唯「ハンター試験?」(1000)
唯「って何?」
澪「え?唯・・・ハンター試験知らないのか?」
唯「うん・・・え?みんなは知ってるの?」
律「そりゃあな」
紬「ええ」
梓「むしろ知らない事にびっくりです」
澪「ハンターって職業は知ってるか?」
唯「聞いたことは・・・あるような、ないような・・・」
梓「まあ日本ではそんなにハンターの仕事もありませんしね」
律「でもさぁ・・・あたしでも知ってるんだぜ?」
澪「唯、ハンターってのはな・・・」
さわ子「
梓「
ハンターとは
怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣・音楽……など、稀少な事物を追求することに生涯をかける人々の総称
プロのハンターの資格を得るには、数百万分の一の難関と言われるハンター試験を突破しなければならない
今のところ、全世界に600人ほど居るらしい
律「・・・つーわけで、そのハンター試験を受験しようかって話になってるんだ」
唯「ええ!?」
紬「元々は私が受けるだけだったの。そのことをみんなに話したら、みんなも受けるって事に・・・」
澪「まあ無謀な挑戦だとは思うけどな・・・試験は1年に1回だし今は学校も休みだし記念受験というか」
唯「・・・一応驚いてみたけど良くわかんないや」
梓「唯先輩らしいですね・・・」
律「まあ詳しい話は置いといて、とりあえず明日試験会場に向かう船が出るから」
唯「いきなり過ぎるよりっちゃん・・・」
律「ってわけで明日の朝8時に港に集合な!」
紬「心配しないで唯ちゃん、みんなの事は琴吹グループが全面的にバックアップするから」
唯「う~ん、わかったよ!わたし頑張る!」フンス
その夜
唯「憂~わたしハンター試験っての受ける事になったんだ~!」
憂「ハンター試験!?」
憂「だめだよお姉ちゃん!!死んじゃうよ!!!」
唯「憂は大げさだなぁ・・・良くわかんないけど死ぬわけないじゃん!」
憂(言っても無駄そうね・・・私がなんとかしなきゃ・・・!)
憂「そうだよね、ごめんお姉ちゃん!」
唯「うん!おやすみ憂!」
次の日の朝
唯「おはようみんな~」
律「おう唯、やっぱりお前もギター持って来たな」
唯「あずにゃん、澪ちゃん!二人ともやっぱり!」
澪「まあな」
梓「一応ですよ」
律「さて、じゃあ船に乗るか」
梓「はい!」
紬「みなさんよろしくね」
琴吹家執事「お任せくださいお嬢様」
憂(一応マントで全身覆って着いて来たけど・・・)
憂(お姉ちゃんにばれないようにしなきゃ・・・何とかして諦めさせないと)
こうして放課後ティータイムのメンバーと琴吹家の執事達、そして憂が船に乗り込んだ
「荒れるな・・・」船長の一人言が唯の耳にいつまでも残った
ピカッ ゴロゴロゴロ ザッパァーーン!!
参加者「うわぁあああああ!!!」
参加者「ひいいいぃいいいい!!!」
・・・・・・・・・・
船長「ふう、まぁまぁの嵐だったな」
船長「今年の受験者はどうだ?」
船員「ほとんど全滅です」
船に乗っていた受験者は先刻の嵐でほとんど全員がダウンしていた
船長「ちっ、こんなんでハンター試験を受ける気かこいつら・・・ん?」
唯「ムギちゃんケーキ食べたい~」
紬「はいはい♪斉藤!」
斉藤「は、ただいま」
律「しかしムギに貰った酔い止め・・・」
澪「あれが無きゃ私たちも死んでたな・・・」
梓「すごい効き目ですよね・・・」
紬「うふふ♪あれは琴吹グループ特製の酔い止めだもの」
澪「いや・・・ムギと唯は飲んでなかったろ・・・」
紬「あら知ってたの♪」
他にも琴吹家の執事や数人の参加者が無事に残っていた
船長「今年は・・・随分豊作だな・・・」
甲板
唯「ふう、いい風だね~気持ちいい!」
少年「・・・」
唯「おっ!君もハンター試験を受けるの?」
少年「うん!お姉さんさっきはすごかったね!あの嵐の中お茶飲んでたし」
唯「なんのなんの、君も酔った人の看病してたよね!」
少年「へへ」
・・・・・・・・
船長「ん?お前ら今頃船酔いか?」
唯「いやぁ、また嵐が来るからね!今のうちに海を見ておきたくて」
少年&船長「!」
船長「姉ちゃん・・・なぜ分かった?」
唯「いやぁ、鳥さんがそう言ってるからね!」フンス
少年「確かに・・・ウミヅルはそういってるよね。あと、湿気が多いし風に塩気が増してきた」
船長「こいつら・・・」
船長(それを言い当てたのは過去に一人だけだぜ)
船長『あー、今からさっきの倍近い嵐の中を航海する。命が惜しい奴は救命ボートで最寄りの港に行け!』
この場内アナウンスにより船に残った参加者は最初の1割以下になっていた
と言ってもそのほとんどが琴吹家の執事達なのだが
船長「さて、じゃあ自己紹介でもしてもらおうかな」
唯「平沢唯!ギターだよ!」ジャジャーン
澪「あ、秋山澪です。ベースやってます」
律「田井中律!ドラムだぜい!」
紬「琴吹紬、キーボードです」
梓「中野梓、ギターです」
憂(うう・・・正体がばれないようにしないと・・・)
憂「う、あ・・・アイです!」
唯(なんかあのマントの人知ってる人のような気がするんだけど・・・まいっか)
アイ(ばれてないよね・・・)
少年「オレはゴン!」
レオリオ「オレはレオリオだ」
クラピカ「私の名はクラピカ」
執事「私は・・・」
ムギの執事達の自己紹介が終わるのに5分ほどかかった
唯「ゴンくんっていうのか~よろしくね!」
ゴン「うん!こちらこそよろしく唯さん!」
グラグラ・・・ ピカッ ゴロゴロ ザッパァァァァン!!!
唯「ねえみんな」
唯「すごい嵐だねぇ」
紬「そうねぇ」
澪(なんで酔い止め飲まないでも平気なんだ・・・?)
唯「レオリオさんとクラピカさん、喧嘩しに行っちゃったね」
ゴン「・・・」
ゴン「唯さん」
唯「なぁにゴンくん!」ギュー
ゴン「二人の様子を見に行かない?」
唯「うん・・・いいよ」(反応が無いとつまんないなぁ・・・)
梓(あのガキ!唯先輩に抱きつかれて顔色一つ変えないなんて!なんて失礼なガキだ!)
甲板
レオリオ「いくぜクラピカ!」
クラピカ「こいレオリオ!」
唯「こんな嵐の中で喧嘩しなくても・・・」
ザッパーーーーーーーーーーーーン!!!
船員「うわぁっ!!!」
今の波で船員の一人が海に投げ出されそうになる
とっさにレオリオとクラピカが手を伸ばすが届かない
レオリオ「くそっ!」
しかし次の瞬間、ゴンと唯が体ごと飛び込んで船員の足をつかんだ
クラピカ「唯ちゃん!」
レオリオ「ゴン!」
唯とゴンはなんとか船員を助け、そして自身も助けられた
クラピカ「なんと無謀な!」
レオリオ「バカかオメーらは!!」
ゴン「はは・・・でも」
唯「つかんでくれたじゃん!」
レオリオ「はは・・・」
クラピカ「ふっ・・・」
レオリオさんとクラピカさんは仲直りしたみたい!男の子って単純だけどなんかいいね!
船長(面白いやつらだな)
港
船長「着いたぜ、ここがドーレ港だ」
唯「いろいろありがとう!せんちょーさん!」
ゴン「楽しかったよ!」
船長「おう!それと最後に一つ、試験会場に行くんならあの一本杉を目指せ」
唯「あの山のてっぺんにある木?」
船長「ああ、それが一番の近道になるはずだ」
唯「分かった!ありがとう!」
ゴン「唯さん、俺レオリオとクラピカと一緒に行く事にしたんだけど・・・一緒に行かない?」
唯「う~ん、誘ってくれのはうれしいけど私は軽音部のみんなと行くよ!」
ゴン「そっか、じゃあまたあとで会おうね!」
唯「うん、試験会場で!」
アイ(私は・・・お姉ちゃん達を尾行しないと・・・)
唯「さて、そろそろ行こっか?」
澪「その前に唯、ほんとに一本杉を目指すのか?」
唯「え?」
澪「だって会場のザバン市は一本杉とは反対方向だぞ!?」
唯「う~ん・・・でも船長さんが言ってたし、私は一本杉を目指すよ!」
澪「みんなはどう思うんだ?」
律「あたしは別にどっちでもいいぜ」
梓「私は唯先輩についていきます!」
唯「おお~あずにゃん大好き~」ギューッ
梓「ひゃっ//抱きつかないでください!」(やっと抱きついてもらえた・・・///)
紬「私も一本杉に行ってみるわ」
澪「唯のバカ!もういい!律行くぞ!」ガシッ
律「おわっ引っ張るなよ・・・唯ー!後で落ち合おうなー!」
唯「うん・・・わかったよー!」テクテク
澪「見ろ律、ザバン市には直行バスが出てる」
律「なあ澪・・・お前の気持ちもわかるけどさぁ・・・ここは船長の言うこと聞いとくべきじゃないか?」
澪「私は合理的な行動をとってるだけだ!」
通行人「・・・おい、ザバン行きのバスは一つも目的地に着いてないらしいぜ・・・」
通行人「・・・受験者をふるいにかけてる訳か、馬鹿はここで脱落だな・・・」
澪「・・・」
律「・・・」
澪「し、仕方ない。唯達についていってやろう!」
律「・・・」
澪「私たちがいないと寂しいだろうしな!・・・」
律「・・・」
澪「律・・・ごめん」
律「あたしじゃなくて唯達に言ってやれよ、ほら行くぞ!」ガシッ
澪「うん!」
・・・・・・・・・・
澪「唯ー!ごめーーーーーん!!」
唯「澪ちゃん!」
謎の町
唯「一本杉を目指してたら変なとこにでちゃったね」
紬「そうね・・・でも人はたくさんいるみたいね」
梓「え!?人なんて一人も・・・??」
唯「息づかいとか、衣ずれの音がするし・・・」
紬「何より気配が消せていないわ、琴吹家の執事達とは大違い」
澪(この二人は一体何者なんだろう)
ざわざわ・・・ぞろぞろ・・・
律「人がいっぱい出てきた・・・」
老婆「ドキドキ2択クイ~~~~~~~~~~~ズ!!!」
唯「うわあ!びっくりした!」
老婆「一本杉にはこの町を通過しないと絶対に行けないよ、これから出題するクイズを間違えたら今年のハンター試験は終了さ」
紬「これも試験の一環ってわけね」
老婆「問題は1問だけ、1か2で答えること!それ以外の返事は間違いとみなす!」
澪「5人で1問なのか?」
律「なんでそんなこと聞くんだよ?」
澪「だってもし律が間違えたら私まで失格ってことだろ?」
律「あり得ないね、むしろ逆の可能性があまりに高くて泣きたくなるよ」
澪「なんだと・・・」ボカスカ
律「やんのか・・・」ボカスカ
梓「はぁ」
受験者「おい、やらないなら先いいか?」
唯「え?」
受験者「なんだよ、お前らだけが一本杉の情報を知ってる訳じゃないんだぜ」(ほんとは港で立ち聞きしてたんだがな)
紬&唯「ええいいですよ、どうぞ」
紬(問題の傾向もわかるしね)
唯(問題の傾向を知っておくのも悪くないよね!)
受験者(バカめ、先に行って罠をいっぱい仕掛けてやる)
老婆「では問題」
老婆「Utauyo!!MIRACLEとNo,Thank You!、名曲はどっち?1、Utauyo!!MIRACLE 2、No,Thank You!」
紬(何?このクイズ・・・正解なんてあるの!?)
唯(1のUtauyo!!MIRACLE)
澪(2のNo,Thank You!)
受験者「2!」(ほんとは1だが・・・売り上げやババアの好みを考えるとこっちだろ)
老婆「なぜそう思う」
受験者「そりゃあ売り上げも2の方があるし、何より1は電波曲だろ?」
唯(・・・いい度胸だね~・・・)
澪(分かってるじゃないかこいつ)
老婆「通りな」
律「ふざけるな!こんなクイズあるかよ!」
律「こんなの人によって違う!正解なんてないだろ!こんなのがハンター試験!?あたしは別ルートでいくぜ!」
澪「そうだぞ~こんなの正解なんてない!どっちも名曲だ!」ヘラヘラ
唯(・・・)
老婆「引き返してももう遅い、クイズを辞退するなら不合格者として協会に報告する」
律「くっ・・・!!!」
――――――――――――――――――!!!
紬「りっちゃん!!」
律「なんだよムギ!こんなクイズやるのか!?」
老婆「待ちな!これ以上のおしゃべりは失格だよ!」
老婆(沢庵みたいなまゆ毛の子は気づいたようだね)
老婆「さあクイズを受けるのか受けないのか・・・1、受ける 2、受けない」
紬「1よ!」
紬(気づいてりっちゃん!このトリックに!)
紬(唯ちゃんにもさっきのが聴こえたはず!ならこのクイズのからくりに気付いて!)
老婆「息子と娘が誘拐された、一人しか助けられない、どっちを助ける?1、息子 2、娘」
律(もうブチ切れたぜ)
老婆「5、4、3、2、1・・・」
老婆「終~了~」
律は老婆に殴りかかったがそれをムギにとめられた
律「ムギ!おかしいって!見損なったよハンターって仕事!こんなのがハンターってんならこっちから願い下げだ!」
紬「りっちゃん、落ち着いて!私たちは合格したのよ」
律「えっ?」
紬「沈黙、それが正しい答えなのよ」
紬「りっちゃんさっき言ったわよね、答えは人によって違う、正解なんてないって」
紬「その通りよ。つまり正解は答えないこと・・・そう、沈黙」
律「え?え?でもさっきの受験者は・・・」
紬「通れと言われただけで正解とは言われていなかったはずよ」
紬「さっき彼の悲鳴が聴こえた・・・おそらく魔獣か何かに襲われたのね」
老婆「正解だ。本当の道はこっちだよ」
そういうと住人たちは街中にある隠し扉を開いた
老婆「2時間もあるけば着くだろう、一本杉の下の家にナビゲーターの夫婦が住んでる。
彼らに認められれば会場まで案内してくれるよ」
律「ばあちゃん・・・ごめんな」
老婆「いや、お前みたいなやつに会いたくてやってる仕事さ、頑張んな」
律「うん・・・!」
唯「う~ん・・・だめだ!」
唯「どうしても答えが出ないや!」
紬「ふふっ」
澪「ハハッ、まだ考えてたのか」
律「もういいんだぜ唯」
梓「そうですよ唯先輩!」
唯「え?なんで?」
律「なんでって・・・もうクイズは終わったろ?」
唯「それはわかってるよ~、でもね―――」
唯「もし本当に大切な2人のうち1人しか助けられない場面に出会ったら・・・」
唯「どうする?」
澪律紬梓「!!」
唯「どっちを選んでもほんとの正解じゃないけど」
唯「どちらか必ず選ばなきゃならない時・・・」
唯「いつか来るかも知れないよ」
澪律紬梓「・・・・・・」
老婆(そう・・・それこそこのクイズの真の意図)
老婆(あらゆる残酷な空想に耐えておけ 現実は突然無慈悲になるものだからな)
いつか来る 別れ道に備えて
森の中
律「歩いて2時間なんて2時間前に過ぎちまったぜ・・・くそ」
律「オナカすいたよーウンコしたいよー」
澪「律おいてくぞー私だって辛いんだー」
梓「私も疲れてきました・・・」
唯「ねえムギちゃん、なびげーたーって何?」スタスタ
紬「ハンター試験は毎年開催場所が違うのよ。そこでまず受験者は会場の正確な場所まで案内してくれるナビゲーターを見つけなきゃならないの」スタスタ
唯「なるほどねぇ」
澪(この二人はなぜ汗をかかないんだ)
そのころ
老婆「ドキドキ2択クイズ!」
アイ「・・・」
老婆「敵に兄弟が捕まった、助けられるのは1人だけ、どっちを助ける?1、姉 2、兄」
アイ(この問題・・・そして2択に限定してある解答・・・おそらく正解は『答えない』こと)
アイ(でも・・・この問題は卑怯だよ!お姉ちゃんを助けるにきまってるじゃない!!)
アイ(ハンター試験・・・なんて卑劣な罠を仕掛けてくるの・・・)
老婆「正解だ、さあ本当の道はこっちだよ」
アイ(くっ・・・)
老婆(正解したのにあまり嬉しそうじゃないね・・・?)
再び森の中
唯「見えたよ!家だ!」
紬「家の中・・・誰もいないわね」
律「ナビゲーターの夫婦が住んでるって言ってたのに・・・」
澪「他の受験者もいないし・・・」
梓「とりあえず外で少し待ってみましょう」
家の前
唯「せっかくだし何か演奏しようか!」
澪「え?わざわざこんな時に・・・」
梓「いえ、唯先輩の言うとおりです!することがないなら練習しましょう!」
唯「外で演奏するなんて夏フェスみたいだね~」
律「でもあたしとムギは楽器が・・・」
紬「心配しないでりっちゃん、斉藤!」
斉藤「は、ただいま」
執事「よいしょよいしょ」
律「必要なものが全て現れた・・・」
律「あ、ありがと・・・ってもういない」
澪(どうやって現れたり消えたりしてるんだムギの執事達は・・・)
唯「よ~し、それじゃいっくよ~!」
律「お~し!こうなりゃとことんやってやるぜ!1,2,3,4!!」
山の上空
ナビ「ゴンたち受かるといいね」バサバサ
ナビ「そうだね、さあ早く帰らないと次の受験者が・・・ん?」バサバサ
ナビ「もう来てる・・・」バサバサ
ナビ「何か聴こえるね、楽器・・・かい?」バサバサ
ナビ「何人かで演奏してるのか?・・・これは――――」
唯「うわぁ!なんかでっかい狐が空飛んでる!」
澪「えっ・・・きゃああああああああああああああ!!!!!!!」
梓「降りてきますね・・・食べられて終わりですか・・・ハハ・・・」
紬「魔獣の・・・キリコって種族よ。人に化ける事が出来るらしいわ」
ナビ(キリコ)「君たちは・・・受験生だろ?」
唯「しゃべった!?・・・は、はい」
紬「魔獣は人の言葉を話せる獣を指すのよ、唯ちゃん」
キリコ「君たちの演奏を聴かせてくれないか?」
唯「えっ?」
キリコ「もう正体ばれちゃったからね、本来の試験の変わりっていうか・・・」
キリコ「さっき少しだけ演奏を聴かせてもらったんだけど、なんだか魅かれるものがあってね」
唯「・・・わかりました!」
紬「喜んで♪」
澪「」ガクガク
律「み、澪怖がるなよ・・・失礼だろ・・・」(あたしだって怖いよ!)
梓「やってやるです!」
唯「澪ちゃん頑張って!ほらいくよ!」
澪「うう・・・」(怖い・・・でも頑張ってみよう)
唯「聴いてください!ふわふわ時間!!!」
キリコ(沢庵みたいなまゆ毛の子はそこそことしても・・・)
キリコ(一人一人はそれほど上手くない・・・)
キリコ(でも、この五人がそろうと・・・演奏の質が跳ね上がる・・・)
キリコ(五人揃えばプロの音楽ハンターにも匹敵する・・・いやそれ以上・・・)
唯「ふう、じゃあ次の曲は・・・」
キリコ「もういいよ」
唯「えっ!?」ガーン
キリコ「合格だ」
澪「ええ!?」
律「なんで!?」
梓「なんでですか!?」
キリコ「一言で言えば君たちの可能性・・・かな」
キリコ「とにかくおめでとう、君たちを試験会場に案内しよう」
唯「やった~!」
紬「良かったわ、みんなと一緒で♪」
澪「ありがとうございます!」
律「ありがとう!」
梓「です!」
キリコ「でも、少し仮眠をとってからでいいかな?ついさっき別の受験生を送ってきたばかりなんだ」
唯「うん!じゃあ一緒に寝ようよ!キリにゃん!」
キリコ「キ、キリにゃん!?」
唯「なんだか可愛く思えてきちゃったよ~最初は怖かったはずなんだけどね!」
キリコ「ま、まあいいけど・・・」
梓(おのれ化け物めええええええ!!!!!!)
キリコ「さて、そろそろ出発しようか」
唯「うん!」
キリコ「さあ、背中に乗って」
唯「ええ~私キリにゃんに乗りたい~」ブー
キリコ「!!」
キリコ「お嬢ちゃん・・・私たち夫婦の見分けがつくのかい?」
唯「ええ~だって全然違うよ~!顔とか声とか・・・」
律「梓、違い分かるか?」
梓「分かるわけ無いですよ・・・」
紬「私も全然分からない・・・」
澪(ほんとに全然分かんない・・・)
キリコ「ハッハッハ!私たち夫婦を見分ける人間がこの短期間で二人も現れるとは!」
唯「えっへん!」
キリコ「さあ行こう!しっかりつかまってるんだぞ!」
唯澪律紬梓「はい!」
つかの間の空中遊泳を楽しむHTT一行・・・・・・
しかし彼女らはまだスタートラインにすら着いていないのだ
ザバン市
キリコ(人間ver)「着いた、あの建物が会場だ」
唯「おおー!でっかーい!」
澪「東京ドームより大きい・・・」
律「ここに世界中から」
梓「ハンター志望の猛者があつまるんですね・・・!」
紬「やっとスタートラインね」
キリコ「おいそっちじゃない、こっちだ」
唯「・・・え?」
澪「定食屋・・・?」
律「普通の・・・」
梓「・・・」
紬「まさか・・・」
キリコ「そのまさかさ、ここなら誰もあのハンター試験の会場だとは思わないだろ?」
ガラッ
店長「いらっしぇーい!」ジュージュー
店長「ご注文はー?」
キリコ「ステーキ定食」
店長「・・・焼き方は?」
キリコ「弱火でじっくり」
店員「お客さん奥の部屋どうぞー」
ガチャ
キリコ「一万人に一人」
唯「?」
キリコ「ここにたどり着くまでの倍率さ、お前たち新人にしちゃ上出来だ」
キリコ「じゃがんばりなよ、もし落ちても来年も案内してあげるよ」
唯「うん!いろいろありがとう!じゃあね!」
ウイーン
梓「ひゃっ!部屋が・・・動いてる!?」
澪「エレベーターになってるのかこの部屋」
律「それにしてもあいつ・・・私たちが受からないみたいな言い方だったな」
紬「3年に一人」
唯「何が?」
紬「新人が合格する確率・・・だそうよ」
唯「じゃあ私たちは15年に一度のビッグウェーブだね!」
紬「!」
紬(唯ちゃんが言うとほんとにそう思えてくる・・・不思議ね)
律「おおよ!放課後ティータイムは無敵だぜ!」
梓「そうですよね!」
澪「ああ!みんなで合格しよう!」
チーン
澪「着いたらしいな・・・」
律「B100・・・」
梓「どんだけ降りてきたんですか私たち・・・」
唯「B100?」(どゆこと?)
地下100階
そこは薄暗い地下道のような場所だった
紬「あらあら・・・ここにいる人たち・・・」
唯「うん、これまで見てきた受験者とは違う・・・」
紬「全員がつわものってわけね」
エレベーターを降りてすぐに唯達は係の人間からナンバープレートを受け取った
唯「406番!」
澪「407だ」
律「408~!」
紬「409番ね」
梓「410番です!」
ほどなくしてやってきた受験生もナンバープレートを受け取った
アイ(411番・・・あ、お姉ちゃん達いた・・・)
唯(おっ、船で一緒だったマントの人だ・・・確か・・・アイさんだったかな?)
それからぞろぞろと紬の執事達もやってきた
律「何人いるんだよムギの執事達・・・」
紬「うふふ♪」
?「君たち新顔だね」
唯「?」
?「やあ、オレはトンパ。よろしく」
唯「よろしく!あれ?でもなんで新顔ってわかるの?」
トンパ「オレは今回で10歳からもう35回目の試験なんだよ、試験のベテランってわけさ!分からないことがあればなんでも聞いてくれ」
唯「すごいね!ありがとう」
澪(いばれることじゃないだろ・・・)
律(それだけ試験に受からないってことだからな)
梓(うさんくさいです!)
紬「じゃあさっそく聞いていいですか?要注意人物とか」
トンパ「おう!いろいろいるが・・・やっぱりあいつさ。44番、奇術師ヒソカ」
唯「!!」ゾクッ
トンパ「去年合格確実と言われながら、気に入らない試験官を半殺しにして失格した奴だ」
律「そんなやつが今年も試験を受けれんのかよ!?」
トンパ「ああ、ハンター試験は毎年試験官が変わり、テスト内容は試験官が決める」
トンパ「その年の試験官が合格と言えば悪魔だって合格できるのがハンター試験だ」
トンパ「奴は去年20人以上の受験生を再起不能にしてる。極力近寄らない方がいいぜ」
唯(あのヒソカって人・・・なんか怖い)
トンパ「そうだ、お近づきのしるしにこのジュースを・・・」
紬「!斉藤!」
トンパの声をかき消すように紬が叫んだ
斉藤「は、ただいま」
執事「よいしょよいしょ」
紬の一声でテーブルとティーセットが運ばれてきた
紬「さあみんなお茶にしましょう♪」
唯「わーい!」
紬「トンパさん、何か?」ニコッ
トンパ「う、あ・・・いや・・・試験、頑張れよ」
ゴン「あ!唯さん!」
唯「ゴンくん!」
ゴン「よかった~唯さんも来てたんだ、知り合いがいると安心するよ!」
唯「うんうん!一緒に頑張ろうね!あ、一緒にお茶どう?」
ゴン「ありがとう!おーいクラピカー!レオリオー!こっちこっちー」
クラピカ「唯ちゃんならここまで来るとおもってたよ」
唯「でへへ~」
レオリオ「このお茶うめーなー!」
紬「ありがとうございます♪」
律(ゴンくんは405番・・・聡と同い年くらいの子供なのにすごいなあ・・・)
澪(クラピカさんが404番・・・私たちより少しだけ年上かな・・・しかしものすごいかっこいいな・・・女のひとみたいな顔だ・・・)
梓(403番のレオリオさんはおじさんです!)
トンパ「お、君も新顔みたいだね。お近づきのしるしにジュースどう?」
アイ「いいです、というか近づかないでください」
トンパ「え」
トンパ(ちくしょう!ゴンたちにもあの女どもにもマントの奴にも下剤入りジュースを飲ませられなかった!)
トンパ(新人つぶしのトンパの名が泣くぜ・・・)
トンパ(結局ジュースを飲んだのはあいつだけ・・・99番のキルア)
トンパ(405番のゴンと同い年くらいか・・・ガキに世間の厳しさを教えてやったぜ)
キルア「あ、トンパさーん!さっきのジュースおかわりあるー?」
トンパ「あ、ああ・・・あるぜ」
キルア「まとめて4本くらいちょーだい!」
トンパ(おかしいな・・・一本目の下剤はとっくに効いてるはず・・・それどころか5本も飲んだら脱水起こして死んでもおかしくない・・・!)
キルア「心配?」
トンパ「えっ」ギクッ
キルア「俺なら平気だよ。訓練してるから」
キルア「毒じゃ死なない」
トンパ(毒・・・?こいつオレが何の薬を盛ったかまではわからないのに・・・それでも平気で飲んだってのか!?)
トンパ(・・・今年の新人はつぶしがいがありそうだな)
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!
唯「うひゃあ!」ギュッ
ゴン「・・・」
唯(ゴンくん相変わらず反応してくれない・・・寂しい・・・)
梓(あのガキいつか泣かす)
レオリオ(いいなあゴン・・・)
クラピカ(始まるのか・・・)
紬(いよいよね・・・)
澪(大丈夫かなあ・・・)
律(やってやるぜ!)
試験官「ただいまを持って受付時間を終了いたします」
試験官「ではこれより・・・」
試験官「ハンター試験を開始いたします」
飯休憩
試験官「ではこれよりハンター試験を開始いたします」
試験官「こちらへごうぞ」
そう言うと試験官は地下道の奥に向かって歩き出した
試験官「さて一応確認いたしますが、ハンター試験は大変厳しいものであり、運が悪かったり実力が乏しかったりするとゲガをしたり死んだりします」
試験官「受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々あります」
試験官「それでも構わない―――という方のみ付いてきてください」
サッザッ
試験官「承知しました、一次試験441名参加・・・ですね」
律「当たり前だけど誰ひとり帰らないな」
澪「ちょっとだけ期待してたよ」
唯「・・・」
紬「おかしいわね・・・」
梓「?」
和はとりあえずハンター試験中は出ないと思いますすいません
ザッザッ・・・ダダダダ
律「なんだぁ?みんなやけに急いでないか?」
唯「やっぱり進むペースが速くなってる!」
紬「前の方が走り出したのね」
ドドドドドドドドドド
試験官「申し遅れましたが私一次試験担当のサトツと申します」
サトツ「これより皆様を二次試験会場へご案内いたします」
受験者「二次?ってことは一次は・・・」
サトツ「もう始まっているのでございます」
サトツ「二次試験会場まで私についてくること。それが一次試験でございます」
唯「!」
サトツ「場所や到着時刻はお答えできません、ただ私に付いてきていただきます」
澪「マラソン・・・ってことか」
律「うえ~いきなりかよ~」
梓「持久力の試験ですね!」
唯「変なテストだね~」
紬(どこまで走ればいいのか分からないのは心理的にも不可になる・・・精神力の試験でもあるみたいね)
ゴン「唯さん、大丈夫?」
唯「うん、大丈夫だよ!でも男の人とはペースも違うから、私たちの事は気にしないで先に行ってて!」
ゴン「うん、わかったよ!」
クラピカ「唯ちゃんも頑張って!」
レオリオ「また後でな!」
唯「ばいば~い!」
30分後
澪「もう・・・ダメ・・・」
律「これ以上は・・・」
梓「無理で・・・す」
ドサッ
唯「みんな!」
紬「斉藤!」
斉藤「はっ」
紬がそう言うと琴吹家の執事達が澪、律、梓をそれぞれおぶって走り出した
澪「え?あの・・・」
執事「心配いりません、私共が責任をもって皆様を二次試験会場までお連れします」
律「でも・・・いいんですか?」
執事「こういう時の為に私たちは来たのですから」
梓「ありがとうございます・・・」
執事「いえ、とんでもございません」
唯「ふう~良かった~ありがとう!ムギちゃん!」
紬「いいのよ♪唯ちゃんも辛くなったら言ってね、執事達が責任をもってみんなを運んでくれるわ」
唯「う~ん・・・私出来るだけ自分の力でがんばってみるよ!」
紬「あら頼もしいわ」
唯「えへへ」
紬(でも・・・ほんとに唯ちゃんはたくましくなった)
紬(この会場に来るまでもそう、このマラソンもそう・・・学校にいた時とはまるで別人)
紬(ハンター試験という極限の状況に置かれることで、唯ちゃんの意識に変化が起きてる・・・)
紬(それと同時に、眠っていた潜在能力が引き出されようとしているみたい・・・)
紬(楽しくなりそうね、ハンター試験)
唯「ムギちゃ~ん!何してるの~おいてくよ~」
紬「あ、うん今行くわ~」
三時間後
紬(もう三時間・・・40キロくらいは走ったかしら)
紬(澪ちゃんたちは執事達が付いてるから心配ないけど・・・)
紬(いったいどこまで走ればいいのかしら・・・)
唯「もう飽きたよ~アイス食べたいよ~」
その頃後方では
澪「大丈夫ですか?」
執事「はい、これくらいなら心配いりませんよ」
律「しかし誰も脱落しないのはすごいな」
澪「ここにいる人みんな化け物だよ・・・」
梓「唯先輩ってすごかったんですね!」
澪「わ、わたしだって本気だせばこのくらい・・・」
律「みお~」
澪「うっ・・・すまん」
ゴン「へえ君キルアっていうんだ」
キルア「よろしくなゴン」
アイ(お姉ちゃんどうしてこんなに走れるの・・・?)
レオリオ「絶対ハンターになったるんじゃー!!うおおおおおおお」
クラピカ「レオリオ・・・?」
60キロメートル地点通過
脱落者いまだ0
唯「ムギちゃ~ん・・・なんかつまんないね~」
紬「そうねえ」
80キロメートル通過
脱落者1名
澪「あ、一人脱落した」
律「やっとかよ・・・十分すごいぜあの人も」
梓「ここまで来た人たちってすごいんですね、やっぱり」
ドドドドドドドド
唯「うわぁ・・・嘘でしょ・・・」
そこには先が見えないくらいの階段があった
エレベーターで地下100階まで来たのだ。当然100階分登らなければならない
サトツ「ちょっとペースをあげますよ」
唯「うわっ速くなった!」
紬「―――!ここでかなりリタイアしそうね・・・」
ドドドドドドドドドドドド
唯「さすがにちょっときつくなってきたよ・・・」
紬「頑張って唯ちゃん!」
地上への階段 中間地点
脱落者37名
唯「ねえムギちゃん」
紬「ん?なあに?唯ちゃん」
唯「ムギちゃんはどうしてハンター試験を受けようと思ったの?」
紬「・・・」
唯「?」
紬「唯ちゃん・・・私の家がいわゆるお金持ちだってことは知ってるわよね」
唯「う、うん」
紬「私のお父様は一代で琴吹グループを築いたの、ハンターとして・・・ね」
唯「ええ?ムギちゃんのお父さんハンターだったの!?」
紬「ええ、まあ私が産まれてからは事業に専念してハンターらしい事はしてないみたいだけどね」
紬「お父様の方針で私は小さいころから英才教育を受けてきた。帝王学はじめ学問はもちろんスポーツ、格闘技、暗殺術・・・」
唯「暗殺・・・」
紬「・・・ずっと籠の鳥だった・・・だから自分の力を試してみたかったの」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「お父様に憧れて・・・ってのもあるわ。でもね、私がハンター試験を受けようと思った一番の理由は軽音部のみんなよ」
唯「私たち?」
紬「ええ・・・みんなといるのがとっても楽しかった・・・私は琴吹家の鳥じゃない、一人の人間なんだって思えた」
紬「初めて外の世界を見てみたいって思った。みんなのおかげで私は・・・自分の意思で飛び立つことを決めることができたの」
唯「ムギちゃん・・・わたしもおんなじだよ!ムギちゃんと、みんなといるのが楽しい!」
唯「話してくれてありがとう!暗殺・・・ってのはちょっとだけ怖かったけどね!」
紬「アハハ・・そ、そうよねやっぱり・・・」
唯「だから今度私にも教えてね!」ニコッ
紬「―――――!!」
紬(唯ちゃん・・・・・・ありがとう・・・・・・!!)ポロッ
唯「あれ?ムギちゃん泣いて―――」
紬「泣いてないわ!//さ、さあまだまだ頑張って走りましょ!」
唯「見て!光だよ!」
紬「出口!」
唯「ごーる!」
紬「・・・じゃあないみたいね」
唯「ここは・・・?」
受験生の集団は地下道の出口で立ち止まっていた
少しの間休憩のようなものがあるらしい
澪「ゴールか?」
律「いや、ちがうみたいだな」
梓「あ、唯先輩だ!唯せんぱ~い!」
唯「おっ!あずにゃ~~ん!」ダキッ
梓「わっ抱きつかないでください!」(やった!久々のスキンシップゲット!)
ゴン「あ、唯さん!」
唯「おぉゴンくんまた会ったね!」パッ
梓「あ、唯先輩もっと・・・」
ゴン「唯さん、紹介するね!友達になったキルア!」
キルア「よ、よろしくお姉さん・・・//」
唯「キルアくんか~かわいいな~よろしくね!」ダキッ
キルア「うわうわあぁ!///」
梓(ガキどもおおおおぉぉぉぉおおおおおお!!!!)
サトツ「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師のねぐら”。二次試験会場へはここを通っていかなければなりません」
サトツ「この湿原にしかいない珍奇な動物たち。その多くが人間をも欺いて食料にしようという生き物です」
サトツ「十分注意してついて来てください。だまされると死にますよ」
ゴゥン・・・
唯「あ、地下道の出口が閉まっちゃったね」
紬「あと戻りは出来ない・・・ってわけね」
サトツ「さて、では行きますか。しっかりと私の後をついてきてください」
澪(だまされるって分かってたらだまされないだろ・・・)
?「嘘だ!そいつは嘘をついてる!」
?「そいつは試験官じゃない!ニセ者だ!オレが本物の試験官だ!」
律「ニセ者?それっていったいどういうことだ・・・?」
湿原の中から一人の男が現れた
試験官?「こいつを見ろ!ヌメーレ湿原に生息する人面猿だ!」
唯「サトツさんにそっくり・・・!?」
試験官?「人面猿は人間に化けて言葉巧みに湿原に連れ込み食料にするんだ!」
澪「おいおい・・・じゃあサトツさんは人面猿ってことか・・・」
梓「どっちが本物なんですか・・・?」
澪「だからサトツさんは人面猿だったって事だろ?」
ざわざわ・・・どよどよ・・・
紬「ちょっと待って!本物ならハンター証を持ってるはずよ!」
クラピカ「そうか!試験官はプロのハンター!ならハンター証を持っている!」
試験官?「ハンター証はそいつに奪われた!だから今は持っていない!」
律「じゃあハンター証は証拠にならない・・・いったいどうすりゃ・・・」
紬(本物はこっちね・・・)
ヒュン・・・ドスドスドス!!!
次の瞬間トランプのカードがサトツと試験官?の顔面めがけて飛んできた
サトツはトランプを受け止め、試験官?は顔にトランプが深く突き刺さった
ヒソカ「なるほど。本物はそっちだね」
ヒソカが放ったトランプで試験官?は息絶えた
ヒソカ「ハンターともあろうものがこの程度の攻撃を防げない訳がないよねぇ」
サトツ「褒め言葉として受け取っておきましょう・・・しかし次からは私への攻撃はいかなる理由があろうと失格とします」
ヒソカ「はいはい♪」
澪「きゃあああああ!!」
律「澪落ち着け!」
梓「死・・・死ん・・・」
紬「落ち着いて!みんな!」
紬(でもはじめて人の死を目の当たりにしたんだもの・・・無理もないわ・・・)
唯「これが・・・ハンター試験・・・」
紬「唯ちゃん・・・」
唯「ムギちゃん・・・不謹慎かも知れないけど・・・私・・・ちょっとわくわくしてる・・・」
唯「私・・・」
紬(唯ちゃんの中で何かが起きてる・・・)
アイ(お姉ちゃん以外が死のうがどうでもいいよ・・・お姉ちゃんとお話したい・・・)
紬「みんな落ち着いた?」
澪「あ、ああ・・・」
律「とんでもねーとこに来ちゃったな・・・」
梓「こわいです・・・」
唯「ねえムギちゃん」
紬「ん?なあに?」
唯「ヒソカって人・・・さっきのわざとだよね」
紬「あ、唯ちゃんも気づいてたのね・・・」
紬「そう、本物のハンターが人面猿ごときにハンター証を奪われるはずがない」
唯「それにはヒソカさんも気づいてたはず・・・なのに・・・」
紬「そう・・・それなのにわざと殺した・・・」
唯「・・・」
澪(・・・あ、そういえばそうだな)
サトツ「こうしただまし合いがここでは日夜おこなわれているわけです」
サトツ「それではまいりましょう、二次試験会場へ」
受験生347名ヌメーレ湿原へ突入
唯「霧がひどいね」
紬「そうね」
唯「前を走ってる人がかすんでるよ」
紬「唯ちゃん、もう少し前にいきましょう」
唯「サトツさんを見失うといけないから?」
紬「ヒソカから離れるのよ」
唯「ヒソカさんから・・・なんで?」
紬「この霧に乗じてまた誰かを殺すわ・・・彼」
唯「え?」
紬「なんとなくわかるのよ・・・私も同類だから・・・」
唯「ムギちゃんはヒソカさんと同類なんかじゃないよ!」
紬「ありがとう・・・でもさっきも話したでしょ?いずれ分かるわ」
唯「・・・分かったよ、ペースを上げよう。でもあの三人が心配だよ・・・」
うわああああああああああああああああああああ!!!
唯「悲鳴!後ろから!」
紬「大丈夫!あの三人の声は聴こえなかった!」
唯「でも・・・!」
澪「きゃああああああ!!」
唯「澪ちゃん!」ダッ!
紬「唯ちゃん!くっ!」ダッ!
唯と紬は逆走して後方へ向かった
紬「唯ちゃん!あの三人ならきっと大丈夫!執事たちが付いてるから!」
唯「でも心配だよ!放っておけない!ムギちゃんは戻ってていいから!」
紬「・・・唯ちゃんごめんなさい!私間違ってた!私にも出来ることがあるかも!」
唯「ムギちゃん!!―――急ぐよ!!!」
澪「きゃあああああああ!!!」
梓「こんなことって・・・!!」
クラピカ「君たちは唯ちゃんの仲間の・・・!あぶない!ふせろ!」
レオリオ「いてえぇ!トランプが腕に・・・!」
後方にいた受験生たちはヒソカのターゲットにされ、次々と殺されていった
ヒソカ「あっははははははははは!!」
律「くそっ!なんのつもりだ!」
ヒソカ「くくく、試験官ごっこ♪」
ヒソカ「一次試験があんまりにもぬるいからさ、ボクが君たちを判定してやるよ♪」
ヒソカ「じゃあいくよ♪」
そういうとヒソカはまた受験生を次々殺し始めた
そして・・・
ヒソカ「残ったのは君たち11人か」
残ったのはクラピカ、レオリオ、澪、律、梓、ムギの執事6人の計11人
ヒソカ「さて誰と遊ぼうかなあ」
執事「・・・皆様逃げてください・・・」
澪「えっ・・・?」
執事「奴は強い・・・私たちではどうやってもたちうち出来ない・・・」
執事「澪様、律様、梓様はまた私たちの内三人がおぶって逃げます・・・」
執事「レオリオ様、クラピカ様もハンターになるため、今は逃げて・・・」
レオリオ&クラピカ「・・・分かった」
執事「・・・お元気で」
ダダッ!!
ヒソカ「なるほど好判断だ、残る者と逃げる者を分けるとは・・・」
ヒソカ「三人か・・・君たちが相手してくれるの?・・・ん?君たち・・・そうか・・・君たちならちょっとは楽しめそうだねぇ・・・」ニヤッ
ヒソカ「ボクもちょっと本気だそうかな♪・・・いくよ」
執事「紬お嬢様・・・私は・・・お嬢様のお役に・・・立てたでしょうか・・・?」
ヒソカ「ふう・・・思ったより強かったけど・・・まぁこんなものかな」
ヒソカの足元には執事三人の死体が転がっていた
ヒソカ「さて・・・ん?」
レオリオ「へへ・・・こちとらやられっぱなしでガマンできるほど・・・」
レオリオ「気ィながくねーんだよォーー!!」
ゴン「レオリオ!助けに来たよ!」
ヒソカ「君たちは合格か不合格か・・・確かめさせてもらうよ♪」
唯「はあはあ・・・みんなどこ!?無事だと良いけど・・・」
唯「ムギちゃんともはぐれちゃったし・・・」
ヒソカ「君は・・・」
唯「ひえっ!?ヒ、ヒソカさん!!」
唯(どうしよう・・・ってどうしようも無いか・・・)
唯「あ!レオリオさん!」
ヒソカはレオリオを担いでいた
ヒソカ「ああ、安心して♪気絶してるだけで死んじゃいないよ、彼は合格だから」
唯「澪ちゃんとりっちゃんとあずにゃんは・・・?」
ヒソカ「?・・・ああ、あの女の子たちなら無事だよ。まあ逃げられちゃったんだけどね」
唯「良かった・・・」
ヒソカ「さて君は合格不合格どっちかなぁ・・・?」
唯「・・・」
ヒソカ「どうしたの?向かってくるとか逃げるとかしないのかい?」
唯「今の私じゃ戦っても逃げてもすぐに殺されるよ。だから・・・」
ヒソカ「だから?」
唯「時間を稼ぐんだ・・・!澪ちゃんとりっちゃんとあずにゃんが逃げる時間を!」
唯「私はもうダメだけど・・・せめてみんなが逃げる助けになりたい!」
ヒソカ「ふうん・・・」ジロジロ
ヒソカ「うん♪君も合格・・・かな。いいハンターになりなよ」
唯「え・・・?」
ヒソカは唯のもとを去った
そして
今のいままでバイバイさるさん食らってました
投下速度を落とせばいいのかな?
とりあえずしばらくはまた書いていきます
紬「唯ちゃん!やっと見つけた!」
唯「あ、ムギちゃん・・・」ペタン
唯は気が抜けたのかその場に座り込んでしまった
紬「何かあったの?」
唯「うん、実は―――」
紬「そう、そんな事が・・・」
唯「私もう死んだと思ったの。そしたらヒソカさんが合格だって・・・」
紬「唯ちゃんの事を、今殺すには惜しい。って思ったのかも」
唯「え?それってどういう・・・」
紬「唯ちゃんはきっともっと強くなる、そうしたら殺しがいがあるその時に改めて殺そう・・・って思ったとか・・・」
唯「・・・」
紬「あ、ごめんなさい・・・私おかしいわよねこんな事言って・・・」
唯「ううん、なんとんなく分かるよ」
唯「私、さっきヒソカさんがニセの試験官を殺したとき・・・わくわくしてるって言ったよね」
紬「・・・」
唯「さっきヒソカさんに殺されそうになった時も・・・同じ気持ちになったんだ」
唯「変だよね?でも・・・なんか・・・わくわくしたの」
タッタッタッタッ・・・・
唯「動物の死体が目印みたいになってるね」
紬「ええ、ヒソカを襲って返り討ちにあったみたいね、トランプが刺さってるし」
唯「みんな無事に着いてるといいんだけど・・・」
紬「執事達はお互いに連絡手段を持ってるから大丈夫なはずよ」
唯「そっか!」
唯「あ、人がいっぱいいる!今度こそゴールだね!」
サトツ「みなさんお疲れ様です。無事湿原をぬけました」
サトツ「ここビスカ森林公園が二次試験会場となります」
サトツ「それじゃ私はこれで。健闘を祈ります」
サトツ(181人・・・残り二桁くらいに減ってしまうと思いましたが・・・)
サトツ(今年は豊作ですなあ)
唯「ゴール!」
紬「間に合ったわ~」
唯「え~とみんなは・・・あ、いた!みんな~」
>>1けいおん!のキャラ誰好き?
唯「無事でよかった~」
澪「唯!ムギ!いないから心配したんだぞ!」
紬「いろいろあって遅くなったの~」
アイ(あ、お姉ちゃん!いないから心配してたんだよ!!でも良かった無事で・・・)
紬「あら?執事が27人しかいない・・・30人いたはずなのに・・・」
律「あ、それは・・・」
梓「実は―――」
紬「そう・・・でもこうなる事は覚悟の上だった・・・私も・・・彼らも・・・」ポロッ
唯「・・・」
紬「彼らの為にも合格しなきゃ・・・!」
澪「・・・ああ!」
律「命の恩人の為にも!」
梓「絶対合格するです!」
唯「うん・・・!」
唯「二次試験は正午から開始します・・・か。まだ少し時間あるね」
紬「ええ」
試験会場には開始時間の看板が付いた大きな建物が一戸だけあったが、まだ扉は開いていなかった
おそらく正午に扉が開くのだろう
唯「あ、ゴンくんだ!」
ゴン「唯さん!無事だったんだね!」
唯「レオリオさんにクラピカさんにキルアくんも無事で良かった!」
クラピカ「紬ちゃんの執事さん達にはすまないことをした・・・許してくれ」
紬「いえ、クラピカさんは悪くないです・・・彼らは覚悟の上で残ったんですから・・・」
レオリオ「なんだか湿原に入ってからの事をよく覚えてないんだよなぁ・・・」
キルア(唯さん無事で良かった)
唯「キルアく~ん」ダキッ
キルア「うわぁ!!//また!///」
キルア(ん?唯さん・・・泣いてる?)
唯(私・・・頑張るよ!)ポロッ
唯「もうすぐ正午だね」
澪「ああ」
律「周りの奴も緊張してきたみたいだな」
紬「何が起きるかわかわないものね」
梓「正午になりました!」
ガゴォン・・・
重たそうな扉が開いた
さるさん回避のためちょっと休んでから2次試験始めます
>>123
一人だけ挙げるならムギです
>>130俺は律が好きだ。
セルジュニアどう思う?
ガゴォン・・・
重たそうな扉が開いた
そこにいたのは、20代前半の綺麗な女性と、彼女の5倍はあるであろう巨漢の男だった
女性「あたしは美食ハンターのメンチ」
大男「同じく美食ハンターのブハラ」
メンチ「そんな訳で二次試験は、料理よ!」
メンチ「美食ハンターのあたしたち二人を満足させる料理をつくってもらうわ!」
唯「なんですと!?」
紬(私はいいけどみんな大丈夫かしら・・・)
>>131
あずにゃんのことか?
許せる!
昨日セルジュニアで全レスしてたのはお前か?
>>137いや、あずにゃんではなくて普通のセルジュニア
>>138そうだよ
,。-っ、_i [|\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ。0゚ };;;;;;;;;;;;;;;;i[] _!0゚ i、
/[7/。γヘュ くi\;;;;;;;;;;/◇ _i、;;;;;;;;;;;;/_,r'-、r-ヘ
_ノ ▽ i<>i;;;;;;;;〉゚。.o<>.v'□ / _,.ソ___;;/´ ヽ'-'
ゝ >' ̄¨`ヽ;;;;!、__[]_ ! , <,フ! |;;;;;|´
`´ `‐{;;;ヽ_\i>'i~ ̄i;;;i';;;;;;;j
\;;;;;ヘヾ、ー_´ ノ´;;;;/{
{ヽ_;;;;;;`>≦-イ ,.イ, -、
`ー二≧‐-‐≦/ ゚ 〉) |
__ノ___`ー⊂イ。 ◇// i \
/7,:-、□. 。V;;;;;;;ノ-'" └'´ .(|
/´ |/ o Y´¨¨ `i [] ▽ i
{ n {フ ./ |:\゚ γ¨.)
ヘ U o ノ ヽ:::`iく:ニ:-'
絶対ハンターハンターに出てくる全てのキャラよりセルジュニアの方が強いって。
ブハラ「まずオレの指定する料理を作ってもらい」
メンチ「そこで合格した者だけがあたしの指定する料理を作れるってわけよ」
メンチ「あたしたち二人がおいしいと言えば晴れて二次試験合格」
メンチ「試験はあたしたちが満腹になったら終了よ」
唯「ど~しよ~・・・料理なんて出来ないよ~・・・」
澪「私も料理はあんまり・・・」
律「あたしはちょっとなら出来るぜ!」
梓「そう言えばそうでした。今更ながら律先輩が料理得意ってホント意外ですよね」
律「なにおう!?」
紬(まさかこんな試験があるなんて・・・)
アイ(お姉ちゃんはここで不合格になりそうね・・・良かった~)
ゴン「料理か~卵かけごはんとかなら作れるんだけどな~」
クラピカ「ゴン・・・それは・・・」
ブハラ「そんじゃあ、オレのメニューは」
ブハラ「豚の丸焼き!」
ブハラ「森林公園に生息する豚なら種類は自由。それじゃ・・・」
メンチ「二次試験スタート!」
二次試験前半 ブハラのメニュー
参加人数181人
タッタッタッタッタ
唯「良かった~簡単な料理で」
紬「ええ、でもあの人の体格でも食べる量には限界があるわ」
唯「早くしないとダメってことだね!」
メンチ「豚の種類は自由・・・だって?あんたも性格悪いわね」
ブハラ「ふふ」
メンチ「ビスカの森に生息する豚は・・・たった一種類だけでしょ?」
唯「豚さん豚さんどこですか~?」
ブタ「ブオオオオオオオオオ!!」
紬「この豚はグレイトスタンプ!世界で最も凶暴な豚よ気をつけて唯ちゃん!」
唯「おっけー!この豚さんをやっつければいいんだね!」
ズドォン!
唯「うわぁ!危ない!」
唯(わくわくする・・・でもヒソカさんと会った時の方が・・・)
唯(もっとわくわくした!)
唯「とりゃ~~~~!!!」ドカン!
ブタ「プギィイイイイイイイ!!」バタン
唯「やった~~!」
唯「ムギちゃん!この豚さん額が弱点だよ!」
紬「よ~し私も!とりゃ!」ズドン!
ブタ「プギィィイイイイイイイ!!!」バタン
唯「ボディブローで倒した・・・」
澪「私たちには無理だなこれは・・・」
執事「皆様の分の豚は獲ってまいりました。これを焼いて持って行ってください」
律「あ、ありがとうございます」
梓「私たちって試験受けてるようで全く受けてないですよね」
アイ(ブタの丸焼きかあ・・・お姉ちゃんに食べさせてあげたいなあ)
ブタ「ブモオオオオオオ!」
アイ「うるさい!」ドカン!
ブタ「プギィ」バタン
ブハラ「まだかなあ・・・腹減ったよ」
メンチ「あ、来たわね」
ドドドドドドドドド
受験生が一斉に焼きあがったブタを持って走ってきた
「へい!お待ちィ!!」
ブハラ「うひゃぁあ~!」
メンチ「あらま大漁だこと。受験生なめてたわ」
ブハラ「ふ~食った食った。も~おなかいっぱい」
メンチ「終~了~!」
唯「豚の丸焼き103頭・・・」
律「バケモンだな・・・」
紬(おかしい・・・妙だわ!あきらかに彼の体積より食べた量の方が多い・・・!!!)
律「いやそんなにマジで悩まれても・・・」
メンチ「あんた食べた豚全部おいしかったっていうの?審査になんないじゃない」
ブハラ「まあいいじゃん人数はしぼれたし。細かい味を審査するテストじゃないしさ」
メンチ「仕方ないわね~」
メンチ「豚の丸焼き審査!103名合格!」
メンチ「さて次はあたしね!あたしはブハラと違って厳しいわよ!」
メンチ「二次試験後半のメニューは・・・スシよ!」
ゴン「スシ・・・って・・・何?」
レオリオ「聞いたこともねぇぜ・・・」
クラピカ「スシ・・・」
キルア「見当もつかねー」
メンチ「ふふん、やっぱ知らないか。まあ小さな島国の民族料理だからね~」
・・・なんだよスシって・・・どうすりゃいいんだ・・・
メンチ「じゃあヒントをあげるわ!建物の中をごらんなさい!」
メンチ「ここで調理してもらうわ!調理道具とゴハンは用意してあるから・・・」
メンチ「あ、あとスシはスシでも握り寿司しか認めないわよ~!」
メンチ「それじゃスタート!!」
二次試験後半メンチのメニュー
参加人数103名!
ゴン「スシってなんだろう・・・ゴハンだけで作るのかな?」
キルア「包丁とかあるしなんか他の材料使いそうだな~」
唯「え?え?おすしだよね?」
紬「お寿司ってやっぱり日本人しか知らないのかしら」
律「あたしたち以外誰も知らないみたいだな・・・」
梓「やったです!大チャンスです!」
澪「合格したも同然だな!」
唯「あれ?でもお魚さんがいないよ」
紬「みんなで釣りに行きましょうか♪」
澪「そうだな」
ゴン「あ!唯さん!どこ行くの?」
唯「おすしに使うお魚さんを釣りにね!」フンス
クラピカ「やはり魚か・・・私も文献で読んだ事がある」
レオリオ「魚ァ!?森の中にんなもんいるかァ!!?」
クラピカ「声がでかい!!!池とか川とかあるだろーが!!」
魚!!!
受験生たちが一斉に森の中に走り出した
レオリオ「くっ!盗み聞きとはきたねー奴らだぜ!」
クラピカ「そうかあれを盗み聞きというならもう何も言うまい」
唯「わっ!みんな来た!」
唯「よ~しお魚さんも釣ったしお寿司をつくるぞ~」
紬「他の受験生は魚の使い方までは知らないようだし」
律「さっさと作って持っていこう!」
澪「魚捌くのなんて怖くて出来ないよ・・・りつぅ~」
律「はいはい一緒にやろうな・・・さ、包丁はこう持って・・・」
澪「あっ・・・」
紬(ああ・・・///久々だわ・・・///)
梓「がんばるです!」
アイ(出来た。お姉ちゃんに食べてもらいたくてお寿司握る練習しておいて良かった・・・)
アイ(でも最初に食べるのがお姉ちゃんじゃなくてあんな女なんてね・・・)
アイ「出来ました」
メンチ「おっ、これあんたスシ知ってたわね。でも問題は味よ・・・」パクッ
メンチ(スシをまともに握れるようになるには10年の修行が必要だと言われて・・・)
メンチ「おいしい・・・」
アイ「あ、じゃあ」
メンチ「あ、ああうん合格ね・・・411番」
メンチ(おっかしいな~文句つけてやろうと思ったのに・・・)
受験生「すげえぜあいつ・・・」
受験生「何者だよ・・・」
アイ(目立っちゃってるよぅ・・・お姉ちゃんにばれませんように・・・)
唯(う~ん・・・あのマントのアイって人、なんか知ってる人のような気がするんだよね~)
唯(さっきお寿司握ってるとこちょっと見たけど・・・手つきとかなんか見たことが・・・う~ん・・・)
唯(まあいっか!無理に思い出そうとすると逆に思い出せないって、憂が言ってたし!)
紬「出来たわ~」
唯「ムギちゃんのお寿司きれ~い!」
紬「じゃあ行ってくるわね~」トテトテ
紬「どうぞ召し上がれ」
メンチ「あ、うん」
メンチ(今度は流されないで何かしら文句つけて作り直させ・・・)
メンチ「・・・おいしい」
紬「まあ良かった♪」
メンチ「あ・・・うん・・・409番合格ね・・・」
メンチ(おかしいわね・・・)
受験者「スシってああやって作るのか・・・なんか簡単そうだな」
斉藤「どうぞお召し上がりください、赤身、白身、貝の三種類おつくりしました」
メンチ「もう流されないわよ!」
斉藤「・・・?」
メンチ(今度こそ)
メンチ「なにこれ超おいしい!」
メンチ(あ)
斉藤「では」
メンチ「・・・合格。412番ね」
唯「出来た!」
唯「召し上がれ!」
メンチ「まずい!」
唯「そんな~!」
そうこうしている内に他の受験生たちもアイや紬のスシを見て作りかたを知り、次々と完成品を運んできた
メンチ「だめ!」
メンチ「おいしくない!」
メンチ「まずい!」
メンチ(あの三人のスシを食べた後じゃなおさら、こんなゴミみたいなスシ食べれないわ!)
・・・・・・・・・
メンチ「ふう」
メンチ「ワリ!おなかいっぱいになっちった!」
メンチ「ってわけで終了!」
唯「ええ~~!?」
二次試験後半メンチのメニュー
合格者3名・・・!?
メンチ『・・・ってわけで合格者は三人なのよ!』
メンチ『・・・予定と違う!?知らないわよ!』
メンチ『・・・とにかくやり直しなんてしないから!じゃあね!!』ブツッ
そう言うとメンチは電話を切った
一方電話の相手の所では
役員「ネテロ会長・・・電話の電源切られたみたいです」
ネテロ「ふむ・・・どうしたものかの・・・」
そこはハンター試験の委員会が控えているホテル
ハンター協会会長のネテロが責任者として待機していた
ネテロ「話を聞く限り受験生がちと気の毒じゃな」
ネテロ「どれ、直接行ってみるかの。飛行船を出してくれ」
役員「はい」
森林公園
受験者「ふざけるな!こんなんで帰れるかよ!」
メンチ「うるさいわね。三人受かってんだから受からなかった方がボンクラなのよ」
メンチ「諦めて帰んなさい」
受験者「オレが目指してんのは賞金首ハンターだ!美食ハンターごときに合否を決められてたまるか!!」
そう言うとその受験者はメンチに殴りかかって言った
受験者「おらあああああ!!!」
パァァァァン!!
受験者「!!!」
ブハラが放った張り手一撃で受験者は建物の窓ガラスを突き破り外に放り出された
メンチ「余計なことしないでよ」
ブハラ「オレがやらなきゃあいつの事殺してたろ?」
メンチ「まあね」
メンチ「賞金首ハンター?笑わせないでよ、美食ハンターごときに一撃でのされちゃって」
メンチ「ハンターなら強くて当たり前なの。何ハンターとか関係ないわ」
メンチ「未知の食材を探していれば猛獣とも密猟者とも闘うことだってある」
メンチ「いいわ、文句があるやつはかかってらっしゃい」
ネテロ『にしても合格者3人はちと厳しいのではないか?』
メンチ「!!」
唯「どこかから声がしたよ!」
紬「外よ!」
建物の外に出ると飛行船が真上を飛んでいた
次の瞬間―――
ヒュウウウウウウゥゥゥゥゥゥ
ドンッッ!!!!!
飛行船から老人が飛び降りてきた
唯「なっ・・・!?」
紬「飛行船から50メートルはある・・・!」
澪「誰だ?この人・・・」
律(てゆーか骨は!?今ので足の骨は!?)
梓「すごいです!」
メンチ「ハンター協会のネテロ会長・・・!ハンター試験の最高責任者よ」
唯「!!」
ネテロ「メンチくん」
メンチ「はい!」
紬(あのメンチさんが緊張してる・・・)
ネテロ「未知のものに挑戦する気概を彼らに問うた結果・・・三人以外は問題あり、つまり不合格と思ったわけかね?」
メンチ「・・・・・・いえ」
ネテロ(チチでけーな)
メンチ「このテストは知らない料理をヒントをたどりにつくるもの・・・しかし受験生の中にすでに課題の料理を知っている者がいて・・・」
メンチ「そのせいで他の受験生が料理の作り方を知ってしまい・・・また合格者三人の料理があまりにハイレベル過ぎて、他の受験者が相対的に低い評価となってしまい・・・」
メンチ「そうこうしている内にお腹がいっぱいに・・・」
ネテロ「つまり自分でも審査不十分とわかっとるわけだな?」
メンチ「・・・・・・はい」
メンチ「すいません、料理の事となると我を忘れて・・・審査員失格です。私は審査員を降りますのでこの試験は無効に・・・」
ネテロ「ふむ・・・いや、審査員は続けてもらおう、ここはひとつ再試験じゃ」
唯「おお!やった!」
ネテロ「ただしメンチくんには実演という形で参加してもらおう」
メンチ「!」
ネテロ「そのすれば受験生も納得するじゃろ」
メンチ「そうですね、それじゃ・・・」
メンチ「ゆで卵」
唯「!?」
メンチ「会長、私たちをあの山の頂上まで連れてってくれませんか」
ネテロ「なろほど、もちろんいいとも」
ゴゥンゴゥン
メンチ「着いたわ」
メンチ「ここはマフタツ山、見ての通り山が中央で真っ二つに割れている」
唯「崖になってるんだ~」
メンチ「そう、下は深い川になってるけど落ちたら多分死ぬわ」
メンチ「この崖の下にはクモワシの卵がある。谷と谷の間に丈夫な糸を張り、そこに卵をつるしておくの」
メンチ「そしてそれを―――」
そう言うとメンチは崖に飛び込んだ
澪「ええっ!?」
梓「落ちてっちゃいましたね・・・」
メンチ「よいしょ、この卵をとってきてゆで卵をつくるのよ」
律「飛び込んで、糸につかまって」
澪「卵をとって、崖を上ってくる・・・」
梓「こんなのまともな神経じゃ無理です!」
受験者「たしかに・・・」
ネテロ「やめるのも勇気じゃ、テストは今年だけじゃないからの」
メンチ「あ、言い忘れてたけどさっきの合格者はやらなくていいわよ」
紬「私は楽しそうなんでやらせていただきます♪」
唯「あ~良かった!こんなのを待ってたんだよ~!」
紬「それじゃ唯ちゃん行きましょ!」
唯「うん!とうっ!!」ヒュー
律「私たちは脱落だな」
執事「皆様の分とってまいりました」
梓「ありがとうございます!」
澪「よしこれで二次試験突破だな」
唯「楽しかったね!」
紬「ええ♪」
メンチ「さ、ゆであがったわ。市販の卵と食べ比べてみて」
唯「おいしい!すっごくおいしいよこれ!」
紬「とっても濃厚で味わい深いわ~」
律「全然違うなあ!」
梓「感動しました!」
澪「おいしいなあ」パクパクモグモグ
メンチ「おいしいものを発見した時の喜び、分かってもらえたかしら」
唯「うん!美食ハンターっていいね!」
二次試験後半メンチのメニュー
合格者75名
>>170ハンターハンターのキャラ誰好き?
ドラゴンボールのキャラ誰好き?
とりあえず2次試験まで終了です
さるさん3回もくらった・・・ビクビクしながら書いてます
ほんとどうすりゃいいの
ハンターハンター知らない人もわかるような感じで書いてるので
オリジナルちょこっと入れての基本原作に沿って進んでます
ハンターのキャラでは無難にゴンとキルアが好き
起きてもスレが残ってることを祈りつつ寝ます
>>175dragon ball読んだことないんかー
寝れなかった
保守ありがとう
再開
投下止まったらさるさん食らったと思ってください
少年悟空が好きだけど関係ない質問は極力スルーしてくよ
ゴゥンゴゥン
二次試験合格者は飛行船に乗り、次なる試験場へ向かっていた
ネテロ「残った75名の諸君にはあらためてあいさつしとこうかの」
ネテロ「ハンター協会の会長を務めとるネテロじゃ」
ネテロ「ここからはワシも同行することにしたからよろしくの」
役員「次の目的地には明日の朝8時到着予定です。こちらから連絡があるまでご自由にお過ごしください」
澪「ってことはあと12時間くらいはあるのか・・・」
律「特に何もしてこなかったけど疲れたなあ」
梓「練習します?」
律「いや・・・さすがにもう無理だ・・・寝よう・・・」
唯「ムギちゃんどうする?寝る?」
紬「飛行船の中を探検してみない?」
唯「おお!いいねえ!じゃあ行きますか!」
紬「みんなは・・・あらもう寝てる。斉藤」
斉藤「は、皆様は私がお部屋まで運んでおきます」
紬「よろしくね」
ゴン「唯さんも探検?オレもキルアと探検するんだ~」
唯「ゴンくんも探検か~一緒に行く?」
ゴン「う~ん・・・キルアが照れてるからまた今度!」
キルア「なっ・・・!ゴンてめー!!//」
ゴン「アハハ、じゃあね唯さん!」
紬(ゴンくんとキルアくん・・・これはこれで・・・アリね!!!)
唯「ねえムギちゃん」
紬「なあに?」
唯「ムギちゃんはハンターになったら何したい?」
紬「私は・・・まだわからない・・・かな」
唯「?」
紬「ハンターになって外の世界を見て回りたいって思うけど、今はみんなといるのが楽しいから・・・唯ちゃんは?」
唯「あはは、私もまだわかんないや」
アイ(お姉ちゃん楽しそう・・・)
ネテロ「む、君たちは・・・」
唯「あ、会長さん!ゴンくんにキルアくんも!」
唯「なにしてるの?」
ネテロ「これからちょっとしたゲームをしようと思ってな、君たちも来るかね?」
唯「ゲームだって!面白そう!いくいく!」
紬「私も行きます!」
ネテロ「わかった、ついてきなさい」
ゴン「唯さんと紬さんは仲がいいの?」
唯「うん!ムギちゃんは私の一番大事な友達のひとりだよ!」
紬「ありがとう唯ちゃん、私もそうよ。唯ちゃんの事大好き」
唯「告白されちゃった!」
紬「うふふ♪」
キルア(なんかエッチだ///)
ネテロ「さて、この部屋にしようかの」
唯「結構広いね~けいおん部の部室の2倍くらいあるよ~」
ネテロ「今からやるのは、ボールを使ったゲームじゃ」
ゴン「ボール?」
ネテロ「ワシからこのボールを奪えたら、ハンターの資格をやろう」
紬「!!」
キルア「いいの?」
ネテロ「構わんよ、出来たらの話じゃがな」
キルア「じゃあオレから行かせてもらおうかな」
キルア「見てろよ・・・」スススッ
ゴン「キルアが何人にも見える・・・!?」
唯「分身の術だね!ムギちゃん!」
紬「いえ違うわ。あれは肢曲っていう暗殺者の特殊技能・・・分身しているように見えるのは残像よ」
紬「でもなぜキルアくんがあれを・・・?」
ゴン「キルアは暗殺一家のエリートらしいんだ。さっき聞いたんだけど」
唯「ええ!?キルアくんも!?」
唯「も、ってどういうこと?」
唯「ムギちゃんも暗殺術が使えるらしいんだよ!見たことないけど」
ゴン「すごいや紬さん!」
紬「一瞬も疑わないのね・・・うん、ありがとうゴンくん」
キルア「くっそ!全然取れない!」
ネテロ「筋はいいがまだまだ甘いのう」
キルア「くそ!いったん交代だ!」
紬「それじゃ私が」
唯「ムギちゃんふぁいと!」
紬「唯ちゃんに見せてあげるわ。私のちから」
紬「いきます!」スススッ
キルア「肢曲!?なんで・・・!?」
ゴン「紬さんも暗殺術が使えるんだってさ!」
唯「すごいでしょ!私も初めて見たけれども!」フンス
キルア「オレの家族以外でもこんなこと出来る奴がいるなんて・・・」
紬「はぁ・・・はぁ・・・全然だめね・・・」
ネテロ「末恐ろしい子供たちじゃのう・・・」
紬「交代お願い・・・」
ゴン「よし!次はオレだ!」
紬「がんばってね~」
唯「ムギちゃんすごかったね!」
紬「ありがとう唯ちゃん」
キルア「紬さん・・・あれはいったいどこで・・・」
紬「多分キルアくんと同じよ。私も生まれたときからいろいろな技術を叩き込まれたの」
キルア「そうなんだ。オレと同じような人がいたんだ・・・」
ゴン「くそ~動き全然見えない。唯さん!交代!」
ネテロ「なかなかいい動きじゃったぞ」
唯「よし!いくよ!」
ネテロ「こい!」
唯「とう!」
ネテロ「まだまだ」
唯「なんの!」
ネテロ「甘い!」
うんたん・・・
唯「ほい!」
ネテロ「こっちじゃ!」
うんたん・・・
唯「はぁ・・・ダメだよ~こうたい!」
キルア「じゃあオレが!」
紬「私の番ね・・・」
うんたん・・・
ゴン「次行くよ!・・・」
うんたん・・・
唯「よ~し!・・・」
うんたん・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
ネテロ「ふむ、まだまだ甘いの」
唯「次は私が!」
ネテロ「ふむ、唯と言ったの」
唯「いいました!とりゃ!」
ネテロ「こう言ってはなんじゃが、お前さんは他の三人と比べるといささか身体能力が劣っておる」
うんたん・・・
唯「わかってます!よいしょ!」
ネテロ「このままじゃ何年かかっても無理じゃぞ」
うんたん・・・
そう、わかってる。私が他の三人以下なのは痛いほど分かってる
だからこそ・・・出来る事もある・・・
チャンスは・・・一度きり・・・
ネテロさんはすごい。こんな私みたいなのでも全然油断してない
手加減はしてるけど油断はしてない。さすがハンター協会会長だ
でも・・・本人も気づかないくらいの、小さな小さな隙はきっとある
さっきも言ったけど私は劣ってる・・・ここにいる誰よりも
だから、だからこそネテロさんも・・・意識こそしてなくても、きっと・・・
どこかで・・・『油断』してるはず・・・
気づかないけど・・・そこにあるはず
でも・・・ネテロさんが私を意識しだしたら
わずかな隙さえ・・・消えうせる
だから・・・チャンスは一回・・・!
―――――――――
――――――
―――
唯「う~ん・・・」
澪「どうした?今の演奏は完璧だったろ」
唯「あ!わかった!チューニングがずれてる!」
梓「ええ?演奏する前にちゃんと・・・」
唯「半音の半分の半分の半分の半分の半分の半分ずれてる!」
律「えええ!?」
紬「そんなのわかるの!?」
唯「よし、これでOK!」チョン
―――
――――――
―――――――――
違和感が確信に変わる前に―――!!!
唯「うんたん・・・うんたん・・・」
ネテロ「なんじゃ?」
完全ランダムに見えるネテロさんの動きの中に
こっちがある特定の動きをしたときのみ現れる
ネテロさんの行動のパターン・・・!
リズムの中に現れるその時が
最初で最後の―――
唯「チャンスだよ!!」
ネテロ「なに!?」
ネテロ(行動を先読みされたじゃと―――!?)
紬「!!!」
ゴン「いける!!!」
キルア「なんだと!?」
ネテロ「ふん!!」
唯「わきゃあ!」ベシャッ!
ネテロはとっさに右手で唯の頭をつかみ、地面にたたきつけた
ネテロ(危ない危ない・・・それにしてもワシの行動を先読みするとは・・・)
ネテロ「面白い子じゃて、ホッホッホ」
紬「唯ちゃん!?」
唯「う~ん」ピヨピヨ
ネテロ「すまんの、手を出したのは謝る。完全にワシのミスじゃ・・・」
紬「・・・私、唯ちゃんを連れて帰りますね。心配ですし・・・」
ネテロ「うむ・・・」
紬「それじゃ」
ゴン「唯さん惜しかったね。もう少しだったのに」
キルア「けっ、おいゴン。あのジーサン右手と左足使ってねーんだよ」
ゴン「ええ!?」
ネテロ「おや、ばれてたのか」
キルア「はは、食えないジーサンだぜ・・・まあ唯さんは右手、使わせたけどな」
ネテロ「むむ」
キルア「つーわけで無理っぽいからオレも抜けるわ」
ゴン「オレはもう少しやってみるよ。唯さんと同じ右手くらいは使わせてみる」
キルア「ああ、じゃあな」
紬(ネテロさん・・・右手と左足を使ってなかった)
紬(私たちの誰も・・・使わせることが出来なかったのに・・・)
紬(唯ちゃんは・・・ネテロさんを追い詰めて・・・右手を使わせた・・・)
紬「すごいわ唯ちゃん・・・わたしにも分かる。前に唯ちゃんが言ってた、わくわくするって気持ちが―――」
唯「う~んむにゃむにゃ」
紬「もう唯ちゃんたら・・・今日はゆっくり寝ましょ・・・」
ゴン「唯さんすごかったね」
ネテロ「うむ。正直予想外じゃった」
ネテロ(右手と左足を使っていなかったために、どこかで動きがパターン化してしまったか・・・)
ネテロ(しかしそれでも、ワシの行動パターンを見抜くとはの・・・楽しくなりそうじゃな、ハンター試験も)
ゴン「よ~し!オレも頑張るぞ!」
ネテロ「こい!」
明朝9時半
役員『皆様大変お待たせいたしました、目的地に到着です』
ゴゥンゴゥン・・・
唯「みんな外見て!なんかすごいのがあるよ!」
澪「確かにすごい高い塔だな・・・」
律「ここが次の試験会場・・・」
紬「わくわくするわ~♪」
梓「ファイト!私!」
ゴゥン・・・
役員「到着です」
唯「誰もいないし何もないね」
紬「ここで何をさせる気かしら」
役員「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです、ここが三次試験のスタート地点になります」
役員「さて試験内容ですが・・・試験官からの伝言です」
役員「生きて下まで降りてくること、制限時間は72時間」
次から3次試験開始です
今回もさるさん1回・・・もうこうなったら開き直って
規制→解除待ちの繰り返しにしようか
10分空いたら多分規制食らってます
朝飯休憩
役員「生きて下まで降りてくること、制限時間は72時間」
役員「ではまた」
ゴゥンゴゥン
唯「飛行船行っちゃったね」
役員『それではスタート!頑張って下さいね!』
三次試験参加人数73名
唯「73人・・・?2人減ってる?」
唯「高いね~下が全然見えないや」
澪「円柱みたいな形だなこの塔」
律「側面は何もない壁か・・・」
梓「ここから降りるのは無理ですね・・・」
受験生「普通の人間ならな、オレはプロのロッククライマーだ」
受験生「壁にこのくらいのとっかかりがあれば楽勝よ」
紬「・・・」
唯「うわ~もうあんなに降りてる」
澪「あ・・・」
律「ん?」
澪「あれ」
受験者「ふふん、どうやら三次試験合格第一号はオレ様のようだな」
バサッバサッ
受験者「?・・・うわあああああああ!!!」
グチャグチャバリバリ
澪「うわああああああ!!」
梓「―――っ!!!」
紬「やっぱり外壁をつたうのは無理みたいね」
律「怪鳥に狙い撃ち・・・」
唯「きっとどこかに下に通じる扉があるはずだよ」
澪「隠し扉・・・隠し扉・・・」
唯「・・・?」
澪「どうした?」
唯「人数が減ってる」
澪「!」
律「・・・56人!?20人近く消えてる・・・」
澪「ムギの執事は全員居るみたいだけど・・・」
唯「ゴンくんたちも居なくなってる。消えた全員が同じルートを通って行ったとも思えないよ」
律「隠し扉が複数ある・・・てことか」
紬「みんな~」
唯「ムギちゃん、あずにゃん」
澪「どこ行ってたんだ?」
梓「そこで隠し扉を見つけました」
唯「ほんと~!?でかしたよあずにゃん!」ダキッ
梓「わっ!くっつかないで下さいよ~」(ああ・・・しあわせ・・・)
紬「それでね、今迷ってるの」
律「なにを?」
紬「どれにしようかと思って」
梓「扉がいっぱいあったんです!」
梓「こことここと・・・」
唯「5つの隠し扉がこんな近くに密集してるのか~・・・」
紬「おそらくこの内のいくつかは罠・・・」
律「だろうな」
梓「しかもこの扉、一回きりしか開かないみたいなんです」
唯「ほほう」
梓「別の場所で誰かが降りて行くのを見たんですけど、そこは下からロックされててもうビクともしませんでした」
紬「この扉は回転ドアが床に縦に付いてるような感じみたいなの」
梓「つまり扉は一人に一つずつ」
紬「みんなバラバラの道を行かなきゃいけないってことね」
唯「たしかにこの幅じゃ一回につき一人くぐるのが精いっぱいだろうね」
紬「ちょっと提案なんだけど・・・」
唯「なぁに?ムギちゃん」
紬「澪ちゃん、りっちゃん、梓ちゃん・・・棄権した方がいいと思うの」
澪「あ・・・」
律「・・・」
梓「・・・」
紬「ここからは本当に一人で行かなきゃならないわ・・・」
紬「私も唯ちゃんも、執事達ももう助けてあげる事が出来ない・・・」
唯「みんな死んじゃうかも知れない・・・そんなの私・・・」
澪「私は行くよ」
唯「澪ちゃん!?」
律「あたしも行くぜ!」
梓「ここまで来て引けないです!」
紬「みんな・・・でも本当に今回ばっかりは・・・」
澪「な~に、心配するな!危険を感じたら無理せずリタイアするから!」
梓「そうです!死ぬかもしれないような場面に遭遇する前に棄権します!」
律「私たち三人が足手まといなのはとっくに知ってる、ただ挑戦する前から諦めたくないんだ」
唯「りっちゃん・・・」
律「お前らと能力は違っても・・・対等な関係でいたいんだ。だから・・・行く」
紬「・・・わかったわ、約束よ。危険を感じたらすぐにリタイアして」
唯「じゃあ扉を選ぼう」
澪「ジャンケンで順番を決めましょうか」
ジャンケンポン!あいこで・・・
律「決まったな」
紬「罠にかかっても恨みっこなしよ」
梓「1、2の3で行きましょう!」
唯「ここでいったんお別れだね」
紬「地上でまた会いましょ」
律「みんな・・・」
澪「ん?」
律「大好きだぜ」
梓「1、2の・・・3!!!」
スタッ
唯「!?」
紬「・・・」
梓「あ、ははは・・・」
唯「みんな・・・久しぶりだね」
紬「5つの扉のどこを選んでも同じ部屋に降りるようになってたのね・・・」
澪「短い別れだったな」
律「全く」
唯「ん・・・?この部屋・・・」
紬「出口がないわ」
律「みんな、そこの看板に何か書いてるぜ」
唯「どれどれ」
多数決の道
君たち五人はここからゴールまでの道のりを多数決で乗り越えなければならない
唯「腕時計みたいなのが置いてあるね」
紬「71:19:10・・・これは多分残り時間のタイマーね」
澪「あと○と×のボタンがある」
試験官『やあ君たち』
唯「あ、そこのスピーカーからだ」
試験官『このタワーには幾通りものルートが用意されており、それぞれクリア条件が異なるのだ』
試験官『そこは多数決の道、たった一人のわがままは決して通らない!』
試験官『互いの協力が絶対必要条件となる難コースである、それでは諸君らの健闘を祈る!』
唯「とりあえずタイマーを付けよう」カチッ
紬「チームワークなら私たちは無敵よ!」カチッ
澪「ああ」カチ
律「HTTをなめんなよ~」カチ
梓「私たちのちから、見せてやるです!」カチ
ゴゴゴゴ
唯「おおっ!ドアが現れたよ!」
紬「きっと五人がタイマーを付けるまで現れない仕組みね」
澪「私たちちょうど五人で良かったな~」
律「ああ、五人じゃなかったらここでしばらく足止めだったろうな」
梓「よ~し、いくです!」
唯「あ、さっそく」
このドアを
○→開ける ×→開けない
唯「もうここから多数決か~」ピッ
澪「こんなの決まってるだろ・・・」ピッ
律「まる・・・っと」ピッ
紬「えい」ピ
梓「です」ピ
ピピッ
ゴゴゴゴ・・・
○5 ×0
唯「結果も出るのかぁ」
紬「・・・行きましょ」(結果表示・・・いやなシステムね)
律「いきなり分かれ道か」
どっちに行く?
○→右 ×→左
澪「扉を出てすぐまた設問か」(左・・・と)ピ
紬(これは思ったより手間取りそうね)ピ
○3 ×2
ゴゴゴゴ・・・
澪「ちょっと待て!こういう時はフツー左だろ?っていうか左じゃないとなんか落ち着かない!」
紬「確かに行動学の見地からも、人は迷ったり未知の道を選ぶ時には無意識に左を選択するケースが多いらしいわ」
梓「私もそれ聞いたことあるです」
律「あたしもちょっと聞いたことある」
澪「お前らなぁ~」
紬「左を選びやすいからこそ右なのよ、試験官が左の法則を知っていたら左の道により難度の高い課題を設ける可能性があるから・・・」
律「そういう事だ」
澪「うう~・・・どうせ私たちは単純だよ」
唯(私も?)
唯「あ!」
紬「広間・・・みたいね」
澪「あっちの端に道が見えるけど・・・」
律「どーすんだよこれ・・・通路がない・・・」
梓「部屋の真ん中に闘技場みたいなのがありますね・・・」
律「そこに行く通路もないし・・・」
紬「下が見えないわね。落ちたら多分終わりみたいだし・・・どうやって向こうまで行ったらいいのかしら」
唯「あ、見て向こうの端」
紬「誰かいるみたいね」
唯「アイさんみたいにマントで全身覆ってる・・・あとあれは・・・手錠?」
?「受験生が来たぜ、手錠をはずしてくれ」
試験官『了解』
?「やれやれ、ようやく解放されたぜ」バサッ
?「我々は審査委員会に雇われた特別試験官である!!」
唯「なんか言ってきた!」
?「オレの名はベンドット!ここでお前らは我々5人と戦わなければならない!!」
ベンドット「勝負は一対一で行い、各自一度だけしか戦えない!!順番は自由だ!!」
ベンドット「お前たちは多数決すなわち3勝以上すればここを通過する事が出来る!!」
ベンドット「ルールは極めて単純明快!!戦い方は自由!!引き分けはなし!!」
ベンドット「片方が負けを認めた場合において残された片方を勝利者とする!!」
唯「一対一!?」
紬(まずいわね・・・)
ベンドット「それではこの勝負を受けるか否か!!受けるなら○、受けぬなら×を押されよ!」
唯「ど、どうしよう・・・」
紬「私たちは○を押すけど・・・」
澪「私も○だ」
唯「澪ちゃん!」
律「最初に言ったろ、お前らとは対等でいたいって」
梓「それに戦い方は自由って言ってましたし、こっちに有利で危険のない方法を提示すればいいんですよ!」
律「危なくなったら棄権するって言ったろ?」
唯「・・・うん!ありがとう!」
紬「じゃあ・・・」
ピッ
○5 ×0
唯「満場一致だよ!」
ベンドット「よかろう!こちらの一番手はオレだ!!さあそちらも選ばれよ!」
唯「どうする?」
梓「・・・私が行きます」
唯「あずにゃん!?」
梓「戦い方は自由なんですから、心配しないでください」
梓「それにもし2勝2敗で大将戦なんて事になって、最後が私だったら荷が重すぎます」
梓「だから唯先輩とムギ先輩のどっちかは大将やって下さいね」
唯「あずにゃん・・・大丈夫?」
梓「そりゃ怖いですけど・・・あ、じゃあ唯先輩いつものやって下さいよ」
唯「いつもの?」
梓「ぎゅって・・・してください」
唯「あずにゃん・・・がんばってね」ギュッ
梓「はい・・・私、勝ちます」ギュッ
もう・・・唯先輩・・・いつものって言ったのに・・・いつもよりずっと強くてあったかい・・・
梓「大好きです・・・唯先輩」
唯「あずにゃん・・・」
ゴゴゴゴ・・・
紬「中央の闘技場まで橋がかかったわ」
ベンドット「戦う者のみ渡られよ!!」
梓「・・・行ってきます」
唯「あ・・・」
ゴゴゴゴ・・・
梓「橋が無くなっていく・・・」
ベンドット「さて、勝負の方法を決めようか」
ベンドット「オレはデスマッチを提案する!」
梓「お断りです!」
ベンドット「・・・じゃあどうするのだ?」
梓「えーと・・・じゃあギターのテクニックとか・・・」
ベンドット「断る。互いに譲れないのなら勝負方法をコイントスで決める事になっている」
梓「分かりました・・・じゃあ表で」
ベンドット「よかろう、では裏で・・・」ピンッ
ベンドット「・・・裏だな」
梓(そんな・・・)
ベンドット「では行くぞ・・・勝負!!」
梓「きゃああああ!!」
唯「逃げてあずにゃん!」
紬「いえ、もう降参して梓ちゃん!棄権してお願い!!」
ベンドット「逃げてばかりでは勝てんぞ・・・ふんっ!!」ブンッ
ベンドットの拳が空を切る
梓「きゃああ!!」
梓(怖い・・・怖い!!でも・・・)
梓(5人で3勝・・・つまり唯先輩とムギ先輩の『2人』が勝つ事を前提としても、私か澪先輩か律先輩が勝たなきゃ・・・!!!)
梓(それに・・・先鋒の私が降参したらチームの士気にも関わる・・・!!だからそう簡単には引けない!!)
梓(何とかしないと・・・何とか・・・!!)
ベンドット「いつまで逃げているつもりだ?はあっ!!」ブゥン!
梓(くぅ・・・戦力差がありすぎる・・・それに追う方より追われる方が負荷が大きい・・・)
梓(何より、もう体力が・・・精神的な圧迫で体力の減りがいつもより早い・・・!)
ベンドット「疲れが見えてきたな・・・そろそろ終わりにしてやろう」
唯「あずにゃん!棄権して!」
紬「梓ちゃん!」
梓(二人のためにも・・・何とか勝たないと・・・!!)
澪「梓!!!」
律「もういい!!!」
梓「澪先輩!?律先輩!?」
澪「お前の事だから唯とムギの為に無理してるんだろ!?」
律「ここで勝たないと後がきついとか、先鋒戦から落とせないとか!!」
澪「そんなに私たちは頼りないのか!?」
梓「―――!!」
律「HTTは唯とムギだけじゃないんだぜ!!」
澪「たまには私たちを頼ってくれても・・・信じてくれてもいいんじゃないか!?」
梓「先輩・・・!!」
澪「お前が負けても私たちが必ず勝つ!!信じろ!!」
律「たまには先輩の言うことも聞け!!」
梓(・・・そうだった・・・私には・・・頼れる先輩が『4人』もいるんだ・・・)
梓「ありがとうございます・・・」
梓「まいりました!!棄権します!!」
ベンドット「なに?」
梓「私の負けです!」
ベンドット「・・・ふん」
梓「あ、橋がまたかかっていく・・・」
ゴゴゴゴ・・・
梓「・・・ごめんなさ」
唯「あずにゃん!!」
紬「無事で良かった!」
澪「良くやった梓、後は」
律「私たちに任せろ!!」
梓「・・・はい!」
ベンドット「これでこっちの1勝、我々があと2勝すればお前たちの負けだ」
ベンドット「先には進めず引き返す事も出来ない、時間切れまでここで立ち尽くすのだ」
唯「ふんだ!こっから4連勝だもんね!!」
澪「3連勝したらそこで終わりだけどな」
律「唯~しっかりしりよ~」
紬「うふふ」
梓「・・・あははっ」
ベンドット「それにしても少々予定が狂ったな。時間をかけていたぶるつもりだったのに」
?「相手が予想以上に腰ぬけだったわけだ」
?「問題ねーさ、俺たちがあと2勝すれば」
?「自動的に彼女たちはここで残り時間釘づけ、私達全員72年分の恩赦が受けられる」
?「さて次はボクだ、錠をはずしてくれ」
唯「今向こうの話が聴こえたんだけど・・・」
紬「私も聴こえたわ、彼らの狙いが分かった」
・・・・・
澪「超長期刑囚・・・!」
紬「ええ」
紬「私たちをこの塔から出さなければその時間に応じて、刑期を短くしてもらえるみたい」
律「じゃああいつらは囚人ってわけか」
梓「凶悪犯って事ですね」
唯「ケーキ?」
?「次はボクだよ。名前はセドカンって言うんだ」
紬「こっちは誰が・・・」
唯「はい!私がいくよ!」
澪「唯」
律「まあいいんじゃないか」
梓「唯先輩頑張って下さい!」
唯「まかせて!あの人痩せててあんまり強そうじゃないしきっと大丈夫だよ!」
セドカン「決まったかい?じゃあ橋をかけるよ」
セドカン「さて御覧のように、ボクは体力にあまり自信がない」
セドカン「単純な殴り合いやとんだり走ったりは苦手なんだ」
唯「私はそっちの方がいいかも。あんまり考えたりするの得意じゃないし」
セドカン「やっぱり?・・・そんな二人のために簡単なゲームがあるんだ」
唯「?」
セドカン「同時にローソクに火をともし、先に火が消えた方の負け・・・どう?」
唯「うん!分かりやすい!その勝負でいいよ」
セドカン「OK、それじゃ・・・」
唯「!?」
セドカン「どっちのローソクがいいか決めてくれ」
紬「長いローソクと・・・」
梓「短いローソク・・・!!」
セドカン「長いローソクなら○を、短い方なら×を押す事。多数決で決めてもらう」
唯「・・・」
澪(・・・罠だ・・・!!)
梓(普通なら長いほうをとる・・・普通なら・・・!!)
律「長いほうにはきっと罠がしかけてあるぜ」
紬「確かにそう考えるのが普通よね・・・でもその裏をかいて短い方に仕掛けがあるかも」
律「でもそんなこと言ってたら・・・」
紬「ええ、きりがないわ」
紬「不自由な二択ってやつね」
梓「不自由な二択・・・ですか?」
紬「ババ抜きで最後の二枚から一枚選ぶとき・・・一枚をとりやすいように上に突き出しておく・・・簡単に言えばそういう事よ」
梓「条件の違う選択肢だと正常な判断が出来なくなるって訳ですね」
澪「くそ・・・どうする?」
紬「・・・」
紬「唯ちゃん!唯ちゃんが決めて!私たちは唯ちゃんの決定に従うわ!」
唯「私が決めていいの?わかった!」
唯「それじゃ長い方ね!」
澪(・・・)
紬(まさか)
セドカン「長いローソクでいいんだね」
唯「だって長いほうが長時間火が消えないに決まってるよ~えへへ!」
澪律紬梓(やっぱり考えてなかったか)
ピピッ
○5 ×0
セドカン「OK、受け取ってくれ。君が長いほうでボクが短い方だ」
セドカン「それじゃ同時に火をつけよう」
セドカン「ゲームスタート!!」
ヒョオオオオオオオオ・・・
唯「おっとっと・・・危ない危ない」ユラユラ
律「下から吹き上げる風が強いな・・・」
澪「勝負の間中うっかり動けないし、よそ見も出来ないってことか」
唯「・・・!」ボンッ!ボボボボ
律「!おいっ!唯のローソクが!」
ゴオオオオオ
唯「・・・・」ボオオオオオオ
紬「あきらかに向こうのローソクより炎の勢いが大きい!」
梓「ローソクの中に火薬か何かを混ぜて、火力と強めてロウの消耗を早めてるみたいです!」
澪「見ろ!どんどん短くなっていく!」
唯「あちち」
紬「この調子じゃあと2、3分しか持たないわ!」
律「くそ!やっぱり長い方に罠が仕掛けてあったのか!」
唯「あちあちち」
セドカン(くくく・・・違うんだよ)
セドカン(用意していたローソクは4本!)
セドカン(不自由な二択はあくまで実際の罠をかくすためのカムフラージュ)
セドカン(君たちは勝手にどちらかが罠だと思い込んだ、あまりに不公平な選択を前にして両方とも罠だとは考えなかった)
セドカン(実際は長短どちらを選ぼうが、オレがお前に渡すのは油たっぷりのローソクだったって訳さ!)
唯「・・・やっぱりね!」
セドカン(やっぱり長い方に罠が・・・ってか?バカめ!)
唯「やっぱりどっちにも罠が仕掛けてあったみたいだね!」
セドカン「なっ!?」
唯「なんとなく分かってたよ、だから長い方を選んだんだ!」
唯「火の勢いが強いって事はちょっとの風じゃ消えないって事」
唯「長い方なら罠でも多少はもってくれるしね!」トン
セドカン「ローソクを床に・・・!」
ダッ!!
セドカン(疾い!!)
セドカン「あっ・・・」
唯「ふっ!!」
セドカン「あっ消された・・・」
唯「勝ちぃ!」
律「よし!これで1勝だ!」
澪「あと2勝だな!」
梓「唯先輩かっこいいです!」
紬「さすが唯ちゃんね」
唯「えへへ~」
?「バカが、道具に頼って小細工なんかするからこうなるんだ」
セドカン「う・・・」
?「見てな」
律「よ~し、次はあたしが行くぜ!」
?「次はオレだ、名をマジタニと言う」
律「うわっ!・・・すごい体・・・と顔」
唯「筋肉ムキムキだね!」
マジタニ「さあいざ闘技場へ!!」
律「怖いけど・・・勝負方法によってはまだ可能性はある・・・!」
マジタニ「今までに19人殺したが・・・19って数はキリが悪くてイライラしてたんだ、嬉しいぜ」
澪「連続殺人犯か?・・・りつぅ・・・」
マジタニ「オレは命のやり取りじゃなきゃ興奮できねェ!半端な勝負は受けねェぜ!」
律「こっちにも勝負方法を提示する権利があるんだ、勝手ぬかすな」
マジタニ「な・・・ふ、いいだろう。オレはデスマッチを提案する」
マジタニ「ただし・・・たとえお前が途中で負けを宣言しても、そこでオレが攻撃をやめるなんて望みは持たないことだな」
律「じゃああたしは・・・ドラム用語を多く知ってる方が勝ちって事で古今東西だな」
マジタニ「ふざけやがって・・・仕方ねェ、コイントスだ」ピン
律「表」
マジタニ「・・・裏だな」
律「・・・ちっ」
律「じゃあデスマッチ・・・ってことだな」
マジタニ「くっくっく・・・」
律(まずいな・・・あたしなんかじゃすぐ殺される)
梓「律先輩・・・」
律(でも梓だって多少は持ちこたえたんだ・・・たまには先輩らしいとこ見せないとな・・・!)
マジタニ(くくく・・・こいつはすぐ降参しそうだな・・・)
澪「大丈夫かな律・・・相当やばそうな相手だし・・・」
唯「うーん」
紬「・・・」
紬(ハッタリね・・・彼は人を殺すどころか殴る度胸もないただのホラ吹き)
紬(でも今それをばらしたら彼も何かしらのアクションを起こしてくるかも知れない)
唯「心配ないかも」
澪「え?」
唯「だってあの人見てもゾクゾクしないもん」
澪「なんだよそれ?」
紬「・・・ふふ」
紬(りっちゃんのあの顔・・・気づいてはいないみたいだけど・・・きっと大丈夫!)
マジタニ「勝負スタート!!」
マジタニ(見せてやるぜ!オレのハッタリ!!)
マジタニ「ひゃおっ!!!」
ドゴ!!!
律「わっ!!あぶね!!」
澪「床を素手で砕いた・・・!」
唯「おお」
梓「律先輩!」
紬「あらあら」
紬「っ―――!」
紬(12本足のクモのイレズミ・・・あれは・・・)
紬(史上最凶と言われているA級首の盗賊団・・・幻影旅団のメンバーの証!!)
紬(・・・のつもりかしら?偽物だってバレバレね♪)
マジタニ(拳に鋼鉄をしこみ岩をも砕くこの腕の威力と、旅団のイレズミ!)
マジタニ(この二つを同時に見せられて、戦意を喪失しない者など皆無!!)
マジタニ「くくく・・・どうした?声も出ないか?」
マジタニ「このイレズミは知ってるだろ?オレ様は旅団四天王のひとり破壊王マジタニ、一発目はあいさつがわりだ」
マジタニ「負けを認めるなら今だぜ、今ならまだオレ様もそんなに・・・」
律(・・・)
律(何かひっかかる・・・)
律(まず、さっきのパンチ・・・あたしは反射的に身をかがめただけで・・・)
律(かわしてない)
律(それから・・・外野の声)
律(澪と梓は今もキャーキャー言ってるけど・・・唯とムギは全然騒いでない)
律(ただし梓が戦ってた時は唯もムギも棄権をすすめていた・・・)
律(あとこいつ・・・やたら饒舌だ)
律(旅団四天王とか破壊王とかは何を言ってるかよく分かんないけど・・・最初から自分語りが過ぎる)
律(そしてこれは勘だけど・・・ヒソカと会ったときみたいな怖い感じがしない)
律(死を間近に感じない・・・とでも言うのか)
律(こうやって考えてる間中もコイツはずっと喋ってるだけで、攻撃もしてこない)
律(こいつまさか・・・口だけのハッタリ野郎で弱いんじゃ・・・!?)
マジタニ「どうした?降参する気になったか?」
律「ふん、誰が降参なんてするか」
律(ハッタリには、ハッタリで勝負だぜ!)
律「お前・・・旅団を名乗るとはいい度胸だな・・・」
マジタニ「えっ!?」
律(こいつはさっき旅団がどーたらとか言ってた・・・旅団ってのは多分ヤクザみたいな感じの、名前を聞いただけで恐れるような組織のハズ)
律(んでコイツの事だ、その旅団ってのにはおそらく所属してない)
マジタニ(こいつ・・・オレが旅団のメンバーじゃないと何故・・・!?しかも今の口ぶり、まさか本物の・・・!?)
律「仕事の関係でライセンスが必要になったから試験を受けに来たが・・・こんなところに旅団を語る奴がいたとはなァ・・・」ニヤリ
マジタニ「ひっ・・・!」
マジタニ(まさか本物の旅団員!?バカな!でもこいつの自信と表情・・・!)
律「19人殺した・・・だと?バカめ、あたしたちは何人殺したかなんて数えちゃいないんだよ」
律「だいたい刑務所に入るような間抜けは旅団にはいない・・・」
律「イレズミも偽物だってすぐに分かったぜ」
律(と適当に言ってみたが・・・どうだ?)
マジタニ(ああ・・・!すべてばれてる!イレズミの事も!やばいぞ・・・本物だ・・・!)
マジタニ(ハンター試験をここまで勝ち進んできたんだ・・・!よく考えりゃ相当な実力者だって事じゃねーか!)
律「デスマッチにしたら一瞬で勝負が決まっちまうし、雑魚を殺してもつまんねーから平和的な勝負方法を提示してやったのに・・・」ザッ
マジタニ「ひっ!」
律「それでも軽くひねって降参させてやろうと思えば・・・旅団を語るとはな・・・」ザッ
マジタニ「ひひいっ!」
律「いいぜ・・・今殺してやるよ・・・!」スッ
マジタニ「うわあああ!降参だあああ!!!」
律「よしっ!!!」
マジタニ「はっ!つい・・・!」
唯「りっちゃんやったね!」
紬「ハッタリ合戦に持ち込むなんてすごいわ~」
唯「あ、やっぱりハッタリだったんだあの人」
澪「良かった・・・良かったよりつぅ~」
梓「かっこいいです!」
律「ただいま!やったぜ!これで2勝だ!」
マジタニ「す・・・すまねェ」
?「あんたには最初からなんの期待もしてないわ」
ベンドット「もう後がねーぞ」
?「ま、あたしにまかせといてよ」
澪「よ、よし!私で決めてくるよ!」
?「次はあたし、名前はレルート」
澪(綺麗な女の人だなぁ・・・)
レルート「勝負方法は・・・」
レルート「賭け・・・なんてどうかしら」
澪「賭け?」
澪(う~ん・・・別に賭けでもいいけど・・・一応)
澪「私は・・・ベースのテクニック勝負がいい」
レルート「それじゃコイントスね」
澪「表で」
レルート「・・・裏ね、じゃあ賭け勝負よ」
レルート「賭け勝負、時間がチップがわりよ」
レルート「使える時間は50時間ずつ、ただし10時間単位でしか使えない」
レルート「どちらかのチップが0になるまで賭けを続ける、賭けの問題は交互に出題する」
レルート「もしそっちのチップが0になったら、タワー脱出のリミットが50時間短くなる」
レルート「もしこっちのチップが0になったら、あたしの懲役が50年長くなる」
レルート「どう?」
澪「・・・こっちはもう了承するしかない」
レルート「うふふ、そうだったわね」
澪(負けたら・・・残り時間は約15時間・・・絶対勝たなきゃ・・・!)
レルート「それじゃ最初はあたしの出題からいくわね」
レルート「あたしが男か女か賭けてもらうわ」
澪「ええっ!?」
澪(予想外だこんなの・・・まさかオカマ・・・?)
澪「もし外れたらどうやって確かめるんだよ」
レルート「あなたにあたしの体を調べてもらう・・・納得するまでね」
律「澪のヤツ・・・男に賭けるな」
梓「・・・はい」
唯「え?なんで?」
澪「・・・男に10時間!」
律「やっぱりな」
紬「まあ仕方ないかしら」
唯「え?なんでわかったの?」
澪(これなら外れても女の人を触るだけで済む・・・)
澪(女に賭けて外れたら、男の人の体を触る事に・・・そんなのいやだ!)
律「―――というわけだ」
唯「なるほどね」
澪「答えは・・・?」
レルート「残念ね、あたしは女よ」
澪「ほ・・・ほんとか?」
レルート「確かめてみなさいよ、ほら」
澪「う、うう・・・」
澪「ちょ・・・ちょっと・・・自分で確かめますから・・・」
レルート「早くしなさいよ」ムニュ
澪「やわらかい・・・///」
レルート「胸はあるでしょ?次は下ね」
澪「下って・・・///」
レルート「ほらほらどうしたの?確かめるんでしょ?」プニッ
澪「ひゃあ!///」
レルート「無いでしょ?」
澪「は、はい!///」
レルート「女ってことでいいわね?」
澪「はい・・・///」
レルート(あらあら可愛い子ね)
紬「はぁはぁ」ボタボタ
唯「ムギちゃん鼻血が!」
残りチップ
澪40 レルート60
レルート「さ、次はあなたが出題するのよ」
澪(こっちが確実に勝てる賭けなんて思いつかないな・・・)
澪「じゃあ私のベースが右利き用か左利き用か・・・だ」
レルート(こんな問題を出すって事は十中八九・・・)
レルート「左利き用に20時間」
澪「なっ・・・!」
レルート「じゃあ見せてもらうわよ・・・あ、左利き用ね」
澪「なんで・・・」
レルート(なんでじゃないわよ、この子賭け弱いわね・・・)
残りチップ
澪20 レルート80
レルート「次はあたしの出題ね」
澪(もう変なのはやめてくれよ)
レルート「あたしに下の毛が生えてるかどうかよ!」
澪「またかよおおおぉぉ!」
レルート(この子いじめるの楽しいわ)
レルート「さあどっち?」
澪(ん?・・・囚人に・・・手入れする時間とかあるのかな?)
澪(これは・・・勝ったぞ!)
澪「生えてるに10時間!」
レルート「外れ、生えてないわ」
澪「なにいいいぃぃぃぃ!!」
レルート「確かめてみなさいよ」
俺「俺の本命は唯かあずにゃんか!?」
唯・梓「俺さん・・・///」
澪「確かめるって・・・」
レルート「直接触んのよ、ほら」グイッ
澪「うわうわうわ///」
レルート「ほら、生えてないでしょ?」プニプニ
澪「」プニプニ
レルート「ついに反応しなくなった・・・」クチュ
澪「・・・はっ!私は何を・・・」
レルート「生えてなかったって事でまたあたしの勝ちね」
残りチップ
澪10 レルート90
澪(残り10時間・・・絶対勝たないとダメなのに確実に勝てる勝負が浮かばない・・・)
澪(それどころか普通にやってもこの人には勝てない気がする・・・)
澪(こうなったら運まかせだ!)
澪「よし、ジャンケンでどっちが勝つかだ!」
レルート「いいわよ、あたしが勝つ方に90時間全部賭けるわ」
澪「ええっ!?」
レルート「賭ける時間はこっちの自由だから問題ないわよ、それにもしアナタが負けてもとられる時間は10時間だけだから安心して」
澪(そんなにジャンケンに自信があるのか!?)
レルート(―――って顔してるわね、別にないわよ自信なんて)
紬「まずいわね・・・澪ちゃんは多分勝てない・・・」
ジャンケンポン!
あいこで・・・ショ!!
残りチップ
澪0 レルート100
澪「負けた・・・」
レルート「チップ切れでアナタの負けね」
唯「2勝2敗・・・」
律「しかも賭けに負けた分のチップ、50時間を支払わないと・・・」
澪「みんなごめん・・・」
唯「気にしないで澪ちゃん、誰のせいでもないよ」
紬「ええ、逆転の手は必ず残ってるはずよ」
澪「ありがとう・・・ごめん」
レルート「彼女たちの残り時間は15時間を切った・・・私たちは50年分の恩赦ね♪」
?「残り時間なんて関係ない・・・オレの相手は死ぬしかないのだから」
紬「よ~し、最後は私ね!」
律「最後の相手はどんなやつだ?」
?「・・・」バサッ
唯「・・・!」ゾクッ
梓「あ、あの人は・・・!」
唯「あずにゃん知ってるの?」
梓「ムギ先輩・・・棄権してください・・・」
紬「・・・」
梓「解体屋ジョネス、外国の無差別大量殺人犯です」
唯「無差別大量殺人犯・・・」
梓「被害者は少なくとも150人、老若男女わけへだてなく文字通り彼の手によって殺されました」
澪「文字どおりって?」
梓「被害者の体は最低でも50以上のパーツに分解されていました・・・素手で」
律「素手で!?」
梓「彼の得意技は素手で人の肉をすばやくむしりとること」
梓「それを可能にしているのは、異常なまでの指の力!!」
ジョネス「久々に、シャバの肉をつかめる・・・」
紬「・・・」
梓「あんなのの相手をすること無いです!死んじゃいますよ!」
唯「ムギちゃん!?」
紬「・・・大丈夫よ」
紬「勝負の方法は?」
ジョネス「勝負?勘違いするな」
ジョネス「これから行われるのは一方的な惨殺さ、試験も恩赦もオレには興味がない」
ジョネス「肉をつかみたい・・・それだけだ、お前はただ泣き叫んでいればいい」
紬「じゃあ死んだ方が負けでいいかしら」
ジョネス「ああいいだろう、お前が」
ドスッ・・・
ジョネスの目の前にいたはずの紬は、いつのまにか彼の後方にいた
そして彼女の手には、ジョネスの心臓が握られていた
紬「・・・」ビクンビクン
ジョネス「か・・・返・・・」
紬「・・・」ニコッ
グチャッ・・・
紬「さて、3勝2敗ね」
紬「これでここはもうパスでいいのよね?」
ベンドット「・・・ああ君たちの勝ちだ」
ベンドット「ここを通り過ぎると控室がある、そこで負け分の時間50時間を過ごしていただこう」
紬「そう、ところでベンドットさんさっきの勝負物足りなかったんじゃないかしら?・・・私と遊びます?」
ベンドット「・・・やめておく」
澪律梓「・・・」
澪「・・・え?いったい何が・・・」
唯「あ・・・みんなまだ聞いてなかったっけ」
律「暗殺術!?」
梓「ムギ先輩が!?」
唯「うん」
紬「さ、行きましょ」
ゴゴゴゴ・・・
唯「ようやく先に進めるね」
試験官『この部屋で50時間過ごしてもらえば、先に進めるドアが開くので待っていたまえ』
澪「ムギ・・・さっきのはいったい・・・」
紬「みんなにもいつか話さなきゃって思ってたんだけど・・・」
律「琴吹家に・・・」
梓「エリート教育・・・そして暗殺術・・・」
唯「みんな・・・」
紬(やっぱり受け入れては・・・)
澪「すごいなムギ!」
紬「え?」
律「そうだぜ!なんだよ早く教えてくれればいいのに!」
紬「怖くないの?」
梓「そりゃあ怖くないって言ったらウソになりますけど」
澪「それ以上に、話してくれたムギに感謝してる」
律「ああ、あたしらはHTTの仲間だろ?もう隠し事は無しだぜ?」
澪「怖いって気持ち以上に、ムギと一緒にいたいって気持ちの方が断然強いのさ!」
紬(みんなも唯ちゃんと同じ事言ってくれる・・・私は・・・まだみんなと一緒に居られるんだ・・・)ポロッ
唯「あ~ムギちゃんまた泣いてる!もう!私たちそんなに薄情に見えたの~?」
紬「ち、ちが・・・//」ポロ
唯「も~ムギちゃんは心配しすぎだよ~」
澪「そうだぞ、そんなことで私たちの繋がりは切れないんだからな!」
律「繋がりなんて澪のえっち~」
澪「な、そういう意味じゃ・・・///」
梓「もう!せっかくいい雰囲気だったのに台無しです!」
紬「・・・うふふ」
1 :みんなの暇つぶしさん:2009/08/09(日) 01:02:49
知ってるかもしれないが
作者さんが見てると思うので貼っときます。
ブーン系小説案内所スレより転載
さるさん理解のススメ
同一スレに複数回書き込むことで仮想の値(便宜上ポイントと称する)がたまると考える。
ポイントが「さる状態」のラインまで蓄積されるには時間がかかる。
しかし、一度その限界を超えると解除には次のポイント減少条件が必要だと考えられている。
・時間経過(効果―小。大体10分で基準値を下回る)
・他人の支援(効果―中。これの基準は不明)
・投下者が他スレに書き込む(効果―大。投稿40秒ルールには目をつむるべし)
特に推したいのが三つ目だ。
あまり知られていないが、同一スレに書き込むこと以外ならポイントを減らせるらしい。
特筆点は、被さるの投稿者が任意にこれを実施できることだ。
また、焦りから「同一スレに書き込む」と、書き込めないばかりかさるのポイントを蓄積することになる。
よって、支援数が足りない場合は五回に一度ほど他スレに書き込めば良いと思われる。
これは他作品への支援による、他作者のさる防止にも繋がる行為である。
以上、さる防止のススメ。
梓「あ、この部屋楽器が一式揃ってますね」
唯「ほんとだ、アンプもある」
律「ドラムセットも」
紬「キーボードもあるわ~」
澪「よし、久々にやるか!」
唯「よ~し!放課後ティータイム、50時間耐久ライブだよ!」
梓「50時間ぶっ続けは無理ですよ~」
唯「気合いだよ!あずにゃん!」
紬「ポットもお菓子もあるし、お茶も出来そう♪」
律「よっしゃ行くぜ!準備はいいか~?」
唯澪紬梓「おー!!」
そして50時間後
ゴゴゴゴ
唯「扉が開いた!」
紬「残り14時間ってところね、急ぎましょ」
ダダダダ・・・
唯「階段だ!」
どちらに行く?
○→登る ×→降りる
澪「ハァ・・・ハァ・・・」
唯「ここはさっきの闘技場・・・」
澪「30分走って逆戻りか・・・」ハァハァ
律「だから素直に降りる階段選べばよかったんだよ」ハァハァ
澪「・・・ハァハァ」
律「だから素直に降りる階段選べばよかったんだよ」
澪「う、うるさいな、律も納得ずみで決めたことだろ!」
この後も5人は幾度となく多数決をせまられた・・・
電流クイズ、○×迷路、地雷付き双六etc
自分たちが現在何階まで降りて来たのかもわからぬまま
残り時間はとうとう60分を切った・・・
律「急・・・ごうぜ」
澪「ああ・・・残り時間が少ない・・・」
扉を
○→開ける ×→開けない
唯「開けるに決まってるよ~」ピ
○5 ×0
ゴゴゴゴ
紬「!」
紬「見てみんな、どうやら出口が近いわ」
唯「えっ?ほんと!?」
最後の別れ道
ここが多数決の道最後の分岐点です
心の準備はいいですか
○→はい ×→いいえ
唯「も~、準備OKに決まってるよ」ピ
○5 ×0
ピピッ
試験官『それでは扉を選べ、道は二つ・・・』
試験官『5人で行けるが長く困難な道・・・』
試験官『3人しか行けないが短く簡単な道』
試験官『ちなみに長く困難な道はどんなに早くても攻略に45時間はかかる』
試験官『短く簡単な道は3分ほどでゴールに着く』
試験官『長く困難な道なら○、短く簡単な道なら×を押せ』
試験官『×の場合壁に設置された手錠に2人が繋がれた時点で扉が開く、その2人は時間切れまでここを動けない』
唯「そ、そんな・・・」
残り時間
57分25秒
唯「ど、どうしよう・・・」
律「どうしようも何も、もう選択肢は一つしか・・・」
澪「×を押すしかない・・・」
紬「そんな・・・」
梓「ここまで来て・・・2人見捨てろって事ですか・・・」
律「・・・先に言っておくぜ、あたしは×を押す」
紬「りっちゃん・・・」
律「だってそうだろ!?もう×を押すしか・・・!」
唯「私は○を押すよ」
澪「唯」
唯「せっかくここまで来たんだし、やっぱり5人で通過したい」
唯「イチかバチかの可能性でも、私はそっちに賭けたい」
澪「イチかバチかもくそもさ、残り時間は1時間も無いんだ。短い道を選ぶしかないよ」
澪「あとはどうやって3人を決めるか、だな・・・」
唯「イヤだよ!私、みんなと一緒じゃなきゃヤダ!!」
律「唯!そんな事言ったってもう時間が・・・」
澪「唯、安心しろ。お前が3人から外れる事はない」
梓「そうですね・・・どうやって決めたとしても、唯先輩とムギ先輩が外れる事はないと思います」
唯「バカ!そんな事言ってるんじゃないよ!」
紬「あの・・・私も○を押すわ」
梓「ムギ先輩!?」
紬「私も、全員でクリアしたいの・・・」
澪「無理だって言ってるだろ!それにどっちにしろ唯とムギは先には進めるんだ!」
律「ああ、残る2人はあたしか澪か梓の内の誰かになる」
梓「唯先輩とムギ先輩はハンター試験に合格するだけの実力がありますけど、私たちには・・・」
唯「だからそういう事を言ってるんじゃないの!」
律「往生際が悪いぞ唯!あたしたちの事は捨ててムギと先に行け!!」
唯「絶対ヤダ!何かあるはずだよ!5人で突破する方法が・・・!それを探すのが今なんだよ!!」
律「このわからず屋!」
唯「絶対あるよ!何か・・・何か・・・!」
律「覚えてるか?二択の町で言われた選択の時が今なんだ!正解なんて無いかも知れないけど、選らばなきゃダメなんだよ!!」
唯「違うよ!今は生き死にの選択じゃないし、まだ可能性があるかも知れない!今はその時じゃないよ!」
律「くそ、言っても無駄みたいだな・・・なら強制だ!澪、梓!×を押せ!」
澪「!」
梓「そ、そうですね!私たち3人が×を押せば・・・!」
唯「ダメー!!」
唯「お願い!もう少し待って!」
律「はなせ唯!」
紬「唯ちゃん・・・」
唯「ヤダ・・・ヤダよ・・・」ポロポロ
律「・・・」
澪「・・・この部屋、武器だらけだな。まるで戦ってでも3人を決めろって言ってるみたいだ」
梓「澪先輩!?」
澪「いや、もちろんそんな事はしないけど・・・」
唯(・・・武器だらけ・・・)
唯(戦って・・・そう言えば闘技場で戦ったんだっけ・・・)
唯「・・・!」
唯「わかった!いける!いけるよみんな!」
律「いけるって何が・・・」
唯「いいから!5人で行く方法があったんだよ!今は私を信じて○を押して!」ピ
律「あ、押しやがった!」
紬「えい」ピ
澪「ムギ!」
紬「唯ちゃんを信じましょ!さあみんなも早く!」
梓「・・・あーもう!信じますよ!」ピ
澪「唯、お前ならホントに何とかしてくれるかもな!」ピ
律「~~!!もう!しらねーぞ!」ピ
○5 ×0
ゴゴゴゴ・・・
残り時間
50分3秒
トリックタワー一階
ゴン「唯さんたち来ないね・・・」
レオリオ「無事だといいんだが・・・」
クラピカ「まだ時間はある、きっと彼女たちなら来るさ」
キルア「ああ、心配しなくても大丈夫だよ」
ヒソカ(う~ん、まだ彼女が来ない・・・ボクの見込み違いだったかなぁ?)
斉藤(お嬢様・・・どうかご無事で・・・)
アイ(お姉ちゃん・・・きっと来るよね、お姉ちゃんなら・・・)
――――――!
ヒソカ「・・・来たね」
唯「ひゃっほ~~~!」
澪「怖い怖い怖い~!」
律「ムギ!残り時間は!?」
紬「10秒!9・・・8・・・」
梓「あ!出口です!」
唯「いっけ~~~~~!!!!!」
バシューーーーーーーーン!!!
唯「間に合った~~~!!!」
澪「着いた・・・」
律「滑り台ごときで怖がりすぎだぜ澪~」
紬「でも真っ暗な上に相当急な斜面だったから」
梓「でも楽しかったですよ!」
試験官『タイムアップ~!』
試験官『三次試験終了~!』
唯「えへへ、みんなで突破出来たね!」
澪「ギリギリだったな」
律「手がマメだらけだ」
梓「まったくイチかバチかでしたね!」
紬「5人揃って合格!唯ちゃんのおかげね!」
律「まったくあの場面でよく思いついたもんだな」
―――――――――
――――――
―――
唯「みんな急いで!武器を手に持って!」
律「武器を!?こんなもんどうするってんだよ・・・!?」
唯「○の扉と×の扉の間の壁を・・・壊す!!」ドカッ!
紬「!」
澪「そうか!その手があったか!」
梓「流石唯先輩です!」ドカッ!
唯「時間がない!急いで!」ドカッ!
律「よっし!やってやるぜ!」ドカッ!
澪「えい!」ドカッ!
紬「はああっ!!」ズドン!!
唯「流石ムギちゃん!」ドカッ!
―――
――――――
―――――――――
紬「長く困難な道から入って、時間内に壁を壊し短く簡単な道へ出る」
紬「確かにこれなら5人で脱出出来るわね」
唯「闘技場で囚人さんが素手で床を砕いたりしてたからね、武器があれば時間内に壁を壊せるかもって思ったんだ~」
紬「極限の精神状態で二択を迫られても、それを壊す発想が出来る・・・それが唯ちゃんのすごいところよ」
唯「えへへ」
律「壁も常識もぶっ壊したわけだな!」
唯「・・・」
澪「・・・律、うまいこと言ったつもりか?」
梓「・・・すべりましたね、律先輩」
律「最後が滑り台だっただけにか?」
紬「・・・」
唯「りっちゃ~ん・・・」
律「な、なんだよ!ったくお前らは・・・」
唯「あはは!」
澪「ふふっ」
紬「うふふ」
梓「あはは」
三次試験
合格者57名
3次試験終了です
一言二言でも書き込み見るとやる気でます、ありがとう
唯「あ、扉が開いたよ」
澪「やっと外に出られるんだな」
紬「さあ、次も頑張りましょ!」
地上
試験官「諸君タワー脱出おめでとう、オレは三次試験の試験官だったリッポーだ」
リッポー「残る試験は4次試験と最終試験のみ」
唯「あと二つ!」
リッポー「4次試験はゼビル島にて行われる、では早速だが」
唯「なんか運ばれてきたね」
リッポー「これからクジを引いてもらう」
紬「クジ・・・?」
澪「これで一体何を決めるんだ?」
リッポー「狩る者と狩られる者」
リッポー「このクジで決定するのは、狩る者と狩られる者」
リッポー「この機械の中には57枚のナンバーカード、すなわち今残っている諸君らの受験番号が入っている」
リッポー「今から1枚ずつ引いてもらう」
リッポー「それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう、まずは44番ヒソカ」
リッポー「次は・・・」
唯「私たちは最後だね」
紬「ええ、ギリギリ到着だったからね」
唯「!」
紬「!」
リッポー「全員引き終わったな」
唯「・・・」
リッポー「今諸君がそれぞれ何番のカードを引いたのかは全てこの機械に記憶されている」
リッポー「したがってそのカードはもう各自自由に処分してもらって結構」
リッポー「それぞれのカードに示された番号の受験生が」
リッポー「それぞれのターゲットだ」
紬「・・・」
リッポー「奪うのはターゲットのナンバープレート」
リッポー「自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは、3点」
リッポー「自分自身のナンバープレートも、3点」
リッポー「それ以外のナンバープレートは1点」
リッポー「最終試験に進むために必要な点数は、6点」
リッポー「ゼビル島での滞在期間中に6点分のナンバープレートを集めること」
唯(そんな・・・)
紬「・・・」
船上
ガイド「ご乗船の皆様、第3次試験お疲れさまでした!」
ガイド「当船はこれより2時間ほどの予定でゼビル島へ向かいます」
受験生(いったいどいつだ?)
受験生(誰がオレを狩る者なんだ?)
戦いはすでに始まっていた
誰とはなく自分のプレートを胸からはずし懐にしまい込んでいた
みな誰とも視線をあわせず情報を遮断した
ガイド「それではこれからの2時間は自由時間になります、みなさん船の旅をお楽しみくださいね!」
唯「船に乗るの久しぶりだ・・・」
唯(どうしよう・・・)
澪「あのさ、みんなは」
唯「ご、ごめん澪ちゃん!私ちょっと風に当ってくる」タタタ
澪「唯の奴・・・まさかヒソカの番号でも引いたんじゃ・・・」
律「ええ!?ま、まさか」
梓「でも唯先輩、元気ありませんでした・・・」
紬「・・・私が行ってみるわ」
澪「ムギも元気がないような・・・」
唯「ふう・・・」
紬「・・・唯ちゃん」
唯「!・・・ムギちゃん」
紬「何番・・・引いたの?」
唯「え?あはは・・・」
紬「唯ちゃんなら例えヒソカの番号を引いてもそんな顔はしない・・・違う?」
唯「・・・あはは」
紬「ゴンくんたち・・・いえ、私たちの誰か・・・でしょ?」
唯「!」
唯「そ、そんなこと」
紬「・・・私もなの」
唯「え?」
紬「私が引いた番号も、そうなの」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「・・・せーので、見せっこしましょうか」
唯「・・・うん」
唯紬「せーの」
お互いが出したカードは
唯が409番、つまり紬の番号
紬が406番、つまり唯の番号だった
唯「・・・なんとなくそうじゃないかって思ってた」
紬「私もよ、予感はしてた」
唯「ムギちゃん、私・・・」
紬「唯ちゃん・・・勝負、ね」
唯「・・・」
紬「私と唯ちゃんのどっちが勝つか、真剣勝負」
唯「私は・・・」
紬「私は戦うわ、唯ちゃんを・・・今までで一番の敵だと思って戦う」
唯「私は、ムギちゃんと戦いたくないよ・・・」
紬「・・・唯ちゃん、それは私への侮辱なのかしら」
唯「・・・え?」
紬「戦いたくないってことは、戦ったら私を傷つけるから・・・でしょ?」
唯「そ、そうだよ・・・?私はムギちゃんを・・・」
紬「バカにしないで!」
唯「!」ビクッ!
紬「つまり私を傷つけられる自信があるのね?私になんて勝って当然ってことなんだ」
唯「ち、ちが・・・」
紬「違わない!」
唯「!」ビクッ!
紬「唯ちゃん、もう一度言うわ・・・勝負よ」
唯「やだ・・・やだよ・・・」
紬「ふん、言っても分かんないのね・・・これだからいやなのよ、バカは・・・一生そうしてれば?・・・じゃあね」
唯「う、うう・・・」
唯(いやだよ・・・いやだよ・・・)
澪「唯とムギはどこ行ったんだろう?」
律「まあ、そのうち帰ってくるさ」
梓「あの、先輩たちは何番引いたんですか?」
律「内緒」
澪「・・・」
梓「まさか私の番号を・・・」
律「冗談だよ、じゃあ見せっこな!」
澪律梓「せーの」
澪は415番、つまり紬の執事の番号
律は420番、これまた紬の執事の番号
梓は198番、これはイモリという受験生の番号だった
澪「私と律のは・・・これムギの執事さんだよな?」
律「ああ、梓のは誰だ?」
梓「分かりません・・・分かっても取れないと思いますけど・・・」
澪「う~ん、どうしたものか」
紬「斉藤」
斉藤「は、なんでしょうお嬢様」
紬「澪ちゃんとりっちゃんと梓ちゃんの護衛は完璧にしておくのよ」
斉藤「は、万全の態勢で臨みます」
紬「プレートの用意もしてあげてね」
斉藤「かしこまりました・・・して、唯様は?」
紬「唯ちゃんには・・・いらないわ」
斉藤「本当によろしいので?」
紬「ええ、唯ちゃんにはもう護衛なんて必要ない。むしろ失礼よ」
紬「それに・・・唯ちゃんを狙うのは・・・」
斉藤「・・・かしこまりました」
澪「あ、執事さんたちだ」
執事「4次試験中は我々が皆様の護衛をさせていただきます」
律「そ、そりゃどうも」
執事「いえ、命すら落としかねない試験です。これくらいは当然です」
梓「唯先輩とムギ先輩にも護衛はつくんですか?」
執事「私どもは把握しておりませんが、おそらくつかないでしょう」
澪「ええ?大丈夫かな・・・?」
律「あの二人なら絶対大丈夫さ」
梓「・・・です!」
唯「ムギちゃん・・・私・・・」
唯「いやだよ・・・」
紬「唯ちゃん・・・」
ゼビル島到着
あーなんだ…
物書きとしてゆるせないんだが
何この幼稚な文章
ガイド「それでは第3次試験の通過時間の早い人から順に下船していただきます!」
ガイド「一人が上陸してから2分後に次の人がスタートする方式をとります!」
ガイド「滞在期間はちょうど1週間!」
ガイド「その間に6点分のプレートを集めて、またこの場所に戻ってきて下さい」
ガイド「それでは1番の方スタート!!」
紬(先に行ける方が有利ね・・・自分は身を隠して獲物の動向をチェック出来る)
ガイド「・・・スタート!」
ゴン「じゃあね!唯さんも頑張って!」
唯「う、うん・・・」
唯(・・・)
>>402
プロの方ですか?
>>404
よく見るんだ
>>405物書きっていうのはどっちのことなの?
ガイド「53番スタート!」
唯「・・・」
澪「唯、みんなで一緒に行動・・・」
唯「ごめん、私は一人で・・・」
律「そうか・・・」
唯「・・・」ダダッ!
ガイド「54番スタート!」
紬「行ってくるね」
澪「ムギも一緒に・・・」
紬「ごめんなさい、私も一人で・・・」
梓「そうですか・・・」
紬「最終試験で会いましょ」タタッ
ガサガサ
紬(この島・・・太陽が満足にあたらないほど深い森なのね)
紬(身を隠すにはもってこいだわ・・・まずこの島の地形を把握しなくちゃ・・・)
紬(とりあえず海岸沿いを歩いてみようかしら)
紬(唯ちゃんは・・・)
紬「唯ちゃん・・・」
唯「はぁ・・・はぁ・・・」ダダダ
唯(私・・・どうしたらいいの・・・?)
唯(頭がこんがらがって・・・うまく考えられない)
唯「ムギちゃん・・・みんな・・・私・・・どうしたら・・・」ダダダダ
唯「とりあえずこの辺りまで来ればひと安心かな」
唯「これからどうしよう・・・」
唯「他の受験生から3枚プレートを奪って、ムギちゃんには見つからないように1週間過ごすとか・・・」
唯「そんなのどっちも無理だよ・・・」
―――えいっ!
唯「ん?なんか聴こえたような・・・」
―――とう!
唯「あっちからだ、行ってみようかな」
ガサガサ
ゴン「とりゃ!」
そこには釣り竿を必死にふるゴンの姿があった
唯「ゴンくん!?」
ゴン「え?あ、唯さん・・・まさか唯さんオレのプレートを・・・」
唯「ち、違うよ~!ねえ、ちょっとそっちに行っていい?」
ゴン「なんだ違うのか~、うん!全然いいよ!オレも一人でちょっと心細かったし」
唯「ありがとう」
ゴン「でも奇遇だね、こんなところで会うなんて」
唯「声がしたからね、あんな大声出してたらゴンくんを狙ってる人にすぐ見つかっちゃうよ?」
ゴン「あ、そっか・・・」
唯「ねえゴンくん・・・」ギュッ
ゴン「唯さん・・・何かあったの?」
唯「私、どうしたら・・・」
ゴン「なるほど・・・唯さんのターゲットが紬さんで、紬さんのターゲットが唯さん・・・」
唯「うん、私ムギちゃんの事怒らせちゃったんだ・・・嫌われちゃったよ・・・」
ゴン「唯さん・・・」
唯「戦いたくないよ・・・でもムギちゃんは私の事敵だって・・・」
ゴン「唯さんは・・・勘違いしてるよ、きっと」
唯「・・・え?」
ゴン「紬さんが唯さんの事嫌いになるとは思えないよ」
唯「でも、そう言われて・・・」
ゴン「わざと・・・じゃないのかな」
唯「わざと・・・?」
ゴン「こう言ったらなんだけど、唯さんは優しいっていうか、抜けてるっていうか、単純っていうか・・・」
唯「ひどっ!」ガーン
ゴン「あはは、ゴメンゴメン」
唯「うん!」
ゴン(やっぱり単純だ)
ゴン「唯さんは紬さんのこと大事な友達だと思ってるんだよね?」
唯「うん」
ゴン「じゃあ紬さんも唯さんの事大事だと思ってる、絶対ね」
唯「ムギちゃん・・・」
ゴン「うん、だから紬さんは・・・唯さんを奮い立たせようとして、あえて憎まれ役を買って出たんだよ」
ゴン「そうでもしないと唯さんが自分を狙ってこないから・・・」
唯「え・・・」
ゴン「自分が悪者になれば、唯さんは心おきなく自分を狙える・・・」
ゴン「だから本音を押し殺して、唯さんのためにわざとそう言ったんだよ」
唯「そんな・・・ムギちゃん・・・」
ゴン「互いに狙わないと試験は通過できない、でも互いに傷つけたくない・・・」
ゴン「正解なんてないかも知れない・・・紬さんにとっての『選択の時』だったんじゃないかな」
唯「そう・・・だったのかな、うん、きっと・・・ううん、絶対そう」
唯「自惚れなんかじゃない、ムギちゃんは私の事大切に思ってくれてる」
唯「ごめんねムギちゃん・・・私、ムギちゃんの気持ちちっとも考えてなかった」
ゴン「今からでも遅くないよ、全力で戦う事が紬さんに対する誠意だよ!」
唯「・・・うん!私、本気でムギちゃんと戦う!私も、ムギちゃんを一番の敵だと思って戦うよ!」
ゴン「頑張ってね、唯さん!」
唯「うん!さっそく準備するよ!」
唯「いろいろありがとうゴンくん!邪魔してごめんね」
ゴン「そんな事ないよ、オレもちょっと緊張してたから心に余裕が出来た気がする」
唯「そういえばゴンくんのターゲットって誰なの?」
ゴン「ヒソカだよ」
唯「ええ!?それはまた・・・」
ゴン「ううん、唯さんの話を聞いたらキルアやクラピカ、レオリオじゃなくて良かったって思った」
唯「そっか!」
ゴン「頑張ろうね、お互い」
唯「うん!じゃあね!」タッタッタ
ザッザッザ
紬「あら」
キルア「あ、紬さん」
紬「奇遇ね」
キルア「うん」
紬「安心してね、キルアくんがターゲットって訳じゃないから」
キルア「ああ、オレもだよ」
紬「キルアくんを狙ってるのは今尾けてる人かしら?」
キルア「はは、流石だね。うん、多分そうだろうね」
紬「あれでばれてないつもりかしら」
キルア「そうだろうね、まあ相手しても1点だし今はとりあえず無視すっけど」
紬「ね、キルアくんのターゲットって誰なの?」
キルア「知らない奴だよ。見つかんなかったら今尾けてる奴とか入れて適当に3人狩るかも」
紬「そう・・・あのね、唐突だけど・・・もし、ゴンくんがターゲットだったらどうしたか聞いていい?」
キルア「ゴンが?・・・うーん、なってみないと分かんないや」
紬「・・・そうよね、ごめんね変なこと聞いて」
キルア「まさか紬さん・・・」
紬「・・・」
キルア「ヒソカよりやっかいかもな」
紬「私は、選択を間違ったのかしら・・・」
キルア「まあオレのターゲットがゴンだったら戦うかな、やっぱ」
紬「あら」
キルア「オレはゴンと友達になりたいけど・・・ライバルにもなりたい」
紬「ライバル・・・」
キルア「対等な相手さ、手加減も変な慣れ合いもナシ!いつでも本気でぶつかり合える関係になりたいんだ」
紬「そう・・・うん、そうよね」
キルア「参考になったかな」
紬「ええ、とっても。ありがとうキルアくん」
キルア「どーいたしまして」
紬「・・・唯ちゃんじゃなくて残念だった?」
キルア「え!?そんなことねーよ!//」
紬「私で良かったら甘えてもいいのよ?」
キルア「な!?なにいってんだよ!!//」
紬「うふふ、顔が真っ赤よキルアくん」
キルア「バッカじゃねーのホント!///」
紬(ありがとうキルアくん・・・救われたわ)
紬「じゃあ私そろそろ行くわね」
キルア「うん、気をつけて」
紬「ええ、それじゃ」
紬(対等な関係・・・ライバル)
紬(そう、私も唯ちゃんとそういう関係になりたい!)
紬(だからやっぱり戦うわ!もう迷わない!)
紬(これからもずっと一緒にいたいから!)
紬(そう言えばキルアくん、さっき・・・)
―――ゴンと友達になりたい―――
紬(もうとっくに友達同士じゃない、変なキルアくん)
ガサガサ
唯(うーん、決心はついたけど・・・)
唯(どうやってムギちゃんのプレートを奪おう)
唯(私とムギちゃんじゃ身体能力の差は歴然、まともに戦っても絶対勝てない)
唯(でもこれは決闘じゃない、プレートを奪うだけなら何か方法があるはず)
唯(どうやってプレートを奪おう・・・あ、また最初に戻った)
唯「よし、持ち物を確認しよう」
唯「出かける時に憂がいろいろ持たせてくれたしね」
唯「ギー太に、ピック、替えの弦がいっぱい」
唯「あ、サバイバルナイフだ。憂が入れたやつだね」
唯「使えそうなのはサバイバルナイフくらいか~」
唯「いくら本気で戦うっていっても、ナイフなんて使ったら殺しちゃうかも知んないよ」
唯「まあこのナイフで不意打ちしてもムギちゃんに返り討ちにされるだけな気もするし」
唯「何かいい方法はないかな?ねーギー太?」
唯「あと使えそうなのは・・・地形かなあ、この森を上手く使って」
唯「やっぱり罠でも仕掛けるしかないかな~」
ガサガサ
紬(唯ちゃんの戦法は、おそらく不意打ちか罠のどちらか)
紬(真っ向勝負じゃ分が悪いって事はきっと唯ちゃんも分かってる)
紬(不意打ちなら寝込みを狙ってきたり、暗闇に乗じたり)
紬(あるいはあらかじめ仕込んだ罠でハメるか)
紬(戦闘で格上の私からプレートを奪うのは至難)
紬(つまり今の私がすべきことは、尾行に警戒しつつ不意打ちの隙を与えない)
紬(かつ罠が完成する前に唯ちゃんを見つけてたたく)
紬「まずは唯ちゃんを探さなきゃね」
ガサゴソ
唯「こんな感じにすれば・・・」
唯「うん、いけそうだね!あとはこれを造るだけ」
唯「問題は完成にどれだけ時間がかかるか分からないって事か~」
唯「完成前にムギちゃんに見つかったらおしまいだし」
唯「いや、でも逆に最後までお互い見つけられないって事も」
唯「今は1日目・・・5日後くらいがベストかなあ」
唯「心配しても仕方ない、さっそくとりかかろう!」
ゴン「ヒソカのプレートを奪うには、この釣り竿で飛んでいる鳥を百発百中で捕らえられるくらいにならないと・・・」
キルア(こいつ尾行ヘタすぎだぜ・・・めんどくせーなあ)
レオリオ(オレのターゲット・・・これ誰の番号だっけなー)
クラピカ(トンパがターゲットとはな・・・)
アイ(お姉ちゃんを探そう、心配だし)
ヒソカ「くっくっく」
ガサガサ
澪「あの、執事さん」
執事「はい、なんでしょうか?」
律「ホントにいいんですか?私たちにプレートくれちゃって」
執事「もちろんです、私たちの役目は皆さんのサポートですから」
梓「私のターゲットも、執事さん達が狩りに行ってくれましたし・・・」
澪「至れり尽くせりだな・・・」
執事「私たちはハンターになる気はありません、皆様のサポートの為だけに来たのです」
執事「ですから最終試験は私どもは辞退します、皆様には申し訳ありませんが・・・」
澪「いえいえ、ここまで来れただけで十分ですよ」
執事「紬お嬢様もおっしゃったと思いますが、どうか無理だけはなさらないで下さい」
律「分かってますって」
執事「最終試験はハンター協会会長はじめ委員会が立ち会う事が多いと聞きます、すぐに棄権すれば命を落とす事はないでしょう」
梓「そうなんですか」
執事「ええ、ある意味一番安全な試験だと思います」
澪「梓のターゲットプレートが手に入ったら」
律「あとは1週間過ぎるのを待つだけだな」
梓「今までにも増して護衛の執事さん達も居ますし」
澪「とりあえずこの試験もひと安心・・・かな」
律「相変わらず何もしてねーなー」
梓「そうですねー」
執事(あのヒソカという男が・・・おとなしくしている事を祈るばかりだな・・・)
ガサガサ
ヒソカ「退屈だなあ」
ヒソカ「ターゲットも誰だか分かんないし」
ヒソカ「とりあえずのんびり誰か探そう」
ヒソカ「くくく・・・おいしそうな果実がたくさん見つかったし・・・」
ヒソカ「このハンター試験は大収穫だったなあ」
ヒソカ「ああ・・・早く彼らを・・・彼女らを壊したい・・・」
2日目
唯「うーん、完成はまだ先だなあ」
紬「唯ちゃんどこかしら」
澪「なあ律、まだ2日目なんだよな」
律「うーん、確かに1週間も森の中ってのはきついなあ」
梓「私のターゲットを狩りに行った執事さん、まだ戻りませんねえ」
3日目
唯「そろそろ完成しそうかな」
紬「キルアくんに会ってから誰とも会わないわね・・・気配は感じるけど、いちいち相手するのも面倒だし」
澪「梓のプレートも手に入ったし、する事がないって退屈だな」
律「わがままいうなよ、澪」
梓「ギター弾きたいですね・・・」
律「音で居場所がばれるからダメだぞ」
4日目
唯「・・・よし!完成!」
唯「結構かかったけどなんとか出来た~」
唯「でもこれ、待ってるだけじゃダメだよね」
唯「よし!ムギちゃんを探しに行こう!」
唯「でもどーやって探そう・・・この島結構広いよね・・・」
唯「・・・そうだ!」
紬「なかなか見つからないわ・・・唯ちゃんももう罠を完成させるころ・・・」
紬「この島、広いから探索に時間がかかるし」
紬「そのくせ受験生が多いせいで唯ちゃんの気配に集中して探せない」
紬「困ったわね・・・」
――――――
紬「?今何か・・・」
―――ジャカジャカ♪
紬「ギターの音?これは梓ちゃんじゃない!唯ちゃんの音!」
紬「あっちから!」ダダッ!
唯「こうやって」
ジャカジャカ♪
唯「ギターを弾きながら歩いてれば、ムギちゃんがいたら気づくはず」
唯「ムギちゃん以外の受験生も気づいちゃうかも知れないけど」
唯「私がギターケースを持ってたのは多分受験生全員知ってる」
唯「楽器を持ってたのは私と澪ちゃんとあずにゃん」
唯「今はまだ4日目・・・自分のターゲット以外は狙ってこないはず」
唯「澪ちゃんとあずにゃんを狙ってる人が近くに居たら来ちゃうかも知んないけど」
唯「そこは賭けだね、ムギちゃんに一番最初に気付かれますように!」
紬「音はこっちから聴こえた!」ダダダダ
紬「唯ちゃん、危険を冒してまでわざわざ居場所を教えてくるなんて・・・」
紬「罠、もしくは罠への誘導よね、100%」
紬「でもいいわ、唯ちゃんの策と私の機転!どっちが上か正面からいってあげる!」
唯「・・・来た」
紬「ハァ・・・ハァ・・・唯ちゃん見つけた」
唯「ムギちゃん・・・」
ダダッ!!
唯「こっちだよ!」
唯(これじゃ罠を張った場所に誘導するってバレバレ・・・でも!)
唯(もうこの方法しかない!それにきっとムギちゃんは罠だって分かってても来る!)
紬(面白いじゃない、こんなバレバレの誘導・・・)
紬(でも!それでも真っ向からねじ伏せてあげる!それが唯ちゃんのライバルとして私がしてあげられる事だもん!)
紬「・・・待ちなさい!」
唯(あの場所まではなんとか追いつかれないようにしないと!)
唯(くう・・・!さすがに速い!追いつかれちゃうかも・・・!)
紬(唯ちゃん全力ね!まだ罠の場所まで距離があるって証拠!今追いつけば私の勝ち!でも・・・)
紬(速い・・・!追いつけない!唯ちゃん・・・すごい!)
ダダダダダダ!
唯「ハァハァ・・・着いた!後は・・・」ザザザザ
唯(今は一種の思考停止状態・・・ムギちゃんは私を追いかける事に意識が集中してる!)
唯(今ならムギちゃんをあの場所まで誘導できる確率が高いはず!)
紬(距離が縮まってきた!もうすぐ捕らえられる!)
紬(でもそろそろ罠の場所が近い、もしくはもう罠の中って可能性も・・・)
紬(でも逃がさない!追い詰める!!)
唯「ハァハァ・・・よし」
紬「待ちなさい!」
唯(もう少しこっちに・・・今だ!)
唯「いけーーー!!!」
バチン!
唯が一本の弦を切ると木々がしなり葉が舞った
バサバサバサ!
唯「動かないで!」
紬「!!」
唯「周りをよく見て!」
紬「これは・・・よく見えないけど弦!?が張り巡らされているの!?」
唯「ただの弦じゃないよ!研いであるから切れ味抜群だもんね!」
紬(この弦の数・・・うかつに動けないって訳ね・・・)
紬(しかもこも森の暗さで弦がよく見えない・・・)
唯「木と弦を結んでここら辺一体にあらかじめ張り巡らせた・・・」
唯「そして最後に仕上げの弦を切って完成って訳だよ」
ポロン♪
唯「動けば無数の弦に切り刻まれる!さあ!プレートを渡して降参するしかないよ!」
紬「なるほどね・・・唯ちゃんらしい罠じゃない」
唯「無理に弦を切ろうとしても無駄だよ!正しい順序で切らないとまた罠が発動する!」
唯「解除できるのは私だけ!ムギちゃんは動くことも罠を解除することも出来ない!」
唯「私の勝ちだよ!さあ早く降参して!」
なんてしてあげないんだからねっ!!
紬(なるほどね・・・確かにこれじゃ動けないしうかつに弦も切れない)
紬(どうしたものかしら・・・)
スパッ!
紬「いた!」
唯「ムギちゃん!大丈―――いや!早く降参してよ!」
紬(落ち着いて考えましょ・・・)
紬(罠をかいくぐる方法、もしくは解除する方法を・・・)
紬(うーん)
紬(解除するには正しい手順を踏まないとダメ、唯ちゃんしか解除方法を知らない・・・)
紬(唯ちゃんはこの無数の弦を解除する方法を知ってる・・・知ってる?覚えてる?)
紬(この数の解除方法を覚えてるの?こんな何の特徴もない弦の・・・)
紬(考えられるのは・・・解除用の弦があってそれで全ての弦を一掃する・・・)
紬(ううん、それは無いんじゃないかしら・・・なんせ数が多すぎる)
キラッ
紬(あら?よくみたら唯ちゃんがいる場所にも弦が張り巡らせてある・・・)
キラッ
紬(他にも・・・どうやらここら辺一体に弦があるみたい)
紬(・・・・・・)
紬(試してみる価値はありそうね)
紬「分かったわ、降参よ・・・プレートを渡すからこっちに来て」
唯「ホント!?やった!勝った!」
ザッザッザ
ポロン♪ポロン♪
唯「よいしょ」ポロン♪
紬(やっぱり!)
紬「やっぱり降参は取り消すわ」
唯「ええ!?ずるい!」
紬(うふふ・・・)
紬(そうだったのね・・・この弦は・・・)
紬「多少の怪我は覚悟しないとね・・・」
紬「いた!」ポロン♪
紬「くっ」ポロン♪
ポロン♪ポロン♪
唯「あっ・・・」
紬「やっぱり・・・ね」
唯「!!」
紬「唯ちゃんは動けてるものね、この弦の中を・・・」
唯「・・・!」
紬「この弦の罠の攻略は・・・音、ね」
紬「この無数の弦の中で、音が少しだけ外れている弦・・・」
紬「さっき唯ちゃんはその弦の方に進んできた」
紬「つまり周りと違う音を奏でる弦は、人ひとりが通れるくらいのスペースを表す道しるべ」
紬「おそらく罠の解除もこの音の弦がカギなんだろうけど・・・解除はまた別の手順が必要かも知れないし・・・ま、もう解除する必要もないけどね」
唯「どうして・・・分かったの?」
唯「確かに私は移動の時音を出してたけど・・・それだけで・・・」
紬「もちろんそれだけじゃないわ」
紬「まずこの罠に私をハメる事を考えた場合、どうしても罠の範囲を広くしないとダメよね」
紬「この罠をピンポイントで仕掛けるのは至難の業、しかも失敗は許されない」
紬「だから広範囲に仕掛けるしかない、実際そこらじゅうに弦が張ってある」
紬「この罠のどこに私がかかるか分からない・・・つまり唯ちゃん自身の立ち位置も、私の位置次第」
紬「唯ちゃんはこの弦の中で、自分だけは自由に動けないといけないわ」
紬「つまり解除以外にも、移動の手段はある・・・」
紬「それが音だったのね」
唯「でも移動用の弦は、他の弦と16分の1音しかずらしてないのに・・・」
紬「そうね、この移動用の弦は本来絶対音感を持つ唯ちゃんにしか攻略出来ないもの」
唯「罠にかけられた心理状態で、この音を聞き分けられるなんて・・・」
紬「甘く見られたものね・・・まあ唯ちゃんの絶対音感は先天的なもの、その能力を過信してしまった」
紬「私にもあるのよ、絶対音感」
唯「!!」
紬「私のは後天的に創ったものだけどね」
唯「絶対音感を・・・創った?」
紬「唯ちゃんのほど精確じゃないけどね、16分の1音までならギリギリ聞きわけられるわ」
唯「そ、そんな・・・」
紬「もう半分、32分の1音なら私の負けだった・・・」
唯「くっ!」ダッ!
紬「もう逃げられないわ!」ダッ!
唯(まさか・・・破られるなんて!)
ポロン♪
紬「移動速度は私の方が少しだけ速い!観念しなさい!」
ダダダダ!!
紬「よし!罠の地帯を抜けたわ!」
唯「ううっ・・・」
紬「唯ちゃん・・・」
ヒュン
紬は一瞬にして距離を詰め、唯の背後に回り込んだ
唯「うっ」
紬「振り向かないで」
唯「・・・」
紬「唯ちゃん、私・・・とってもわくわくした」
唯「えっ」
紬「唯ちゃんがヒソカに感じたものと同じ気持ちよ、きっと」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「強敵と相対した時に、気持ちが高ぶる・・・」
紬「唯ちゃんはハンター試験で出会った誰よりも私をわくわくさせてくれた・・・強かった」
紬「私は本気の唯ちゃんと本気で戦いたかった・・・だから・・・」
紬「だから私・・・あんな酷いことを・・・」ポロポロ
紬「ごめんなさい唯ちゃん・・・ごめんなさい・・・ホントに・・・」ポロポロ
紬「私の事・・・嫌いに・・・なったよね?ごめんなさい・・・」ポロポロ
唯「ムギちゃん・・・」ポロ
唯「そんな事ないよ・・・私の方こそ・・・気づかなくて・・・ムギちゃんが私のためにあんな事言ってくれたのに・・・」ポロポロ
唯「私・・・戦いたくないって・・・わがまま言って・・・ムギちゃんの気持ち・・・全然分かってあげられなかった・・・」ポロポロ
唯「私の方こそ・・・ごめんなさい・・・私・・・ムギちゃんに嫌われたって思ったけど・・・」ポロポロ
唯「ゴンくんのおかげで・・・気づけたんだ・・・」
紬「ゴンくん・・・?」
唯「ゴンくんに相談したの・・・そしたら気づけたんだよ、私とムギちゃんはお互いに大切な友達だって思ってるって事に・・・」
唯「・・・私もね、わくわくしたんだ!すごく!」
唯「負けちゃったけど・・・楽しかった!」
紬「唯ちゃん・・・」
紬「前にも一度言ったけど・・・」
唯「・・・」
紬「・・・大好きよ、唯ちゃん」
トンッ・・・
唯「ムギ・・・ちゃ・・・ん」
ドサッ
振り下ろされた紬の手刀で、唯はその場に崩れ落ちた
5日目
紬(あとは・・・この6点分のプレートを死守するだけね・・・)
紬(あの手刀・・・3日は起きないくらいの強さで撃ったけど・・・)
紬(唯ちゃん・・・)
唯「・・・」
唯は12時間ほどで目覚めていたが、体の自由が利かず森に姿を隠していた
唯(今は・・・お腹のすき具合からみて多分5日目)
唯(今、プレートは0点・・・)
唯(ここから6点にするには、ムギちゃんからプレートを奪い返すか、1点のプレートを6枚手に入れないと・・・)
唯(その前に・・・まだ体が動かない・・・かろうじて這って移動出来るくらい)
唯(どうすれば・・・)
唯(澪ちゃんとりっちゃんとあずにゃんは元気かなぁ・・・)
澪「きゃあああああああ!!」
律「うわああああああ!!」
梓「ヒ、ヒソカ!?」
執事「皆様お逃げ下さい!ここは私どもにまかせて!!」
執事「こちらです!行きますよ!!」
ザザザザ
ヒソカ「安心しなよ♪あの娘たちに用はないからさ」
ヒソカ「君たちと遊びたくてねえ・・・」
ヒソカ「鎮めておくれよ・・・この興奮を・・・」
執事「相手になろう!」
ヒソカ「いいねえその顔・・・ゾクゾクするなあ」
ヒソカ「おやおや、あの娘たちに着いて行った人たち以外全員集合かい?」
執事「貴様はここで終わりだ!」
ヒソカ「くくく、この人数を相手にするのは少々厳しいかもね」
執事「そう!これだけいればいくら貴様でも命は無いぞ!」
ヒソカ「でも一番強そうなあの人がいないから・・・」
ヒソカ「勝てるんじゃないかな♪」
執事(確かに執事長は紬お嬢様を尾行していて居ないが・・・)
執事「なめるなよォオオオ!!」
ヒソカ「♪」
澪「ハァ・・・ハァ・・・」
律「ヒソカに会っちまうなんて・・・」
梓「執事さん達・・・大丈夫でしょうか・・・」
執事「・・・ご心配いりません、きっと大丈夫です」
澪「だといいんだけど・・・」
律「・・・」
梓「唯先輩や、ムギ先輩も心配です・・・」
執事(全滅も・・・覚悟しておかないとな・・・)
ヒソカ「ハァ・・・くくく」
ヒソカ「さすがに・・・きつかったねえ・・・」
ヒソカ「これであのジイサンがいたら死んでたかも♪」
ヒソカ「くくく」
ヒソカ「くっくっく」
ヒソカ「くっくっくっく」
6日目
澪「執事さんたち・・・帰ってこないな・・・」
律「・・・」
梓「・・・」
執事(やはりダメだったか・・・奴は化け物だ・・・)
唯「体・・・動く」
唯「6点・・・集めるよ」
唯(どうやって集めよう)
唯(もうなりふり構ってられないし、失うものも無い)
唯(またギターを弾きながら歩いて誰かに気付いてもらう作戦しかないね)
唯(今度は澪ちゃんやあずにゃんを狙ってる人でもいいから出てきて!)
唯「よし!やろう!」
ジャカジャン♪
唯「誰かいませんかー!?」
唯「2時間経った・・・誰も出てこないよ~」
唯(今は多分6日目・・・もう6点分集めた人は当然出てこない)
唯(私の誘いに乗ってくるのは、まだ6点集まってない人だけ)
唯(でも6日目でまだ集まってないのなんて私だけなんじゃ・・・?)
唯(もう6点集まってる人と、0点の人しか残ってないなんて事も十分考えられる)
唯(でもまだ諦めるには早いかもね!)
唯「やるだけやるよ!」
唯「誰か~」
ジャカジャカ♪
唯「う~ん・・・」
唯「―――!」
唯(誰かいる!)
唯(誰!?この感じ・・・まさか)
唯(まさか・・・まさか!)
ヒソカ「やあ♪」
唯「ヒソカさん!」
俺もスレ立てて書きたいと思うんだが、
・唯達の女子大ライフ~目指せ武道館~
・唯達のプロデビュー~目指せ紅白歌合戦~
・唯達がセルゲームに出場したら
・唯達がるろうに剣心の時代にいたら
・唯達が暗黒武術会に出場したら
どれが良い?
ヒソカ「奇遇だねえ、楽器の音がしたから来てみたら・・・」
唯(よりによって・・・!)
ヒソカ「キミだったとは♪」
唯(分かってて来たくせに・・・)
ヒソカ「こんな事して、よっぽど切羽詰まってるみたいだね」
唯「・・・そうだよ、今私は0点」
ヒソカ「0点?・・・それは大変だねえ」
唯「プレートを・・・」
ヒソカ「ん?」
唯「プレートを渡してもらうよ!ヒソカさん!!」
ヒソカ「へえ♪ボクから奪うってことかい?」
唯「そうだよ!」
ヒソカ「出来るかな?キミに・・・」
唯「出来なくてもやるんだ!!」
ザザザザ
ヒソカ「う~ん、いいカオだ♪」
唯「ああああ!!」ブンッ!
唯の拳は空を切った
ヒソカ「当たらないねえ」
唯「うわああああ!!」
唯の繰り出す攻撃は一発もヒソカに当たらない
策もなくただがむしゃらに攻撃しているだけなのだから当然の結果である
ヒソカ「キミ、もっと考えて攻撃しなよ」
唯「ほっといて!」ブンッ
ヒソカ「そろそろボクも攻撃しちゃおっかなあ♪」
唯「うわあああ!!」ビュッ!
チッ
ヒソカ「ん・・・」
ヒソカ(かすった・・・)
唯「ああああああ!!」ビュンッ!
チッ
ヒソカ(また・・・)
ヒソカ(攻撃のスピードが・・・上がっている?)
ヒソカ(成長しているんだね・・・戦いの中で・・・)
ヒソカ「くっくっく♪」
唯「何笑ってるの!」
ヒソカ「キミを見てると興奮しちゃってねえ」
唯「!?」
唯「プレート!渡して!!」ビュンッ!
ヒソカ「・・・いいよ♪」
唯「・・・え?」
ヒソカ「あげるよ、プレート」
唯「な、何言って・・・」
ヒソカ「余分なプレートならたくさんあるしね♪」
そう言うとヒソカはプレートを6枚取り出し唯の方へ投げた
唯「え・・・?これは・・・」
ヒソカ「壊れたオモチャの残骸だよ♪」
唯「―――!この番号は!」
ヒソカ「君を見てるといつもハートドキドキ」
唯「ムギちゃんの・・・執事さんの番号・・・!これ全部・・・!!」
ヒソカ「ああ、彼らは強かった♪十分にボクを楽しませてくれたよ♪」
ヒソカ「でも・・・こんなにプレートをたくさん持っていても無駄だし、キミが必要なら使いたまえ♪」
唯「あ・・・あ・・・」
唯「殺し・・・たの?」
ヒソカ「?ああ、もちろん」
唯「う・・・」
唯「うわあああああああああああああああ!!!」
唯「許さない!絶対!!」ブンッ
ヒソカ「あげるって言ってるんだから素直に受け取りなよ」
ドズッ!!
唯「うっ!!」
ヒソカ「クリーンヒット♪」
ヒソカの放った拳が唯の腹部に突き刺さり、唯はその場に倒れた
ヒソカ「しばらく動けまい♪プレートはここに置いて行くから・・・じゃあね♪」
ヒソカ「♪」
・・・・・・・・・・・・
唯「待・・・って」
唯はヒソカの攻撃を受けた直後にも関わらず、立ち上がった
唯「こんなの・・・いらない・・・」
ヒソカ「・・・そう言うなよ♪それは貸しだ」
唯「借りなんてまっぴらだよ・・・」
唯「今返す・・・!」
ヒソカ「―――くくく、断る」
ヒソカ「今のキミはボクに生かされている♪」ザッ
ヒソカ「キミがもっと殺しがいのある使い手に育つまで」
ヒソカ「キミは―――キミたちはずっとボクに生かされているのだよ」
唯「な」
ヒュッ
さっきとは比べ物にならないほど疾く重い一撃
次の瞬間唯は遥か後方に吹き飛ばされた
唯「―――」ドゴ!!
ヒソカ「今みたくボクの顔に一発ぶち込むことができたら受けとろう」
ヒソカ「それまでそのプレートはキミに預ける」
そう言いながらヒソカは森の中へ消えていった
くっくっくっく・・・
ヒソカの笑い声がいつまでも聴こえた気がした
唯「―――」
7日目
ボーーーーーッ!!
船の汽笛が島中に響いた
『ただ今をもちまして第4次試験は終了となります』
『受験生のみなさん、すみやかにスタート地点へお戻りください』
『これより1時間を帰還猶予時間とさせていただきます』
『それまでに戻られない方は全て不合格とみなしますのでご注意ください』
『なおスタート地点へ到着した後のプレートの移動は無効です』
『確認され次第失格となりますのでご注意ください』
ゾロゾロ
ゴゥン・・・ゴゥン・・・
役員「では到着した方から飛行船にお乗りください」
執事「みなさん、最終試験頑張ってください」
澪「はい、ありがとうございました」
律「・・・行こう」
梓「はい」
澪「みなさんの為にも、合格してきます」
執事「・・・はい、ありがとうございます」
斉藤「お嬢様」
紬「あら斉藤」
斉藤「では私はここまでということで」
紬「ええ、ごくろうさま」
斉藤「それと・・・今言うべき事ではないと思いますが・・・よろしいでしょうか?」
紬「何かしら」
斉藤「実は4次試験中―――」
紬「えっ―――」
唯「・・・」
唯(私は・・・この飛行船に乗る資格があるのかな)
唯「・・・」
第4次試験合格者15名
唯、澪、律、紬、梓
アイ
ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ
ヒソカ、ギタラクル
ハンゾー、ポックル、ボドロ
執事一人一人はイレブンブラックチルドレン一体より強そうだな
第4次試験合格者15名
唯、澪、純、紬、梓
アイ
ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ
ヒソカ、ギタラクル
ハンゾー、ポックル、ボドロ
4次試験終了です
書きためてるのはハンター試験終了までなんでとりあえずそこまで
続編も一応考えてます
りっちゃんは蟻編で脳みそいじられてあえぐよ
>>566
続編は尸魂界編でお願いします。
破面編は要りません。
ゴゥン・・・ゴゥン・・・
ネテロ「15人中12人が新人か、ほっほっほ豊作豊作」
ブハラ「たまにあるんですかこんなことって」
ネテロ「うむ、たいがい前ぶれがあってな」
ネテロ「10年くらい新人の合格者が一人も出ない時期が続く」
ネテロ「そして突然わっと有望な若者が集まりよる」
ネテロ「ワシが会長になってこれが4度目かのー」
ブハラ「へえー」
メンチ「会長って年いくつなの?」
役員「20年くらい前から約100歳とか言ってますけど」
サトツ「ところで最終試験は一体何をするのでしょう?」
ブハラ「あそうそう、まだぼくらも聞いてないね」
メンチ「新人豊作の年かどうかはまだ最終試験次第だもんね」
ネテロ「うむそれだが」
ネテロ「一風変わった決闘をしてもらうつもりじゃ」
メンチ「?」
ネテロ「そのための準備として、まず15人それぞれと話がしたいのォ」
メンチ「どーゆーことだろ?」
役員「さあ、会長の考えは私にゃさっぱり」
ハンゾーに中田氏レイプされまくっても意地でも参ったと言わない澪ちゃんキボンヌ
唯「・・・」
紬「唯ちゃん」
唯「あ・・・ムギちゃん・・・」
紬「・・・」
唯「・・・」
紬「いよいよ最終試験ね」
唯「うん・・・」
紬「・・・どうやって6点集めたの?」
唯「うん・・・実は・・・ヒソカさんが・・・くれたの」
紬「くれた?」
唯「ヒソカさんに戦いを挑んだんだけど、全然歯が立たなくて」
唯「でもプレートをくれたの、貸しだとか言って」
唯「いらないって言ったらぶっとばされて」
唯「ボクを殴る事ができたら受け取ってやるってさ」
唯「やり返せなかった自分自身が・・・すごくくやしくて」ポロポロ
唯「しかもそのプレート・・・ムギちゃんの執事さんのだったんだ・・・全員・・・殺したって・・・」ポロポロ
唯「仇を討ちたかったけど・・・ダメだった・・・」ポロポロ
唯「ムギちゃんにもヒソカさんにも勝てなかったのに、この飛行船に乗っていいのかなって・・・ギリギリまで考えてた」
唯「ははは・・・情けないよね、私」
紬「その事なら、飛行船に乗る前に斉藤に聞いたわ」
唯「・・・」
紬「悲しいけど、彼らは命を賭してくれた」
紬「私の誇りよ」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「唯ちゃん」
紬「私は唯ちゃんがいたからここまでこれた」
紬「本気で私と戦ってくれた、向き合ってくれた」
紬「・・・本当にありがとう」
唯「私の方こそ、ありがとう」
澪「おーい、唯ー!ムギー!」
唯「あ、澪ちゃん」
律「こんなとこにいたのか」
紬「みんな合格したのね、良かった」
梓「あ、でもムギ先輩・・・」
紬「執事達の事ならもういいの・・・私も唯ちゃんも知ってるから」
澪「・・・」
紬「気にしないで、みんなの合格が何よりのはなむけになるわ」
律「・・・ああ!」
唯「・・・うん!」
紬「みんな、頑張りましょう!絶対合格!」
唯「うん!」
澪「ああ!」
律「よっしゃ!」
梓「やってやるです!」
『えーこれより会長が面談を行います』
『番号を呼ばれた方は2階の第1応接室までお越しください』
『受験番号44番の方、44番の方お越しください』
唯「面談・・・?」
ガチャ
ネテロ「まあ座りなされ」
ヒソカ「まさかこれが最終試験かい?」
ネテロ「全く関係がないとは言わんが、まあ参考までにちょいと質問する程度のことじゃよ」
ヒソカ「ふうん」
ネテロ「では、おぬし以外の14人の中で一番注目しているのは?」
ヒソカ「99番(キルア)と409番(紬)かな、405番(ゴン)とか406番(唯)・・・それに411番(アイ)も捨てがたいけど一番は彼らだね♪」
ヒソカ「こんなに楽しそうな相手が多いと嬉しくなっちゃうねえ♪」
ネテロ「ふむ・・・では14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ヒソカ「・・・」
ヒソカ「それは405番(ゴン)と406番(唯)・・・だね」
ヒソカ「99番(キルア)、409番(紬)、411番(アイ)もそうだが・・・」
ヒソカ「今はまだ戦いたくない・・・という意味では、405番(ゴン)と406番(唯)が一番かな」
ヒソカ「ちなみに今一番戦ってみたいのは、あんたなんだけどね」
ネテロ「うむ御苦労じゃった、さがってよいぞよ」
ヒソカ「・・・」
バタン
ヒソカ(くえないジイサンだな、まるでスキだらけで毒気ぬかれちゃったよ)
53番ポックル
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
ポックル「404番(クラピカ)です、見る限り一番バランスがいい」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ポックル「44番(ヒソカ)です、正直戦闘ではかなわない」
99番キルア
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
キルア「ゴンだね、405番の」
キルア「あ、あと406番(唯)と409番(紬)も・・・」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
キルア「53番(ポックル)かな、戦ってもあんまし面白そうじゃないし」
191番ボドロ
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
ボドロ「44番(ヒソカ)だな、いやでも目につく」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ボドロ「405番(ゴン)、99番(キルア)、406番(唯)、407番(澪)、408番(律)、409番(紬)、410番(梓)だな」
ボドロ「女子供と戦うなど考えられぬ」
301番ギタラクル
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
ギタラクル「99番(キルア)」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ギタラクル「44番(ヒソカ)」
405番ゴン
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
ゴン「44番のヒソカが一番気になってる・・・色々あって」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ゴン「う~ん・・・99番(キルア)、403番(レオリオ)、404番(クラピカ)、406(唯)の4人は選べないや」
ゴン「あ、でも407番(澪)、408番(律)、409番(紬)、410番(梓)も戦いたくないかも・・・あはは、多すぎかな」
憂は意識しての念使いではないが姉に対する異様な執着で自然とオーラに目覚めたと予想
294番ハンゾー
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
ハンゾー「44番(ヒソカ)だな、こいつがとにかく一番ヤバイしな」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
ハンゾー「もちろん44番(ヒソカ)だ」
404番クラピカ
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
クラピカ「いい意味で405番(ゴン)、悪い意味で44番(ヒソカ)」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
クラピカ「理由があれば誰とでも戦うし、なければ誰とも争いたくはない」
403番レオリオ
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
レオリオ「405番(ゴン)だな、恩もあるし合格して欲しいと思うぜ」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
レオリオ「そんなわけで405番(ゴン)とは戦いたくねーな」
406番唯
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
唯「44番(ヒソカ)と・・・あとは何でか分かんないけど411番(アイ)が気になるかな」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
唯「407番(澪)、408番(律)、410番(梓)・・・あとは409番(紬)とももう戦いたくないなあ」
唯「ゴンくんたちとも闘いたくないし・・・う~ん」
407番澪
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
澪「ん~・・・406番(唯)です」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
澪「44番(ヒソカ)です・・・絶対戦いたくないです」
408番律
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
律「406番(唯)ですかね」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
律「44番(ヒソカ)とは戦いたくないです」
409番紬
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
紬「406番(唯)と99番(キルア)です」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
紬「特にいません・・・でも406番(唯)とはもう戦いましたから・・・」
注目されすぎてヒソカ感じちゃう☆
410番梓
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
梓「406番(唯)です」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
梓「44番(ヒソカ)です・・・」
澪「うぎぎ…ぎ」
ハンゾー「これからコイツでお前を犯す。さあその前に参ったと言ってくれ」
澪「絶っ…対に言わない!」
411番アイ
ネテロ「14人の中で一番注目しているのは?」
アイ「406番(唯)です」
ネテロ「14人の中で今一番戦いたくないのは?」
アイ「特にいません」
ネテロ「う~むなるほど、思ったよりかたよったのォ」
ネテロ「これでよし!と」
ネテロ「おいみんな見てみィ、組合せができたぞえ」
ブハラ「・・・会長・・・これ本気ですか?」
ネテロ「大マジじゃ」
役員(確かに本気の目だ)
参加者の中で唯が一番かわいいからだろ
『みなさま長らくお待たせいたしました』
『間もなく最終試験会場に到着します』
ネテロ「これで勝てば、晴れてハンターの仲間入りじゃ」
唯「最終・・・試験」
アイ「・・・」
ゴォン・・・ゴォン・・・
むしろお姉ちゃんを殺して私だけの物にとか
とりあえずこれで次から最終試験開始です
でも量が多くて多分3次や4次と同じくらいかかると思います、6時間くらい
そして昨日も寝てないのでもう限界です
出来たら明日起きたら始めたいんですが・・・
このスレが残ってたらここで
なかったら立てて
>>651
明日の何時?午前3時くらい?
せめて旅団編が終わるまでは書き続けてください
書き溜めは最後までしてます
できるだけ早く起きるようにがんばる
あとスレが余ってたら憂のスピンオフも書くつもりでした
書くつもりです、か
せめてゴンさんが登場するまでは書き続けてください
>>659お疲れ様でした。楽しみにしています。
それはそうと、みなさん
唯律澪紬俺「N女子大ライフ始まるよ!!」
俺もスレ立てたんで、よろしくお願いします。
服装は20話の時着てたTシャツとスカートでイメージして書いてました
風呂も入ったし寝ます
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/07(火) 00:12:52.21 ID:wiDFK6V70 [2/22]
次は4回戦(ベスト8)だ。
俺「これ、もしかしたら優勝狙えるんじゃないか?」
律「今あたし達勢いあるよな!!」
紬「喜んでいる所悪いけど、絶望的な知らせがあるわ。」
唯「なぁに?」
紬「次の相手がT-KYOに決まったわ」」
澪「トップ校じゃないか」
俺「遅かれ早かれいつかはこういう日が来ると思ってた…今の俺達がどのくらい
のものなのか、試してみたい。」
リイラ「よろしく」
俺(こいつがボーカリストリイラか、同い年なのに凄い歌唱力らしいな)
保守してくれた人ありがとう
最終試験開始です
残り300あれば多分終わります
4次試験終了から3日後
ネテロ「さて諸君ゆっくり休めたかな?」
ネテロ「ここは委員会が経営するホテルじゃが、決勝が終了するまで君達の貸し切りとなっておる」
ネテロ「最終試験は1対1のトーナメント形式で行う」
ネテロ「その組合せは・・・こうじゃ」
そう言うとネテロはホワイトボードにかかっていた布を取った
唯「!」
澪「!」
律「!」
紬「・・・」
ネテロ「さて最終試験のクリア条件だが、いたって明確」
ネテロ「たった1勝で合格である!」
律「ってことは」
ネテロ「つまりこのトーナメントは勝った者が次々ぬけていき、負けた者が上に登っていくシステム!」
ネテロ「この表の頂点は不合格を意味するわけだ、もうおわかりかな?」
梓「要するに不合格はたった一人ってことですか」
ネテロ「さよう」
ネテロ「戦い方も単純明快」
ネテロ「武器OK、反則なし」
ネテロ「相手に「まいった」と言わせれば勝ち!」
ネテロ「ただし、相手を死にいたらしめてしまった者は即失格!」
ネテロ「その時点で残りの者が合格、試験は終了じゃ。よいな」
ネテロ「それでは最終試験を開始する!!」
第1試合
唯対アイ
紬「唯ちゃん頑張って!」
唯「うん!」
唯(相手はアイさんか・・・ヒソカさんと同じくらい気になってたけど・・・)
唯(いきなり戦えるなんてね、これで正体が分かるかも・・・)
アイ「・・・」
紬(アイ・・・最初の船から一緒だったけど、一体どんな人なのかしら・・・)
アイ「・・・久しぶり、お姉ちゃん」
唯「え・・・?」
アイ「私だよ、憂だよ」
アイはそう言うと全身を覆っていたマントを脱ぎすてた
憂「お姉ちゃん」
唯「う・・・憂!?憂なの!?」
憂「そうだよ」
唯「ええ!?えええ!?」
唯「何で!?どうやって!?一体どうなってるの!?」
憂「ふふふ、お姉ちゃんってば」
唯「最初の船の時からずっと憂がアイさんだったの!?」
憂「そうだよ」
唯「それなら教えてくれればよかったのに・・・」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
唯「どうやって最終試験まで・・・って憂なら楽勝だよね、ハンター試験くらい」
憂「そんなことないよ、お姉ちゃんが心配で大変だったんだから」
唯「そんな~」
憂「ふふふ」
唯「ねえ憂、あのさ」
憂「あの、会長さん」
ネテロ「何かね」
唯「・・・」
憂「勝つ条件は「まいった」と言わせるしかないんですよね?」
憂「気絶してもカウントはとらないしTKOもなし」
ネテロ「うむ、それだけじゃ」
憂「・・・分かりました」
憂「・・・」
唯「・・・」
唯(憂・・・なんか変)
唯(はっ!よく考えたらこれから憂と戦うのか!)
唯(え~・・・ムギちゃんと戦ったばっかりなのに・・・)
唯(・・・ううん、本気で戦うのが今の私に出来ることなんだよね)
唯(それが憂の、そして私の為なんだ)
唯(それに・・・これはきっと憂と戦う最初で最後のチャンス)
唯(今、すっごくわくわくしてる!)
憂「・・・」
唯(きっと私より全然強いんだろうけど、体力とスピードなら負けないよ!)
唯(速さでかきまわして勝機をみつける!)
ネテロ「それでは」
ネテロ「始め!!」
憂「お姉ちゃん」
唯「えっ」ビクッ
憂「私、お姉ちゃんに言いたいことがあるの」
唯「何?」
憂「ハンター試験、諦めて」
唯「ええっ!?」
憂「お姉ちゃんにはハンターなんて無理だよ」
唯「う・・・憂?何言ってるの・・・?」
憂「お姉ちゃんはハンターになんてならなくてもいいって言ってるの」
唯「憂・・・おかしいよそんなの」
憂「お姉ちゃんがハンターになる事の方がおかしいよ」
唯「憂・・・」
憂「いいから諦めて、さあ今すぐ家に帰ろう」
唯「お互いに平行線みたいだね・・・私は憂と戦うって決めたの!」
唯「憂が来ないならこっちから行くよ!!」
ダッ!!
唯はダッシュで憂との距離をとりスピードでかく乱する作戦に出た
憂「・・・」
スッ
ダッシュで離した距離を憂は一瞬で詰め、唯の目の前まで移動した
唯「!!」
憂「スピードに自信があったんだね、確かにすごいけど」
憂「遅すぎるよお姉ちゃん」
ドコ!!
憂の手刀が唯を捕らえた
憂「残念だけど・・・」
唯「―――!」
ドサッ・・・
紬「・・・!」
澪「唯!」
律「大丈夫か!?」
梓「憂・・・なんか怖いよ・・・」
ヒソカ「・・・」
憂「さて普通の決闘ならこれで勝負アリだけど・・・」
憂「ほら目覚ましてお姉ちゃん」グイッ
唯「・・・う」
グラグラ・・・
唯「・・・!!」
憂「気分はどう?脳みそがグルングルン揺れるように打ったんだけど」
憂「わかったでしょ?早く諦めて帰ろう」
唯「いや!」
パシン!
ぐるんっ
唯「・・・!!」
唯「げほっ!」
憂「何で分かんないかなぁ・・・」
唯「うえっ!げほっ!」ビチャビチャ
憂「ほら早く」
唯「~~~~!」
唯「絶対いや!!」
ズドッ!!
唯「ぐぅっ!」
唯「うげっ!」ビチャッ
紬「・・・!」
澪「唯!無理はよせ!次があるんだ、ここは・・・!」
律「澪!」
律「お前が唯の立場ならまいったって言えるか?」
澪「死んでも言わない!なんか憂ちゃんおかしいよ!わかってるけど言うしかないだろ!」
律「矛盾だらけだけど気持ちはよく分かる」
律(憂ちゃんは今おかしい)
律(ここは退け唯!自滅するぞ!!)
メンチ「全く・・・会長の性格の悪さときたら私達の比じゃないわよ」
メンチ「気軽にまいったなんて言える奴がここまで残れる訳ないじゃないの」
メンチ「一風変わったどころかとんでもない決闘システムだわ・・・!」
メンチ「あの娘やばいわよ」
3時間後
唯はもうまともに立つことも出来なくなっていた
憂「・・・」
唯「・・・」
紬「3時間・・・経った・・・」
律「もう吐くモノも無くなってるぜ・・・」
憂「起きてお姉ちゃん」
唯「う・・・」グラグラ
梓「いい加減にして憂!!何でそこまで・・・!!」
憂「うるさいなあ、見るに堪えないなら消えたら?これからもっと酷くなるよ」
澪「憂ちゃん!もうやめて!」
憂「・・・」
律「・・・私が代わりに相手してやる!」ダダッ
役員「1対1の勝負に他者は入れません」
役員「仮にこの状況であなたが手を出せば失格になるのは唯選手ですよ」
律「・・・!!」
唯「大丈夫だよりっちゃん・・・」
憂「!」
唯「こんなの全然平気・・・まだまだ・・・やれる」
憂「・・・!」
ドゴッ
唯「う・・・」
グイッ
唯「!」
憂「腕を折る」
澪律紬梓「・・・」
憂「・・・本気だよ、諦めて!!」
唯「・・・・・・」
唯「い・・・」
唯「いやだ!!」
ボキッ!
唯「!!・・・・・・ッ」
憂「・・・」
紬「・・・」
律「マジで折りやがった・・・」
唯「あ・・・ッ・・・!!」ブルブル
憂「さあ、これで左腕は使い物にならない」
憂「つまりこの後の戦いも当然勝てない、ハンター試験はおしまいだねお姉ちゃん」
唯「――――ッ」ブルブル
律「・・・ッ」ギリギリ
律「ムギ、止めんなよ」
紬「・・・」
律「いくら憂ちゃんでもこれ以上何かしたら」
律「唯にゃ悪いが抑え切れねェ」ギリギリ
紬「止める?」
紬「―――私が?」
紬「大丈夫、おそらくそれはないわ」ピリピリ
憂「お姉ちゃん」
憂「私無理な事言ってるかな?ただ諦めてくれればいいだけなのに」
憂「早く諦めてくれたらこんな事にならなかったんだよ?」
憂「ホントお姉ちゃんったら、心配かけさせないでよね~」
憂「ふふふ」
唯「・・・」
唯「ハァ・・・ハァ・・・」
グググッ・・・
律「唯!もう立つな!」
唯「・・・!!」ズキッ
唯「・・・痛みと憂のおしゃべりで頭は少し回復してきたよ」
澪「唯・・・」
唯「腕が折れても、私はまいったって言わないよ・・・憂」
憂「ふぅ・・・わかってないみたいだねお姉ちゃん」
憂「私は忠告してるんじゃない、命令してるの」
唯「命令されても聞かないもんね」
憂「お姉ちゃん・・・」
憂「お姉ちゃんは何も分かってない」
憂「・・・お姉ちゃん、このハンター試験どうだった?」
唯「・・・」
憂「簡単だった?危ない場面は一つも無かった?」
唯「・・・」
憂「自分ひとりの力で勝ち残れた?死にそうにならなかった?」
唯「・・・」
憂「今もそうだよ、私みたいな普通の人間にすら太刀打ちできないよね?」
唯「・・・」
憂「でしょ?お姉ちゃんはこの程度の試験も満足にクリア出来ないんでしょ?」
憂「これは試験だからまだいいよ」
憂「相応の安全は保障されてるし、命の駆け引きもなかったから」
憂「でもこれが本番、つまりハンターになってリアルな世界での出来事だったらどう?」
憂「お姉ちゃんは間違いなく死んでるよね」
唯「・・・」
憂「試験でこれじゃ本番なんて絶対無理」
憂「仮にハンターになってもすぐ死ぬか誰かに殺される」
憂「勝手に死ぬならまだいいよ・・・よくないけど」
憂「でも誰かに殺されたらって考えると・・・私には我慢できない」
憂「だから・・・」
憂「誰かに殺されるくらいなら・・・」
憂「私が殺す、今ここで」
憂「どうせ死ぬなら私が殺してあげるよ・・・せめて楽に・・・ね」
憂は懐からナイフを取り出し、唯の額に当てた
唯「・・・」
憂「最後のお願い、諦めて家に帰ろうよ」
唯「・・・・・・」
憂「・・・やっぱりお姉ちゃんは何も分かってない」
憂「死んだらハンターも何もないんだよ・・・?」
憂「私はお姉ちゃんを殺しても来年また受験すればハンターになれるけど」
憂「お姉ちゃんは死んだらもう何もかも終わりなんだよ」
憂「私とお姉ちゃんは対等じゃないの!!」
澪(唯・・・)
澪(私は・・・お前が疎ましかった・・・)
澪(いつも明るくて楽しくてみんなの中心で・・・)
澪(私には無いものをいくつも持ってる・・・)
澪(最初はHTTの歌も私が作詞して歌ってたのに・・・)
澪(いつのまにか唯が作詞して歌って・・・みんなに認められて)
澪(ハンター試験でも学校とは全然違う顔を見せて)
澪(活躍して・・・差を見せつけられて・・・どんどん離されていった・・・)
澪(悔しかった・・・)
澪(でもホントは違うんだ・・・)
澪(疎ましかった訳でも、憎かった訳でもない)
澪(認めたくなかっただけなんだ・・・)
澪(ホントは・・・うらやましかっただけなんだ)
澪(唯に憧れてる自分に・・・気づかないふりをしてただけなんだ)
澪(私・・・ホントは・・・)
澪(唯と一緒にいられるだけで嬉しかったんだ・・・楽しかったんだ)
澪(唯の事が・・・大好きなんだ!!)
澪「唯ー!頑張れー!!」
唯の額からはナイフの切っ先によって血が流れてきていた
紬「―――」ジリッ
紬が割って入ろうとしたのを無言で止めたのは律だった
律「―――」
律はかすかに笑っていた
梓「唯先輩・・・」
澪「唯ー!」
唯「・・・」
憂「・・・」
唯はまっすぐ憂を見つめていた
憂の方が唯の眼を見て動揺させられていたのだ
憂「何で・・・」
憂「たった一言だよ・・・?」
憂「ハンターになんかならなくてもいいじゃない・・・」
憂「お姉ちゃんには私がいるじゃない・・・」
憂「ご飯だって作るし、アイスも買ってあげる・・・」
憂「危ない目にあったら私が助けてあげる・・・」
憂「私が一生守ってあげるのに・・・」
憂「・・・」
憂「命よりも意地が大事だっていうの!?」
憂「そんなことで死んで本当に満足なの!?」
唯「・・・」
憂「答えてよ!!」
憂が動揺するほどに唯は落ち着いて憂を見つめた
唯「みんなと・・・一緒にいたいんだ」
唯「みんなと・・・ずっと一緒に笑っていたい」
唯「みんなと並んで歩きたい」
唯「いつか離れても、ずっとずっと繋がっていたい」
唯「それに・・・」
唯「憂とも、ずっと一緒にいたい」
唯「・・・私は、ダメなお姉ちゃんだよ」
唯「なんでも憂にやってもらって・・・頼ってばっかりで」
唯「憂の方がお姉ちゃんみたいで・・・」
唯「憂はずっと私の前を歩いてた」
唯「でも・・・私は変わらなきゃいけない」
唯「みんなと並んで歩くため・・・」
唯「憂と並んで歩くため」
唯「いつまでも一緒にいられるって信じるため」
唯「でも」
唯「もし私がここであきらめたら」
唯「一生心の底からみんなと笑いあえない気がする」
唯「だから」
唯「退かない」
憂「退かなきゃ・・・」
憂「死ぬんだよ・・・?」
唯「それでも」
唯「退かない」
憂(理屈じゃ・・・ないんだね・・・)
憂「なら仕方ないか・・・」
憂「お姉ちゃん・・・」
憂「バイバイ」
ヒュッ・・・
唯「・・・」
憂「まいったよ」
憂「私の負け」
唯「えっ・・・」
憂「私にはお姉ちゃんを殺せない」
憂「まいったと言わせる方法も思い浮かばない」
憂「お姉ちゃんの勝ちだよ」
唯「・・・」
唯「そんなのダメだよ!!」
憂「・・・」ピクッ
唯「ずるいよ!ちゃんと勝負しよう!」
憂「・・・」
唯「どうやって勝負するか決めよう!」
憂「お姉ちゃん・・・」
憂「私はもう負ける気でいるけど、もう一度勝つつもりで真剣勝負・・・そのうえでお姉ちゃんが気持ちよく勝てるような勝負方々を考えて勝負するの?」
唯「うん!」
憂「お姉ちゃん」ニコッ
唯「?えへへ・・・」ニコッ
憂「お姉ちゃんのバカー!!!」
どこーーーーーん
憂の渾身の一撃で唯は気絶した
唯「う~ん」ピヨピヨ
憂「私の負けです」
ネテロ「うむ」
憂「・・・ふう」
梓「う、憂・・・」
憂「みなさん・・・」
憂「ごめんなさい!」
紬「えっ」
憂「私・・・どうかしてました・・・みなさんにもお姉ちゃんにも何て謝ったらいいか・・・」
律「気にすんなよ憂ちゃん、過ぎたことはもういいんだ」
澪「ああ、唯も無事合格出来たし良かったよ」
憂「・・・ありがとうございます、本当にごめんなさい」
梓「唯先輩は・・・救護室に運ばれていくみたいですね」
唯「―――!」
唯「・・・ベッドの上?」
サトツ「おや、目覚めましたか」
唯「ここは・・・」
サトツ「最終試験会場ホテルの控室です」
唯(そっか、ハンター試験の最中だったんだ)
サトツ「腕はすぐくっつきますよ」
唯(腕折られたんだった)
サトツ「非常にきれいに折ってくれてます、むしろ完治後には丈夫になるくらいのもんです」
唯(憂・・・)
サトツ「なにはともあれ、合格おめでとうございます」
唯「サトツさん・・・私・・・」
サトツ「ダメです」
唯「・・・」
サトツ「不合格者が何を言っても合格できないのと同じく、合格した者を不合格にすることもできません」
サトツ「あとは君の気構え次第ですよ」
サトツ「自分にプロの資格がないと判断したらライセンスカードを処分するのも封印するのも自由です」
サトツ「売却するのもいいでしょう、どうせ他人には使用不可能です」
サトツ「それでも大金で買いたがるモノ好きは大勢いますからね」
サトツ「ただし一度合格した者が再び試験を受けることはできませんがね」
サトツ「先人たちの偉業の甲斐もありプロのハンターはかなり優遇されています」
サトツ「それゆえに悪用のみを考えて試験を受けに来る輩も後を絶ちません」
サトツ「そんな連中さえいなければ、本当は全員を合格にしたってかまわないのですよ」
サトツは唯のハンター証を机の引き出しから取り出した
サトツ「ほとんどのプロハンターにとってこのカードは」
サトツ「命よりも大切なものであると同時に、意味のないガラクタでもあるのです」
サトツ「大事なのはハンターになってから何を成したか、ですよ」
サトツ「唯ちゃん」
サトツ「このカードを使う時期は自分で決めればいい、君ならそれができるでしょう」
唯「うん」
唯「これまでいろんな人に助けてもらって、いっぱい借りも作ったしね」
唯「それを全部返してから使うことにするよ」
サトツ「ええ、あらためて合格おめでとうございます」
唯「ありがとう!」
唯「あ、他の人はどうなったの?まだ試験中でしょ?」
サトツ「いえ、もう試験は終了しました」
唯「!」
唯「ホントに!?」
サトツ「ええ、君はほぼ丸一日寝てたんですよ」
サトツ「他の合格者は簡単な講習を受けています、後で君にも受けてもらいますが」
唯「うん、でもそれより・・・」
唯「誰が・・・落ちたの?」
サトツ「それは―――」
―――――――――
――――――
―――
キルア「・・・」
憂「みなさん、ほんとにお騒がせしました」
律「いいってホントに」
澪「ああ、それより次・・・」チラッ
律「・・・」チラッ
憂「・・・」
梓「ねえ憂、どうして降参したの?」
憂「え?」
梓「私あのまま憂が唯先輩を殺しちゃうんじゃないかって思って・・・」
憂「うん・・・」
憂「正直私も殺そうと思ってた、殺して私も死ぬつもりだった」
憂「どんな人でも痛めつけられた相手を見る目には負の光が宿るものだよ」
憂「目に映る憎しみや恨みの光ってのはなかなか消せるものじゃないと思うの」
憂「でもお姉ちゃんの目にはそれがなかった」
憂「信じられる?腕を折られた直後だよ」
憂「お姉ちゃんの目はもうそのこと忘れてたの」
梓「・・・」
憂「私の完敗だよ、お姉ちゃんの事全然分かってなかった」
憂「お姉ちゃんならハンターになってもきっと大丈夫・・・そう思ったの」
―――
――――――
―――――――――
唯「キルアくんが・・・?嘘・・・」
サトツ「反則による失格です」
唯「反則・・・まさか」
サトツ「相手を死にいたらしめました」
唯「!」
サトツ「一瞬のことでした、開始の合図と同時」
サトツ「意図的に失格したものと思われます」
唯「私が寝てる間に一体何があったの?」
サトツ「順を追って話しましょう」
サトツ「まず第2試合は―――」
―――――――――
――――――
―――
第2試合
澪対律
澪「律・・・」
律「・・・」
紬(どうしてこうも私達同士が戦う事に・・・)
梓(澪先輩・・・律先輩・・・)
憂(どうなっちゃうの・・・)
澪「・・・勝負だな」
律「・・・ああ」
梓(殴り合い・・・?そんな訳ないか)
紬(どうやって戦うのかしら)
ネテロ「始め!」
澪「ふっ!」ドコッ
律「うりゃ!」バキッ
ドコッ!バキッ!ドズッ!ガスッ!
梓「殴り合い!?」
紬「二人とも本気・・・!」
憂「こんなのって・・・」
ドコ!バキ!ズカ!グシャ!
梓「これも見るに堪えません!」
紬(本気で殴り合ってる・・・あの二人が・・・)
澪(さっきの唯の試合が始まる前・・・)
律(第2試合が私達の対戦だって分かった時・・・)
澪(こうやって戦うって決めたんだ・・・!)
律(まさか澪の方から殴り合いで戦おうなんて言われるとは思わなかったぜ・・・)
澪「うわああああ!!」ドカ
律「あああああああ!!」ドコ
澪(律・・・)
律「おりゃ!!」ドンッ
澪「くっ!」
ドサッ
律の攻撃に耐えられなくなった澪は床に倒れた
律「どうした・・・?もう終わりか?」
澪「くそっ・・・」
澪(殴り合いのケンカなんて・・・一生しないと思ってた)
澪(まして律となんて・・・)
澪「まだまだ・・・」グググッ
澪「いくぞ!!」ダダッ
澪(今・・・律と初めて向かい合ってる気がする)
澪(律ってこんな顔するんだ・・・)
律(澪を殴る日が来るなんて思わなかったぜ・・・)
律(こいつも大きくなったもんだなあ・・・)
律(昔は・・・)
澪(昔は・・・)
へ~澪ちゃんって左利きなんだ!
澪ちゃんの髪きれいだね~!
澪ちゃん!
澪(律が・・・いつも話しかけてくれたんだ・・・)
澪(作文を全校集会で読むときも・・・律が助けてくれた・・・)
作文読みたくないの?
だって恥ずかしいもん・・・
恥ずかしくないよすごいよー!
ぜ、全然すごくないよ!
わたしだったらみんなに自慢するな~・・・
だったらりっちゃんが賞もらえばよかったのに!みんなの前で読むのやだよぉ!!
・・・澪ちゃん!今から家においでよ!練習しよう!
ええっ!?
でも・・・
いいからいいから!!
澪(あの時は・・・嬉しかったなあ・・・)
パイナップルのマネ~
全然似てないよ~
・・・えへへ
澪(そうやってりっちゃんと仲良くなったんだっけ・・・)
澪ちゃん!
りっちゃん!
澪「律・・・」
律「・・・なんだ?」
澪「私・・・いっつも律に・・・りっちゃんに助けてもらってた」
律「澪・・・」
澪「大きくなって・・・りっちゃんといつも一緒にいるようになった」
澪「嬉しかった・・・」
澪「さっき唯が言ってた事・・・私も分かるんだ」
澪「対等なつもりだったけど・・・りっちゃんはいつでも私のヒーローだった」
澪「ずっと私は・・・りっちゃんの背中を見て来た・・・」
澪「そろそろ・・・並んで歩きたい・・・りっちゃんの顔・・・見たいよ」
澪「だから勝つんだ!りっちゃんに勝って!私はりっちゃんと一緒に歩く!!」
律「澪・・・ちゃん」
澪「これで終わりにしてあげるよ!」
律「・・・」ニッ
澪「りっちゃん!」
律「・・・澪ちゃん!」
バキッ!!
澪「・・・はぁ・・・はぁ・・・」
律「ぐっ・・・」ドサ
律(澪ちゃん・・・)
律(バカだなぁ澪ちゃんは・・・)
律(並んで歩きたいって・・・)
律(あたしは・・・初めて会ったあの時からずーっと)
律(並んで歩いてたつもりだったのに・・・)
律(助けられてたのはあたしの方だよ・・・)
律(澪ちゃんは・・・いつも隣にいてくれたんだから・・・)
律「澪のバーカ・・・」
律「・・・まいった」
澪「!!」
律「澪、強くなったな・・・」
澪「りっちゃん・・・律・・・!」
律「合格おめでとう、澪」ギュッ
澪「律・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」ポロポロ
―――
――――――
―――――――――
サトツ「というわけで澪氏が勝ちました」
唯「澪ちゃん・・・りっちゃん・・・良かったね・・・」
サトツ「そして次は―――」
唯「ふんふん―――」
・・・・・・
サトツ「紬氏はポックル氏をいとも簡単に蹂躙し、負けを宣言させました」
唯「おお!さすがムギちゃん!」
・・・・・・
サトツ「そしてキルア氏対ギタラクル氏の試合で―――」
唯「・・・」
・・・・・・
唯「そんな・・・」
サトツ「そして次のレオリオ氏対ボドロ氏の戦いが始まると同時に、キルア氏がボドロ氏を・・・」
サトツ「そしてそのまま・・・彼は会場を後にしました」
サトツ「委員会は彼を不合格とみなしたのです」
唯「・・・」
バタンッ
澪「唯!」
唯「澪ちゃん!」
律「目が覚めたってサトツさんに聞いてきたんだ!」
紬「大丈夫?唯ちゃん」
梓「唯先輩!」
憂「お姉ちゃん!」
唯「みんな!」
紬「もう講習が終わったから来てみたの」
唯「え?もう?」
唯「合格者は・・・」
憂「もう聞いてると思うけど、ボドロさんとキルアくん以外合格したの・・・」
唯「それでその人たちは・・・」
紬「もう各々帰っていると思うけど・・・」
唯「キルアくんは・・・?」
紬「それは・・・」
ガチャ
ゴン「唯さん」
唯「ゴンくん」
ゴン「キルアの話は・・・」
唯「聞いたよ」
ゴン「・・・オレとクラピカとレオリオは、キルアを連れ戻しに行く事にしたんだ」
唯「そう・・・」
ゴン「唯さんは心配しないで!必ずキルアを連れ戻すから!」
唯「・・・キルアくんをお願い、ゴンくん」
ゴン「うん!きっと連れ戻してくるから、そしたらいつか一緒に遊ぼう!」
唯「・・・うん!楽しみにしてるよ!」
レオリオ「唯ちゃん、元気で」
クラピカ「またどこかで会おう」
唯「うん!さよなら!」
憂「お姉ちゃん本当にごめんなさい」
唯「いいんだよ、憂」
憂「・・・ありがとうお姉ちゃん!大好きだよ!」
唯「えへへ」
澪「いろいろあったけど全員合格!」
律「キルアくんの事が気がかりだけど・・・」
紬「ゴンくんたちならきっと大丈夫」
梓「私達も帰りましょう!」
唯「うん!・・・あ、講習受けないと・・・」
ゾロゾロ
澪「講習どうだった?」
唯「よくわかんなかったよ~あはは」
唯「あ、サトツさーん!」
唯「色々ありがとうサトツさん」
サトツ「唯ちゃんはもう国に帰るのですか?」
唯「うん、学校もあるし・・・キルアくんの事は気になるけどゴンくんなら何とかしてくれると思って」
唯「だから帰るよ!みんなと一緒に!」
サトツ「そうですか・・・あ、唯ちゃん」
唯「?」
サトツ「いや・・・体に気をつけて」
唯「うん!じゃあね!!」
唯「おまたせー・・・」
サトツ「・・・」
サトツ「不思議なコですね」
サトツ「どうも肩を持ちたくなってしまいますよ」
メンチ「んふふ、今サトツさんやばかったでしょ」
サトツ「ええうっかりしゃべるとこでした」
サトツ「ハンター試験がまだ終わっていないことを」
そして―――私達は帰ってきた
桜が丘高校に、けいおん部に
今思うとあれは夢だったんじゃないかと思う
そのくらい色々あった数週間だった
でも現実に私と澪ちゃんとりっちゃんとムギちゃんとあずにゃんと憂は
プロのハンターになったんだ
私は―――ムギちゃんにもヒソカさんにも憂にも勝てなかった
けど、今こうしてみんなと一緒に居られる
心の底から笑いあえる
ハンター試験を受けて本当に良かった
みんなと一緒に合格出来て、本当に良かった!
みんなの事、大好きだよ!いつまでも一緒だよ!
澪「唯ー練習するぞー」
澪ちゃん大好き!
律「仕方ないなー」
りっちゃん大好き!
紬「今日も頑張るわよ~」
ムギちゃん大好き!
梓「いつもこのくらい真面目にやってくださいね!」
あずにゃん大好き!
和ちゃんもさわちゃんも純ちゃんも大好き!
そして・・・憂!大好き!!
唯「よ~し!やるぞ~!」
大好きをありがとう!!
唯「ハンター試験?」
おしまい
これでひとまず終わりです
ハンターを知ってる人もそうですが、知らない人に読んでもらえて嬉しかったです
どちらかというとハンターを知らない人向けに書いたので原作をそのまま追う形になりました
なので知ってる人には退屈だったかも知れません
続きも一応考えてます
ぜひ書きたいです
ゴンとキルアにも再会させてあげたいし・・・
続きを書くならもう少し自由度があがりそうです
読んでくれた人、レスくれた人ありがとう!
かなり励みになりました!
ちょっと休憩します
スレが残ってたら憂の番外編書きます
次回は
唯「琴吹家?」で立てようと思ってますけどいつになるか分かりません
このスレですらだらだら3週間くらいかけて書きましたから
飯食ったら憂の話始めます
番外編は書きためしてないのでゆっくりになると思います
あと残りの150でなんとかまとめられるように考えつつ
始めます
憂「ハンター試験!?」
憂「だめだよお姉ちゃん!!死んじゃうよ!!!」
唯「憂は大げさだなぁ・・・良くわかんないけど死ぬわけないじゃん!」
憂(言っても無駄そうね・・・私がなんとかしなきゃ・・・!)
憂「そうだよね、ごめんお姉ちゃん!」
唯「うん!おやすみ憂!」
憂「お姉ちゃん寝たみたいだね・・・」
憂「ハンター試験って・・・あの毎年死者が何十人もでるっていう試験だよね・・・」
憂「そんなのにお姉ちゃんが出たら死んじゃうよ・・・私も参加してお姉ちゃんを守らないと!」
憂「とりあえず変装して行こう、正体をばらすのはいつでも出来るけど隠すなら最初からじゃないとね・・・」
次の日の朝
憂(お姉ちゃん・・・)コソコソ
唯「おはようみんな~」
憂(一応マントで全身覆って着いて来たけど・・・)
憂(お姉ちゃんにばれないようにしなきゃ・・・何とかして諦めさせないと)
憂(お姉ちゃん・・・楽しそう・・・)
船長「さて、じゃあ自己紹介でもしてもらおうかな」
憂「う、あ・・・アイです!」
憂(うん・・・私はアイ、憂じゃない)
アイ(お姉ちゃん、妹に守られるのは嫌かも知れないから)
アイ(これからはアイがお姉ちゃんを守るよ)
港
船長「着いたぜ、ここがドーレ港だ」
アイ(私は・・・お姉ちゃん達を尾行しないと・・・)
アイ(一本杉を目指すみたいだね、距離をとって着いていこう)
・・・・・・
アイ「あ、お姉ちゃん達街に入って行った・・・」
アイ「あの街・・・人が大勢いるみたい」
アイ「お姉ちゃん大丈夫かなあ・・・」
老婆「ドキドキ2択クイズ!」
アイ「・・・」
老婆「敵に兄弟が捕まった、助けられるのは1人だけ、どっちを助ける?
1、姉 2、兄」
アイ(この問題・・・そして2択に限定してある解答・・・おそらく正解は『答えない』こと)
アイ(でも・・・この問題は卑怯だよ!お姉ちゃんを助けるにきまってるじゃない!!)
アイ(ハンター試験・・・なんて卑劣な罠を仕掛けてくるの・・・)
老婆「正解だ、さあ本当の道はこっちだよ」
アイ(くっ・・・)
老婆(正解したのにあまり嬉しそうじゃないね・・・?)
キターーー
キリコの家
アイ「・・・」
キリコ「さあかかってきな、実力不足なら案内は出来ないよ」
アイ(お姉ちゃんはこの狐に勝ったってこと?)
アイ(嘘でしょ・・・?結構強そうなのに・・・)
キリコ「来ないならこっちから行くよ!」
ズドン!!
キリコ「ぐっ・・・」
アイ「人が考えてる最中に襲うなんて随分だね、狐ちゃん」
アイ「痛い目見ないと分からないのかな?」
キリコ「うぐっ・・・もう合格だからそのへんにしとくれ」
アイ「そう、良かった」
アイ(早くお姉ちゃんに追いつかないと)
キリコ(なんなんだこの受験生は・・・身体能力はすでにプロのレベルじゃないか・・・?)
アイ「じゃあお願いします」
キリコ「ああ、それじゃ行くよ」
バサッ!
ザバン市
キリコ「ここが試験会場だ」
アイ「この大きな建物が?・・・これじゃないよね、どこが会場?」
キリコ「あ、ああ・・・こっちの定食屋が・・・」
アイ「ふうん、一応ちゃんと考えてるみたいだね、ハンター協会も」
キリコ(なんだこいつ・・・)
アイ「じゃあありがとうキリコさん」
キリコ「・・・ああ、あんたにはこっぴどくやられたけど、実力は認めるさ」
キリコ「頑張んな」
地下100階
役員「プレートをどうぞ」
アイ(411番・・・あ、お姉ちゃん達いた・・・)
唯(おっ、船で一緒だったマントの人だ・・・確か・・・アイさんだったかな?)
アイ(ここまで来れたんだお姉ちゃん・・・でもこれからはもっと厳しいはず)
アイ(絶対に連れ帰るからね、お姉ちゃん)
トンパ「お、君も新顔みたいだね。お近づきのしるしにジュースどう?」
アイ「いいです、というか近づかないでください」
トンパ「え」
アイ(なれなれしい・・・どうせ何か入ってるんでしょそのジュースに・・・)
アイ(ハンター試験の受験者ってこんな小細工をするバカと)
アイ(この程度の罠にひっかかるバカしかいないの?)
アイ(・・・ってそんな訳ないか)
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!
アイ(いよいよだね・・・)
試験官「ただいまを持って受付時間を終了いたします」
試験官「ではこれより・・・」
試験官「ハンター試験を開始いたします」
ドドドドドドドドドド
試験官「申し遅れましたが私一次試験担当のサトツと申します」
サトツ「これより皆様を二次試験会場へご案内いたします」
受験者「二次?ってことは一次は・・・」
サトツ「もう始まっているのでございます」
サトツ「二次試験会場まで私についてくること。それが一次試験でございます」
唯「!」
アイ(マラソンか・・・お姉ちゃんはマラソン苦手なはずだしここで終わりだね。良かった)
三時間後
アイ(お姉ちゃんどうしてこんなに走れるの・・・?)
アイ(10分くらいで脱落すると思ったのに・・・)
アイ(・・・)
アイ(紬さんと何話してるんだろ・・・)
アイ(あんまり近づくと気づかれちゃうかもしれないからこれ以上はそばにいけない)
アイ「さびしいよ・・・」
ドドドドドドドド
唯「うわぁ・・・嘘でしょ・・・」
そこには先が見えないくらいの階段があった
エレベーターで地下100階まで来たのだ。当然100階分登らなければならない
サトツ「ちょっとペースをあげますよ」
唯「うわっ速くなった!」
アイ(はぁ・・・いつまで走るの)
アイ(この程度で脱落する人たちは何を考えて試験を受けに来たの?)
アイ(光・・・)
アイ(ゴール?では無いよね・・・まだ走っただけだし)
サトツ「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師のねぐら”。二次試験会場へはここを通っていかなければなりません」
サトツ「この湿原にしかいない珍奇な動物たち。その多くが人間をも欺いて食料にしようという生き物です」
サトツ「十分注意してついて来てください。だまされると死にますよ」
サトツ「さて、では行きますか。しっかりと私の後をついてきてください」
?「嘘だ!そいつは嘘をついてる!」
アイ(?)
・・・・・・
アイ(あ、ニセ試験官が死んじゃった)
アイ(お姉ちゃん以外が死のうがどうでもいいよ・・・お姉ちゃんとお話したい・・・)
アイ(ただニセ試験官を殺した男・・・)
アイ(受験生の話が聴こえてきたけど・・・たしか名前はヒソカ)
アイ(あの人は・・・危ない)
受験生347名ヌメーレ湿原へ突入
アイ(霧がすごい・・・お姉ちゃんを見失いそう)
うわああああああああああああああああああああ!!!
唯「悲鳴!後ろから!」
紬「大丈夫!あの三人の声は聴こえなかった!」
唯「でも・・・!」
澪「きゃああああああ!!」
唯「澪ちゃん!」ダッ!
紬「唯ちゃん!くっ!」ダッ!
アイ(え?お姉ちゃん!?)
アイ(急に後ろに走り出した!とにかく着いていかないと!)ダダッ
アイ「お姉ちゃん!どこ!?」
アイ(まさか見失うなんて!お姉ちゃん無事でいて!!)
ザッ
ヒソカ「ん?」
アイ「あなたは・・・ヒソカさんですよね?」
アイ「・・・お姉ちゃ・・・髪止めを付けた女の子を見ませんでしたか?」
ヒソカ「ああ♪彼女なら・・・」
アイ「?」
ヒソカ「どうしたでしょう?くっくっく・・・♪」
アイ「―――!!」
アイ「何をしたの!?」
ヒソカ「別に?知りたかったら力づくで・・・」
ドカッ!!
ヒソカ「・・・」
アイ「力づくで?聞きますけど・・・」
アイのボディブローがヒソカに突き刺さった
ヒソカ「くくく・・・くくくくくく」
ヒソカ「面白いねキミ・・・」
アイ(効いてない!?嘘・・・)
ヒソカ「その子なら無事さ、そのうち来るだろう」
ヒソカ「キミの名前は?」
アイ「・・・アイです」
ヒソカ「覚えておこう♪このパンチの分は必ず返させてもらうよ♪」
アイ「今返したらどうですか?」
ヒソカ「急いでるからいいや、じゃあね♪」
ヒソカ(今あのコと戦ったら興奮して試験どころじゃなくなっちゃうよォォ・・・♪)
アイ「・・・」
アイ(ヒソカ・・・何なの?あの頑丈さは・・・)
アイ「・・・後でお姉ちゃんが来るなら、私も先に行って待ってよう・・・」
アイ「とりあえずヒソカの後を尾けようかな・・・」
サトツ「みなさんお疲れ様です。無事湿原をぬけました」
サトツ「ここビスカ森林公園が二次試験会場となります」
サトツ「それじゃ私はこれで。健闘を祈ります」
唯「ゴール!」
紬「間に合ったわ~」
アイ(あ、お姉ちゃん!良かった無事で・・・)
二次試験前半 ブハラのメニュー
アイ(ブタの丸焼きかあ・・・お姉ちゃんに食べさせてあげたいなあ)
ブタ「ブモオオオオオオ!」
アイ「うるさい!」ドカン!
ブタ「プギィ」バタン
二次試験後半メンチのメニュー
アイ(にぎりずし・・・お魚釣りにいこう)
アイ(この人たちおすし知らないのかな?)
アイ(お姉ちゃん達も後から釣り来るだろうし早く行って帰ってこよう)
アイ(出来た。お姉ちゃんに食べてもらいたくてお寿司握る練習しておいて良かった・・・)
アイ(でも最初に食べるのがお姉ちゃんじゃなくてあんな女なんてね・・・)
アイ「出来ました」
メンチ「おっ、これあんたスシ知ってたわね。でも問題は味よ・・・」パクッ
メンチ(スシをまともに握れるようになるには10年の修行が必要だと言われて・・・)
メンチ「おいしい・・・」
アイ「あ、じゃあ」
メンチ「あ、ああうん合格ね・・・411番」
メンチ(おっかしいな~文句つけてやろうと思ったのに・・・)
受験生「すげえぜあいつ・・・」
受験生「何者だよ・・・」
アイ(目立っちゃってるよぅ・・・お姉ちゃんにばれませんように・・・)
唯(う~ん・・・あのマントのアイって人、なんか知ってる人のような気がするんだよね~)
唯(さっきお寿司握ってるとこちょっと見たけど・・・手つきとかなんか見たことが・・・う~ん・・・)
唯(まあいっか!無理に思い出そうとすると逆に思い出せないって、憂が言ってたし!)
メンチ「ふう」
メンチ「ワリ!おなかいっぱいになっちった!」
メンチ「ってわけで終了!」
唯「ええ~~!?」
二次試験後半メンチのメニュー
合格者3名・・・!?
アイ(やった!これで終わり!)
アイ(後は辞退してお姉ちゃんと帰るだけ!!)
アイ(良かった・・・ほんとに良かった・・・)
二次試験後半メンチのメニュー再試験
アイ(再試験!?ふざけないで!!せっかくお姉ちゃんが落ちたのに・・・)
アイ(許さない!メンチさんも会長も何考えてるの!?)
メンチ「よいしょ、この卵をとってきてゆで卵をつくるのよ」
アイ(はあ!?そんなの簡単すぎて誰でも出来るよ!!)
メンチ「あ、言い忘れてたけどさっきの合格者はやらなくていいわよ」
紬「私は楽しそうなんでやらせていただきます♪」
アイ(誰がやるか!!)ブチブチ
紬「それじゃ唯ちゃん行きましょ!」
唯「うん!とうっ!!」ヒュー
アイ(あ、お姉ちゃん楽しそう・・・)
アイ(私もやればよかったかな・・・)
アイ(でも私がやったらマントがめくれて正体がばれるし・・・)
アイ「・・・はぁ」
ゴゥンゴゥン
二次試験合格者は飛行船に乗り、次なる試験場へ向かっていた
ネテロ「残った75名の諸君にはあらためてあいさつしとこうかの」
ネテロ「ハンター協会の会長を務めとるネテロじゃ」
ネテロ「ここからはワシも同行することにしたからよろしくの」
アイ(よろしくされる覚えはないよ)
アイ(ネテロ会長、再試験の恨み忘れませんから)
アイ(さて、お姉ちゃんは・・・)テクテク
アイ(紬さんとお話してる・・・)
アイ(お姉ちゃん楽しそう・・・)
アイ(今日は飛行船のレストランで晩御飯食べるのかな・・・?)
アイ(私のご飯食べてほしいなあ・・・)
アイ(・・・いつまでも見てたらばれちゃうよね、もう行かなきゃ)
アイ「お姉ちゃん・・・」グスッ
役員『皆様大変お待たせいたしました、目的地に到着です』
ゴゥンゴゥン・・・
唯「みんな外見て!なんかすごいのがあるよ!」
澪「確かにすごい高い塔だな・・・」
律「ここが次の試験会場・・・」
紬「わくわくするわ~♪」
梓「ファイト!私!」
アイ(お姉ちゃん・・・きっとこの試験で脱落してくれるよね)
アイ(・・・ファイト、私)
ゴゥン・・・
役員「到着です」
3次試験トリックタワー
アイ(ここなら広くて見晴らしもいいから、離れいてればずっとお姉ちゃんを見ていられる)
アイ(・・・受験生が隠し扉らしきもので降りて行ってる・・・)
アイ(お姉ちゃんは・・・ん?5人で集まって・・・まさか!)ダダッ
グルン!!バタン!!
アイ「お姉ちゃん!!」
アイ「くそ、もう開かない!!」
アイ「お姉ちゃんを見る事に集中しすぎて隠し扉を調べ忘れた!」
アイ「この扉は一回しか開かない!!」
アイ「よく考えれば当然の事なのに・・・私のバカ!!」
アイ「・・・ひとまず他の扉を探そう」
アイ「お姉ちゃんが生きて下まで降りてくる事を信じて・・・」
アイ「お願い!無事でいてお姉ちゃん!!」
アイ「お願いします!神様!!」
・・・・・・
コツン
アイ「あ、隠し扉あった・・・」
アイ「・・・行こう」
バタン!!
リッポー『よく来たね』
リッポー『このタワーには幾通りものルートが用意されており、それぞれクリア条件が異なるのだ』
リッポー『キミは運がいい・・・くくく』
リッポー『そこはバトルロード!!一階につき一人の試験官が待機して君を待っている!』
リッポー『難しい事は一切ない!ただ各階の試験官を倒せば下に降りられる!』
リッポー『時間内に全員倒し下まで降りてくる事だけがクリア条件だ!』
リッポー『下に行くほど試験官は強くなる!そこはこのトリックタワーの最難関コースなのだ!!』
アイ「ふうん・・・」
アイ「良かった」
アイ「簡単なコースじゃ早く着き過ぎちゃうもん」
アイ「お姉ちゃんもギリギリに着きそうだから」
アイ「私もギリギリ着くくらいの方がお姉ちゃんを待ってやきもきしなくていいし」
アイ「願ったりかなったりだよ」
アイ「じゃ・・・行こうかな」
アイ(お姉ちゃん・・・無事でいてね・・・)
・・・・・・
アイ「はぁ・・・はぁ・・・」
・・・・・・
アイ「はぁ・・・」
・・・・・・
アイ「戦いっぱなしは・・・流石に疲れるよ・・・」
・・・・・・
トリックタワー二階
アイ「二階・・・ここが最後だね・・・」
囚人「ここまで来るとは驚いたぜ」
囚人「解体屋ジョネスと共にこの刑務所の二強と言われているこのオレを倒せるかな?」
囚人「その疲弊しきった体で・・・」
アイ「うるさいですよ・・・いいからさっさとかかって来てください」
囚人「・・・おもしれぇ」
・・・・・・
トリックタワー一階
アイ「残り1時間5分・・・なんとかクリアできた・・・」
アイ「たしかに最後の人はちょっと強かったけど」
アイ「基本的に疲れただけだった・・・」
アイ「お姉ちゃんは・・・まだいないか」
アイ「無事でいて・・・お姉ちゃん・・・」
アイ(残り1分を切った・・・)
アイ(お姉ちゃん・・・きっと来るよね、お姉ちゃんなら・・・)
――――――!
バシューーーーーーーーン!!!
唯「間に合った~~~!!!」
試験官『タイムアップ~!』
試験官『三次試験終了~!』
アイ(お姉ちゃん!!良かった・・・ほんとに良かった・・・)
4次試験
森の中
アイ(私の方が先に出発出来てよかった・・・)
アイ(入口付近で待ってればお姉ちゃんが来るはずだから・・・)
アイ(あとは尾行して、何とか諦めさせる・・・!)
唯「・・・」ダダッ!
アイ(あっ!お姉ちゃん!)ダダッ!
唯(ムギちゃん・・・私どうしたら・・・)ダダダダ
アイ(え?何・・・?速い!!)ダダダ
アイ(嘘でしょ・・・!?離される・・・!!)ダダダ
唯「・・・」ダダダダダ!
アイ「はぁ・・・はぁ・・・」
アイ「見失った・・・」
アイ(嘘でしょ・・・?何であんなに速く走れるの?お姉ちゃん・・・)
アイ「仕方ない・・・お姉ちゃんを探しつつ、最終試験にお姉ちゃんが残った時の事も考えてプレートも集めよう」
アイ「ターゲットは・・・412番」
アイ「私の次に一次試験場に入ってきた人だから・・・」
アイ「紬さんの執事・・・確か斉藤さん」
アイ「お姉ちゃんと斉藤さんを探そう」
・・・・・・
アイ「斉藤さん・・・ですよね?」
斉藤「はい、そうですが・・・」
アイ(お姉ちゃんより先に斉藤さんを見つけちゃうなんて・・・)
アイ「斉藤さんが私のターゲットなんです」
斉藤「ではプレートを奪いに・・・?」
アイ「分かっているなら話は早いです」
斉藤「ふむ」
アイ「いきます」
斉藤「・・・」
・・・・・・
アイ(・・・強い・・・!)
斉藤「・・・」
ズドン!
アイ「うっ・・・」
アイ(3次試験の全員合わせても・・・遥かに及ばないくらい・・・)
斉藤「・・・」
アイ(いくら攻撃をくりだしても・・・かすりもしない)
アイ(一方的に攻撃されて・・・もう・・・)
アイ(お姉ちゃん・・・私・・・)
斉藤「・・・」
アイ(ここまでみたい・・・)
斉藤「・・・かなわないと分かっても・・・」
アイ「・・・?」
斉藤「攻撃も止めず、逃げもしない」
斉藤「何故です?」
アイ「守りたい人がいるから・・・」
アイ「その人のそばにいたいから・・・」
アイ「私は、勝ち進まなきゃいけない・・・」
斉藤「・・・」
アイ「あ・・・」グラッ
バタン!
アイ(もう立てないや)
アイ(殺される)
アイ(お姉ちゃん・・・さよなら)
アイ(せめて最後に・・・お姉ちゃんの声聴きたかったなぁ・・・)
斉藤「・・・」
アイはそのまま気を失った
・・・・・・
・・・・・・
アイ「う・・・ん」
アイ「あれ・・・?」
アイ「生きてる・・・」
アイ「それに412番のプレートも・・・」
アイ「何で・・・?一体何が・・・」
斉藤(彼女は十分強かった・・・)
斉藤(体術は紬お嬢様並み・・・)
斉藤(私に負けた事をバネに・・・)
斉藤(これからもっと強くなりなさい・・・)
斉藤(守りたいその人を守る力をつけなさい・・・)
斉藤(ただその力を・・・間違った事に使わぬよう・・・)
アイ「・・・」
アイ「世の中には・・・想像もつかないくらい強い人がいるんだ・・・」
アイ「ヒソカ・・・斉藤さん・・・受験生だけでこれだけいる」
アイ「きっとハンターになったら・・・そういう人達を相手にしなきゃいけない」
アイ「私が生き残ったのは運が良かっただけ」
アイ「次はもうない」
アイ「・・・もしお姉ちゃんがハンター試験に合格して、プロになったら・・・」
アイ「必ず命を落とす・・・」
アイ「そんなのイヤ・・・!!」
アイ「お姉ちゃんが誰かに殺されるなんて・・・そんなの・・・!!」
アイ「・・・なんとしても探しだして、説得する!」
アイ「いや、もう引っ張って帰る!!」
アイ「お姉ちゃん・・・!!無事でいて・・・!!」
しかし4次試験中にアイが唯を見つけ出す事は出来なかった
唯は最終試験に進んでしまったのだ
アイ「お姉ちゃん・・・」
アイ「お姉ちゃんが飛行船に乗った・・・」
アイ「私も乗らなきゃ・・・」
アイ「このままじゃお姉ちゃんは確実に命を落とす・・・」
アイ「誰かに・・・殺される・・・」
アイに斉藤の思いは届かなかった
皮肉にも彼との戦いでアイは曲がった愛情を抱いてしまっていた
アイ「誰かに殺されるくらいなら・・・」
アイ「私が殺すよ・・・お姉ちゃんを・・・」
アイ「この手で・・・私が・・・」
アイ「・・・ふふ」
アイ「・・・うふふ」
アイ「・・・」
ういー
アイ「!!」バッ
飛行船への階段を上っている時、アイは唯の声が聴こえた気がして振り返った
しかしそこに唯の姿はあるはずが無かった
アイ「お姉ちゃん・・・」
アイ「さよならの・・・準備しないとね」
アイ「私もすぐに後を追うから・・・」
アイ「天国と地獄じゃ会えないけど・・・」
アイ「私は・・・平沢憂は、お姉ちゃんが、平沢唯が大好きでした」ポロ
アイ「・・・」
・・・・・・
ゴゥン・・・ゴゥン・・・
憂「ハンター試験!?」
おしまい
本編、おまけ共に読んでくれた人ありがとう!
ギリギリだったから3次試験ちょっと駆け足になったけどなんとか終われた
続き製作中です
とりあえずこれはこれで締められてよかった
スレは埋めても埋めなくてもどっちでも
2日間付き合ってくれてありがとうございます
ss投下中レス返せなくてすいません
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