澪「えーっと…軽音楽部部長の秋山澪です。部員は1名です…」(949)

パラレルワールド

ID:yu+KLfy+0

代行ありがとうございます

澪「……」スヤスヤ

澪「う~ん……」

澪「は!」ムク

ここは…部室?みんなと一緒に寝ちゃってたみたいだな。
じゃあさっきのは……夢だったのか。
変な夢だったな。私が部長で律が軽音部に居なくて、それから…鈴木さんが泣いていた…。

それにしてもみんなぐっすり眠っているな。そろそろ起こそう。

澪「おーい、起きろよ律」ユサユサ

律「……」

澪「おい!」ペチ

律「……」

澪「おかしいな全然起きない。」

澪「唯ー。唯ー起きろー」ユサユサ

唯「……」

澪「あれ? お、おいムギ!あずさ!鈴木さん!?」

紬「……」

梓「……」

純「……」

澪「みんなどうした!おい!起きろ!」

澪「律!」ドガッ

律「……」

澪「なんでみんなピクリともしないんだ……」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

5月初旬のことだ。

澪「え?」

文芸部の顧問が苦笑いする。

顧問「もう一回言うよ。文芸部は去年廃部したんだよ。残念だったね。」

と、いうことはこの先生は正確には元顧問というわけか。
いやいや、問題はそこじゃない。

澪「で、でも桜ヶ丘高校のサイトにはしっかり文芸部って…」

元顧問「また生徒会がサボってるな…廃部したのは事実だから、諦めてくれ」

澪「…分かりました」

桜ヶ丘高校のサイトは管理が不十分だったようだ。まさか1年以上更新していないとは…

澪「参ったな…」

自然と口からそんな言葉がこぼれる。
本当に参った。
軽音楽部が廃部になっても、文芸部に入ればいいかという計算が外れてしまった。
4月いっぱい律とムギと私とで軽音楽部の部員集めをしていたのだが、努力もむなしく最後の1人が入らず廃部してしまったのだ。
いや、私は努力していなかったな…。

澪「こんなことになるならもっと頑張れば良かった」

後悔先に立たず。

結局私は帰宅部員という、自宅警備員に似た響きを持つ肩書きを持ったままズルズルと5月を過ごした。


……

澪「もう5月も折り返し地点か…時が経つのは早いな…」

登校しながらポツリと呟く。
その言葉に隣を歩く律が反応する。

律「帰宅部員なんかしてるからそう感じるんだよ。澪も何かやれよ。」

律にこんなことを言われる日がくるとはな…
私は暇人生活を謳歌していたが、律は真逆であった。
彼女は軽音楽部が廃部になったときには、落ち込んでいたが、すぐに立ち直り今はバイトバイトの毎日だ。
バイト仲間と楽しくやっているらしい。

律「なぁ一緒にバイトしないか?そしたら一緒に下校できるし…」

澪「うーん接客業はなぁ…」

律「私が一緒だから心配すんな!」

澪「なんだそりゃ。私はバイトは良いよ。金には困っていないし。」

律「そうか…」

こんなやりとりをしてからだろうか、私と律の間に溝が出来始めたのは。
共に登校したり昼食を食べたりはするが、中学生のころのようにプライベートで遊ぶことが無くなってしまった。
こんな関係なんて言ったかな。
そうだ

澪「表面上の付き合いか」

まさか律とそんな関係になってしまうとは…
私の予定表は空白が支配するようになった。

………

もうすぐ5月も終わる。
相変わらず予定表は白が目立つ。
そのうち埃で真っ白になるだろう。
休日に1人でゴロゴロしているとなんだか選んだ高校間違えたかなと思ってしまう。
青春真っ盛りなはずだったのにな。

澪「いやいや、高校なんか途中経過にすぎないし」

なんて1人で言っても心のモヤモヤは増すばかりであった。



………

……なんだか、ゴロゴロしながら高校生活過ごすのも悪くない。
寝正月ならぬ寝青春か。なかなか粋ではないか。あーもうどうでもいいや。
そんな腐りかけの心を制服にしまい込んで登校する6月上旬。
昼食を終えて机に突っ伏していると、担任から呼び出される。
はて、何にもしてないのに何故呼び出されるのだろうか。

担任「何にもしてないのが問題なのだよ秋山君」

澪「はぁ勉強はそこそこやってるつもりですが」

担任「勉強はやって当たり前だよ。もっと他にもやるべきことがあるんじゃないのか?」

やるべきこと?妥当な線で行けば部活動でしょうかね。
しかし、ここは分からないふりだ。

澪「やるべきことですか…」

誘導尋問には引っかかりませんよ先生。


担任「部活だよ部活。」

ほら来た。

澪「部活…」

担任「秋山君は部活動には興味は無いのかね?」

澪「4月ごろでしょうか…。一時的に軽音楽部という部に所属してはいました。」

担任「何?…そうか。あ~なるほどなるほど」

担任は何やら1人で納得している。
何がなるほどなんだろうか。
腕を組んで大げさに頷く担任の様子が滑稽で笑いがこみ上げてくる。
拳に力を込めて全身で笑いを押さえる。
プルプル震えている私に担任は同情的な眼差しを送る。

担任「君も最初からこんな怠けた高校生活を送るつもりでは無かったのだね…」

それはまあ、どちらかといえば

澪「…はい」

担任「よし分かった!軽音楽部は廃部保留にしよう!」

は?

担任「たしか一緒に入部していた田井中君も部活には入ってなかったね。2人でまた部員を集めなさい。」

今更それは…

澪「あの…先生!」

担任「何だ?」

キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴る。

担任「礼はいらないよ。グッドラック!」

不器用なウィンクをして立ち去る担任の背中を私は呆然と見つめていた。


最初こそ憤ったが、これは客観的に見ればチャンスだと思う。
ここは頑張りどころなのだ、客観的に見れば。
放課後、担任から音楽準備室の鍵を受け取る。
ひさしぶりに訪れる音楽準備室。
ソファに薄らと積もった埃を指でなぞる。

澪「掃除不十分…」

ソファの埃を軽く払って腰掛ける。
目の前には同じように埃っぽいドラムセットがある。

澪「律…」

澪「うーん…一応メールしてみよ」

From澪
Sub 軽音部
バイト中ごめんなさい。
先生が軽音部の廃部を保留にするから律と一緒に部員集めろって言ってきたんだけど、バイト忙しいし無理だよね?


澪「多分律バイト中だろうから返信は遅いだろうなぁ…」

そうは言いつつも久しぶりに律からメールが来るかと思うと少しワクワクした。

澪「ウソ!?マジで!?とか言ったりすんのかなー」

自然と顔がにやけていた。夕日の差し込む音楽準備室で女が1人ニヤニヤしているのはちょっと気味が悪いなと思いつつ、気分は良かった。

しかし、下校時間になっても律からの返信は無かった。
そして、家に帰って夕食を食べ風呂に入った後、宿題をすませ、音楽を聞いたり読書をしたりしてもうすぐ眠る時間になっても返信は無かった。

澪「む、無視されたのかな…いやそんなことは律はしないはず…! 多分…」

きっとバイトか何かで忙しいんだ!きっとそうだ!
モヤモヤした気持ちのまま眠りに付いた。

翌朝携帯を開いて朝から絶望感を味わう。
いや、最近は朝目が覚めた瞬間に絶望感に押しつぶされそうになっているのだが……
更にそれに追い打ちをするように

澪「へ、返信が来てない…だと…?」

なんてこった律に無視されてしまった…
もう律にとって私はどうでも良い存在なんだろうな…

澪「うぅー…律ぅー…」

ダメだ涙が出そう…

澪「グスン…ん?あ、もしかして!」

私は携帯の送信メールボックスを見た。

澪「やっぱり…」

私のメールは送信失敗をしていた。
ここ最近、私の携帯電話のメール機能は迷惑メールの受信をするだけのものとなっていて、
私からメールを送信することが無く、メールの送信が失敗することを私は忘れていたのだ。
普通の人間ならばすぐに再送信をするだろうが、今の私は極度に臆病になっていた。

澪「も、もし律に本当にメールを送っても返信が来なかったらどうしよう…」

結局私は律にメールを送ることを諦めた。律には、軽音部の復活を伝えないことにした。
きっと今の律にとっては腐った私なんかより、明るい仲間と遊ぶほうが楽しいだろう…


軽音部が復活しても私の生活にあまり変化は無かった。
相変わらず1人で登校し、授業中は誰ともおしゃべりせず黒板を見つめ、休み時間は机に突っ伏して寝たフリをした。
そうそう一つ良いことがあった。部長になって手に入れた音学準備室だ。
昼休み、あそこは私にとって絶好の避難所になった。

午前中の授業が終わると私は自然な範囲内で限りなく早く歩いて音楽準備室に行き、そこで昼食を食べた。
食べ終わると窓から外を眺めた。
楽しそうに友達と弁当を食べたり喋ったりする生徒たちを見ていた。

澪「青春は今のうちだぞー。後悔しないように楽しめよー。」

そんなことを呟きながらひたすら外を眺めていた。
別にそこまで落ち込みはしなかった。
元々律がいなければ一人ぼっちだったのだから、こういうのには耐性があるんだ。
ただし放課後も窓から、一生懸命部活をしたり楽しそうに友達と話しながら下校する生徒達を見ている気にはならなかった。
だから結局、軽音部の部長になっても音楽準備室には昼休みに弁当を食べに来るだけだった。
外を眺めるのにも飽きて、ただただ天井を眺めている時は本当に退屈だ。

澪「昼休み退屈タイム…略してHTT。なんかそういう名前のバンド居たよな。」

退屈だった。

………

7月に入って夏休みも見えてくる頃になった。
朝目が覚めて今日も学校に行くのか、と絶望することの無い夏休みが待ち遠しかった。
夏休みに入ったらあの音楽準備室も1月半は無人になるだろう。
そんなことを考えながら朝食を食べていると携帯が鳴る。
また迷惑メールか。
せめて迷惑メールだけでも受信してあげないと携帯が可哀想だとは思うがいい加減うるさいな。
ため息をつきながらメールボックスを開く。

From TRITON EXTREME 76
Sub  今日のTRITON占い

澪「TRITON EXTREME 76? なんだ?TRITON占いって…」


いつもなら中身を見ないで消すところだが、少し気になってメールを開いた。

From TRITON EXTREME 76
Sub  今日のTRITON占い

友達運が急上昇!
部活をしている子は部活中に大切な仲間が訪れる可能性大!

澪「部活中に仲間が来る…? 律?」

占いは信じない方だが、このメールはどうも気になった。

放課後、迷惑メールの占いなんか信じちゃってバカだなと思いつつ音楽準備室でベースを弾いていた。

澪「私はただ部活動をしているだけなんだ…律なんか待ってないぞ…」

そうぶつぶつ呟きながらベースを弾いた。


夕日で音楽準備室が真っ赤になり、しばらくして辺りが薄暗くなってきたころ、不意にドアをノックする音がする。
丁度帰る支度をし始めていた私はバッグを放り投げてドアに走った。

澪「律!」

大声をあげながらドアを開けると見知らぬ生徒がバケツを持って立っていた。
上履きの色からして恐らく2年生だろう。
私の大声に少し驚いている様子だった。
とんでもないバカな行動をしてしまったことに気づいた私は顔を赤くしながら聞いた。

澪「え…っと、何か用ですか…?」

2年生「あの…部活中にごめんなさいね。私生物部の者なのだけれど、頼みごとがあって…」

バケツを持ったまま気まずそうに話すその2年生の雰囲気からしてあまりいい話ではないようだ。

澪「な、何ですか?頼みごとって」

2年生「実はね、この子を引きとってもらいたいの…」

そう言ってバケツを床に置き、バケツの中を指差す。
中ではカメが泳いでいた。

澪「カメ?」

2年生「そう…スッポンモドキって言うの。この子ね、後輩が勝手に買ってきちゃったんだけれどウチの部ではもう水槽の置き場所が無くて飼いきれないの」

澪「え…あの、うちでは無理です…そんなの…どこか他の部活にお願いしてください…」

2年生「お願い! もう軽音部しか無いの?全部活回ってあなたのところが最後なの!」

澪「だ、誰かの家で飼うなり、店に引きとってもらうなりするか、自然に帰すかするかいいじゃないですか」

2年生「もう誰も引き取りたがらないし、他の選択は嫌! お願いよ、設備や餌は全部生物部で持つから!」

澪「そんなこと言われても…」

2年生「どうせ軽音部ってあなた一人だけでしょ? 一人で寂しくないの!?」

澪「……」

2年生「そんなあなたにこのカメをあげましょう。 それじゃあ水槽とか持ってくるから待っててね!」

澪「ちょ! え!?」

2年生「あ、もしもし? うん、そう見つかったの! 飼育環境作るから来て!」

澪「おい!」

すぐに生物部の部員達が水槽を持って現れた。
次々に水槽に水や砂利を入れていく生物部員達。

澪「待て! ここは私の部室だぞ! 人の話を聞かないで勝手に水槽を置くな! 私はこんなキチガイ沙汰認めないぞ!バカー!」

1年生「あうぅーごめんなさいー。私が勝手にカメを買ってきたばかりに…」

ヘアピンをした頭の悪そうな1年生が私の方へ謝りに来た。
そのどうしようもない雰囲気に私の怒りは冷えていった。
それに、なんだかその生徒は懐かしいような昔からの友達のような感じがして怒れなかった。

澪「はぁ…」

うな垂れる私を無視して生物部員達が水槽を設置していった。

生物部員の一人から飼い方を説明されたところ、どうやら毎日世話をしに来ないといけないらしい。
最悪だ、まぁどうせすぐに死ぬだろう…。
生物部員達が帰っていき一人と一匹になった音楽準備室で私はため息をついた。

澪「まったく、数十行ぶりに誰かと会話したかと思ったらこれか。」

もう一回例のメールを見返す。
TRITON占いの仲間ってこのカメのことなのか?

澪「カメが仲間とはなぁ…」

そう言いながら水槽を見ると、ちょうど中のスッポンモドキと目があった。
少し…懐かしい気がする。

澪「名前を付けるか…うーん、TRITON占いのカメだからトリちゃんかな?いや、トンちゃんだな」

水槽に近づき、ちょんと指でガラスをつついて呼んだ。

澪「トンちゃん」

私の声に反応したのか、トンちゃんは返事をするように口を開けた。

不思議な感じがした。


………

明日までかかりそう?

澪「えーっと…軽音楽部部長の秋山澪です。部員は1名です…」

自己紹介をして席に付いた。部長会議である。
部員1名というところがウケたのか、少なくない笑い声が起こる。

澪「はぁ…」

早くも帰りたくなってきた。そもそも部長会議なんか毎回すっぽかしてきた。
以前友達だった田井中律のような行動だが、部員1名の部活動の部長が会議になんか出たってしょうがないと思っていたのだ。

生徒会長「それでは部長会議を始めます。今回のテーマはエアコンです。エアコンが必要な部は手を挙げてください。」

そう、このためにこの上級生しか居ない嫌な会議に出てきたのだ。

澪「はい」

私は迷いなく手を上げた。
軽音部はエアコンいらないだろと抗議の声があがりかけたので、すかさず生物部の部長を見つめる。
それに気づいた彼女が、今度は生徒会長を睨む。
あらかじめ何か決めていたのか生徒会長は抗議の声を手で制止してもっともらしく言う。

生徒会長「部員が1名でも部活動は部活動です。認められた部なのです。」

>>57
まだ誰も入部してきていないのでそれなりにかかると思います。

その後はうまくいった。
エアコンは夏休み前に音楽準備室に設置されるらしい。
任務完了だ。

音楽準備室に帰って水槽の前に屈んで中のカメと視線をあわせる。

澪「トンちゃんやったよ、エアコンが来るよ。音楽準備室から出られないトンちゃんのためなんだからな、感謝しろよ?」

そうトンちゃんに囁いてふふっと笑う。
久しぶりに笑った気がする。そんな7月上旬。

その後も私は毎日放課後に音楽準備室に来て トンちゃんの世話をした。
スッポンモドキという生き物は飼育が難しい種類のカメらしく、水換えやなんだと大変だ。
ただ… なんとなく前の生活よりは張りが出てきたように思える。
例え人間じゃなくてカメだとしても、仲間が居るというのは良いものだ。
部員が入ってきて、一人ぼっちの軽音部じゃなくなったらどんなに楽しいことだろうか…
いや、そんなことを考えるのはよそう…
軽音部が廃部しかけた時、頑張って部員集めをしなかった私にそんなことを言える資格は無いんだ。

そうそう、トンちゃんを連れてきた生物部はあの後ほとんど音楽準備室に姿を現さなかった。冷たい奴らだ。
1回だけ、例のヘアピンの子が餌を持ってきたが、どうやら彼女は生物部をやめるらしい。
もっと明るくても良いような子なのに、なんだか暗く、沈鬱な様子であった。
あの時、軽音部に入らない?と声をかけたら入部してくれたのだろうか。
あれ以降、彼女を見かけない。もしかして不登校になってしまったのだろうか…
学校のコミュニティーに入り込めない私にはそんなことでさえも調べることはできなかった。

………

合唱部員1「おはよー!はー遅刻するところだったー」

合唱部員2「あ、おはよ!遅いよ1ちゃん」

紬「おはようございます」

合唱部員1「ねぇ聞いた?軽音部のこと。」

合唱部員2「あぁ、部員が一人なのにエアコン付けたんだってね!」

紬「え?軽音部って廃部したんじゃ…」

合唱部員1「それがね、1年生の秋山って子が軽音部が廃部したからそのまま帰宅部になっちゃったみたいで、担任の先生が可哀想に思って廃部保留にしたんだって。」

紬「そうなんだ…」

紬「(澪ちゃん一人ぼっちで音楽準備室に居るのかな…)」

合唱部員2「噂では生物部に押し付けられたカメのためにエアコン付けたっていうんだから笑えるよね」

合唱部員1「そうそうスッポンモドキっていう大きくなるカメなんだってね」

紬「! スッポンモドキ…」

紬「(澪ちゃんにスッポンモドキは手に負えないわ… 早く琴吹グループの開発した強力ろ過器と成長抑制餌を届けないと…)」

紬「私、今日ちょっと合唱部休むね」

合唱部員1「分かったー」


………


最近登校する時間が早くなった。早めに学校に来てトンちゃんの世話をするためだ。
真夏の早朝ほど清々しいものはない。
いつも沈鬱な気持ちで登校していたが、小さい仲間の存在のおかげで少し気分が良い。

澪「これがリア充というやつか…ふふ」

どうしてただのカメをこんなに気に入っているのか自分でもいまいちよく分からない。
ただただ懐かしくて、なにか楽しかったころを思い出せそうなのだ。

ちょうど校門が見えてきたところで携帯が鳴る。

澪「!」

またTRITON EXTREME 76からだ。

From TRITON EXTREME 76
Sub  今日のTRITON占い

今日のラッキーアイテムは辛い食べ物!
運気が上がって友達ができるよ!

澪「友達… カメの次はうさぎか? ていうか私辛いの苦手なんだけどなぁ…」

澪「うーんしょうがない、今日は食堂で辛いの探そうかな」


………



初めて食堂に来た。
来てみて分かったのだが、ここは一人で来るところじゃない…

しかも

澪「さすが女子校、辛いものが無い」

結局目当ての辛いものに一番近そうなカレーを頼んで一人で隅っこの席に付いた。

澪「うーん、中辛ですら無い…」

辛い食べ物がラッキーアイテムなのに… このままじゃうさぎは仲間になってくれないではないか…
暗い表情でカレーを食べていると一つ席を挟んで隣の席に二人組が座った。

合唱部員1・2「いただきまーす!」

合唱部員1「おいしいね!」

合唱部員2「うん!」

合唱部員1「ねぇねぇ、これ買ってみたんだけど食べる?」

合唱部員2「なに?」

合唱部員1「激辛クッキー!面白そうだから買ってみたんだけど私は食べないから」

合唱部員2「じゃあ私も食べない!」

合唱部員1「えー!つまんなーい!」

激辛… 辛い食べ物だ! 反射的に隣の方を見てしまった。

澪「!」

め、目があってしまった…

合唱部員1・2「……」

澪「ど、どうも…」

合唱部員1「ねぇあなたもしかして軽音部の部長さん?」

澪「え、あ、はい…」

合唱部員1「あはは! やっぱり! ねぇねぇ今度カメ見せてよ! そのためにエアコン付けたんでしょ?」

澪「まぁ、はぁ…」

合唱部員2「まぁ、はぁ… だって! この子面白いね!」

合唱部員1「ねぇ部長さん!このクッキーあげる! 後で感想聞かせてねー」

澪「あ、あ…ありがとうございます…」


合唱部員2「あははは! やめなよー」

合唱部員1「だって捨てるのもったないじゃん!」

辛い食べ物は手に入ったけど… こいつらは占いの友達じゃあ無さそうだ…
居心地の悪さに私は急いでカレーを胃に放りこんで席を立った。
音楽準備室での平和な昼休みに慣れていた私はすっかり疲れてしまって、午後の授業は居眠りしがちだった。

………

澪「ふあぁー… うーん、午後は何だか眠かったよトンちゃん」

放課後、音楽準備室に来てトンちゃんに話しかける。
学校の中で唯一笑えるのはトンちゃんの前だけだ。
傍から見れば寂しい娘だが、私はこれが楽しいのだ。

澪「あ、そうだ。このクッキーね、昼休みにもらったんだ。今日のラッキーアイテムだぞ?」

そう言いながら激辛クッキーのパッケージを見る。
パッケージを作ったデザイナーはこれを食べてはいけないと警告したかったのだろうか、と思うほどの禍々しい絵柄の袋だ。

澪「ら、ラッキーアイテムだよな…」

そう自分に言い聞かせて袋を開け、一つ食べる。

澪「うぐっ!」

辛さが一気に口の中を支配し、涙がこみ上げてくる。

澪「うえ! げほ! げほ! な、なんだこれ!」

あまりの辛さに涙が溢れる。バカだ、私は大バカだ。
何がラッキーアイテムだこんなのもの。
ただただ一人で涙を流して、仲間なんか誰も現れないじゃないか…

澪「うぅ… ぐす…」ボロボロ


………

斉藤「例のろ過器と餌です」

紬「ありがとう。それでは私は音楽準備室の方へ行きます。」

澪ちゃんが一人で軽音部を復活させていたなんて知らなかった。
りっちゃんはどうして軽音部に入らないんだろう?
まさか、澪ちゃんがりっちゃんに軽音部のこと話してないなんてことないよね。
澪ちゃんは一人ぼっちの音楽準備室で何を思っているんだろう…
軽音部が廃部になったあと、他の部活に入部したのは私だけで、澪ちゃんもりっちゃんも部活に入らなかった…
私だけがのんきに合唱部で過ごしている間、あの2人はどうしていたんだろう。
1ヶ月間、一緒に部員を集めた仲なのに何にも知らないだなんて…
私は自分で思っているよりも冷たい子なのかな…

紬「はぁ、今はそんなことよりも澪ちゃんが押し付けられたスッポンモドキのことね」

ぎっぎっぎっ
少し緊張しながら階段を上る。
澪ちゃんは今日は居るのかな。カメを飼い始めてから放課後は毎日来てるみたいだから多分居ると思うけど。
でも、もし居たとして、私どんな顔して澪ちゃんに会えば良いんだろう。

音楽準備室の前に来ても私はドアノブに手をかけることが出来なかった。
罪悪感がこみ上げてきて、ドアの前でうつむいて目をつぶってしまった。

紬「やっぱり今度にしようかな…」

そう言ってドアに背を向けた時、音楽準備室から苦しそうに咳き込む声が聞こえた。

紬「澪ちゃん?」

ドアを少し開けて中を覗くと、水槽の前で澪ちゃんが咳き込みながら涙を流しているのが見えた。

紬「(澪ちゃん! 一人で寂しくて泣いているの!?)」

私は澪ちゃんが泣いている姿を見て、気まずさを忘れて勢い良く部室に入っていった。
泣いている澪ちゃんを後ろから抱きしめた。

紬「澪ちゃん!」ギュ

澪「げほ! げほ! え? ムギ!? 何でここに…」

紬「澪ちゃんごめんなさい! 澪ちゃんが寂しくて一人で泣いているのに、私は、私は…」

澪「へ?え? げほ! む、ムギ!それよりも何か飲み物を…げほ!」

紬「隠さなくて良いの! 私、合唱部やめて軽音部に入るわ! 悲しそうな澪ちゃんを放っておけないわ!」ギュウウ

澪「げほ! うぅ… ムギは何の話をしているんだよぉー… み、水ー…」

紬「ミミズね!分かったわ!」

澪「違ーう…」


………

保守はまかせた

TRITON占いが当たりすぎて怖い…
今度は人間が来た。
でも、少し困った。

澪「え?本当に軽音部に入るの?でも悪いよ…せっかくムギは真面目に部活してるのに…」

紬「軽音部だって部活よ!」

澪「でも今トンちゃんの世話しかしてないし…」

紬「良いのよそんなことは。私は私が正しいと思った方を選択するわ。」

澪「そ、そうか… まぁムギが居てくれるなら私も嬉しいけど…」

紬「ふふ、なら決定ね! それにね、合唱部って紅茶セット持ち込めなかったからちょっと不満だったのー」

澪「あぁあれか。廃部が決定した途端山中先生に撤収させられちゃったんだよな」

紬「明日からまた復活させるわ! 私の紅茶セットは何度でもよみがえるわ!」

澪「ふふ、そっか」

ムギが戻ってきてくれて良かった…

紬「それで、りっちゃんは?」

澪「ん?」

紬「りっちゃんは今どうしてるの?軽音部が復活してるのは知ってるんだよね?」ニコ

澪「お、おー んー」

澪「(そういえば律はまだ軽音部のこと知らないんだよな… でも、今更言いにくいし…)」

紬「?」

澪「えーっと律はバイトが忙しいとか何とか…」

紬「そう…それじゃあドラムは他に探さないといけないわね…本当はりっちゃんが良かったんだけど」

澪「う、うん」


しかし、部員を他に集めることなんて非現実的なことだった。
既にあと少しで夏休みに入ろうとしている時期に誰もこんな弱小部に注目しないし、私には知らない誰かに声をかけることなんかできなかった。

結局私とムギとトンちゃんだけの軽音部のままで夏休みに突入した。
夏休みはそれなりに楽しかった。
ムギが持ってきたトンちゃん用の飼育器材で毎日世話に来なくて良くなったが、それでも時々音楽準備室にトンちゃんの様子を見に来た。
そんな時はムギと待ち合わせをして、紅茶を飲んだり、ちょっと一緒に演奏してみたりした。

澪「翼はためかせー 行きたいー♪」

紬「澪ちゃん歌上手いわね!」

澪「えへへ、そうかな」

紬「これは文化祭で歌ったら澪ちゃんのファンクラブが出来るわ!」ムフー

澪「ははは、それは言い過ぎだよー。な!トンちゃん」

そうそう、そういえばムギのキーボードがTRITONという名前の製品なのを私は一緒に演奏している時に気づいた。
メールのTRITONとは何か関係があるのだろうか。
しかし、メールのことをムギに話して変に思われるのは嫌だったので、このことは私の心の中に閉まっておくことにした。
今は、ムギと演奏しているだけで楽しいのだ。

真夏の、溢れるような蝉の鳴き声も音楽準備室ではどこか遠く儚く聞こえた。
そしてそれに合わせるように、私のベースとムギのキーボードで演奏する「翼をください」はどこか幻想的だった。
もし、部員がこれ以上入ってこなくて私達だけの軽音部で続けるとしても、それはそれで私は満足だ。
そんなことをぼーっと考えていた。
ムギはどう思うだろう。

澪「なぁムギ…」

紬「スー…」ムニャムニャ

澪「あれ、寝ちゃってる…」

夏の日差し、遠くの蝉の鳴き声、その中で静かに眠るムギは天使のようだった。
ムギが戻ってきてくれて本当に良かった。

澪「私は、今のままでも良いよ…」

私は、そっとムギの頭を撫でた。

………

しかし、ムギとのそんな軽音部生活も夏休みが終わって文化祭も終わった時期に来ると危うくなってきた。

何もしていないのに廃部の危機に立たされているのだ。

担任「また何にもしてないのが問題なのだよ秋山君」

澪「う…その言葉は前も聞きました…」

担任「せっかく廃部保留にして、エアコンも付けて、部員も一人入ってきたっていうのに何で文化祭に出なかったんだい?」

澪「それは…顧問の先生が決まらなかったからです…」

担任「押しが弱いんだよ秋山君は」

澪「それはそうかもしれませんが…一応文化祭のライブの手伝いはしてたんですけど…」

担任「…まぁ僕としてはどうでも良いんだけれどね、生徒会長がお怒りだから、取りあえず放課後に生徒会室に行ってくれ」

保守ありがとうございます

はぁ参ったな…

紬「澪ちゃーん!どうだった?」

澪「あぁムギ。生徒会に呼び出された…とりあえず放課後行ってくるからムギは待っててくれ」

紬「1人で大丈夫…?」

澪「うん…多分…」


そういうことで私は生徒会に呼び出された。

生徒会長「秋山さん、どういうことかな…」

澪「どういうこととは…」

生徒会長「何も活動をしていないことについてよ。この前の文化祭では部じゃない有志だってライブに参加したというのに」

澪「うぅ…」

生徒会長「それに部員だってまだ2人だよね?ちょっとのんびりすぎないかしら?軽音部だけ特別扱いは規律が乱れるわ」

澪「は、廃部ですか…?」

廃部になったとしてもムギとトンちゃんが居ればいいかな…
最近そう思うんだ。

生徒会長「ええそうね。」

澪「分かりました…」

生徒会長「物わかりが良いわね…それじゃあ廃部の届け出はこっちでやっておくから」

曽我部「異議あり!」

生徒会長「あら曽我部さん。何ですか?」

曽我部「30万円を軽音部部長の秋山さんに請求します!」

澪「は?さ、30万円!?」

和「そ、曽我部先輩何を言っているんですか!?」

曽我部「軽音部のために使われたエアコンの設置費用や使われた部費、それから光熱費合わせて30万円です!」

生徒会長「なるほど確かに生徒会としては無駄に使われた費用は回収する義務がありますね」

澪「な、なんだってー!?」

生徒会長「秋山さん廃部に伴って30万円が必要になりました。よこしなさい。」

澪「無理です!払えません!」

曽我部「確かに秋山さんには支払い能力がありませんね。なので軽音部を存続させしっかり活動させることを提案します。」

和「曽我部先輩、なんでそんなに軽音部にこだわるんですか?」コソ

曽我部「わたし澪ちゃんのファンなの、文化祭で一生懸命働く姿が可愛くて、是非新歓ライブに出て欲しいのよ」コソ

和「そ、曽我部先輩ってそういう人だったんだ…」

生徒会長「私も軽音部が並に活動するのであればそれが一番良いのですが、秋山さんはどうも信用できません!」キッパリ

澪「は、反論できません…」

曽我部「そこはご心配なく、我が生徒会から監視員として真鍋さんを軽音部に入部させます」

和「え、初耳なんですが」

生徒会長「ふむふむそれなら信用できますね。廃部は保留ということで!」キッパリ

曽我部「真鍋さんの分の仕事は私がやるから、頼んだ!がんばって!」

和「なんてこった…」

今気付いたけどこれあんときのやつだよね?

やっと書いてくれたんだ

というわけで支援

>>171
そうですそうです。あの時のとは微妙に違いますけど。

トリップ付けます。



メガネを入部させるだけで30万がチャラになるとはおいしい話だ。

和「え?」

澪「ん?」

澪「ま、真鍋さん。よ、よろしくお願いします」

和「それじゃあ軽音部に案内してもらおうかしら」

澪「はい、こちらへどうぞ」

………

トリ間違えた

ガチャ

澪「ムギー、新入部員が来たよ」

紬「わぁ、新入りさんが入ったのね」パァ

和「えーっと生徒会の真鍋和です。軽音部がしっかり活動するよう監視するため派遣入部しました。」

紬「そ、そうなの…」

和「さっそくだけどこの紅茶は何なの?これは軽音部の活動に関係あるのかしら」

澪「こ、これは雰囲気作りで、そのとにかく必要なんだ!」

紬「そうよ!これは軽音部のアイデンティティーなの!これが無かったら軽音部はすっからかんよ!」

澪「え?」

和「そ、そう… で、いつ練習するのかしら」

澪「それは…この紅茶を飲んだあとで…」

和「ゴクゴク」

和「さぁ始めましょう」

澪「う…ペースが乱れるなぁ…と、ところで真鍋さんは何か楽器できるの?」

和「何もできないわ」

澪「えーっと、今ドラムとギターが空いてるんだけどどっちが良い?」

和「うーん…それじゃあギターにしようかしら」

澪「じゃあ今度ギター買いに行こう真鍋さん」

和「え?備品でギター無いの?」

紬「無いんだなそれが」

和「じゃあドラムにするわ。そこのドラムセット軽音部のものでしょ?」

田井中は要らない

田井中は要らない

保守ありがとうございます。
ちょっとだけ書きためました。

澪「い、いや、これは今帰宅部の友人のもので…」

和「部室に置いてあるのであれば軽音部の物よ。それに埃まみれで全然使っていないじゃない」

澪「そうだけど…」

紬「そのドラムはダメなの…澪ちゃんの大切な友達のもので…」

澪「いや…良いんだ…ちょっと物置からドラムの教本取ってくるよ。」

和「はー、生徒会からドラムマンとはとんだ出世だわ」


………

律「でさー私はその夢の中でドラムをダダーッて叩いててさ!」

バイト仲間「はいはい、それであの暗い秋山さんが一緒にベース弾いてたんでしょ?何回も聞いたよその話」

律「そうだっけ?」

バイト仲間「はぁ…早くしないとバイト遅れるよ?」

律「あーそうだったな悪い悪い」

はぁ…バイトか…だるいな…

軽音部が廃部になってバイトを始めた時は色々と新鮮で楽しかったけど、慣れてくるとこの単調な毎日が嫌になってきてしまった。
バイトで手に入った金でぱーっと遊んでもなんだか気が晴れない。
もともと節約した遊び方の方が私は好きだったんだ。
澪が金には困ってないって言ってたけど、実は私にも当てはまっていたのかもしれない。
もっと…金じゃない何か…バイトなんかより大切なことがあるんじゃないかって悩んでた。

そんな時、あれは文化祭のころだったかな。
澪やムギ、それからもう1人知らない女の子と私との4人でみんなの前でライブする夢を見た。
夢から覚めた時、すっごいワクワクした気分だったな…あんな気分は久しぶりだった。
それで気づいたんだ私はやっぱりバンドをするべきだって。

バイトなんかやめてドラムを叩こう。
できれば澪と一緒にバンドをしたい… 澪のやつしばらくほったらかしにしてたから喜ぶだろうな…

バイト仲間「おーい!早く行くよー!」

律「お、おー!」

明日…音楽準備室にドラムを叩きに行こう…


………

律「え?音楽準備室の鍵無いんですか?」

先生「無いというか、軽音部が先に借りていったんだよ」

律「けいおんぶ?え?あの軽い音楽と書いて軽音部ですか?」

先生「そうだよ。」

どういうことだ。軽音部は廃部したんじゃないのかよ!

律「だ、誰が部長なんですか?」

先生「えーっと1年の秋、秋…なんて名前でしたっけ山中先生」

さわ子「秋山澪ですよ。田井中さん?あなた秋山さんに軽音部のこと聞いてないの」

澪だって!? 何で澪が部長なんだ!?

律「あ、ありがとうございました!」

分からない。一体何が起こっているんだ。
私は走って音楽準備室まで行き勢いよく扉を開けはなった。

………

バンッ!


澪「うわ!」

和「!」

紬「ひ!」

和「誰?」

律「み、澪!?」

澪「律?何で律が…」

律「澪どういうことだ。何で軽音部が復活したのに私に教えないんだよ!」

澪「いや、えっと…」

紬「澪ちゃん?」

律「それからこのメガネは誰だ!何で私のドラムを使っているんだ!」

和「部長さんが別に使って良いというから使っているんだけど…」

紬「澪ちゃんりっちゃんに軽音部のこと伝えてなかったの?」

澪「ご、ごめん…」

律「何でだよ!澪は私のことが嫌いなのか?」

澪「違う! り、律に軽音部のこと言っても反応してくれないんじゃないかって思って… 怖かったんだ…」

律「そんなことするわけないだろ!一緒にバンド組もうって約束してたのに…裏切り者!」

澪「う、裏切り者って…! 律は私が一人で寂しかったのに全然かまってくれなかったじゃないか! そんなやつに裏切り者だなんて言われたくない!」

律「お前が勝手に孤立したんじゃないか…何も努力せずに…」

澪「うぐ…」

紬「ねぇ二人とも落ち着いて… りっちゃん?お茶飲まない?」

律「いや、いいよ… あー、そこのメガネ。私のドラムいくらでも使っていいぞ。もう私はバンドなんかしないから!」

澪「律!」

律「じゃあな!」

バタン!

和「メガネメガネて…あのデコっぱち…」

紬「澪ちゃん…」

澪「ごめん… 私今日さきに帰るよ…」


はぁ…自分が傷つきたくないばかりに、人を傷つけてしまった…
律に酷いことをしてしまった… 律に謝れば許してくれるのだろうか。
いや、多分私は怖くてそんなこともできないだろう…
私は最低だ。

………

澪「はぁ…」

和「澪ったらあれから元気が無いわね」

紬「うん…」

和「監視するために来たっていうのに、なんだか邪魔しに来ちゃったみたいね。ドラム勝手に使っちゃったし。」

紬「そ、そんな事ないわ」

和「ふ、それにちゃんと練習しろって最初は言ってたのに、今はこうやってティータイムするのが楽しみになっちゃっていてダメね…」

紬「ふふ、ありがとう。ケーキ、今日は一つ多いから和ちゃん食べる?」

和「それじゃあ持って帰らせてもらうわ。甘いものが大好きな友達がいるの」


………

和「唯ー来たわよー」

唯「あ… 和ちゃん…」

和「また学校来ないで寝てたの?」

唯「うん… 最近夢のなかの方が楽しいんだ、えへへ…」

和「そう… どんな夢を見ているの?」

唯「あのね、私がみんなの前でギター弾いてるの!。しかもちゃんとギー太持ってるんだよ!」

和「ギー太って、前に唯が弾きもしないのに買ったギター?」

唯「弾かないけど一緒に寝てるよー!それでね夢の中では友達がたくさんいてね。みんなと一緒に紅茶飲んだりケーキ食べたりするの」

和「あら、それなら今の私みたいね。私はドラムだけど。ほら、今日はケーキを持ってきたわよ

唯「ケーキ!? わぁ、和ちゃん買って来てくれたの?」

和「いや、毎日同じ部活の子が持ってきてくれるのよ」

唯「毎日! 和ちゃん何でそれ教えてくれなかったの!? 私も毎日ケーキ食べたいよー!」

和「そんなこと言ったって、あんた不登校気味だし、部活も嫌って言ってたじゃない」

唯「だ、だって生物部ですごく怒られて嫌になっちゃったんだもん…」

和「多分軽音部ならそんなに怒られないと思うわよ?」

唯「そうなの? じゃあちょっと行ってみようかな…」

………

澪「トンちゃーん…私ってバカだよね…」

そんな私の言葉に反応するようにトンちゃんの口がパカっと開く。
まるでバカって言ってるみたいだ。

澪「はぁ…」

軽音部が復活したときにすぐに律に言えば良かったのに…
律がもうバンドをやらないって言ったときの喪失感…
あんなんにもショックを受けるとは自分でも意外だった。
まるで何年も一緒にバンドを組んできた仲間に言われたような衝撃だった。

澪「そんなにショックだったら、謝りに行けば良いのにね、バカだよね…」

水槽におでこを付けて目をつぶる。

律がいなかったら本当の軽音部じゃない気がする…
本来の姿じゃない…


澪「ん… メールか」

From TRITON EXTREME 76
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押しが肝心!粘り強く!


澪「またTRITONか。んー押しが肝心か…もっと早く言ってくれよな…」

そう、あの薄らと埃がかったソファの埃を払って腰掛けたあの時に…
再度目をぎゅっと目をつぶりかけたとき、部室の扉が開く。


今書いてるのは>>1なの?
別の人?

>>258
ID変わってるけど同一人物です。

和「澪ー、遅れてごめんなさい」

澪「ん、良いよ。あれ?その子は?」

和の後ろには見たことがあるような生徒が立っていた。
少しおどおどして和の後ろになんとか隠れようとしている。

和「あぁ、この前言ってた友達。ふふ、ムギのケーキが食べたいっていうから連れてきたんだけど、ここに来るころになってグズリだしちゃって…」

澪「そっか、でもまだムギは来てないから、中に入って待とうか。」

和「ええ。さ、唯も入った入った。」

唯「う、うん…」

やっぱり見覚えがあるぞ?
それも昔から知っているような…

澪「あの?どこかで会ったことある…?」

唯「うん、あの時はご迷惑おかけしました…」

澪「え?どの時?」

唯「あそこのカメちゃんを持ってきたとき…」

澪「あ、あー! あの時の生物部員の子か! 前よりずいぶん痩せたから分からなかったよ」

唯「本当にごめんなさい…」

澪「いや、良いよ良いよ。今はあのカメすごく気に入ってるから。」

唯「そ、そう…」

澪「うん、トンちゃんって言うんだ」

唯「トンちゃん。へへ、いい名前だね。トンちゃんかぁ…なんだかすごくしっくりくるよ」

澪「ありがとう。えっと私は軽音部部長の秋山澪。あなたは?」

唯「平沢唯」

澪「平沢唯…なんかどこかで聞いたことあるような… ま、とりあえずムギが来るまで適当に座っててくれよ」


………

唯「おいしー!!最高だよ!」

紬「うふふ、ありがとう」

和「ごめんなさいね、軽音部でもない子を連れてきちゃって」

紬「良いのよ。人がたくさんいた方が楽しいし、唯ちゃん可愛いから」

澪「なぁ平沢さん。毎日ケーキ食べたい?」

唯「うん!」

澪「じゃあさー、軽音部に入らない?」

唯「う、うーん…ぶかつかぁ…」

和「澪、この子もう部活入りたくないって言っててね…」

澪「で、でも、軽音部だったらきっと楽しいぞ。せっかくの青春だぞ?」

押しが肝心だ…
この子は手放しちゃダメだ。そんな気がするんだ…

唯「で、でも私何にもできないよ…」

和「あら、ギター持ってるじゃない」

紬「ギター! ちょうどいいじゃない!ねぇ唯ちゃん一緒にバンド組みましょ?」

唯「いや、ちょっとしかできないから…」

澪「最初は誰でもそんなものだよ! なぁゴロゴロしてるだけで良いからさ…」

唯「うぅ… ごめんなさい…ただケーキを食べたいばかりに来ちゃったりして…」

紬「あ…い、いや無理に入らなくて良いのよ?私達こそごめんなさい…」

粘り強く粘り強く… もし律だったらどんなことを言うだろう…

澪「… そ、そうだ! 演奏だけでも…聞いて行ってくれないか?」

唯「え? 演奏してくれるのー?」

澪「く、食いついた」

………

和ちゃんと軽音部の2人は私に「翼をください」を演奏してくれた。
それを聞いた途端、なんだかとっても不思議な感じがした。
演奏は私から見ても下手なものだったけど…だけど…
ずっと夢の中だけだった私の居場所が、今目の前に現れたような気がする…

澪「ど、どうだった?」

唯「なんていうか、すごく言葉にしにくいんだけど…」

澪「うん!」

唯「あんまりうまくないですね!」

澪「ばっさりだな…」

唯「でも、なんだかすっごく楽しそうで…ちょっと待ってて!」

私はそういうと走って部室を出た。
ギー太!私の居場所はあそこにあったんだよ!きっとギー太の居場所もあそこなんだよ!
今、今迎えに行くからね!

息が切れそうになっても私は走り続けた。

そういえば、入学式の時もこの道を走った。

何かしなきゃって想いながら、

何をすればいいんだろうって想いながら、

このまま大人になっちゃうのかなって想いながら。

学校に行きづらくなってからその予感が現実的になってきて絶望するようになった。

でも、今…私にもできることが…夢中になれることが…

大切な…大切な…場所が見つかった気がする…


………

澪「食い逃げ?」

和「いやいや、ちょっと待って。唯のかばんがまだあるし、戻ってくるわよ」

紬「そ、そうね」

バン! 

唯「お待たせしました!」

澪「お、おぉ! それはギター?」

唯「うん! ギー太って言うの!」

紬「ということは!」


唯「私、私!この部に入部します!」

澪「ほ、ほんとに!?」

唯「うん! よろしくね!」

澪「ばんざーい!」

紬「やったね澪ちゃん、仲間が増えるよ!」

和「私がいくら説得しても部活入らなかったのに、ケーキで入部するだなんて…」

………

ということで新たに仲間が加わって賑やかになってきた
しかし唯の奴やたらと物を持ち込むから倉庫がガラクタだらけになったしまった。

澪「そろそろ冬休みだし、今日は倉庫を片付けよう」

唯「ええー!」

澪「えーじゃない! まったく誰のせいだと…」

そんなこんなで片付けていると、唯がある物を見つけた。

唯「ねぇねぇこれって山中先生かなー?」

澪「ん?これは…」

紬「若かりし頃の山中先生ね…」

和「あの山中先生にもこんな時代があったのね…」

唯「あとねー!これも!」ドン

澪「ん? ケース?」

唯「何が入ってるんだろー」パカ

紬「ギター?」

澪「うーん少し古いけど高そうなギターだな」

和「ギターあったんかい!」

唯「なーんだギターか。つまんなーい」

澪「軽音部なんだから興味持てよ…」


ガチャ

さわ子「あら、軽音部のみんな、大掃除中ね?」

澪「先生」

さわ子「あら!懐かしいわねーここにあったんだこのギター」

紬「これ山中先生のギターなんですか?」

さわ子「そうよ、それはあんまり使ってなかったけどね」

澪「やっぱり先生って軽音部員だったんですか?」

さわ子「え? あ、えーっと…」

唯「山中先生ー、この写真って若かりし頃の山中先生だよね!」

さわ子「げ!その写真は!か、返しなさい!」

和「なぜですか?」

さわ子「わ、私のイメージが…うぅ…」

和「だ、大丈夫ですよ…山中先生…」

さわ子「真鍋さん…」

和「ばらされたくなければ顧問やってください」

唯「和ちゃんたくましい…」

………

澪「山中先生ありがとうございます。吹奏楽部で忙しいのに顧問になってくれて…」

さわ子「まぁいいわ。どうせあなたたちの方はそんなに手がかからなそうだし…」

和「ふー、生徒会からの派遣部員としての仕事ができたわ…」

紬「これで次の新勧ライブは出られそうね!」

唯「ライブかぁー」

澪「しっかりやらないと30万だからな…」ボソ

紬「30万?」

澪「いや、こっちの話だから…」

さわ子「ところでこのギター、もし良かったらあなたたちで使ってくれない?いらなかったら売っちゃっても良いのよ?」

澪「え?いいんですか?」

さわ子「ええ、こう保存状態も悪いとあんまり使う気も起きないし…」

和「押し付けですか…」

澪「それじゃあ今度、よく行く楽器店で鑑定してもらおうか」

………

澪「ごめん!今日ちょっと用事ができて行けないんだ…」

和「ならしょうがないわね…また今度にする?」

澪「いや、私抜きで行ってもらって良いよ。どちらにしろ左利きの私が楽器店行ってもむなしいし…」

和「そう。それじゃあ行ってくるわ」

唯「いくらになるかな~♪」

紬「楽しみね!こういうのって初めてなのー」

唯「ねー荷物持ちじゃんけんしよー!」

紬「なにそれ!したいしたーい」

………

和「ふーん楽器店てこんな感じなんだ」

唯「はぁはぁはぁ…」

和「どうしたの?唯」

唯「どうしたのってあんた…どんだけ荷物持たせるつもりだよ…あたしゃもう疲れたよ…」

紬「うふふ、ごめんね唯ちゃん」

和「それじゃあこのギター見てもらいましょうか」

紬「そうね!」

唯「あたしゃちょっとそこで休んでるよ…フヒー…フヒー…」

………

店員「査定お待ちのお客様、お待たせいたしましたー」

店員「こちらのギター、50万円になります」

和「へー結構するのね」

店員「これは1960年代はじめの 云々…でこの金額で買い取らせていただきます!」

紬「ありがとうございます♪さ、これで倉庫の整理用具でも買いましょう♪」

和「そうね」

和「あ」

紬「なに?」

和「これだけあったら廃部もできるわね」

紬「? 廃部…?」

和「あぁ、あのね、文化祭終わった頃に私が入部してきたでしょ?あの時本当は軽音部を廃部させる予定だったのよ」

紬「え!? そ、そうなんですか…」

和「でも、そうすると軽音部の為に使った費用の30万円を部長の澪が払わないといけなくなってしまって、結局廃部は無くなったのよ」

紬「そ、そ、そうなんだ…」

和「今ここに50万円があるわ、これのうちの30万円を澪に渡せば軽音部は無事廃部、私も生徒会に戻れる」

紬「そ、そんなの嫌!」

和「なんてね。私は今の生活が気に入ってるからそんなことしないわ。まぁ澪が知ったらどうか分からないけど」

紬「澪ちゃん…」

………

うっかりしてた

澪「ギターどうだった?」

和「ああ、あれならごじゅ…んぅ!ムグ…! ムギ!?」

紬「あの、あのギターね!値段つかなかったから持って帰ってきたのよ!ざんねーん!」

澪「そうなのか、まぁあんなに古ければな」

和「ムギ? なんでギターのこと隠すの?」コソ

紬「だ、だってもし澪ちゃんが廃部させようとしたら嫌なんだもん…」コソ

澪「はぁ、とりあえず唯が来たら新勧ライブに向けて今から練習しないとな」

紬「ええ、そうね!」

澪「30万だからな…30万…」ボソ

紬「!」ビク

ガチャ

唯「遅れてごめーん!」

澪「遅いぞー」

唯「いやー昨日の荷物運びですっかり筋肉痛だよ…」

唯「あれ?このギター結局売らなかったんだ!せっかく50万もするのにー!」

澪「え?50万?」

紬「唯ちゃん!」

澪「さっき、値段がつかなかったって言わなかったか?」

紬「ごめんなさい…正確には50万ジンバブエドルなの…値段がつかないのと同じだと思って…」

澪「ジンバブエドル…?ここは日本だぞ」

和「ムギ、苦しいわよ… このギター、高価なものらしくて50万円するのよ」

澪「そ、そうなのか…でも何でムギは隠したんだ?色々買えるのに…」

紬「だって!お金が手に入ったら澪ちゃんが軽音部を廃部にしちゃうと思ったんだもん!」ウルウル

唯「え!?廃部?ヤダー!!」

澪「?? 和どういうこと?」

和「あぁ…私が変なこと言ったせいね… 前に廃部にさせるなら30万必要って曽我部先輩が言った話をムギに話したのよ」

澪「それで、50万円手に入ったら私が廃部させるんじゃないかって?」

紬「うん…グスン…」

田井中は不要

澪「(私って信用無いのな…)」

澪「ムギ…私はそんなことしないよ…」

紬「本当に…?」

澪「本当だよー さぁライブに向けて練習しよ?」

紬「グス…うん!」

そんなこともあったが、私達4人は楽しくティータイムや練習をして楽しく過ごした。
時々、律がいないことを寂しく感じるが…

そして、数ヶ月後新勧ライブに私達は出た。

………

紬「ま、まぁ私は良かったと思うわ!」

澪「そうだな、少し思ってた雰囲気と違ったけど」

和「半分が素人なんだからよくやったほうだと思うわ」

唯「うーん…なんというか一体感というかグルーヴ感がいまいちでしたなー」フンス

紬「唯ちゃんが評論家みたい」クスクス

澪「グルーヴって言いたいだけだろ。まぁあのライブ見て部員が入ってこなくても4人居るし何とかなるだろー」

唯「ええー!可愛い後輩が欲しかったよー!」

和「確かに後輩が入ってこないと私としても困るわ」

澪「ん?和も後輩が欲しいのか、意外だなー」

和「違うわ、私が軽音部をやめるからよ」

澪「ああそういうことか」

和「そういうこと」

紬「へー…」

唯「… ん?」

澪「え? …なななんで?」

和「私の仕事を持ってくれていた曽我部先輩が生徒会長になったから、私が生徒会に戻って仕事をしないといけなくなったのよ」

唯「えぇー!和ちゃんがいなくなるなんて嫌だー!」

紬「うぅー」ウルウル

和「そんな大げさな…ちょっと寂しいけど死ぬわけじゃないんだから…ふふ。」

和「そ・れ・に…ほら、1年生が来てるわよ?」

澪「ん?」

憂「おねえちゃーん」

唯「ういー!」

純「あ、憂のお姉ちゃんだ」

唯「えっとーこの子が憂って言って私の妹でー、この子がえーっと」

純「初めまして鈴木純です。憂と同じ中学です。」

紬「あらあらそうなのー。私は琴吹紬です。キーボード担当なの」

澪「よろしくな…私は秋山澪、ベース担当で部長だ」

純「わぁ、ベースが部長なんて渋いですね!」

澪「そうか…」

和「2人とも入部希望?」

憂「私はちょっと見学にきただけなので…すいません」

純「私は今考え中です。軽音部ってなんかカッコイイイメージありますよね!」

純「新勧ライブは軽音部のみなさんなかなかかっこ良かったです!」

澪「そうか…」

紬「み、澪ちゃんなんか暗いね」コソ

澪「うぅ…1年生とはいえ初対面の人は緊張する…」コソ

純「(秋山先輩クールでカッコイイなぁ…)」

紬「ねぇ鈴木さんは何の楽器やってるの?」

純「あ、私はベースです。秋山先輩とおそろいです!」

和「ベースか… ドラムなら空いているのだけど…」

純「それじゃあ私ドラムやりますよ!私がドラムで秋山先輩がベースで、えへへ」

和がやめるかわりに律誘ったら
さすがに律もブチギレるだろうな
部員勧誘は頑張らず廃部
もいちど軽音部作ったら誘いもせずに別の奴勧誘して約束も破る
勝手にドラムも使われる
これで「部員減ったから入部してよ」なんて言ったら
それこそガンジーでも助走つけて殴るレベル

>>361
>>ガンジーでも助走つけて殴るレベル

クソワロタwwwwwww

>>362
え?

律が再び軽音部に来たら
今度はモップがドラム叩いてる所見るわけか

こりゃー澪殺されるな

梓は律と組むんだろ

憂「い、良いの?純ちゃん」コソ

純「うん、だって秋山先輩カッコイイんだもん」コソ

憂「(純ちゃん惚れっぽいなぁ…)」

澪「よろしく、鈴木さん…」

純「純で良いですよ!」

澪「じゅ、純…」カァ

純「(うわーちょっと照れる澪先輩も可愛い!)あの、私も澪先輩って呼んでいいですか?」

澪「ん、良いよ」

純「よろしくお願いしますね!澪先輩!」

>>371
ヘルミッショネルズみたいな格好してHTTの前に立ちふさがる二人が頭に浮かんだ

紬「和ちゃんアウト、純ちゃんインね!」

和「それじゃあ私生徒会行ってくるね」

紬「敬礼!」ビシ

唯「和ちゃんまた会う日まで…」ビシ

和「しっかりやりなさいね」ビシ

そういうことで、和が去り純が軽音部に入った。

新しく入った純は気ままでマイペースな奴で少し律っぽい所が私は気に入っていた。

ガンジーはノーガード戦法だからクロスカウンターであるいは…

純「純ジュワー」

唯「あはは!純ちゃんなにそれ!」

純「持ちネタですよ持ちネタ!」

澪「ふふ。純は面白いな」

純「ありがとうございます! ていうかこの紅茶すっごく美味しいですね!おかわりもらっていいですか?」

紬「良いわよー」

紬「純ちゃんはティータイムのこと文句言わないからいいわね澪ちゃん」

澪「んー確かに。後輩が入ってきたらお茶飲んでのんびりしてる先輩に不満持つんじゃないかと思ってたけど問題無さそうだな」

さわ子「(どうしよう…新入部員が入ったっていうのに全然やる気が無い…これじゃあまた生徒会に怒られちゃうわ…)」

さわ子「(もしかして顧問としての自主性が試されているのかしら… で、でも私ってこんなキャラだったかしら… あぁ自分が分からない…)」

さわ子「ブツブツブツ……」

唯「山中先生どうしたのー?」

さわ子「い、いや何でもないわよー」ニコ

純「あ、先生それネコミミですか?」

さわ子「え、あ、そうよ」

純「わぁ、かしてください! ニャーなんつって」

紬「わぁなんかチェシャ猫みたい!」

>>383
http://www.youtube.com/watch?v=HhH8LkvH9PU

しょうがないからりっちゃんは俺が貰うよ

あれ?ゴキブリどこいった?

さわ子「あうぅ、なんか私の想像してた初々しい新入部員じゃない…」

澪「(純可愛いな…)」

唯「ねぇ澪ちゃんもやってみてー!」

澪「いや、遠慮しとく」

唯「つまんなーい!」

………

紬「さぁ、それじゃあ帰りましょうか」

澪「あぁそうしよう」

唯「帰りうちの近所のアイスクリーム屋さん寄って行こうよ!」

紬「行きたーい!」

純「いいですね!」

唯「純ちゃんにはおごってあげる!」

純「マジすか! あざーっす!」

澪「あ、携帯忘れたからさき行っててくれ」

ところでいつになったら
澪が律のご主人様になったSSの続きをかくの?
あれからずっとパンツ脱いで待ってるのに

ガチャ

澪「あった。それじゃあ帰るか」

澪「あ、ネコミミ…」

澪「……」

澪「」ヒョイ

純「み、澪先輩?」

澪「う、うわ! ひげ!」

純「苦しいですよ、先輩」クスクス

純「すっごく可愛かったですよ。もう一回着けてみてください」

澪「いや、恥ずかしいよ…」

純「えーお願いですよー」

澪「し、しょうがないな…」ヒョイ

純「ふふ、やっぱり可愛いです」ナデナデ

澪「ちょ、て、照れるからやめろー」カァ

純「すいませんちょっと悪ノリしちゃいましたね」クスクス

澪「うぅ… (後輩に撫でられて赤面する先輩って良いのか…?)」

………

紬「ここのアイス屋さんおいしいね!」

唯「でしょー!」

澪「唯、頬にアイス付いてるぞ」

純「おいしー」

澪「純、軽音部やっていけそう?」

純「もうバッチシですね。このゆるい感じが最高です!」

唯「もうすっかり慣れてるねー」ナデナデ

澪「良かった良かった」

………

友達って一体なんだろうね

>>390
>唯「うーん…なんというか一体感というかグルーヴ感がいまいちでしたなー」フンス
梓が入部したのは他のバンド比べて演奏はイマイチだったのに何かしら惹きつけられるものがあったから
この唯の発言でそれが無いってことがわかる

澪は外バン組めるレベルの腕なんじゃなかったっけ?
あずにゃんが唯一実力で尊敬してた気が

>>416
バンド演奏は一人でするもんじゃないだろ

純が入って、一層賑やかになった軽音部は4月いっぱい楽しく過ごした。
ベースをやっていただけあって、純はすぐにドラムも上達してきて頼もしい限りだ。
そして5月に入った頃。

澪「あ、携帯持ってくんの忘れた」

純「澪先輩って意外とドジっ子ですよねー」クスクス

澪「そ、そんなことないぞ! 多分…」

純「あーさっきせっかく面白いネタ送ったのに残念です」

澪「ネタ?」

純「ふふふ、帰ってからのお楽しみです」

そして放課後

唯「ねぇねぇ澪ちゃーん」

澪「ん?何だ?」

唯「あのね…この子拾ったんだけど入部させても良い?」

梓「わー!なんですか!ちょっと手離してください!」

澪「なんだ?どうしたんだこの子。どこで拾ってきたんだよ」

唯「ジャズ研の前… 廊下で泣いてたの…」

澪「それならジャズ研の部員だろ。ジャズ研に返してこいよ」

唯「えー!可哀想だよー!」

梓「もうジャズ研には帰らないです!私がちょっとうまいからって上級生が妬むんです!」

純「じ、じゃあ軽音部入る?てか同じクラスだよね?」

梓「あぁ鈴木さん…どうしよう…そうしようかな…」

澪「まぁ入りたいなら歓迎するよ」

紬「わぁ!後輩が増えたわ!」

唯「やったやった!うぅーんあずにゃん可愛いー!」スリスリ

梓「あずにゃんって何ですか… もう…」

澪「ぼーっとしてても部員って入ってくるもんなんだなー」

………

澪「ただいまー」

はぁ、あの梓って子はギターが上手いけどちょっと神経質なところがあるな…
まぁ天才気質の人はそういう人が多いし軽音部っぽいといえば軽音部っぽいか。
あ、そうだそうだ家に携帯忘れて来てたんだっけ、確認しとこ。

澪「あ! TRITONからメールが来てる!」



From TRITON EXTREME 76
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捨て猫は拾うべし




澪「捨て猫? 猫なんかいたかなー…」


From純
Sub いまどきの女の子

澪「なんだ?写真が添付されてる」

ttp://wktk.vip2ch.com/vipper9101.jpg


澪「ふふ、あいつ何やってんだか…」


純「あ、澪先輩からメールだ」

From澪先輩
Sub Reいまどきの女の子
可愛い女の子の写真ありがとうな。

純「… やば、顔赤くなってきた」カァ

………


じゃあ俺がりっちゃんを幸せにするよ

田井中は不要

ID:1g3TNIeFOは典型的律厨やな

>>450
俺のことかと思った

田井中「ねぇ知ってる?私を作ったのは韓国人なんだよ。私のこと嫌いになった?」

毎日ひとつ~
 ま~め知識 ランランラン♪

田井中「ふひひwwwwwwww」

ここまでは運よく仲間が集まっただけってのがなあ
澪は主人公だから行動起こして欲しいんだが消極的な性格だから難しいんかね

>>467
消極的どころか占いまかせで
律捨てただけだ
何もしちゃいない

>>1さん帰ってきてよ

梓が入ったことによって軽音部の能力は更に上がった。
今まで放置気味だった唯も梓に触発されて技量が上がってきている。
夏休みに入ってからも、合宿でみんなで遊んだりして楽しかったな。
文化祭ライブを成功させようとみんな意気込んでいた。
そんな時だった。


梓「ねぇ純わたし外バン組もうかな」

純「えぇ? なに言っちゃってんだか…」

梓「なんかね、この前ライブハウスで良いドラムが居てさ。外バンに可能性を感じちゃった」

純「なにそれ?あたしのことディスってんの?」

ディスるっていうかさ純はさ、ほらあれじゃん
モップっていうか・・・・・

梓「いやいや技術的には純と同じくらいなんだよ。むしろそのドラムの人はちょっと走り気味なんだけど…」

純「だけど?」

梓「うーんよく分からないけどしっくりくるというか、懐かしいというか…」

純「あたしじゃダメなの?」ウルウル

梓「そ、そういうわけじゃないけど…」


………

Xマン?
時代はメガマンさHAHAHA

律「ねえねえ! これ見て!」

バイト仲間1「ん? うわわ!! ちょっとー私グロ画像嫌いって言ったじゃん!」

律「うしし、ごめんごめん。じゃあ口直しに猫画像を…ほら!」

バイト1「うわ! ぎゃー!! さいってい!! あんた悪ノリしすぎよ!」

律「あっはっは!ごめんごめん」

バイト1「もうしらない!」

バイト2「今日の律うざい」

律「ごめんって言ってんじゃん… ったく…」

店主「おーい休憩終わるぞ!」

バイト1・2「はーい!」

律「へいへい」

律「はぁかったるいな…」

店主「どうした田井中、今日は元気無いな」

律「いや、大丈夫です… とっとっと!うわ!」ガシャーン

バイト1「ちょっと律! 何やってんのよ!」

律「ちっ! 今日だるいんでもう帰るわ」

バイト2「おい!」

店主「どうしたんだあいつ…」

………

今日は俺とりっちゃんでパーリィする日だからな

澪「あ、弁当忘れた」

純「また忘れ物っすか」



ということで久しぶりに食堂に来てみた。
一人で来ちゃいけない場所だって知ってたのにまた来てしまった…
適当にかきふらい定食を頼んで例によって隅の席に座る。
黙々と食べていると背後の会話で知った名前が出てきた。

バイト1「昨日律うざかったよねー」

バイト2「そうそう途中でばっくれるし」

バイト1「しかも律今日来てないよねー」

バイト2「風邪だってさ」

バイト1「じゃあ昨日も体調悪かったってこと?具合悪くなったら人に迷惑かけんなって感じだし」


律… 風邪引いてるのか…
大丈夫かな…


………

律「ふぅ…」

風邪引くと悪ノリしちゃう癖は早く治したいもんだ…

律「それにしたってあいつらひでぇな… 私が風邪引いても見舞いにも来ねぇ…」

やっぱり部活とか入ってたらこういう時誰か見舞いに来てくれてたのかな。

律「少なくとも澪と仲直りしてたら、あいつは来てくれただろうな…」

澪…
澪と喧嘩したあと、外のいくつかのバンドでドラムを叩いたけど、あんまりしっくり来なかった。
どんなバンドより夢の中に出てくる、澪がベースで私がドラムのバンドが一番良い…
そう… 夢の中の… 幻のバンド…

………



とん とん とん

ん… この足音…

律「みおー?」

がちゃ

澪「超能力者か…」

律「へへ 分かるよー 澪の足音は…」

澪「ん…」

澪「風邪どう?」

律「まだちょい熱ある」

澪「どうりでドラムに力無かったはずだ…」

律「学園祭の前…なのになぁ…」

澪「良いから早く直しなよ… みんな待ってるからさ」

律「怒ってない?」

澪「ないよ」

律「澪は…?」

澪「ふふ、ないよぉ 当たり前だろ?」

澪「ただ…」

律「なーに?」

澪「律のドラムが無いと…ちょっと寂しいかな…」

澪「私、走り気味でもさ…やっぱ活きが良くて、パワフルな律のドラム。好きな…


ちゃん!

ねえちゃん!

聡「おい姉ちゃん起きてよ!」ユサユサ

律「ん…夢、かぁ…」

澪さんに詫びいれろや糞デコ

りっちゃんが謝る理由なんざねぇよ
澪がハゲたのは自業自得だ

聡「はいこれおかゆ。昼食べてないでしょ」

律「うん…ありがと…」

聡「姉ちゃん、ずっと寝ながら澪さんのこと呼んでたよ?」

律「う…勝手に聞くな…」

聡「お姉ちゃんほんとは澪さんと…」

律「あーあんたは大人の話に口をつっこむな…」

聡「なんだよ、せっかく… まぁいいや食べ終わったらそこ置いといて。俺が取りに来るからさ」

律「ん、ありがと…」

こんな時でも澪は律のこと忘れてけいおん部でよろしくやってんだよな

バタン!

律「はぁ…何でこんな時にこういう夢見ちゃうんだろ…」

律「最悪だよ… ほら涙が出てきちゃったじゃんかよ… グス… くそ…」

裏切り者だなんて言ったくせに、澪が寂しそうにしてるのに放っておいたくせに…
弱ってくるとこうやって甘えたがる私は嫌な女だ。
はぁ…どうせ澪は来ないし、こんなこと考えたって無駄なんだけどな。


律「グスン… みおー…」


………

引きこもりになればいいよボッチ糞デコ

うーん、行くべきか行かないべきか、それが問題だ。
律の所に見舞いに行くかどうかである。
さっきから律の家の前を行ったり来たり…

澪「いい加減不審者だな…」

澪「しかしなぁ、言ったところで何を話すんだか…」

だいたい、相手が弱っているのを聞きつけて嬉々として参上するような真似をしていいのだろうか…
結局律が風邪なのを理由にただ会いたがっているだけじゃないか…
今更律に「軽音部に入ってくれー」だなんて言えないし。

律は要らない

澪「はぁ…  ん? メールだ」

From TRITON EXTREME 76
Sub  今日のTRITON占い

積極さが大切



澪「実に簡潔な占いだな…」

さてどうしたもんか…
ん?前から歩いて来るのは、確か…

………


とん とん とん

律「…(澪? また夢の中?)」

律「だれ?」

澪「あ、えっと… 澪だけど…」

ガチャ

澪「ご、ごめんな。寝てた?」

律「あ、あ…」

澪「えーっと…私のこと覚えてるか?」

律「~… みおぉー!!! 」キ゛ュ

澪「わ! り、律!?」

梓は不快

とん とん とん

律「…(澪? また夢の中?)」

律「だれ?」

澪「あ、えっと… 澪だけど…」

ガチャ

澪「ご、ごめんな。寝てた?」

律「あ、あ…」

澪「えーっと…私のこと覚えてるか?」

律「~… みおぉー!!! 」ギュ

澪「わ! り、律!?」

律「なんで? なんで来てくれたの?」

澪「いや、ちょっと律が風邪って聞いて…あと、聡が姉ちゃんのところ行ってくれーって言うからさ…」

律「そうか聡が。あいつ… うぅ…グス」

澪「風邪の方は大丈夫か?」

律「うん… まだちょい熱あるけど…」

澪「そっかー…」

律「…」

澪「あの… 律、今更だけど軽音部のこと言わなくてごめんな…」

律「ク゛ス… 良いよ…私も悪かった… 今は軽音部はどうなの?」

澪「5人でやってるよ… 今度の文化祭のライブ…出るから…」

律「そっか… はー、私も今更だけどさ… もうバンド組まないって言っちゃったけど…

律「ほんとは…澪と、バンド組みたかったなー」

澪「…」

律「な、なんてな… あはは…」

澪「律、ほんとに私とバンド、組んでくれるのか…?」

律「ん、うん… でも、もうそっちは出来上がっちゃってるから… 無理しなくていいよ…」

澪「いや…私もバンド組みたいんだ。律と…」

律「澪…」

………

新入りの田井中は皆さんの靴磨きからだ

ほす

律が心機一転マネージャーなら俺のケツ掘る権利をやろう

純「ぜったいにヤダ!!」

律「そうだろうな…」

純「今更入ってこようなんてむしが良いです!澪先輩が集めたバンドなんですよ!?それにこのバンドのドラムは私です!」

澪「ま、まぁ純落ち着いてくれ…」

紬「純ちゃん…」

律「…鈴木さんがどうしてもドラムやりたいなら最悪私はボーカルとかでも良いからさ…」

純「なんですかそれ! 私はどうしてもドラムやりたくてやってるんじゃないんです! 澪先輩がベースだからドラムしているんです!」

トリ

純「本当はベースやってたんですよ私! 澪先輩が好きだからドラムやってたのに…なんで…なんで澪先輩はこの人を入れるんですか!?」

澪「え?好きって…」

純「私、澪先輩が好きで好きで…大好きなんです!」

律「み、澪しゃん…?」

紬「なんと… なんとまぁ… 」

純「澪先輩と律先輩はどういう関係なんですか!?教えてください!」

先輩二人クズ過ぎわろたww

澪「落ち着け、落ち着け 律と私はただの友達だ! なぁ律!」

律「お、おうよ 私と澪は至ってノーマルな関係だからな? うん、安心してくれ」
紬「なんだ…」

律「と、とりあえず今日は一旦退散するよ澪。文化祭の前だってのに騒がしてゴメンな…」

澪「あぁ、こっちこそごめんな…」

律「それじゃあ…」

バタン

純「ふぅ…ふぅ… ……あ、あたしなに言ってんだろ… やば! 今あたしとんでもないことを…!」

紬「いやいや、グッジョブよ純ちゃん!」ニコ

澪「まぁなんだ、えーっと…こういうときどうすれば…」

純「うぅ… もう最悪… 頭の中ぐちゃぐちゃ… もう、あたし軽音部やめます! それで田井中先輩入れてください!」

澪「え? おい!」

純「うわーん! さよなら!」タ゛ッ

さわ子「チッ!根性の無い1年ね、せっかくツインドラムでボアダムスみたいになると思ったのに」

紬「澪ちゃん追って!」

澪「え? いや… うーん…」

澪「ちょっと… 私も気持ちが整理つかない…」

紬「そう…」

ガチャ

梓「遅れましたー。なんかさっき純が泣きながら走って行きましたけど…」

澪「あ、ああ… ちょっとな…」

梓「はぁ、ライブ前なのにゴタゴタか…」

梓「決めたことは早く言った方が良いか… 部長、私軽音部やめて外バン組みます」
澪「えぇ!? なんでだよ!」

梓「このバンド、なんかしっくり来ないんです。最後の1ピースが足りないようなそんな気がするんです。」

梓「もっと、もっと良いバンドがいるんじゃないかって…」

ガチャ!

唯「あ、あずにゃん! 今の本当!? やだよー!」

梓「もう、決めたことなんです… さようなら…」

紬「ちょっと! 梓ちゃん! 待って!」
澪「良いよムギ…梓はもともとうちには不釣合いなくらいギター上手いんだ… 」

澪「やっぱりそういうやつを引き止められるのは特別なバンドしかないんだ… スペシャルなバンドじゃないと梓みたいな奴はダメなんだ…」

紬「私たちだって十分特別よ! 部長がそんなこと言わないで!」

律「これでベーシックな4人編成になったな!」

唯「私、あずにゃんの所に行ってくる。私だってあずにゃんが居ないスペシャルじゃないバンドは嫌だよ澪ちゃん…」

紬「ゆ、唯ちゃんまで…なんで、なんでみんな…!」

澪「もともとそんなもんだよ…適当に集まった集団ってのは、適当に散るもんなんだ…」

紬「それじゃあまた死にものぐるいで集めようよ!ねぇそうしようよ!」

澪「私にそんなことできないよ…たまたま部長になって…たまたまみんな集まっただけ…」

紬「澪ちゃん…私ももうよく分からなくなってきちゃった…さき帰ってる」

バタン

澪「はぁ…もういいよ、回り回ってまた1人になっただけ…律が居るし、それから私にはトンちゃんが居れば…」

澪「…ってあれ? トンちゃんまで居なくなってる…どういうことだ…?」

澪「な!? か、体が崩れていく!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


澪「……」

澪「う~ん……」

澪「は!」

ここは…部室?みんなと一緒に寝ちゃってたみたいだな。
じゃあさっきのは……夢だったのか。
変な夢だったな。私が部長で律が軽音部に居なくて、それから…鈴木さんが泣いていた…。
それにしてもみんなぐっすり眠っているな。そろそろ起こそう。

澪「おーい、起きろよ律」

律「……」

澪「おい!」ペチ

律「……」

澪「おかしいな全然起きない。」

澪「唯ー。唯ー起きろー」ユサユサ

唯「……」

澪「あれ? お、おいムギ!あずさ!鈴木さん!?」

紬「……」

梓「……」

純「……」

澪「みんなどうした!おい!起きろ!」

澪「律!」ドガッ

律「……」

澪「なんでみんなピクリともしないんだ……」

澪「いったいなんなんだよ…」

はぁ…それにしてもさっきの夢…
私、酷い部長だったな…
やっぱり律が部長じゃないとダメなんだな…
あぁ、本当に夢で良かった。

澪「…」

いや、例え夢だとしてもあの軽音部のみんなには失礼なことをしてしまった…

せっかく私の元に集まって貴重な時間を共有してくれたのに…

梓や唯を引き留めるだけの何かを私は持てなくて、鈴木さ…いや、純やムギの心を裏切ってしまった…

例え夢の中だとはいえ部長としてダメだったな…

澪「もう一度あの世界に戻って、そして文化祭のライブを成功させたい…」

その言葉に反応するように辺りが青い光に包まれていき、私の意識はまた…



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

澪「…は!」

今、何か変な夢を見ていたような…

澪「いや、そんなことはどうでも良い、部長の私がしっかりしないと」

澪「みんなを連れ戻そう…」

………

あぁ…また澪ちゃんを音楽準備室に1人にさせちゃった…

紬「うぅ…澪ちゃん…ごめんなさい…」

戻らないと、戻って澪ちゃんを励まさないと…

紬「でもダメ。 私…怖い…」

一生懸命私が動いても、何も変わらなかったら私…

紬「うぅ…」

澪「ムギー!」

紬「は!澪ちゃん」

澪「ムギ!さっきはごめん!私、部長としてやることをやるよ!」

紬「澪ちゃん…」

澪「とにかく文化祭まであと1週間…なんとか連れ戻すから!」

紬「うん!」


………

澪「あー、ムギは格好良く連れ戻せたけどあとの3人どうしようかな…」

澪「とりあえず唯にメールするか」

From 澪
Sub  唯?
いまどこにいる?

From 唯
Sub  今ね
○○ってライブハウスに居るの。
あずにゃんと一緒だよ。あずにゃんやっぱりまだ迷ってるみたい。


澪「んー唯は梓を引き留めるために行ったみたいだな…」

澪「よし、梓の件は唯に任せよう」

From 澪
Sub  梓のこと
頼んだ。私は純を連れ戻すよ。

澪「うん。部員を信頼するのも部長らしさだ、そうだそうだ。」

純最初はかわいかったけどうざくなってきた

ロッカーにでも入ってなさい

澪「さぁ次は純か…」

From 澪
Sub  律のことごめん
ちゃんと純と話したい。会えないか?


澪「まぁ返事は無いだろうな…」

澪「ってあれ?もう返事が来た」

From 純
Sub  嫌です
絶対に会わないです!

澪「…これは、脈ありなのか…?」

From 澪
Sub  明日の放課後
音楽準備室で待ってる


………

澪「ということなんだムギ」

紬「唯ちゃんが梓ちゃんを説得してて、澪ちゃんはこれから純ちゃんが来るのを待つのね?」

澪「そういうことだ」

紬「純ちゃんと2人で話すのね?」

澪「ああ」

紬「放課後の音楽準備室、先輩と後輩が2人っきりで会うのね…」

澪「変な言い回しはやめてくれ…」

紬「期待しているわ!澪ちゃん!」

澪「う、うん…」

………

澪と紬の人格が歪んでるなww


澪「…純来ないな、やっぱり嫌われたか。当たり前だよな…」

澪「静かだ…一番最初のころみたいだな…」

そう行って窓から外を眺める。
そうだ初めのころはこの窓から楽しそうにしている人たちをじっと眺めていたっけ。
いつの間にか、私もそんな楽しそうにしている人たちの1人になっていたんだな。

横を向くと、水槽の中からトンちゃんがこちらを見ていた。

澪「トンちゃん、また賑やかになるかな…」

それから、しばらく私は外を眺め続けた。
………

純が帰った後に
私には律と亀がいればいいや、なんて臆面もなく思うくらいだもんな
けいおん部追放、ドラム強奪、別メンバー二回加入、
澪「やっぱ戻って」律「おk」→澪「ごめん無理、やっぱ今のメンバーでやってくわ」
こんだけ虚仮にしてんのに今だに律が自分の友達だと思えるのが凄い

>>697
おかしくね?

澪「バンド組もや」律「おk」
→律「やっぱ人数揃わねーならやんね、絶対にな」澪「えっ」
→メンバー加入→軽音部復活
→律「私の場所は?」澪「追いだして用意します」

こっちだろ

純「行くかどうか迷ってたら結局こんな時間になっちゃった…」

純「もう、帰ってるだろうな…」

ガチャ

純「あ、澪先輩!」

澪「スー…スー…」

純「寝てる…」

純「ああ、やっぱり澪先輩可愛いな…」ナデナデ

………


澪「うーん… あれ?ヤバ!寝てた!」

澪「ん、手紙…純からだ。あーせっかく純が来てくれたのに寝ちゃってたのか…」

『明日また来ます。待っていてくれますか? 純』

澪「あぁ、待つよ。いくらでも…」


………

澪「昨日はまぁそんな感じだった」

紬「寝ちゃダメよ澪ちゃん」クスクス

律「なんつーか私が入ろうとしたばかりにこんなゴタゴタになっちゃって悪いな…」

澪「いや、私が純の気持ちを考えなかったのも悪いし… そもそも私が最初から律にちゃんと軽音部のことを…」

律「それはもう良いって… あ、そういえば昨日、澪のとこに居たっぽいギターの子がライブハウスで話しかけてきたよ」

澪「え!?なんて言ってた?」

律「バンド組みませんかだって。まだ返事してないけど、どうしようか?」

澪「そうだな…『失せろゴキブリ、巣に帰りな』って言っといて。そんくらいガツンと言った方が良いからな。」

律「…分かった」

澪「よし今日もまた純を待とう」


………


澪「さて、今日は純来てくれるかな」

ガチャ

純「あ、澪先輩」

澪「じ、純!来てくれたのか。随分早いな!」

純「はい、昨日は長い時間待たせちゃって悪いから…」

澪「いやいいんだよ…私寝ちゃってたし…」

純「あはは、寝顔可愛かったですよー?」
澪「う… あの…純、この前はごめんな。怒ってる?」

純「ううん、もう良いんです。澪先輩の可愛さに負けました」

澪「…」

純「いろいろ考えたんです私」

澪「…や、やめるのか?」

純「うーん、澪先輩が辞めて欲しいなら… 私は澪先輩がしてほしいようにします」
澪「や、辞めてほしくない! 一緒に文化祭のライブに出て欲しい… わがままかもしれないけど…」

純「ふふ、じゃあそうします。澪先輩のしたいとおりに私はします」

澪「いいのか…それで…」

純「あはは、こういうのは惚れた方が負けなんですよ…」

澪「そうか…」

純「その代わり!私のお願いも聞いてくれますか?」

澪「あ、ああ。良いよ」

純「ふふ、ありがとうございます…ライブの後に言いますね…」


………

すいません、一応トリ付けます

律と梓に抜けてほしいなぁ

二人で組みんしゃい

>>724
わちゃん入れて三人で

>>725 なんかエセV系になる気がする

仕事の合間に投下してたのかしら
人は居るっぽいからゆっくりやればいいんじゃない

梓信者が騒ぎだしたな

オート保守マシーンになってくれや

澪「ということで純を連れ戻した!」

紬「良かったわー!」ウルウル

律「『お願い』っていうのは私をボコボコにしろ、とかそういう類なんだろうか…」

澪「さぁな。ところで律、梓の奴にガツンと言ってくれたか?」

律「ん? あ…あぁ」


………

梓「あの…この前の返事…してくれますか?」

律「ああ…(失せろゴキブリ…だっけ…)」

律「えっと…う、うせ…うーん…(い、言えねぇよ、こんな可愛い子に…)」

梓「だめ…ですか…?」ウルウル

律「え?あっ、な、泣くなよー…」

梓「だって…グス」

律「い、今はダメだけど…また今度な!な!」ナデナデ

梓「ほんとですか…?約束ですよ?」ウルウル

律「ほんとほんと!ほら!指切りげんまんな! あーよしよしよし」


………

で、澪はなんで梓にキレてんの?

いよいよ澪さんハブが濃厚に…


律「えっと…ま、まぁガツンと言ってやったぜ!」

澪「そうか!言ってやったか!いやーすかっとするなぁ!あっはっはっは!」

紬「…」

澪「な、なんつって…律すまんな手間かけさせて」

律「お、おう…」

澪「それにしても律にフられたのに梓来ないな…梓が帰ってこないと唯も帰ってこないというのに…」

紬「いっそメールで呼び出してみたら良いんじゃない?」

澪「あー梓のアドレス知らないからな…」

紬「えっ」

澪「聞くタイミングをな…逃したんだよ…ムギには分からないだろうなぁこういうの…」

紬「そっか… よし!それなら私が梓ちゃんを呼び出して説得するわ!」

澪「で、できるか…?」

紬「ええ、任せといて!」

澪「はー、ムギはたよりになるなぁ」

………

夕日の差す音楽準備室。

ソファに大きなカバンを置いて、その前で腕を組んで佇む少女。琴吹紬である。

彼女の顔には強い決意が現れていた。

組んでいる腕を解いて、腕時計を確認するとちょうど約束の時間の1分前を分針が差していた。
そして、それが約束の時間を差した瞬間、もう1人の少女、中野梓が現れた。
どこか小動物的な可愛さのある梓の顔がこれから苦悶の表情を示す運命にあることを思うと紬の決意は少し揺らいだ。
しかし、紬の決意は堅いものであった。
すぐに気を引き締め梓に声をかける。

紬「来てくれてありがとう梓ちゃん」

梓「はい…」

紬「さぁ、ここに掛けて。紅茶も用意してあるわ」

梓「あ、あの…!」

紬「なぁに?」

梓「私、今日話そうと思ったことがあって… その…また軽音部にもどる話です」

紬「え?」

梓「だから…私、軽音部に戻ります!辞めるなんて言ってごめんなさい!」

紬「あらまぁ…あらあら、本当に?」

梓「はい、やっぱり外バンにもあまり良いものがありませんでしたし…良いなと思ってたドラムの人とも組めませんでしたから…」

梓「やっぱり…なんだかんだ言って軽音部が一番しっくりくるんだなって…私気づいたんです」

紬「あらそうなのね! うふふ、良かったーこれを使わないで済むのね…梓ちゃんがお利口さんで良かった…」

そう言って紬はバッグを指さす。

梓「それ何ですか?」

紬「魔法のお道具よー」

梓「あはは、何ですかそれ」

紬「えっと拘束具って知ってる?」

この軽音部より良くないバンドってwww
ゴミの中のゴミじゃねぇか

梓「え? えーと…あ、あはは…あの、紅茶もらいますね」

紬「あ、ダメよ梓ちゃん。その紅茶お薬が入ってるから」

梓「ちょ、薬て…ムギ先輩なにをするつもりだったんですか…?」

紬「うふふ、梓ちゃんを拷問にかけて締め上げて服従させる予定だったの!」ニコ

梓「Oh…」

紬「あ!みんなにはこの事秘密よ?」

梓「私にも秘密にしておいてほしかったですよ…」

………

もしかして律も澪も紬も梓もクズくされてるんじゃなくて、素で>>1がちょっとズレてんじゃね?
色々おかしいだろ‥‥

なんか微妙にダレてきたな

>>763 異端()のパターンだよな

紬「うぅ…グス…」

澪「ムギ…泣くなよ…」

純「そうですよ…」

紬「だって…だって…」

梓「ムギ先輩が泣いてたら始まらないですよ…」

唯「そうだよ、せっかくみんなそろったんだから!」

紬「そうね…ごめんなさい、嬉しすぎて涙が出ちゃったの…」

唯「さぁムギちゃん涙を拭いて…」

紬「ええ…」

唯「よし、さっさとお茶にしようムギちゃん!」

紬「え…うん」

………

ジャーン♪

澪「いやー久しぶりに演奏したにしてはなかなかじゃないか?」

純「そうですね!」

澪「はー、なんか疲れたなちょっと休むよ」

紬「澪ちゃん顔赤いわよ?」

純「あ!澪先輩熱ありますよ!」

澪「ヤバいな風邪引いたみたいだ…」

唯「澪ちゃんライブ前なんだから体調管理はちゃんとしないと!」

澪「ああ…正論だけど不思議と唯にだけは言われたくない言葉だな…」


………

ライブ当日

純「澪先輩ライブまでには治すって言ってたけど間に合うかな…」

がちゃ

澪「お待たせ! 何とか間に合ったよ!」
純「澪先輩!すっごく心配したんですよ!」

唯「私も心配してた!」

紬梓「同上!」

澪「心配かけてごめんな。さぁ準備を…って」

澪「あ」

純「?」

澪「家にベース忘れた」

純「また忘れ物っすか」

唯「ライブ当日に家に自分の楽器を忘れてくるだなんて軽音部員として言語道断だよ!」

澪「お、おう…正論だけど不思議と唯にだけは言われたくない言葉だな…」

和「どうするの!?今から取りに行っても間に合わないわよ!?」

梓「えぇー!」

澪「み、みんな落ち着け!大丈夫だ」

紬「澪ちゃん…もしかして他にベースがあるの?」

澪「いや違う…まず…純をベースに持ってくる…そして空いた所に和を持ってくれば…!」

純和「アホか」

紬「澪ちゃん!真面目にして!」

澪「だだだってー!どうしよー!」

完全に着地点を見失っておられますな

曽我部「澪ちゃん!発表会のプログラムは生徒会長の私が何とかするわ、早くベースを取ってきなさい!」

澪「あ、ありがとうございます!行ってきます!」ダッ

和「曽我部先輩!プログラムを直前で変えたら他のグループが混乱してしまいます!」

和「生徒会長として軽音部だけを特別扱いするのは…!」

曽我部「真鍋さん…私は…」

和「な、なんですか…?」

曽我部「生徒会長である前に、澪ファンクラブの会長でありたい!」クワッ

和「あんたって人は…」


………

澪「はぁはぁはぁ」

澪「く!世界記録で走ったとしてもこりゃ間に合わないぞ!」

澪「グス…ごめん…みんな…私結局ダメ部長だ…ダメ人間だ…」

ブーーーン ガチャガチャ ブゥーーン

澪「ん?この漢らしさ溢れる単気筒の耕運機サウンドは!」

律「みおー!」

澪「律!」

律「澪!話は聞いたぜ!乗りな!」

澪「律これはいったい…」

律「何ってスーパーカブだよ!」

澪「いや、なんでバイクに…!」

律「こまけぇこた良いんだよ!早くしないと遅れるぞ!」

澪「そ、そうだな!律!ありがとう!」

律「しっかり捕まってろよ!」

ブーーーン!


………

澪「ベース、ベース!」

澪「あった!」

律「澪!早く早く!」

澪「うん!」

ブゥーーーン

澪「律、私みたいなやつを助けてくれてありがとう!」

律「なに言ってんだよ。澪だって私が弱ってるときに来てくれたじゃないか。」

律「私が困っている時は澪が助けてくれる。澪が困ってる時は私が助ける。澪、何があってもずっと友達でいような…」

澪「……」

律「澪?」

澪「ごめん!さっきの何言ってるか聞こえなかったー!」

律「…ふ、あははは!バカ澪って言ったんだよバーカ!」

澪「なにー!律だってバカ律だぞー!あははは!」


ブーーーン!



………

先生「や、山中先生! あんたんところの生徒が原付2ケツでウチの校舎に乗り付けてますよ」

さわ子「勘弁してよ…」


ガチャ!

澪「みんな!遅れてごめん!」

純「はや!」

ファンクラブの起こるイベントスルーすてる件
ていうか律に送ってもらうなら律に取ってきてもらったら?

これひどいww

叩かれて自棄になったか

保守

どうせ叩くだけなんだから保守すんな

純「もうモップとはいわせねーよwwデコ」

律「…」

澪が抜ければ完璧に折り合い付くんだけどな
抜けずともモップ用の餌の雑用でいいし

澪厨怖い

途中での方向転換はどんな流れでも厨に叩かれるな
サンジュスレで澪厨はわかない
初志貫徹して律はバッドエンドにしろ外バンエンドにしろ、外野で活動させるべきだった
vipの律厨自重しろ

和「今ならまだ間に合うわ!急いで!」

澪「うん!」

澪「みんな!行こう!」

純紬唯梓「おー!」


………

みんな、直前までバラバラだったけど演奏では完璧に一つになっていた。
ライブは最高に盛り上がった。
そして最後の演奏を終え、我ながらよくやったと思った瞬間、万雷の拍手、これが果たして自分のものかと疑う一瞬の恍惚と不安。

澪「とか言ってみたかったな…」

唯「シェイクスピア?」

純「ま、まぁほどほどに拍手してもらえたし良いじゃないですか」

澪「でも後ろの方あくびしてたし…」

紬「まぁまぁまぁまぁまぁ」

和「さ、次の組が始まるからさっさと撤収して」

律「おーい!」

澪「あ、律!」

梓「ドラムの人だ!」

律「澪逃げろ!山中先生が!」

さわ子「この不良娘がー!」

澪「うわ! バレたか! 私先に行ってるよ!」

純「あ! 私も行きます!」

紬「TRITON! 足止めしなさい!」

TRITON「うおおぉぉぉぉお!」

唯「ムギちゃんのキーボードが変形した!」

梓「どうなってんの?どうなってんの?」

………

つまらんとか言いつつしっかり見ちゃうお前らって何なの?ツンデレなの?

澪「はぁはぁ…何とか逃げられたな…」

純「はぁはぁ…はい…」

澪「ふふ…純まで付いてこなくて良かったのに」

純「だって、二人っきりになりたかったんですもん」

澪「確かに、みんなどっか行っちゃったな…」

純「澪先輩。私軽音部やめますよ。」

澪「えぇ!?何で? やっぱりまだ怒ってたのか?」

純「違いますよ。私やっぱり自分が好きなベースやります。ジャズ研で。人のために楽器選ぶのは不純ですから」

澪「それなら軽音部でもできるじゃないか」

純「上手くなりたいんです。梓みたいに天才じゃないからのんびりしてたらいつまで経っても上手くなれないと思います。」

澪「うぅ…そうか… もう…純は私のこと嫌いになったか?」

>>860 外野のレスだけ見てる

純「嫌いじゃないですよ!大好きです! さっき二人っきりになりたかったって言ったじゃないですか」

純「お願い…聞いてもらえますか?」

澪「うん… 純が私のことを好きなら、私は純の気持ちに応えたい…」

純「もう、予想付いてるみたいですね… じゃあいいですよね… キスしても…」

澪「ああ…」

純「そ、それじゃあ…行きま

律「ドゥエーイ!!何とか逃げ切ったぜぃ!!」

澪純「!!」

紬「いやー、危なかったわね!」

梓「まぁ時間の問題かと思いますが…」

唯「ムギちゃんさっきのロボットなにー?」

梓「じゃあバンド組みましょうよ」

律「把握」

唯「ギター弾くよ!」

和「ベースも悪くないわね」


これでいいだろ

澪「……」

純「あ、あはは。みんな合流したみたいですね!ここで重大発表をします!」

唯「え?なになに?」

純「私、軽音部を旅立ちジャズ研に行くことにしました! なので律先輩後釜よろしくお願いしますね」

紬「えぇ!? 何故に!? 何故に!?」

律「そもそも私がこの高校に居続けられるか不明だがな…」

梓「え! この人がドラムやってくれるんですか!? やったー!! 私あなたのドラム好きなんです!」

律「そ、そっか… 照れるな」

純「それじゃあ私、ジャズ研のところに行ってきます。善は急げってことで。 あ、澪先輩また後で続きを!」

澪「ちょ、ちょっとせっかちすぎないか!?」

純「あ、そうだ! あとメンバー変更のついでにバンド名も変えたほうが良いと思いますよ!「充電期間」はちょっとダサいです」

唯「そうかなー」

純「はい! 私、考えたんですけど『HTT』ってどうですか?」

澪「昼休み退屈タイム?」

純「違います! 放課後ティータイムですよ!」

紬「あら!なんかいいわね!」

梓「確かに!すごいしっくりくるというか、元からそんな名前じゃなかったっけ?」

律「そうそう、てかなんであたし軽音部員じゃないことになってんだ?」

澪「そうだよ!なんで私が部長な


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あ、あれ? 今のって…夢?

唯「ふぁー ん?あれー?」

梓「うーん… あれ? またこの前みたいな変な夢を…」

紬「また私のキーボードが動いていたわ…」

澪「うぅーん… お! 今度はみんな起きてるぞ!」

で、でもこの切ない気持ちは…?
澪先輩… 澪先輩を見ているとドキドキする。変だな… 私、こんなに澪先輩のこと…

純「澪先輩、さっきのお願い…」

澪「ん?」

純「い、いや…なんでもありません…」

私おかしいよね…
ただ、変な夢を見ただけなのに… 現実には何も起きていないのに…

律「あーずにゃん!」

梓「うわわ! 何ですか!?」

律「何ですかって、うしし 梓私のドラム好きなんだろー?」

梓「はぁあ? 何のことですか? 意味分からないです!」

律「だって夢のなかでさー」

梓「夢と現実を一緒にしないでください! 頭おかしいんじゃないですか?」

唯「顔赤いよあずにゃん」

そう、夢と現実とは違うんだ… どうせすぐ忘れて思い出せもしない夢の中のこと…

純「夢の中のことは夢の中だけ…」

澪「違うよ純」

え?

澪「現実に起きた事だろうが虚構の中の出来事だろうが関係無い」

澪先輩の綺麗に整った顔が目の前に来て、私の顔が赤くなっていく

澪「大切なのは好きだって気持ちだけだよ」

私の顔がこんなにも赤くなるのは、その気持ちのせい?

純「お願い…いいですか」

澪「ああ…」









律「ちょ!澪!? なにやってんの!?」

紬「キマシタワァアアアアァアァアア!!!」


おしまい

ということでお疲れ様でした。

澪厨ってこんなんばっかなの?

オナニーを見せびらかしちゃうの?

190 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/06/13(月) 01:42:52.99 ID:X+YVJtTzO [4回発言]
【主役】澪
【脇役】軽音部
【視点】1人称
【ネタ内容】パラレルワールド
軽音部に唯が入らず4人集まらなくて廃部する世界。律はバイトを始め楽しくやっているが、澪は文芸部が馴染めず止めてしまい帰宅部になる。
しかし、担任から何かの部活に入れと説教をされる。澪は軽音部が廃部になってしまったことを言い訳にしたが、担任はそれを本気にして軽音部を部員1人で存続できるようにしてしまった。
澪が部長で部員1人の孤独な軽音部が始まる。
【ジャンル】パラレルワールド

【その他備考】
最初に和が入る(生徒会命令)
紬が入る(寂しげな澪が心配になった)
和が不登校気味の唯に紬がくれたケーキをあげる。
唯が入る(ケーキ)
和が退部(生徒会忙しくなる)
純が入る(澪に惚れた。純はドラムをやる)
梓が入る(生意気でジャズ研追い出された)
澪と律が一緒にバンドやろうと意気投合して律が入ろうとするが純が猛反対。
律は結局入らない。
純気まずくなって退部。
梓軽音部のごたごたが嫌になって退部。
唯は梓が退部してから来なくなる。

192 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/06/13(月) 01:45:26.97 ID:X+YVJtTzO [4回発言]
紬が今の状況が辛いと言って退部申請をしてくる。
そこで澪が元の軽音部の世界に戻る。
なんだ夢かとホッとするが、部長だったのに部をめちゃくちゃにしてしまったことに罪悪感を覚える。
あの世界に戻れるなら、みんな呼び戻したいと強く思う。
パラレルワールドの世界に戻る。
澪が紬を説得し、純も呼び戻す。
唯が梓を連れて帰ってくる。
澪達が3年生のときの学園祭ライブ。
澪が家にベース忘れる。
走ってベースを取りに戻る澪を律が原付バイクに乗せて送る。
ライブに間に合って、ライブ成功。
おしまい。


こういう風に考えていて、紬が入ってくるところぐらいまで書いていけそうだと思ってスレ立ててもらいました。
こんな結果になって代行で立ててくれた方に申し訳ないです。

えっ原作は他の奴だったんだねー
これは>>1は悪くないわー
悪くないわー

>>908
上のネタを書き込んだのが自分です。

どこが纏めるか楽しみだな



前半はおもしろかったよ

結局占いのアレは誰の仕業だったんだよ

みんなありがとうございました。お疲れ様でした。
意見を書いてくれた人は本当に参考になりました。
放課後ティータイムのメンバーが元通り集まることに拘る必要は無かったかもしれません。
純澪良いって言ってくれたのが嬉しかったです。そう言ってるくせに純の扱いが散々ですが。

>>937
TRITONです。

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