学園都市崩壊 (10)
初ssです。
至らない点があればご指摘願います
よろしくお願い申し上げます。
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──幻想殺し。異能の力ならば何でも打ち消す。それが火であろうが水であろうが雷であろうが、神の祝福であろうが。その幻想殺しを宿す右手を持つ少年はトボトボと肩を落としながら道を歩いていた。
「はぁ、不幸だ……」
口癖のように、毎日溜め息と共に吐き出されるその言葉は夕焼けを映す空の色に溶けた。
彼が憂鬱になっているのは、いつも通っているスーパーの特売に間に合わなかった為。万年金欠生活を送っている少年にとってスーパーの特売日などというものは彼にとって受験と同等の大事なそれで、今日も今日とてその大事なイベントを逃してしまっていた。
生きるための術として、その大事な日を忘れていたわけではない。今日の朝だってそれに間に合うように時間を計算して、行動してきたはずだった。特売に合わせ昼飯でさえも抜いてその分特売に回そうと思い、放課後まで過ごした。そしてグーと鳴るお腹を押さえるのだが。
……戦場(スーパー)に向かう道すがら、不良に絡まれる人を見かけてしまうのはどうやら彼の体質らしい。それを見かけた所で彼の起こす行動は決まっている。
「時間は……五時過ぎてる、か……」
不良から絡まれてる人を助け、引き付けて逃げ回るというのは彼の大体のパターン。普通なら大体のパターンが出来るとかその時点でおかしいのだが、治安がよくないこの学園都市という場所、それに加えて不幸体質である彼にとってもはやそれは別に特別な事ではない。
スーパーの特売を逃すというのは非常に死活問題な訳だがそれ以上に困っている人がいたら放っておけないのだ。
不幸体質の彼は、その不幸を一身に受けている故に辛さが分かってしまう。だからこそ不幸な人を見るとついつい助けてしまうのが彼の性分であった。
トボトボと歩き自分が住んでいる寮に到着し自分の部屋の扉をゆっくりと開けた。
上条「ただいまー」
インデックス「あっ!とーま!おかえりなんだよ!」
同居人の銀髪のシスターがトテトテと近寄ってきた。
インデックス「お腹が空いたんだよ??今日の晩御飯はなんなのかな?」
上条「今日は…もやし炒めともやしの味噌汁だ。」
上条は申し訳なさそうに答えた。
その言葉に同居人からのクレームが殺到する。
インデックス「昨日も一昨日もそれだったんだよ??いい加減違うものをお腹いっぱい食べたいんだよ??」
上条「頼む??我慢してくれ??」
上条はそれ以上何も言わずに夕食の準備を始めた。
インデックスはまだぶつぶつと文句を言っているが全部聞き流していると諦めたのかテレビの電源を入れ食い入るように夢中になりだした。
それから暫くして夕食が完成し上条が声をかける
上条「出来たぞー。」
インデックス「遅いんだよ??」
そう言ってインデックスはテーブルの前に座った。
上イン『いただきまーす!』
夕食を食べ始めた上条はふとテレビに目を向ける。
『今日午後4時13分頃、喫茶店『ファニーランド』で発生した爆発事件についての続報です。
アンチスキルによると、現場は学区内に住む能力者たちの女子学生たちの憩いの場所となっており、死傷者は少なくとも10人は越す模様です。
現場で採取された形跡から見るに、アンチスキルはこの爆発は意図的に起こされたものとして捜査を進めており、同部隊隊長は、この件について『能力者たちが多数集まる「ファニーランド」を狙った爆発テロとして、警戒レベルを上げると……』
上条「テロか…最近は学園都市も物騒だな…」
そう呟きもやし炒めに箸をつけようとしたが既にそれは無かった。
インデックス「ごちそうさまなんだよ!」
上条「不幸だ…」
その日上条は結局味噌汁と白ご飯だけで夕食を済ませそのまま眠りについた。
上条が眠りについて2時間程すると突然携帯が鳴りだした。
上条「誰だ?こんな時間に…」
上条はそう呟き不機嫌そうに携帯を手に取り電話に出た。
上条「もしもし誰ですか?こんな夜中ー。」
上条がそう言い終わる前に電話の相手が大声で叫んだ。
「かみやん??今すぐインデックスを連れてそこからにげろ??」
上条は電話の相手のあまりの必死すに飛び起き電話で話をしながらインデックスの元に向かった。
上条「土御門??一体どうしたんだ?」
土御門「詳しい事は後で必ず説明する??今は時間が無い??早く寮から離れろ????」
上条「わかった??後で必ず説明してくれよ??」
上条はそう言うと電話を切りインデックスを抱きかかえ部屋を出た。
エレベーターのボタンを押すが止まったているのか反応が無い。
上条「くそっ??」
上条はそのまま階段の方へ駆け出したその時ー。
黒装束の男が立ち塞がった。
「幻想殺しだな?」
男はそう言うと右手を翳し、ぶつぶつと何かを呟き始めた。
上条「誰だ?」
上条がそう言い終わると同時に突然炎の塊が目の前に現れ上条に向かってきた。
上条は即座に右手を目の前に向けると、ガラスの割れた様な音が辺りに響いた。
上条「何なんだよ?一体??」
上条が問いかけるが黒装束の男は返事をせずぶつぶつと呟き、再び炎を上条に向かって放ってきた。
上条「無駄なんだよ??」
上条は右手を炎に向けながら黒装束の男に向かって走り、炎を右手でかき消した後そのまま黒装束の男を殴り倒した。
上条は倒れた男を跨ぎそのまま階段を駆け下りた。
??は!!の間違いです。
書き溜めしてから貼り付けているのでその過程でのエラーみたいです。
申し訳ないです。
ドン!!!
上条「ぐわっ…」
上条が階段を駆け下りると同時に右足に何がかすった。
そしてすぐに激痛が走りそのまま倒れこんだ。
抱えられていたインデックスは地面に叩きつけられその衝撃で目を覚ます。
インデックス「とうま!!!」
インデックスはすぐに上条に駆け寄り何があったのかを問いかけるが上条の右足から血が出ている事に気が付いた。
インデックス「とうま!撃たれたの??大丈夫?」
上条「大丈夫、こんなのかすり傷だ。」
そう言って立ち上がりインデックスにここからすぐに離れないといけないという事を伝え再び階段を下り始めた。
そして一階に到着してそのまま寮から離れようとしたその時ー。
ドン!!
上条「インデックス!」
上条はインデックスを押し倒しそのまま倒れこんだ。
インデックス「痛っ…とうま?」
インデックスが状態を起こし上条に目をやると背中から血が出ていた。
インデックス「とうま!しっかりして!とうま!」
上条は苦しそうにインデックスを見上げ、「逃げろ…」と告げた。
インデックス「えっ…」
インデックスが辺りを見回すと銃を手に持った数人の男達に取り囲まれていた。
上条「早く…逃げろ!」
上条はインデックスにそう言い立ち上がろうとするが力が入らない。
男達が上条に銃を向けると、上条と男達の間にインデックスが立ち塞がった。
インデックス「とうまを傷つけないで!!!」
上条「馬鹿…野郎…さっさと逃げろ」
インデックス「とうまは私が守るんだよ!」
そう上条に笑顔を見せ、キッと男達を睨んだ。
すると男達は何かを話始めたが話が終わるとインデックスに銃を向けた。
上条「やめろ!俺が狙いなら俺を撃てよ!インデックスは関係ないだろうが!」
上条が必死に叫んだ次の瞬間ー。
ドン!!!
と渇いた音が響いた。
上条「インデックス!!!」
上条は倒れたままインデックスの方に目を向けるとインデックスの前に白い髪に赤目の男が立ち塞がり男達達の一人が倒れた。
上条「アクセラレータ…?」
上条はそう言うとそのまま意識を失った。
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