ダメ人間が立ち直れない原因 「学習性無力感」 (22)

2群の犬に電気ショックを与えます.どちらの犬もハンモックのような装置で固定されています.
1群の犬は,頭の横に板があって,頭でその板をうまく押すと電気ショックを止めることができます.
もう1群の犬は,何をしても電気ショックは止められず,必ず一定時間の電気ショックを受けなければいけません.

 このような実験を繰り返しますと,電気ショックを止められる犬は,何回かの失敗を経て次第に板を押せば電気ショックが止まることを理解し,
電気ショックが来るとすぐに板を押すようになります.板を押せば電気ショックが止まるということを「学習」したのです.

 これに対して,電気ショックを止められない方の犬は,なぜか次第に身動きをしなくなり,
電気ショックを逃れようとする行動をしなくなります.この犬は別に学習しなかったわけではありません.
むしろこの犬もしっかり「学習」しているのです.すなわち,この犬は何をしても電気ショックは止められないこと,
言い換えると「何をしても無駄だ」ということを学習してしまったのです.「無気力は学習される」のです.

犬「そんなん効かん」

つづき(実はこっちの方がポイント)


セリグマン(実験者)はこの課題に引き続いて,もうひとつの課題を行いました.
犬たちはハンモックから下ろされて,今度は回避訓練箱という部屋に入れられます.
部屋は犬の肩の高さの障壁で2つに仕切られていて,一方の部屋の床からは電気ショックが与えられます.
犬はこの電気ショックの与えられる部屋にいるのですが,電気ショックがきたときに,
障壁を乗り越えて隣の部屋にいけば電気ショックを受けずにすみます.
電気ショックの来る直前には電気ショックの合図として部屋のランプがつきます.

 この課題に対して,先ほど頭で壁を押すことで電気ショックを避けられていた犬は,しばらくこの課題を経験した後,
ランプが電気ショックの合図だということを「学習」して,隣に飛び移ることができます.
ところが,先ほどの課題で電気ショックから逃れられなかった犬は,この課題ができません.
電気ショックの来る床に座り込んで,甘んじて電気ショックを受けつづけるのです.

 この犬は,先ほどの課題で「何をしても無駄」ということを学習してしまっていました.
そして次の課題が先ほどの課題とは異なった課題にも関わらず,「何をしても無駄だ」と思い込んでいるために,
本当ならできるはずの課題もできないのです.つまり無気力は伝染するのです.

そしてそれによってできるはずのこともできなくなってしまうのです.

犬「そんなん効かん」

人で試すとどうなるんだ?
幼児からやってみろよ

>>18
人体実験は出来ない

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