聖「パワプロ先輩。今日は投げるか？」

パワプロ「そのつもり。少し走って体を温めてくるから、その後受けてくれる？」

聖「分かった……しかし、珍しいな。パワプロ先輩がまだ練習を始めていないなんて」

パワプロ「みずきちゃんのプリン、買いに行ってたからね……」

聖「なるほど」

パワプロ「……」

聖「パワプロ先輩？　顔が強張っているぞ。どうした？」

パワプロ「……そんな顔してたかな。何でもない」

聖「……？」

パワプロ「っ！」ﾋﾞｼｭｯ

聖「……」ﾊﾟｧﾝ!

聖（今日は、かなり球が荒れているな）

聖「パワプロ先輩、本当に何でもないのか？」ｼｭｯ

パワプロ「大丈夫。もう一球行くよ」ﾊﾟｼｯ

聖（……本当か？）

聖「……高っ……！？」

ｶﾞｼｬﾝｯ


パワプロ「ごめん聖ちゃん、ちょっと指が滑っちゃって！」

聖「だ、大丈夫だ。一球一球丁寧にいこう」ｼｭｯ

パワプロ「ありがとう！」ﾊﾟｼｯ

みずき「やっほー。あれ二人だけ？」

聖「遅いぞみずき」

みずき「ごめんごめん、プリン食べたくなっちゃって」

聖「その後に練習か……痛めても知らないぞ」

パワプロ「……」

聖（……パワプロ先輩？）

みずき「あ、パワプロくんプリン美味しかったよ。またお願いね？」

パワプロ「……分かった、よ！」ﾋﾞｼｭｯ

聖「くっ……！？」ﾊﾞｼｨｯ

聖（何だ？　パワプロ先輩が、怖い……？）

みずき「パワプロくん、次私の番だから、代わってくれない？」

パワプロ「……そうだね。みずきちゃんは明日の先発だし」

みずき「ありがと♪　それじゃ聖、ボール頂戴？」

聖「わ、分かった」

パワプロ「聖ちゃん、ボール受けてくれてありがとう。あと宜しくね」

みずき「おやおや、いつもはそんな顔でお礼なんて言わないのに。怪しいなぁ～？」

パワプロ「はは……からかわないでよみずきちゃん」ﾊﾞﾀﾝｯ

聖（パワプロ先輩……？）


パワプロ「……」ﾀｯﾀｯﾀ

矢部「あれ、パワプロくん。投げ込みはもうおしまいでやんすか？」

パワプロ「みずきちゃんが来たから、交代したんだ」

矢部「聖ちゃんを取られてしまった訳でやんすね」

パワプロ「違う違う。みずきちゃんは明日の試合で投げるからさ」

パワプロ「正捕手の聖ちゃんと練習するのは当然だよ」

矢部「なら仕方ないでやんすね」

パワプロ「それに今日の俺は安定してないから、もう一回走ろうかと思って」

矢部「……それでもみずきちゃんに取られたのには変わりないでやんす……」

パワプロ「矢部くん、あんまりみずきちゃんの事を悪く言っちゃいけないよ」

矢部「オイラは、おかしいことを言っているつもりは無いでやんすよ」

矢部「まして、みずきちゃんの為にプリンを買いに行ったその後でなんて」

パワプロ「はは、ありがとう矢部くん。先行くね」ﾀｯﾀｯﾀ

矢部「……無理してないでやんすか？　パワプロくん……」


みずき「よし、ばっちり」

聖「ナイスボール」

みずき「ありがとっ。じゃあ今日投げるのはこれぐらいにしておこうかな」

聖「みずき」

みずき「なに？」

聖「……パワプロ先輩に、プリンを買いに行かせたのか？」

みずき「そーだけど、それがどうかしたの？」

聖「いや……何でもない」


パワプロ「……」ﾀｯﾀｯﾀ

聖「パワプロ先輩」ﾀｯﾀｯﾀ

パワプロ「聖ちゃん……みずきちゃんの相手はいいの？」

聖「明日に備えて、もう投球はしないみたいだ」

聖「パワプロ先輩、今から投げないか？　私が受ける」

パワプロ「……そうだね、お願いしようかな」

ﾊﾟｧﾝｯ

パワプロ「ん～……駄目か」

聖「焦らないでいい。普段のフォームをしっかり意識してみてくれ」

パワプロ「ごめん聖ちゃん、どうも上手くいかなくってさ」

聖「構わない」

パワプロ「……くっ」ｼｭｯ

聖「……」ﾊﾟｧﾝｯ

パワプロ「う～ん……」

聖「みずきの事か？」ｼｭｯ

パワプロ「……え？」

聖「みずきと何かあったのか？」

パワプロ「別に、なんでもないよ。いつも通りの恋人ごっこで」

聖「いつも通り……か」

聖「その『いつも通り』……パワプロ先輩は納得が行っているのか？」

パワプロ「大丈夫だよ、納得の上」

聖「嫌な事があり、それが習慣化されていないか？」

パワプロ「……理事長の事があるからね。それにみずきちゃんが居ないと野球部が危ないから」

聖「……そうか。納得が行っていない、というように解釈させてもらうぞ」

パワプロ「ま、我慢するよ……って、聖ちゃんに愚痴っても仕方ないね、ごめん」

聖「仕方ない訳ないだろう？　女房役だぞ、パワプロ先輩の事が心配に決まっている」

聖「私個人としても、二人には仲良く居てもらいたいところだ」

パワプロ「……どうしようもなくなったら……相談するよ」

聖「その前に、相談して欲しいな」

パワプロ「……」

みずき「あれ、二人だけ？　ってさっきもこんな流れだったよね」

聖「ああ。パワプロ先輩の調子をもう少し詳しく確かめたくなってな」

みずき「へええ？　聖はパワプロくんの事が心配で堪らない訳？」

聖「主力選手の調子を心配して、悪い事なんてないだろう」

みずき「それは確かに。でも二人っきりで居るなんて、あんまり感心しないわよ、ダーリン？」

パワプロ「……せめて理事長には見つからないように気を付けてるよ」

みずき「当然ね。ここまでしてきたことが一気に台無しになったりしたら……」

聖「……すまないみずき、続きがやりたいのだが」

みずき「ん？　あーあーごめんね。じゃあ私は上がるから。お疲れー」

聖「お疲れ様」

聖「……パワプロ先輩、顔が引き攣っているぞ」

放課後


聖｢先輩達お疲れ様だ。良かったらきんつばでも食べるか？｣

パワプロ｢お疲れー。お、ありがとう！じゃあ遠慮なく｣ﾓｸﾞﾓｸﾞ

あおい｢ボクお腹ペコペコだったんだーありがとう！いただきます｣

聖｢ちょうど大量に仕入れて来たところだったからな。動いた後はきんつばに限る。｣

矢部｢本当に聖ちゃんは気が利くでやんす。こんな子がお嫁さんに来たら幸せでやんすね｣

聖｢む…パワプロ先輩。口元に食べ残しが｣

ﾌｷﾌｷ

パワプロ｢なっ！（聖ちゃん近い近い！）｣
あおい｢！！｣ﾑｶｯ

聖｢いくらパワプロ先輩でも食べ残しは許さないぞ。きんつばに失礼だぞ｣

パワプロ｢ははは、ごめんごめん｣


あおい(…そ、そりゃ…女の子扱いしないでとは言ったけどさっ。ボクだってパワプロくんに…触りたいな)

（…よし！)

翌日

あおい｢あー今日も疲れたなぁ｣

矢部｢もうクタクタでやんす｣

パワプロ｢もう試合前だしみんな気合い入ってるからね。あおいちゃんはしっかりアイシングしておいて！｣

あおい｢うん了解！じゃあクールダウンしなきゃね｣


(あ…そうだ)
｢…ねぇパワプロくん、ストレッチの相手お願いしてもいい…かな？｣

パワプロ｢え、おれ？別に大丈夫だよ｣

あおい｢あ、ありがとう。じゃああっちでお願いしようかなっ｣
(ボ、ボクだって積極的にいくんだから！)

(――とは言ってもパワプロくんと二人きりになるなんて久しぶりだから緊張するなぁ。汗臭くないかな…ボク)ｸﾝｸﾝ

あおい｢パワプロくん痛くないー？｣

パワプロ｢あーいい感じ｣

あおい(えへへ…もうちょっとだけ体くっつけてみよっかな)ﾋﾟﾄｯ

パワプロ｢帰ったらなに食べようかな～♪｣

(むぅ、人の気も知らずに！鈍感！)


パワプロ｢じゃああおいちゃん押すよー｣ｸﾞｲｯ

あおい｢う、うん｣
(パワプロくんはボクの体を触って…なんとも思わないのかな)

パワプロ｢さすがあおいちゃん体柔らかいね。じゃあ、えいっ｣ｺﾞﾘｯ

あおい｢ひゃうっ！ちょ、ちょっとパワプロくん痛いっ！｣

パワプロ｢ごめんごめん！あおいちゃん体柔らかいからどれくらいまでいけるかなって思って｣

あおい｢ボ、ボクだって一応女の子なんだからねっ！体は繊細なんだぞっ｣

パワプロ｢そうだったね。ついつい矢部くんといるときと同じノリでやっちゃったよ｣

あおい｢もう！女心も勉強しなきゃダメだよ？｣
（うーやっぱりボクは魅力ないのかな…体は一応女の子なのに）

パワプロ「そうかな？」

聖「はっきり答えてくれ。みずきの事が嫌いなのか？」

パワプロ「……」

聖「今、話を聞いているのは私一人だぞ」

聖「辛いなら、無理してみずきに合わせる必要も無いだろう」

聖「私としては……二人に仲良く居てもらえた方が嬉しいのだが」

パワプロ「自分でも、よく分からないよ」

聖「分からない？」

パワプロ「みずきちゃんは可愛いし、十分魅力的な女の子だと思う」

パワプロ「そんな女の子と、振りとはいえ付き合えるのは幸せだ」

パワプロ「……彼女の多少の我儘に合わせるのも、彼氏の役目だから」

パワプロ「振り回されるのも……もう慣れたよ」

聖「理事長が来た時だけでいいじゃないか……」

パワプロ「普段から慣れていないと、肝心な時に違和感あるかもしれないでしょ？」

聖「……我慢しているんだろう？」

パワプロ「……」

聖「みずき！」ﾀｯﾀｯﾀ

みずき「あれ、どうしたの聖。練習は？」

聖「……みずきに聞きたい事がある」

聖「パワプロ先輩の事、どう思っているんだ？」

みずき「どう、って……何よいきなり」

聖「答えてくれ」

みずき「……別に何とも思ってない、けど」

聖「だ、だったら、無理に恋人の振りをする必要なんて無いだろう？」

聖「必要なら、私も理事長を説得するのを手伝う」

みずき「おじいちゃんを相手にするのは、さすがにオススメしないよ」

聖「しかし……！」

みずき「ねぇ聖。パワプロくんが言ったんでしょ？　付き合う振りをするのは嫌だ、って」

聖「言っていない。私の、独断だ」

みずき「じゃあ、聖にそんなこと言われる筋合いはないよね？」

聖「……筋合いはある。二人が、無理しているのが嫌なだけで……」

みずき「二人、じゃなくて、パワプロくんを心配してるだけでしょ」

聖「違う！　私はそんな……」

みずき「分かったわよ。パワプロくんは聖にあげる」

みずき「ただ、おじいちゃんの前では少し距離を近づけさせてもらうからね」

聖「そんな、つもりじゃ……」

みずき「これで満足？　じゃあね」ﾀｯ

聖「みずきっ……！」


みずき「……そっか、パワプロくん、私のこと嫌いだったんだ」

みずき「そうだよね、私、我儘放題だし」

聖「聖と私の身体が入れ替わっちゃった…」

みずき「どうしよう、みずき」

聖「どうしようって言われても原因がわからないんじゃ…」

ｶﾞﾁｬ


パワプロ「あれ、二人とも。こんな所でサボって何してんの」

聖「サ、サボってなんかいないわよ！！」

パワプロ「えっ」ﾄﾞｷﾝｯ

みずき「なー！私はそんなしゃべり方しないぞ！」

>>97
面白そう

スレ立ててやるからスレタイ

>>98
このスレタイ見て妄想したシチュ
それだけだ

ほ

む

聖「今日から新しいコーチが来る、みずきコーチだ」

パワプロ「まーたみずきちゃんは突拍子もないこと思いついて…」

矢部「きっといつもの精神注入棒がうなりをあげるでやんす」

聖「みずきじゃない、みずきコーチだ」

みずき「ここが聖タチバナか」

パワプロ「あれ？みずきちゃんじゃない」

みずき「あ？俺はみずきだぞ」

聖「この人は昔ドリルモグラーズのスター選手だった人だ」

みずき「なつかしい話だな。とはいえ俺は酒ばっかり飲んでいたがな」

パワプロ「え？え？」

つづかない

矢部「パワプロくん、夏でやんすよ！！」

パワプロ「今年は俺たち甲子園に行けなかったな…来年こそは行ってやるぞ」

矢部「パワプロくん、悔しいのはわかるでやんす」
矢部「でもときには息抜きも必要でやんす。リフレッシュでやんす」

パワプロ「確かに矢部くんのいうことも一理あるね」

矢部「そうでやんす！海に行くでやんす！」

パワプロ「よし！そうしよう！」

矢部「あおいちゃんも誘うでやんす！」

パワプロ「あ、矢部くんそれが目的だっただろー！」

矢部「バレたでやんす」

パワプロ「そうだ、雅ちゃんも海水浴に誘ってみよう！」

公園

パワプロ「あおいちゃんやっぱりここにいたね」

あおい「あ、パワプロくんじゃない」

矢部「あおいちゃん、おいらたちと一緒に海に行かないでやんすか」

あおい「え？海？」

パワプロ「俺たちは次のエネルギーを溜めるために海に行くことにしたんだ」

あおい「うーん、でもボクは、折角恋々の皆が頑張ってくれてる横で海に行くのはちょっとねー…」

よく考えたらみずき関係なかった

矢部「あおいちゃんは誘えなかったでやんす」

パワプロ「しかたないよ。自分も頑張りたいって言ってたんだから」

矢部「仕方ないでやんす。今回は海水浴をする女の子で目を保養して弾道をあげるでやんす」

パワプロ「じゃあ雅ちゃんは俺が誘っとくよ」

矢部「男三人でやんす。悲しいでやんす」

恋々高校

あおい「ロードワークから帰ってきたよ」

「あおいちゃん、海に行こう」

あおい「え？」

「あおいちゃんはオイラたちに気をつかいすぎてるでやんす」

「このままじゃあおいちゃんは俺たち以上に頑張りすぎて潰れちゃうよ、だから恋々高校野球部キャプテンとして、明日の練習メニューは海で遊ぶことにしたんだ」

「リフレッシュするでやんす。焦ったところで次の大会はまだまだでやんす」

「署名もある程度集まったし、猪狩の奴もサインしてくれたんだよ」

あおい「…皆…」
あおい「ありがと！じゃあ明日は遊んじゃおうかな」

パワプロ宅

パワプロ「さっそく雅ちゃんに電話しよう」

ｐｒｒｒｒ

雅「はい、小山です」

パワプロ「次の日曜日空いてる？遊びにいかない？」

雅「うん！僕はかまわないよ！」

パワプロ「決まり！矢部くんも一緒なんだ！」

雅「ふふ、またクレープ食べにいくの？」

パワプロ「ううん！海に行くんだよ！雅ちゃん」

雅「…」
雅「えっ？」

雅「あ…えっと…」

パワプロ「じゃあ日曜日の朝に河川敷に集合ね」

雅「あ、ちょ、ちょっと！？」

パワプロ「どうしたの？」

雅「…あの、その…」
雅(一度日曜日空いてるって言っちゃったしなぁ…)

雅「ううん、大丈夫だよ。行くよ」
雅(最悪泳げないことにしようかな)

パワプロ「わかった！それじゃ」

ﾌﾟﾂ、ﾂ-、ﾂ-…

雅「はぁ…」

日曜日

パワプロ「海だーーー！！」

矢部「パワプロくんは海に来るたび叫んでる気がするでやんす」

雅「…」

パワプロ「どうしたんだい？雅ちゃん。具合悪いの？」

雅「あ、え、あ…いや、そんなことはないよ！ただ…」

パワプロ「ただ？」

雅「ううん、なんでもないよ」

矢部「グフフ、オイラ実は下に海パン履いてるでやんす！」

パワプロ「流石矢部くん！」

矢部「今朝そのこと忘れて鞄に一枚余計に入れちゃったでやんす」

パワプロ「やっぱり矢部くんだなー」

あおい「ここにいたんだ、パワプロくん」

パワプロ「！？」
矢部「！？」

パワプロ「あおいちゃん、練習はいいのかい」

あおい「あの人がボクのために今日を野球部で海水浴をする日に決めてくれたんだ」

矢部「あおいちゃん、腰つきがけしからんでやんす」

あおい「もー！どこ見てんのさ！」

「あ、この前河川敷で会ったよね」

パワプロ「あ、久しぶりだね」

「奇遇でやんす」

矢部「いやこれは多分運命の出会いでやんす」

矢部「くらえでやんす！」

パワプロ「うわ！やったなー！」

あおい「ちょっとー！冷たいよー！」

ｷｬｯｷｬｳﾌﾌ

雅「はぁ…一応水着と海水パンツ両方持ってきたけど…」

雅「…はぁ……どうしようかなぁ…」
雅「そうだ！下に海水パンツ履いて上にＴシャツ着たら大丈夫なんじゃないかな！？」

パワプロ「雅ちゃんも着替え終わったみたいだね」

雅「うん！僕はもう大丈夫だよ」

矢部「雅ちゃんも食らうでやんすー！」ﾊﾞｼｬｯ

雅「ヒャッ！？」ﾊﾞﾁｬ

雅「…！？(Ｔシャツが透けて」
雅「わぁあああっ！」ﾊﾞｯ

あおい「…あ」

パワプロ「どうしたの、雅ちゃん」

雅「や、矢部くんのバカーー！！」

矢部「！？」

浜辺

雅「もう駄目だ…打つ手がないよ…」

雅「とりあえず、日光で乾かそう」ｼﾞﾘｼﾞﾘ



矢部「日頃の恨みでやんす！」ｻﾞﾊﾞﾝ

パワプロ「ガボボボ」

あおい「矢部くん！パワプロくんが死んじゃうよー！」


雅「楽しそうだなぁ…」

雅ちゃんかわいい

パワプロ「それにしても、雅ちゃんはなんであんなに怒ってたんだろう」

あおい「矢部くんがいきなり水かけるからだよ」
あおい(本当は多分違う理由だけど)

矢部「でも、水であそこまで怒るのはおかしいでやんす」
矢部「！…ひょっとして雅ちゃんは…」

パワプロ「雅ちゃんは…？」ｺﾞｸﾘ

矢部「水が怖いんじゃないでやんすか？泳げないとか…でやんす」

パワプロ「！」

あおい「…はぁ…」

パワプロ「よし！そうと決まれば雅ちゃんに泳ぎを教えてあげよう」

矢部「ガッテンでやんす」

あおい「ちょ、それは必要ないんじゃないかなぁ？」

パワプロ「え？」

あおい「あ、遊び方にも色々あるし、あの子なりには、その」

パワプロ「正直言うとね」

矢部「オイラたちは雅ちゃんの裸体に触りたいだけでやんす」

パワプロ・矢部「男 で あ っ た と し て も 」

あおい「ぅ…ぅぇぇ…」

雅「…はぁ…」

パワプロ「雅ちゃん、泳げないんだろ」

雅「え？僕は別に…」
雅「い、いや、うん！泳げないよ！だから浜辺でこうしてるよ！海には入れないかなぁ」

矢部「そこで提案でやんす」

パワプロ「俺たちが泳ぎを教えてあげるよ」

パワプロ・矢部「 手 と り 足 と り 」ｷｭﾋﾟｰﾝ

雅「ぅぇぇ」
雅(な、なんとかしてごまかさないと)

雅「僕はね、小さいころに泳ぎにトラウマを持っているんだ」
雅「僕が小さいころ、海で遊んでいると」

矢部「ホホウ？」

ほほう

雅「ハゲたユダヤ人の人が流れてきたんだ」

パワプロ「ユダヤ人が？」

雅「すると僕の足を掴んで海底に引きずりおろし」

矢部「ひいいでやんす」

雅「海底で僕の体を改造しようとしたんだ！」

パワプロ・矢部「うわああああああああああああ！！」

雅(え？騙されてくれるものなの？)
雅「だ、だから僕は海には入れないんだ」

矢部「パワプロくん、もうオイラたちも帰るでやんす！おっかないでやんす」

パワプロ「それでも俺は雅ちゃんを守りながら泳ぎを教えるぞ！」ｷｭﾋﾟｰﾝ

雅「なんで！？」

パワプロ「さぁさぁ」ｸﾞｲｸﾞｲ

雅「ひいい」

矢部「パワプロくんは漢でやんす！オイラもその心意気買ったでやんす！」

雅「矢部くんまで！？」

雅(うわぁあああ！もう駄目だ！もうお終いだ！)

「タマニハ海水浴デ脳ヲヤスメルノモイイモノデース」

「もう博士、私たちだってせっかく病院と学校から休日もらえたのに」

「しょうがないわ、姉さん」

出やがったか博士

※この物語はフィクションのフィクションです

ダイジョーブ「オウ？アナタハ…」

パワプロ「う…うわぁああああ！思い出したぁあああ」ﾄﾞｻｯ

加藤姉「あら？パワプロく…いや」ﾊﾞｻｯ
ゲドー「ギョギョー！！」

パワプロ「そうだ！この化け物たちに俺は体を拘束されて」

パワプロ「無理矢理改造されたんだ！！」

ダイジョーブ「科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース」

パワプロ「うわぁあああやめてぇえええ」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

矢部「パワプロくんがなにやら危ないでやんす」

雅「本当にいたんだ…」

>>170
ﾉｼΣﾉ ﾊﾞﾄﾝﾀｯﾁ

>>175
正直すまんかった

>>73


聖「……どうしよう」

ﾊﾞｧﾝ

聖（パワプロ先輩……まだ残っているのか？）


パワプロ「……ふっ！」ﾊﾞｧﾝｯ

聖「パワプロ先輩」

パワプロ「あれ、聖ちゃん……どうしたの？」

聖「こっちの台詞だ。もう帰ったのかと思ったぞ」

待っていた甲斐があったぜ

聖「パワプロ先輩の出番もあるかもしれないんだ。あまり詰め過ぎても……」

パワプロ「体を動かさないと落ち着かなくて」

聖「……ならせめてシャドーピッチングだ。球はもう使わない方がいい」

聖「フォームを意識するなら余計にだ」

パワプロ「……分かったよ。聖ちゃん、悪いけど見ててくれる？」

聖「ああ」


パワプロ「……」ﾌﾞﾝｯ

聖「……全く集中出来ていないぞ」

聖「そんな上から投げていたか？」

パワプロ「そ、そうだっけ」

聖「それに足が内に向き過ぎているぞ。そのフォームで固定されてしまうだろう？」

パワプロ「……なんか、今日の聖ちゃんは棘があるね……」

聖「……そう、だな。すまない」

パワプロ「……気を遣ってくれてありがとう」

聖「……え？」

パワプロ「もう上がるよ」

聖「あ、ああ。お疲れ様」

聖「すまない、待たせてしまったな」

パワプロ「いいよ。じゃあ部室閉めるよ」

聖「ああ」

聖（みずき……私にどうして欲しいんだ……？）

聖（あげるなど、言われても……）

パワプロ「聖ちゃんこっち来て！」ｸﾞｲｯ

聖「な、むぐっ」

パワプロ「理事長だ。隠れて……」

聖「むーむー」

パワプロ「……ふう、行ったみたい」

聖「むーむー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

パワプロ「あ……ご、ごめんっ！」ﾊﾟｯ

聖「ぷはっ！　い、いきなり何をするんだ！」

パワプロ「口塞ぐ意味は無かったね……」

聖「……」

パワプロ「よし、帰ろう。日が暮れるよ」

聖「あ、ああ……」

翌日


みずき「はぁ……」

みずき（……つまんないの）

矢部「みずきちゃん。おはようでやんす」

みずき「あ、良いタイミング♪」

矢部「！　オイラ、急用を思い出しっ……！？」

みずき「私、プリンが食べたいなっ♪」ｶﾞｼｯ

矢部「や、やっぱりでやんすー！？」

みずき「……だめ？」ｳﾙｳﾙ

矢部「はうっ！　でやんす！！」ｽﾞｷｭﾝ

みずき「そっか……ごめんね、我儘言って……」

矢部「い、いや！　行ってくるでやんす！！」ﾊﾞﾋﾞｭﾝ


矢部「お待たせしましたでやんす！」

みずき「えへ、ありがと、矢部くん♪」

矢部「喜んで貰えて何よりでやんすよ！」

みずき「それじゃ、早速……頂きます♪」ﾊﾟｸｯ

みずき「……？」

矢部「……どうしたでやんすか？」

みずき「う、ううん。何でもない」

みずき（何か……美味しくない）

矢部「お昼から試合なのに大丈夫でやんすか？」

みずき「ちょっと時間空いてるから大丈夫だよ」

矢部「そうでやんすか。また何かあったら呼んで欲しいでやんす」

みずき「うん。よろしくね」

矢部「お、二人とも早いでやんすね」

パワプロ「そっちこそ」

聖「おはよう矢部先輩……みずき、も」

みずき（二人で、来た……）

パワプロ「おはようみずきちゃん。今日の調子は良い？」

みずき「……別に、大丈夫だから」

パワプロ「……？」

みずき「矢部くん、ちょっとキャッチボール付き合ってよ」

矢部「分かったでやんす」

パワプロ「珍しいね、矢部くんを指名なんて」

聖「ああ……そうだな……」

パワプロ「さて、俺達は軽くストレッチでもしようか」

聖「分かった」


パワプロ「いだだだ……！」

聖「固いぞパワプロ先輩」

パワプロ「もうちょっと優しく……！」

聖「はぁ……これでいいか？」

パワプロ「うん……んんん……！」

応援しているぞ

パワプロ「あ、みずきちゃんの方はキャッチボール終わったみたいだけど」

聖「……」

パワプロ「当然、球は受けるんでしょ？　ほら、行かないと」

聖「気乗りはしないが」

パワプロ「え？」

聖「なんでもない」

パワプロ「ちょ、ちょっと！　今のどういうこと？」

聖「なんでもないから聞くな」

パワプロ「聖ちゃん……」

聖「……」ﾊﾟｧﾝｯ

聖「……もう一球」ｼｭｯ

みずき「ちょっと聖」ﾊﾟｼｯ

聖「……何だ」

みずき「そのお通夜みたいな暗さ、やめてよ」

みずき「憧れのパワプロ先輩とくっ付けたんだから、もっと嬉しそうな顔したらどう？」

聖「みずき！！！」

みずき「なっ……何？」

聖「今はそんなことを話している場合ではないだろう。早く投げろ」

みずき「はーいはい……」

矢部「ぱ、パワプロくん……気付いたでやんすか？」

パワプロ「うん。あの二人、喧嘩でもしたのかな……？」

矢部「女の喧嘩は怖いでやんすよ……最悪どちらかが廃人になるまで続くかも……」

パワプロ「ほ、本当に！？」

矢部「さすがに廃人は言い過ぎでやんすが、男に比べてねちっこくてえげつないらしいでやんす」

パワプロ「と、止めないと！」

矢部「もうすぐ試合だから、それはそうでやんすが……」

矢部「男が介入するのもどうかと思うでやんす」

みずき「聖とおしりって似てるね」
聖「……」

聖「みずきとみずぎって似てるな」
みずき「」

パワプロ「雅ちゃんの制服小さいね」ﾋﾟﾁﾋﾟﾁ

雅「！！」

猪狩「僕に勝てる高校球児なんてこの世にはいないね」

里中「さとるボール！！」

山田「やったぞ里中三振だ！」

岩木「まぁぐれやあほぅ！！」

殿馬「うるせぇづら」

猪狩「」

岩鬼だね