春香「500万おろしてきた」 (225)
春香「じゃーん!!」
やよい「はわわっ! はわわっ! どうしたんですかっ!? そんなにたくさんのまねえを!」
春香「えへへ、最近お仕事ばっかりで使う暇もなかったからね。人生経験のために一回どっかんって使ってみようと思うんだー」
小鳥「どっかんって春香ちゃん何に使うつもりなの?」
春香「それは>>4」
残金:500万円
kskst
春香「宝くじですよ! 宝くじ!」
やよい「ええっ! さらに増やすんですか!?」
春香「そうだよ。やよい覚えておいてね。お金っていうのは運用すればいっぱい増えるんだから!」
やよい「増えるワカメみたいですーっ」
小鳥「でも当たるとは……」
春香「年間200人も当たっているんです! 私も当てます!」
小鳥(私も趣味で買ってるけど、一等って1000万分の1の確率なのよね)
春香(でもさすがにバクチだし、安全策で買うのは>>18円くらいかな)
200円
春香「じゃあ買ってきます」100エンニマイ
小鳥「ちょっ、春香ちゃん!? こんなにお金あって一枚だけなの!?」
春香「私は楽して美味しいところも頂く主義です! 大丈夫1枚でも大当たりですよ! 大当たり!」
やよい(五百万あれば2万5千枚。それでもうけが出るかどうかは不安ですけど)
小鳥「ヘタレすぎるわ……」
・
春香「おりゃー!!」ゴシゴシ
小鳥(しかもスクラッチ……)
春香「はっ! これは!?」
>>35 結果
倍になった
499万9800円の倍額か…
春香「当たったー!! 流石春香さんですよ! 春香さん!」
やよい「すごいです! これから金運のはるかさん人形を家に置きます!」
小鳥「ぴよっ!? い、い、いくら!?」
春香「これですっ!」
☆☆
〒▼ ☆☆
小鳥「えーっと ☆二つは5等で」
やよい「400円です」
春香「運用の第一歩だから! そんな顔しないで!」
やよい「お父さんがパチンコは当たるし面白いって言ってましたー!この前なんてたーっくさんお菓子もらって来たんですよ!」
春香「では銀行に! まずいなぁ、アイドルで当てちゃったら騒ぎになるかも! みんなからの嫉妬買っちゃうかなぁ」
やよい(どーしてそこまで勝利者の雰囲気を出せるんでしょうか?)
小鳥「春香ちゃん……400円くらいだったら、宝くじ売り場で受け取れるわ」
春香「え」
・
宝くじ売り場
春香「いやー当たっちゃいましてね? 全然当てるつもりなかったんですけど!
スクラッチが私を選んだっていうんですか? 私に対応するために運命の方がねじ曲がったって言うんですか?
もうそんな感じで当たっちゃったんですよ! あっ、ここだけの話、私今をときめくアイドルの天海春香なんですよ
これ内緒にしててくださいね、あはは。余計な嫉妬とか買いたくないんで」
売り子「は、はぁ。それでおいくら」
春香「400円です!」スッ
売り子「」
風呂入ってくるから、出てくるまでに2倍に増やしておいてくれ
春香「ブラックサンダー買ってきたからやよいにもあげるね」
やよい「うっうー! ありがとうございまーす」ガルーン
春香「儲けたお金は人の為に使うんだよやよい」
やよい「はいっ! 勉強になります! いつかこのご恩は必ず!」
春香「いやー、やよいがトップアイドルになったら返してくれればいいよ。10万円くらいで」
やよい「え」
小鳥「次、次は何に使うの」
春香「えへへ、春香さんの財テク計画はたくさんありますよ」
春香「次は>>57ですよ! >>57!」
残金:500万→500万200円→500万(黒稲妻購入)
千早ちゃん
FXで有り金全部溶かす
春香「千早ちゃんです!」
やよこと「!?」
・
オツカレー! ヨカッタヨー!
千早「お疲れさまでした」
千早「うふふっ、今日のレコーディングはうまくいったわ。いつもこうだといいわね」
千早「この歌声がいつまでも残って、誰かの救いになれたら……なんて素敵なんでしょうね」
キキーッ!!
千早「えっ!? タクシー!」
春香「千早ちゃーん! 千早ちゃんを買いに来たよー!」
やよい「いきなりタクシーに乗ったと思ったら千早さんに会いに来たんですね」
春香「そうだよやよい。迅速な行動こそ勝者を導くの」
千早「春香!? それに高槻さん」
運転手「4800円です」
小鳥「ピヨッ! 私が出すの!?」
千早「小鳥さんまで……一体何しに?」
春香「千早ちゃんをね! 買いに来たんだよ!」
千早「……え?」
春香「わからないかな? あっ! 歌にすれば分かってくれるかな
買いに来たよ~買いに来たよ~君を買いに来たんだよ~♪
君の事務所の内側から~テレビ局の前まで 君を売ってほしくて~来たんだよ~♪」
やよい「うっうー! マネーのふるさとです~!
千早「意味が分からないわ! あとそんな替え歌止めて!」
春香「へたって言われた」シュン
千早「へ、ヘタとは言ってないわ!」
春香「えっ!? えへへ、そうだよね。私歌下手じゃないもんね」
千早「(ちょっと今日の春香めんどくさいわね)
それで……買うって何」
春香「説明が足りなかったかな? 千早ちゃんを>>75目的で買いたいと思ってるの」
kskst
キマシ…!!
千早「えっ?」
春香「だからぁ、やり目的だって」
千早「よく意味が」
春香「こういうことだよっ!」ガバッ!
千早「ひゃぁ! は、はるかいきなり、なに、を……!」
春香「千早ちゃん千早ちゃん……いいでしょ……」スリスリスリスリ
千早「ちょっ、そんな、だめ……っひぅっ…ぁ…首筋、なめ、ちゃ……」
やよい「はわわ~!」
千早(高槻さんが見てる!)
千早「ダメっ!はるかっ!」ドンッ!
春香「わっほい!」ドンガラガッシャーン!!
やよい「はわわっ! 春香さん大丈夫ですか~!?」
千早「えっ、そんなに強く押したつもりは……」オロオロ
春香「春香さんは不死身ですっ!」スクッ!
やよい「あ、立ちました」
春香「でも、ちょっと落ち込む日もあります」ガクリ
やよい「また膝ついちゃいました」
千早「ごめんなさい春香。でもあんな真似……」
春香「いくらだったらいいの」
千早「え?」
春香「>>85円までなら出すよ」
72万
72万
春香「72万までなら出すよ!」
やよい「一般サラリーマンの人のボーナスくらいでしょうか?」
千早「なにを……」
春香「いいでしょ! 72万も出すって言ってるんだよ! 72万だよ72……万!
1万円の72倍だよ! 1万円札が72枚だよ! それくらいの価値が千早ちゃんにはあるっていってるんだよ!
72万が天から与えられた千早ちゃんの値段なの! 72は神聖な数なの!
私だけじゃない! みんなが千早ちゃんの体には72がふさわしいと評価しているんだよ!」
千早(………………………………………)
千早「春香」
春香「はい?」
千早「私は>>91よ」
71,99cmよ
千早「71,99cmよ」
春香「δのヮの ? どういうことかな」
千早「胸の話をしているんでしょう。みなまで言わなくてもわかるわ。
私の胸囲は72㎝。事務所のプロフィールにもそう書いたし、みんなそう思っている。でもね」
千早「本当は71,99cmなのよ」
春香「ち、千早ちゃん」
千早「辛かったわ……事務所で一番小さいものね。私はそれに耐えられなかったの。
歌が全てだといってるのに……そんなくだらないことをいつまでも悩んでいたの」
千早「努力はしたわ。牛乳、トレーニング、マッサージ……」
千早「それでも72は私にとってあまりにも大きな壁で……」
春香「…………」
千早「だから1年くらい前のプロフィール、高槻さんと同じ大きさにしたの。
二人なら耐えられると思ったから。それに1年あれば成長すると思って」
千早「結果は、知ってのとおりよ」
小鳥(気配を消して見ていたけど、何なのこの雰囲気)
千早「私のことを72がふさわしいって言ってくれたのは嬉しかった」
千早「でもそんな評価を受ける資格は無いの。根拠がないの」
千早「この『無さ』は無くなってくれないのよ」
千早「余りにも大きな……胸の空白」
やよい「うっ、ぐすっ。ごめんなさい、私が成長したばっかりに」
春香「ちはやちゃぁぁぁああん、ごめんね、ごめんね」ポロポロ
千早「二人とも泣かないで。私が悪いの」
春香「違うっ! 千早ちゃんは悪くないっ! 間違ってるのは千早ちゃんじゃないよ!」
春香「決めた! この72万は千早ちゃんの為に、>>105に使うよ!」
小鳥「かっこいいわ! 春香ちゃん」
小鳥財布残金:1万3500円→8700円(タクシー代)
牛乳
春香「牛乳に使う!」
千早「春香……! 気持ちは嬉しいけれど、牛乳はずっと飲んできてこれなのよ」
春香「もっと豊胸作用がある牛乳飲めばいいんだよ!」
千早「でも、そんなの!」
小鳥「あるわ!」
やよい「はわっ、小鳥さん!?」
小鳥「おいかわ牧場のイチマルゴ牛乳を飲めばいいわ」
千早「? それは効果あるんですか」
春香「そうですよ。私の72万円使うんですから、私の72万を裏切らないものを」
小鳥「今アイドルの及川雫ちゃんがパッケージになってるの。ほら百聞は一見に如かず」スマホ、ポチポチ
千早「一体どんな」
春香「どれどれ」
やよい「みふぁそ」
「「「でかっ!!!」」」
翌日、千早のもとにおいかわ牧場から大量の牛乳が届いた。
千早はそれを1日12本飲むばかりか、それを元にグラタン、寒天、牛乳鍋など料理にも欠かさず利用した。
1週間に3回は牛乳風呂に入り、最近は歌う前以外は、牛乳を絶えず飲むようになっていた。
千早「ひゃくごひくななじゅういってんきゅうきゅうはさんじゅうさんてんぜろいち。うふふ後32cm……」ゴクゴクゴクゴク
小鳥「憑かれたように飲んでるわね」
やよい「よっぽどあのパッケージに驚いたのかなーって」
春香「ちょっとずつ大きくなるよ! 良かったね千早ちゃん!」
小鳥「世にも奇妙な物語みたいでそれはかとなくバッドエンドの香りがするわ。勧めておいて何だけど」
小鳥(それに日本人って牛乳より小魚食べた方が効果あるって聞いたような……言わぬが花ね)
春香「人助けは気持ちがいいね! さて後428万! >>126でもやろうかな!」
kskst
株全溶顔
春香「株やりますよー!」
小鳥「!! やめておきなさい! 素人が手を出しちゃいけないわ!」
春香「どうしてですか?」
小鳥「失敗するに決まってるからよ」
春香「はぁ……大人はいつもこれですね」
小鳥「え?」
春香「失敗したっていいんですよ。なんでもっと長い目で見てくれないんですか。
バントを狙うより、三球三振が必要な時だってあるんですよ」
小鳥「え、え、え?」
春香「挑戦を辞めた時、人は老いて……そして置いていかれるんです。時代と並行して歩けなくなるんですよ」
小鳥「ピヨっ!?」ガーン!
やよい「か、かっこいいです春香さん!」
春香「ふふ、みんなが忌避するところへ恐れず率先して飛びこんでいく……私って異端かな」
春香「やよい、メモしておいてね。『挑戦を辞めた時、人は老いて……そして置いていかれる。時代と並行して歩けなくなるのだ』」
やよい「はいっ、ちょーせんを……おいて……へいこうし……」
春香「さて、やよいに良いとこ見せなきゃね。どこを買おうかな」
春香(ふふふ、春香さんは知ってますよ。オリンピックが決まってインフラ関係の株が上がってるって。その波に乗れば)
春香「これ、とこれ……あとこれなんかもいいかな」
1.ブラック土木
2.ディグダグ土建
3.萩原建設
春香「この中からなら……>>139かな」(番号で)
1
春香「ブラック土木! わっ、すごい961プロの本社ビルにも関わってる!」
やよい「うっうー! 上り調子ですね!」
春香「ふふふ。やよい。腰を抜かさないでね?」
やよい「え?」
春香「私はこの会社に>>143円突っ込むよ!」
有り金全部
春香「有り金全部突っ込むよ!」
やよい「ぜ、ぜんぶですかぁ!? よんひゃくにじゅうはちまんえんオール!?」
やよい「それだけあれば、10年くらい遊んで暮らせちゃいますよ!?」
やよい「あわわ、わわ、あわああああわわわあわ」
春香「女は度胸! それに、このひりつくような感覚が、私を私にしてくれるの」
やよい「ええええでも」
春香「いいからメモって! 『ひりつくような緊張感、これが自分を自分たらしめる』」
やよい「は、はい。えっと、ひりつく……」
春香「小鳥さーん、株の買い方教えてくださーい」
小鳥「お、教えるわ! 私若い子の気持ちわかるもの! ええわかるわよ!」
1日目
雪歩「は、春香ちゃんどうしたの日経新聞なんか持ち込んで」
春香「えへへ、ちょっとこの世界の動きを眺めようかと」
雪歩(世界の動き……? どうしたのかな、もしかしてポエムに目覚めたのかな)
春香「あっ、ちょっと上がってる。いいよいいよー!」
・
2日目
春香「あっ、ドーム建設を手掛けるんだ。株は……わっほい! 1.34倍ですよ! 1.34倍!」
雪歩(あっ、うちの会社もあがってますぅ……)
・
3日目
春香「上がれー! もっと上がれー! 天に轟く私のようにもっともっとトップへの階段を駆けあがれー!」
やよい「かけあがれー」
小鳥(間違いない『持ってる』わ春香ちゃん! この世の『吉良』なるものを呼び寄せてる! まだ上がるわきっと!)
そして、事件は起きた。
Prrrrrrrrrr
春香「うーん、むにゃむにゃどうしたんですか」
小鳥「た、たたたたた大変よ、春香ちゃん!?」
春香「大変? なにがです?」
小鳥「いいからテレビつけて!!」
春香「もう、一体何が……」
『――――昨夜起きた961プロ本社ビル大倒壊により、この建設を手掛けた企業にも調査の手が……』
夢だろ…
有り金全部溶かす人の顔
春香「は?」
『この倒壊の原因は土台工事の際、地盤改良の段階から不備があったとの情報があり、工事を手掛けたブラック土木の責任が……』
春香「は?」
小鳥『もしもし! 聞こえてる! もしもし!』
『同社は現在ドーム建設も手掛けていますが、この事件の余波でどうなるか分からない状態に……』
春香「は?」
小鳥『春香ちゃん! 春香ちゃん! 大暴落よ! 知るのが遅すぎたっ!』
春香「は?」
『続きまして次のニュース。マルイチゴ牛乳のパッケージにあのアイドルが……』
春香「はぁああああああああああああああぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁあああああああっ!!!!!????」
雪歩「これで春香ちゃんが潰れて、しかもうちの会社が儲かっちゃいますぅ~」
春香「次のニュースってなによ! 私のお金どうなったの!! 教えてよ!! 教えてよオオオオオオオォォォ!!!!!」
小鳥『春香ちゃん! 落ち着いて!! 気を確かに! 確かに!』
春香「うわぁああああああああああぁああああぁあああああぁああああああああああ」
小鳥『大事な話がまだあるの!! ゼロカットできなかったから、今0じゃなくマイナスに……』
春香「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
後にこの日は765プロの間で『ブラック・サタデー ~春の終焉日~』と呼ばれることになる。
そして月日は流れ……
・
『挑戦を辞めた時、人は老いて……そして置いていかれる。時代と並行して歩けなくなるのだ』
やよい「……」
伊織「なにしてるの? メモ帳なんか開いて」
やよい「あっ伊織ちゃん……確認かな。なんで私がこれまでがんばってこれたのか」
伊織「支えにしてきた言葉でも確認したの? 今更ね」
真「そうだよ、もう僕たちは十分がんばって力を付けてきたんだ。今更迷うことなんかないよ!」
美希「あふぅ、そのとおりなの。迷わない方が楽だよ? やよい。もうここまできたら後はやるだけだし」
あずさ「うふふ、でもやよいちゃんの気持ちもわかるかも。緊張してもしょうがなくて、なにか保障のようなものを探してしまう」ドタプーン
千早「存在価値を探し……自信を見つける。私は自信を持てたわ」プル
響「胸ちょっと大きくなったよな千早」
律子「ほらっ! もうすぐよ! 準備できたみんな!?」
貴音「わかっておりますよ。律子嬢」
雪歩「はーっはーっ……大丈夫ですぅ!!」
亜美「おおっ! 雪ぴょんが燃えている!」
真美「雪解けの季節だよ亜美~!」
やよい「――――春だね」
すうっと。
控室から声が吸い取られ、静寂が満ちる。
「「「………………」」」
真「春香……!」グス
雪歩「ぅぅぅ……!!」
律子「ちょっと……もうっ」
真「本当によかったなぁ春香……っ!!」
春香(あの後、私は親から先生からプロデューサーさんから)
春香(伊織から律子さんからあずささんからまで一生分怒られまくり……)
春香(5000万円の借金を背負った)
春香(正直死ぬことすら考えた……あの428万円は私の期待の分、夢の大きさの分、ひどい悪夢を連れてきたから)
春香(今思えば、あれは挑戦じゃなかった。無責任に信じていた才能と運命を頼ったただの破滅だった)
春香(どかんと使うつもりが、やれたのはどかんと破滅しただけ)
春香(女は度胸……読経を読まれることになったかもしれないのに果てしないバカだったと思う)
春香(私の評判が悪くなり、事務所を辞めるかどうかの問題になった時、初めて私はそこに気付いた。バカすぎる)
春香(でも……)
春香(それでも…………)
春香(仲間はそんなバカな私を見捨てなかった)
『大感謝!! 天海春香借金完済記念765プロオールスターライブ!!』
春香「みんなーっ!! 借金完済ですよ! 完済!」
ワアアアアアアアアァァァァァッッッ!!!!!!
春香「私っ! 生き残りましたっ! 生まれ変わりましたっ!」
春香「はずかしながらマイナスから帰還しましたっ!!」
真「ホントだよっ! みんなずーっと心配してたんだから!!」
春香「うわっ! 真泣いてるの!?」
雪歩「そうだよぉ! 私! 私の会社を勧めていれば良かったってずっと思ってっ……!!」
春香「うわー雪歩も!?」
伊織「そうよ。それだけ迷惑かけたってことよ! 反省しなさいよ!」
春香「はいっ……伊織さまに関しては本当に色々助けて下さいまして……でもステージで言うのは勘弁してくれないかなぁ」
千早「庇ってくれたプロデューサーにも感謝よ春香」
春香「うっ、はい」
小鳥「ぐすっ、ひぐっ……ぅぅぅ……よかったわ、本当によかったわ」ボロボロ
P「ええ。春香はすごいやつです。抱えていた負債をすべて吹き飛ばしてしまった」
小鳥「ううぅっ、ひぐっ」
P「だから……あのブラック・サタデーの事件から預かっていた小鳥さんの辞表はこうです」ビリビリ
小鳥「あっ……」
P「財産全部処理してまで、春香の借金肩代わりするつもりだったんですってね。もうその必要も無いんですよ」
小鳥「ううううぁああ」
小鳥「うわぁあああああああん!!! ごめんね! ごめんね! 春香ちゃん! 私ほっとしちゃってる!!
そんな資格ないのにぃいいいい!! わあああああぁあああああああああああ!!!」
P「その、ほっとしたっていうのは……春香と同じ気持ちですよ。いいんですよほっとして
これまで春香に一番寄り添っていたのは小鳥さん、貴方です。春香のプロデューサーとして礼を言います」
小鳥「わぁああああああああん!! 春香ちゃん、おめでとぉおおおおおう!!!! ひぐっ、ぐすっ!!」
春香「これからは綺麗な体で! プラスを重ねて、またトップアイドルまで一直線ですよ!」
美希「うーん、でも売りにしてた『借金まみれキャラ』がなくなってまた個性が無くなったの。それでトップにいけるの?」
春香「ちょっと! 『借金まみれ』しか個性がないような言い方しないでっ!」
やよい「春香さんは借金苦になる前はお金をいっぱい稼いでたんですよっ! それが……ぅぅ……私が止めてれば」
春香「もういいって! やよい泣かないで! ていうかみんな泣かないでー! 謝るからぁ!!」
響「そうだぞ! せっかくのライブだ! みんなーっ! このやりとりもう終わるから楽しんでってねー!」
…
……
………
ライブは大盛況のうち幕を閉じた。
春香「ふぅ……」
やよい「春香さん」
春香「あっ、やよい。どうしたの? 隣に座りなよ」ポンポン
やよい「はい、えへへ。あの、春香さん」
春香「ん、なぁに?」
やよい「私、春香さんを先生だと思ってます」
春香「ぶっ、なにいきなり?」
やよい「春香さんは、借金がいっぱいで人生を諦めそうになってる人の希望です。
春香さんの姿がどんなに救いになるか、私には分かります……家も貧乏でしたから」
春香「え?」
やよい「すごい人です。ずっとそばで勉強したいです」
春香「もう、よしてよ~! 私を先生っていうけど、私はまだまだ生徒だと思う。人生の勉強のために5000万かけたけど……
まだ、全然駄目だよ」
やよい「なら、いっしょに勉強しましょう」
春香「……そうだね。対等な立場で、ね? またバカやりそうだったら止めてね。あはは」
やよい「! そうですっ! 対等です。だから、私春香さんに返しますっ!」
春香「え、なにを?」
やよい「これです」200エン
春香「これって……」
やよい「はい、あれです。春香さんがどかんと使う用のお金ですよ」
春香「あは、ははっはははっ! そうか、あの時の……! ようし、やよい行くよ!」
やよい「はい、お供しま~すっ!」
春香「ブラック・サタデー……じゃなかった……あれ」
やよい「あれ、ですよね」
春香「うんっ」
春香「ブラックサンダー奢ってあげるっ!!」
完(済)!!
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残金0って結局また借金……