京子「私のミラクるんがぁ~!!」あかり「京子ちゃん落ち着いて!」(148)

結衣「どうしたんだ、そんなに騒いで」

京子「み、ミラクるんに彼氏がぁ・・・!」

ちなつ「馬鹿らし・・・所詮アニメのキャラクターじゃないですか」

京子「もうおしまいだよ!ミラクるんは薄汚い中古に成り下がったんだぁ~!」

あかり「そこまでムキにならなくても・・・」

京子「みんなには私の気持ちなんてわからないんだよぉ!」

結衣「京子、落ち着け!」

ちなつ「これが問題のページですか?」

あかり「うん、このハメテるんっていう新キャラがミラクるんの元カレだったんだって」

ちなつ「ふぅ~ん・・・」パラパラ

京子「もうダメだぁ!生きる希望を失くした!」

ちなつ「そんな大げさな。この彼氏よく見ると可愛い顔してるじゃないですか」

あかり「そ、そうだよ!恋愛のひとつやふたつしてたほうがキャラに深みが出るよ!」

京子「じゃああかりは恋愛してるの?」

あかり「あ、あかりはまだ中学生だし・・・」

京子「だからキャラに深みがないんだ・・・」

あかり「やり場のない怒りの矛先が私に!?」

結衣「おい京子、いい加減にしろよ」

ちなつ「そうですよ。あかりちゃんに足りないのは深みじゃなくて存在感です」

あかり「今さらっとひどいこと言ったよね!?」

京子「あーあ、単行本破って作者に送りつけようかなぁ」

ちなつ「それはイタすぎますよ京子先輩!」

京子「うっ・・・うっ・・・」

結衣「泣くなよ京子。帰りにラムレーズン買ってあげるから」

京子「いらない・・・」

結衣「!?」

あかり「京子ちゃんがラムレーズンを拒否するなんて・・・!」

京子「ラムレーズンなんかいらない!ミラクるんの純潔を返してよぉ!!」

結衣「こりゃ重症だな・・・」

あかり「京子ちゃん、ミラクるん大好きだったもんね」

ちなつ「たかがアニメで・・・バカみたい」

京子「よし!」ガバッ

結衣「!?」

ちなつ「な、なんですか!?」

京子「徹底討論!非処女の是非を問う!」

ちなつ「わー」

あかり「ぱちぱち」

京子「それでは処女派の人はこちら側に、非処女でもいいという人はあちら側に座ってください」

ちなつ「私はどっちでもいいです」

結衣「私も」

あかり「う~ん」

京子「よし、全員席は決まったかな?」

ちなつ「はい」

結衣「早く始めなよ」

京子「結果は処女:非処女1:2かぁ~これは分が悪いな」

あかり「あの~・・・」

京子「あ、あかりいたんだ」

あかり「最初からずっといたよね!?」

結衣「っていうか」

ちなつ「あかりちゃん・・・」

京子「こっち側!?」

あかり「うん。私がいないと京子ちゃん一人になっちゃうから・・・」


京子「あかり、ありがとう!あかりだけは私の味方だって信じてたよー!」

結衣「存在を忘れてたくせに・・・」

ちなつ「いいから早く始めましょうよ」

京子「よし、シリーズ日本のアニメ産業・第一回~知られざる光と闇に迫る~スタートするよ!」

あかり「なんかガイアの夜明けみたいなタイトルになってるよ!?」

京子「はい、じゃあ何か意見がある人~?はい!はい!」

結衣「はい、じゃあ京子さん」

京子「はい!アニメは夢を売る仕事だから非処女なのはいけないと思います!」

ちなつ「はい!」

結衣「はい、ちなつさん」

ちなつ「処女じゃなきゃ夢を売っちゃいけないんですか?」

京子「いけません!」

あかり「言い切った・・・!」

ちなつ「はい!それはどうしてですか?」

京子「非処女は汚い肉便器だからです!」

ちなつ「じゃああなたのお母さんも薄汚い肉便器なんですか?」

京子「・・・!非処女議論でお母さんを出すのは卑怯だと思います!」

ちなつ「異議あり!!」

結衣「異議を却下します」

ちなつ「ええっ!?結衣先輩は私の見方ですよね!?」

結衣「非処女議論でお母さんの話を出されるとなんかブルーになるからです!」

あかり「あかりも賛成!京子ちゃんのお母さんがヒショジョだからってひどいと思います!」

結衣「・・・あかり意味わかってないだろ」

ちなつ「あかりちゃんカワイー」クスクス

京子「いいかあかり、非処女というのはだな・・・」

結衣「言わなくていい!」ポカッ

ちなつ「と、とにかく!恋愛経験を積む事は女の子にとってプラスになることなのでそれを悪く言うのはいけないと思います!」

京子「それ誰が言ったの?」

ちなつ「えっ?」

京子「それどこ情報よ~?」

ちなつ「て、テレビとか雑誌とかでもやってるじゃないですか恋愛してエッチすると女性ホルモンが・・・」

京子「スイーツ(笑)」

ちなつ「えっ?」

結衣「京子さん、意見があるならちゃんと手を挙げてください!」

京子「はい!じゃあ聞くけど、テレビの言う事は絶対正しいの?」

ちなつ「そ、それは・・・」

京子「韓流ブームとか見てたらわかるでしょ。マスコミが自分たちの都合のいいように情報操作してるって」

ちなつ「情報操作?」

結衣「私韓流ドラマ割と好きだよ?」

京子「はぁ~、これだから情弱は・・・」

あかり「じょうじゃく?」

京子「マスゴミに洗脳されてる人のことだよ!」クワッ!

あかり「ますごみ?マスの子どもはタラだよね?」

ちなつ「あかりちゃんは黙ってて!」

あかり「ええっ!?」ガーン

ちなつ「マスコミがダメなら京子先輩は何から情報を得ているんですか?」

京子「そ、それは・・・ネットとか・・・」

ちなつ「ネット!!それこそデマの温床ですよね!?ネットの情報に振り回されてたら結局情弱じゃないですか!」

京子「ネットだけじゃないもん!本当に賢い人は情報をしゅしゃしぇんたくしてるんだよ!」

ちなつ「えっ?今なんて?」

京子「だからしゅしゃしぇんたくしてるの!」

あかり「京子ちゃん、舌が回ってないよ・・・」

ちなつ「前から思ってましたけど、京子先輩って滑舌悪いですよね!」

京子「!!」

結衣「こら!個人攻撃は良くないぞ」

京子「しゅしゃしぇんたく」←かわいい



俺「しゅしゃしぇんたく」←死ね

あかり「はい!ひとつ言わせてください!」

結衣「!」

ちなつ「あかりちゃん・・・」

京子「いたんだ?」

あかり「ひどい!あかり最初からいたよね!?っていうか二度目!」

結衣「はい、あかりさん意見をどうぞ」

あかり「私は難しい事わからないけど・・・」

結衣「いいよ、あかりの言葉で話してみて」

あかり「うん、えっとね。視聴者は好きなキャラに自分の理想の女性像を見てると思うんだ」

京子「うんうん!」

あかり「もし好きな人に付き合ってる人がいたら胸がギュッて締め付けられてるみたいな気持ちになるでしょ?」

ちなつ「・・・うん」

あかり「だからね、私はミラクるんに彼氏がいて怒る人のこと、何となくわかるなぁ、なんて」

結衣「うん、いい意見だ」

京子「よぉし!じゃあこれらの意見を踏まえて最終投票に移ろうか!」

結衣「自分の方に有利な展開のうちに切り上げたな」

京子「あかりの意見、すっごくよかった!これでみんな非処女派になること間違いなしだよ!」

あかり「えへへ~」

京子「よし、じゃあお手持ちの札をお挙げ下さい!」

結衣「いつの間に作ったんだよ・・・」

ちなつ「あれ、京子先輩いま非処女派って言いませんでした?」

京子「言ってないよ!聞き間違いだってば!」

ちなつ「あぁ、京子先輩って滑舌悪いから・・・」クスッ

結衣「こらそこ!個人攻撃しない!」

ちなつ「は~い!」

京子「ちなつちゃんめぇ・・・後で私の舌技を思い知らせてやる!」

結衣「ほら、いいから早く席替えするぞ」

京子「札を挙げるんだってば・・・みんな眠くなってきたの?」

結衣「あぁそうか。ごめんごめん」

あかり「はい、それじゃあ今度こそお手持ちの札をどうぞ!」

結京ちな「あかり(ちゃん)が仕切った!?」

京子「さぁ、結果は・・・?」

あかり「あ・・・あれ?」

結衣:非処女派

ちなつ:非処女派

京子:処女派

あかり:処女派

京子「こ、こんなことって・・・」グニャーン

あかり「そんな、結衣ちゃんちなつちゃんどうして・・・」

ちなつ「ねぇ、あかりちゃんってホントに・・・」

ちなつ「バカだよねぇええええええ!!」

あかり「ええっ!?」ガガーン

ちなつ「アニメキャラに理想の女性像を投影してるって言ったよね?」

ちなつ「理想の女性なら非処女だろうが愛してみなさいよこの甲斐性なし!」

あかり「うっ・・・!」

ちなつ「あとマスの卵はイクラだから!!」

あかり「それ今頃指摘!?」

ちなつ「赤い糸読んだ事ないの?恋空は?砂時計は?」

京子「しまった・・・!」

結衣「他の男の子と秘密を持ってしまう女の子に一途な愛を寄せる男の子がいいんだよね」

ちなつ「そうそう!」

京子「すでにケータイ小説(笑)で洗脳されてたか・・・」

あかり「えっ、えっ・・・?」

京子「あんなのは作者の都合のいい作り話で・・・」

ちなつ「ちがうもん!実話から生まれた奇跡の物語だもん!」

結衣「そ、そうだぞ」

京子「結衣がそんなの読んでたなんて、誤算だった・・・」

あかり「ど、どうなっちゃうの?」

結衣「つまりこれは」

ちなつ「引き分け、ってことですね」

あかり「ええーっ!?あれだけ議論してきたのに!」

結衣「もう時間も遅いしお開きにして帰ろう」

ちなつ「そうですね。これ以上議論しても平行線ですし」

京子「・・・」

数日後

あかり「あれ?京子ちゃんは今日も部室来てないの?」

結衣「・・・あれから京子はずっとふさぎこんだままなんだ」

ちなつ「京子先輩、ミラクるんのことまだ気にしてるんですね・・・」

あかり「京子ちゃん・・・あかりがもっとしっかり議論してれば・・・」

結衣「あかりのせいじゃないだろ。そもそもあかりは処女派だったんだし」

あかり「そ、そうだよね・・・」

ちなつ「・・・」

ガラッ

京子「どうした?みんな雰囲気暗いぞ~?」

結衣「!」

ちなつ「!!」

あかり「き、京子ちゃん!!」

京子「それより見てよ!ミラクるんのイラスト、またうまくなったでしょー」

ちなつ「わ、わーかわいー」

あかり「ほんとだー・・・」

結衣「・・・京子、ミラクるんのことは吹っ切れたのか?」

京子「ミラクるんのこと?あぁ、あれね。それならもう大丈夫!」

結衣「京子、無理してないか?」

京子「してないってば!それにミラクるんはバージンだし!」

ちなつ「え?でも明らかに関係を臭わせる台詞が・・・」

京子「セカンドバージンだよ!!」

結ちなあか「せかんどばーじん?」

京子「一度処女を失った女性でも今度は結婚するまでエッチをしないと誓えばセカンドバージンなんだよ!だからミラクるんは処女!」

結衣「い、いやいや・・・」

ちなつ「なんて都合のいい言葉・・・」

あかり「と、とにかく元気になってよかったよ!」

京子「ところであかりの好きな人って誰?」

あかり「えっ?」

京子「ほら、前に言ってたじゃんもし好きな人に付き合ってる人がいたら胸が締め付けられるって」

あかり「そ、それは・・・恥ずかしくて言えないよぉ」

京子「あっそう、じゃあ別にいいや」

あかり「えっ」

ちなつ「そういえば駅前にケーキ屋さんが出来たそうですね」

結衣「あ、知ってる。アイスケーキが美味しいらしいね」

京子「じゃあ今度帰りに寄って行こう!」

あかり「・・・みんな、あかりにもっと興味持ってよぉ!」



おわり

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