まるこ「いいや、しらないね~。新しいインフルエンザか何かかね~?」
たまちゃん「何か聞いた話だとね~、感染すると強くなるんだって」
まるこ「強くなる?わたしゃ別に強くなりたくもないしね~。ウイルスって聞いただけで感染したくないよ」
たま「きゃはは、そうだよね~。でも男の子とかは興味ありそうだよね~」
はまじ「おっ、なになに?強くなるって何がだ?」
まるこ「あっ、はまじ~。新しいインフルエンザに感染すると強くなるらしいよ」
はまじ「えっ!インフルエンザで!ちょっと怖ええなあ・・・」
たま「まるちゃん、インフルエンザじゃないよ・・・・」
関口「お~い、はまじ~、臨海学校で使う懐中電灯、買いにいこうぜ~」
はまじ「おう、明日は臨海学校だもんな。楽しみだぜ~!じゃあな、さくらに穂波。」
まるこ「うん。じゃあね、はまじ」
たま「ばいばーい」
まるこ「じゃあ、私たちも明日に備えて帰ろうか?」
たま「うん、そうだね。じゃあまた明日」
まるこ「ばいばーい」
キートン山田「そして翌日」
まるこ「おはようたまちゃん」
たま「おはよう、まるちゃん。いい天気だね~」
まるこ「うん、ほんといい天気だね~。臨海学校で何するか楽しみだね~」
マルオ「ズバリ!ただ遊びにいく気分でいかれても困るでしょう!」
まるこ「マ、マルオくん・・・いいじゃん・・・夏休みなんだし・・・」
マルオ「駄目です!臨海学校とは、自然とふれあいながら、自分自身を成長させるためのカリキュラムのひとつなのです!気を引き締めて参加するべきでしょう!」
まるこ「カリフラワーだか何だかしらないけどさー、そんな堅い事いいっこなしだよ」
先生「それでは皆さん、バスに乗って、予め決めておいた席に座ってください」
一同「はーい」
藤木「永沢くん・・・僕、窓際の席がいいなあ・・・」
永沢「ふん。君、自分だけ景色を眺めて楽しむつもりかい?」
藤木「い、いや、そんなことは・・・」
永沢「相変わらず卑怯だな、藤木くんは」
山田「バスだじょー!おいら運転席の隣に座りたいじょー!」
マルオ「や、山田くん!貴方の席は私の横でしょう!大人しくしてください!」
大野「オオクワガタ、いるかなー。いっぱい捕まえて帰りたいなー」
杉山「いるぜきっと。俺も負けないくらい捕まえるからなー」
みぎわ「花輪く~ん・・・おにぎり作ってきたの・・・食べる?」
花輪「ソ、ソーリー、あいにくお腹が一杯でね・・・」
みぎわ「んもう!花輪くんったら~」
野口「・・・クックックッ」
先生「さあ皆さん、お世話になる宿舎につきましたよ。荷物をまとめて、降りる準備をしてください」
一同「はーい」
はまじ「へえ~、俺たちここに泊まるのか。結構でけえな」
ブー「なんか陸の孤島って感じでワクワクするブー!」
関口「よお、着いたら宿舎の中、探検しようぜ!」
先生「それでは皆さん、先生は宿舎の方に挨拶に行ってきますので、それまでここに整列して待っていてください」
キートン山田「30分後」
マルオ「・・・先生、おそいですね~」
長山「・・・うん。いくらなんでも、30分はかかりすぎだね」
前田「ちょっとあんたら!中の様子を見てきなさいよ!」
はまじ「えっ!俺らがか?お前が行けばいいじゃんよお」
前田「うるさいわね!男の子でしょ!さっさと行きなさいよ!」
関口「ちぇっ、わかったよ、はまじ、ブーたろう、ちょっと見に行こうぜ」
はまじ「しょうがねえなあ・・・」
たま「はまじたち、行っちゃったね・・・」
まるちゃん「うん・・・なんかわたしゃ待ちくたびれたよ・・・」
ガサガサガサ
マルオ「?・・・茂みから、何か音が聞こえてきますね・・・」
まるこ「ちょっとマルオくん!怖い事いわないでよ!」
城ヶ崎「そうよ、ただでさえ不安になってきてるのに!」
ガサガサガサ
???「ガルルルルウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
一同「!?」
みぎわ「な、何なの、あれ・・・?」
???「ガウガウガウ!!!!!」(ダッ!)
野口「!みんな、宿舎まで走るよ!」
一同「うわあああああああああああああ」
山根「ちょ、ちょっと待って!胃腸が・・・!」
???「ガルルルルウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」
シュッ パパパパパパアン!!!!!
???「!ガウッ」
野口「爆竹持ってきといて正解だったね・・・山根!宿舎まで走る!」
山根「う、うん!」
タタタタ・・・
大野「ぜえぜえぜえ・・・おい、みんな無事か!?」
杉山「逃げ遅れている奴はいねえか!?」
マルオ「はあはあ・・・みなさん、お揃いのようですね・・・学級委員長として、ほっとしています・・・」
たま「ま、まるちゃん・・・大丈夫?」
まるちゃん「た、たまちゃん、ありがとう。ありゃいったい、何だったんだろうね?」
城ヶ崎「何なのよ・・・あんなのがいるなんて、聞いてなかったわ」
笹山「怖いわ・・・帰りたい・・・」
藤木(笹山さんが不安がっている・・・ここで男らしいところを見せれば・・・ムフフ)
永沢「藤木くん、こんな状況で何ニヤニヤしてるんだい?」
藤木「うっ!い、いや、ニヤニヤなんてしてないよお」
永沢「ふん・・・」
山根「あ、野口さん・・・さっきはありがとう!おかげで助かったよ」
野口「クックックッ、どういたしまして・・・」
山根「でも、どうして爆竹なんかもってたの?」
野口「クックックッ、秘密・・・」
マルオ「すいませーーーん!誰かいませんかーーーーーー!」
シーン・・・・
まるこ「せんせーい!」
シーン・・・・
たま「はまじー!関口ー!ブーたろう!」
シーン・・・・
まるこ「みんな、どこにいっちゃったんだろう・・・」
たま「うん・・・心配だね・・・・」
前田「ちょっと、さくらさん」
まるこ「なあに?前田さん」
前田「おしっこいきたいんだけど・・・付いてきてくれない?」
まるこ「え”・・・トイレなら、あそこにあるけど・・・」
前田「いいじゃないの!付いてくるくらい!ほら、行くわよ!」
まるこ「う、うん・・・」
たま「まるちゃん・・・私も行くよ・・・」
まるこ「ありがとう、たまちゃん・・・・」
山根「ぼ、ぼくもトイレ・・・・」
小杉「おう山根、一人で大丈夫か?」
山根「大丈夫だよ、トイレくらい」
タタタタ・・・
大野「・・・どうする?杉山」
杉山「そうだな・・・まずは人を探すか・・・先生やはまじたちも心配だしな」
大野「よし・・・じゃあ俺と杉山、けんた、小杉はこの宿舎の探索にいくから、マルオたちはここで待っていてくれ」
マルオ「わ、わかりました・・・どうぞお気をつけて・・・」
山根「こんなときにお腹をこわすなんて・・・情けないな、僕は」
タタタタ
山根「男子トイレはここだな・・・」
バリ・・・ボリ・・・ガリ・・・
山根「?なんだろう・・・この音・・・」
山根「何か嫌な予感がするな・・・こっそり覗いてみよう・・・」
バリ・・・ボリ・・・(クルッ)グルルルル
山根「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
まるこ「!山根の声だ!」
たま「!男子便所からだね!」
前田「ちょ、ちょっと待ってよ!もう終わるから!うう・・・ぐす」
まるこ「山根!どうしたの!?」
山根「せ、先生が・・・先生が・・・!」
たま「先生がどうしたの!?」
???「グルルルル・・・」
まるこ・たま・山根「うわあああああああああああああああああああああああああああああ」
前田「ちょっと何?なんな・・・ぎゃああああああああああああああああああああああああ」
まるこ「あれいったいなんなのさ!先生食べてるじゃん!!」
たま「に、にげるよ、みんな!」
まるこ「う、うん!!!」
山根「みんな!こっちに階段があるよ!」
前田「うわああああああああんんん!!!!!」
たま「ふうふう・・・足は、遅いみたいだね・・・」
前田「ちょっと!どういうことよ!説明しなさい、さくらさん!」
まるこ「わ、私に聞かれても・・・」
キートン山田「そのころ大野くん達は」
杉山「・・・薄気味悪い建物だな・・・明かりひとつ付いてねえぞ・・・」
大野「ああ、おまけに人の気配もしないな・・・」
小杉「ケンタ、今、どこらへんをうろついてるんだ?
ケンタ「多分・・・3階の談話室あたりだと思うけど・・・」
ガタッ
一同「!!!」
小杉「だ、誰か。いるのか?いるなら返事しやがれ!」
???「グルルルル・・・・」
大野「!な、なんだ・・・こいつ」
杉山「! お、おい、こっちに近づいてくるぞ!」
小杉「なんだ、人いるじゃんか。おーい、すいませーん!」
タタタタタ
ケンタ「お、おい、小杉・・・」
小杉「すいませーん、俺ら、先生と友達をさが」
ガリッゴキッ
大野・杉山・ケンタ「!!!」
小杉「いて・・・うわ・・・たすけ・・・・」
バリボリ
大野「て、てめえ、小杉を離しやがれ!」
杉山「このっ!(バキッ)」
大野「くそっ!びくともしねえよ・・・」
ケンタ「離せ!小杉を離せ!」
ガサッ
大野「!もう一人・・・!」
杉山「ケンタ下がれ!」
ケンタ「えっ・・・あ」
グシャ
大野「け・・・ケンタ!」
ケンタ「いたいよ・・・いたいよ・・・」
杉山「・・・大野!逃げるぞ!」
大野「! 杉山!二人を見捨てるのか!」
杉山「馬鹿野郎!このままじゃお前までやられちまうだろ!素手じゃあこいつらビクともしねえんだぞ!」
大野「だからってよお・・・くそっ!」
ダダダダダ・・・・
キートン山田「後半につづく」
キートン山田「一方、マルオくん達は」
マルオ「・・・皆さん、遅いですねえ・・・」
城ヶ崎「携帯、せっかく持ってきたのに、圏外だなんて・・・」
笹山「事務員さんみたいな人、いないかしら・・・」
みぎわ「花輪く~ん・・・わたし、心細~い」
花輪「は、はは、だ、大丈夫だよ、セニョリータ・・・」
野口「・・・・・・・・(クンクン)この臭い・・・」
藤木「はあ・・・お腹すいたなあ・・・」
永沢「藤木くん、ため息つかないでくれないか。こっちまで気が滅入るよ」
藤木「ご、ごめん・・・」
マルオ「しょうがありませんね・・・ズバリここは学級委員である、私が皆さんを呼びに行ってきましょう!」
ガチャ・・・
笹山「あれ?ドアが開いたよ」
城ヶ崎「よかった・・・誰もいないのかと思った」
???「グルルルル・・・・・」
???「ガアアア・・・・・」
???「シュルルルル・・・・・」
マルオ「え・・・な、なんかおかしな方々ですね・・・こ、こんにちは・・・」
ガチャ・・・
???「フシュウウウ・・・・・」
???「ガルルルル・・・・・」
???「ギャアアアア・・・・・」
城ヶ崎「え・・・なんかこの人たち・・・怖いわ」
笹山「な、何?こっちに近づいてくるんだけど・・・」
マルオ「皆さん!人を見た目で判断してはいけません!ズバリ私がお話をしてき」
メリッ
藤木「えっ・・・」
永沢「う・・・・」
一同「うわあああああああああああああああああああああああああああああ」
野口「ちっ・・・やはり人間じゃあないようだね・・・すっかり囲まれてしまったねえ・・・」
城ヶ崎「いやあああああ!何?何なの?来ないでよ!」
みぎわ「きゃああああああ!!は、花輪くん、助けてよお!」
花輪「そ、そんなこと言われても困るなあ・・・僕も逃げたいんだが・・・」
永沢「うわああああああああんんんん!!!くるな、くるなあああああ!!!!!」
笹山「やめて!こっちに来ないで!いやああああああ!!!!」
藤木(笹山さんが怯えている・・・何とかしなきゃ・・・・でも、怯えている笹山さんも、可愛いなあ・・・)
野口「まいったねえ・・・私ひとりなら、逃げられないこともないけど・・・全員を助けるのは、無理そうだねえ・・・どうしたものか・・・」
野口「! ・・・あれは・・・消火栓だねえ・・・まあ・・・足止めにはなるか・・・」
野口「ちょいと、花輪くん。君、身のこなしが軽やかだったよね・・・」
花輪「うん、ああ、僕のステップは軽やかだけど・・・それがどうかしたのかね?」
野口「クックックッ・・・それにその落ち着きよう・・・伊達にお金持ちはやってないようだねえ・・・」
花輪「そんなことないさ・・・このスリリングな状況に対応しきれていないだけさ・・・」
野口「じゃあ、お願いがあるんだけどさ・・・あそこにある消火栓まで、走ってくれない?」
花輪「え・・・ああ、なるほど。わかった。ダッシュして消火栓をオープンしたらいいんだね?」
野口「クックックッ・・・頼んだよ・・・」
花輪(いち、にの)「それっ!」
みぎわ「は、花輪くん!?どこ行くの!?」
長山「花輪くん!ひとりで飛び出しちゃ危ないよ!」
花輪「ベイビ~、大丈夫だよ。ちょっと待っててくれたまえ」
タッタッタッ
花輪「ふう・・・これを構えて・・・これを回したらいいのかな?」
プシュウウウウウウウウウ
城ヶ崎「しょ、消火栓!?」
野口「ほら、道があいたよ!走り抜けるんだよ!」
一同「うわあああああ」
タタタタタ・・・・・
城ヶ崎「・・・随分、人数が減ってない・・・?」
野口「あれだけ囲まれたらねえ・・・全員逃げるのは、無理だったようだねえ・・・」
笹山「そんな・・・私たち、これからどうなるの?どうすればいいの?」
藤木(笹山さん・・・あなただけは、僕が守ります・・・)
永沢「あ、藤木くん。君、生きてたんだ」
藤木「な、永沢くん・・・僕が生きてちゃ、いけないのかい?」
永沢「そういうわけじゃないけど・・・状況的に、てっきりあいつらに捕まったものだと・・・」
藤木(言えない・・・笹山さんの前で、長山くんを盾にして逃げてきたなんて・・・とても言えないなあ・・・)
みぎわ「さすが花輪く~ん・・・怖かったわあ・・・ありがとう・・・」
花輪「お役に立ててなによりだよベイビ~・・・全員助けるのは、無理だったけどね・・・」
山田「ありがとうだじょー!おかげでおいらも助かったじょー!」
城ヶ崎「・・・これからどうしよう?どうすれば、おうちに帰れるのかな・・・?」
野口「・・・内も外も化け物かい・・・万事休すだねえ・・・」
藤木「そ、そうだ!電話で助けを呼ぼうよ!それがいいよ!」
永沢「で、藤木くん。電話はどこにあるんだい?」
藤木「そりゃあ、事務所の中とか・・・」
永沢「事務所って、さっき化け物がぞろぞろ出てきた、あそこのことかい?」
藤木「あ・・・」
花輪「まあ、ここで話してても解決しないよベイビ~達。脱出方法を探しに、探索しようじゃあないか」
笹山「でも、また化け物に出くわすかもしれないよ・・・」
野口「そんときゃ、走って逃げな。あいつら、足は遅いようだからね・・・」
城ヶ崎「・・・そうね、ここで愚痴ってても仕方ないもんね。私たちだけでも脱出しましょう!」
山田「そうだじょー。脱出だじょー。何かかっこいいじょー」
永沢「ふう。山田くんはのんきだな」
キートン山田「一方、まるこ達は」
まるこ「・・・もう!なんで化け物がこんなにいるのさ!少しは逃げる私たちのみにもなれってんだ!」
たま「まるちゃん・・・気持ちは分かるけど、落ち着いて・・・」
山根「でも・・・なんで化け物なんかがこの宿舎にいるのかな?今まで見た事もなかったけど・・・」
たま「ほんとだよね・・・人を襲う化け物なんて噂、聞いた事もなかったのに・・・」
前田「ふえええええええんんん・・・おうちに帰りたいよおおおお」
たま「あ・・・ここ、資料室かな?化け物もいないみたいだし、入っていこうか?」
まるこ「たまちゃん、こんなときでも勉強かい?わたしゃその姿勢に感心するよ」
たま「は、ははは・・・えっと・・・この宿舎の歴史の本とかが置いてあるようだねえ」
山根「へえ・・・化け物について、何か書いてないかな?」
たま「どうだろう・・・ちょっと調べていってもいい?」
まるこ「うん、いいよ。何かわかったら教えてね」
前田「グス・・・ヒック・・・ヒック・・・もういやだよお・・・」
ガタッ
まるこ「!」
たま「ひっ!」
山根「わっ!」
前田「うわあああああああああああああああぎゃあああああああああああああああああああああひええええええええええええええええええ」
はまじ「ま、前田か?びっくりさせるなよな・・・」
まるこ「はまじ!生きてたの?」
はまじ「ああ、なんとかな・・・」
まるこ「関口とブーたろうは?」
はまじ「わかんね。みんな散り散りになって逃げまくってたからよお・・・」
はまじ「で、みんなは無事なのか?」
たま「わかんない・・・先生は死んじゃったけど・・・」
はまじ「そうか・・・先生、死んじゃったのか・・・」
山根「それで、何かわかったのかい?この宿舎について」
はまじ「いいや、さっぱりだぜ。何でこんなに化け物がいるんだ?」
たま「それを調べようかと思って・・・はまじも手伝ってくれる?」
はまじ「本を見るのは苦手だけどな・・・わかったよ。手伝うよ」
山根「それじゃあ、まずはこの棚から調べていこう!」
まるこ「がんばって!応援してるよ!」
キートン山田「一方、大野くんと杉山くんは」
大野「ちくしょう・・・すまん、小杉、ケンタ!すまん・・・」
杉山「・・・そんなに自分を責めるな・・・責めるなら、お前に逃げるように言った俺を責めろよ・・・」
大野「・・・すまん、杉山。お前がいなかったら、あそこで全滅だったろうな・・・ありがとう」
杉山「・・・まあ、お前だけでも生き残ってよかったよ・・・とにかく、みんなのところに戻ろうか」
大野「そうだな・・・みんなも心配してるかもしれないもんな・・・」
杉山「よし、いこう!」
大野「ああ!」
杉山「しかし、この宿舎、無駄に広いよな」
大野「ああ、今どこにいるのかわかりづらいったらありゃしねえ」
杉山「・・・なあ大野、あの化け物って、どうやったら倒せるのかな?」
大野「・・・頑丈だったからな。ナイフとかじゃあ、俺たちの力じゃ意味ないかもな」
杉山「素手じゃ駄目、ナイフでも駄目、だとすると・・・」
大野「・・・斧、拳銃、火炎放射器みたいなものとか、かな」
杉山「・・・大野、この宿舎にそんなもの、あるかなあ」
大野「そんなのわかんねえよ。無ければ俺たちには逃げる事しか出来ねえってことさ」
杉山「お、下に降りる階段、みっけ」
大野「よし、とりあえず2階に降りようぜ。」
???「グルルルルル・・・」
大野「!やべ!階段の下に化け物がいやがるぜ!」
杉山「ちっ・・・しょうがねえ、別の階段、探そうぜ!」
タタタタタ・・・・
キートン山田「一方、資料室のまるこたちは」
まるこ「みんな~、何かわかった~?」
はまじ「ちょっと待ってろって!今調べてるんだから!」
まるこ「んも~う、はやくしないと日が暮れちゃうじゃん」
たま「ま、まるちゃん・・・もうちょっとだから、待っててね・・・」
山根「へえ~、この宿舎って、戦時中は研究施設だったみたいだね」
はまじ「まじで!なんかかっこいいなあ!」
山根「3階の展示室には、戦時中に使われたいろんなものが保管されてるみたいだよ」
たま「あ、こっちにはこの施設がある山について書いてあるよ!この施設の屋上にある展望台からの見晴らしのいい景色は絶品だって!」
まるこ「ふ~ん(ホジホジ)」
前田「Zzzzz・・・・」
たま「宿舎の図面も見つかったから、迷子になることはなくなったね!」
はまじ「じゃあさ、3階の展示室とやらに行ってみようぜ!面白そうじゃん!」
まるこ「3階?脱出するんなら1階の方がいいんじゃないの?」
山根「そうとも限らないよ。もしかしたら、その展示室に脱出のヒントがあるかもしれないよ」
たま「うん、そうだね。このままじゃ脱出は無理っぽいし、行ってみようか」
まるこ「う~ん・・たまちゃんがそういうなら・・・前田さん、起きて。行くよ」
前田「うーん・・・あと5分・・・」
キートン山田「更に場面が変わり、花輪くんたちは」
城ヶ崎「ふう・・・逃げるだけなら、意外と難しくないものね」
笹山「最初から危険だって分かってれば、みんなも助かったのにね・・・」
藤木(ああ・・・自分より皆の心配をする笹山さん・・・まぶしいよ・・・)
みぎわ「でも、走りっぱなしでいい加減疲れてきたわね・・・お腹もすいたし、どこかで休みたいわ」
花輪「そこのルームで休憩しようか・・・見張りは僕がしておくよ」
永沢「悪いね・・・花輪くん。じゃあ、お言葉に甘えて、ちょっと休憩しようか」
みぎわ「ちょっと!なに言ってんのよ!花輪くんだって疲れてんのよ!アンタが見張りしなさいよ!」
永沢「ええっ!?冗談じゃない。僕だって疲れているんだ!君にとやかくいわれる筋合いはない!」
みぎわ「なんですって!アンタ、私たちについて逃げ回ってるだけじゃないの?」
花輪「まあまあ・・・見張りは僕がするから、後で交代してくれないかな?」
永沢「まあ、それならいいよ・・・」
笹山「ふう・・・なんかいろいろと、疲れたね・・・」
城ヶ崎「そうよね・・・なんか、現実とは思えないわ・・・」
藤木「つ、疲れただろう?僕のお茶、飲むかい?」
笹山「ありがとう、藤木くん。ちょうどのどが乾いていたの」
藤木(ああ・・・笹山さんが僕のコップでお茶を・・・これって間接キッス?うひょー)
永沢「ああ、ぼくにもちょうだい」
山田「おいらもほしいじょー」
みぎわ「それなら私も飲むわ!いいでしょ!?」
藤木(ガーーーーーーーーーン ぼくの・・・間接キッス・・・)
城ヶ崎「・・・それで、野口さんは何作ってるの?」
野口「・・・タイマー式、爆竹」
笹山「そ、そうなんだ・・・」
みぎわ「はなわくーん、おにぎりあるから食べなーい?ほら永沢、とっとと変わってきなさいよ」
永沢「もうかい!?ったく、しょうがないなあ。花輪くん、交代だよ」
花輪「ああ・・・悪いねベイビー。じゃあせっかくだから、いただこうかな」
山田「おいらもおにぎりほしいじょー・・・」
みぎわ「ふん!アンタの分なんて、ないわよ!」
花輪「それじゃあ、僕と半分こしよう・・・」
山田「わーいわーい、花輪くん、ありがとうだじょー」
野口「!・・・(クンクン)・・・近いね・・・」
城ヶ崎「えっ?」
野口「今すぐこの部屋から出るよ!何かくる!」
笹山「え!な、永沢くん!何か異常あるの?」
永沢「え?特にないけど・・・」
野口「(クンクン)・・・あいつらに比べて、獣臭が強いようだね・・・新種かねえ?」
藤木「な、何?なにが来てるって?」
野口「とにかく逃げるんだよ!鉢合わせさえしなければ問題ないよ!」
花輪「ベイビー達!急いで!」
ダダダダダ・・・・
バキバキバキバキ ドスン!!!
???「グルルルル・・・・」
パパパパパン!!!
???「!!!グオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
永沢「へ、部屋に入っていったよ・・・危なかった・・・」
城ヶ崎「な・・・なにあれ!?あんな巨大な化け物がいるなんて・・・」
野口「クックックッ・・・親玉のお出ましかい・・・?危機一髪だったねえ・・・・」
支援していただく方もいる中、大変申し訳ないのですが、私用により外出する事になりました。
中途半端で心苦しいのですが、ここで終わらせていただきます。
もし続きを書かれたい方がいらっしゃいましたら、お任せいたします。
>>1です。まさか今まで保守していただいているなんて、思ってもいませんでした。
保守していただいた皆様には感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
ご期待に添えれるよう、続きを書いていきたいと思いますので、宜しくお願いします。
キートン山田「一方その頃、大野くん達は」
大野「・・・なんか迷路みたいだな、この宿舎。案内標識くらい用意してほしいよな」
杉山「全くだぜ。さっぱり階段が見つかんねえや。」
大野「さっきの階段の下にいたゾンビ、もうどっか行ったんじゃねえかな?」
杉山「あそこに戻るのか?まあ闇雲に動き回るよりはマシかもな」
大野「・・・うん?おい杉山、この部屋見てみろよ。面白いもんが置いてあるぞ」
杉山「なんだ?・・・うおっ、軍服じゃねえか!こっちにはライフルみたいなものが置いてあるぞ!」
大野「資料室って書いてあるな。ライフルは作り物みたいだぜ」
杉山「ちぇっ。本物だったら、あの化け物に対抗できるかもしれねえのによ」
大野「ほんとだな・・・うん? おい杉山!これ、本物っぽくねえか!?」
杉山「・・・すげえ、玉も入ってるぜ!『南部14年式自動拳銃』って読むのか?」
大野「5丁もあるな・・・全部、持っていっとくか。待ってる奴らにも渡しといた方がいいもんな」
杉山「そうだな。ちょっと重いけど、持っていこうぜ」
大野「あとは・・・サバイバルナイフもあるな。持っていくか」
杉山「よし大野、これ持ってさっきの階段まで戻ろうぜ!」
大野「そうだな!もしかしたら倒せるかもしれねえもんな!」
杉山「早くいこうぜ!」
大野「ああ!」
ダダダダダ
???「グルルルル・・・・・」
大野「いたぞ・・・・まだ階段の下をうろついてやがるぜ」
杉山「俺たちには気づいていないみたいだな・・・やってみるか」
パン!・・・・
???「!グガッ!!!グルルルル・・・・・」
杉山「当たった!・・・けど、威力弱くねえか?」
大野「昔の拳銃みたいだもんな。ある程度はしょうがねえよ。でも、多少は効いてるみたいだぜ」
???「ガアアアアアア!!!!!!」
杉山「!やっべえ!こっちくるぞ!」
大野「落ち着け杉山!距離が近いほど威力が増すはずだぜ!」
大野「杉山!頭だ!頭を集中して狙え!」
杉山「まかせろ!」
パンパン!!!
大野「もういっちょ!」
パンパン!!!
???「グ・・・・ガガガガガ・・・・・・」バタッ
杉山「た・・・倒したのか・・・?」
大野「みたいだな・・・駄目だ、全部を相手にするには、玉がとても足りねえよ」
杉山「しょうがねえ、極力逃げて、相手を選んで撃っていくか・・・」
ガタッ
大野・杉山「!」
大野「くそっ!まだいやがったのか?」
ブーたろう「ま、待ってくれブー!撃たないでほしいブー!」
杉山「ブーたろう!お前、生きてたのか!」
大野「ブーたろう!よかった、無事だったんだな。はまじと関口はどうした?」
ブーたろう「わからないブー・・・おいら必死に逃げてたら銃声が聞こえたんで、ここに来たんだブー・・・」
杉山「・・・そうか。ブーたろう、ほら」
ブーたろう「・・・こ、これ拳銃だブー!おいら、こんなの撃てないブー!」
大野「駄目だ。自分の身を守る為にも持っておくんだ。いいな」
ブーたろう「・・・怖いブー」
杉山「ああ、俺たちだって怖ええよ。でもな、だからといってだまってやられていいわけ、ねえだろ?」
ブーたろう「・・・わかったんだブー・・・」
大野「よし、じゃあ1階のみんなのところにいこうぜ!」
杉山「ああ、早くみんなに危険だって事を伝えねえとな」
ブーたろう「おいらも行くブー!」
大野「あたりめえだろ!いくぞ二人とも!」
杉山・ブーたろう「おう!」
タタタタタ・・・・・
キートン山田「一方、まるこ達は」
まるこ「前田さん、目、覚めた?」
前田「覚めないわよ!私だってこんな悪夢、早く覚めたいわよ!」
たま「前田さん・・・落ち着いて・・・」
前田「落ち着いてなんていられるわけないでしょ!うわ~ん、早く帰りたいよ~」
はまじ「前田、いい加減にしろよ!俺たちだって帰りてえんだよ!・・・ちくしょう、俺まで泣きたくなるじゃねえか・・・」
山根「ま、まあまあ、みんな。とにかく行動しようよ!ほら、3階の資料室に行くんだろ?」
まるこ「そ、そうだよ、みんな!資料室にいけば、きっと脱出のヒントが見つかるよ!ねえ、たまちゃん!」
たま「あ、う、うん。そうだよ、みんなきっと脱出できるよ!元気だそうよ!」
前田「グスッ・・・グスッ・・・」
はまじ「そ、そうだよな!うん、絶対そうだ!よし、早く行こうぜ!」
たま「え~と・・・これだ!この階段を上ってちょっと右に行ったところが資料室だよ!」
はまじ「化け物にも遭わないでここまで来れるなんて、ついてるなー俺ら」
まるこ「まったく、冷や冷やするね~。この調子で化け物に遭遇しないで、家まで帰れないもんかね」
山根「ははは、全くその通りだよな。このまま階段を上ろうぜ!」
前田「・・・! ちょ、ちょっと待ってよ!階段に人が倒れてない!?」
たま「えっ!・・・ほ、ほんとだ!だれか倒れてる!」
まるこ「こうしちゃいられないよ!おーい、大丈夫ですかー!」
山根「さ、さくら!不用意に飛び出さない方が・・・」
まるこ「大丈夫ですかー!」タタタタタ
まるこ「おーい、だいじ・・・・うぎゃあああああああああああ」
たま「まるちゃん!大丈夫!?」タタタタタ
はまじ「さくら!どうしたんだ!?」タタタタタ
山根「なんだ!?」タタタタタ
前田「(ガクガクブルブル)な、なによ!何があったって言うのよ!うわ~ん」
まるこ「ひ・・・人が、頭から血を流して、死んでる・・・!」
たま「きゃあ! し、死んでるの?」
はまじ「うわああああ!・・・で、でもこいつ、ちょっと違くねえか?」
山根「・・・うん。皮膚なんかボロボロだし、骨が見えてるし・・・これ、化け物だよね?」
まるこ「・・・え?化け物?・・・で、でもさ、なんで化け物が頭から血を流して倒れてるのさ!?」
はまじ「俺だってわかんねえよ・・・誰かがこの化け物を倒したのかもな」
山根「それって、あの化け物も倒す方法があるってことかな」
たま「・・・うん、実際ここに化け物が倒れているわけだし、そう考えた方が、自然だよね・・・」
はまじ「・・・おい、なんか希望が見えてきたぞ!もしかしたら資料室に化け物を倒す武器があるかもしれねえな!」
山根「・・・うん!きっとある!行こうよみんな!」
前田「うぎゃあああああああああ(バキッ)・・・・・」
一同「!!!!」
???「バリ・・・ボリ・・・」
まるこ「ああああああ!前田さんが!前田さんが!」
たま「きゃあああああああああああ!!!!!」
はまじ「うわああああ!!!ど、どうする、どうする!?」
山根「はわわわわ・・・・・! みんな、資料室まで走って武器を見つけにいこう!そして前田さんを助けるんだ!」
まるこ「わ、わかった!うおおおおおおおお」ダダダダダ
たま「まるちゃん!そっちじゃないよ!こっち!」
まるこ「あ、ごめんごめん!うおおおおおおおおお」
はまじ「みんな、急がないとやべえぞ!」
ダダダダダ
まるこ「はあはあ・・・ここが資料室だね・・・」
たま「・・・この銃って、模型だよね・・・」
はまじ「ちくしょお!模型でどうやって化け物を倒すってんだよ!」
山根「あきらめちゃ駄目だ、みんな!何かないか探そう!」
たま「うん、わかった!何か使える物があったら教えるね!」
まるこ「はやく・・・はやくしないと前田さんが!」
はまじ「くそ・・・!なんだよこれ、古い電話機なんていらねえよ・・・!なにか・・・なにかないのか・・・!?」
山根「あ!これは銃剣だ!」
たま「何?何かあったの?」
山根「うん、日本軍が使っていたという銃剣をみつけたよ。保管状況がよかったんだろうね。剣の部分はまだ使えそうだ。流石に弾は出そうにないけどね」
はまじ「うおっ!かっこいいなそれ!俺にも貸してくれよ!」
まるこ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!ま、前田さんが・・・!」
はまじ「そ、そうだったな!待ってろ前田!今行くからな!」
タタタタタ・・・・
はまじ「はあはあ・・・あれ?誰もいねえぞ・・・?」
まるこ「え・・・ま、前田さんは?前田さんはどこ?」
たま「・・・誰も、いないね・・・・・」
山根「・・・くそっ!前田を見殺しにしたなんて・・・!」
まるこ「ま、前田さん・・・・まえださーーーーーーん!!!!!」
シーーン・・・・・
キートン山田「後半へ続く」
お昼食べてから再開します
3階は資料室じゃなくて展示室じゃないか?
覚醒山根
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',__:{ '`'‐ .,_:::::::::::::::::_,. -''`'},...|
/ヘヾ f'て::)`::::::r''て:カ /ヘ 〉
ヽ{〈 ', :::::::::|::::::: ,'::: /
ヽ-ヘ :::::::┘:::: ヒノ
ト、 :::-‐‐-::::::/|
_| `'::::.,`¨´:/:: ト、
. _,. ‐'", ┘ :::::::`¨´:::::::: \`' 、
,. - '" \.,_::::::::::::::::::::::::::/ `' - .,_
ヽ \::::::::::::::::::/ /\ ヽ
>>593 やつを追う前に言っておくッ!
おれは今やつのスタンドをほんのちょっぴりだが体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは奴の前で階段を登っていたと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思ったらいつのまにか降りていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 超スピードだとか催眠術だとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
>>585 はい、展示室でした・・・
キートン山田「一方そのころ、花輪くん達は」
笹山「・・・いま、どこらへんかな?」
城ヶ崎「わかんない・・・化け物の数は極端に少なくなったけど・・・」
藤木「なあ・・・このまま歩き続けても意味ないんじゃないかなあ・・・入り口まで、戻らないか?」
野口「さっきの化け物と鉢合わせしたいのなら、戻りなよ・・・クックックッ」
藤木「う・・・」
永沢「藤木くん、黙っててくれないか。君が喋るとこっちまで不安になるよ」
花輪「おや?こっちのルームは倉庫みたいだね。いろいろな物が置いてあるようだよ」
山田「うひょー、ほうきだじょー!魔女のほうきじょー!」
城ヶ崎「へえ・・・何か使えそうな物、ないかしら?」
藤木「このクワとか、武器にならないかなあ?」
永沢「ふーん・・・藤木くん、当然君が、そのクワを持って立ち向かうんだよね?」
藤木「えっ!ぼ、僕がかい?」
永沢「なんだ、人に任せるつもりだったのかい。やっぱり卑怯だな、君は」
野口「この延長コードと・・・チャッカマンと・・・!これは・・・」
みぎわ「花輪く~ん、このクリスマスツリー、綺麗だとおもわな~い?」
花輪「は、はは、そうだねセニョリータ・・・ちょっと季節外れだけどね・・・」
野口「ちょいと花輪くん・・・アンタ・・・これ使ってみないかい?」
花輪「え・・・これってパールだよね・・・」
野口「私が使うにはちょいと重いけど・・・アンタなら、使えるよ」
花輪「・・・こんなので、あのモンスターを倒せるかな?」
野口「倒す必要はないよ・・・一瞬、隙を作ってくれるだけで、十分だよ・・・クックックッ」
花輪「OK・・・ありがたく頂戴しておくよ・・・」
笹山「・・・の、野口さん、なんか登山にでも行くような格好になってるけど・・・大丈夫?」
野口「大丈夫・・・」
城ヶ崎「そ、それならいいんだけど・・・」
花輪「それじゃあ、出発しようか」
野口「・・・あ、永沢。ちょっと、これを撒きながら行っておくれよ」
永沢「うん?いいけど・・・これって何だい?」
野口「・・・灯油」
永沢「灯油って・・・君、この宿舎を火事にする気かい!?僕は火事が大嫌いなんだ!」
野口「クックックッ・・・心配しなくても、液体のままじゃあ、そう簡単に燃えやしないよ・・・クックックッ」
山田「あれれ~、ここで行き止まりだじょ~」
野口「なんか迷路みたいな建物だねえ・・・」
城ヶ崎「どうしよう?引き返したほうがいいかしら?」
野口「・・・上を見てみなよ・・・」
笹山「・・・あっ、大きな穴が開いてるよ!」
藤木「本当だ!さすが笹山さん、よく見つけたね!」
花輪「取っ手に捕まりながら上れば、行けそうだね・・・よし、僕が様子を見てこよう。藤木くん、ちょっとこのバールを持っててくれないか?」
藤木「う、うん。気をつけてね」
野口「・・・花輪くん、この延長コードを持っていっておくれ」
花輪「?」
野口「のぼったら、上から垂らしておくれよ」
花輪「!OK、了解したよ」
花輪「よいしょ・・・うん、へいベイビー達、モンスターはいないようだから安心したまえ。それじゃ延長コードを垂らすから、レディからひとりずつ上ってきたまえ」
城ヶ崎「わかったわ・・・私が最初に行くね」
笹山「気をつけてね!」
シュルシュル
城ヶ崎「ふう、怖かった・・・」
花輪「じゃあ次は笹山さんかい?気をつけて上りたまえ」
笹山「うん・・・よいしょ、よいしょ」
藤木(ああ・・・笹山さんの一生懸命上っている姿、可愛いなあ・・・!あっ、あれは・・・笹山さんのパンツ!)
永沢「藤木くん・・・女の子が上っているのに下から覗くとは、卑怯だな」
藤木「え!み、見てない、見てないよ!笹山さんのパンツなんて見てないよ!」
笹山「ええ!藤木くん、私のパンツをみたの!最低!」
藤木「あああああああああああああああ」
野口「クックックッ・・・」
野口「じゃあ次は私だね」
永沢「ああ、レディファーストだったね・・・」
シュルシュル
城ヶ崎「・・・ず、ずいぶん身のこなしが軽やかね・・・」
野口「・・・クックックッ、まあね・・・」
藤木「じゃあ、次は僕がいこうかな」
永沢「ふん・・・別に構わないから、早く行ってくれないか」
藤木「そ、そんな言い方しなくても・・・」
野口「・・・(クンクン)・・・!早く上りな!化け物がきてるよ!」
藤木「ええっ!ば、化け物って、さっきのデカい奴かい!?」
野口「違う!普通の化け物だよ!落ち着いて上れば間に合うはずだよ!」
藤木「分かった!すぐ上るよ!」
永沢「待ちなよ藤木くん!そういうことなら話が別だ!僕が先に上る!」
藤木「な、何言ってるんだよ永沢くん!僕が先だよ!」
山田「じゃあおいらも一緒に上るじょー」
藤木「ま、待ってよ!そんな一度に上ったら、延長コードが切れちゃうって!」
ブチッ
藤木・永沢・山田「うわ~」
城ヶ崎「あ!延長コードが切れちゃった!」
みぎわ「ど、どうする?男子3人、残されちゃったわよ!」
花輪「急いで僕が上ったやり方で来てくれ!落ち着いたら間に合うはずだ!」
???「ガアアアアア・・・・・」
藤木「ひ・・・き、来た!!!!!」
藤木「い、いやだああ!死にたくないよお!!!」(ブンブン)
永沢「ふ、藤木くん!バールなんか振り回したら、危ないじゃな」 グシャ
城ヶ崎「・・・・!ふ、藤木!アンタ、何してんのよ!」
笹山「きゃあああ!な、永沢くん、大丈夫!」
山田「・・・うわああああ、藤木くんが永沢くんを殺したじょー!!!おいらも殺されるんだー!!!」
藤木「え、い、いや、これは違うんだ!!」
山田「うわあああああああ!!!!!」 ダダダダ
グシャ
???「バリ・・・ボリ・・・」
藤木「う、うわああああああ!!!た、助けてえええええ!!!!」
野口「ちっ・・・(シュタッ)」
花輪「!の、野口さん!今降りたら危ない!」
野口「藤木・・・先に上りってな・・・花輪くん、バール」 シュッ
花輪「(パシッ)ふ、二人とも早く上がりたまえ!」
野口「永沢・・・息、してないね・・・出来れば埋葬してあげたいけどね・・・」
???「グルルルル・・・・」
藤木「うわあああああ」 タッタッタッ
藤木「・・・ふう・・・助かった・・・」
城ヶ崎「の、野口さん!は、早く!」
野口「・・・(カチッ)」
ボオオオオオオオオオ
笹山「きゃっ!」
???「!グオオオオオオ!!!!!」
野口「ふう・・・燃えるかどうか不安だったんだけどねえ・・・この火力なら、足止め程度で収まってくれそうだよ・・・」 タッタッタッ
野口「・・・お待たせしたね。じゃあ、先を急ごうか・・・」
花輪「あ、ああ・・・」
キートン山田「一方、大野くん達は」
大野「もうすぐ1階だぜ、杉山」
杉山「おう、随分と待たせちまったな。早くみんなのところに行こうぜ!」
???「ガアアアアアア・・・・」
???「グルルルル・・・・・」
???「シャアアアア・・・・・」
大野「!お、おい!!なんでこんなに化け物がいるんだよ!」
杉山「し、知らねえよ!いくらなんでも、この数を相手にはできねえぞ!」
大野「くっ・・・み、みんな、無事なのか・・・?」
???「バリ・・・ガリ・・・」
大野「・・・!あ、あの化け物」
杉山「・・・!な、長山の頭じゃねえか!!!!!」
???「ボリ・・・ボリ・・・・」
大野「!あれはマルオの・・・」
杉山「(ブチッ)てめえらあああああああ!!!!!!」
ブーたろう「杉山くん!だめだブー!」
杉山「離せブーたろう!ちくしょおおおお!!!!!」
ブーたろう「・・・ここにいるとオイラ達も喰われてしまうブー!逃げるんだブー!」
大野「逃げるったって・・・どこにだよ!」
ブーたろう「知らないブー!でも逃げるブー!」
杉山「・・・すまない、ブーたろう、大野、いくぞ!このまま突っ込んでやられるよりは、生存者を探す方が先だ!」
大野「・・・ああ、そうだな。とにかく逃げるか!」
ダダダダダ
キートン山田「一方、まるこたちは」
まるこ「前田さん・・・ごめんね・・・」
たま「まるちゃん・・・まるちゃんだけの責任じゃないんだよ・・・」
はまじ「ああ、俺たちがもっと前田のこと、気にかけてやれば、こんな事には・・・」
山根「まだ、死んだって決まったわけじゃないんだ!諦めずに探そうよ!」
まるこ「そ、そうだよね!もしかしたらその角からひょっこり前田さんが出てくるかもしれないもんね」
たま「そ、そうだよまるちゃん!諦めずにいこ!」
はまじ「・・・あれ?おい、この部屋の壁、見てみろよ」
まるこ「え?どれどれ・・・うわ、なんか赤い文字で大きく落書きがしてあるね!」
山根「ほんとだ!ええっと・・・『かゆ・・・かゆ・・・』・・・?」
はまじ「なんだろう・・・よっぽど背中が痒かったのかな?」
まるこ「かわいそうにねえ・・・もし私がそんときにいれば、かいてあげたのにねえ」
たま「は、ははは・・・」
山根「あ、こっちには実験結果みたいな資料があるよ」
まるこ「うわ!わたし、数字だらけのものが苦手なんだよねえ・・・いいよ、そのまま置いときなよ」
山根「そ、そうかい?しょうがないな・・・」
たま「さてと、このまま廊下を進めば、1階に降りる階段だよ」
まるこ「そういえばみんな、無事なのかな?私たちは必死で逃げてきたけど・・・」
山根「僕たちが逃げれてるってことは、みんなも逃げれてる可能性が高いってことだよね。きっとそうだ」
はまじ「ブーたろうや関口は大丈夫かな・・・」
まるこ「心配するなって、はまじ!あいつら殺したって死にやしないって!」
はまじ「・・・サンキュー、さくら」
ダダダダダ
大野「!お、お前ら、無事だったんだな!」
まるこ「あ、大野くんに杉山くんに・・・ブーたろう!」
はまじ「ブーたろう!無事だったのか~、よかった~」
ブーたろう「はまじ~!よかったブ~・・・」
まるこ「よかった!いまから1階にいくんだけど、一緒に行かない?」
杉山「・・・1階には、行くな」
たま「え?どういうこと?」
大野「・・・・・」
はまじ「お、おい、ブーたろう、どういうことだよ・・・?」
ブーたろう「・・・」
山根「ま、まさか、みんなが・・・?」
大野「・・・ああ。とにかく、無事なやつを見つける事が先だ。一緒に行くぞ!」
まるこ「そ、そんな・・・みんなが・・・」
杉山「・・・それ、この宿舎の地図か?」
たま「う、うん・・・結構詳しく書いてあるよ・・・」
杉山「そうか・・・それがあれば、迷子になることもなさそうだな・・・」
はまじ「ブーたろう・・・関口と一緒じゃねえのかよ?」
ブーたろう「いや・・・おいらもはまじと一緒にいるものだと思っていたブー・・・」
山根「・・・無事な人、見つかるといいな・・・」
まるこ「・・・そうだね・・・」
キートン山田「一方、花輪くんたちは」
花輪「・・・・・」
城ヶ崎「・・・・・」
笹山「・・・・・」
藤木「・・・ねえ、みんな、怒ってるの?」
城ヶ崎「別に!怒ってなんかないわ!」
藤木「・・・(そりゃ、僕がやった事は悪い事かもしれないけどさあ・・・わざとじゃないんだから、みんなでそんなに責めなくても・・・)」
野口「うん・・・ここは資料室のようだねえ・・・」
花輪「ああ・・・本がたくさん並んでいるねえ・・・見ていくのかい?」
野口「何か分かるかもしれないからねえ・・・クックックッ」
野口「へえ・・・ここは昔、研究施設だったみたいだねえ・・・」
花輪「何の研究なんだろうね?」
野口「戦時中らしいからねえ・・・ろくなもんじゃないだろうね・・・!?これは・・・」
城ヶ崎「どうしたの、野口さん!」
野口「クックックッ・・・想像以上にろくなもんじゃあなかったねえ・・・」
笹山「え・・・どんな研究ってかいてあるの?」
野口「クックックッ・・・『T-ウイルス』・・・実在させていたとはねえ・・・」
みぎわ「え・・・なに?なんなの?」
野口「詳しくは知る必要はないよ・・・とにかく、アイツらは人間じゃあないということ、これだけ覚えてれば十分だよ・・・」
花輪「それで・・・弱点とかは書いてないのかい?」
野口「・・・頭を破壊すれば、動きは止まるよ。バールで30回くらい殴ったら止まるかもねえ・・・」
花輪「・・・それはクレイジーだねえ・・・」
笹山「ほ、他には?脱出方法とかは書いてないの!?」
野口「クックックッ・・・まあ、待っときな」
野口「・・・3階に、展示室があるみたいだねえ・・・」
みぎわ「展示室?何が展示してあるの?」
野口「・・・昔の武器の模型とかさ。もしかしたら・・・本物も残ってるかもねえ・・・」
藤木「じ、じゃあ、行ってみようよ!武器があればあいつらをやっつけられるんだろ?」
花輪「そうだね・・・一度、行ってみようじゃないか。何かあるかもしれないからね」
野口「・・・館内図が、見つからない・・・」
城ヶ崎「えっ?」
野口「普通なら、ここに館内図があるはずなんだけどねえ・・・誰か先客がいたかねえ・・・クックックッ」
キートン山田「一方、大野くん達と合流したまるこたちは」
まるこ「・・・ふう。クヨクヨしてたって仕方ないね。大野くん、どこにいってるの?」
大野「ああ。屋上に展望台があるって書いてあるだろ?そこにいけば、脱出ルートが見つかるかもしれないと思ってな」
まるこ「なるほどね~。さすが大野くんだねえ、そこに考えつくとは。はまじとは大違いだよ」
はまじ「ちぇっ、俺だった必死で考えてたんだけどな」
たま(まるちゃん・・・私もいたんだけど・・・)
ブーたろう「地図のおかげでスイスイ進めるブー。助かるブー」
まるこ「でしょ。何事も準備が大切なんだよ。わかった、ブーたろう」
ブーたろう「おう!わかったぶー」
たま(地図みつけたの、私なんだけどな・・・まるちゃんが喜んでるなら、それでいいか・・・)
杉山「あ、あれ?」
大野「どうした?杉山」
杉山「ああ、みてみろよ、あれ・・・」
大野「げっ!床に大きな穴があいてるな・・・落ちないように気をつけろよ」
ブーたろう「なんでこんなところに穴があいているんだブー?」
はまじ「しらねえ。欠陥工事かなにかじゃねえの?」
たま「なにかが突き破ったような穴だねえ・・・」
山根「う~ん・・・あの化け物たちが床を殴ってできた穴なのかな?」
まるこ「でも、上からってよりは、下から突き破ったような感じだけど・・・」
大野「とにかく!先に進むぞ!落ちるなよ!」
はまじ「下を見るなよ!目がくらむからな!」
ブーたろう「り、了解だブー!」
杉山「よし、みんな無事なようだな!行くぞ!」
大野「・・・?おい、杉山、今度は天井に大きな穴があるぞ・・・」
杉山「本当だ・・・ちょっと不気味だな・・・」
大野「そうだ、はまじ、山根、これ、渡しとくぞ」
はまじ「・・・お、おい!これ、本物の拳銃じゃんかよ!」
山根「すごいや・・・どこでこれを・・・?」
大野「3階の展示室にあったんだ。女子にはこれ、サバイバルナイフを渡しておくよ。ほら!」
まるこ「う”・・・あ、ありがとう・・・」
大野「しかしここら辺、化け物がいねえな」
杉山「ああ・・・でも、油断は禁物だぜ?」
大野「ああ、わかってるって」
はまじ「ほんと、化け物がでてこねえよな。もしかしたら、もう消滅してんじゃねえの?」
まるこ「きっとそうだよ。私たちの消えてくれっていう熱意に負けて、消滅したんだよ!絶対!」
たま(まるちゃん・・・油断するなっていうほうが、無理なんだよね・・・私、わかってるから・・・)
ブーたろう「なんだかんだで、もう3階だブー」
大野「ああ、あとはこの廊下をまっすぐ行けば、屋上への階段へ行けるな」
杉山「更にまっすぐ行けば、あの展示室みたいだぜ」
はまじ「もうあの展示室に用はねえだろ。早く屋上に行こうぜ」
まるこ「そうだね。化け物も出てこないみたいだし、とっとと脱出ルートを見つけて、脱出しようよ!」
ブーたろう「おう!」
タタタタタ・・・
大野「ここが屋上か・・・」
関口「!大野!杉山!それに・・・はまじ!ブーたろう!みんな!」
はまじ「関口!無事だったのか!」
ブーたろう「心配してたんだブー!こんなところにいたのかブー!」
杉山「お前・・・よくここまで逃げてこれたな・・・」
関口「(ガクガクガク)こ、怖かったんだよおお・・・・・」
はまじ「関口、もう大丈夫だからな!俺たちと一緒に脱出しようぜ!」
関口「(ガクガクガク)あ、ああ・・・・・」
大野「しかし、お前のビビり方、尋常じゃねえなあ・・・気持ちは分かるがな」
ブーたろう「化け物はたしかに化け物だブー。でも、足も遅いし、逃げれば問題ないブー!」
関口「・・・お、お前ら、アイツを・・・見てねえのか・・・?」
まるこ「あいつ?あいつって誰さ?」
キートン山田「その頃、花輪くん達は」
野口「・・・ここが展示室のようだねえ・・・」
みぎわ「なんだかすんなり来れたわね。化け物なんていなかったわよ」
城ヶ崎「1階に集中してたのかしら・・・何はともあれ、悪い事じゃあないわね」
野口「・・・悪い・・・ことかも・・・」
笹山「え?なんで?」
野口「・・・化け物は、人間を喰う。・・・人間だけだと思うかい?」
花輪「!・・・まさか、あのでかい奴・・・?」
野口「100%とは言えないけどねえ・・・化け物にとっての化け物・・・進化の成りの果てかねえ・・・」
藤木「ひっ・・・そ、それじゃ、あの化け物が、近くにいるのかい?」
野口「(クンクン)・・・心配ないよ。少なくとも近くにはいないようだねえ・・・」
笹山「に、においでわかるんだ・・・」
花輪「よし、それじゃあ、使えそうな物を探そうじゃないかベイビ~」
城ヶ崎「でも、なんか荒らされたような感じね・・・泥棒でも入ったのかしら?」
野口「・・・クックックッ、ここも先客がいたのかい・・・私も後手後手だねえ・・・」
花輪「う~ん・・・ここにあるのは全部模型のようだね・・・これならこのバールのほうがマシだねえ」
藤木「え、これ模型だったのか・・・よく出来てるなあ・・・」
城ヶ崎「あーあ、せっかくここまで来たのに・・・無駄足だなんて」
笹山「せっかく来たんだから、もう少し探してみようよ」
藤木(ああ・・・笹山さん・・・その諦めない姿勢も素敵だなあ・・・)
野口「・・・みっけ」
みぎわ「え?何をみつけたの?」
野口「・・・モールス信号の発信器」
城ヶ崎「モールス信号・・・?それって繋がるの?」
野口「さあねえ・・・どのみち、繋がらなかったら終わりかもねえ・・・クックックッ」
笹山「で、でも、モールス信号なんて分からないわよ」
野口「問題ない・・・私が、やる。できれば信号が飛ばしやすい場所がいいんだけど・・・」
城ヶ崎「そういえば屋上があるって本に書いてあったよね」
みぎわ「そうそう!それじゃあ、屋上にいきましょうよ!」
野口「そうだね・・・できれば早いうちに信号を送っといた方がいいね・・・」
花輪「よし、屋上の階段を探そうじゃないかベイビー達」
藤木「うん!(助かる、助かるんだ!)」
キートン山田「一方、屋上では」
大野「・・・なるほど、化け物を喰う、化け物か・・・そんな奴がいるなんてな」
杉山「・・・おまえ、よく無事だったな・・・」
関口「(ガクガク)と、遠目だったし、向こうも気づいたなかったみたいだし・・・」
はまじ「・・・怖ええな・・・もう、中に戻る気がしねえぞ・・・」
ブーたろう「おいらもだブー・・・」
まるこ「おーい、みんなー」
大野「おう、どうだ?脱出ルートは見つかったか?」
たま「駄目だね・・・木が生い茂ってて、道がどこなのかも分かんないや・・・」
山根「どうする?一度中に戻ろうか・・・?」
関口「じょうだんじゃねえぞ!戻るならお前らだけで戻りやがれ!俺は絶対戻らねえからな!」
まるこ「ちょっと関口、どうしたのさ!ここにいたって、解決しないよ!」
はまじ「さくら・・・俺も、関口と、同意見だわ・・・」
ブーたろう「おいらもだブー・・・」
まるこ「なっ、どうしたのさ、みんな!」
大野「さくら、実はな・・・」
まるこ「化け物を喰う化け物?なんでそんなのがいるのさ!?」
杉山「俺たちが知るかよ。とにかくそんな奴がいる以上、うかつに中に入れないってことだ」
まるこ「じゃあ、じゃあさ、中にいるかもしれない人はどうなるのさ?見捨てるっていうの?」
大野「見捨てたくはないさ!でもな、俺たちに何ができるってんだよ!助けを呼ぶことが一番じゃねえのか!?」
まるこ「そうかもしれないけど・・・!」
たま「ま、まるちゃん・・・」
まるこ「もういいよ!わたしゃ行くよ!」
たま「あ、待って、まるちゃん!」
タタタタタ ガチャ
野口「はい、すとおおおぷうううう・・・・・・・」
まるこ「うわ・・・あ!野口さん!」
たま「花輪くんにみぎわさん、城ヶ崎さんに笹山さんも!」
花輪「へい、ベイビー達、元気にしていたようで何よりだよ~」
大野「おお!おまえら、生きていたのか!やったぜ!」
杉山「うおおおお!!!無事だったのか!すげえぜお前ら!」
藤木(穂波さん・・・僕もいたんだけど、たまたま忘れていただけだよね・・・)
城ヶ崎「よ、よかった・・・グスン」
笹山「生きてたんだね・・・ホントによかった・・・グスン」
藤木(笹山さんの涙・・・なんて美しいんだろう・・・)
花輪「それで、どうしてベイビ~達はこんなところに集まっていたんだい?」
大野「おう、屋上から脱出ルートがないか、探してたんだけどな・・・」
杉山「・・・残念ながら、見つかんねえ。これからどうしようか考えていたところなんだ」
花輪「それなら安心したまえ。野口くんがモールス信号を送るそうだ」
ブーたろう「モールス信号ってなんだブー?」
はまじ「しらね」
野口「・・・これで信号を発信するんだよ・・・」
はまじ(あ、あの電話機・・・モールス信号のやつだったのか・・・)
野口「・・・じゃあ、ちょっと待ってな・・・」 カタカタカタ
関口「こ、これで助けがくるのか?くるんだな?」
野口「・・・さあねえ・・・これはあくまでも発信器・・・・信号が届いたか確認するための受信器はないからねえ・・・クックックッ」
大野「いいじゃねえか、希望がでてきたんだからな!」
杉山「おう!ここは野口に任せておこうぜ!」
まるこ「ふう・・・なんか安心したら、眠くなってきたよ・・・」
たま「ま、まるちゃん・・・安心するには早すぎるんじゃ・・・」
みぎわ「はなわく~ん、助かって記者会見があったら、私たちの活躍を公表するわね~」
花輪「お、お手柔らかに頼むよ、ベイビー・・・」
藤木(ぼ、僕も笹山さんとの活躍を・・・ムフフ)
野口「・・・・・終わったよ。後は待つだけだね・・・・」
はまじ「よし!じゃあこのまま屋上で待っていようぜ!」
野口「・・・屋上は、ちょっと・・・・」
関口「なんだよ!俺は屋上から動くつもりはねえからな!」
大野「やれやれ・・・まあ、どこに逃げても同じだろうしな・・・それならみんなで固まっていた方がいいか」
杉山「しょうがねえな・・・助けがきてねえか、交代で見張っておこうぜ」
山根「まかせといて!はやく来ないかなあ」
野口(・・・たしかに、どこに逃げても一緒・・・・問題は・・・屋上の入り口はひとつだけ・・・杞憂だといいけどねえ・・・)
キートン山田「そして3時間後」
関口「・・・遅い!おい野口!ほんとにちゃんと呼んだんだろうな!?」
野口「・・・信号はまちがいなく送ってるはず・・・」
まるこ「ちょっと関口!そんな言い方はないんじゃないのい!?誰のおかげで助かるっていうんだい!」
関口「そ、そんなに怒るなよ・・・わかったよ・・・」
パララララララララ・・・・
山根「!みんな!来たよ!ヘリが来たよ!助かったんだ!」
大野「本当だ!おいみんな!助けがきたぞ!やったな!
城ヶ崎「よかったあ・・・やっと、おうちに帰れるのね」
藤木「ふう・・・助かった・・・」
野口「(クンクン)・・・そうだよねえ・・・そんなにヘリの音が近づいてきたら、屋上が気になるよねえ・・・」
まるこ「え?なに?野口さんどうしたの?」
野口「・・・さくらさん、穂波さん。あの角に行きな。絶対に動くんじゃないよ・・・」
まるこ「え???なんで?」
野口「・・・いいから早く行きな・・・」
まるこ「う、うん。行こう、たまちゃん」
たま「う、うん・・・」
タタタタタ・・・
野口「・・・ちょいと花輪くん。君、身のこなしが軽やかだったよね?」
花輪「なんだい?ちょっと前にも同じ質問をうけたけど・・・」
野口「・・・あの角にいって、二人がヘリに乗るのを手伝っておくれ・・・」
花輪「?まあ、レディを助けるのがジェントルメンの役目だからね。お安い御用さ」 タタタタ・・・
野口「さて・・・どうしたものかねえ・・・クックックッ」
ヘリの隊員A「信号をうけて来てみれば・・・なんだ?子供が屋上にたくさん・・・」
ヘリの隊員B「全員乗せるのは無理だな。どこか着地できそうなところは?」
ヘリの隊員A「う~ん、無理だな。俺が降りるんで、一人ずつ引き上げてくるか?」
野口『ヘリの隊員の皆さん!とにかくはしごにロープをこちらに降ろしてください!自力でのぼりますんで!』
城ヶ崎「うわっ、野口さん・・・いつの間に拡声器を・・・」
笹山「そういえば、倉庫にあったね・・・」
藤木「えっ!自分でのぼらないといけないのかい!?」
大野「いいじゃねえか!面白そうじゃん!」
杉山「だよな!早く降ろしてくれーーー」
ヘリの隊員A「・・・あんなこと言ってるけど、どうするよ・・・」
ヘリの隊員B「流石に危険だよな・・・落ちても責任とれねえよな・・・」
ドン・・・ドン・・・
杉山「うん?なんだ?この音・・・」
野口「・・・入り口の真ん前、ってところかねえ・・・建物の中に逃げるって選択肢は、消えたねえ・・・」
バキバキバキバキグドオオオオオオオオオン・・・・・
???「グルルルル・・・・・」
大野「あ・・・」
笹山「え・・・」
はまじ「で・・・」
関口「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ヘリの隊員A「!な、なんだ、あれ!」
ヘリの隊員B「!は、早く子供達を!ええい!はしご降ろすぞ!!!!!」
バサッ
花輪「!きたようだね!」
藤木「うわああああああああああ!あの化け物だああああああああ!!!!」
大野「おい、あれが関口の言っていた・・・」
杉山「間違いねえな・・・別物だぜ・・・」
はまじ「こ、こいつ!」
パンパンパン
???「グルルルル・・・・・」
大野「!駄目だ!こんな拳銃じゃあビクともしねえよ!」
???「ガアアアアア!!!!!!」 シュッ
杉山「!早いぞこいつ!」
はまじ「え」
バクン
山根「え・・・はまじ・・・?」
関口「うわああああ、はまじの、はまじの上半身が!」
城ヶ崎「きゃああああああああああああああ あ」
ドスン
笹山「・・・え?じ、城ヶ崎・・・さ・・・ん・・・?」
???「グルルルル・・・・・」 ジリ・・・
笹山「え・・・うそ・・・」
藤木「ま、まて!この化け物め!笹山さんに手を出すな!えい!」
コツン
???「!・・・グルルルル(クルッ)」
藤木「え・・・う・・・あ・・・」
???「グアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ゴリッ
大野「ふ、藤木ー!!!」
笹山「ふ、藤木くん・・・!」
まるこ「笹山さん!こっち!」
笹山「! う、うん!」タタタタタ
バリバリバリ・・・ゴクン・・・(クルッ)
???「グルルルル・・・・・」
大野「・・・杉山・・・お前、最高の親友だったよ・・・」
杉山「・・・なんだよ急に。言っとくけど、俺も死ぬ気ないし、お前を死なせる気もねえからな・・・」
大野「・・・いちにのさんで、撃ってみるか?」
杉山「・・・そうだな。やってみるか・・・」
???「グルルル・・・グガアアア!!!」 (シュッ)
パパパパパアン!!!
大野「うおっ!」
杉山「なんだ!?」
???「!グルルルル!!!」(クルッ)
野口「・・・随分と、好き勝手やってるねえ・・・アンタの相手は、アタシだよ・・・」
花輪「揺れるはしごを見極めてっと・・・それっ!」 パシッ
まるこ「あ、花輪くん!」
花輪「・・・ふう。よし、さあ、僕が捕まえるから、飛んできたまえ!」
まるこ「で、でも!怖いよお!」
花輪「大丈夫!ほら!」
まるこ「そりゃ!」
花輪(ギュッ)「よし、OKだよベイベー!このまま上にのぼって!次は穂波くん!」
たま「う、うん!えいっ」
花輪(ギュッ)「よし、さあ、次は笹山くんだよ!」
笹山「えいっ!」
花輪(ギュッ)「よし、他のレディも、早く、僕の胸に飛んでおいで!」
みぎわ「花輪く~ん!」
花輪「あ、重・・・あああああ、みぎわくんを下に落としたよベイビー!!!」
???「ガアアアアアアアア!!!!」
ボオッッ
???「!グガッ!!!」
野口「・・・こっそり持ってきた手品道具のひとつ、炎を起こすヤツが、こんなところで役に立つとはねえ・・・クックックッ」
ブーたろう「こいつ!はまじの仇!」
パンパンパン!
野口「!ブーたろう!すぐ逃げる!」
???「ガガアアアアアアア!!!!」
バクン
関口「ひっ・・・ブーたろうまで・・・や、やめてくれよお・・・うわああああああ」
大野「せ、関口、どこに・・・」
関口「う、うわあああああ!!!!」(ヒュー)
杉山「!何やってんだよ!関口が下に落ちたぞ!」
大野「ちくしょう!「
杉山「いくぜ!山根も!」
山根「う、うん!!!」
パンパンパンパンパンパンパンパンパン
野口「・・・無理だねえ・・・ノーダメージじゃないんだけど・・・足りないねえ・・・」
???「グガアアアアアアアア!!!!」
パパパパパアン!!
???「!ググアア!!!!」
野口「それで最後の爆竹だよ・・・今だね!それっ!」
バシャン!
大野「この臭い・・・」
杉山「化け物にガソリンをかけたのか・・・?」
野口「お膳立てを揃ったようだねえ・・・さて、ここにスプレーがあります」
???「ガガガガガ・・・」
野口「ここの噴射口に、チャッカマンを近づけて・・・」
???「ガアアアアアアア・・・・」
野口「噴射だよ!!!」 プシュー・・・ボオオオオオッッッッ!!!!!
???「!ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」
野口「さあアンタらも今のうちにヘリに飛び乗るよ!」 ダダダダダ
大野「お、おう!」 ダダダダダ
杉山「わ、わかった!」 ダダダダダ
山根「う、うん!」ダダダダダ
花輪「は、早く!早く飛んで!」
野口・大野・杉山・山根「うおおおおおおおお」
・・・・・・・・・・・・・・・・
キートン山田「そして数日後」
まるこ「・・・・・」
まるこ母「まるこ、大丈夫・・・?」
まるこ「うん・・・」
まるこ母「今日ね・・・みんなの合同葬儀があるんだって・・・行くんでしょ?」
まるこ「・・・うん。行くよ・・・」
まるこ母「まるこ・・・こんなこというと、不謹慎かもしれないけどさ・・・まるこが生きていて、本当に嬉しかった・・・」
まるこ「・・・私も、生きて帰れて嬉しいよ・・・」
まるこ母「・・・そうね。さあ、準備をしないと」
まるこ「・・・うん」
キートン山田「そして葬儀場へ」
まるこ「やあ、たまちゃん・・・」
たま「あ、まるちゃん・・・久しぶり・・・元気・・・じゃ、ないよね・・・」
まるこ「うん・・・ねえたまちゃん。なんで、ニュースでも化け物の事、公表しないんだろうね・・・」
たま「わかんない・・・テロに巻き込まれた小学生って、なんなんだろうね・・・」
花輪「やあ、レディ達。ごきげんはいかがかな?」
まるこ「やあ、花輪くん・・・相変わらず、元気だね・・・」
花輪「・・・ここで僕たちがクヨクヨしていてもしょうがないんじゃないかな?生き残った僕らだけでも、元気でないとね」
まるこ「・・・そういうもんかな・・・」
花輪「そういうもんだよ・・・ほら、あそこに大野くんと杉山くん、あそこには野口くんもいるよ。生き残った人間がこれからどうするのか、哲学でも語り合わないかい?」
まるこ「・・・哲学とか、わからないけど、・・・・ありがとう、花輪くん。少し元気でたよ」
花輪「どういたしまして」
まるこ「お~い、みんな~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キートン山田「一方山根くんは」
『父さん!ぼく、つよくなれる方法を見つけたんだ!この書類にそれが全て書いてあったんだ!』
山根父「・・・・・」バリッ
山根母「・・・・・」ボリッ
山根?「ガルルルルル・・・・」
完
以上です。ご支援、保守、有難うございました。
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