並木芽衣子「私が総合司会の旅番組、その名も『芽衣子の 選べる☆トラベル』。みんなに現地レポをしてもらうからね」
若林智香「ひゃっほーう☆」
まゆ「地方ロケですかぁ、楽しみですねぇ」
土屋亜子「タダで旅行に行けて、美味しいもの食べられるなんて……フヒヒ」
川島瑞樹「外ロケなら、任せて欲しいわ」
奈緒「島根と鳥取かあ、あんまりピンとこないな」
神崎蘭子「幻の大地へ、我は赴かん」(訳:島根と鳥取ってどこにありましたっけ?)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380001422
http://i.imgur.com/XFDtVKN.jpg
並木芽衣子(22)
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佐久間まゆ(16)
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土屋亜子(15)
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川島瑞樹(28)
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神谷奈緒(17)
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神埼蘭子(14)
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若林智香(17)
芽衣子「それで旅は、島根を回る島根組と、鳥取を回る鳥取組にわかれてもらうんだけど……」
亜子「あ、芽衣子さんその前にちょっとエエ?」
芽衣子「え? なあに?」
亜子「ここだけの話ですけど、島根と鳥取……どっちが美味しいモンが食べられます?」ヒソヒソ
芽衣子「そうね……どちらもそれぞれ違った特色の美味しいものがあるわね。でも、ここでそれを詳しく話すわけにはいかないわよ?」
亜子「はいはーい、それだけ聞けたら十分でーす」
芽衣子「ええ、後は現地で体験してね。それではここで、みんなに選んでもらうわよ。島根・鳥取、どっちへ行くか……選べる☆トラベル!」
亜子「どっちへ行っても美味しいものが食べられるなら、アタシはどっちでもいいですよ」
瑞樹「芽衣子さん、確か島根県は縁結びで有名な出雲大社があったわよね」
まゆ「!」
芽衣子「はい。さすがに詳しいですね、瑞樹さん」
瑞樹「縁結び……私、島根組で行きたいわ」
まゆ「はぁい! まゆも、島根の方へ行きたいです!」
芽衣子「そう? 他のみんなは? 希望がなければゲームで組わけを決めちゃうけど」
まゆ「え? あ、それでもうカメラ回ってるんですかぁ?」
芽衣子「そうよ。もう番組は始まってるんですからね」
奈緒「あたしは別に、どっちでもいいよ」
智香「アタシも、どっちでも楽しんじゃいますっ☆」
蘭子「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題ね」(訳:違いがわからないので、どっちでもいいですよ)
芽衣子「はーい。じゃあ、島根組のあと1人と鳥取組3人を誰にするか……卯月ちゃんお願いね」
島村卯月「はーい。じゃあみんな、こっちに集まって」
智香「あ、卯月ちゃんだー☆」
卯月「これからみんなで、巨大あみだくじにチャレンジしてもらいます」
奈緒「おおー、ほんとにデカい!」
蘭子「大いなる壁よ」(訳:すごく……大きいです)
智香「ジャンプしても上まで手が届かないよっ!」
亜子「こら予算かかってるよね……きっと食べ物も豪華に違いないわね……ふひひ」
卯月「じゃあみんな、好きな場所を選んで」
芽衣子「いくわよ……選べる☆トラベル!」
奈緒「じゃあここ!」
智香「アタシは、ここ」
蘭子「四天王1の優男!」(訳:ココ!)
亜子「ここやっ!!!」
卯月「はーい。ではあみだくじ、オープン!」
奈緒「えっと……ああいって、こういって……あたしは、鳥取か」
智香「アタシ、島根っ☆」
蘭子「空を往く鳥すら我が勢いは落とす」(訳:鳥取でーす)
亜子「あ、じゃあ奈緒さんと蘭子ちゃん、よろしゅうおねがいしますアタシも鳥取です」
卯月「みんな、楽しんできてね」
芽衣子「はい、じゃあさっそくこれから現地に向かってもらうわよ」
奈緒「あれ? そういえば芽衣子さんは、どっちに行くんだ?」
瑞樹「そういえばそうよね」
芽衣子「ふふふ。私はここに残って、みんなに指示を出したり困ったときのヘルプアドバイスをするのよ」
智香「えっ!? 現地へは行かないんですかっ?」
芽衣子「ええ。私は総合コーディネーターなのよ」
まゆ「じゃあ現地では、まゆ達だけなんですかぁ?」
蘭子「その名はアムネジア」(訳:知らない土地は不安です)
芽衣子「大丈夫、心配しないで。現地にはよーく知ってる人がツアコンとして同行してくれるから」
亜子「え? ツアコン? それって誰なの?」
芽衣子「ふふっ。じゃあここで、そのツアコンの二人を紹介しちゃうわね。まずは島根組は……この娘よ」
左に有るのに(思想的に)右なのが島根
右に有るのに(思想的に)左なのが鳥取
VTRスタート
大きな白い鳥居。そしてそこをくぐると……
巫女装束の、鷹富士茄子の姿が。
茄子「みんなー♪ 島根組担当の、茄子よ。ここ、出雲大社で待ってるわね」
瑞樹「出雲大社……大きな鳥居で、やっぱり雰囲気あるわね」
まゆ「しかも幸運の女神と呼ばれる茄子さんの案内……縁結び……Pさんと……えへ……えへへへへへへぇ……」
智香「茄子さーん! ひゃっほーう☆」
奈緒「そっか、茄子さんは島根出身だっけ」
蘭子「不問の事象」(訳:それなら当然)
亜子「鳥取組は、鳥取出身のアイドルだよね。えっと……鳥取出身て誰がおったっけかな?」
VTRスタート
砂漠のような風景。
立ち上る陽炎。
奈緒「ちょ、ちょっと待って!」
芽衣子「どうしたの奈緒ちゃん? これ、収録中なんだけど」
奈緒「今の砂漠じゃないの!? 日本じゃないだろ!!」
蘭子「侵略すること松岡修造の如し」(訳:すごく暑そうでした)
亜子「砂漠のグルメ……やて?」
芽衣子「まあまあ。ちゃんとVの続きを見てね」
VTRリスタート
砂漠のような風景。
立ち上る陽炎。
そしてその砂塵の中を、駱駝に乗ってやって来たのは……
白菊ほたる「み、みなさん。ほたるです。私の故郷、鳥取県はすごくいい所なんです。ここ、鳥取砂丘でお待ちしていますね」
奈緒「……」
亜子「……」
蘭子「……」
奈緒「鳥取砂丘……ほたるちゃんの案内で……」
蘭子「映画版漂流教室……」(訳:砂まみれの予感……)
亜子「いやあ! いやよー!! あんな所に美味しいものがあるわけないわよー!!!」
芽衣子「こらこら、失礼なこと言わないの。さ、じゃあ空港へ移動しますよー!」
~羽田空港~
奈緒「うう……行きたくない……」
まゆ「だめですよぉ? 自分で選んだお仕事をそんな風に言ったらぁ」
亜子「選んだって言っても……」
蘭子「くっ……我が身体を操ろうというのか? まさか、天界の者!?」(訳:選ばされたというか……)
瑞樹「あら、鳥取も色々と素晴らしい所らしいわよ?」
智香「せっかくだから、楽しまないとっ☆」
奈緒「人事だと思って気楽だよなあ。はあ」
芽衣子「はーい。じゃあチケットを渡すわね、これが島根組のチケット」
まゆ「はぁい。行き先は……出雲縁結び空港、ですかぁ?」
智香「変わった空港名ですねっ」
瑞樹「でも、縁を結ぶからえんむすび……その名前を冠した空港の名前は、すごく素敵ね」
芽衣子「そうなのよ。空港からして、縁を結ぶ御利益満点の土地柄なのよ」
奈緒「なんかもう……すべてがこっちと違う気がする……」
蘭子「背後にあること山の如し……」(訳:うらやましいです……)
亜子「やっぱりサソリとか食べさせられるんかなあ……イモトアコとか改名させられたりして……」
芽衣子「あ、そしてこれが鳥取組のチケットよ。はい」
亜子「島根がえんむすび空港なら、鳥取は砂漠空港とかかなー?」
蘭子「我が故郷よ」(訳:魔界とか地獄空港かも知れませんよ)
奈緒「どれどれ? ん? 米子鬼太郎空港? 鬼太郎……ああっ!!!」
芽衣子「ふふふっ。あのね」
奈緒「め、芽衣子さん! わ、わかったよ!! う……うううううっ、燃えてきたあああぁぁぁーーーっっっ!!!」
蘭子「?」
亜子「あの、奈緒さん? いったいどうしたん……」
奈緒「行こう! 早く行こう!! 一刻も早く、鳥取へ行こう!!!」
亜子「ちょ、急いでもフライトの時間はかわらへんよー!」
芽衣子「あらあら。ふふっ、じゃあ私は中継を見てますからね」
~出雲縁結び空港~
智香「着きました! ひゃっほーう☆」
瑞樹「茄子ちゃんはどこかしら?」
まゆ「あ、あそこに……あれ? 茄子さんの隣にいるキグルミはぁ」
茄子「みんな、ようこそ島根県へ♪ 島根のご当地ゆるキャラ、しまねっこちゃんも歓迎してくれてるわよ」
瑞樹「島根の猫のキャラクターだからしまねっこ、なのね。わかるわ」
まゆ「かわいいですねぇ」
http://i.imgur.com/9hul0SR.jpg
http://i.imgur.com/mKNptlC.jpg
しまねっこと、出雲縁結び空港しまねっこオブジェ
智香「あ、まゆちゃんにご挨拶してるよ」
まゆ「えぇ? あ、ハグですかぁ? わぁ、嬉しいですよぉ」ギュッ
しまねっこ「遅かったたいね。待ちくたびれたばい」ボソッ
まゆ「えっ!?」
智香「どうしたのっ?」
瑞樹「あ、今度は智香ちゃんにご挨拶してるわよ」
智香「ひゃっほーう☆ よろしくねっ!」ギュッ
しまねっこ「この炎天下で、熱中症になるかと思ったばいね」ボソッ
※今年の9月は下旬になっても島根では30度越えです
智香「ええっ!?」
瑞樹「? どうしたの? 2人とも」
茄子「ほらほら瑞樹さん。瑞樹さんにも、しまねっこちゃんが歓迎のハグよ」
瑞樹「え? ええ、こんにちは」ギュッ
しまねっこ「よお、きんしゃったばい」ボソッ
瑞樹「えっ!? もしかして……鈴帆ちゃんなの?」
カッ
しまねっこちゃんの腹部が開き、上田鈴帆の顔が現れる。
鈴帆「どげなかと? ビックリしたかいね?」
まゆ「しましたよぉ」
智香「わざわざスタンばってくれてたんだねっ☆」
瑞樹「暑かったでしょう? 大丈夫?」
鈴帆「大丈夫たい。こんくらいでバテとったら、キグルミアイドルはつとまらんばい」
茄子「ふふっ♪ じゃあさっそく、移動するわよ」
まゆ「さっそく、出雲大社ですかぁ?」
鈴帆「そうはいかんばい!」
瑞樹「えっ!?」
茄子「その前に、色々と案内するわね♪」
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上田鈴帆(14)
~米子鬼太郎空港~
奈緒「ついたー! ついにきたよ、鳥取けーん!!」
亜子「機内でもずっと興奮してはったけど、どうしたんですか?」
蘭子「張りつめし糸の如し」(訳:テンション高いですね)
ほたる「あ、み、みなさん。ようこそ」
亜子「ほたるちゃん、どうぞよろしゅうにな」
蘭子「我を守護せし盾となれ」(訳:頼りにしてます)
ほたる「はい。私、がんばりますね」
奈緒「う、うわー! 空港全体が鬼太郎であふれてるー!!」
ほたる「奈緒さんは、ゲゲゲの鬼太郎が好きなんですか?」
奈緒「うん。大好きだー!」
亜子「ゲゲゲの鬼太郎? ああ、なるほど。それでテンション高かったんですね」
蘭子「過去は斬った」(訳:Sawなんですか)
ほたる「ゲゲゲの鬼太郎の作者である水木しげる先生は、鳥取県の境港の出身なんですよ」
蘭子「トリビアの泉よ」(訳:へえ)
奈緒「あっ! あそこに鬼太郎の像がある、しかもあの造形は2期の71年度版だ。蘭子ちゃん写真撮って!」
蘭子「汝が魂を吸い取ってくれる」(訳:はーい。撮りますよー)
亜子「あ、せっかくだから一緒にエエ?」
奈緒「撮ろう撮ろう! ほら、鬼太郎の両腕を組んじゃおうよ」
亜子「いいですね。ハーイ鬼太郎さん、両手に花で嬉しいやろ?」
鬼太郎?「う……う、うん」
奈緒「え?」
亜子「え?」
パシャッ
蘭子「主を裏切りイバラの冠をかぶせゴルゴダの丘で十字架にかけた13番目の男!?」(訳:しゃ、喋った!?)
鬼太郎→白坂小梅「わ、私です……こ小梅です。よ、ようこそ……」
奈緒「あ、こ、小梅ちゃんか!」
亜子「その格好……ほんまに鬼太郎みたいやねー」
蘭子「死の呪言」(訳:Deathよねー)
ほたる「今回は、小梅ちゃんも同道してもらうんです。じゃあ、奈緒さんも楽しみにしてられるみたいなので、さっそくご案内しますね」
亜子「え? どこへ?」
小梅「もっと……き、鬼太郎のいっぱいいるところ……」
ほたる「水木しげるロードです」
奈緒「いやったあああぁぁぁーーーっっっ!!!」
~島根組 松江城~
茄子「県庁所在地の松江市よ。そしてこれが」
まゆ「わあ、きれいなお城ですねぇ」
瑞樹「松江城ね、天守閣が当時から現存する珍しいお城よね」
茄子「そうです。ふふっ、瑞樹さん私よりくわしいかも知れませんね♪」
智香「そんなに大きくはないけど、風格がありますねっ☆」
鈴帆「天守まで昇ってもよかと?」
茄子「ええ♪ みんなで行きましょうか」
まゆ「はぁい」
瑞樹「階段は、ちょっと狭いわね」
鈴帆「あっ!」
茄子「どうしたの? 鈴帆ちゃん」
鈴帆「階段がせまかばってん……」
まゆ「えぇ?」
鈴帆「はまって動けんようになったばい……」
智香「ええーっ!」
茄子「あらあら、大変。みんなで鈴帆ちゃんを引っ張るわよ」
一同「「せーのっ!」」
スポン
鈴帆「た、たすかったとばい。ありがとう」
まゆ「わあ、天守まで昇ると街が一望できますねぇ」
智香「あっ、お城のお堀を船が回ってるよ」
茄子「堀川遊覧ね。みんなで乗ってみる?」
瑞樹「いいわね」
~JR境線 べとべとさん駅(米子空港駅)~
亜子「電車で行くんやね」
蘭子「仮想の電車運転遊戯!」(訳:電車でGO!)
奈緒「その電車も鬼太郎デザインなんだな」
小梅「駅の名前が、べ、べとべとさん駅……素敵」
ほたる「境線はそれぞれの駅に、妖怪の名前がついているんです」
奈緒「あったなー、べとべとさん。鬼太郎で見たよ」
亜子「今通ったのが、すねこすり駅。次が……こなきじじい駅。あはは、面白いなー!」
蘭子「魔界の者の名を、駅に冠するなんて……」ウットリ
奈緒「ここは、一反木綿駅だって! ははは」
ほたる「そして終点、境港駅が……」
小梅「き、鬼太郎駅」
蘭子「うわあ……」
亜子「す、すごい! 駅から降りたら妖怪で溢れてる!」
ほたる「すごいですよね。見て下さい、あの街灯を」
亜子「あれは目玉? 変わったデザインやなー」
蘭子「貴様、見ているなッ!」(訳:なんだか見られているみたい)
小梅「あ、あれは目玉の親父ので、デザインだと思います」
奈緒「郵便局前のポストが、妖怪ポストのデザインになってる!」
ほたる「ちゃんと届くんですよ、そのポスト」
亜子「ホンマ!? 出してみよう! 出してみましょうって!」
ほたる「はい。妖怪はがきを、用意しておきましたよ」
奈緒「もー、気が利くな。ほたるちゃんは」ワシャワシャ
ほたる「あ、ありがとうございます////」
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http://i.imgur.com/b0INbcy.jpg
http://i.imgur.com/qeDgYuL.jpg
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境港の日常風景
蘭子「彼の地の我が同胞よ、魔の鳴動を受け取るがいい」(訳:事務所のみんなに送りましょう)
奈緒「あたし、凛と加蓮に送ってやろう」カキカキ
亜子「泉とさくらに……」カキカキ
小梅「さ、幸子ちゃんと、し、輝子ちゃんに……」カキカキ
奈緒「よーし。じゃあ投函を……オバケのポストに~♪ 手紙を入れりゃ~♪ どこかで鬼太郎の~♪」
カランコロンカランコロン
蘭子「!?」
亜子「今、どっかから下駄の音が……」
ほたる「ふふっ。水木しげるロードを歩いていると、スピーカーでゲタの音が流れてくるんですよ」
奈緒「へえ。なんか嬉しいなあ。本当に鬼太郎の世界だ」
蘭子「魔界の猛者達!」(訳:すごいたくさんの妖怪!)
亜子「うわあ、すごい数の像やな」
ほたる「全部で100体以上の像があるんですよ」
小梅「ぜ、ぜんぶ一緒に、しゃ、写真とりたい……」
奈緒「さすがにそれは無理だろうなあ」
ほたる「でも、気に入った妖怪と写真撮りましょう」
一同「「おー!」」
~島根 堀川遊覧船~
瑞樹「水面からの風を受けて、涼しいわね」
鈴帆「小舟での遊覧もよかばいね」
茄子「松江城のお堀を、約1時間かけて回るのよ♪ 冬になるとコタツが船の中に用意されて、暖まりながら遊覧できるの」
まゆ「それも体験してみたいですねぇ」
茄子「冬にまた来てね。歓迎するわよ」
智香「街並みが綺麗ですねっ! 武家屋敷とかいう所を通りましたけど、本当に江戸時代みたいですっ☆」
瑞樹「あら……橋が近づいてきたけど、随分と橋が低いけど大丈夫かしら」
茄子「堀川遊覧に橋は16ほどあるんだけど、中でも4つはとっても低くてこのままだと遊覧船の頭がつかえちゃうの」
まゆ「え?」
茄子「遊覧船の頭がつかえちゃうのよね♪」
鈴帆「つ、つっかえるって!?」
智香「じゃあ、ぶつかっちゃうってことですかっ!?」
茄子「このままだと、ね♪ 船頭さん、お願いします」
ギイィー
瑞樹「えっ? あ、遊覧船の屋根が折りたたまれて……」
茄子「さあみんな、伏せて伏せて♪」
まゆ「えぇ?」
茄子「頭を下げないと、危ないわよ♪」
智香「こ、こうですかっ?」
瑞樹「す、すごく低い橋ね」
智香「えへへっ。でもこうやって、みんなで船の上で姿勢を低くするってなんだか面白いねっ☆」
まゆ「そうですねぇ。えへへ」
茄子「そうでしょう。あら?」
ギシッ
瑞樹「船が……止まったわね」
智香「こういうものなんですかっ?」
茄子「そんなことはないんだけど」
鈴帆「そいがその……」
茄子「どうしたの? 鈴帆ちゃん」
鈴帆「橋が低かかばってん……」
まゆ「えぇ?」
鈴帆「はまって動けんようになったばい……」
智香「ええーっ!」
まゆ「またですかぁ!」
茄子「あらあら、大変。みんなで鈴帆ちゃんの姿勢を低くしてあげるわよ」
一同「「せーのっ!」」
ギイィー
瑞樹「船がまた、動き出したわね」
鈴帆「た、たすかったとばい。ありがとう」
まゆ「キグルミアイドルも、本当に大変ですねぇ」
智香「今度の橋の下は、随分長いですねっ」
瑞樹「あ、ステンドグラスになってるのね」
まゆ「きれいですねぇ」
鈴帆「しかしこれ、なんの図柄かいね?」
茄子「これは小泉八雲こと、ラフカディオ・ハーンの妖怪話をモチーフにした絵よ♪」
智香「妖怪……小梅ちゃんとか、好きそうですよねっ☆」
茄子「そうね。会えるといいのにね、うふふ♪」
瑞樹「?」
茄子「さあ、堀川の遊覧が終わったらお昼にしましょうか」
智香「ひゃっほーう☆」
~境港市 水産加工センター~
奈緒「うう……ほたるちゃん」
ほたる「ど、どうしたんですか? 奈緒さん」
奈緒「あたし、まだまだ水木しげるロードで遊びたかった……」
蘭子「我が意を汲みし友よ」(訳:私もです)
小梅「み、見所が多すぎて、回りきれなかった……」
ほたる「ご、ごめんなさい。スケジュールが色々とハードで」
奈緒「ま、まあほたるちゃんのせいじゃないし」
亜子「それにアタシ、お腹も空いてきたし。そろそろご当地グルメを、いただきたいなー♪」
ほたる「は、はい。ここ境港のこれから季節と言えば……これです!」
蘭子「積尸気冥界波!」(訳:蟹さんだ!)
奈緒「しかもすごい数! うわーっ! 生きてるから動いてるよ」
小梅「ゆ、遊星からの物体X……みたい」
亜子「え、ホンマ? カニなんて高級食材……ほ、ホンマに食べられるん!?」
ほたる「松葉ガニの解禁はまだなので、今日は解禁されたばかりの紅ズワイガニを皆さんに召し上がっていただきます」
亜子「……」
奈緒「ん? どうした、亜子?」
亜子「良かった……アタシ、アイドルんなってホンマ良かった……」ウルウル
小梅「な、泣かないで……」
ほたる「そ、そうですよ。美味しいものを食べて、笑顔になって下さい」
亜子「うん……うん……」
ほたる「じゃあちょっと待ってて下さい」
奈緒「あ、よろしくな」
蘭子「……だけど」
奈緒「?」
蘭子「積尸気冥界輪舞」(訳:どうしてここの蟹さんは、みんなひっくり返して置いてあるんでしょうか?)
奈緒「そういえば、みんなお腹を上にしてるね」
亜子「食べ物って、みんな美味しそうな方を上にするもんやけどね。ほら、餃子とかもわざわざ上下逆にして盛りつけるやないですか」
小梅「じ、自信のある方を、お客さんに見せる……あ、アイドルと一緒」
奈緒「卯月のお尻とか、雫の胸とか、智香の腋とかか。なるほど」
蘭子「冥土引導?」(訳:蟹さんは、お腹が自慢?)
亜子「いやー。やっぱカニは、この赤い甲羅を見せた方が美味しそうやて。ほら」
ヒョイッ
小梅「あ、赤くて綺麗……」
奈緒「確かになー。カニっぽいというか、こっちの方が絶対いいよ。きっと店の人、間違えちゃったんだな」
蘭子「天舞宝輪!」(訳:みんなひっくり返してあげましょう!)
ヒョイ ヒョイ ヒョイ
ほたる「皆さん、おまたせしまし……な、なにしてるんですか?」
亜子「あー、ほたるちゃん。いや、せっかくの美味しそうなカニなのにひっくり返してあるから、アタシらが戻してあげてるんよ」
ほたる「え? い、いえ、蟹はお腹を上にしてお店に並べるんです」
奈緒「え? そうなの?」
ほたる「はい。そうじゃないと……」
小梅「な、ないと?」
蘭子「六道輪廻」(訳:きゃーっ)
亜子「え、な、どうしたん?」
ノソノソノソ
蘭子「デスマスクマニゴルドデストール」(訳:蟹さんが全員、逃げちゃってます)
亜子「えーっ!」
ほたる「……こうなっちゃうんです」
奈緒「は、早く言ってくれよ。ま、まてえー!」
蘭子「い、一網打尽……」(訳:ようやく全部捕まえました……)
亜子「あー……なんか、お腹空いたー……」
奈緒「自業自得とはいえ、センター内を探し回ったもんな……」
小梅「……も、もうだめ……」
ほたる「はい。じゃあお腹も空いた所で、お昼にしましょう」
奈緒「ほたる……なにげにタフだな」
ほたる「旅にトラブルはつきものですから」グッ
亜子「不慮の事態てーのに、強いんやなあ」
蘭子「天空覇邪魑魅魍魎」(訳:なんだかすごいです)
ほたる「今日はやっぱり紅ズワイガニを堪能していただきたいと思いましたので、紅ズワイガニ尽くし御膳です」
奈緒「うおー! すごい、カニ飯に茶碗蒸しにカニ汁」
小梅「ゆ、茹でたカニも丸ごと1ぱい……た、食べきれない」
亜子「あ、食べきれんかったらアタシいただくから!」
蘭子「光速拳!」(訳:早く食べましょう!)
ほたる「じゃあ、皆さん一緒に」
一同「「いただきまーす」」
……
一同「「美味しーい!」」
奈緒「やっぱ新鮮なのかな。すごい美味しい、このカニ!」
蘭子「のワの」(訳:すごいあまみです)
小梅「身をほじるの……楽しい」
亜子「……」ウルウル
ほたる「ど、どうしたんですか亜子さん。境港のカニはお気に召しませんでしたか?」
亜子「ひゃうねん。おいひすぎて、ことばにならんにょよ」モグモグモグ
奈緒「亜子、食べるか喋るかどっちかにしろよ」
亜子「……」モグモグモグ
奈緒「いや、喋ろう! 仕事だからな! アイドルだからあたし達!」
ほたる「この御膳ですね、カニ飯を半分残しておいてそこにこうして」
奈緒「え? 茶碗蒸しを半分かけちゃうのか?」
ほたる「はい。茶碗蒸しにもカニの旨味がたっぷりで、こうするとおじやというかリゾット風に食べられるんです。地元の食べ方ですね」
蘭子「我が友よ!」(訳:これ、私好きです!)
亜子「ええー!? アタシ、もうカニ飯全部食べちゃったんやけど……」
小梅「よ、よかったら食べて。ちょっと多いから……」
亜子「ええの!? やたー!!」
奈緒「カニの天ぷらも美味しいな。身の味が濃いから、天ぷらにしてもしっかり美味しさがわかるよ」
ほたる「紅ズワイのクリームコロッケと迷ったんですけど」
亜子「え? そっちも食べてみたい!」
奈緒「おいおい、大丈夫か? そんなに食べて」
亜子「美味しいモノ食べるのは、アタシの趣味ですから!」
亜子(タダやし……ふひひ)
蘭子「見えた! 巨蟹宮だ!」(訳:境港は蟹がすごいんですね)
ほたる「はい。でも、それだけじゃなくて」
小梅「え?」
奈緒「う、うわ! これって」
亜子「ま、マグロ! しかも本マグロだ!」
ほたる「境港は、生の本マグロの水揚げ量が日本一なんですよ。今日は特別に、みなさんの目の前で解体してくださるそうです」
小梅「大きな魚を……あんな大きな刃物で、バラバラに……た、楽しみ////」
亜子「すごい迫力。しかもあっという間に、切り分けられてく……」
蘭子「磨羯宮の黄金聖闘士」(訳:すごい切れ味ですね)
奈緒「こういうの、間近で見るとすごい迫力だな」
ほたる「はい。さばきたての生の本マグロです。中トロですよ」
奈緒「ちょ、な、なにこれ? 口の中でなくなっちゃうぞ!」
蘭子「三村かな子さん!」(訳:やわらかーい!)
亜子「なんちゅうもんを……なんちゅうもんを食べさせてくれたんや……」
小梅「お、美味しい……」
ほたる「食べられるだけ食べてくださいね」
亜子「泉……さくら……アタシ、アタシがんばるからな、見ててや……」
奈緒「亜子、無理しなくてもいいんだぞ」
亜子「大丈夫です! アタシは食べますよーーー!!!」
亜子「……アカン、食べ過ぎた」グッタリ
奈緒「なんて期待通りな。大丈夫か?」サスサス
ほたる「カニ玉やカニシュウマイ、マグロのあら煮まで召し上がってましたものね」
蘭子「大原みちるさん!」(訳:食べ過ぎですよ!)
小梅「こ、これからの移動中に、少し休むといいよ。じゃあ……き、気をつけて」
奈緒「あれ? 小梅ちゃんとはここでお別れ?」
ほたる「はい。ありがとう、小梅ちゃん。また事務所でね」
小梅「う、うん。ありがとう」
蘭子「新世界の到来を告げし声」(訳:次はどこへ行くんですか?)
ほたる「は、はい。鳥取の海の幸を堪能していただいたので、次は山の幸です」
亜子「やったー!」ガバッ
蘭子「復活の時」(訳:あ、復活しましたね)
奈緒「ほんとに大丈夫か、亜子」
ちょっとここで休憩をいれます。しばらくしたらまた再開しますです。
意外と島根と鳥取をよくご存知の方もおられるようで、びっくりと緊張。
生ドラ、美味しいですよね。冷やすと最高!
遊星からの物体Xの画像は、貼ろうかと思って止めました。
再開までの間、特に島根と鳥取とは関係ありませんが美しい画像をご覧ください。
http://i.imgur.com/Da3BBUp.jpg
本当に好きなんだな
だがおい!ほたると小梅の画像を忘れてるだろ!
>>66
ご指摘ありがとう、感謝。
http://i.imgur.com/r0zhRMK.jpg
白菊ほたる(13)
http://i.imgur.com/rtBxVmc.jpg
白坂小梅(14)
~松江市 老舗そば屋~
茄子「はい。お昼は出雲そばの老舗で、おそばをいただくわよ♪」
まゆ「あのぅ……茄子さぁん」
茄子「なに? まゆちゃん」
まゆ「このおそば、すごく黒いというか灰色なんですけどぉ」
鈴帆「ほんのこつ黒かばい」
瑞樹「でもおそばの香りがすごいわね」
智香「ほんとですねっ☆」
茄子「出雲そばはね、そばとしての品種も違うんだけど、そば粉にする時に実を全部粉にひくのよ」
まゆ「なるほど、それでこんな色なんですねぇ」
茄子「江戸前のそばだと、つるつるとのどごしよく食べるのが粋なんだけど、出雲そばは歯ごたえもあるから食感も楽しむものなの」
智香「この入れ物も、まん丸で面白いですねっ☆」
茄子「わりご、って言うのよ。このわりごをだいたい三段から五段ぐらい重ねて、それぞれ薬味を変えて食べるの」
鈴帆「もうお腹空いてたまらんばい。はよ、食べよう!」
瑞樹「じゃあ、みんなで……」
一同「「いただきまーす」」
まゆ「うん。本当にしっかり食べごたえがあって、美味しいですねぇ」
智香「薬味も、ネギにノリにうずらの卵。どれも美味しいねっ!」
瑞樹「ダシも独特ね。鰹節や昆布のうま味も感じるけど……」
鈴帆「わかったばい! これはあれやろ、アゴやろう?」
茄子「うふふ。正解♪」
まゆ「あご、ですかぁ?」
智香「?」ジー
茄子「ふふ、違うわよ智香ちゃん。顎じゃなくてアゴ。トビウオをこの辺りから北九州一帯でアゴって呼ぶのよ」
瑞樹「聞いたことはあったけど、これがアゴダシの風味なのね」
まゆ「確かに、ちょっと違いますねえ」
智香「あの……茄子さん」
茄子「なに? 智香ちゃん」
智香「それがその……全然足らないんですけどっ////」
茄子「ふふっ。わかってるわよ、みんな若いんですからこれだけじゃあね。すみませーん、続きをお願いします」
まゆ「? なんですかぁ、この紙で包んであるものは?」
鈴帆「ところどころ、焦げとるばってんが……」
茄子「じゃあ包みを開けてみましょうね♪」
瑞樹「うわあ、香りが一気に広がって」
まゆ「中はお魚なんですねえ」
鈴帆「これはなんちゅう魚やろか?」
茄子「これはスズキよ。島根が誇る宍道湖には、宍道湖七珍と呼ばれる名物があるの。スズキもそのひとつよ」
智香「他に6つも名物があるんですかっ?」
茄子「ええ。今からその7つのうち、6つを食べてもらうわね♪」
まゆ「最初がこのスズキですねぇ?」
茄子「そう。スズキを和紙でくるんで焼く、スズキの奉書焼きという料理よ。旬は冬なんだけど、どうかしら?」
まゆ「なんだか上品なお味ですねえ。ポン酢とよく合って、美味しいですよぉ」
瑞樹「和紙で包んであるから、スズキの風味も味も逃がさず蒸し焼きにできるのね」
智香「……」モグモグモグ
茄子「続いて、シラウオ。これも旬は春だけど、風味はあると思うの♪」
鈴帆「ほんのこつ、美味かばい。ちょっと苦みがあるとが、それがまたよかとね」
茄子「そして鯉の糸造り。鯉は真冬が旬なんだけど、ね」
瑞樹「お造りが糸みたいに細いのね。このまぶしてある小さな丸いものは?」
茄子「これは塩湯でした鯉の腹子……卵巣です。これを煎り酒っていうタレで食べるんですよ」
まゆ「この煎り酒って、ほんのり酸味があって美味しいですねぇ」
鈴帆「刺身っちゅうたら醤油けんど、こいはまた白身の魚の旨味がよくわかっとよ」
瑞樹「昼間からなんだけど、これはお酒が欲しくなるわね」
智香「そうなんですかっ?」モグモグ
茄子「続いてウナギ。焼き方は地焼きと呼ばれる、身を素焼きにしてからタレを付けて焼いていく焼き方なの♪」
まゆ「ちょっと甘めのお味で、美味しいですねぇ」
茄子「そしてモロゲエビ。車エビの一種なんだけど、宍道湖は汽水湖っていう淡水と塩水の入り交じった湖だから、クセが無くて上品なお味なんです♪」
智香「丸ごと揚げてあるんですねっ!」
鈴帆「10センチくらいあるなあ。こりゃあ食べごたえあるばい」パリパリ
茄子「そして最後。アマサギよ。宍道湖はアマサギの生息域の最南端なの♪」
瑞樹「ああん、この甘露煮もお酒が欲しくなるわ」
まゆ「これはしっかりとした甘みで、すごく食べやすいですよぉ」
まゆ「お腹いっぱいになりましたねぇ。でも……」
茄子「ふふっ♪ わかってるわよ、まゆちゃん。七珍なのに6つしかなかったから、よね?」
智香「ここまで食べたんだから、最後まで全部食べたいですよっ!」
茄子「ふふふー♪ 今回は、ここまでね」
智香「ええー……」
茄子「でも、まだ食べられるならシメの一品を出したいと思うんだけど」
鈴帆「若いからまだまだたべられるばーい!」
智香「成長期ですからっ☆」
瑞樹「そ、そうよね! 食べられるわ!」
まゆ「まゆも、あと少しぐらいなら……」
茄子「じゃあ……はい。これ」
グツグツグツ
まゆ「え……」
鈴帆「こ……」
智香「これって!」
茄子「うふふ♪」
瑞樹「おでん!?」
茄子「はい♪ 松江はおでんの街なんですよ。人口に対するおでんの店が、全国トップになるぐらいおでん屋さんがいっぱいあるの」
瑞樹「それは知らなかったわ。なんだか意外ね」
茄子「実はそうでもない、歴史的な流れもあるんですけど……それは後にして、いただきましょうか」
まゆ「た、食べきれますかねぇ」
鈴帆「大丈夫たい。これ、全部で1人前やろう? そいを5人で食べるんやから、余裕ばい」
智香「美味しそう……」
瑞樹「大丈夫……若いから大丈夫……大丈夫よ……」
茄子「そして松江おでんと言えば……はい。入れるわよ」
グツグツグツ
まゆ「え……」
鈴帆「こ……」
智香「これって!」
茄子「うふふ♪」
瑞樹「これ、春菊よね? おでんに春菊?」
鈴帆「ものすごい取り合わせやろうもんが……」
茄子「松江おでんの定番なのよ。普通に家庭でも、春菊を入れるわね♪」
まゆ「春菊って、クセが強そうなんですけどぉ」
智香「うん。すき焼きとかには入れるけどっ……」
茄子「じゃあいくわよ♪ 春菊は煮込まずに、こうして湯がくみたいに……」
鈴帆「あ、しゃぶしゃぶの要領たいね」
茄子「そうね。それでしんなりしたら……はい、おでんのおつゆと一緒に食べてみて♪」
瑞樹「ええ……うわ」
まゆ「ど、どうですかぁ?」
瑞樹「おでんのお出汁が美味しい。春菊も、柔らかくてお出汁と一緒にするっと食べられちゃうわね」
まゆ「本当ですかぁ? じゃあまゆも……うわぁ」
茄子「ふふっ、美味しいでしょ? さっと茹でて食べちゃうのがコツね♪」
鈴帆「これ、出汁は鳥と昆布と……これまたアゴだしかいね?」
茄子「ええ♪ よくわかるわね。お出汁がとにかく美味しいから、お行儀悪いけどご飯にかけてお茶漬け感覚で食べちゃったりもするの♪」
智香「それ……やってみたいですっ☆」
茄子「あらあら、大丈夫?」
智香「はいっ!」
茄子「さて、これから神社にお参りに行くんだけど、ここで鈴帆ちゃんとはお別れだったわね」
鈴帆「みんな、また会おうばい」
まゆ「あれぇ、そうなんですか? なんだか寂しいですねえ」
智香「うん……」グスッ
瑞樹「また事務所で会いましょうね」
鈴帆「ほんなら、また。なに、またすぐ会えるばい」
茄子「そうよね♪」
まゆ「ところで茄子さぁん。神社にお参りってことはぁ、いよいよ……」
瑞樹「出雲大社へ参拝ね!」
茄子「いいえ」
智香「ひゃっほー……えっ!?」
茄子「うふふふふっ♪」
~境港→大山移動中~
蘭子「白き城が!」
奈緒「え? あ、ほんとだ。あれなんのお城?」
ほたる「お菓子の城ですね」
亜子「え?」
ほたる「お菓子の寿城(ことぶきじょう)です。寿製菓という会社の工場兼販売場兼観光施設なんです」
亜子「へえ。あすこ、寄るの?」
ほたる「寄ってもいいですけど……もう大丈夫ですか? お腹は?」
亜子「甘い物は別腹やし!」
奈緒「無理すんなよ。それにアイドルだってこと、忘れちゃだめだぞ」
~お菓子の寿城~
蘭子「機械化帝国の侵攻!」(訳:すごいハイテク機械ですね)
奈緒「工場見学なんて、小学校の時以来かな。お城の一階がガラス張りになってて、お菓子を作ってるのがよく見えるんだな」
亜子「あれ、美味しそう!」
ほたる「とち餅ですね。食べてみますか?」
蘭子「はい!」
奈緒「お、珍しいな。蘭子が乗り気だ」
蘭子「打倒! 機械神!」(訳:あの機械を見ていたら食べてみたくなりました)
ほたる「はい。試食をいただいて来ました」
亜子「いただきまーす! うん、あんこがすごいなめらかで美味しいなー!」
奈緒「中のお餅も美味しい。これがとち餅?」
ほたる「はい。栃の実から灰汁を取って練ってあるんですって」
蘭子「我が寵愛を受けしものよ」(訳:これ好きです)
店員さん「これもどうぞ」
奈緒「え? あ、すみません」
蘭子「大事な大事な闘気滅気なの!」(訳:ウサちゃんだ!)
奈緒「ほんとだ。可愛い形のお菓子だな」
ほたる「因幡の白うさぎです。形も可愛いけど、味も美味しいんですよ」
奈緒「ほんとだ。なんていうか、上品な甘さだな。なあ、亜子……あれ?」
ほたる「あの、亜子さんならあっちで試食を……」
亜子「これがどじょうすくい饅頭? んでこれが大風呂敷? 白うさぎフィナンシェに抹茶ロールかあ。どれもホンマ、美味しいです」
奈緒「ちょ、ちょっと亜子! またそんなに食べて大丈夫なのかよ!?」
亜子「大丈夫ですて。甘い物は別腹なんですから!」
ほたる「ほ、ほんとうに大丈夫ですか?」
蘭子「氣志團……じゃなくて既視感」(訳:さっきも似たようなことを……)
亜子「……アカン、食べ過ぎた」グッタリ
奈緒「だから言ったのに。大丈夫か?」サスサス
蘭子「天空への誘い」(訳:展望台まで昇りたかったですけど)
亜子「ごめん……うごけない」ガクッ
ほたる「ごめんなさい……」
奈緒「? なんでほたるが謝んのさ?」
ほたる「私が止めなかったから……それに……わ、私のせいでみなさんが不幸に……」
奈緒「こら」コツン
ほたる「え?」
奈緒「そういうこと言わない。それにあたしら、十分楽しんでるよ。なあ」
亜子「そうそう。これはアタシがアカンかったからだから」
蘭子「鉄壁の布陣」(訳:ほたるちゃんは頼もしいです)
ほたる「あ、ありがとう……ごさいます////」
奈緒「さて、亜子をどうするかな」
及川雫「私が運んであげますよー」
奈緒「え? あれ、雫?」
ほたる「あ、来てくれたんですね」
雫「芽衣子さんから知らせを受けましてー。はい、おんぶですよー」
亜子「ちょ、子供扱い……ひゃあっ!」
奈緒「雫……すごいな。亜子を簡単におぶっちゃった」
蘭子「天空へといざ行かん!」(訳:展望台へ行きましょうよ)
雫「はーい」
ほたる「す、すごいですね。軽々と」
雫「私、酪農で鍛えてますからねー」
http://i.imgur.com/U4rJjGg.jpg
及川雫(16)
奈緒「おお、けっこう高いな。あっちがさっきまでいた境港かー」
ほたる「はい。因幡の白うさぎで有名な、白兎海岸はあっちです」
雫「そして反対側を見てくださいー! あれがさっきまで私がいて、そしてこれから皆さんで向かう大山(だいせん)です。今夜の宿泊地でもあるんですよー」
蘭子「危篤状態!」(訳:今夜は山だ!)
奈緒「そういやほたるがさっき、山の幸って言ってたもんな」
亜子「そやったー!」
ほたる「亜子さん、本当に大丈夫ですか?」
亜子「山の幸って聞いたら、元気になった!」
奈緒「不安だ……」
~松江市 八重垣神社~
まゆ「なんだかひっそりとした神社ですねぇ」
智香「どうして出雲大社じゃなくて、この神社なんですかっ?」
?「それは私から説明するわ」
瑞樹「あら? 留美ちゃん?」
和久井留美「はい。ここからは、私が同道します」
茄子「よろしくお願いしますね♪」
留美「ええ。それで先ほどの智香ちゃんの疑問だけど、私たちアイドルに色々と個性や特技があるように、神社も祭神によって色々と個性があるのよ」
智香「そうなんですか」
留美「出雲大社は、毎年十月になると全国の八百万の神様達が集まってくるの」
瑞樹「聞いた事があるわ。だから十月は神無月なのに、島根でだけは神在月(かみありづき)と呼ばれるのよね」
まゆ「島根だけ、神無月って言わないんですかぁ?」
茄子「ええ。神無月は、神様が出雲大社へ行っちゃうから不在で神無月。でも島根は逆に、神様が集まってくるから神在月なの」
智香「なるほどっ!」
留美「その集まった神様達は全員で、色々なご縁を出雲大社で相談するの。だから出雲大社が縁を結ぶ縁結びの大神社なわけだけど」
茄子「その『縁』って、人間同士のご縁すべてなわけよね。でも、ここ八重垣神社は……」
留美「恋愛と結婚の『ご縁』を特に御利益とする神社なのよ!!!」
瑞樹「参拝しましょう!」
まゆ「はやくぅ!」グイグイ
智香「え? え?」ズルズル
茄子「まあ。うふふ♪」
http://i.imgur.com/gDIMozu.jpg
和久井留美(26)
茄子「ここ八重垣神社は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)と稲田姫(いなだひめ)を主な祭神としているの。八岐大蛇に生け贄にされそうになっていた稲田姫を素盞嗚尊が助けて、そして結ばれたのがここなの」
まゆ「聞いたことのあるお話ですけどぉ。あのお話は、ここが舞台なんですかぁ?」
留美「そういう伝承ね。そういうわけでここ八重垣神社は、日本最古の結婚式が執り行われた場所とされているのよ」
智香「へえー」
茄子「ふふっ、智香ちゃんはピンとこないみたいね」
智香「そんなことないですけどっ、昔話というか神話のお話ってなんだか現実味がないって言うか……」
茄子「そんな智香ちゃん、あの椿の木を見てちょうだい♪」
智香「あれ……ですか? あれっ?」
瑞樹「なんだか不思議な木ね。なにか変わっているというか……」
まゆ「この木……1本の木かと思ったら、根は二つの木に分かれてますよぉ!」
留美「ほ、本当ね。別々の二本の木が、途中から1本の木になってるわ」
茄子「この椿は、夫婦椿と呼ばれているの。伝承では、櫛稲田姫が地面に立てた2本の椿の枝が芽吹いて1本になったという言い伝えがあるのよ♪ 生まれた場所が違っても結婚して仲睦まじく一心同体、愛の象徴の木となるとして神聖視されているわ」
智香「仲が良い椿……うんっ、こんな夫婦っていいですよねっ☆」
茄子「しかもそれだけじゃないの」
留美「えっ?」
茄子「たとえ木が枯れても、境内には再び二股の椿が生えてくるというから不思議なの」
瑞樹「え? そうなの?」
茄子「境内には夫婦椿が現在、三本もあるのよ♪」
まゆ「うわあ……椿の木も伝説通り、ラブラブなんですねぇ。えへへ」
茄子「さあ、参拝しましょう♪」
芽衣子『みんなで仲良く昇殿参拝をした茄子ちゃん達。御利益……あるといいわね』(ナレーション)
瑞樹「八重垣神社の八重垣って、どういう意味なの?」
留美「先ほどの茄子ちゃんの話にもあったけど、ここで素盞嗚尊はヤマタノオロチと戦ったの」
まゆ「か弱いお姫様を、勇ましいヒーローが助けてくれる……素敵ですよねぇ」ウットリ
留美「……そうね。羨まし……じゃなくて、そのお姫様を守る為に素盞嗚尊は、杉の木を切って八重の垣根を作ってあげたそうなの」
茄子「その切られた杉の跡も、ここに残ってるのよ」
智香「ほんとですかっ!? うわあ、ただのお話じゃあないんですね」
茄子「そうよ♪ さあ、ここでおみくじをひいてね♪」
留美「え? あ、はい」
智香「あれっ!?」
まゆ「どうしたんですかぁ? 智香ちゃん」
智香「このおみくじ、開けてみてもなんにも書いてないんだけどっ」
瑞樹「私のもよ。これってハズレ……なのかしら?」
茄子「いえいえ、みなさんこちらへ♪」
留美「?」
茄子「ここが、鏡の池。稲田姫がヤマタノオロチから身を隠していた場所で、飲み水に使ったり身だしなみを整える鏡の代わりにしていた池なの」
留美「杉の森林の中にひっそりとあって、確かに神秘的な雰囲気を感じるわね」
智香「池の向こうには、ほこらがありますねっ」
茄子「さっきのおみくじですけど、実は水に濡らすと文字が浮き出るんです。つまりこの鏡の池で」
まゆ「濡らすんですねぇ」
茄子「そう♪ それでね、紙を広げて池に浮かべるんだけど、硬貨を一枚おみくじに乗せてね♪」
瑞樹「え? 沈んじゃわないの?」
茄子「ええ。沈むんだけど、自分のいた所から近い所に沈むと近くに、遠い所で沈むと遠くへ嫁ぐことになると言われてるんです♪」
留美「なるほど」
茄子「そして、早く沈めば早く、遅く沈めば遅く婚期が訪れると言われてるの♪」
留美「!」
瑞樹「!」
智香「硬貨って、どの硬貨でもいいんですかっ?」
茄子「ええ、特に決まりはないけどご縁を求めてという意味を込めて、五円玉でする人が多いかしら」
留美「でも特に決まりはないのよね?」
茄子「え?」
留美「ないのよね!」
茄子「え、ええ」
留美「お願い……頼むわね、私の500円硬貨」
瑞樹「知っていたら、実家から10万円記念硬貨を持ってきたのに……」
智香「茄子さん、この硬貨って池に沈んだ後はどうなるんですか?」
茄子「そのままお賽銭として奉納されるの」
まゆ「準備できましたぁ」
茄子「じゃあみんな、一斉に浮かべましょうか♪」
智香「いきますよっ☆」
留美「お願い!」
瑞樹「たのむわ」
まゆ「えへへへ」
茄子「まゆちゃんのおみくじ……かなり遠くまでいったわね」
智香「まゆちゃん、遠くの人とご縁があるのかなっ?」
まゆ「えへへ、どうでしょうねぇ」
まゆ(わかってますよ、Pさぁん。今まゆは島根にいて、Pさんはいつも通りお仕事。だからはなれているってことですよねぇ。まゆ、わかってますよ。わかってましたよぉ。だから遠くってことですよねぇ。そうなんですよねぇ。えへへ。Pさん。Pさん。Pさぁん……)
智香「あっ、アタシのおみくじもまゆちゃんの側まで行ったよっ」
まゆ「ほんとですねぇ。まゆと智香ちゃん、仲良しですからねぇ」
智香「うんっ☆」
茄子「一方、留美さんと瑞樹さんのおみくじは比較的動きませんね」
留美「つまり近くに……」ウンウン
瑞樹「わかるわ!」ウンウン
5分後
まゆ「おみくじの文字……まゆのは『良き縁にであう 東と南』ですかぁ。あ、沈みましたねぇ」
茄子「だいたい10分ぐらいで沈むから、かなり早いタイムね♪」
まゆ「そうですかぁ。えへへ、嬉しいですねぇ」
茄子(なんだかまゆちゃんのおみくじからは、不思議な重さを感じた気もするけど……気のせいかしら?)
智香「アタシのは……『遠出で良縁あり 東と北』……あ、沈みましたっ☆」
茄子「2人ともなかなか早いのね。これは2人とも、もう運命の人に会っているのかしらね」
まゆ「智香ちゃぁん。まゆが結婚する時はぁ、応援……してくれますかぁ?」
智香「えっ? もちろんだよっ☆」
まゆ「ありがとうございますねぇ。まゆも、智香ちゃんに好きな人ができたらお返しに応援しちゃいますからねぇ」
智香「まだアタシそういうのよくわかんないけどもありがとうねっ☆」
茄子「うふふ♪ 仲がいいわね。そしてこちらは……」
留美「がんばって、あなたはやればできる子よ!」
瑞樹「できるわ!」
12分後
……ポチャン チャポン
留美「沈んだ! 沈んだわ! 見たわよね、今沈んだのを」グッ
瑞樹「ええ、見たわ。よく……よくやったわ」グスッ
芽衣子「茄子ちゃーん」(中継)
茄子「え? この声は……あ、芽衣子さん?」
芽衣子「ええ。ねえ、私もそれやってみたいんだけど、代理でやってくれないかしら」
茄子「うーん。こういうのは実際に参拝しないと」
智香「おみくじも、買ってないですし」
留美「待って。代わりにこれ、どうかしら」
まゆ「いいですねぇ」
瑞樹「じゃあ私の五円玉で」
芽衣子「え? よく見えないけど何を……えっ?」
茄子「浮かべますね♪」
芽衣子「それって婚姻届? なんでそんなものを」
留美「たまたま持っていたのよ」
芽衣子「たまたまですか!?」
智香「でも茄子さんは、おみくじやらないんですかっ?」
茄子「うーん。私がやっちゃうと、すぐに沈んじゃうと思うのよね」
まゆ「さすが幸運の女神なんですねぇ」
留美「ちょっと……うらやましいわね」
瑞樹「わかるわ」
~鳥取県大山町~
奈緒「うわ、間近で見るとすごい山だな」
蘭子「雄々しき山よ」(訳:雄大な風景ですね)
ほたる「大山は伯耆富士とも呼ばれる、山陰の霊峰なんです」
亜子「山……まさか登山するん? い、いよいよイモトアコとしての仕事が?」ドキドキ
雫「残念ですけど、違いますよー」
ほたる「なんの準備もせずに登山は危険ですから……わ、私と登山とかしたら遭難したりするかも……」
奈緒「そんなことはないだろうけど、経験無いから登山はしないって聞いて安心したよ」
雫「搾りたての牛乳で、みんなでバターとアイスを作りたいと思いますー」
蘭子「ただの敵!」(訳:素敵!)
亜子「作りたてのバターってすごい美味しいって聞くもんなあ。新鮮な牛乳で作りたてのバターかあ、楽しみやなあ」
奈緒「作って30分過ぎちゃうともう風味が落ちるって、アニメにもなったマンガで読んだな。あれ、実際に食べられるなんて思わなかったよ。楽しみだ」
ほたる「喜んでもらえて良かったです。じゃあ、さっそく」
雫「乳搾りにいきますよー」
亜子・奈緒「「そこから!?」」
奈緒「ちょ、ちょっと怖いな。牛って間近に見るとけっこうデカいな」
蘭子「迷宮の番人」(訳:すごく……おおきいです)
雫「大丈夫ですよー。牛さんは、とーっても優しくってかわいいんですから」
ほたる「大山はジャージー牛が多いんです。そのミルクはとっても美味しいですよ」
亜子「ちょ、ちょっと怖いけど、美味しいモンのためならアタシがんばる!」
雫「じゃあはい、ここで牛さんのおっぱいを掴んでくださーい。そう、それでこう握って。それで人差し指から小指に向かって段々に力を入れていって下さいー」
亜子「こ、こう?」
雫「もっと強くしても大丈夫ですよー」
亜子「こう……かな?」
チョロッ
亜子「あ、で、出た!」
雫「初めてにしては上手ですよー。慣れるとこうして」
ジャーッ!
ほたる「やっぱり雫さんは、お上手ですね」
奈緒「お、おお。ちょ、ちょっとあたしもやってみたい……かな」
雫「どうぞー」
奈緒「こうかな?」
スーッ
奈緒「あ、できた?」
雫「じょうずですよー!」
蘭子「我が魔力の迸流れを見よ!」(訳:私も! 私もー!)
亜子「やってみると、けっこう楽しいなー。酪農」
雫「そう言ってもらえると、私もうれしいですねー」
奈緒「いや、ほんとだよ。牛もなんだか可愛く思えてきた」
ほたる「楽しんでできましたよね」
蘭子「及川雫さん!」(訳:すごい寮のミルクです)
雫「じゃあアイスを作りますね-。まずは卵を卵黄と卵白に分けて、卵白は泡立て器でメレンゲにしますー」
カシャカシャカシャ
奈緒「これ、けっこうキツいな。手が疲れてきた」
蘭子「機械文明の武器の脅威」(訳:電気式の泡立て器がありますけど)
奈緒「それ、早く出してくれよ!」
ウインウインウイン
亜子「あっという間にメレンゲに」
ほたる「便利ですね」
雫「メレンゲにグラニュー糖を加えて混ぜますねー。そして別に卵黄と牛乳とグラニュー糖、そしてバニラエッセンスを加えますー」
亜子「いい匂いがしてきた! ちょ、ちょっと味見してみてエエ?」
奈緒「亜子にやらせると、全部飲んじゃいそうだからな。蘭子、なめてみて」
蘭子「広告宣伝……鉄鋏にも勝利するわが拳」(訳:prpr……グーですよ)
亜子「うう……はよ食べたい……」
雫「これらを全部合わせて冷やせば、完成ですー」
亜子「冷やすって、どのぐらい?」
雫「3時間から6時間ぐらいですかねー」
亜子「そんなに待てないー」ジタバタ
ほたる「その間に、今度はバターを作りますね」
ガバッ
亜子「やったー!」
奈緒「単純だなあ、あはは」
雫「今の間に分離させて、冷やしておいた生クリーム。これを……」
ほたる「え? ペットボトルですか?」
雫「そうですー。これに入れてフタをして、はい亜子さんー」
亜子「え? これ、どうすんの?」
雫「振ってくださいー」
亜子「え? こ、こう?」
シャカシャカシャカ
雫「その調子ですよー」
3分経過
奈緒「あ、ちょっと生クリームがホイップっぽくなったかな? 亜子、がんばれ」
亜子「ちょ、ちょっと疲れてきたんですけど」
奈緒「食べた分のカロリー消費にちょうどいいよ。ほら、がんばれがんばれ」ウリウリ
亜子「せめてもっと智香さんみたいに応援してー!」
5分経過
蘭子「乙女座の黄金闘士の瞑想」(訳:ずっとシャカシャカしてますけど、変化ありませんね)
亜子「こ、これホンマにバターになるんですか?」
雫「ファイトですよーっ!」
亜子「……もしかして、智香さんのマネですか?」
雫「似てませんでしたかー?」
亜子「……アタシ、がんばる」
8分経過
亜子「あれっ!?」
奈緒「ど、どうした?」
亜子「急になんか手応えが……ガツンっていうか、ゴンっていうか」
雫「あ、きましたねー。じゃあペットボトルを横向きにして、横に大きく揺らすように振ってくださいー」
亜子「こ、こんな感じ?」
チャポチャポ
10分経過
雫「はーい。そろそろいいと思いますよー」
亜子「う、腕疲れた……」
奈緒「お疲れさま。うわ、ペットボトルの中で白くて丸いのが浮いてる」
蘭子「物々交換の手段?」(訳:これがバターですか?)
雫「そうですよー。浮いているのがバターで、水分はバターミルクです。さあ、急いで食べてみましょうね-」
ほたる「パンとふかしたジャガイモを、用意してきました」
奈緒「もー、ほたるは気がきくなー」ワシャワシャ
ほたる「あ、ありがとうございます////」
亜子「アタシ、一番のりー。うわ! こ、これ風味が全然違う!」
蘭子「豊穣の産物」(訳:すごく風味が豊かですね)
奈緒「お、おおー……これは確かに。もうこれ、バターじゃないみたい」
雫「これが新鮮なできたてバターですよ」
ほたる「本当に美味しい」
奈緒「これお土産にしたいけど、ダメなんだよな?」
雫「してもいいですけど、この風味が保てるのはせいぜい1時間ですねー。それでも市販のバターより全然美味しいと思いますけどー」
亜子「そうでしたね。これ、泉やさくらにもたべさせてやりたかったな」
蘭子「千慮の一失」(訳:残念ですよね)
いったんここで、止まります。
続きは2~3日中になります。
この後、島根組鳥取組ともに夜の部と2日目になっていきます。
http://i.imgur.com/YL6zE0M.jpg
~島根組 玉造温泉~
茄子「今夜は玉造温泉で、宿泊よ♪」
まゆ「静かな温泉街ですねぇ」
瑞樹「温泉……ちょっ楽しみね」
智香「さっそく入りましょうよっ☆」
留美「いいわね」
芽衣子「みんなで仲良く温泉……いいわね。今回は特別に許可をいただいて、水着での入浴よ」
まゆ「み、水着でも恥ずかしいですよぉ……」
茄子「そういえばまゆちゃんは、お仕事でも初水着かしら」
瑞樹「水着の上からバスタオルも巻いて、ガードが堅いわね」
留美(それはいいけど、なぜ手首にもタオルを……?)
智香「まゆちゃーん! ひゃっほーう☆」
茄子「さすがに智香ちゃんは、カメラの前でも水着慣れしてるわね」
瑞樹「あんまりはしゃがないでね」
留美「あら……この香りは薔薇かしら?」
茄子「はい♪ 大田市で品種改良に成功した特に香りの強い薔薇を、曜日限定で温泉に浮かべる薔薇風呂なんです」
瑞樹「いい香りね。なんだか嬉しいわ」
まゆ「綺麗ですねえ」
留美「まゆちゃん、薔薇に囲まれて素敵よ」
まゆ「留美さんも、綺麗ですよぉ」
瑞樹「旅の疲れが、いやされるわ……」
~大山大浴場~
芽衣子「そしてこちら鳥取組も、大浴場で入浴ね。こちらも許可をいただいて水着での入浴よ」
奈緒「み、水着とか聞いてないぞ////」
亜子「アイドルたるもの、サービス精神が大事ですよ」
雫「ここのお風呂、すごく大きいですねー」
蘭子「……羨望の眼差し」(訳:すごく……大きいです)ジー
ほたる「雫さん……すごいです」
亜子「なあ雫さん。ちょっとその……胸触ってみてもエエ?」
奈緒「お、おい。亜子」
雫「いいですよー」
亜子「じゃ、じゃあちょっとだけ……うわっ!」バインバイン
蘭子「まずは、その惨めな幻想をぶち殺す……ッ!」(訳:私も触らせてー!)ソゲブ
ほたる「わ、私もいいですか……」ボーン
奈緒「……」
奈緒「あたしにもさわらせてー!」
雫「あ、は、はいー」
芽衣子「あらあら。みんなもう、愛海ちゃんのことあれこれ言えないわね。視聴者の皆様にはここから先は、音声のみお送りしますね」
亜子「すごい……どうやったら、こんなに大きくなるんかな?」
蘭子「博士の日常?」(訳:やっぱり牛乳ですか?)
奈緒「そ、そうなのか?」
雫「どうでしょうねー? 確かに毎日飲んでますけどー」
ほたる「私も……飲むようにします」
雫「あと、酪農ですねー」
奈緒「ああ、けっこう楽しかったよな。毎日やるのは大変だろうけど」
蘭子「グレートホーン!」(訳:牛さんも可愛かったです!)
亜子「大っきかったけどぜんぜんアタシらのこと怖がらないし、アタシも可愛く思えてきましたよ」
ほたる「さあ、お風呂からあがったら夕食ですよ」
亜子「やたー! メニューは? なに? なに?」
奈緒「亜子……大丈夫か?」
ほたる「みんなでバーベキューです」
蘭子「ブー・レイ・ブー・レイ・ン・デー・ド。血の盟約に従いアバドンの地より来たれ。ゲヘナの火よ、爆炎となり、全てを焼き尽くせ、炎魔焦熱地獄」(訳:バーベーキュー大好き!)
~玉造温泉 島根組~
瑞樹「お風呂上がりは、てっきり浴衣かと思ったんだけど」
留美「きちんとした和服を着るのは初めてよ」
まゆ「でもぉ、こういうのってなかなか着る機会がないからちょっと嬉しいですねぇ」
智香「……動きにくいですっ」ムー
茄子「智香ちゃん、似合ってるわよ♪」
まゆ「茄子さんは、さすがに様になってますねぇ」
茄子「ありがとう♪ さて、今夜は島根の幸を召し上がっていただくわよ」
留美「私が事前に調べておいたわ。お刺身は、隠岐の島からの直送よ」
瑞樹「白身のお魚が多いのね。鯛と……」
留美「ノドグロというお魚だそうです。なかなか獲れない、高級魚なんですって」
智香「美味しいですっ☆」
まゆ「隠岐の島ってどこですかぁ?」
茄子「ここから北へ向かった海上の島よ♪ ろうそく岩とか色々と案内したいけれど、今回は時間がないからまたの機会にね」
留美「そしてこちら、なにかわかるかしら?」
まゆ「酢の物……ですよねぇ? でもこの橙色のはニンジンじゃないみたい」
智香「食べてみてもいいですかっ?」
茄子「どうぞ♪」
瑞樹「うーん。これ、もしかして柿かしら?」
茄子「ええ。島根は柿も名物で、酢の物……地元ではなますって言うんだけど、柿なますはよく食べられるの」
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隠岐の島ローソク岩
夕日が岩の頭頂にさしかかると、ローソクが灯ったように見えます。
留美「ここで問題よ。この柿は『出雲郷』という所でできた柿なんだけど、この地名……読めるかしら?」
まゆ「ええとぉ、出雲は出雲大社の出雲だから読みは『いずも』ですよねぇ。じゃあ……『いずもごう』?」
ブー
瑞樹「とすると『いずもさと』かしら?」
ブー
留美「正解はこちら、『あだかえ』よ。出雲郷と書いてあだかえという地名なの」
まゆ「えぇ?」
瑞樹「あの……」
茄子「なにかしら」
智香「どうして出雲郷であだかえ、って読むんですかっ?」
留美「えっ?」
茄子「え?」
留美「」ヒソヒソ
茄子「」ヒソヒソ
留美「?」ヒソヒソ
茄子「?」ヒソヒソ
留美「……」
茄子「……」
留美「次のメニューいくわね」
まゆ「えっ!?」
瑞樹「あの」
智香「どうして出雲郷で……」
留美「この椀もの! 冷めないうちにさあ飲んでみて!! さあ」
まゆ「え? あ、はぁい」
瑞樹「いいお味ね。それにこの具は……海苔ね」
智香「ご飯に巻く海苔とは全然違いますねっ。細くてしっかりしてるのに、磯の風味がすごいですっ☆」
茄子「これね、島根でも地域によってはお雑煮に入れたりするのよ♪」
瑞樹「それは美味しそうね」
留美「この海苔は今ではブランド化されているそうよ。獲れた土地の名前をつけて『十六島海苔』」
茄子「この十六島という地名、読める?」
まゆ「じゅうろくしま……ですかぁ?」
ブー
瑞樹「十六夜と書いて、いざよいよね。だからこの地名も、いざしまかしら?」
ブー
茄子「正解は『うっぷるい』よ♪」
まゆ「えぇ?」
瑞樹「あの……」
茄子「なにかしら」
智香「どうして十六島でうっぷるい、って読むんですかっ?」
留美「えっ?」
茄子「え?」
まゆ「……」
留美「」ヒソヒソ
茄子「」ヒソヒソ
瑞樹「……」
留美「」ヒソヒソ
茄子「」ヒソヒソ
智香「……」
留美「?」ヒソヒソ
茄子「?」ヒソヒソ
留美「……」
茄子「……」
留美「次のメニューいくわね」
まゆ「ええっ!?」
瑞樹「あ、あの」
智香「どうして十六島でっ……」
留美「次は、島根和牛のステーキよ!」
智香「ひゃっほーう☆」
瑞樹「……智香ちゃん」
まゆ「上手くごまかされてますねぇ……」
茄子「え、えへん。島根和牛は、とっても柔らかくて美味しい牛なの。智香ちゃん、焼き方はどうする?」
智香「一生懸命、焼いてくださいっ!」
茄子「ウエルダンね♪」
留美「まゆちゃんと、瑞樹さんはどうするの? 私は、ミディアムが好みだけど」
瑞樹「私もそうするわ」
まゆ「はぁい。まゆはレアが好きなので、レアでお願いしますねぇ」
瑞樹「本当、赤身の部分もきちんと旨味があって美味しいわ」
留美「肉汁もすごいわね。美味しい」
智香「まゆちゃん、ちょっととっかえっこしない?」
まゆ「いいですよぉ」
智香「モグモグ……うんっ! この血のしたたるような焼き具合も、柔らかくて美味しいねっ☆」
まゆ「ウエルダンも香ばしくて美味しいですねぇ。うん、焦げる寸前までお肉を焼くのもいいですねぇ……えへへ」
留美「そして特別メニュー、甘鯛のしゃぶしゃぶよ」
瑞樹「このしゃぶしゃぶのお出汁……濁ったみたいに白いけど、なにかしら」
茄子「ふふっ♪ これ、シジミのお出汁なんですよ」
まゆ「シジミですかぁ? あ、宍道湖の名産なんですよねぇ」
智香「あ、お昼に食べ損ねた七珍の最後の一つですねっ☆」
茄子「そうなの。この為に、お昼はもったいつけちゃったの♪」
留美「この甘鯛も、島根の名産なのよ」
瑞樹「知ってるわ。関西では、ぐじって言うのよね」
留美「そうですね。さあ、こうして甘鯛をシジミのお出汁でしゃぶしゃぶと……」
智香「……うわあ」
まゆ「すごく美味しいですねぇ。甘鯛って、本当に身が甘いんですねぇ」
瑞樹「そこへシジミの味が加わって……美味しいわ」
茄子「シジミの旨味は、コハク酸の旨味なのよね♪ それが白身魚ととても合うの」
留美「そしてシメはこの甘鯛とシジミの旨味がすべて詰まったスープで、おじやにするの」
智香「もう……なんて言っていいかわかんないぐらい美味しいですっ!」
まゆ「お腹いっぱいですけどぉ、もう少し食べたいですねぇ」
瑞樹「本当、美味しすぎてちょっと食べ過ぎちゃうわ」
茄子「満腹になってもらえたかしら? じゃあ、今日の最後にあちらへ……」
瑞樹「え? あそこって……」
茄子「ふふっ♪」
~大山町大山牧場~
雫「どんどん焼きますねー」
蘭子「我那覇響さん!」(訳:いい匂い!)
奈緒「本当だ、なんか今日食べてばっかりな気もするな」
亜子「良かった……アタシ、アイドルになってホンマ良かった……」ウルウル
ほたる「喜んでもらえて、私も嬉しいです。まずは子羊です」
奈緒「へえ。なんか羊ってあんまりなじみがないけど……うん、美味しい。臭みとか全然ないんだな」
亜子「でもやっぱり牛とは違うんやな。美味しい美味しい」
雫「食べ比べてみますかー? これ、牛ですよー」
亜子「え?」
蘭子「金牛宮の黄金聖闘士……」(訳:この牛さんってまさか……)
ほたる「え? あ、さっきの牛さんじゃないですよ。あれは乳牛でしたから」
奈緒「そ、そっか」
雫「それに、みなさんが美味しいって言って食べてくれるのが、育てた側からしても嬉しいんですよー」
亜子「そ、そうやな。なんぼ美味しいっていっても、ただ食べるんじゃなくてその生き物や育てた人や料理してくれた人に感謝しないとアカンですね」
奈緒「お、亜子は今回の旅でちょっと大人になったな」
亜子「え? あ、そ、そうですか////」
ほたる「はい、大山地鶏やソーセージとかも用意してありますから」
奈緒「ありがとうな、ほたる」
ほたる「は、はい////」
雫「どんどん焼きますよー」
蘭子「暗黒よ、闇よ、負界の混沌より禁断の黒炎を呼び覚ませ。パーラ・ノードイ・フォーモー・ブルール・ネーイ・ヴァセ・イーダー・イー・エイター・ナール・アイドール・ヘーブン・ン・ヘイル・イアイアンンマ・ダイオミ・ギーザ・オージ、死黒核爆烈地獄」(訳:どんどん焼いてください)
~玉造温泉 茶室~
瑞樹「最後は茶室でお茶なのね」
まゆ「この為の着物だったんですねぇ」
智香「か、茄子さん……」
茄子「どうしたの? いつも元気なのに、具合でも悪いの?」
智香「あ、アタシ、お茶の作法とか全然わかんないんですけどっ……」
茄子「なんだ、ふふっ♪ 気にしなくてもいいわよ、お客様にくつろいでもらうのが本来のお茶なんですもの。あんまり固くならないで」
留美「松江藩は七代目の当主、松平不昧公が文化人として様々なものを残しているの。茶道でも不昧流という流派が残っているのよ」
茄子「お昼に食べたおでんも、不昧公がもたらしたと言われているのよ。さあ、どうぞ」
智香「……苦い」
まゆ「智香ちゃん、まずはこのお菓子をいただくんですよぉ」
瑞樹「このお菓子も美味しいわね。ぎゅうひ餅を緑のお砂糖にまぶしてあるのね」
留美「松江は和菓子でも有名ね。これは若草というお菓子だったわね?」
茄子「はい。さあ、本日はこれで終わり。いよいよ明日は、出雲大社よ」
智香「ひゃっほーう☆ いよいよですねっ!」
瑞樹「楽しみだわ」
まゆ「そうですねぇ。まゆの赤い糸……いもよりもっと強くしてもらいたいですねぇ……」
~伯耆大山~
ほたる「奈緒さーん。どうしたんですか? 1人で」
奈緒「あ、いや……なんていうか、よく考えたらこの旅であたし最年長なんだよね」
ほたる「? あ、はい」
奈緒「トライアドでユニットやってる時でもさ、あたし一応最年長なのになんかむしろからかわれてる感じだし」
ほたる「そんなことないと思いますけど」
奈緒「楽しいからいいんだけどな。でも、こういう旅してる時は、あたしもちょっといい意味でお姉さんぶろうかな、って」
ほたる「……えらいんですね」
奈緒「い、いや、ちょっとその、今日は鬼太郎でテンションあがっちゃって、振り返ってみるとはしゃぎすぎたかなってな」
ほたる「うふっ。確かに奈緒さん、子共みたいに喜んでましたね」
奈緒「や、やっぱりそう見えた? だ、たからって言うか、これからはちょっと落ち着いた雰囲気出していくぞ! 明日ははしゃいだりしないからな!!」
ほたる「……えっ!?」
奈緒「明日は真面目におリポするぞ!!!」
ほたる「え? あ……」
奈緒「どうしたんだ? ほたる」
ほたる「あの……その……ご、ごめんなさい」
ダッ
奈緒「え? あ、おい、ほたる……?」
一旦ここで、止まります。
※訂正
>>144
×奈緒「明日は真面目におリポするぞ!!!」
○奈緒「明日は真面目にリポートをするぞ!!!」
>>76
×茄子「これは塩湯でした鯉の腹子
○茄子「これは塩茹でした鯉の腹子
×鈴帆「刺身っちゅうたら醤油けんど
○鈴帆「刺身っちゅうたら醤油やけんど
~玉造温泉 朝~
茄子「ではこれから、朝ご飯を作って食べるわね♪」
智香「自炊ですかっ!?」
まゆ「えへへ、まゆはお料理が得意ですからぁがんばっちゃいますねぇ」
瑞樹「あの……茄子ちゃん。昨日の食事がどれも美味しかったから、まだ少しお腹が重たいんだけど……」
茄子「大丈夫ですよ♪ 島根の朝ご飯といえば、卵かけご飯。今朝は、みんなで挑戦よ」
瑞樹「あら、それならさっぱりと食べられていいわね。でも、島根って卵かけご飯が有名なの?」
茄子「卵かけご飯専用のお醤油もあるんですよ。雲南市の特産でもありますね」
まゆ「じゃあまゆ、お米をとぎますねぇ」
留美「得意って言うだけあって、本当に手つきがいいわねまゆちゃん。なかなかよ」
まゆ「まゆこう見えて、家庭的なんですよ。はい、じゃあお米を……あれぇ?」
留美「どうしたの?」
まゆ「炊飯器はどこですかぁ?」
茄子「うふふ♪ 今日は、このお釜でご飯を炊くわよ」
瑞樹「え!?」
まゆ「お釜でですかぁ? やったことありませんけどぉ」
智香「なんだか面白そうっ! えっと、これで蓋をして火を付けるんですよねっ?」
茄子「ええ。最初は藁で、その火力で薪ね」
智香「これで空気を送るんですねっ? フーッ! フーッ!」
まゆ「がんばってくださぁい」
瑞樹「さすがに元気ね」
智香「えへへっ☆ アタシが応援してもらうなんて、なんか嬉しいなっ!」
茄子「じゃあご飯を蒸らしている間に、具材の用意をしましょうか♪」
留美「具材と言っても……後は卵じゃないの?」
茄子「いえいえ。まゆちゃん、海苔をあぶってくれるかしら」
まゆ「はぁい。これ、十六島の海苔ですねぇ?」
茄子「よく覚えていてくれたわね。智香ちゃんは、鰹節を掻いてくれる?」
智香「アタシの出身の鹿児島は、鰹節で有名なんですよ。得意だから、任せてくださいっ☆」
茄子「お願いね。留美さんと瑞樹さんは、これを」
留美「おネギね。刻めばいいのかしら?」
茄子「はい♪」
瑞樹「これはそぼろね。でも……鳥じゃないわね」
茄子「それは、鯛のそぼろなんですよ」
瑞樹「へえ。じゃあこれをよそっておくわね」
茄子「じゃあ食べましょうか♪」
智香「うわっ! アタシが炊いたご飯、お米が立っててピカピカですよっ☆」
まゆ「香りがいいですねぇ」
茄子「やっぱりお釜で炊いたご飯は、ひと味違うのよね♪」
まゆ「でも……こういうの作りたくても、最近はお台所もIHが多いですしねぇ」
留美「IH対応の土鍋が最近はあって、それならかなり近いものになるのよ」
瑞樹「知らなかったわ」
留美「あと、圧力鍋でご飯を炊くのも美味しいわ。お釜で炊いたご飯に近くなるの」
まゆ「それなら、できそうですねぇ」
まゆ(Pさんに、美味しいご飯を食べさせてあげられるかもしれませんねぇ……えへへ)
智香「じゃあ……いただきますっ! ……うわあ」
まゆ「美味しいですねぇ!」
留美「本当……炊きたてのご飯で、卵も新鮮だけどそれだけでこんなに違うのかしら」
瑞樹「この専用のお醤油、確かによく合うわ」
茄子「ねえ? ご飯も卵も、他の具材も甘みとなめらかさがでるのよね♪」
瑞樹「なんだかまた、いくらでも食べられちゃうわね」
まゆ「これは帰ってからもまた、作りたいですねぇ」
留美「本当ね。こんな朝食を作れたら……」
まゆ・留美(あの人に、喜んでもらえる……)
まゆ「えへ。えへへへへぇ////」
留美「うふっ////」
智香「?」モグモグ
茄子「さて♪ いよいよ出雲大社へ向かうけれど、留美さんとはここでお別れでしたよね?」
智香「そうなんですかっ? 寂しいです……」
瑞樹「そうね。同道しないの?」
留美「もう少し残って、昨日のレシピとかも学ぼうと思っているのよ」
まゆ「それ、帰ったらまゆにも見せてもらうませんかぁ?」
留美「いいわよ。じゃあまた、事務所で」
茄子「サポート、ありがとうございましたね♪」
~大山牧場 朝~
亜子「……」
蘭子「……」
雫「……」
奈緒「な、なあ、ほたる……」
ほたる「あ、わ、私ちょっとスタッフの人と打ち合わせが……」
ダッ
亜子「……なにがあったんですか?」
奈緒「ふう……へ? な、なにが?」
雫「なにか変ですよー? 奈緒さんもほたるちゃんもー」
奈緒「べ、別になんにも……」
蘭子「聖母の眼差し?」(訳:百合展開ですか?)
亜子「え? まさか奈緒さんがほたるちゃんに手ぇ出して、それで気まずいとか?」
奈緒「ち、ちがーう! ていうか蘭子、どこでそんな言葉を覚えたんだよ!?」
蘭子「双尾と電動ドリルの対決!」(訳:奈緒さんが貸してくれたDVDですけど)
奈緒「あー……そういえば……い、いや、違うって。なんか夕べから避けられてるみたいなんだよな、ほたるに」
亜子「なんか変な事言ったんじゃないですか?」
奈緒「そんなこと無いと思うんだけど……」
雫「とにかく道中で仲直りしてくださいねー。これ、途中で食べてくださいー」
亜子「あ、エエ匂い。焼きたてパンだ!」
雫「昨日のバーベキューの残りを挟んでますからー。じゃあ、気をつけてー」
奈緒「え? 雫は行かないのか?」
雫「私はもう少し牛さんのお世話をして行きますねー」
蘭子「力と破壊を司る黄金聖闘士!」(訳:牛さんによろしくー♪)
奈緒「色々ありがとな」
亜子「はふぁねー」フゴフゴ
奈緒「だから食べながら喋るな、って」
http://i.imgur.com/L1ZedVn.jpg
ありがとう、牛さんー!
~JR山陰線 来待駅~
?「ん? 誰かが今、あたしのアイディンティティを奪おうとしていた気配が……?」
茄子「あ、いたいた。ここよー♪ みちるちゃん!」
大原みちる「あ、どうもおはようございます! ここからのサポート、みちるでーす」
智香「ひゃっほーう☆ よろしくねっ!」
まゆ「わざわざ待っててくれたんですかぁ?」
みちる「はい!」
瑞樹「来るのを待つ駅……なかなかいい名前ね」
茄子「ええ。待ち合わせならここかな、と思いまして。じゃあ行きますよ」
智香「いよいよ出雲大社だーっ!」
みちる「いいえ」
まゆ「え?」
茄子「その前に……ふふっ♪」
http://i.imgur.com/fwLNN8b.jpg
大原みちる(15)
~鳥取組 湯梨浜町~
亜子「このパン、美味しいなー」
蘭子「天界め……我が臓腑を狙うつもりか……だがそうはさせぬ」(訳:今日も美味しいモノをいっぱい食べられそうですね)
奈緒「なあ、ほたる」
ほたる「!」ビクッ
奈緒「あ、あたしなんかほたるの気に障るようなこと、したか?」
ほたる「え? い、いいえ」
奈緒「でも……夕べからその、ほたる……」
キキッ
亜子「え? なんでバスが急に止ま……えっ!? な、なんか変な白覆面の人が乗り込んできた?」
奈緒「なんか見た事ある覆面だな……あれ? あれって……」
蘭子「星輝子ちゃんのキノコ!」(訳:トモダチ!)
トモダチ?「アイドルのみーみさーん!! あーそーびーまーしょ」
亜子「ひええ……な、なんやこれ!?」
蘭子「ほ、ほたるちゃん?」
ダッ
奈緒「え? ほたる……? なんでそいつの隣りに……」
ほたる「ご、ごめんなさい奈緒さん! 本当に……ごめんなさい!!」
トモダチ?「ふっふっふっふっ……っス」
http://i.imgur.com/0ZuApos.jpg
マイフレェェェンンンズ……トモダチ
~島根組 湯の川温泉~
まゆ「ま、また温泉ですかぁ? は、恥ずかしいですよぉ////」
智香「ひゃっほーう☆ 朝からお風呂だっ!」
瑞樹「でもきっと、意味があるのよね?」
茄子「ええ。やはり神様の前に出るんですから、斎戒はともかく沐浴はしていきたいですから♪」
みちる「それだけじゃなくてですね、ここ湯の川温泉は日本三美人の湯と称されている美肌効果満点の温泉なんです」
まゆ「!」ブクブクブク
茄子「あらあら、そんなに頭まで浸からなくても大丈夫よ♪」
智香「でも確かに、お肌がスベスベしてきた気がしますっ☆」
瑞樹「ほんとよね。島根って温泉が本当に多いし、色々な湯質があるのね」
みちる「そしてそのお湯を使って、湯種パンも作っているんですよ!」フゴフゴ
茄子「みちるちゃん? 温泉の中で飲食はやめてね」
みちる「……ごめんなさい」
まゆ「これから出雲大社へ行くのに、御利益がなくなっちゃうかも知れませんよぉ?」
みちる「えっ?」
瑞樹「神様はみているわね」
みちる「そうなんですか?」
智香「ウンウン」コクコク
みちる「うう……あたしって、ほんとバーガー」
茄子「まあまあ、落ち込まないで。きちんとお参りすれば大丈夫よ♪」
みちる「大原みちるの、バーガ! バーガー!!」
智香「まあまあっ」
瑞樹(なんとなく、本気で反省していないような気がしたけど……気のせいかしら)
まゆ「じゃあいよいよ、出雲大社へ行きますよぉ!」
茄子「ふふっ♪」
~鳥取組 湯梨浜町~
亜子「え? ば、バスジャック?」
トモダチ?「そうっスよ」
蘭子「ほたるちゃん……」
ほたる「ごめんなさい、奈緒さん……」
奈緒「え? ど、どういうことだよ、ほたる……」
ほたる「な、奈緒さんがせっかく……せっかく最年長としてがんばるって言ってらしたのに……」
奈緒「え?」
スルッ
荒木比奈「なんか悪かったっスね。アタシが加わって」
亜子「ひ、比奈さんやったんか……び、びっくりした」
蘭子「原罪を持って生まれし人間の咎よ」(訳:人が悪いですよ)プンプン
比奈「いや申し訳ないっス。実はこれには理由があって……ジャン」
http://i.imgur.com/Bu1c8T8.jpg
鳥取県の名産果物
亜子「……なんですか? これ」
比奈「湯梨浜町は、二十世紀梨で有名な産地なんスよ」
蘭子「雷の恐怖」(訳:なるほど)
比奈「有名なマンガのトモダチのコスプレにも興味あったスから。いや、ほんとメンゴっス」
奈緒「え? え? じゃあ夕べからほたるがあたしにオドオドしてたのは……あたしが最年長だから頑張るって、言ったから……なのか?」
比奈「アタシ20ッスから、奈緒ちゃんが最年長じゃなくなるのをほたるちゃん気にしてたっス」
ほたる「せっかく奈緒さんが張り切っているのに、私また人の頑張りに水を差すようなことを……」
奈緒「な、なんだよ。そんなの気にすることないのに」
ほたる「えっ?」
奈緒「あたしはまた、なんかほたるを怒らせたのかと思っちゃってたよ。なんだよ……ああ、安心した」
ほたる「でも私……」
奈緒「気にするなって。あれはあたしの心構えってだけだし、昨日から言ってるけどほたるは本当に頼りになるから」
亜子「ほたるちゃんと一緒におって、ヤなことなんかないで。アタシ、ほたるちゃん大好きやし」
蘭子「先の副将軍!」(訳:私も!)
比奈「アタシもっスよ。ていうか、事務所のみんなもファンもほたるちゃんが大好きなんスからもっと自信持つっス」
ほたる「みなさん……」
http://i.imgur.com/r6UHhD2.jpg
ほたるは、幸せ者です……
http://i.imgur.com/iFaOinP.jpg
荒木比奈(20)
~出雲市出雲大社~
智香「うわあ、大っきい鳥居ですねっ!」
まゆ「やっぱり大きくて、雰囲気ありますねぇ」
瑞樹「神聖な空気ね」
みちる「街並みも、なんだかやっぱり違いますね」
茄子「ここは神門通りと言うの。ここから本殿に参拝するんだけど……」
みちる「皆さんには、これに着替えてもらいます」
まゆ「えぇ? あ、最初のVにありましたねぇ。巫女装束ですかぁ」
瑞樹「私、興味あったの。ちょっと嬉しいわ」
智香「また窮屈な衣装……」ムー
茄子「それがその……本物の巫女装束は、許可が出なくて……」
瑞樹「そうなの? でもこれ、巫女装束にしか……あら?」
まゆ「えぇ!?」
智香「これって……」
まゆ「どうしてこれ、腕の部分だけ独立してるんですかぁ////」
みちる「一見すると巫女装束ですけど、その実ノースリーブですね」
瑞樹「腋が丸見えね……」
智香「ひゃっほーう☆」
まゆ「智香ちゃん……俄然、元気ですねぇ……」
茄子「これなら、って許可が出て……ともかく、いきましょう勢溜から参拝するのが正式な参拝なの。途中の右手の祠は、穢れを払う祠だからそこも拝むわね」
瑞樹「色々と手順があるのね」
まゆ「こういうのをきちんとしてるから、茄子さんは幸運を持ってるのかも知れませんねぇ」
茄子「さあ、どうかしら。あ、みちるちゃんに智香ちゃん、参道は真ん中を歩いちゃだめよ」
みちる「え?」
智香「どうしてですかっ?」
茄子「真ん中は神様が通られる道なの。昔は参拝客もこの道は通れなかったぐらい、神聖な通りなのよ」
智香「そうなんですか」
瑞樹「あら、太鼓橋ね」
茄子「ええ。四カ所に橋があるんです。そして手水舎です。ここで身体を清めますね」
茄子「ここが社殿よ」
まゆ「立派な建物ですねぇ」
智香「しめ縄も、すごくおっきいよっ!」
茄子「さあ、参拝ね。出雲大社では二拝、四拍手、一拝なの。間違えないようにね」
智香「えっ?」
茄子「最初に二回拝んで、それから四回手を叩く、そして一回拝むということなのよ」
瑞樹「普通の神社と違うのね」
みちる「調べておきましたよ。普通の神社は二拝二拍手一拝だそうです」
まゆ「じゃあ今日は、きちんと出雲大社の流儀でいかないといけませんねぇ」
パチパチパチパチ
瑞樹(どうかいいご縁を……)
智香(……うーんと……とにかくなにか、いいことがありますようにっ☆)
まゆ(Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……Pさん……)
みちる(パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……パン……)
茄子「……どうかしら? いいご縁がお願いできたかしら」
まゆ「はぁい。えへへ」
智香「はいっ!」
瑞樹「みちるちゃんは、どんなお願いをしたの?」
みちる「え? えへへ、恥ずかしいから内緒ですよ////」
茄子「そして社殿の奥にある、ここが本殿。今年は60年ぶりに遷宮が行われて、社が新しくなったの」
瑞樹「綺麗な社ね」
茄子「そしてまた社殿に戻るんだけど、社殿の西側にも拝礼所があるから忘れずに参拝しないとね」
まゆ「えぇ? 正面の他にも、拝む場所があるんですかぁ?」
茄子「ええ。というのも、普通神社では奉納されている神様は正面を向いていて、参拝した人は神様に対峙して拝むんだけど……」
みちる「出雲大社では、神様は西側の方角に奉納されているんですって」
瑞樹「そうなの。知らなかったわ」
茄子「だから、神様と正対峙できる西側にも拝礼所があるの。これは地元の人じゃないとよく知らないことかもね」
~鳥取組 大栄町~
ほたる「実はその、奈緒さん……もうひとつ謝らないといけないことが……」
奈緒「え? だからもう、謝ることなんかないって言ってるのに」
ほたる「それが、その……実は今日もアニメに関係ある土地なんです。せっかく奈緒さんが、その……」
奈緒「え……あ、あれ? あれって……」
比奈「ここで……ネクスト比奈っス、ヒーント!」
亜子「な、なんや?」
蘭子「芸術絵画?」(訳:え?)
比奈「『名探偵』。さあ、わかったかな?」
亜子「あ、外に看板が」
奈緒「え? あれは……」
蘭子「現実はいつも酷っ!」(訳:名探偵コナンだー!)
ほたる「ごめんなさい奈緒さん。あの……黙ってましたけど鳥取県大栄町は、名探偵コナンの作者青山剛昌先生の出身地なんです。その点ごめんなさい……」
奈緒「うおおおぉぉぉーーーっっっ!!! やったあああぁぁぁーーーっっっ!!!」
ほたる「あの……奈緒さん?」
比奈「ほたるちゃん、杞憂っスよ。奈緒ちゃんがコナン君で喜ばないはずないっス」
奈緒「よーし、今日はあたし歌っちゃうぞー! いきまーす、エンディング曲『無職』」
亜子「やたー! 奈緒さーん」
蘭子「暗黒舞踏」(訳:私、踊っちゃいまーす)
比奈「ね?」
ほたる「よ、よかったです……」
奈緒「職に手が届くはずない♪ どうしてこんなに内定は遠い♪」
比奈「さあ、青山剛昌記念館に着いたっスよ」
奈緒「あそぶぞおおおぉぉぉーーーっっっ」
比奈「負けないっスうううぅぅぅーーーっっっ」
亜子「いやー。奈緒さんは可愛いなあ。あ、ほたるちゃんここにはなんか美味しいモンは?」
蘭子「破損せしクラリネット」(訳:ソレばっかりですね)
亜子「ええやん。食べることはアタシの趣味やから」
ほたる「ちょっと時期が外れちゃったんですけど、スイカがありますよ」
亜子「やたー!」
蘭子「血の色!」(訳:赤くて美味しそう!)
ほたる「このスイカの赤さ、実はトマトのリコピンと同じなんですよ」
亜子「え? あの身体にエエって有名な?」
ほたる「はい。それも、トマトの3倍のリコピンがあるそうなんです」
蘭子「素晴らしき味覚」(訳:しかも美味しいです)
亜子「こら、食べないと損やね」
ほたる「あ、ほどほどに……」
~島根組 日御碕灯台~
茄子「旅の終わりは、ここ日御碕灯台よ。灯台としては日本一の高さなのよ」
まゆ「夕日が……白い灯台に映えて、綺麗ですねぇ」
瑞樹「駆け足だったけど、とっても充実した旅だったわ」
智香「楽しかったですっ☆」
みちる「本当は、島根県西部地方も紹介したいんですけど」
茄子「この間の大雨災害で、大変なのよ。でも着々と復興してるから、またぜひ案内させてね♪」
瑞樹「それはこちらからお願いしたいわ」
まゆ「まゆも、楽しみにしてますから」
智香「はいっ! 茄子さん、それとみちるちゃんありがとうね」
~鳥取組 鳥取砂丘~
奈緒「いやーまたはしゃいじゃった。ゴメンな、ほたる」
ほたる「いいえ。喜んでもらえて、嬉しいです。ふふっ」
亜子「ここが鳥取砂丘……ホンマ砂漠みたいやな……」
蘭子「我が故郷よ」(訳:魔界の風景みたいですね)
比奈「あ、ラクダがいるっスね!」
奈緒「そういや最初に見たVで、ほたるが乗ってたな。本当にいるんだ」
ほたる「観光客用なんです。乗ってみますか?」
蘭子「我が足となり命を受けよ」(訳:乗りたいです)
亜子「なんだか……夕日の砂丘ってもの悲しいな」
比奈「お、亜子ちゃんらしくないしんみりした雰囲気っスね」
亜子「あ、アタシかてたまには……でも、綺麗やな」
奈緒「そうだな。砂と海が赤く染まって……本当に綺麗だよ」
亜子「ホンマ……こないな景色がタダで見られて、得したなあ……」
比奈「亜子ちゃん……台無しっス……」
亜子「……ゴメン」
奈緒「今はただ、この景色に感動しようよ」
比奈「そっスよ」
亜子「はい……」
グー
奈緒「……亜子、今アイドルにあるまじき音を出したろ?」
亜子「……ゴメン」
ほたる「みなさーん」
比奈「あ、2人とも帰ってきたっスね」
蘭子「快適なり我が愛機」(訳:ラクダは楽だ……ふふっ)
ほたる「お腹空きませんか? カレーが用意してありますけど」
亜子「やたー!」
奈緒「まったく、食べ物だとすぐはしゃぐんだから……まあ、あたしも人の事はいえないか」
ほたる「鳥取は、カレーの消費量が日本一なんです」
蘭子「重税!」(訳:すごいコク!)
比奈「本当に美味しいっス。あれ? あそこでなにやってるっスか?」
ほたる「ああ、草取りですね」
奈緒「え?」
ほたる「鳥取砂丘も緑化が進んでいて、ほっておくと砂丘が緑になっちゃうんです。だから、ああして地元の人が砂丘を保つためにがんばってるんですよ」
比奈「つまり砂丘は、荒廃してるわけじゃなくて努力してこの姿を保ってるってことっスか」
奈緒「ちょうどいいや。亜子、腹ごなしにあたし達も手伝おう」
亜子「そうですね、お世話になった鳥取県に恩返しを!」
蘭子「くくく……我が腐敗の腕を見るがいい」(訳:私も草むしりしますね)
比奈「みんな若いっスね。どれ、アタシもがんばるっス」
ほたる「みなさん、ありがとうございます」
芽衣子「はい。島根組も鳥取組も、旅を満喫したみたいね。コーディネーターとして、私も嬉しいわ」
芽衣子「芽衣子の選べる☆トラベル、次はあなたの住む街に行くかも知れません。その時を、お楽しみにー♪」
お わ り
以上で終わりです。
時間が取れず、予定よりかなりかかりましたが完結できました。
アイドル達に旅モノ・グルメリポをやって欲しかったんですが、いざとなると色々と紹介したくなり長くなりました。
まだまだ島根と鳥取の魅力を書き切れていませんが、これで終了となります。
読んでくださった方、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
旅もの好きです。