イケメン「おおう!?(立ち直り早っ!?)」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン「……なんだよ、誰もいないじゃねーか」

美少女「おかしいよ……」

イケメン「ん?」

美少女「さっき、教科書取りに行くって……」

イケメン「……まさか!」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン「……おい!大丈夫か!?」

男「ってぇ……。あぁ、余裕余裕」

美少女「血……が……」

男「ちょっと転んじゃってな」

美少女「あ……」

美少女「いやあああああああああああああああああ!!!!!」

男「……!?」

美少女「わ、わた、私の、せ、いで……!」

男「……おい!」

イケメン「お前は大丈夫なのか!?」

男「こんなのかすり傷だよ!それより」

美少女「いやああああ!!もう嫌!!!」

ダッ

男「あっ!ちょっと待っ……」ズキッ

男「ぐっ!?」

イケメン「クソが……俺が気づくのが遅いばっかりに」

男「そんな事より、あの子を」

イケメン「バカ野郎が!」

男「なんで!?」

イケメン「お前が追わなきゃ意味がないだろうが!?」

男「足が痛いんだよ!」

イケメン「じゃあ病院だろうが!」

男「わかってるよんなこたぁ!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――

医者「頑丈な体をしてるんですねぇ……打撲くらいしか見つかりません」

男「体が資本なもので」

医者「で、転んだとは思えない傷についてですが……?」

男「すみません、そこらへんはちょっと……」

医者「わかりました。その代わり治療費はしっかりもらいますよ」

男「ひぃ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

イケメン「どうだった?」

男「大丈夫らしい」

イケメン「流石だな……」

男「さぁ、あの子の家に向かわないと……づっ」

イケメン「無理してんじゃねぇよ……流石のお前でも休み無しはムリだろ」

男「……」

イケメン「せめて一日寝てからにしろ。これ以上何かあっても俺は知らんぞ」

男「……悪ぃ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「……(来てない)」

キーンコーンカーンコーン……

先生「よーしHR始めるぞー」

男「(やっぱり、昨日の事が……)」

俺「さぁ、あの子の家に向かわないと……づっ」

俺「無理してんじゃねぇよ……流石のお前でも休み無しはムリだろ」

俺「……」

俺「せめて一日寝てからにしろ。これ以上何かあっても俺は知らんぞ」

俺「……悪ぃ」

――――――――――――――――――――――――――――――――

妹「……お姉ちゃん」

美少女『何?』

妹「いつまで部屋に引きこもってるつもり……?」

美少女『……』

妹「せっかく治ったと思ったのに……ねぇ、何があったの!?」

美少女『もう嫌……私は学校なんて行くべきじゃなかった!!』

妹「お姉ちゃん!!」

美少女『……』

ピンポーン

妹「お姉ちゃん、誰か来たよ」

美少女『帰ってもらって……』

妹「お姉ちゃん、本気で言ってる?」

美少女『誰にも会いたくない!!早く帰ってもらって!!』

妹「もう……知らないよ!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

男「ハァ……はぁ……あの」

妹「お姉ちゃんですか?」

男「は、はい……」

妹「お引き取りください」

男「え!?」

妹「お姉ちゃんは今、誰にも会いたくないそうです」

男「ちょ、話だけでも……」

妹「お願いですから……帰ってください」ポロ

男「……!!」

男「わかりました……」

スタ、スタ、スタ……

妹「これで、良かったのかな……」

ヴーン ヴーン

妹「……メール?」


――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「(もう嫌だ)」

美少女「(私が学校に行くと、嫌なことばっかり起きる)」

美少女「(私だって)」

美少女「(私だって、普通の子、みたいに……)」

美少女「(おしゃべりして)」

美少女「(お昼ご飯食べて……)」

美少女「(何が、何がいけなかったんだろう?)」

美少女「(何で、私ばっかり……)」

ヴーン ヴーン

美少女「……メール?」

美少女「(妹……)」

美少女「(どうせまた、部屋を出ろとか……)」




お前の妹は預かった

身代金1000万円を用意し今から指定する場所に来い

今夜0時までに用意できなければ妹は殺す

警察に連絡をしても妹は殺す




美少女「……え?」

美少女「……そんな、冗談だよね?」

カカカッ

プルルル……

『おかけになった電話番号は……』

美少女「……そんな、まさか」

――――――――――――――――――――――――――――――――

ピリリリリ

ガチャ

男「もしもし?」

美少女『たずけて……お願い、助けてぇ!!』

男「どうした!?何があったんだ!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

美少女「妹から……こんな、メールが……」

男「……!!」

男「(タイミング的に見て狂言である可能性も0ではない)」

男「(だが、万が一本当ならば……!)

男「今すぐ1000万用意しよう……、というか、できる?」

美少女「貯金を下ろせば、なんとか……」

男「とりあえず銀行に行こう。空のカバンを用意して……」

――――――――――――――――――――――――――――――――

タッタッタッタ

男「(銀行でかなり怪しまれてしまった……)」

美少女「この角を多分右!」

男「こ、ここか?」

美少女「た、たぶんここ……」

男「(この廃ビル……)」

男「(昔、来たことがあるような……)」

男「……先に行っててくれ」

美少女「えっ」

男「後から、必ず行くから」

美少女「……うん」

――――――――――――――――――――――――――――――――

カツーン カツーン……

美少女「(怖いよう……)」

美少女「(暗いよう……)」

ガチャ ギィィィ……

妹「お姉ちゃん……」

美少女「……!!」

美少女「よか……った……本当に……よか……」

コートの男『ちょっと君』

美少女「ひっ!!」

コートの男『1000万は、持ってきたかね?』

美少女「こ、ここに……」

ジィ……

コートの男『ふむ、確かに……』

コートの男『では、君はもう、用済みだね?』

美少女「え?」

コートの男『……さよなら』チャキ

美少女「な、ナイフ……?」

ドガッ カラン

男「はいはいそこまでそこまで」

コートの男『……!!』

男「正体は分かってんだぜ」

スルッ

イケメン「バレちゃしょうがないな……」

美少女「……え!?」

男「……どういうことだ?産業で詳しく説明しやがれ」

妹「大変申し訳ありませんでした」

美少女「グ、グルだったの……!?」

イケメン「発案は俺です。スンマッセンしたwwww」

男「おー良かった途中までマジで黒幕かと思って焦ったわ……
ところで1000万なんて無茶苦茶な要求して、できなかったらどうするつもりだったんだよ?」

イケメン「それは妹ちゃんから先に聞いてる。まぁ俺らには縁のない大金だよ……」

男「(すげぇ)」

妹「ウチはお父さんとお母さんがいませんからね」

男「えっ」

イケメン「いやそこは知っておけよ」

美少女「……何で、こんなことを?」

イケメン「君を部屋から引っ張り出すためだけだな」

美少女「帰る」

男「待て!!」

美少女「……」ビクッ

男「せっかく話合いの場を用意してくれたんだ……
何で学校に来ないか、はっきり聞かせてもらうぜ」

美少女「……ふざけないでよ」

男「え?」

美少女「私が……私がどれだけ……!!」

妹「それについては、ごめんなさい」

イケメン「でもな姉ちゃん」

美少女「なんですか!?」

イケメン「君は一人で無理しすぎだ」

美少女「……!!」

妹「いっつもことあるごとに一人で抱えこんで……
本当、どうしようかと思いました。でも」

美少女「……でも?」

妹「今日はちゃんと、誰かに頼れたみたいじゃないですか」

美少女「……!!」

男「(なんか話についていけないなぁ……)」

美少女「私が学校に行くと……いつも辛いことが起きるの」

男「……」

美少女「いじめられたりするのは日常茶飯事。
いじめがなくなったら誰にも相手にされなくなって……」

男「……」

美少女「それでもがんばった、頑張ったのに……」

妹「お兄ちゃんたちが、死んでしまったんです」

男「……!」

妹「昔は私たち、全く逆の性格だったんです。
よく姉はいじめられてる私を助けてくれました」

イケメン「……」

妹「それが、兄の死から……」

男「……」

男「もういいじゃねぇか」

美少女「え?」

男「辛かったんだろ?それでもがんばって、頑張ってきたんだろ?」

男「毎日毎日辛い感情に苛まれてさ、生きるのだってキツかったんだろ?」

美少女「……」

男「じゃあもういいじゃねぇか……なんでお前ばっか辛いんだよ……おかしいだろ……」

美少女「……」

男「忘れろとは言わないけどさ、ホラ、これからは、楽しんでもいいんじゃないの?
普通にさ、学校行ったり、友達と遊んだり」

美少女「そしたら、貴方が……!」

男「俺は現にピンピンしてるだろーが」

美少女「え」

男「俺に迷惑かけるから学校来ない気だったの!?何なのお前バカなの死ぬの!?
ふざけんなよ生きてりゃ誰だって迷惑かけんだよ一生引きこもってる方が社会的に迷惑なんだよ!!」

美少女「あっ……えっ……」

男「お前の迷惑なんて一生俺がかぶってやるから!かけ続けろ!!」

妹「あの」

男「何?」

妹「今のはプロポーズですよね?」

男「えっ?」

イケメン「ヒューヒュー」

美少女「……///」

男「えっ、えっ」

妹「これからも姉をよろしくお願いします。お義兄さん」

イケメン「頼むよ、お義兄さん」

男「えっ」

美少女「えっ」

男「えっ?えっ?」

美少女「えっ?二人、えっ?」

妹「むふふ」

美少女「えっ?えっ?」

イケメン「よろしくお願いしますお義姉さん」

美少女「……えっ?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

カリカリ

男「……」

カリカリ

美少女「……」

カリカリ

美少女「……あの」

男「ん、何」

美少女「いや、その……」

男「え、何もないの?」

美少女「いや、この問題が……」

男「ああ、これ?」

男「……えっと」

男「ここは単語調べて……あ、熟語入ってるな。これ使ったら」

美少女「あ、ありがとう……」

カリカリ

美少女「……」ソワソワ

カリカリ

男「……ん?どうかした?」

美少女「う、ううん」

男「そう」

カリカリ

美少女「……」ソワソワ

男「……?」

クゥ

男「……なるほど」

美少女「あ、いや、その」

男「……なんか食べに行く?」

美少女「いいの!?」

男「いやそりゃそうだろ……」

美少女「ま、マックとか、ど、どうかな」

男「いいよ」

美少女「本当!?」

男「何を疑う余地があるんだよ……」

美少女「い、今ならフライドポテトが――」

男「知ってるって」

――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……ふぁぁ。テスト、どう?」

美少女「……」ムフー

男「あ、自信ありね」

美少女「ほ、本当は」

男「ん?」

美少女「ぜ、全部赤点だったかも、し、しれないから……」

男「……はぁ」

美少女「そ、その……ありがとふ」

男「(……ふ?)」

ガララー

先生「オラーお前らテスト返すぞー」

ザワザワ……

美少女「……」ムフー

男「……67点でドヤ顔なんだ」

美少女「こ、こっちは73点」

男「まぁ……悪くはないよね」

イケメン「俺97点だったけど?」

男「聞いてねぇよ死ね」

イケメン「ひどい」

男「あー……テスト疲れた」

美少女「そ、そうかな?」

イケメン「(テストが疲れないとかどういうことだってばよ)」

美少女「あ、あ、あのさ」

男「ん?」

美少女「か、帰り、三人で、ど、どっか行かない?」

イケメン「構わないけど……嫁呼んで良い?」

男「……嫁?」

――――――――――――――――――――――――――――――――

妹「で、またマックですか?」

男「しょうがないだろ、あの笑顔には勝てん……」

美少女「ポテトはLで!!」

イケメン「チーズバーガー三個ください」

美少女「ポテトはLで!」

店員「かしこまりました」

イケメン「!?」

――――――――――――――――――――――――――――――――
妹「あーん」

イケメン「え、流石に恥ずかしい」

妹「あーん」

イケメン「……」パク

男「ヒューヒュー!!」

イケメン「うっせーお前らもやれよ!!おらっ!!」

男「いやそれは流石に」

美少女「……」スッ

男「え?やる気?」

美少女「……あ、あーん」

男「……」

イケメン「ちょっといいとこ見てみたいー」

妹「イッキ、イッキ、イッキ」

男「違う!それ違う!」

男「……むぐ」パク

美少女「……///」

イケメン「ヒュウウウウウウwwwwwwwヒョオオオwwwww」

妹「暑いねぇwwwwwwwwお二人さんwwwwwwwwwww」

男「お前らのキャラどうなってんだよ」

美少女「や、やっぱり、フライドポッテトはおいしい」

男「ん?」

美少女「ひ、一人で食べるフライドポテトも、悪くないけど」

男「……」

美少女「たくさんで食べる、フライドポテトは」

美少女「もっと、美味しい」

男「……」

ギュ

美少女「は、わわわわわわ!?」

                      終わり

残念な美少女が書きたかっただけだというのにどうしてこうなった
何で俺の周りには不登校で心の傷を負った美少女がいないのでしょうか?

まぁ読んでくれた人はサンクス
じゃまたどっかで

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