トゲキッス「今日もまひるみコンボで勝利を手にしますわ」(193)

 

トゲキッス「うふふっ。まひで思うように動けないあなたに勝ち目はありませんわね」

ミロカロス「ぐぬぬっ…!」

トゲキッス「いきますわよ。エアースラッシュ!」シュパッ

ミロカロス「ぐふっ!」バタッ

トゲキッス「ふふふっ。今日もまひるみ戦法で勝利をつかみましたわ!」

~~上空~~
トゲキッス「勝った後というのは実にいい気分ですわ」フワフワ

ムクホーク「おーい」バッサバッサバッサ

トゲキッス「あらムクホーク。ごきげんよう」ニコッ

ムクホーク「ミロカロスに勝ったのか?」

トゲキッス「当然ですわ。わたくしのまひるみコンボにかかればどんなポケモンでも太刀打ちできませんもの」

ムクホーク「…」バッサバッサ

トゲキッス「どうしましたの? 急に黙りこむなんてあなたらしくありませんわよ?」フワフワ

ムクホーク「なあ、トゲキッス」

トゲキッス「なんでしょうか?」

ムクホーク「オマエさ、いつからそんなに勝利にこだわるようになったんだ?」

トゲキッス「あら、おかしなことを言いますわね。
      わたくしは元々勝つためにバトルをしていましたわよ」

ムクホーク「それはそうだが、今のオマエはなんていうかその…勝つことしか考えてないっていうか、
      ワンパターンな戦法ばっかっていうか…」

トゲキッス「ワンパターン? どういう意味でしょうか?」

ムクホーク「以前のオマエなら器用に立ち回って、相手の弱点をうまく突きながら戦ってたじゃないか」

トゲキッス「昔と今のわたくしの戦法、どうちがいがありまして?」

ムクホーク「…」

トゲキッス「聞いてますの?」

ムクホーク「…今のオマエはでんじはで相手をしびらせて、エアスラッシュで押して押して押しまくる。
      まひとひるみを狙った、そんな運頼みの戦い方しかしていないよな」

トゲキッス「運も実力のうちっていいますわよ? それに、反撃されないのは気分がいいものですからね」ニコニコ

ムクホーク「オマエの運頼みは度を超してるんだよ。
      いくら特性が“てんのめぐみ”だからって、追加効果に頼りすぎじゃないのか?」

トゲキッス「ムクホーク、イヤミを言うためにわざわざ追いかけてきましたの? ヒマですわね」フワフワ

ムクホーク「おれはただオマエに思い出してほしかっただけだよ。
      優雅に戦い、輝いていたあの頃の自分を…」バッサバッサ

トゲキッス「あらっ、先程も言いましたように、わたくしは今も昔も変わりありませんわ。
      特性は有効に使った方がバトルは盛り上がるってものですわ」

ムクホーク「あーもういいよ! 勝手にしろよ!
      そんなに運で勝ちたいなら一生でんじはとエアスラッシュで満足してろよ!」バッサバッサバッサ

トゲキッス「あっ、ちょっとムクホーク、どこ行きますの?」フワフワ

ムクホーク「ついてくんな!」バッサバッサバッサ

トゲキッス「お待ちになって! まだ別れのあいさつができてませんことよ!」

ムクホーク「ふんっ! 誰がするかバーカ!」バッサバッサバッサ

トゲキッス「…温厚なムクホークが怒るなんて珍しいこともありますわね。
      今日は雨でも降るのかしら」

トゲキッス「まぁいいですわ。わたくしも住処に戻ってまひるみコンボに磨きをかけなくては」フワフワフワ

~~住処~~
トゲキッス「エアースラッシュ!」シュパッ

トゲキッス「うふふっ。綺麗に決まりましたわ」ニコニコ

トゲキッス「そういえば、ここ最近全くサイコショックとはどうだんを使ってませんわ。
      最後に使ったのはいつかしら? うーん、思い出せませんわ」

トゲキッス「どうしましょう。久しぶりに使用してみようかしら」

トゲキッス「…」

トゲキッス「…必要ありませんわね。
      エアスラッシュとでんじはさえあれば今のわたくしにこわいモノは何一つありませんもの」フワフワ

~次の日~
トゲキッス「でんじは!」ビリビリビリ

カメックス「くっ…!」

トゲキッス「うふふっ、覚悟はよろしくて?」フワフワ

カメックス「くっ…そぉ…」

カメックスはしびれて動けない。

トゲキッス「エアースラッシュ! エアースラッシュ! エアースラッシュ!」シュパッ、シュパッ、シュパッ

カメックス「ぐううぅ!」

カメックスはひるんで動けない!
カメックスはしびれて動けない。
カメックスはひるんで動けない!
カメックスはひるんで動けない!

トゲキッス「いきますわよ。とどめのエアースラッシュ!」シュパンッ

カメックス「ぐおおおぉぉぉ!」バタッ

トゲキッス「うふふふふっ。一切の反撃を許さず、一方的に攻撃を重ねていく。
      これこそがわたくしの戦い方ですわ」ニコッ

トゲキッス「さぁ、次はどんなポケモンと戦うのか楽しみですわ」ニコニコ

???「今度はワタシたちと勝負してもらおうか」

トゲキッス「誰ですの?」クルッ

???「ワタシはヨノワール。そして横にいるのが」

???「ゴローニャだ。よろしくなお嬢さん」ニヤニヤ

トゲキッス(2匹とも初めて見るポケモンですわ…)

ヨノワール「では早速、ワタシたち2体と戦ってもらおう」

トゲキッス「どんな相手でも逃げずに戦うのがわたくしのポリシー。
      望むところですわ!」

ヨノワール「そうか。ならばその言葉を忘れてもらわない為にこいつを使っておこう」ジロッ

トゲキッス「!」

トゲキッス(な、なんですの? この奇妙な感覚は)

ヨノワール「くろいまなざしを仕掛けておいた。
      これで君はワタシを倒さない限り、絶対に逃げられない」

トゲキッス「わ、わたくしは逃げなどしませんわ。あなたにだって必ず勝ちますわ!」

ゴローニャ「負けなしのお嬢さん、どれほどの実力の持ち主か確かめさせてもらうぜ」ニヤニヤ

トゲキッス「先攻はもらいましたわ! でんじは!」ビリビリビリ

ヨノワール「フフフッ…」

ゴローニャ「おっと。そうはさせねえぜ」ヒョイッ

トゲキッス「!」

ゴローニャ「オレさまに電気は効かねえぜ。残念だったなあ」

トゲキッス「盾になるなんて卑怯ですわ!」

ゴローニャ「卑怯? どこがだ。これはチームワークだ。
      お互いの弱点をカバーして戦うのは当然のことだろ?」

トゲキッス「チ、チームワークですって? そんなの聞いてませんわ!」

ヨノワール「1対1で戦うなどとワタシたちがいつ言った?
      おめでたい頭をしているんだな君は」ケラケラ

ゴローニャ「アンタこの一帯じゃ負けたことねえんだろ?
      そんだけ強えんじゃオレらには当然ハンデが必要だからなあ」

トゲキッス「くっ…」フワフワ

ゴローニャ「おら、かかってこいよ」チョイチョイ

トゲキッス(落ち着くのよわたくし。あのお化けさえ倒せばまだ勝機はありますわ)

トゲキッス「エアースラッシュ!」シュパッ

ゴローニャ「おおっと」

トゲキッス「! またしても…」

ゴローニャ「あーあ、どれだけ強いヤツかと期待してたらとんだ拍子抜けだったな」

ヨノワール「どうした、もう終わりか? それとも降参するか?」

トゲキッス「そ、そんなこと断じてしませんわ! はどうだん!」

ゴローニャ「!」

トゲキッス(はどうだんは必中の技。連発してあの石ポケモンを先に仕留めますわ!)

ヨノワール「そうはさせん」ズイッ

トゲキッス「あっ!」

ヨノワール「強力な技を身につけているようだが、そんな子供だましワタシには通用せんぞ」ニヤッ

トゲキッス「エ、エアースラッシュ!」シュパッ

ゴローニャ「おおっとぉ。そんな単調な戦い方じゃオレらはいつまでたっても倒せねえぜ」ケラケラ

トゲキッス(かなり厳しいですわ…。ま、まさか、まさか…このわたくしが負ける…?)フワフワ

ヨノワール「君のお得意技はエアスラッシュのようだが」

トゲキッス「!」

ヨノワール「1つ教えといてやろう。ワタシの特性は“プレッシャー”だ」

トゲキッス「プレッシャー!?」

ヨノワール「フフフッ。果たして君の技がいつまで持つかな?」

じゅうなんミミロップ「そんな時代遅れの戦法、僕には通用しませんよ」

トゲキッス(こ、これではうかつにエアスラッシュを使えませんわ…)

ゴローニャ「今度はこっちの番だぜ。いくぞ、ストーンエッジ!」ブワブワブワッ

トゲキッス「きゃっ!」ヒラリ

ゴローニャ「ちっ、かわしやがった」

トゲキッス(間一髪ですわ…。あんな技をまともに受けたら…)

ヨノワール「フフフッ。安心している場合かな?」

トゲキッス「!?」

ヨノワール「ゴローニャ、撃ち落とせ」

ゴローニャ「よしきたあ! 落ちろ落ちろお!」ズガガガガッ

トゲキッス「きゃあああああっ!」ドサッ

トゲキッス「うぅっ…」

ゴローニャ「おいおいもう終わりかよ。休むのはまだまだ早いぜ!
      すてみタックル!」ドカッ

トゲキッス「ぎゃふんっ!」

ヨノワール「やれやれ、所詮コイツは飛べなきゃその辺のザコとなんら変わらないらしい」

ゴローニャ「おい、起きろよ」グイッ

トゲキッス「はぁ、はぁ…」

ゴローニャ「もう降参か? なら『参りました』と言え」

トゲキッス「わ、わたくしは…わたくしは…」

ヨノワール「フフッ、ワタシにはわかるぞ。
      君は弱い自分を責めているのだな?」

ゴローニャ「おいてめぇ、さっさと降参しろよ。これ以上酷え目にあいたくなかったらよ」

トゲキッス「…」

トゲキッス「あ、あなたたち…」ボソッ

ゴローニャ「んー? 聞こえねぇなあ」

トゲキッス「あなたたち卑怯者に、降参なんて絶対に宣言しませんわ…」

ヨノワール「ほう、この期に及んでワタシたちを挑発するのか」

ゴローニャ「糞生意気なメスだ。だったら降参しなかったことを死ぬほど後悔させてやらあ!」

トゲキッス(ムクホーク…あなたの忠告、ちゃんと聞いておけばよかったですわ。
      ごめんなさい…ごめんなさい…)ポロポロ

ゴローニャ「おっ、泣きやがった。悔しいでちゅかー?」

ヨノワール「フフッ、ゴローニャ、いじめるのはその辺にしておけ。
      プライドは十分ズタズタに引き裂いただろう」

ゴローニャ「へへっ。おい、起きろよ。起きろって」グイッ

トゲキッス「…」

ムクホーク「おい、きさまら」バッサバッサバッサ

ヨノワール「!」キョロキョロ

ゴローニャ「!! 上だヨノワール!」

ヨノワール「なっ、誰だ!」

ムクホーク「ブレイブバード!」ドカッ

ヨノワール「ぐほっ!!」

ゴローニャ「ヨノワール!」

ムクホーク「てめぇは後だ。あっち行ってろ」バッサバッサバッサバッサ

ヨノワール「うわああああああああああああ」

ゴローニャ「あっ!」

ヨノワールは遠くへ吹き飛ばされていった。

トゲキッス「ムクホーク…」

ムクホーク「おい石野郎、汚ぇ手でトゲキッスにさわるな」

ゴローニャ「なんだとてめえ!」

ムクホーク「汚ぇツラを向けんな。臭い息を吐くな」

ゴローニャ「誰が汚ぇツラだおらあ!」

ムクホーク「口で言ってもわからないなら体で教えてやる。その前に」ヒュイイインッ

ゴローニャ「なっ!? いつの間に!?」

ムクホーク「トゲキッス…」

トゲキッス「はぁ、はぁ…。ムクホーク、わ、わたくし…」

ムクホーク「なにも言わなくていい。ほら、オボンの実だ。食え」

トゲキッス「…」カリッ、カリッ

ムクホーク「おい石頭」ギロリ

ゴローニャ「!」

ムクホーク「こいつをこんな目にさせたのはてめぇか?」

ゴローニャ「こ、こいつが勝手にオレの技を食らいやがったんだ!」

ムクホーク「そうかそうか。やはりきさまらの仕業だったのか」

ゴローニャ「ちっ! ヨノワールはなにをモタモタしてやがんだ!」

ムクホーク「なんだ石頭、1匹じゃなにもできないのか?」

ゴローニャ「うるっせえ! てめえも撃ち落としてやる!」

ムクホーク「できるものならな。遠慮なくいくぞ」バッサバッサバッサ

ムクホーク「きさまにおれの動きが追えるか?」バッサバッサバッサ

ゴローニャ「くっ! チョコマカチョコマカと!」

ムクホーク「インファイト!」ドカッ、バキッ、ドゴッ、ドゴッ

ゴローニャ「ぐはっ!」

ムクホーク「もう一発。これはトゲキッスの分だ」ドカッ、バキッ、ドゴッ、ドゴッ

ゴローニャ「い、いてぇ! いてええぇ!」ゴロゴロゴロ

トゲキッス「ム、ムクホーク…」

ムクホーク「なんだ、よええな。おいウドの大木、技、撃ってこないのか?」

ゴローニャ「くっ! う、撃ち落として――」

ムクホーク「黙れ。インファイト」ドカッ、バキッ、ドゴッ、ドゴッ

ゴローニャ「ぐあああぁぁっ!」ゴロゴロゴロ

ムクホーク「きさまに反撃のチャンスは与えねぇぜ」

ゴローニャ「ぐおおぉぉ…」

トゲキッス「ムクホーク、あなた…」

ムクホーク「危険をかえりみず、とにかく相手にダメージを負わせる。
      これがおれのやり方だ」ニヤッ

トゲキッス「相変わらず危なっかしい戦法ですわ…」

ムクホーク「まぁ確かに…オマエの戦い方の方が堅実なのかもしれないな」

ゴローニャ「くっ…!」ヨロヨロ

ムクホーク「なんだ、まだ起き上がれるのか。弱いくせに体力だけはバカみたいに多いんだな」

ゴローニャ「て、てめぇ…」

ムクホーク「インファイトはまだ使えるぞ。再起不能になるまでボコボコにしてやろうか?」

ゴローニャ「! お、覚えてろ!」ダダダダッ

ムクホーク「誰が逃がすかよ。さぁトゲキッス」

トゲキッス「えっ?」

ムクホーク「今度はオマエの番だ。あいつに思いっきり仕返ししてやれ。ドカンと1発ぶちかませ」

トゲキッス「で、でもムクホーク、あのポケモンにはエアスラッシュが…」

ムクホーク「なに言ってんだ。オマエは他にも頼もしい技を覚えてるじゃないか」ニヤリ

トゲキッス「ムクホーク…」

ムクホーク「さっ、早く早く。あいつが逃げちまうぜ」

トゲキッス「わかりましたわ」サッ

トゲキッス(敵は前方、視界良好。風は吹いていませんわ)

ムクホーク「おーい、石頭」

ゴローニャ「なっ――なああぁ!?」

トゲキッス「はどうだん!」

シビルドン「HAHAHA、キッスちゃんはスカーフ巻きたまえ! 麻痺は任せろー」

トゲキッス「エアースラーッシュ!」

外人「Fack You」ブチッ

トリプルフリーだと大体こうなる

ゴローニャ「あばばば…」プスプス

ムクホーク「さすがはトゲキッス。綺麗にキメたな」

トゲキッス「うふふっ。あなたに褒めてもらえるとうれしいですわ」ニコッ

ヨノワール「うぅ、き、きさま…。なっ!? ゴローニャ!」

ムクホーク「今頃きたのかよ。勝負はとっくについたぜ」

ヨノワール「くっ…飛び入り参加なんて卑怯だぞ!」

ムクホーク「はあぁっ?」ギロリ

ヨノワール「ひっ!」ゾワッ

ムクホーク「よってたかってトゲキッスを加虐しておいて、よくもんなことをイケシャアシャアと言えたもんだな」

ヨノワール「や、やかましい!」

ムクホーク「トゲキッス、このチキン野郎はオマエの獲物だ。
      どうするかはオマエが決めるんだ」

トゲキッス「わたくしは…」フワフワ

ヨノワール「きさまら、この借りは必ず…!」ササッ

ムクホーク「どさくさに紛れて逃げようったってそうはいかねぇぞ。
      トゲキッスがなにもしないのならおれがきさまを叩きのめす」バッサバッサバッサ

ヨノワール「くっ…!」ジリジリ

トゲキッス「…」

トゲキッス「わたくし…そのポケモンと戦いますわ」

ムクホーク「それでこそトゲキッスだ」ニヤッ

ヨノワール「くっ…」

トゲキッス「あなたを倒し、必ずや勝利を手にしてみせますわ!」

ムクホーク「あの石頭が変なマネをしないよう、おれが見張っとくから思う存分戦え」

トゲキッス「感謝しますわ。ではいきますわよ。お化けさん」フワフワ

トゲキッス「先手必勝ですわ。エアースラッシュ!」シュパッ

ヨノワール「ぐっ…! しっぺがえし!」

トゲキッス「ひぐっ…!」

ヨノワール「フッ、ワタシの力を舐めるなよ」

トゲキッス(かなりの威力ですわ…。はどうだんが効かない以上、エアスラッシュとサイコショックで戦うしかありませんわ)

トゲキッス「でんじは!」ビリビリビリ

ヨノワール「こんなこともあろうかと…ラムの実」ガツガツ

トゲキッス(どうやらまひるみ対策は万全のようですわ…)

ムクホーク「トゲキッス」

トゲキッス「わたくしはまだ戦えますわ。手出しは無用ですわよ」

ムクホーク「その必要はないさ。オマエは絶対そいつには負けん」バッサバッサ

ヨノワール「ほざけ! ナイトヘッド!」

ヨノワール「フフッ。死ね!」

トゲキッス「?」

ヨノワール「な、なぜ食らわない!?」

トゲキッス「ナイトヘッドはゴーストタイプの技。ノーマル属性のあるわたくしに効果はありませんわ」ニコッ

ヨノワール「ノーマルだと!? くそっ! ひこうタイプだけじゃなかったのか!」

トゲキッス「ええ。別にあなたがマヌケというわけではないですわ。
      よく勘違いされますの」ニッコリ

ムクホーク「勝負あったな。きさまの技はほとんどがトゲキッスに通用しない」

ヨノワール「な、なんてことだ…」

トゲキッス「今度はわたくしの攻撃ですわよ。エアースラッシュ!」シュパッ

ヨノワール「くっ!」

ヨノワールはひるんで動けない!

トゲキッス「続けてサイコショック!」

ヨノワール「ぐおぉぉっ…!」

トゲキッス「いきますわよ」ヒュウウウウッ

ムクホーク「あの優雅な舞い、無駄のない動き、おれも見習いたいもんだぜ」

ヨノワール「あ、あくのはどう!」

トゲキッス「エアースラッシュ!」シュパッ

ヨノワール「…」

トゲキッス「…」

ヨノワール「どうやらザコは…ワタシの方だったな…」バタッ

トゲキッス「勝ち…ましたわ…。まひるみがなくても勝てましたわ…」

ムクホーク「トゲキッス、やったな!」

トゲキッス「ええ、ムクホーク…」パタッ

ムクホーク「トゲキッス、大丈夫か?」

トゲキッス「ええ…。ですがわたくし、少しばかり眠たくなってきましたわ…」

ムクホーク「おつかれ。しばらくここで休め。飛ぶ体力だけでも回復しないとな」

トゲキッス「あなたの中で眠らせてもらっても…よろしくて?」

ムクホーク「もちろんさ。おやすみ」

トゲキッス「すぅ、すぅ…」

~しばらくして~
トゲキッス「んっ…」パチッ

ムクホーク「起きたか。おはよう、よく寝てたな」

トゲキッス「疲れてたみたいですわ。でもおかげでよく眠れました。
      ムクホーク、感謝しますわ」フワフワ

ムクホーク「ああ。あのゲスどもはおれの顔を見た途端、一目散に逃げてったよ」

トゲキッス「そう。相当恐怖を植えつけてしまったようですわね」

ムクホーク「戻るか。とりあえず」

トゲキッス「そうですわね。ムクホーク、今晩はわたくしの住処においでなさって。
      今日のお礼をしますわ」ニッコリ

ムクホーク「そのつもりさ」ニヤッ

トゲキッス「うふふっ。では…」フワッ

ムクホーク「ああ。帰ろうぜ。おれたちの家に」バッサバッサバッサ

~上空~
トゲキッス「ムクホーク」フワフワ

ムクホーク「なんだ?」バッサバッサ

トゲキッス「その…助けてくれてありがとう…ですわ」フワフワ

ムクホーク「気にすんな。間に合ってよかったよ。
      しかし、あいつら卑怯極まりないよな。
      2体1で襲いかかるなんて」

トゲキッス「昨日あなたがすごくご立腹でしたから、まさか助けにくるとは思いもしませんでしたわ…」

ムクホーク「オマエのピンチになにもしないでどうするんだよ」バッサバッサ

トゲキッス「…」フワフワ

トゲキッス「あの…」

ムクホーク「…昨日はごめんな」バッサバッサ

トゲキッス「えっ…?」

ムクホーク「オマエの戦闘スタイルのこと、ワンパターンだとか運に頼ってるだけとか、散々好き勝手言ってさ…」

トゲキッス「…」

ムクホーク「よく考えてみたらさ、おれだってブレイブバードやインファイトばっかり使ってるし、
      オマエに偉そうな口叩ける立場じゃないんだよな。
      それなのにおれ、昨日のオマエの言うこと言うこと全部否定ばっかしてた。
      特性を活用したまひるみ戦法だって立派な戦い方なのに……すまねぇ」

トゲキッス「ムクホーク、しょんぼりするなんてあなたらしくありませんわ」フワフワ

ムクホーク「…」

トゲキッス「…謝るのはあなたじゃなくて、わたくしの方ですわ」

ケンホロウ「」ギリギリ

ムクホーク「……?」

トゲキッス「あなたの言う通りでしたわ。追加効果や状態異常だけに頼った戦法には必ず落とし穴がある。
      今日、あの石ポケモンと戦って、そのことをよーく思い知らされましたわ」

ムクホーク「エアスラッシュの追加効果は、ひこう属性に強いポケモンには効果が発動しない。
      いわタイプやでんきタイプ…おれらが苦手な属性のヤツらにはな」

トゲキッス「ええ…。おまけにでんじはまで無効にされて一気に形勢が変わって…。
      今日まひるみコンボを破られた時、焦って頭が回らなくなってましたわ…」フワフワフワ

ムクホーク「でんきタイプは厄介だけど、いわタイプならまだなんとかなる相手だ。
      落ち着いて戦えば勝機はあるんだ、トゲキッス」

トゲキッス「そう…ですわね」フワフワ

ムクホーク「まぁさっきの相手は2匹がかりだったから、思うように戦えないのも無理ないけどな」

トゲキッス「ええ…」

ムクホーク「どうした?」バッサバッサバッサ

トゲキッス「ムクホーク、ごめんなさい…本当にごめんなさい…」

ムクホーク「トゲキッス?」

トゲキッス「あなたの忠告に聞く耳を持たなかったばかりに…わたくし…わたくし…」ポロポロポロ

ムクホーク「泣くなよ。さっきも言っただろ?
      でんじはとエアスラッシュのまひるみコンボだって1つの戦闘スタイルなんだ。
      優秀な“てんのめぐみ”を活用したまひるみ戦法、すばらしいじゃんか」

トゲキッス「でも…でも…いつもいつも通用する相手ばかりではありませんわ…」

ムクホーク「いわやはがねタイプには必中のはどうだん、でんきタイプにはサイコショック。
      強力な技を使えて尚且つ耐久があるオマエならヤツらにだって善戦できるんだ。
      もっと自分に自信を持て」

トゲキッス「うっ…うっ…」

ムクホーク「ほら、泣くのよせって」

トゲキッス「ありがとう…」

ムクホーク「今度ヤツらが仕返しにきたらさ、一緒に戦おうな。
      返り討ちにしてやろうぜ」

トゲキッス「…ええ!」ニコッ

トゲキッス「あなたと一緒ならこわいものなしですわ」

ムクホーク「それはおれにも言えることだな」ニヤリ

トゲキッス「ブレイブバード、かっこよかったですわよ」

ムクホーク「サンキュ」バッサバッサバッサ

トゲキッス「うふふっ。そろそろ着きますわ」フワフワフワ

ムクホーク「今日はゆっくり休もう。明日からまたがんばろうぜ」バッサバッサ

トゲキッス「ええ」フワフワフワ

~夜~
ムクホーク「あちゃー、すっかり暗くなっちまってるよ。
      バサバサしたら寝てるヤツらに迷惑だよなぁ…。
      帰りどうすっかな…」

トゲキッス「ムクホーク、今夜は泊まっていってもよろしくってよ」

ムクホーク「えっ? い、いいのか?」

トゲキッス「このくらいお安い御用ですわ。今日はあなたのおかげでこうして無事に帰ってこれたんですもの」ニッコリ

ムクホーク「そうか? じゃあ…お言葉に甘えよっかな」

トゲキッス「うふふっ、ゆっくりお休みなさって」

トゲキッス「ムクホーク」

ムクホーク「ん?」

トゲキッス「今日はどうもありがとうですわ」スリスリ

ムクホーク「気にすんなって」

トゲキッス「ムクホーク、愛してますわ」

ムクホーク「わわっ、離れろよ。くっつきすぎ」

~朝~
トゲキッス「んっ…」パチッ

トゲキッス「ふううぅん、よく寝ましたわ」

ムクホーク「ぐぅ、ぐぅ」

トゲキッス「あなたの羽毛枕、最高でしたわ」ニコッ

ムクホーク「んー………」ムニャムニャ

ムクホーク「んぁっ、トゲキッス…」

トゲキッス「おはよう!ですわ」ニコニコ

ムクホーク「あれ…? なんでオマエがいるんだ?」

トゲキッス「寝ぼけてますの? 昨日の夜はとても楽しかったですわ」ニコッ

ムクホーク「!!」ガバッ

ムクホーク「あっ、昨日は確か…あのまま…」

トゲキッス「ええ」ニッコリ

ムクホーク「…」

トゲキッス「顔を洗ってきますわ。行きますわよムクホーク」フワフワフワ

ムクホーク「あ、ああ。今行く…」バッサバッサ

トゲキッス「ムクホーク」

ムクホーク「な、なんだ?」

トゲキッス「今晩もまた、一緒に寝ます?」

ムクホーク「えっ…?」

トゲキッス「…イヤならいいですわ」

ムクホーク「い、いやいや、オマエがいいならおれはもちろんいいぜ。
      むしろ喜んで」

トゲキッス「よかったですわ」ニッコリ

ムクホーク「トゲキッス、すっかり元気になったな」

トゲキッス「あなたのおかげですわ」

ムクホーク「そっか。立ち直り早いな」

トゲキッス「うふふっ、メスは強いですもの」

ムクホーク「さぁ、食料を集めて…」

トゲキッス「バトルしに行きますわよ」

ムクホーク「そうだな」

ムクホーク「トゲキッス、これからもオマエの好きなように戦えよ」

トゲキッス「えぇ、わかってますわ。
      わたくしにはやっぱり、あの戦法がふさわしいですわ」ニッコリ

トゲキッス「さぁ、今日もまひるみコンボで勝利を手にしますわ!」







おわり

エロを書くと間違いなく今日中に終わらないので省きました。
でも近いうちにSS速報で、ムクホーク×トゲキッスのR-18物のSSスレが立ったら多分自分です。
保守してくれた皆さんありがとうございました。

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