純一「そんなのは美也じゃない、腹筋だ」
美也「!?」
お昼休み
モブ1「なあ、聞いてくれよ昨日さー妹に死ねとか言われてさー」
モブ2「またかよ、なんかしたんだろ」
モブ「いや、ちょっと部屋に漫画借りにいっただけだぜ?」
梅原「……」モグモグ
純一「……」モグモグ
梅原「なあ、大将」
純一「ん?」
梅原「大将の妹の、美也ちゃんだけどよ」
純一「うん」
梅原「ブラコンっぽいよな」
純一「……」モグモグ
純一「はぁ?」
純一「どこがだよ」
梅原「だってよー、前にあの子、大将のことにぃにって呼んでただろ」
純一「う……そ、それは小さい頃の癖で……」
モブ1「あいつ最近俺のことおいとしか呼ばねえし絶対舐めてるわ」
梅原「普通はああらしいぜ?」
純一「い、いや、それは向こうの方がきっと特殊で……」
モブ3「そうそう、うちの妹よー」
梅原「な」
純一「……」
純一「い、いや、でも美也だって勝手に部屋に入れば怒るし」
梅原「ほぉー。死ねと?」
純一「それは流石にないけど……」
モブ4「俺なんかもう一年は口きいてないわー」
梅原「ちなみに大将んちは?」
純一「ま、毎日話すよ」
純一「で、でも普通だろ!?家族なんだし!」
梅原「ま、確かにな。それだけなら仲のいい兄妹ともとれるが」
梅原「俺っちの目が確かなら、あの子は間違いなくブラコンだね」
純一「どこにそんな根拠が!」
梅原「だからよ、実験してみねえか?」
橘家
純一「うう、梅原の奴め、なんで僕がこんな恥ずかしいことを……」
(梅原「内容はこうだ。大将が突然こう、美也ちゃんを抱き締めて」)
(梅原「嫌がられたら違う。受け入れられたらブラコンってことで」)
(梅原「あと、そうだな。かわいいとか耳で囁いてみるとか」)
純一「後で親に告げ口されたらどうするつもりなんだ……」
純一「はぁ、でも、うまくかわされて断りきれなかったんだよなぁ」
純一「ていうか、わざわざ隠れてビデオで撮影するなんて、梅原の奴、どんだけ気合い入ってるんだよ……」
純一「うう、こうしてても仕方ない。覚悟を決めるか」
コンコン
<美也「はーい?」
純一「み、美也、ちょっと僕の部屋まで来てくれないか?」
<美也「え、な、なんで?」
純一「わ、訳は後で話すからさ……頼むよ」
<美也「……わ、わかった。ちょっと待ってて」
純一「うん……」
純一の部屋
コンコン
美也「は、入るね」
純一「う、うん」
美也「な、なに?」
純一「……」スッ
美也「え?に、にぃに、なに?」
美也(ち、ちか――)
純一(うう、ごめん、美也)
純一「」ダキッ
美也「」
美也「ちょ!ちょっと!にぃに!
?」ジタバタ
純一「……美也」
美也「はな、はなして!やだ!」
純一「かわいいよ、美也」
美也「……ふぇ?」
純一「……」ナデナデ
美也「に、にぃに……」
純一(あ、あれ?動きが止まったぞ?)
美也「ほ、ほんとに?」
純一(の、のってきた?ええい、こうなったら!)
純一「うん、美也はすごくかわいい」
美也「え、えへへ」
美也「も、もっかい言って?」
純一「え」
純一(み、美也のやつ、ほんとにブラコンだったのか!?)
物陰
梅原「ぶふ、困ってる困ってる、くくく、こりゃあ保存ものだぜ」
ここまで
ブフゥ
美也「あれ、今なんか声が」
純一(今のは梅原?なにやってるんだあいつは!)
純一「み、美也」
美也「にぃにも聞こえなかった?」
純一「い、いや?それよりももっかいだったよな」
美也「え……うん」
純一「ははっ、美也はほんとかわいいなあ」
美也「……」
美也「違う」
純一「え?」
美也「なんか違う。嘘臭かった」
純一「ええ?」
純一(ど、どうすれば……)
美也「もっと……もっとぎゅっとして真面目に言って」
純一「ええ」
純一(妹相手にそんなこと……)チラッ
物陰の梅原(行け。行かないと男じゃないぞ)
純一(絶対面白がってる……)
美也「ねえ、にぃに?」
純一「あ、ごめんごめん」
美也「?後ろになにかあ――」
純一「美也はかわいいなぁ!!」ギュー
美也「うぇ、い、いたい……」
純一「あ、ごめん……」
美也「それにまた真面目に言ってくれなかった……」
純一「え、えっと……それは……」
美也「……やっぱりふざけてるんだ」
純一「ええ!?」
美也「みゃーのことからかってるんだ!!」
純一「ち、違うよ!そんなことは……」
物陰の梅原「さあてどうするどうする?」
ここまで
ちょっと切れ切れになってもいいなら
純一(どうしてこんなことに……)
純一(冷静になるんだ、橘純一……これは美也がブラコンかどうかを確める実験だったはず……)
純一(ここは素直に謝って真実を……)
悪魔純一(おい待てよ。それでいいのか?)
純一(え?)
悪魔(美也はこんなにマジだぜ?ほんとのこと言ったら超怒るぜ?)
純一(う……)
悪魔(もしかしたら、昼間の奴の妹みたいになっちまうかもよ?)
純一(うう……)
純一(や、やっぱりなんとか誤魔化して……)
天使純一(待ちなさい)
天使(本当にそれでいいのですか?確かに、嘘をつけばこの場を取り繕うことはできるでしょう)
天使(しかし、美也は真剣なのですよ?それに嘘で応えるのですか?兄として、それでいいのですか?)
純一(は、そうだ、僕は……)
天使(見なさい、美也の真剣な面持ちを)
純一(美也……)
美也「……」ウルウル
純一「か、かわいい……」
天使(え)
悪魔(え)
梅原「おおー」
美也「え?」
純一(あ、つい口が)
美也「ほんと……に?」ウルウル
純一(でも……)
純一「ああ、もちろんさ」キリッ
美也「に、にぃに……」
純一「僕はなんてバカだったんだ……こんな可愛い妹を騙そうとしたなんて」
美也「……騙す?」
純一「梅原!」
梅原「え」
美也「え、梅ちゃん?」
梅原「ちょ」
純一「ごめん、美也。実は……」
――――
――
―
美也「ふーん」
美也「じゃあ、やっぱり全部からかってたんだ」
美也「全部、全部……かわいいって言ったのも」
純一「違うよ、美也」
美也「なにg」
ダキッ
純一「美也はほんとにかわいいと思う」
美也「」
梅原「」ポカーン
純一「美也、ごめんよ。梅原の悪魔の誘いなんて、どうとでも断ることはできたんだ」
純一「でも、どうしても知りたかったんだ、美也がブラコンかどうか」
純一「なぜなら」
純一「僕も今気づいたけど。僕はシスコンだから!!」
シスコンだから!
コンだから!
だから!
から
美也「」
梅原「」
純一「美也!」
美也「え、えっと」
純一「美也!かわいいよ美也!」
美也「そ、そう?」
純一「なんでも言うさ!美也はかわいいなぁ!」
美也「えへへへへ」
梅原「」
美也「に、にぃにもかっこいいよ。ちょっとすけべだけど」
純一「本当かい、美也」
美也「う、うん」
梅原「」
純一「美也!」
美也「に、にぃに///」
梅原「」ハッ
梅原「……俺、帰るわ」
梅原「じゃあな、大将」
梅原(人として……)
純一「あ、ちょっと待て梅原」
梅原「あん?」
純一「ビデオは置いていけよ」
美也「ビデオ?」
純一「さっきのかわいい美也を録っていたんだよ」
美也「ええ!?」
美也だけデレるはずが橘さんがそれ以上におかしくなったでござる
美也「は、恥ずかしい、ひどいよにぃに」
純一「でも、さっきの美也はほんとに可愛かったらさ、何度も見たいし」
美也「」
純一「それに大丈夫!僕以外には絶対見せないから!」
美也「に、にぃにだけなら……///」
純一「おいで美也」
純一「ほら、膝の上にのせてあげるから、一緒にビデオを見よう」
美也「え、ええええ」
純一「嫌か?」
美也「い、嫌じゃ……」
美也「ない///」
梅原「つ、ついていけねぇ」
梅原(あばよ、大将……)
純一「あ、待て梅原」
梅原「は?まだなんか……」クルッ
純一「ビデオをセットしていってくれないか?」
純一「美也をだっこしてるから動けないんだ」
美也「ごめんね、梅ちゃん」
梅原「」
梅原「う」
梅原「うわああああああ、この馬鹿兄妹があああああああ」
純一「なんだありゃ」
美也「ね、ねぇにぃに。ビデオは?」
純一「仕方ない。ちょっと降りててよ」
美也「えー」
純一「うーん……」
純一「よし、じゃあおんぶだ!」
美也「はーい」
やることだいたい終わった
ご飯時
美也「にぃに、あーん」
純一「お、おいそうだな。あーん」
美也「ね、おいしい?」
純一「ああ、もちろんだよ!美也が食べさせてくれるならなんだっておいしいよ!」
美也「そっかぁ、にししし」
親「あ、あんたたちどうしたの?」
純一「え、元からこんな感じだよ?」
美也「そうだよねー、にぃにー」
親(な、仲が良すぎるのも困りものよね……?)
風呂
純一「」ワシャワシャ
キィ
純一「ん?」
美也「にぃに、背中洗ってあげる!」
純一「ええ!?」
美也「あ、にぃにはそのまま座ってて。頭そのままみゃーが洗うから」
純一「え」
美也「んしょ、かゆいところはないですかー?」ワシワシ
純一「……いや、すごく気持ちがいいよ」
美也「んー、それじゃあ流すよー」
純一「ふぅ……ありがとう、m」
美也「ふぇ?」
純一「」
美也「う……あ、あんまり見ないで……恥ずかしいよ」
純一「ご、ごめん」
美也「もう、にぃにはすけべなんだから……よし、じゃあ次は背中だー!」
純一「ははっ、じゃあしっかり頼むぞ」
美也「んしょ、んしょ」
純一「んー、もう少し力が必要だなー」
美也「むー」
美也「よいしょ!よいしょ!」
純一「あ、おい。そんな立って力いれたらこr」
ズルッ
美也「あ」
純一「え」
美也「ひゃあ!」
純一「うわわわわ」
ドッシーン
美也「いったーい」
純一「大丈夫か、みy」
純一「」
美也「あ、ごめんにぃに。にぃに?」
美也「?」
純一(た、タオルが……)
美也「」
美也「や、やぁぁあああ、見ないで!!」
純一「ご、ごめん!!」
美也「み、見られたぁ……」
純一(み、見てしまった……)
美也「……」
純一「……」
美也「さ、先あがるから」
純一「う、うん」
美也「……」ガラッ
純一「……」
純一「一応膨らんでたな……」
純一「し、下もはっきり……」
純一「はっ、僕は何を……」
純一「……」
就寝前
純一(あれから美也は部屋に籠ったままだ)
純一(謝りに行っても、おやすみを言っても、何も返してこない)
純一(折角美也とすごく仲良くなれたのに……)
純一(もしかしてこのまま……)
(モブ「俺なんかもう一年は口きいてないわー」)
純一「うう、そんなの嫌だ。美也……」
コンコン
しばし休憩
純一「はーい」
美也「にぃに……」
純一「み、美也か?」
美也「うん……」
純一「どうしたんだ?入っておいで」
美也「……」ガチャ
美也「……」モジモジ
純一(ぱ、パジャマ……パジャマの美也もかわいいなぁ)
純一(それにしてもどうしたんだろう。何も言わないぞ)
純一「美也?」
美也「っ」
美也「あ、あのね、にぃに?」
純一「なんだい?」
美也「い、一緒に寝ても、いいかな?」
純一「」
純一「も、もちろんだよ!!」
美也「ほ、ほんとに?」
純一「ああ!ほら、おいで」
純一「あ、布団は別々の方がいいか?じゃあ床に敷くから――」
美也「ち、ちがうの!一緒に……」
美也「一緒に、にぃにと同じお布団で寝たいの」
純一「」
純一「……」ギュッ
純一「いたっ!夢じゃない!?」
美也「な、何してるのにぃに?変なの」
純一「いやいやいや、なんでもないんだ!」
純一「えーっと……ね、寝る?」
美也「うん……」
純一「じ、じゃあ電気消すから、いつまでも立ってないで、こっちにおいで」
美也「うん……」
純一(……?やけに素直だな)
純一(さっきのこと、気にしてるのか?)
純一「じゃあ、消すぞ」
パチッ
ID変わったはず
美也「……」ドキドキ
純一「は、入るぞ?」
美也「……」ドキドキ
純一「……」ドキドキ
純一(うう、なんでずっと黙っているんだ?怒ってる、わけじゃないよな?)
純一(怒ってたらこうして一緒に寝ようだなんて……)チラッ
美也「……」
純一(そっぽ向いてるし……)
純一「……」
純一(一緒に寝るなんて、何年ぶりだろう)
純一(昔は結構一緒に寝たよな)
純一(両親がいない日や、雷の日なんかは)
純一(あの頃に比べたら、美也も大きくなったよな)ジッ
純一(……でも、まだこんなに小さいんだ)
純一(うっ)
純一(い、いけない!美也の背中をじっと見ていたら)
純一(さっきのお風呂での記憶が!!)
美也「ねえ、にぃに……」
純一「へ?あ、いや、な、なんだい?」
美也「さっきのこと、覚えてる……?」
純一「う、うん――い、いや!覚えてるけど、絶対忘れるから!」
美也「なに慌ててるの?」
美也「クスクス、いいよ別に、忘れなくても」
純一「ええ!?」
美也「恥ずかしいけどさ」
美也「……どうだった?」
純一「ど、どうって……」
美也「みゃーの……その……」
純一「う……え……」
美也「……にぃにの、好みじゃないでしょ」
純一「え」
美也「みゃーの、ちっちゃいから……」
純一「ち、ちっちゃいからなんだよ!」
純一「ぼ、僕は別に大きさだけで判断しないし、大きければいいというものでもないし」
純一「それに美也だってまだまだ成長する可能性もあるわけだし、その」
美也「でも、にぃにが読んでるえっちな本の女の人は」
美也「大きい人ばっかじゃん」
純一「」
純一「よ、読んだのか?」
美也「///」
純一「うわああああ」モンゼツ
美也「……」
美也「やっぱりみゃーのじゃ……」
美也「……」ショボン
純一「美也……」
純一「こっちを向いて、美也」
美也「え?」
純一「美也」ギュッ
美也「ふぇ」
純一「美也は、すごくかわいくて、魅力的な女の子だよ」
純一「ちっちゃいとか、気にすることなんてない。だって」
純一「僕の心臓の音、聞こえるかい?」
美也「う、うん」
純一「すごく、ドキドキしてるだろ?それが証拠だよ」
俺「僕の心臓の音、聞こえるかい?」
俺「すごく、ドキドキしてるだろ?それが証拠だよ」
ぐはぁ
し、しかも仕事の合間に……
美也「うん、にぃに、すごくドキドキしてる……」
美也「みゃーも。みゃーもすごいドキドキしてる、でしょ?」
純一「うん」
純一「さっき、忘れるって言っただろ?その……美也の、裸のこと」
純一「ごめん、無理だ」
純一「さっきから、ずっと頭の中でちらちらして、美也のこと見ているだけで、思い出しそうになるんだ」
美也「う……は、恥ずかしいよにぃに」
純一「でも、それだけみゃーのは、裸が、魅力的だったんだよ」
美也「と……当然でしょ!ふんだ!」
純一「美也」
純一「やっと、いつもの美也に、戻ったかな」
美也「そうかな……そうかも。にしし」
美也「……ところでにぃに」
純一「なんだい?」
美也「そうしてると寝にくい」
純一「ああ、ごめんごめん」
純一「……」
純一(美也、柔らかくて気持ちよかったな……)
純一(抱き枕にしたい……)
美也「……ごめんねにぃに」
純一「なにが?」
美也「変なこと言っちゃって……」
純一「なんだ、気にするなよこのくらい」
美也「ありがと、にしし」
エロはたぶんない
美也「ねえ、にぃに」
純一「ん?」
美也「手を繋いで寝ても……いい?」
純一「いいよ。ほら」
美也「うん」
純一「……」
美也「……」
美也「おやすみ……大好きなにぃに」
チュンチュンチュンチュン
美也「にぃに、起きて!朝だよにぃに!」
純一「うーん……」
美也「にぃにってば!もー、こうなったら」
純一(ん……あさ……?)
美也「起きないとちゅーだからね!!」
純一(ちゅ……う……?)
美也「……」
美也「……」チュ
純一「え」
純一「えええええええ」
美也「あ、にぃに起きた」
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