カイジ「…おい!おい、…アンパンマン!!てめぇ!!!」
アパマン「………は!??…ぁ……か、カイジさん…!!」
カイジ「アンパンマン!!!ちょっと来い!!!」
男「俺の星一個を500万からで売ってやるぞ!」
星足らずA「550万!」
星足らずB「600万!」
星足らずC「ボクの顔を分けてあげるよ!」
星足らずD「630万!」
嵌まっている…
既にカビ中 頭まで…
アン「食っ…!カレーっ…!きさまらっ…!!それでも…パンかっ…!?」
アンパンマン「勝たなきゃ誰かの糖分…!」
アン「バタ子っ……!何してるっ……!ジャムを殴れっ……!
殴り倒して俺を救えっ……!救うんだっ……!バタ子っ……!
ごめんじゃねえ……!あやまったりするなっ……!
あやまるなっ……!あやまるなっ……!バタ子っ……!」
ジャム「顔だっ……!500万以上出せるやつ……!」
アン「よせっ…!よせぇっ……!」
瞬間、アンパンマンの脳裏を掠めてた一抹の不安
この時気づけば最悪の事態は避けられたかもしれない
だがしかし、アンパンマンの内にある僅かな驕り、それが判断を鈍らせた
濡れた顔を捨て、バタコの投げる新しい顔を得る、元気100倍
『必勝パターン』『勝利の方程式』『約束された栄光』
幾度となく繰り返されたこの展開で負けるはずがないという驕り
しかし、その『必勝パターン』が仇となった
アンパンマンの内に潜む隙を、針の穴ほどの小さな隙間をカイジは見逃さない
アンパンマン「さあ、ゲームを再開しよう、カイジ君」
場にいる誰もがアンパンマンの勝利を確信していた
だから誰一人気づかない、いや気づけない、カイジが仕組んだ罠に
絶体絶命のカイジに噛み付く牙すらないと確信していた
全員がすでにゲームの終わりを見ていた
支配する安堵感、そしてカイジに向けられる蔑みと哀れみの入り混じった視線
彼らの目に映るのは項垂れた敗者の姿
アンパンマン「僕の番だね」
アンパンマンはフィールドに残されたカードに手を伸ばし、裏返す
遡る事、約2時間前――
黒服「今日、お前らがするのはこのゲームだ」
そういって黒服はポケットから箱を取り出す
手に納まるほどの小さな箱、中身はトランプだった
カイジ「そのトランプで何をさせようっていうんだっ……!」
黒服「神経衰弱だ」
食パンマン「し、神経衰弱っ…!」
カレーパンマン「そんな子供の遊び、ふざけるなっ…!」
カイジ「……当然、普通の神経衰弱じゃないんだろ」
黒服「ああ、もちろんだ。今回のゲームは名づけるなら……」
ざわ… ざわ…
黒服「『限定神経衰弱』だ」
食パンマン「げ、限定…」
カレーパンマン「神経…」
アンパンマン「衰弱…」
『限定神経衰弱』
カイジは思い出した、エスポワールでの『限定じゃんけん』のことを
あの過酷を極める心理戦を、カイジはこの中でただ一人経験している
人間離れした奴らを相手に戦うカイジにとって、これは願ってもないアドバンテージ
カイジ「(心理戦なら、化け物が相手でもまともに勝負できるっ……!)」
黒服「では、『限定神経衰弱』のルールを説明しよう。一度しか説明しないからよく聞け」
通常の神経衰弱のルールは、一組のトランプ52枚のカードを使い、伏せた状態でよく混ぜ、重ならないように広げる。
プレイヤーは好きな2枚をその場で表に向ける。2枚が同じ数字であればそれらを得ることができ、もう一度プレイできる。
2枚が異なる数の場合、カードを元通りに伏せて次のプレイヤーの順番となる。
すべてのカードが取られるまで行い、取ったカードの枚数が多いプレイヤーの勝ちとなる。
黒服「だが、今回は使うカードを限定させてもらう」
カレーパンマン「どういうことだ…?」ざわ…
ざわ…
つーか、そんな簡単にゲーム思いつかないって
黒服「使用するのは9、10、J、Q、K、Aの6種類の数字で二箱分。そしてジョーカーが一枚。計49枚」
食パンマン「それぞれの数字が8枚ずつあるって事ですか」
黒服「それ以外は普通の神経衰弱と同じなんだが…」
アンパンマン「まだ、他にも何かあるのかっ…!」
黒服「まず君たちには参加費2000万円支払ってもらう」
カレーパンマン「な、なんだとっ…!」
アンパンマン「ふざけるなっ…!借金まみれの僕たちからまだ金を搾り取ろうというのか…っ!」
食パンマン「腐ってるっ…!カビの生えた食パンよりもっ…!」
カイジ「(こいつらのやりそうな事だ…、驚くようなことじゃない)」
黒服「最後まで聞け。俺らも鬼じゃない。ゲーム終了後、獲得したカードを一枚200万で買い戻す」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「い、一枚200万…?」
黒服「ああ、そうだ。考えてみろ、全員の力が均衡していたとして、終了時手元に何枚カードがあると思う?」
食パンマン「全部で49枚だから、一人当たり大体12枚」
黒服「そうだ。それを一枚200万で我々に売るとしたら君らは幾ら手にする?」
アンパンマン「に、2400万。参加費を払っても400万手元に残る…」
黒服「な、悪い話じゃないだろ?」
カレーパンマン「確かに…。これならフェア、いやむしろ俺たちが得するゲームだ…」
アンパンマン「うん、そうだね」
カイジ「まだ終わりじゃない、ルールの説明を最後まで聞けっ…」
黒服「さすが、カイジ君だ」
圧倒的支援・・・っ!
やめろっ…!支援などするなっ…!
何度も言わせるなっ…!
そんな簡単にゲームなど思いつくものかっ…!
希望など捨てろっ…!そんなもの、ここでは屁のつっぱりにもならないっ…!
黒服「次にジョーカーの説明をしよう」
『ジョーカー』
それは通常の神経衰弱では決して使われない爪弾き者
だが、この限定神経衰弱では大きな意味を持つカードになる
黒服「ジョーカーは全ての数字になることが出来る」
アンパンマン「…?」ざわ…
黒服「分かりやすく言えば、ジョーカーを引けば即ペア成立ということだ」
食パンマン「な、なるほど。一枚目にジョーカーを引き当てれば、二枚目は何を引いてもいいってことか」
カレーパンマン「だが、それじゃ他の数字の数が合わなくなるだろ」
黒服「そこで設けられたのがこのルール。ジョーカーはフィールドに戻すことが出来る」
カイジ「そうすればもう一度ジョーカーを使って帳尻合わせできるってことか」
黒服「ただし、ジョーカーをフィールドに戻すには100万支払ってもらう」
アンパンマン「なん…だと…」
黒服「ジョーカーを使って手に入れたカードの半分の値段だ。高くはないだろ」
カレーパンマン「そう言われれば…そうなのかも…」
食パンマン「それで全部か?」
黒服「ジョーカーの説明はこれくらいだ。あとは補足的説明だ。連続でできるのは3回まで」
カレーパンマン「ペアが3連続成立しても交替ってことだな」
黒服「そして3連続ペア成立、ペア不成立でもなく自分のターンを放棄する場合はペナルティー50万だ」
食パンマン「?そのルールは必要なのですか?」
カレーパンマン「金払ってまで金を得るチャンス潰す馬鹿がいるかよ」
カイジ「……」
黒服「まぁ、ルールはこんなところかな」
男「俺の星一個を500万からで売ってやるぞ!」
星足らずA「550万!」
星足らずB「アーンパンチ!」
星足らずC「600万!」
星足らずB「アーンパンチ!」
星足らずD「630万!」
星足らずB「アーンパンチ!」
黒服「あ、忘れていた。ゲーム終了時、手元にジョーカーを持っていたらペナルティー500万だ」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「はぁ?なんだそれはっ!」
食パンマン「ジョーカーを持っていただけで500万?高すぎるっ!高すぎるっ!」
黒服「まぁまぁ、慌てるなって。ゲーム終了より先に100万払ってフィルードに戻せばいいだけだろ」
アンパンマン「ゲーム終了の条件は?」
黒服「引くカードが無くなる、または全員がパスする。このどちらかだ」
カイジ「俺たちにとってベストの形はフィールドにジョーカー一枚だけが残っている状態ってわけだ…」
黒服「そうなることを願っているよ」
黒服は一旦部屋を出る。残されたのは参加者のみ
だだっ広い部屋に充満するのは、恐怖と不安、希望など無いに等しい
自らが発する負の感情に息を詰まらせて、脳に酸素が届かず、思考も停止する
『早くこんな状況から脱出したい』
ただ、必死に願うだけ。神に祈るだけ。考えることの放棄
誰一人知らない
その行為が自らを深い闇の中へと突き落とす下準備となっていることに――――
もう十分だろっ…!ここまで書けば十分じゃないかっ…!
俺は良く頑張った…!もういい、休めっ…!
それっぽくルールを作ったってその先のことを考えてないじゃないかっ…!
何が出来る?何も出来ないっ!批判されているのは目に見えている…!
だったら書くなっ…!淡い期待など抱くな…!
最後まで書ききったとき「面白かった乙」と言われるのとか想像するのをやめろっ…!
もういい…もういいんだっ…!
その時アンパンに水かかる……!
>>75
ぐおおっ……!
なぜこんなので吹いた…!?
どうして……どうして……
その中、カイジは冷静だった
知っているからだ、思考の停止は死を意味することを
脳内で反芻する、限定神経衰弱、そのルール
これは運だよりのゲームなんかではない
捲られたカードを覚える記憶力、そして相手の心を読む洞察力
思考によってのみ勝利を掴むことが出来ることを、カイジは理解していた
カイジ「(絶対あるはずだ、このゲームを切り抜ける活路が…)」
しかし、攻略法を見つけることができないまま時間は無常にも過ぎて行った
黒服が部屋へと戻ってくる
その一人が押してきた台車の上に皆の視線が集中する
ざわ… ざわ…
札束、札束、札束
台車の上に札束の山が築きあげられていた
アンパンマン「(あれさえあれば…ジャムおじさんの借金もチャラになる…)」
黒服「ふふふ。では、『限定神経衰弱』。そろそろ始めよう……」
正方形のガラスのテーブル、その各辺に一人ずつ陣取る
そして中央に黒服がカードの山を置いた
黒服「トランプは既にシャッフルされている」
黒服「もちろんイカサマなどは無いが、念のため最終的には自分たちの手で混ぜて広げろ」
食パンマン「それならイカサマは出来なさそうですね」
そして準備は整った
限定神経衰弱、その舞台の幕が上がる
食パンマン「そ、それではまず私から。どれにしようかな…」
カレーパンマン「おいおい、1枚目から悩む必要ないだろ。早くしろよ」
食パンマン「そうですね、ではこれを」
一枚目。食パンマンが選んだのは『クラブのQ』
フィールドの伏せられたトランプは48枚
このうちQは7枚
ペア成立の可能性、およそ7分の1
通常の神経衰弱ならば51分の3、つまり21分の1
確率は3倍
食パンマン「二枚目は、これにします」
選んだトランプを裏返す。『ダイヤのA』
食パンマン「あー、残念」
カイジ「次は俺か…(一巡目は様子見だな…)」
カイジ、手を伸ばしカードを選ぶ。そして捲る
『ダイヤのJ』
カイジ「ちっ…」
カイジ二枚目。まだ開かれていないトランプに手を伸ばす
その中の一枚を選び、捲ろうとした瞬間、全身に電流が駆け巡る――
ざわ… ざわ…
カイジ「(待てよ。もしここでJ以外を引いたらどうなる…?)」
カイジ、二枚目でJを引く可能性は6分の1以下
もし、QやAを引けば、必然的に次のプレイヤーがペアを完成させる
そうではない9、10、Kを引いても、次のプレーヤーは断然有利になる
数字の種類を半分にするこの限定神経衰弱、圧倒的に後半のプレイヤーが有利
カイジ「(一巡目は様子見?馬鹿か俺はっ!そんな生半可な気持ちじゃ負けるっ…!)」
カイジ「くそっ…!」
カレーパンマン「ん?どうした?一枚目で悔しがる必要ないだろ」
カイジ「(勝負か…、いや、ここはひとまず逃げて…)」
カイジの二枚目。『クラブのQ』
カレーパンマン「あ?なんで食パンマンが開いたものをまた開くんだよ!」
アンパンマン「何を考えているんだい、君は」
カイジ「いや、緊張のあまり、前のトランプど忘れしてしまって…(黙れパンどもっ…!)」
カレーパンマン「まぁいいや。次は俺の番だな」
一枚目。早々とカレーパンマンが選んだのは『スペードのJ』
カレーパンマン「おお!やったぜー!400万ゲット!」
二枚目。直前にカイジが開いた『ダイヤのJ』を選ぶ
ぺア成立である
食パンマン「先手を取られてしまいましたね」
アンパンマン「おめでとう、カレーパンマン」
カイジ「(おめでとうだと?他人が目の前の金を持っていったんだぞ、自分のものになったかもしれない金をっ…!)」
カイジ「(何のん気に祝ってるんだっ!甘すぎる!アンパンだからなんて言い訳にもならない…!)」
カレーパンマン「この調子でもう一回だ!」
二回目のチャレンジ。一枚目『ハートの9』
カレーパンマン「あっちゃー!9かー」
二枚目。選んだのは『ハートのQ』
カレーパンマン「あーおしい!キュウ違いかぁ~」
アンパンマン「本当だぁ。ある意味ペア成立だ」
食パンマン「ふふふ、キュウじゃなくてクイーンですけどね」
カイジ「(何故笑ってられる…。次で確実にQは取られるんだぞっ…)」
アンパンマン「じゃあ、次は僕ですね」
アンパンマン一枚目。『ハートのQ』
直前でカレーパンマンが捲ったトランプである
既に食パンマンが『クラブのQ』を捲っているので、これは至極当然の行動
『クラブのQ』を開けばペア成立は確実なのだ
食パンマン「まぁ当然ですね」
カイジ「(……!)」
しかし、この時、カイジの脳裏にある疑問が浮かび上がる――
『このアンパン、何故ハートのQを開いたのか』
神経衰弱、これは記憶力が試されるゲーム
開かれたカードの位置を覚え、ペアを作り出す
一見、アンパンマンの行動に不自然な点は見られない
だが、カイジは見落とさなかった
大きな壁に空いた小さな穴を、付け入る隙を――
アンパンマンの二枚目の選択。『クラブのQ』に手を伸ばす
カイジ「おい、アンパンマン」
アンパンマン「え?」
カイジ「そのトランプ、本当に『クラブのQ』か?」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「何言ってるんだお前?」
アンパンマン「そうだよ。このトランプはさっき開いたじゃないか」
食パンマン「開いた僕が言うんだ間違いない。それに君だってそのトラ…ま、まさかっ…!」
ざわ… ざわ…
カイジ「くくく、ようやく気づいたか…」
カレーパンマン「どういうことだよ、食パンマン?」
食パンマン「まさか、お前…入れ替えたのかっ…!トランプの位置をっ…!」
アンパンマン「えぇー!?」
カイジ「バラバラに広げられた50枚近くのトランプ。裏返すと同時に少し場所を変えるくらい造作も無い」
カレーパンマン「でもそんなことすれば、誰か気づくはず…」
食パンマン「そうだな、はったりか?」
カイジ「いいや、お前ら気づかない。アホみたいに揃いも揃って俺の顔を窺っていた。馬鹿な人間を見るみたいな目でな」
アンパンマン「(確かにあの時、僕らは彼に注目した。違うと分かっているトランプを開いた真意を知りたくて…)」
食パンマン「(罠だったのかっ…!)」
カイジ「さぁ、どうする?今、手に掴んでいるそのトランプ捲ってみるか…?」
アンパンマン「くそ…」
カイジ「そしたら今度は俺がお前の顔を見てやるよ。腐ったパンを見るみたいな目でなっ!」
食パンマン「落ち着くんです、アンパンマン。何も悲観することは無い」
アンパンマン「え?」
食パンマン「だって、そうでしょう?仮に間違っていても何のペナルティーも発生しないですから」
カレーパンマン「そ、そうだ。今までと何も変わらないんだ。ただQの場所があやふやになっただけ」
食パンマン「だから、そのトランプを捲るんです。どうせ罠に決まってるんですから」
アンパンマン「そ、そうだね…」
カイジ「くくく、お前はとことんお人好しだな。いや、違う!馬鹿だ、大馬鹿野朗だっ…!」
アンパンマン「なんだって!?」
カイジ「足りない頭でよく考えてみろ!もしそのトランプがQじゃなかった誰が得をするのか」
アンパンマン「え?」
カイジ「分からないか?食パンマンだっ…!」
ざわ… ざわ…
食パンマン「な、何を言い出すんだっ…!いい加減なことを言うなっ!」
いま・・・!
追いついたっ・・・!射程圏内っ・・・!
カイジ「いいか?それを捲って『クラブのQ』じゃなかったらどうなる?お前は一枚も取れず順番を終える!」
アンパンマン「それが何だって言うんだ。次頑張れば…」
カイジ「次っ!?おいアンパン!お前、今『次頑張れば』って言ったのか?救えねぇ馬鹿だな!」
アンパンマン「何っ?」
カイジ「お前はこの『限定神経衰弱』の怖さも何も分かってねぇ!」
カイジ「今、位置がハッキリしているのは9、Q、Aだ。もしお前が捲ったトランプがQ以外ならどうなる?」
カイジ「9、Aならペア成立。それ以外でも食パンマンが優位になるのは必然」
カイジ「最悪、次の食パンマンの順番でQのペアと9もしくはAのペアを取られるんだぞ!」
カイジ「次頑張るだと?甘えた事いってないで今勝負しろっ!」
食パンマン「トランプ入れ替えた奴が偉そうに…!アンパンマン、こんな奴の話聞く必要は無いですよ!」
カレーパンマン「そうだ!そうだ!」
アンパンマン「う…くっ…」ざわ…ざわ…
カイジ「おい、聞いたかアンパンマン?いまコイツ『トランプ入れ替えた奴が偉そうに…!』って言ったぞ」
アンパンマン「え?」
カイジ「こいつ、俺がトランプを入れ替えたこと知ってたんだなっ…!」
食パンマン「なんだって?人の揚げ足ばかり取りやがって!アンパンマン無視ですよ!」
カレーパンマン「そうだ!そうだ!」
カイジ「違う!別のカードを選ぶんだ!考えるんだっ…!」
アンパンマン「くそっ…どうすれば…」
ざわ… ざわ…
そして長考の末のアンパンマンの二枚目。
ア
ア ン
ン //// __ /^l r i /ニヽ
/^l r i /ニヽ __ / レ '´ ̄ , ‐´ / / ! i .| |.| |
/ / ! i | |.| | < ` ヾ ´ ̄二= / / | .| | U |
/ / | .| | U | /´〃 〃 ヾ 、 ヾ \ / ./ | .| `ー'
/ ./ | .| `ー' '´ 7〃 〃 〃 ヾ ヾ_ ヽ / ./ .| |
/ / .| | l 〃 ∧ト lヽ 、 ヽ ` ! / / | |
// J .| ,-、/レl/┃-` | -ヽ|\ l // J
" | | F| |-=。=, r-。=,レ' ヽ| "
r-- ―-、 | l T!┃  ̄ |  ̄ ! r-- ―-、
~.= フ / |.`ー,┃ ┃ ー-' ,' ~.= フ /
,' /ー" ./'i /\  ̄ ̄ ̄ ,' ,' /ー"
レ __r' l/' \ " , 'ヘ 、 レ
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(二ニ , -'' _ -‐ .| i | |` \
__,,、 -‐ ニ ./`<. | '、__/「||_ _.|_ ヽ (二ニ
(二~ -― ''" / \ | ,-r"r= ( (●)三 _ ニ = `', __,,、 -‐ ニ
チ / '、 |_/ `|-{ { r-r'  ̄ \| | (二~ -― ''"
○ i ', f"ー-= | l __ | / ',チ
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O | | /´ ―= '‐'―く.| |. | ○ /
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0 .| _,, -――- ,,_| / ―---r' ヽ .ノ ! O.|
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| ,, -'" / / 0 .|
結果、『スペードの9』
アンパンマン「あ、ああ…」
食パンマン「だから言ったのに…」
アンパンマン、致命的なミス――
カイジの言葉に惑わされ、全く関係のないトランプを捲ってしまう
カイジ「残念だったな、アンパンマン」
アンパンマン「くそったれぇ……」
カイジの直感見事的中
神経衰弱においてペアが出来る時、3つのパターンが考えられる
一つ目は、何気なく開いた二つのトランプが偶然同じ数字だった時
二つ目は、一枚目に開いた数字と同じ数字のトランプの位置を覚えていた時
三つ目は、先のプレイヤーがペア作りに失敗した数字と同じ数字のトランプの位置を覚えていた時
今、アンパンマンがペアを揃えようとしたのは三つ目のパターンである
この場合、記憶違いなどの恐れから、より先に開かれた方から捲る方が良いとされている
しかし、アンパンマンは直前に開かれたトランプを先に開いた
カイジは気づく
このアンパン、神経衰弱をあまりしたことは無いのではないか、と
そこでカイジは揺さぶりをかけた
『実際は入れ替えていないトランプ』を、あたかも入れ替えたように振舞ったのだ
そして、まんまと口車に乗せられたアンパンマンは自ら、好機を逃してしまう
ゲームは二順目に突入
次のプレイヤー、食パンマンに訪れたまたとない好機
Qのペア、9のペアが眼下で今や遅し待っている
食パンマン「(これはチャンスだ!私には絶対に負けられない理由があるんだっ…)」
食パンマンは手を伸ばす。一枚目『ハートの9』
それはカレーパンマンが開いたトランプ
続けて二枚目
当然選ぶのは今開かれたばかりの『スペードの9』
難なくペア成立
食パンマン「よし!(しかし、問題は次だ…)」
二回目。食パンマンの手が止まる
目の前に見えていたはずのQのペアに手を伸ばして掴もうとしても届かない
それもそのはず。『クラブのQ』は今やカイジによって遠く彼方へと連れ去られてしまったのだ
食パンマン「カイジ君、いや、カイジ。私にはアンパンマンやったように小手先の揺さぶりは通用しないよ」
カイジ「どうかな?」
食パンマン「君はトランプを入れ替えていない、これは断言できる」
カイジ「……」ざわ…
圧倒的面倒っ…、そしてネタ切れっ…!
もういいっ……!休めっ……!
休めID:NesqzVfX0っ……!
お前は充分頑張ったっ……!!
食パンマン「まずトランプの入れ替えだが、あの場面、不可能じゃない」
食パンマン「仮に入れ替えたとしましょう。では、どのトランプと入れ替えたのでしょうか」
食パンマン「あまりに遠くのカードだと目立ってしまいます。やはり入れ替えるなら周囲のトランプ」
食パンマン「手の動きも不自然にならないように考慮するであろう点を考えると、位置は自ずと絞られます」
食パンマン「結果、導き出されるトランプはこの一枚…」
そこまで言うと食パンマンは徐に手を伸ばす
自らが予想した一枚に的を絞り、掴む
カイジ「(開けっ…!開けっ…!開けっ…!)」
しかし、カイジの思い届かず
食パンマンは手を戻す
食パンマン「そう考えてこのトランプを改めてみた時、思い出したんです」
カイジ「何をだっ…!」
食パンマン「(実は最初のシャッフルの時に、偶然捲れた一枚のトランプに小さな傷をつけたんだ)」
食パンマン「(確かダイヤの10。誰かが他の10を開くまで待っていたけど、思わぬところで役に立った…)」
食パンマン「まぁ、内緒です。でも入れ替える事の出来そうな唯一のトランプに入れ替えられた形跡はない。この意味分かりますよね?」
カレーパンマン「入れ替えは無かったってことだな!」
食パンマン「だから私が捲るのは、一番最初に捲ったこのトランプです」
カイジ「(やめろっ…!やめろっ…!開くなっ…!)」ざわ…ざわ…
食パンマンの手の動きに全員の視線が集まる
序盤の攻防、カイジ絶体絶命
しかし食パンマンもまた気が気ではない
ここでQのペアを取らなければ間違いなくカイジの手に渡るからだ
自らの推理は99%正しいと確信している
だが、残り1%が埋まらない
僅かに開いた穴を気にして、一瞬食パンマンの手が止まった
一瞬の静寂
誰もが息を呑む
しかし、意外な音が静寂を切り裂いた――
アンパンマン「……ん、んふふ、んふふはははは……」
食パンマン「な、何がおかしいんですか、アンパンマン」
アンパンマン「賭けてもいい。それは『クラブのQ』じゃないっ…!」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「え?」
食パンマン「な、何を言っているだっ…!」
何も思いつかないっ…!まだ4枚しか取ってないっ…!
無理だ…!誰か続きを書いてくれっ…!
___ _ いやっス いやっス‥‥‥!
>ー:::::::`´:::::::::;Z._ いやっス‥‥‥‥‥!
∠:::::::::::::::::::::::::::::::::<
/:::::::;ィ::ィ ;ハヽ;::::、:::::ヾ 巻き込まないでくださいよ‥‥!
. 1:: ノフjメ._v _>ヘ「ハ. :↑
h.ヒr',ニヽ_r'ニ.ヽ.〕r| ID:NesqzVfX0さんがID:NesqzVfX0さんの文を
|f|| い)-゚ノーペ-t)丿||f| どう書こうと勝手っスけど
. ,ゞ|:u  ̄〈_ _ _〉 ̄ u |K オレたちを巻き込まないで
_,, -‐''7::: | )(二ニニニつ( |:::ヾ''‐- 、._ くださいよ‥‥
‐''"´:::::::::::::::i:::::::ヽ._ ‐一 _.ノ ::::::i:::::::::::::::`'''‐
::::::::::::::::::::::: |::::::::::ト、 `:ー─‐''´, |:::::::::::|:::::::::::::::::::::::
アンパンマン「本当のことだ、お前の推理は間違っているっ…!」
食パンマン「何を根拠に言ってるんですか?」
アンパンマン「食パンに言っても理解できないさ…」
食パンマン「なん…だと…」
アンパンマン「中身の無いスカスカのお前には理解できないって言ったんだ、この似非紳士野朗っ…!」
食パンマン「……っ!」ざわ…ざわ…
乱心。アンパンマンは怒りのあまり我を失っていた
この時、その矛先は騙したカイジでは無く何故か食パンマンに向けられていた
しかし、それは考えてみれば当然かもしれない
アンパンマンにとってカイジはあくまで他人、今日始めてあった異国の住人
信頼関係など端から皆無。騙されたとて、信じた自分が悪い
しかし、食パンマンは違う。二人の関係は一朝一夕のものではない
その親友とも呼べるパンにアンパンマンは裏切られたのだ
アンパンマン「(こいつ、確証があるなら何故俺に言わない…。理由は簡単、金に目が眩んで俺を裏切ったんだっ…!)」
アンパンマン「(カイジ君の言うとおりだ、俺は何て甘いんだっ…!愛?勇気?友達?そんなもの金になるのかっ…!)」
もう無理だ、俺は風呂に入るっ…!その間にきっとこのスレは落ちている…
保守なんかするなっ…!いいか、絶対だぞっ…!保守するなよっ…!
本当に今後の展開なんて考えてないんだからなっ…!
保守だけはするなっ…!
保守はするな・・とID:NesqzVfX0は言った・・・!
つまり・・その真の意味は「保守をしろ」・・・!
そうなんだ・・!奴の言葉・・字面通りに受け取ってはいけない・・!!
/| | /| | | / | | /
| | / | | |/ | | / ふ……
| | / | | | /| | /
| | / | | | / | | ふざけるなよ…!
/| | /| | | /| | /
| | / | | | / | |/
二|_|二二二二二l二二二二二|_|二二l'玉}、二 保守だろうが…
\ ___ \ 〔l`ーイ
\_______________\ /丁WYヾヽ
,ハノ-―ー|ハ 「保守しろ」って言ってるうちはまだしも
―――――――――――――‐ /ゞイ ト-'
_ r‐' / 丿 | 「するな」なんて口にしたら……
/´V 屶|} /`ー‐┬‐イ
\\ ヾ_i/ ,/ | _,|
\___/| | ヽ ヽ 保守 だ ろ う が っ・・・・・・!
┌|__,| ゝー<
食パンマン「好き勝手言ってくれますね、アンパンマン」
アンパンマン「何度でも言うさ…!お前みたいな薄っぺらな奴にQのペアは作れないっ…!賭けてもいいぞ!」
食パンマン「では、もし作れたらどうしますか?」
アンパンマン「ふん、万が一、そんなことになったら…、そうだな、俺の顔を半分くれてやる…!」
ざわ… ざわ…
カイジ「(顔を半分…?何の話をしてやがるっ…!?死ぬだろ、普通っ…!)」
食パンマン「あなたの顔を半分?私に何のメリットも無い」
アンパンマン「だからお前は薄っぺらだって言うんだよ。顔が半分になるってことは俺の力が半分になるってことだ!」
食パンマン「それがどうした…」
アンパンマン「半分の思考力なら、お前といい勝負だって言ってんだよ、間抜けっ…!」
食パンマン「(おのれ、菓子パン風情が調子に乗りやがって…!)いいだろう、その賭け乗ったっ…!」
アンパンマン「それでこそ食パンマンだ…。で、お前は何を賭ける?」
食パンマン「な、何の話だ?」ざわ…
アンパンマン「とぼけるなっ…!今、お前、その口で言っただろ!賭けに乗るとっ…!」
アンパンマン「俺が顔を半分も賭けているのに、お前まさか自分は何も賭けないつもりなのか…!?」
アンパンマン「馬鹿か、お前だけノーリスクで済むはずは無いだろっ…!これはパンとパンの誇りを賭けた勝負なんだぞっ…!」
食パンマン「だ、だったら何を賭ければいい?」
アンパンマン「トランプだ。お前が手に入れた9のトランプを俺によこせ…!」
ざわ… ざわ…
食パンマン「な、なんですって…!?」
食パンマン「ふ、ふざけるなっ…!これは私の金だっ!いや、それ以前にルール違反だろ!」
カイジ「いや、そうでもないみたいだぜ…」
食パンマン「え?」
カイジ「その賭けはルール違反じゃない。黒服の奴らが何も言わないのが証拠だ…!」
黒服「……」
食パンマン「え…なっ…!」ざわ…ざわ…
アンパンマン「二枚とも賭けろとは言わない、一枚でいい…!カイジ君がトランプを入れ替えてないと断言できるんだろ…?」
食パンマン「いや、しかし…」
アンパンマン「逃げるのか腰抜けっ…!分かった!俺もカードを一枚賭けよう…!」
食パンマン「は?でも君、一枚も持ってないだろ…」
アンパンマン「俺が獲得したトランプをゲーム終了時にお前にやる!それで文句無いだろっ…!」
食パンマン「そ、それなら…」
カイジ「よし、成立だな」
ついに、ゲームが動く
食パンマン二回目のチャレンジ。一枚目に手を伸ばす――
もちろん、その先にあるのは自らが最初に捲ったトランプ
食パンマン「(俺の推理は間違ってない…!間違ってないぞ…!)」
震える手でカードを掴む
食パンマン「(頼むっ…!頼むっ…!ここが勝負の分かれ目なんだ…!来い、『クラブのQ』っ…!)」
深く息を吐く
そして、一気に捲る――
姿を現したそのトランプ、『クラブのQ』!!
食パンマンの推理見事的中
カレーパンマン「お、おお…!」
食パンマン「やったああ!この賭けは僕の勝ちだっ!見たかアンパンマンっ!」
アンパンマン「…………んふふ、勘違いするな、食パンマン。まだだ…!」
食パンマン「何?」ざわ…ざわ…
アンパンマン「まだ半分しか終わってないだろっ…!」
食パンマン「な、何を言っているんだ、アンパンマン?やはり入れ替えは無かった…私の勝ちだろ」
アンパンマン「確かに入れ替えは無かったさ。お前の推理は正しかった。そこは認めるよ」
食パンマン「だったらこの賭け、私の勝ちだろっ…!」
カイジ「いや、違う。違うんだ、食パンマン…!まだ半分、まだ折り返しなんだ…!」
食パンマン「?」ざわ…
カレーパンマン「どういうことだ?」ざわ…
カイジ「お前は挑発されて、冷静に判断できなかったかもしれない。だから気づかなかった」
カイジ「賭けは『トランプがクラブのQかどうか』では無く『Qのペアを作れるかどうか』に摩り替わっていたんだ…!」
カレーパンマン「あ、確かに、そんなこと言ってた…!」ざわ…
カイジ「だから、まだ半分。お前がもう一枚のQを引いてはじめて勝ちが決定する…」
食パンマン「そうか…。いや、でももう一枚の位置は分かっている。さっき、アンパンマンが開いた……」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「ま、まさか…」
食パンマン「お前っ…!入れ替えたのかっ…!あの状況でっ…!『ハートのQ』の位置をっ…!!」
マジでダメだ、ペンが進まない
遅いのは本当に申し訳ない
書き溜めるから時間ください、ごめんなさい
こんなスレよりライヤーゲーム見ようぜ
ライアーゲーム終わった
アンパンマン「…んふふ、もう一度だ。もう一度神経すり減らして考えろ…!体力を削って観察しろ…!無い知恵絞って推理しろっ…!」
アンパンマン「はたして『ハートのQ』は入れ替わっているのかっ…!」
食パンマン「くっ…!」
カイジ「(あの時、食パンマンの意識は憔悴したアンパンマンでなく、既に俺に向けられていた…)」
カイジ「(だから、食パンマンには分からない、分かるはずがない、入れ替えられているかどうかなど…!)」
食パンマン「(分からないっ…!さっきはトランプに傷がついていたから判断できた…。しかし、今度は…!)」
アンパンマン「さ、二枚目を早く選んでくれよ。二枚目な食パンマン…!」
食パンマン「関係ないっ!私は、私の信じたトランプを、捲るっ…!」
食パンマンは考える、奴は何故あんなにも挑発的になれるのか
それは『ハートのQ』は引けない、という絶対的確信、確固たる自信、そこから溢れる圧倒的安心
入れ替える、入れ替えない
どちらが有利か。決まっている、入れ替えた方が有利なのだ
少なくともアンパンマンはそう考えるはずだ
なぜなら、入れ替えられている可能性の方が高いと判断したからこそ
前の彼のターンでカイジの罠に嵌ってしまったのだから
食パンマン「(だから、お前は入れ替えてくるっ…!そして不自然にならないようにするなら位置は限られるっ…!)」
食パンマン「これだっ…!」
ざわ… ざわ…
食パンマンが選んだ二枚目、『クラブの10』
食パンマンには捲れなかった
結果的に張り巡らせた思考が邪魔になったのだ
そして、賭けはアンパンマンの勝利
食パンマン「あ、ああ…」
アンパンマン「さぁ、約束どおりトランプを一枚渡してもらうぞ…」
カイジ「さて、次は俺の順番だ」
カイジは知っていた、アンパンマンは入れ替えなどしていないことを
つまりカイジは『クラブのQ』『ハートのQ』その両方の位置を完全に把握している
二順目、一回目のチャレンジ
ペア成立。カイジはようやくトランプを手にする
そして二回目のチャレンジ
カイジ「(さて、ここだ…。大切なのはここなんだ…!ここでもう一つペアを成立させたい…)」
現在明らかになっているのは『ダイヤのA』と『クラブの10』の二枚のみ
カイジ「(適当に選んで開いてみるか…。だが、失敗すれば次のプレイヤーのヒントになる、どうすれば…)」
カイジ「(いや、待てよ…)」
カイジは思い出す。食パンマンの言葉を
それはアンパンマンが賭けを持ち出す前、食パンマンが自慢げに語っていた推理の途中
ゆっくりとカイジの視線は一枚のトランプに向けられた
そのトランプは彼の推理でカイジが入れ替えることの出来た唯一のトランプ
カイジ「(あいつは言った、このトランプには入れ替えられた形跡が無いと…)」
カイジ「(つまり、あの時食パンマンはこのトランプが何か区別する方法が知っていたんだ)」
カイジ、その一枚のトランプを凝視する
そして見つけた、明らかに故意につけられたであろう傷
偶然でないのなら、誰が何のためにつけたのか
その答えは一つしかない
カイジ「(食パンマンは何らかの方法でトランプの数字を知って、目印のためにこの傷をつけていたのか)」ざわ…
まず、ジョーカーの可能性は低い
ジョーカーならば先の賭け、間違いなく、このトランプを選ぶはず
ジョーカーは全ての数字になれるのでQのペアという条件は満たす
しかし、それをしなかったということは、このトランプはジョーカーではない
では、どの数字なのか
ここで重要になってくるのは、あの時口走った『思い出した』という言葉
そこからカイジは仮説を立てる
『忘れていたのは、まだその数字が出てきていなかったからではないか』
つまり、その数字はその時点でまだ誰も捲っていなかったということ
カイジ「(おそらく、このトランプ、あの段階で出ていなかった10かKの可能性は高い)」ざわ…
カイジ「(2分の1か…。これに賭けてみる価値はあるっ…!)」
カイジ勝負に出る
一枚目、運命のトランプを掴む
カイジ「(来いっ…!頼む…!来いっ…!10!)」ざわ…
裏返したトランプ『ダイヤの10』
カイジ、2分の1の賭けに見事勝利
そして二枚目、明らかになっていた『スペードの10』を捲る
ペア成立
カイジ「よし、いいぞ…!上出来だっ…!」
この回で計4枚のトランプ、つまり800万を得る
カイジ、この時点で一歩前へ飛び出す
その後、カイジは三回目のチャレンジ一枚目で『ダイヤのK』を開き
二枚目は既に明らかになっている『ダイヤのA』を選びペア作り失敗
そして次のプレイヤーへと順番が移っていった――――
すまない
ライアーゲーム見てたから、これだけしか書き溜めてないんだ
そして、もう眠いんだ
頑張るけど、期待しないでくれ
カレーパンマン、圧倒的空気・・・!
>>246
カレーパンマン「ククク…… カイジ……お前……他のパン達を出し抜いてぶっち切りだと思ってるんだろうが……
甘いっ……!すでに俺は入っているっ……お前への射程圏内……しとめられる距離までっ……!
教えてやるっ……!世の中は「甘さ」だけじゃない……人を殺す「辛さ」もあることをっ……!」
1時間は余裕で落ちないだろうけど
そもそも保守時間とか人の自由でいいと思うよ
何故落ちていないっ…!
希望など捨てろと、言っただろっ…!!
甘えを捨てろ
お前の甘え・・・・・・ その最もたるは 今 口々にがなりたてた
その発言だ
保守するなと言えば保守されないのが当たり前か・・・・・・?
なぜそんな風に考える・・・・?
ゲーム開始から1時間半経過――
ゲームは進み、熾烈を極める攻防は既に後半戦
6順目、カレーパンマンのターンを終えた
現状、4人合わせて33枚のトランプを手に入れる
すなわちテーブル上に残されたトランプは16枚
プレイヤーがジョーカーを場に戻したために、何度か場はシャッフルされた
現段階で明らかになっているのは『ハートの10』『スペードのQ』の2枚
次にそれぞれの順位と獲得枚数
現在の成績
4位・食パンマン 4枚(一度ジョーカーを引いて場に戻したためペナルティ100万)
2位・カレーパンマン 7枚(一度ジョーカーを引いて場に戻したためペナルティ100万)
2位・カイジ 7枚(一度ジョーカーを引いて場に戻したためペナルティ100万)
1位・アンパンマン 15枚
憤怒の化身となったアンパンマンの独壇場
カイジ、攻め倦む
四人の実力に大差は無い
むしろカイジ有利と見る者が多かった
しかし、カイジは苦戦
ペナルティがあるので少なくても4枚、二つのペアを作らなければ借金が残ってしまう
状況はアンパンマン、圧倒的有利
はたして奴を打破する秘策はあるのだろうか
アンパンマン「んふふふ。さて俺のターンだ…」
アンパンマンの一枚目
2種類の数字しか明らかになっていないが既に終盤
一つでも多くペアを完成させたいアンパンマン
まだ開かれていないトランプを捲る
現れたのは、『ダイヤのQ』
ここで『スペードのQ』を引けば、アンパンマン、8つ目のペア成立
圧倒的支配、誰も抵抗出来ない
餡子が放つ甘ったるい空気がカイジたちに重く圧し掛かる
食パンマン、序盤での負けを引き摺り、未だ獲得枚数4枚
ジョーカーを引いているため、実質獲得している金は700万
このままゲームが終われば1300万の借金である
食パンマン「(このまま…このまま大人しく終わるわけにはいかねぇ…)」
食パンマン、意を決して勝負に出る
支援してやろうじゃないか・・・・寛容な精神で・・・・っ!
アンパンマン「んっふふふ、これでペア成立だ…」
アンパンマンが二枚目に伸ばした手を
食パンマンが止めた
アンパンマン「おい、何しやがるんだ、食パン」
食パンマン「……なあ、アンパンマン、これ本当に『スペードのQ』か…?」
ざわ… ざわ…
カイジ「(な、何言い出すんだこいつ…!最早入れ替えなんて出来る状況じゃないだろっ…!)」
アンパンマン「おいおい、今更そんな脅し、通用するはず無いだろ…」
食パンマンに向けられる冷ややかな視線
当然である
序盤の攻防のあと、誰もが入れ替えを疑い、お互い監視してきた
この状況でトランプの位置の入れ替えなど到底不可能
食パンマン「本当に不可能かい?君たちが見ていたのは捲ったトランプだけでしょう…」
アンパンマン「何が言いたい…」ざわ…
食パンマン「君たちは他のプレイヤーが捲ったトランプを元に戻すのを見て入れ替えがなかったと気を抜く…」
食パンマン「だから私はその後、関係のない、捲ったトランプとは別の、二枚のトランプを入れ替えたんだっ…!」
カイジ「(馬鹿かコイツ…!ハッタリにもなってねぇ…!)」
カレーパンマン「む、無理だろそんなの…。捲る以外のときにトランプに触れたら、あまりにも目立つ…」
アンパンマン「時間の無駄だ…、俺はこのトランプを捲るぞ…」
食パンマン「では、賭けますか、もう一度、手持ちのトランプをかけてっ…!」
カイジ「馬鹿っ…!やめろっ…!そんな賭け、成立するわけないだろうがっ…!!」
カレーパンマン「そ、そうだぜ食パンマン、手に入れた金を溝に捨てるようなもんだぜ…!」
食パンマン「うるさいっ…!黙れ…!馬鹿はお前らの方だっ…!」
食パンマン「考えてみろ…!残されたトランプは16枚…!これがどういうことか分かるか…?」
カイジ「……っ!」ざわ…
カレーパンマン「?」ざわ…
食パンマン「ここでアンパンマンに三回ペア成立されてみろ…残るのは10枚、しかもそのうち一枚はジョーカー…」
食パンマン「私が運良く3ペア成立させても獲得枚数10枚、一度ジョーカーを引いた私は100万の借金を背負う…」
食パンマン「残された4枚のうち、ジョーカー以外の3枚を手に入れても結局君たちにも借金が残る…」
食パンマン「分かるか…?ここなんだっ…!ここが勝負どころなんだっ…!ここで一枚でも多く得なきゃ負けなんだよっ…!!」
アンパンマン「だが、無謀だ、無理だ、無茶苦茶だっ……!」
アンパンマン「言いたいことは分かる。しかし、入れ替えは不可能なんだ…」
アンパンマン「これが賭けとして成立していない以上、それはただの戯言だっ…!」
食パンマン「戯言で結構さ。どうするんだ、アンパンマン、賭けるのか?賭けないのか?」
アンパンマン「いいだろうっ…!賭けるさ!一枚でも多い方がいいからなっ…!」
食パンマン「勘違いするな…、一枚じゃない…、賭けるのはトランプ四枚だっ…!!」
アンパンマン「な、ああっ…?」ざわ…
食パンマン「止めるなんて言うなよ…!仮に四枚失ってもお前はまだ借金を背負わないんだからっ…!!」
カイジ「(ここで勝負、理屈は分かるっ…!しかし、それはっ…!!)」
あまりに無謀 あまりに命知らず
カイジ、言葉にすらならない
暫しプレイヤー4人全員の沈黙が続いた
そして、アンパンマン、動く
アンパンマン「いいだろう…その賭け、受けてやる…、入れ替えは不可能なのだっ…!」
食パンマン「よし…それでいい…、それでいいんだ…!」
ゲーム終盤、食パンマン、勝利に向かって駆け出した
しかし、あまりに細く脆い足場の上
いつ命を落としてもおかしくない状況
まさに死に物狂い、食パンマン、最後の足掻き――
アンパンマンが運命のトランプに再び手を伸ばす
アンパンマン「これで終わりだっ…!」
食パンマン「ま、待て!アンパンマン、一つ頼みがある…。私に引かせてくれないか?」
食パンマン「800万賭けた、いや、私の命を賭けた勝負なんだっ…頼むっ!」
アンパンマン「……まぁいいだろう。この状況でイカサマなど出来るわけが無い…」
カイジ「(何を考えている、食パンマン…)」
食パンマン、トランプを捲ろうと手を伸ばす
しかし、掴めない
それもそのはず、奴の手は恐怖で震えているのだ
命がけの勝負、その重圧が片手のみに圧し掛かる
それは数百キロの鉄アレイを持ち上げるに等しい負荷
手の震えがそう簡単に止まるはずもない
食パンマン「すいません、少し心を静めさせてください……」
そう言って食パンマン、水分を補給する
カイジたちの緊張の糸も緩んだその一瞬、警戒心が一気に低下する
その時だった――
食パンマン「あ」
食パンマン、手の震えが止まらず、手に持っていたペットボトルを落としてしまう
テーブルの上で跳ね上がったペットボトルは回転し、飲み口から周囲に水を撒き散らす
そして――
その水がアンパンマンの顔を濡らしてしまった
アンパンマン「うわわ…顔が濡れて力が出ない……」
カレーパンマン「お、おい、食パンマン、お前っ…!」
食パンマン「わ、悪いアンパンマン、わざとじゃないんだ…」
カイジ「(顔が濡れて力がでない…?そういう設定なのか…。いや、しかし、そこじゃない…!)
カイジ「(この食パン、狙ってやがったっ…!この瞬間を…!虎視眈々と…!)」
カイジ「(緊張で手が震えていたのだって演技だ、証拠にあいつの手はもう震えていない…)」
カイジ「(勝ち負けじゃないっ…!ただアンパンを潰すためだけに…!それだけのための賭けっ…!)」
食パンマン「さて、このトランプ開いてみるよ」
食パンマンの開くトランプ、『スペードのQ』
ペア成立
トランプの入れ替えなど不可能、当然の結果である
更に四枚、食パンマンからアンパンマンへとトランプが移る
現在、アンパンマン獲得枚数21枚、金に換算すると4200万
しかし、致命的欠陥、顔に水を浴びてしまう――
食パンマン「ふふふ、さぁ、まだ君の順番だよ、アンパンマン…」
朝から書き溜めた分がなくなりました
そして出かけなければいけません
これを読んだあなた
どうか続きを書いてください
それだけが私の望みです
【審議中】
率直に考えるんだ・・・ Not Exactly うろたえるな
〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡/ミ;j〃゙〉 }| } ハ ヽ、} ,. ‐'''""~´ ̄ ̄\ ,. -‐'''''"⌒>\丶\ヽヽ ',!|/〃/ //,. ゙ : ' .: ゙
ノ丿川j !川|; :.`7ラ公 '>了| ∠ノ乂 {ヽ ヾ丶ヽ/ }(.___,,,.... ⌒丶\丶ヽ`、', 《〈 〃ノ/. ' . '_;.,;._ ;.' ,
ノ _ノノノイシノ| 〈八ミ、、;.)_\ { j∠=, }、 l \ヽヽ ', ,,. . -一ァ',二二二{|i i| }! }} /.__\ヽヾ:ヾ_ヾミ[]―‐[〕-''''"~´ 彡 . ゙
ノ‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)=一`'´__,.イ<::ヽリ j `、 ) f==<r'二二二{|l、{ j} /,,ィ/⌒\ ミ|{「己川ロ后叨:.: ___! 彡 ;' . ゙
ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~__,. イ |{. |::::ヽ( { 〈 ( 弋ッ-ミ"テ~ナ/i|:!ヾ、_ノ/ {:}//ヘ. ヾレュ三<´{(厶ニニ-‐、>ヽ ; : . ,゙i
`二´/' ; |丶ニ ノノ ̄ 小, |:::::::|:::l\i ', li{ ',..`二/ =|/' |リ } ,ノ _,!V,ハ | ,{ {(j } }==Y∠r:ュ.ヾ, く;/^ヽ!
ヾ、 丶 ; | ゙ イ:}. `ヾ:フ |::::::::|:::| } } |ヽ { =|/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人{ ト >-<ン ,' ~厂 ̄´`ヽ ,ィ个 }
. ` ,.__(__,} /ノ. ∠ニニ} |:::::::::|/ / / / 丶,-‐ ,>. ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽト{〔!厂〈ー‐、 '":::... } )丿,ハ
,.,,.`三'゙、,_ /l、. {⌒ヽr{ |:::::::::|,/// 、____`7" ゙/ )ヽ iLレ | | ヾlト. )|丨 `-'" / (__/,/
/゙,:-…-…、 ) ト、丶、. ヾ二ソ |:::::::/∠-''´ l>、 ヽ`,二/|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V::!| 「r三三ヽ l /⌒l !
.\ `' '≡≡' " ノ\\丶、 `''''''′!:::::::レ〈 ´"''ー-L__\ ∠三ノ// 二二二7'T'' / __ /:::! | } ,. ―-| ,/ 、_,ノj
ヽ\ 彡 ,イ 〉:: ̄::`'ァ--‐''゙:::::::/::::ヽ ``ヾニ='゙./'´r ー---ァ‐゙T´ '"´ /::::::!.ハ ノノ二ニ二! ノ `7〈
お前の意見は聞いてない 今起こったことを端折って話すぜ
::::::::::::::::::::::::::/:::://::::: \::::::::::::\\l
:::::::::::::::::::/\:::// ::: \「\__ゝ
/)/:::::::::::::\ \::: / ククク・・・
|レ::::::::_____.」lllll / なるほど・・・こりゃあ見損なっていた・・・!
|:::::::::: \ ̄ ̄ ̄「 三/ 大した悪党じゃないか・・・! あんた・・・!
|::::::::::::: \__ ::::=\ よく言うぜっ・・・! なにが・・・・「書き溜めがなくなった」・・・・
|:::::::::::::::::::: :::::::::=\ 「出かけなければ」だっ・・・・・・! 勝手に蟻地獄・・・
|:::::::U v :::::::::::::::=\ 泥沼みたいなSSを書いておいて
|:::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::\ 「どうか続きを書いてください」だ・・・?
|::::::::::::::: :::::::::::::(::::_:::: ) バカ野郎っ・・・! わかってんのか・・・!
:::\:::::v:::::: ________ゝ その続きを書くには・・・・・・・・
|::::\::::::::: ( 叩かれるのを覚悟しなきゃいけない・・・!
:|:::::::::\::::::: _/ そんなこと・・・一度ROMに回ったらもう不可能
::|::::::::::::::\::::::: ( 理不尽と思っても・・・お前が帰ってくるまでは
:::|:::::::::::::::::::\::::::: | たぶん保守しちまう・・・! 保守し続けるっ・・・!
::::|::::::::::::::::::::::::\:::::: | 「お前が書く」その可能性を・・・! 違うかっ・・・!?
:::::|:::::::::::::::::::::::::::::\::::: |
::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::_ノ
そもそも人のレス間隔にまで文句言うのは自治厨の香りがぷんぷんします
ってさっきあっちの方でキザな食パンが言ってたよ
ほしゅ…!
・前回までのあらすじ
食パンマン「ふふふ、さぁ、まだ君の順番だよ、アンパンマン…」
食パンマン、アンパンマンに一矢報いて奈落へと堕ちる
自力で這い上がるのは不可能
しかし、その一矢はアンパンマンに深い傷を負わせた
この傷、カイジの付け入る隙となるだろうか――
アンパンマン、二回目のチャレンジ
一枚目は『スペードのK』
そして二枚目、『ハートの10』、これは既に開かれているトランプである
カイジのように戦略的に、あえて中身の分かるトランプ選んだわけではない
アンパンマンは間違えたのだ、『ハートの10』の位置を、14枚しか残ってないにも拘らず
それが意味することは――
カレーパンマン「(もうアンパンマンは駄目だ…)」
濡れたパンなど、最早生ゴミ同然
場にいる全員がアンパンマンの戦線離脱は仕方ないと考えていた
カイジ「(しかし、奴の獲得枚数は21枚、すでに安全圏…。何の問題もない…)」
≪VIPルーム≫
?「食パンマンめ…、余計なことをしてくれた…」
黒服「どうしますか?」
?「ふん、仕方ないだろう、あの女を連れて来い…」
黒服「……かしこまりました」
?「しかし、アンパンマンは人が良すぎる。親の借金を背負ってこんなところまで堕ちてくるとは…」
食パンマン「さて、私の順番ですね。まぁ少しでも借金を減らしておきますか…」
食パンマン「(大丈夫さ…いざとなったらドキンちゃんに泣きつけばいい…)」
食パンマン「(あいつは俺のためなら、身を売ってでも用意するだろう、ふふふ…)」
勝ちを捨て力の抜けた食パンマン
一回目のチャレンジ、何気に開いたトランプが見事ペア成立
テーブル上、トランプの残り枚数12枚
食パンマン「ふふ、今更…って感じですけどね」
二回目のチャレンジ
一枚目、二枚目を続けざまに捲る
『ハートのA』『クラブの9』でペア不成立
この段階で明らかになっているトランプは4枚
全てが異なる数字のトランプ
つまり、一枚目でこの中のどれかを引く確率は高い
そんな状態でカイジに順番が回る
カイジ、ここが正念場――
カイジ「(恐らく、これが最後のチャンス…!なんとしても、ここでペア二つ成立させるっ…!)」
一枚目、明らかにされていないトランプは8枚
そのうちの1枚に手を伸ばす
カイジ「(来い…!来い…!来いっ…!!)」
狙い定め、裏返す
カイジが選んだトランプ、それは『スペードの10』
ペア成立確定
カイジ「来た…!来たぞっ…!流れは今、間違いなく、俺に来ているっ…!」
食パンマン「ふふふ、おめでとう、カイジ君。そして、また、この状況だね…」
食パンマンのいう『この状況』というのは
二枚目に引くべきトランプの位置が確定している状況
そして、入れ替えが行われているかもしれないという状況
カイジ「この状況…(確かにアンパンマンは『ハートの10』に触れている…)」
食パンマン「もしかして、入れ替えられているかも。どうだい、アンパンマン、彼と勝負してみれば」
アンパンマン「…ぅ、ぁ……」
食パンマン「くくく、もうほとんど意識も無いみたいだね。気力のみで座っているって感じだ。くくくくっ」
カイジ「(この食パン、紳士面して何という外道っ…!誰のせいでこうなったと思ってやがる…)」
食パンマン「こんな状態じゃゲーム参加は無理だね。カイジ君、中断して悪かった、続けてくれ」
カイジ「ちっ…」
カイジはペア成立のため『ハートの10』を掴む
カイジ「(まず1ペア目…)」
ざわ… ざわ…
その瞬間、異様な感覚が体全体に纏わりつき、カイジは動きを止めた
急激に場の空気が凍りついてゆく
突き刺さるような視線、それが放たれている方向に目をやる
カイジ「な、なんだ…」
ざわ… ざわ…
アンパンマン「そ、それは、ほんと…に『ハートの10』、っか…?」
カイジ「な、なん…だと…」ざわ…ざわ…
アンパンマン「か、賭けろっ…、勝負しろ…、俺とっ…!」
カイジ「ふ、ふざけるなっ…!そんな状態で何言ってやがるっ…!」
アンパンマン「に、逃げる、のか…っ!」
カイジ「馬鹿言うなっ…!これ以上お前に何が出来るっ…!」
アンパンマン「……くっ…、ぁ、できる、さ…、はぁ…はぁ…」
カイジ「お前はもう21枚も手にしてるっ…!何もしなくても勝てるだろっ…!もういい、休めっ…!」
アンパンマン「お、俺には、まだまだ金が、いるんだ…金が、金が、金っ……!」
≪VIPルーム≫
?「くくく、確かに。アイツにはこの程度金じゃ足りないか。何せ、ジャムから受け継いだ借金は10億だからな…!」
黒服「じ、10億っ…!一体、何をすれば、そんな額の借金になるんですか…」ざわ…
?「まぁ、ジャムも本当は被害者、可哀想な話だ。だが、私には関係のない話。貸した金をきっちり返してもらうだけ…」
?「最初は仲間から金は奪えないなど腑抜けたことを言ってたが、やればできるじゃないか…。だが…」
?「おい、アレはまだか?」
黒服「もうしばらくで準備が整います」
?「急げ。ゲームの盛り上がりは今が最高潮だ」
アンパンマン「おい、勝負しろっ…!金を、よこせっ…!」
カイジ「無茶苦茶だっ…!」
食パンマン「勝負してあげたらどうです?どうせ入れ替えなんてしてないんですから」
カレーパンマン「そうだぜ、カイジ。いいじゃないか、お前が儲けられるんだぜ」
確かに二人の言うとおり、今のアンパンマンに入れ替えは不可能
カイジ自身、監視を怠らず、それが無かったことを確認している
今賭けに乗ればカイジは100%勝てる
だから理解できない、賭けを申し出てくる意図が分からない、怖い
故に動けない
カイジ「(あの野朗の目、勝負を捨ててるパンの目じゃねぇ…。下手に挑発に乗れば、俺が喰われるっ…!!)」
この勢い・・・!まさか「書き溜めて」いたとでもいうのか・・・っ!
カイジ「こ、断る…!賭けは、しない…!」
食パンマン「…ふぅ、勿体無い」
カレーパンマン「なにビビってんだよ、カイジ。入れ替えられてるわけ無いじゃん」
カイジ「うるさいっ…!黙れっ…!」
カイジ、躊躇いつつも二枚目を引く
現れたのは当然『ハートの10』
ペア成立
やはり入れ替えなど行われていなかった
カレーパンマン「あ~あ、だから言ったのに…」
カイジ「(これでいいんだっ…!これで…)」
アンパンマン「…ぁぅ…ぁ、金…。か、ね…」
続けて二回目のチャレンジ
ここでもう一度ペアを完成させること
カイジが借金無しで生還するための必要条件
伏せられたトランプは残り僅か10枚
数字が分かっているものが3枚
カイジ「(大丈夫、大丈夫だっ…!流れは確実に俺に来てるっ…!いけるっ…!!)」
≪VIPルーム≫
?「無理だな」
黒服「そうですか?流れは今カイジに来ているように思いますが…」
?「お前、本気でそう思っているのか。だからお前はその他大勢の黒服どまりなんだ、カスがっ…!」
黒服「す、すいません!」
?「(カイジが確実に勝てる賭けを蹴った時点で、流れはあいつから離れた。ここまでだ…)」
カイジ、二回目のチャレンジ
一枚目のトランプを裏返す――
カイジが引き当てたトランプ、それは――
カイジ「あ、ああ、あああああっ…!」ざわ…
カイジ「そ、そんなっ…!」ざわ…
『ジョーカー』
決して引いてはいけないトランプをここで選んでしまった
カイジ、致命的ミス
カイジは現在9枚のトランプを得ていた
1枚200万円で取引されるため1800万
しかし、一度ジョーカーを場に戻しているためペナルティでマイナス100万
よって、獲得金額1700万円
借金を残さず船を降りるには、参加料の2000万円を稼がなければならなかった
しかし、ここで『ジョーカー』
この後、ペアを作り1枚得たとして、ジョーカーを場に戻すためにマイナス100万
獲得金額は1800万円
またジョーカーを戻すと、場はシャッフルされるため
明らかになっていた3枚のトランプの位置が分からなくなる
すべて白紙に戻る
その状態で運の尽きたカイジが三回目のチャレンジでペアを成立させる確率は0%に等しい
それはカイジ自身が一番分かっていた――
食パンマン「んふふ、残念だった」
カレーパンマン「まぁ、7分の1の確率だからな。仕方ない」
アンパンマン「か、ぁ、金…か、ぇ…」
カイジ「ううっ…こんな、こんなことがあるかっ…!なんと無慈悲…、なんと非常っ…!!」
両目からボロボロと涙を零しながらカイジはトランプを選ぶ
二枚目は『ダイヤのQ』
ジョーカーの特性によりペア成立
ゲーム終了時、手元にジョーカーを所持していればペナルティでマイナス500万
ジョーカーを場に戻すしかない
カイジは掴んだ、トランプを場に返すため、その腕を伸ばす
カイジ「(くそっ、くそっ!足りない…、1枚、足りない…!もう駄目なのかっ…!)」
獲得したトランプを睨みつけた――
ざわ… ざわ…
カイジ、何かに気づき、手を止める
微かな光
確かに今、自分の手の中にあるトランプの中に微かな光を見た
それは光明
見間違いじゃない
なぜならカイジは今闇の中に落ちようとしているのだ
どんな微かな光を見逃すわけが無い
カイジ「(ま、待てよ…、もしかしたら…)」
カレーパンマン「どうしたんだよ、早くしろ」
カイジ「あ、いや、ちょっと待ってくれ…」
食パンマン「一体どうしたっていうのですか」
カイジ、もう一度獲得したトランプを確かめる
10枚のトランプ、そしてジョーカー
カイジ「(諦めるな、考えろっ、捻り出せっ…!生き残るための方法をっ…!)」
カイジ、絶望の淵で足掻く――
あとカレーに一癖つけてほしいな
カレーパンマン「早くジョーカー戻して、三回目やってくれよ。俺だって次に賭けてるんだぜ…」
カイジ「悪い、もういい。ゲームを再開しよう」
食パンマン「やっとかい。さぁジョーカーを戻して、トランプをシャッフルしよう」
カイジ「いや…、戻さない…」
食パンマン「え?」ざわ…
カイジ「俺はジョーカーを戻さないっ…!」
カレーパンマン「な、何言ってるんだ、カイジっ…!正気の沙汰かっ!?ペナルティー500万なんだぜ!」ざわ…ざわ…
カイジ「これが、俺の、俺たちの生き残る唯一の道なんだっ…!」
カレーパンマン「お、俺たち、って…?」
カイジ「そうだ、カレーパンマン。これは、俺と!お前がっ!生き残るためなんだっ…!!」
書き溜めたのなくなっちゃった…
>>416
ここからカレーパンマンの活躍は必至っ…!!
致命的ミスっ…!俺、相棒見逃してしまうっ……!
>>429
なんだ・・・?何が起こってる・・・っ!?
相棒・・・っ!そういうことか・・・っ!
レスした直後に気付く・・・っ!馬鹿か俺は・・・っ!
じゃあ、今度は書き溜めつつ、ゆっくり投下します
カレーパンマン「どういうことだっ…説明しろっ…!」
カイジ「こっちに来いっ…!(うわっ、カレー臭せぇ…)」
カイジ「いいか、ここで俺がジョーカーを戻せば、トランプはシャッフルされる」
カイジ「そうなれば俺はきっとペアは作れない、借金が残ってしまう!それじゃ駄目だっ!」
カイジ「お前だってシャッフルのあと、確実に2ペア成立させるのは難しいことくらい分かってるだろっ…!」
カレーパンマン「た、確かに…」
カイジ「最悪だ…!俺たちは今崖っぷちに立たされているっ…!退路は既に無いっ…!」
カイジ「だから、進むしかないっ…!俺についてくれば、お前は借金なしで船から降りることが出来るっ…!」
カレーパンマン「……!!本当か…?教えてくれっ…!」
カイジ「まず、お前に聞きたい…。今伏せられているトランプ、何があるか分かるか?」
カレーパンマン「え?確か『スペードのK』『ハートのA』、それから…『クラブの9』。あとは分からん」
カイジ「確かにジョーカーに乱されたからな、無理もない…」
カイジ「だがな、俺には分かるんだ。手を取るように。伏せられているトランプ、数字だけなら全て…!」
カレーパンマン「え?」ざわ…
カイジ「いいか、よく聞けっ…!俺たちはジョーカーの特性でペアを4回作った」
カイジ「お前が一回、食パンが一回、俺が二回…。誰が何を引いたか覚えているか…?」
カレーパンマン「俺は何かの『J』だった…。食パンマンが何を引いたか覚えてない…」
カレーパンマン「トランプの入れ替えばかりに気を取られていて、誰が何を獲得したかまで気にしていなかった…」
カイジ「そもそも、この『限定神経衰弱』。同じの数字が8枚も入っている…、どの数字が何枚出たか覚えにくいんだ!」
カレーパンマン「た、確かに普通の神経衰弱なら、その数字が以前にペアになったか、なっていないかで判断できる…」
カイジ「だが、俺は覚えている…。絵柄までは覚えてないが、間違いない、食パンが引いた数字は『10』」
カレーパンマン「そ、そうなのか…?」
カイジ「ああ、そして、俺が引いたのは両方『Q』だったんだっ…!」
カレーパンマン「そうか、つまり明らかになっていないトランプのうち2枚が『J』と『10』っ!」
カイジ「今明らかになっている数字は『9』『K』『A』…。残りのトランプの数字の構成、もう分かるだろっ…!」
カイジは気づく、死の淵で
自分の手元にあるトランプが全てペアになっているということ
そこで思い出す、ジョーカーで作ったペアの数字が両方『Q』であったことを
カイジは冷静になってもう一度探した、生き残るための活路を
だからこそ見つけた
知ることが出来た、残りのトランプの構成を
位置が明らかになっているトランプの数字『9』『K』『A』
その他のトランプの数字『9』『10』『J』『K』『A』
これが答え――
ん?
>>449
え?どこかおかしい?
でも、おかしくても言わないで…!全てが崩れてしまう…
カイジ「全く、情けない話だ。もっと早く気づくべきだった…。危うくシャッフルしてしまうところだった…!」
カレーパンマン「お前が次でペア成立すると、5ペア成立、それにジョーカーで得た2枚を加えて12枚で2400万」
カレーパンマン「ジョーカー関連のペナルティーが合計600万、200万足りないぞ…」
カイジ「それなら恐らく大丈夫、ジョーカーだって立派なトランプだ。1枚200万で買い取るはず…」
カレーパンマン「ほ、本当か?」
カイジ「そこは信じるしかない、実質ペナルティーは300万だと…」
カレーパンマン「だ、だけど、ペアを作れない『10』『J』を一枚目で引く確率はまだ5分の2…!確実じゃないっ…!」
カイジ「ああ…。だからお前の協力が必要なんだ…!」
カレーパンマン「お、俺の、協力っ…!」ざわ…
カレーパンマン「お、俺は何をすればいいっ…!」
カイジ「まず、俺は次のチャレンジ、2枚とも位置の明らかになっていない方のトランプを選ぶ…」
カレーパンマン「なにっ…!?それじゃペアは絶対に作れないぞ…!」ざわ…ざわ…
カイジ「最後まで聞けっ…!ペアを作りたいんじゃない、数字の位置を知りたいんだっ!」
カレーパンマン「?」
カイジ「いいか?俺が新たに2枚の数字の位置を明らかにする…」
この時、カイジの開いたトランプが『9』『K』『A』の中の2枚なら、次のカレーパンマンは確実にペアを成立できる
また、カイジの開いたトランプが『10』『J』の2枚なら、それ以外のトランプを選べばペアを成立できる
ただ、カイジの開いたトランプが『9』『K』『A』から1枚、『10』『J』から1枚という状況が厄介
一組のペアは作れるとして、その次、3分の1の確率で『10』『J』の残りを引いてペア不成立になる
そして、この厄介な状況に陥る可能性が高い――
カイジ「その時はお前を信じるしかないっ…!」
カレーパンマン「へへへ、かなりプレッシャーだな…!」
カレーパンマン「で、でもさ、それじゃ、俺は助かっても、お、お前は助からないぜ…」
カイジ「分かっているっ…!策はあるっ…!だからお前は、まず2ペア作ることに集中してくれ!」
カレーパンマン「2ペアでいいのか…?」
カイジ「ああ、3ペア成立させてしまうと、そこでゲームが終わってしまう、それじゃ駄目なんだっ…!」
カイジ「どうしてもアンパンマンに順番を回さなければいけないんだっ…!」
カレーパンマン「ど、どういうことだ…?」
カイジ「俺は、アンパンマンと賭けをする…!トランプを賭けてっ…!」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「たしかに、今のアンパンマンなら賭けに乗ってくるだろう…」
カレーパンマン「でも!賭けって言ったって、確実に勝てるわけじゃないだろ…!」
カイジ「大丈夫だ、今のアイツを見ろ…!とてもじゃないが二人の動きを注意して見る余裕なんてない…」
カレーパンマン「ま、まさかっ…!」
カイジ「ああ、俺が注意を引き付ける…。その隙に、お前が、トランプを入れ替えるんだっ…!!」
カイジ「お前の三回目のチャレンジ、あえてペアを作れるトランプの位置を見せる…」
カイジ「その時、俺は賭けの話を持ち出す…。そうしてアイツが俺に気を取られている隙に…」
カレーパンマン「トランプを入れ替えるのか…。でも…アンパンマンは、アイツは友達なんだっ…!」
カイジ「大丈夫、賭けるのは2枚だ…!それで俺は2000万に届く…!あいつは負けても借金は背負わない…」
カレーパンマン「……。ああ、そうだな…」
カイジ「決まりだ…!」
カイジとカレーパンマン、二人の共同戦線
今、生還をかけて動き出す――
食パンマン「さぁ、そろそろゲームを再開しましょうか。アンパンマンも限界みたいですしね」
アンパンマン「はぁ…はぁ…、金…か、ね……」
カイジ「(限界だな。それにも関わらず、金への執着…。条件は十分満たしている…)」
食パンマン「カイジ君、本当にジョーカーを場に戻さなくていいのですか…?」
カイジ「あぁ、いい…!」
食パンマン「そうですか、好きにしてください…」
ゲーム再開
カイジ、三回目のチャレンジ
カイジ「(できれば『9』『K』『A』のどれか…!)」
一枚目を選び、捲る
そのトランプ、『ハートのK』
カイジ、まずは狙い通り
カレーパンマン「(しかし、本当に大切なのは、次…!)」
二枚目、今度はさすがに慎重になる
ここで何を引くかで、この作戦の成功の可能性が大きく変わってくる
カイジ「(4分の2っ…!半分の確率で作戦の成功がグッと近づくんだ…!)」
カレーパンマン「(頼む、カイジ!『9』か『A』を!)」
そして、意を決して選択
カイジは掴んだトランプをゆっくと裏返した
姿を見せたそのカード、『ダイヤのJ』
二人の祈り、届かず――
カイジ「く、くそっ…」
カレーパンマン「あ、ああ、そんな…」
食パンマン「残念だね、カイジ君。でも何でカレーパンマンまで落ち込むんです?」
カレーパンマン「あ、いや、なんとなくさ。ははは…」
カイジ「(まだだ…、まだ可能性は0じゃない…)」
そして、順番は次のプレイヤー・カレーパンマンに移る
カレーパンマンの一回目のチャレンジ
ここは確実に『K』のペアを成立させにいく
1枚目は明らかになっていた『スペードのK』
2枚目にカイジが開いた『ハートのK』
まず一つ目のペア成立
勝負は二回目のチャレンジ
カレーパンマンの一枚目の引きに全てが託された――
分からないトランプは3枚、うち1枚がペアを作れない『10』の数字のトランプ
『3分の2』
この確率で二人の運命が左右される
生か死か
カレーパンマン「頼む…!来いっ…!!後生だっ…!!ここが全てっ…!!」
「が・・・・ダメっ・・・・!」フラグがバンバン立ってるwwwww
カレーパンマン、三枚の中から運命のトランプを選ぶ
そして、呼吸を整え、慎重に開く
カイジ「(頼む…頼む…頼むっ…!)」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「ああ…まさか…」
カイジ「あ、ああ…」
二人が見つめる視線の先にあるトランプ、その数字――
カレーパンマン「……来た、本当に来たぜ、カイジっ……!」
『スペードの9』
カレーパンマン、『3分の2の賭け』に見事勝利
カレーパンマン「やった…、やった…、やったっ…!これで11枚っ…!ペナルティーを払っても100万残る…!」
カイジ「(よくやった、カレーパンマン…!よくやった…!)」
>>480
ごめんww早く終わらせたいんだww
2枚目に『クラブの9』を引き、ペア成立
これで場に残ったトランプ4枚
『10』が1枚、『J』が1枚、『A』が2枚
三回目のチャレンジ
カレーパンマンは開かれていなかった『ダイヤのA』『スペードの10』を捲る
これで全てトランプが出揃う
そして、カイジ、勝負の時
順番は次にプレイヤー・アンパンマンへと移る――
アンパンマン「はぁ…はぁ…か、金ぇ……」
が……ダメっ…!
ここに来てアンパンマンが限界をむかえた…!
まさかの気絶っ…!
アンパンマンはパス扱い…!
順番は食パンマンへ…!
カイジ「おい、アンパンマン。話がある…!」
アンパンマン「はぁ…はぁ…、何だ…?」
カイジ「俺は今、参加費の2000万円を払うのに400万円足りない。ちょうどトランプ2枚分だ…」
カイジ「だから、俺と勝負してくれないかっ…?トランプ2枚賭けて…!」
ざわ… ざわ…
アンパンマン「トランプ2枚…、よ、400万…。金、俺の金ぇ……」
カイジ「そ、そうだ!勝てばお前は更に400万儲ける事が出来るっ…!どうだっ…!」
アンパンマン「いいだろう…!う、受けてやる、その勝負っ…!」
カレーパンマン「(乗ってきた…、殆ど考えもせず…。やはりアンパンマン限界なのか)」
カイジ「賭けはお前が『一度でペアを成立させられるかどうか』だ…!」
カイジ「お前、もう殆ど意識が飛んでるだろ…、最早この場に何枚トランプが残っているかも分からないんじゃないか?」
カイジ「教えてやる。伏せられているのは『10』が1枚、『J』が1枚、『A』が2枚の計4枚」
カイジ「俺はお前がどのトランプが何の数字か分からなくなっていると踏んだ…だからこそ、この賭けっ…!」
アンパンマン「お、俺を見くびるなっ…人間風情がっ…!」
アンパンマン「今まで俺がどれだけ修羅場を潜り抜けてきたかも知らないくせにっ…!」
アンパンマン「俺は幾度となく、顔に水を浴びせられた、その度に負けそうになった…!」
アンパンマン「それでもっ!俺は!生きているっ!たかがこれしきの状況!恐れるに足りんわっ…!はぁ…はぁ…」
カイジ「(なんという気迫っ!これほどとは…!だがしかし、今、お前の目には俺しか映ってない…!)」ざわ…
アンパンマン「俺が、たった四枚のトランプの位置を覚えてないわけがないだろっ…!」
カレーパンマン「(うまい…『トランプの位置を覚えているか』に焦点をあわせることで、『トランプの入れ替え』を隠している…)」
カレーパンマン「(チャンスは今っ!)」
カレーパンマン、三回目でペア作りに失敗したトランプを元通りに裏返す
そして、『ダイヤのA』と『スペードの10』の位置を入れ替える
一瞬の出来事、狭くなったアンパンマンの視界には決して入らない
気づけるはずがなかった
確かにアンパンマンは薄れゆく意識の中、しっかりと4枚のトランプの位置を把握していた
しかし、カイジの挑発、怒りで注意力が散漫する
そして、これは自分とカイジ、二人の勝負と思い込んだ
それが致命的ミス、カレーパンマンを視界の外に追いやってしまう
結果、入れ替えにはまったく気づかない
アンパンマン「お前の敗因はただ一つ…!テメェーは俺を過小評価したっ…!」
ざわ… ざわ…
ゴゴゴゴゴ…
≪VIPルーム≫
?「ふふふ、実に面白い…。このカイジという人間、楽しませてくれる…」
黒服「失礼します、準備が整いました…」
?「よし、すぐに女に届けさせろ」
?「さぁて…、どう出る、伊藤カイジ」
アンパンマン、一回目のチャレンジ
ここで全てが決まる
アンパンマン「ま、まずは…『ハートのA』だ。はぁ…はぁ…」
1枚目、躊躇せずにアンパンマンが選んだのは『ハートのA』
宣言どおり
カイジ「ほぅ…。4分の1の確率、ありえない話じゃない…」
アンパンマン「ふん、今のうちに好きなだけ言え…!そのでかい口も次のトランプを捲れば叩けなくなるさ…」
カイジ「(ここまでは順調っ、予定調和っ…!さぁ、引けっ!早く引けっ!『A』だと思い込んでいる『10』をっ…!)」
アンパンマン「ゴホゴホッ…。さて、次はこれだ…」
そう言ってアンパンマンは一枚のトランプを指差す
それは『ダイヤのA』
もちろん、それはあくまでアンパンマンの思い込みの話
実際、カレーパンマンによって入れ替えられている
今指の先にあるのは『スペードの10』
アンパンマン「ふふふ、どうだ?これは今、ほんの数分前、カレーパンマンが開いたトランプ!」
アンパンマン「間違えるはずがないっ…!お前の負けだ、カイジっ…!!」
アンパンマン、『スペードの10』を掴み、開く
カイジ「(よし、よし、よしっ…!そのまま開け!それで勝ちだ、俺の勝ちだっ!)」
次の瞬間開かれたのはトランプではなく、部屋の扉だった
そして、そこに見えるのはカイジの知らない女性の姿
バタコ「アンパンマン!新しい顔よっ…!」
ざわ… ざわ…
ざわ… ざわ…
カイジ「な、なんだ、それはっ…!!おい、まさかっ…!」
やっと>>32に繋がるところまで来た…
カレーパンマン「ああ、あれは…」
カイジ「おい、カレーパン!あれ誰だ、新しい顔って何のことだっ…!言えっ…!」
カレーパンマン「彼女はバタコさん…、アンパンマンの顔を取替えに来たんだっ…」
カイジ「か、顔を取り替える…だと…?ふ、ふざけるなっ…!」
カイジ「アンパンマンは顔が乾くまであの状態じゃないのか…?取替え式だったのかっ…!」
カイジ「ふざけるなっ…!くそっ…!あと一歩、あと一歩なんだっ…!邪魔するなよ!」
カイジ「おい、黒服っ…!顔を替えるのはルール違反じゃないのかっ…!?」
黒服「……」
食パンマン「何も言わないってことはルール違反じゃない、でしたよね?」
カイジ「あ、あああ、ああああああっ…!」
バタコ「さて、アンパンマン…、いくわよっ…!!」
バタコ「それっ!」
バタコの手を離れたアンパンは宙を舞う
そして放物線を描き、アンパンマンの元へ
一瞬で顔が入れ替わる
濡れた古い顔は消滅し、新たな顔が取り付けられた
(効果音)
アンパンマン「元気百倍!アンパンマン!」
アンパンマン、ギリギリの所でバタコに助けられる
顔を入れ替えることで、思考力、判断力が元に戻った
これは、カイジたちにとっては大きな痛手
カレーパンマン「くそっ…もう少しだったのに…!」
カイジ「(ま、まだだっ…!まだ入れ替えに気づくとは限らない…!)」
が……ダメっ…!
アンパンマン…まさかの元気100倍アンパンチっ…!
つい何時もの癖で繰り出してしまったっ…!
カイジ圧倒的死亡っ…!
アンパンマン痛恨の失格っ…!
アンパンマン「ふふふ。悪いね、カイジ君、待たせちゃって…」
カイジ「……っ!」ざわ…
背筋を走る悪寒、冷や汗がダラダラと流れ出る
状況はまだカイジに有利なはず
しかし、カイジは本能的に悟った
『この賭けには勝てない』
勝利のため、必死に心を奮い立たせようとする
だが、既にカイジの心は砕け散る寸前だった――
カイジ「(負けるっ…!負けるっ…!終わりだっ…!破滅だっ…!)」
カイジ「(くそっ…駄目だ、そんなこと考えるなっ…!けれども…!)」
アンパンマン「どうしたんだい、カイジ君?顔色が良くないな?さっきまでの余裕はどうしたんだい?」
カイジ「うるさいっ…!黙れっ…!殺すぞっ…!」
アンパンマン「おぉ怖いねぇ。じゃあ、さっきの続き始めようか」
アンパンマン、再びトランプに手を伸ばす
それは先ほど開こうとした『スペードの10』
カイジ「(よし、開けっ…!そのまま開いてしまえっ…!!)」
しかし、その手も直前で止まる
アンパンマン「おいおい、そんな顔で睨まないでくれよ」
カイジ「黙れっ…!さっさとそのトランプを開けっ…!」
アンパンマン「ん?カイジ君、焦ってない…?」
カイジ「いいから引けっ…!」
アンパンマン「さっきまでと明らかに態度が異なるよね…おかしいな?」
アンパンマン「あれ?もしかして、カイジ君……、トランプ入れ替えた?」
カイジ「……っ!」
ざわ… ざわ…
圧倒的眠気っ…!それが思考を強制的に停止させる…!
カレーは気付いたっ…!
まだ逆転は可能だと…!
何故なら今のアンパンマンはカイジに集中している…
つまり俺は空気だとっ…!
この隙に食パンマンがペットボトルをわざとこぼしたようにカレーを吹き出せばっ…!
やれるっ…!
出来るっ…!
俺はかけれるんだっ…!
アンパンマンがカイジとの会話に集中している今がチャンス…!
行けっ…!
アンパンマンを超えろっ…!
俺は今日から主人公だっ!
食らえ…!
ブッゥゥゥッッ-!
一直線にカレーがアンパンマンに向かう…
奴はまだ気付かない…!勝ったっ…!
ビシャッ…!
カレー「なっ…何だとぉ…!」
カレーパンマン驚愕っ…!
まさに思考の範囲外の出来事…!
ここに来て食パンが身代わりにカレーを受けたっ…!
カレー「ばっ…馬鹿野郎っ…! な…何やってやがるっ…!」
食パン「ふふ… い…意外でしたか…? しかし…落ちぶれたとは言え……私にもプライドが有るっ…! 1人では落ちないっ…! お前たちも道連れだっ…!」
カレー「ぐぅっ…! 貴様っ…貴様ぁっ…! 中身も無い分際でよくもっ…!」
カレーパンマンの起死回生の一手破れる…
アンパンマンにバレた今は二度とカレーはかけれない…!
もう終わりだ…
??「…まだだっ!」
カレーパンマンが諦めかけた瞬間…!
まさにアンパンマンの一瞬の気の緩みを付いて反対から液体が飛んできたっ…!
ビシャッ…!
アンパンマン「がっ…! な…なんだとぉっ…! だ……だれ…だ…?」
バタコの後ろ…
扉から1人の人物が現れたっ…!
??「ハッヒフッヘホーw」
カレー「バッ…バイキンマンっ…!」
まさにカイジを除いた一同は驚愕っ…!
まさかのバイキンマンがアンパンマンに痛恨の一撃を決めるっ…!
既に状況は変わったっ…!
今、このスレを支配してるは、ID:O1WHw1pxOっ…!
・前回のあらすじ
アンパンマン復活
カイジ、入れ替えがばれて大ピンチ!
アンパンマン「あ!その反応は図星だな!だから、このトランプを早く開かせたいんだね?」
アンパンマン「残念だったね。でも、よく考えれば気づけるんだ、入れ替えの可能性に」
アンパンマン「3回目のチャレンジの前の、君とカレーパンマンの密談」
アンパンマン「その後の不自然なトランプの選び方と『ダイヤのJ』を引いた時のカレーパンマンの反応」
アンパンマン「カレーパンマンの三回目のチャレンジの不自然なトランプの選び方」
アンパンマン「賭けを持ち出した時の僕への挑発」
アンパンマン「そして、極めつけが今の君の態度。全てを繋げて導き出される可能性は一つ…」
カイジ「あ、ああっ…」ざわ…ざわ…
アンパンマン「『ダイヤのA』の入れ替えだっ…!」
≪VIPルーム≫
?「うんうん、これでいい…。これでこそアンパンマンだ…」
?「逆に絶体絶命だな、カイジ。さて、彼がここからどう逆転するか見物だな…くくく」
カイジの命、風前の灯火
掴んだはずの生還への道
最早それもアンパンマンが一吹きすれば、儚く消える
アンパンマン「共犯のカレーパンマンが入れ替えるとすれば『スペードの10』だね」
カイジ「(もう、駄目だ…、もう終わりだ…)」ざわ…
アンパンマン「何も言い返せないようだね、んふふふ」
アンパンマン「しかし、一秒でもバタコさんが来るのが遅かったら君の勝ちだった」
アンパンマン「それに敬意を表して、一つ提案がある…」
カイジ「て、提案だと…?」
ざわ… ざわ…
アンパンマン「この賭け、無かった事にしてやってもいい。ただし、ある事をすればだけどね…」
カイジ「ある事…」
アンパンマン「簡単さ。ここで土下座するんだっ…!そして敗北を自分の認めろ…!」
ざわ… ざわ…
食パンマン「ば…馬鹿なっ…! 何故…お前がここに居…るっ…!」
バイキン「クク… 同じさ… バタコがここに居るのは何故だ…? 連れてこられたんだよっ! アンパンマンっ! お前に受けた数々の屈辱っ…! 今こそはらしてやるぅ~!」
アンパンマン食パンマンに圧倒的絶望感がのし掛かる…
もはや両者ともに力は半減以下…
カイジカレーパンに抵抗する事もままならないっ…!
カイジはこの隙を見逃さなかった…!
まさに一瞬の早業っ…!
すり替えなどとは比べ物にならない大業を決めるっ…!
アンパンマン「ぐ…がぁっ…! まだ…だっ…! まだ俺には圧倒的なカードが……あ…有るっ…!」
カイジ「ど、土下座だとっ…!」
カイジ「(こいつ…!ふ、ふざけるなっ…!何様のつもりだ、アンパンっ!)」
アンパンマン「一回の土下座が400万だ、こんなにいい話はないと思うけど」
カイジ「だ、黙れっ…」
アンパンマン「プライドが金になるのか?そんなガラクタ捨ててしまえ、カイジ!」
カイジ「黙れっ…!黙れっ…!!うっ…うっ…」
アンパンマン「おいおい、何泣いてるんだよ…。何も熱された鉄板の上で土下座しろって言ってるわけじゃないんだ」
カイジ「黙れっ…!うっ…、だ、誰がするかっ…!トランプは入れ替えてないんだっ…!うっ…」
カイジ「(うっ…ううっ…。止まれ、涙!まだ終わってない…、まだ負けじゃないんだ…!だから泣くなっ…!諦めるなっ…!)」
アンパンマン「やれやれ、交渉決裂か…。僕だって確実にAのペアを作って、このゲーム終わらせたいんだけどな…」
お!
>>1が来たし終わりw
カイジの泣き声が部屋中に響く
誰もが哀れみの視線を彼に向けていた
その時、傍観していたカレーパンマンが、動く――
カレーパンマン「アンパンマン、取引だっ…!」
アンパンマン「何?」
カレーパンマン「今、確実にAのペアを作りたいって言ったよな。だった、俺が『ダイヤのA』の位置を教えてやる…」
ざわ… ざわ…
カイジ「あぁ…?おい、何言ってるんだ、カレーパン…」
カレーパンマン「取引だっ…!トランプ1枚で『ダイヤのA』の位置を教えるっ…!これで確実だっ…!」
カイジ「い、いい加減しろっ…!貴様、ふざけるなっ…!カレーパンっ…!!」
カレーパンマン「お前が悪いんだぜ、カイジ。大人しく土下座しておけば良かったんだ…」
カイジ「裏切るのかっ…!俺をっ…!」
カレーパンマン「すまない、カイジ。やっぱり俺はアンパンマンを裏切れない…」
カイジ「うっ…ううっ…、やめろ、謝るなっ…!謝るな、カレーパンマンっ…!ううっ…」
カイジ、言葉にならない
死の瀬戸際
まさかの裏切りをしたカレーパンマンより
他人を簡単に信用してしまった自分を責める
あまりに遅すぎる後悔
カレーパンマン「そういうわけだ。どうするアンパンマン…。」
アンパンマン「僕が『ダイヤのA』を引けば、ペア成立と賭けの勝利で4枚手に入る…」
カレーパンマン「半分の2枚よこせとは言わない…。1枚でいいんだ、安いもんだろっ…」
アンパンマン「……ふん。まぁ、いいだろう…」
カイジ「やめろ…、やめろっ…!考え直せっ…」
カイジの声、既にカレーパンマンには届かない
アンパンマン「どれだ?」
カレーパンマン「先にトランプを1枚貰う」
アンパンマン「なぜだ?」
カレーパンマン「いや、気持ちの問題だ…」
アンパンマン、疑問に思いながらも、獲得していたトランプを1枚カレーパンマンに渡す
アンパンマン「さぁ、どれだ?教えてくれ」
ゆっくりと一枚のトランプを指差すカレーパンマン
カイジ、嘘を教える可能性に一縷の望みを賭けた
がしかし、わずかな期待もあっさり砕け散る
非常にもカレーパンマンが差したのは本物の『ダイヤのA』だった
この時点でカイジの勝利は絶望的
カイジ「(ううっ…、もう、終わりだ……)」
アンパンマン「ふふふ、これで僕の勝利は確実だっ……!!」
カレーパンマン「これで俺の儲けは300万。300万だぜ、カイジ…!」
カイジ「うるさいっ…!黙れっ…!ううっ…くそっ…」
カレーパンマン「泣いてないで、生還する方法を考えたらどうだ?」
食パンマン「ふふふ、無理ですよ、カレーパンマン。もうカイジ君に助かる方法なんてない…」
カレーパンマン「ふん、捨てればよかったんだ…、プライドとか、邪魔な物は全て…」
カイジ「だ、黙れっ…」
カイジ「(考えろだと…?ふざけるな、もう手なんて残ってない…!俺は借金を抱えて堕ちるだけ……)」
諦めかけたその時、カイジの脳裏に一つの言葉が木霊する――
ざわ… ざわ…
アンパンマン「さあ、ゲームを再開しよう、カイジ君」
場にいる誰もがアンパンマンの勝利を確信していた
だから誰一人気づかない、いや気づけない、カイジの一か八かの計画に
絶体絶命のカイジに噛み付く牙すらないと確信していた
全員がすでにゲームの終わりを見ていた
支配する安堵感、そしてカイジに向けられる蔑みと哀れみの入り混じった視線
彼らの目に映るのは項垂れた敗者の姿
アンパンマン「これで終わりだっ…!」
アンパンマンはフィールドに残されたトランプに手を伸ばし、裏返す
アンパンマンの一回目のチャレンジ、その二枚目
現れたトランプ、それは当然『ダイヤのA』
ペア成立、そしてこの瞬間、カイジの敗北が決定した
アンパンマン「ふははは、カイジ!僕の勝ちだっ……!!」
カイジ「あ、あああ、ああああああっ……!」
ついに、『限定神経衰弱』終了
場に残されたペアにならない2枚のトランプは回収され
二時間に及ぶ心理戦はカイジの敗北で幕を下ろす
そして、黒服によるトランプの買取が始まる
ここで初めてトランプ1枚が200万円に替わる
参加費2000万円を支払うには最低10枚のトランプが必要
賭けの結果、カイジの手元に残ったのは9枚
足りない
更にジョーカーによるペナルティーで借金は増える
黒服「買取をはじめよう……」
まずは食パンマンが立ち上がる
獲得したトランプは2枚、ジョーカーによるペナルティーは100万
よって受け取った金額は300万
当然、参加費の2000万は払えず、最終結果『-1700万円』
しかしゲーム途中のアンパンマンに対する非道な行為
当然誰一人彼に同情しない
次に、カレーパンマンが動く
獲得したトランプは12枚、ジョーカーによるペナルティーは100万
よって受け取った金額は2300万
参加費2000万円を支払い、最終結果『+300万円』
その後にカイジが立ち上がった
敗北直後の悲壮感を漂わせながら、ふらりふらりと黒服に近づきトランプを渡す
食パンマン「(トランプが9枚で1800万、ペナルティーでマイナス600万、計1200万。)」
アンパンマン「(借金は800万か。くくく、可哀想に……)」
瞬間、アンパンマンの脳裏を掠めてた一抹の不安
この時気づけばカイジの計画を潰すことが出来たかもしれない
だがしかし、アンパンマンの内にある僅かな驕り、それが判断を鈍らせた
濡れた顔を捨て、バタコの投げる新しい顔を得る、元気100倍
『必勝パターン』『勝利の方程式』『約束された栄光』
幾度となく繰り返されたこの展開で負けるはずがないという驕り
しかし、その『必勝パターン』が仇となった
アンパンマンの内に潜む隙を、針の穴ほどの小さな隙間をカイジは見逃さなかった――
カイジ「…………んふふ、くくくくっ……」
カイジ「あはははははっ…!」
アンパンマン「(笑っている…?多額の借金に頭がおかしくなったか…)」ざわ…
カイジ「おい、アンパン…。お前、今俺のこと可哀想だと思っただろ…」
カイジ「800万もの借金を抱えることになって可哀想だと思ったろ…」
カイジ「だから、お前は甘いって言うんだっ…。頭が新しくなっても、所詮中身は餡子だからなっ…!」
アンパンマン「つ、強がるな、本当のことだ…」
カイジ「ふん、本当に可哀想なのはお前の頭だっ、アンパンっ……!」
アンパンマン「なんだと…!」ざわ…
カイジ「おい、黒服っ…!言えっ…!俺の受け取る金は幾らだっ…!」
黒服「トランプが9枚で1800万、そこからジョーカーによるペナルティーを差し引くと……」
黒服「1700万だ」
アンパンマン「な、なんだと…?」
ざわ… ざわ…
カレーパンマン「やれやれ、どうやら伝わってたみたいだな…」
カイジ「ああ、カレーパンマンの『邪魔な物は捨てろ』というメッセージのおかげだ…!」
アンパンマン「じ、邪魔なもの…?ま、まさか、貴様っ…!!」ざわ…
アンパンマンは慌てて自らのトランプを確認する
その数取りも取ったり23枚、断トツの獲得枚数
賭けに勝利した時点で、アンパンマンは満たされてしまった
やはり『必勝パターン』で負けるはずがないという、自負と驕り
それが生み出した僅かな死角に、カイジは忍ばせた
賭けに敗北したカイジが差し出した2枚のトランプ
一枚目には数字の描かれたトランプを、隠すようにその下に重ねてもう1枚
アンパンマン「ああっ…!じ、じ、ジョーカーだとっ…!?」
普通なら気づくであろう、この奇策
だが、アンパンマンは気づかなかった
カイジとの賭けに勝った時点で、彼の中でゲームは終わっていたのだ
しかし、カイジ最後の瞬間まで戦いきった
トランプを売買が完了するまで、敗者を装った
その姿に満足したアンパンマンは差し出されたトランプを確認しない
まさか配られたパンの中に、こんなナイフが隠されているとは思いもしないかった
アンパンマン「ふ、ふざけるなっ…!馬鹿にしやがって…!こんなアホみたいな小細工っ…!」
カイジ「そのアホみたいな小細工に気づかないお前が悪い…」
ジョーカーのルールでは、ゲーム終了時、手元にジョーカーを持っていたらペナルティー500万
だが、既にカイジの手元にそれは無い
当然、ペナルティーは場にジョーカーを戻した時の100万だけ
したがって、カイジの獲得金額1700万
黒服「残念だが、参加費の2000万には届かない。借金300万だ」
カイジ「そ、それは…」
カレーパンマン「待ってくれ!ここに300万あるっ…!それでチャラだっ…!」
カイジ「で、でも本当に、いいのか?それはお前の金だぞ…」
カレーパンマン「ああ、いいんだっ!受け取ってくれっ…!」
カイジ「あ、ありがとう…!ありがとう…!うっ…うっ…」
カレーパンマン「泣くなっ…!これは俺たちが協力して得た金だっ…!二人の金だろっ…!」
カイジ「ありがとう…ありがとう…」
カレーパンマンの裏切り、それはこの時のためだった
例えカイジがジョーカーのことに気づいても1700万
この時カレーパンマンが持っていたのは2100万円分のトランプ、
100万渡しても、200万足りずに借金が残る
どうしてもカレーパンマンは200万、トランプ1枚手に入れなければいけなかった
あの状況、カイジが勝つ可能性は0だったと言っていいだろう
放っておいてもカイジは負ける
だったら、『ダイヤのA』の場所を教えてでもトランプ1枚得る方が得策と考えた
そして、カイジはカレーパンマンの一言で『ジョーカー渡し』に気づいたのだ
カレーパンマンの作戦、見事成功
獲得したトランプは23枚、ジョーカーによるペナルティー500万
参加費2000万を払い、アンパンマン最終結果『+2100万』
しかし、彼にはまだ10億近い借金が残されているらしい
カイジ最終結果『+-0円』
幾度となく窮地に追い込まれたものの
カイジ無事生還
≪VIPルーム≫
?「ふふふ、見事だ、伊藤カイジ…。まさか、あの状況から息を吹き返すとは…」
?「しかし、喜ぶのはまだ早いぞ。これで全てが終わったわけじゃない…」
黒服「カバオ様、間もなく港に到着します…」
カバオ「そうか、分かった…」
カバオ「くくく。さて、次はどんな面白いゲームを見られるか、今から楽しみだ…!」
こうして豪華客船『ヒポポタマス号』での、カイジたちの長い長い一夜が終わった――
賭博黙示録アンパンマン 第一部 『アンパンマンと限定神経衰弱』 完
何か色々ごめんなさい
行き当たりばったりなんで、矛盾が多いと思うけどそこはスルーで
最後まで読んでくださった皆さん、保守してくださった皆さん
本当にありがとうございました
そして>>1さん、勝手にSSスレにしてしまってごめんなさい
みんな、ありがとう!
カイジ詳しくないのに、書ききった甲斐があったよ…ううっ…!
続きは考えてないけど書いてみたいなぁ
決めた、これ漫画にする。
10日時間をくれ
>>692
頑張ってくれwwww
顔が汚れたらかえればいい
バイ菌とはこういう発想が一番危ない
手を洗わなければまさに食中毒
ましてやアンパン以外でアンパンマンが成り立つ などという読みは
まさに泥沼
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いくつか気になることが…
>>734
気にしたら負けだぞ☆
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