不二咲「出来たよ苗木くん! らーぶらーぶスイッチだ!」 (23)

苗木「いったいどういうスイッチなの?」

不二咲「これを一回押せば、13人の生徒の中からランダムで一人の好感度がマックスになるんだ」

苗木「……13人? 僕たちって15人だよね」

不二咲「苗木くんと僕を抜いて13人。苗木くんも苗木くん自身への好感度があがる展開は期待してないだろうし、僕は……ほら、ね?」

苗木「そっか……それで、これって使う時に気を付けることとかある?」

不二咲「そうだね……効果時間は24時間、スイッチを押した次の0時からその日の24時まで。
     それ以降は好感度マックスの時の記憶はほとんど忘れて、好感度も普通の状態に戻っちゃうよ」

苗木「ふーん」

不二咲「あ、あと、好感度があがりすぎて、もともと恋人同士だったって思い込む人も出てくるかもしれないから、気を付けてね!」

苗木「ちょっとこわいね」

不二咲「うん。だから、くれ悪だよ」

苗木「うん! 任せて!! よし、スイッチオン!!」

              ぽちっ

不二咲「それで明日効果が出ると思うから」

苗木「よし、じゃあ僕は明日に備えてもう寝るよ!! ありがとう、不二咲さん!!」

不二咲「どういたしまして。おやすみ、苗木くん!」

――― 翌日

苗木「よし、早速皆に会いに行ってみよう!!」

苗木「誰の好感度があがってるかなぁ……出来れば、女の子だったらいいなぁ!」

―――

――― 1F 食堂

苗木「おはよう!」

石丸「うむ、おはよう、苗木君!!」

葉隠「おぉ? 苗木っち、今日はなんか元気だべ。なんか良い事あったか?」

苗木「ははは、そんなことないよ!」

山田「にしては何かいつもより顔がスッキリとして晴れやかなような……ま、まさか!!」

桑田「おい、やめろよブーデー、食事前に滅多な事言うなよ」

苗木「そんな邪推されるようなことしてないんだけど……」

大和田「どうでもいいが、飯の用意出来たぞ」

不二咲「えへへ、今日は自信作なんだよ!」

苗木(……男子は変わりない、かな……じゃあ女子の誰か……?」

朝日奈「お腹すいたー! ごっはんー、ごーはーんー!!」

大神「……朝日奈、行儀が悪いぞ」

苗木「朝日奈さん、大神さん、おはよう!」

朝日奈「あ、苗木おはよー! 今日のご飯何?」

苗木「えっと……なんだったっけ?」

大神「既に用意してあるから、席に着いた方が早いだろうな」

朝日奈「そっか! じゃあ行こ、さくらちゃん!!」

大神「うむ」

苗木(……朝日奈さんと大神さんは違う、かな……だとすると)

セレス「まったく……朝から騒がしいですわね……もう少し静かにできないのでしょうか」

舞園「苗木君、おはようございます」

苗木「セレスさんも舞園さんもおはよう。他の二人は?」

舞園「腐川さんはいつも通り十神くんと来るそうです。霧切さんは……ごめんなさい、話す機会がなくて……」

セレス「山田くん、紅茶の用意をお願いしますね」

苗木(……舞園さんとセレスさんも違う……)

             がちゃっ

苗木「おはよう、十神クン、腐川さん!」

十神「……」

腐川「……」

苗木(……ここまで来て、まさか、十神クンってことはないよね……?)

十神「……何を見ている」

苗木「えっ? え、っと……」

十神「用がないなら向こうへ行け。目障りだ」

苗木「あ、ご、ごめん……」

腐川「あ、あ、あんたなんかが目の前に居ていいほど白夜様は安い男じゃないのよ! フンだ! ですよね、白夜様!」

十神「お前は用があろうと寄るな。近くに居るだけで吐き気がする」

腐川「ひっ……」

苗木(……この反応……二人もシロ……ということは!!)

          がちゃっ

霧切「……」

苗木「おはよう、霧切さん!!」

霧切「……おはよう、苗木くん」

苗木「……」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「……何か?」

苗木「……い、いや……なにも」

霧切「そう。じゃあ早く席に着いた方がいいわね。皆待ちわびてるだろうから」

苗木「……あ、ああ、そうだね……あの、ところで霧切さん」

霧切「何かしら?」

苗木「……いや、ごめん……やっぱりなんでもない」

霧切「……」

苗木「……あれ?」

苗木「どういうことなの、不二咲さん! 誰にも効果がないみたいだよ!?」

不二咲「……えっと……そんなこと、ないと思うけど……」

苗木「でも、皆いつもと変わりないし……」

不二咲「うーん……考えられる可能性は二つ、かな」

苗木「どんな可能性?」

不二咲「一つは、もともとその人の好感度がマックスだったから態度が変わってないっていう可能性」

不二咲「もう一つは……好感度上昇対象に選ばれた人が、苗木くんをそもそも人として扱ってない可能性」

苗木「……それ、もう後者しかありえないよね……」

不二咲「そ、そんなことないよ! もしかしたら苗木くんのことが色々な意味で大好きな……葉隠くんとかかも!」

苗木「……」

不二咲「……ごめんなさい」

苗木「謝らなくていいよ……僕が悪いんだし……」

   「……そろそろ、いいかしら」

苗木「えっ?」

霧切「苗木君、朝食が終わったら少し手伝ってほしい事があるんだけど」

――― 朝食後

苗木(霧切さんの手伝ってほしい事……どうやら荷物を運んで欲しいらしい)

苗木「それで、運ぶ荷物ってどこにあるの?」

霧切「……その前に苗木君、少し両手を上にあげてもらっても?」

苗木「え、なんで?」

霧切「……」

苗木「……えっと、両手を、上に……バンザイすればいいの?」

                  すっ

霧切「……」

苗木「……これで、どうすれば……」

          ぽふっ

苗木「えっ」

霧切「……」

                 ぎゅっ

苗木「えっ、えっ!? き、霧切さん……な、なんで、いきなり抱きついて……」

霧切「……」

苗木「……」

         すー   はー

         すー   はー

苗木「あの、霧切さん……い、息が……息が当たってなんか、凄く生ぬるいんだけど……」

霧切「……苗木君」

苗木「……はい」

霧切「少し静かに出来ない? 私は今、見ての通り、忙しいの」

苗木「えっ」

霧切「そもそも、苗木君が悪いのよ」

苗木「えっ、えっ!?」

霧切「だから少しじっとしてて……そのまま……」

苗木「……うん」

         すー   はー

         すー   はー

―――

苗木「それで、なんであんなことしたの?」

霧切「……言わなきゃ駄目かしら」

苗木「……言ってくれた方が、僕としては助かるかなぁ」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「…………意味なんかないわ」

苗木「……そっか」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「……ただ、少し……寂しかったから……」

苗木「寂しかった?」

霧切「……なんでもないわ、忘れてちょうだい」

    ェァ【効果対象:霧切響子】

苗木「……でも、じゃあなんで朝話しかけた時は無視したの?」

霧切「……それは……少し考えれば分かることだと思うけど」

苗木「……なんでだろ」

霧切「いいかしら、苗木君。あそこに集まっていた皆にはそれぞれが抱いている苗木君のイメージがあって、それぞれが抱いている私のイメージがある」

苗木「うん」

霧切「それらを壊すのは、あまり得策じゃない。そう思ったから、あの場での接触は避けたのよ」

苗木「……つまり?」

霧切「……」

苗木「……」

霧切「…………ひ、人前で、仲良くなんて……そんな、恥ずかしい事……出来るわけないじゃない……!」

苗木「……ああ、そういう……」

霧切「苗木君も、少し考えて行動するべきよ。この関係がバレたら、お互いに立場が悪くなるでしょう?」

苗木「……でも、それだったらこんな場所で抱き合ってるのも危ないんじゃ……」

霧切「……焦ってたせいか、そこまで気が回らなかったわ。苗木君、少し移動しましょうか」

苗木「うん」

最初のところで江ノ島さんについて書き忘れてたのに気付いて心が折れた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年10月05日 (土) 04:41:06   ID: UM_TtoqM

下らない、霧切だと展開がテンプレすぎてつまらない

2 :  SS好きの774さん   2013年10月08日 (火) 14:37:57   ID: A18nGfEE

お前のコメントがいちばんくだらないしつまらない
氏んでろ

3 :  SS好きの774さん   2013年10月09日 (水) 00:37:43   ID: gYzbxWPt

米1=前園
米2=十神

4 :  SS好きの774さん   2013年10月13日 (日) 06:25:34   ID: fz6Hm0Qp

霧切豚の自己主張と被害妄想の激しさは異常だべ

5 :  SS好きの774さん   2014年02月06日 (木) 12:48:44   ID: _GQhJMkK

苗セレ展開期待してたのに終わりですの?

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