娘「ねぇ、お母さんは?」(32)

父「友達と旅行行くって言ってただろー」

娘「そうだったー!!」

娘「てことは、ご飯は…?」

父「俺だな!」

娘「出前とろうか」

娘「たまに出前とっても罰は当たらんでしょ」

父「いや、俺が作る!!」

娘「やめて」

父「…」トボトボバタン

娘「はぁ、だって不味いからなぁ…」

prpr

娘「もしもし?」

母「どおー?」

母「お父さんご飯、張り切って作ってる?」

娘「私が止めた」

母「かわいそうに。お父さん昨日から張り切ってたのにー」

娘「そうなの?」

母「前にあんたが不味いってはっきりお父さんに言ってから」

母「リベンジを誓ってたみたいよー」

娘「へー」

母「大丈夫よ。昨日私が作り方教えたから」

娘「作るものまで決めてたんかい!」

母「そうだ!心配なら二人で作りなさい!」

娘「え…私も自慢じゃないけど料理なんてできないよ?」

母「大丈夫よー。あんたも昔作ったことあるオムライスだから」

娘「えー、でもお父さんと一緒に料理したりする距離感じゃないんだけど」

母「ならなおさらいい機会じゃない」

母「お父さんを手伝ってあげなさい」

娘「うーん。気が向いたらねー」

母「じゃあ、二人で頑張ってー」

母「あ、できたら写メ送ってねー」

娘「はいはい」

娘「さてと…」

娘「…」

娘「…」

娘「しょうがないなぁ」

娘「おとーさん」

父「なんだよ…」

娘「ちょっといじけないでよ…」

父「…」

娘「買い出し行くから車出して」

父「めんどくせぇよ…」

娘「お父さんにメイン作ってもらうんだからいなきゃ材料買えないでしょ!」

父「え?俺つくんの?」

娘「オムライス期待してるよ」

父「母さんめ…」

父「しょうがねぇなぁ」

父「よし行くか」

父「っと、その前に米炊いてくか」

…………………

娘「何入れるのー?」

父「んー玉ねぎだろー」

父「あと鶏肉ーマッシュルーム」

娘「マッシュルームはいらん!」

父「まだマッシュルーム嫌いなのかよー」

娘「当たり前じゃん!」

娘「キノコなんて人が食べていいもんじゃないよ」

娘「卵と玉ねぎはあったから鶏肉ねー」

父「じゃーあっちか」

父「……。」

娘「…どした?」

父「鶏肉ってどれ?」

娘「えっ?そこでしょ?」

父「そうじゃなくて…胸とかモモとか…」

娘「お母さんに聞いてないの!?」

父「聞いたような聞いてないような…」

娘「とりあえず手羽じゃないでしょー?」

父「それぐらいは俺だってわかる!」

娘「胸じゃない?」

父「いや、モモかも…」

娘「ちょっと待って…」

娘「…」

店員「…」

娘「モモだってー」

父「へーじゃあモモなー」

娘「あとレタスねー」

父「レタス入れるの!?」

娘「そんなわけないでしょ!」

娘「私がサラダ作るの!」

娘「お母さんがご飯、二人で作りなって…」

父「そっかー。じゃあ二人でな」

父「俺のフライパンさばきを間近で見れるな!」

娘「はいはい」

娘「で、サラダ何入れる?」

娘「今んとこレタスとキュウリと余ったモモ肉入れようと思うんだけど…」

父「トマトともやしで棒棒鶏風サラダがいい」

娘「はいはい」

父「ゆでたまごも入れる?」

娘「それじゃメインがオムライスなのにたまご尽くしになっちゃうでしょ」

父「そっか。んじゃもう買うものないか?」

娘「デザートでしょ!」

父「よし!母さんいないし俺もなんか買おーっと」

………………

父「よーし見てろよー」

父「今日はお前に美味いと言わせてみせる!」

娘「はいはい」

娘「んじゃ、あたしはレタスちぎろーっと」

父「んーと、まずは材料を全部刻む」

父「玉ねぎ…あっ!」

父「人参忘れた!」

娘「人参ならあったから大丈夫ー」

父「おおっ、さすが母さん!」

父「まずは人参からー」

父「なんで玉ねぎからじゃダメなんだろ…?」

父「まあいいか」

娘「お父さんうるさいよ…」

父「しょうがないだろ!」

父「さて玉ねぎ…」

父「母さんが鼻から息しなきゃ涙出ないって言ってたな…」

父「…」

父「…」

父「おおっ、さすが母さん!!」

父「つぎは鶏肉ー、あれ鶏肉?」

娘「はい切っといたから」

父「おぉ、ありがと」

娘「サラダにも入れるからついで!」

父「はいはい」

父「さてさて炒めまーす」

父「玉ねぎは弱火ー」

父「火が通ったらあげて次は人参」

父「肉ー」

娘「サラダできたから今日は冷えるし風呂掃除してくるね」

父「おー」

娘「あれなら期待できるかなー」

娘「しかし、お母さん頑張ったなー」

娘「教えるの大変だったろうに」

娘「てか、あたしも料理教わろっと今度…」

娘「そしたら今度はあたしが作ってやるかー」

娘「きっと今日のあたしと同じ反応するだろうなお父さん…」

娘「まだ卵焼きとサラダぐらいしかできないしな…」

父「できたー!!」

娘「おぉ!すごいまとも!!」

父「ひどい言われよう…」

娘「ほらじゃあ、そこ立って」

父「?」カシャ

娘「お母さんが写メ送ってって」

父「そっか、まあこれなら上出来だろ」

娘「はいはい」

娘「お、おいしそうだし早く食べよ」

父「おお。召し上がれ」

父「どうだ?」

娘「おいしいよ」

父「よかったー!」

父「俺の得意料理は今度からオムライスだな!」

…………………

「「ごちそうさまー」」

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父「ん?母さんか?」

娘「うん」

娘『もしもし?』

母『写真見たわよー』

母『まともな料理になってたでしょ』

娘『うん』

母『頑張って教えたもの!!』

娘『大変だったでしょ?』

母『かなりね!』

娘『ねえ』

母『ん?』

娘『あたしにも料理教えてほしいんだけど』

母『あんた、男は最低メイン料理できればいいけど』

母『女子の料理できるかできないかのラインはそんな低くないわよ?』

娘『う、うん…』

母『それに洗い物洗えてないでしょ?』

娘『え?うん』ドッチャリ

母『本当は、洗い物は料理しながら同時進行で片付けなきゃなのよ』

娘『へ、へー』

母『まあ、あんたがやる気になったなら教えてあげるわ』

娘『うん…』

母『お父さんにちょっとかわって』

娘「はい、お父さん」

父「ん?」

父『もしもし』

母『よかったじゃない』

父『おぉ!俺の料理センスのおかげで何とかな』

母『がんばったらしいから地酒買って帰ろうかと思ったけどやめようかしら』

父『母さんには頭の下がる思いであります』

母『娘と結構話せたでしょ?』

父『ああ』

母『もう高校生だもの。きっかけがあれば離れてた距離間も近づくわよ』

父『ありがと』

母『じゃあ、ちゃんと洗い物して寝るのよ』

父『はいはーい』

娘「お母さんなんだって?」

父「洗い物ちゃんとしてから寝ろだって」

娘「そっか」

娘「先お風呂いいよ。わたし洗い物しておく」

父「じゃあお言葉に甘えてー」

…………………

………


就寝前娘


(なんか今日は久しぶりにお父さんとあんなに話したなぁ)

(いままで避けててごめんとか口悪くてごめんとか)

(今日なら言えそうだったんだけどなぁ)

(結局言えなかったな…ごめんね)

(おやすみ…)


終わり

これはほんと軽く書いた話なので
唐突な話の進み足りない描写などを感じた方もいると思いますがこれで終わりです。

最後までよんでくれた方ありがとうございます。

おやすみなさいzZ

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