やはり俺の体育祭はまちがっている (30)
本編では描かれなかった体育祭のお話です。
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体育祭──俺は体育祭が嫌いだ。説明いる?いらないよね。 あえて説明するなら暑いし疲れるし暑苦しい。一行で説明が終 わってしまった。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[]2013/03/20(水) 19:18:36.77 ID:lYrWkZon0 まあ、なに?要するに赤の他人と肩組んだり足結んだり一緒に 走ったり跳んだりとか無理でしょ?って話だ。何がヤバイってク ラスメイトを赤の他人と認識している俺のコミュ力。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[]2013/03/20(水) 19:27:48.90 ID:d4ds5M2d0 そんなわけで先月文化祭を終えた我が総武高校でも体育祭が開催 される。
もちろん準備は万全だ。いつもはクラス内での発言力のなさか ら、こういった行事ごとには参加しない(意志)俺だが体育祭だ けは話が違う。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[]2013/03/20(水) 20:16:22.81 ID:JxlVma0K0 パン食い競争。80メートル走。障害物競争。完璧だ……。
クラス長の「好きな競技3つ選んでねー」の声と同時にリストか ら誰よりも速く選び抜いたこの3つの競技──実はな、なんとなん と驚くべきことに全て個人競技なんだぜ!これで最後まで俺と二 人三脚を組む女子が決まらなくてクラスの友情にひびが入った り、綱引きで俺のまわりに不可思議なデッドスペースができた り、しなくて済む。つまり俺がこのクラスの和を守ってやったの だ。……ハア…
それにしても俺が疾風のごとく黒板にこの競技の下に名前を書き に行ったときのクラスの呆気にとられた表情と言っとたら!全く クックク傑作だったぜ! 続いて聞こえ 「ヒキタニ(笑) 「あ?文化祭でやらかしちゃったらねーはりきってんじゃない? www」 「きもwww」 といった声は
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[]2013/03/20(水) 20:23:28.08 ID:Z otLNGm0 聞こえなかったしなんなら俺のしるかぎりだとクラスにヒキタニ 君という子はいないはず。他のクラスの話かな?とにかく俺に関 係ない話のは確かだな。うん。
まあそんな感じで俺は今だ仲良し同士でなにをやるかだの、だる いだのなんだかんだくっちゃべってるクラスを尻目に机に伏せ、 今年もやってくる体育祭に憂鬱な気分になりながら眠りに落ちて いった。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[]2013/03/20(水) 20:54:33.90 ID:kaHC6Yji0 あちぃ……ここ無駄に暑いんだよなーこんなに暑かったら目腐っ ちゃうよなーはははーとか考えてニヤニヤしていると横から喧し い声が聞こえる
由比ヶ浜「ちょっと!ヒッキー!そこ点数変えてってば!ってか なに一人でニヤニヤしてんの?きもいんだけど」
八幡「きもくないですーきもいっていうほうがきもいんですー」
と俺が超ムカつく小学生風の口答えをしていると、心底俺を蔑む 極寒の視線を感じる。
雪乃「速くしなさい。ゴミガヤ君。それとも点数計算できない の?足し算できないのかしら?」
八幡「僕の名前はゴミガヤじゃありませんー僕の名前は「早くし て。」
雪ノ下には愛くるしい小学生風の口答えは通用しなかった。こい つ子供とか嫌いそうだもんなーそういう問題ではなかった。これ 以上うざい行動をとりつづけると雪ノ下になにをされるかわから ないのでおとなしくいうことを聞くことにする。 ふむ……青の128点に57点追加か。ピタリと手がとまる。 八幡「なあ由比ヶ浜ー128+57っていくつかわかるか?」 由比ヶ浜「はあ?馬鹿にすんなし!ちょっと待って!ぇぇと…8 +7で…ぇと…」 雪ノ下「185よ。」 由比ヶ浜「おお!さすがゆきのん!計算はやーい
乱立してすみません。前の板に書き込もうと思っても書き込めなくなりました。原因が解る人は教えてください。
八幡「いやいやこの程度の足し算で指使っちゃうお前の方がヤバイよ…」
雪乃「由比ヶ浜さんにわざわざ聞いたということはあなたも暗算できなかったんでしょ?」
げげっ!!雪ノ下さんエスパー!?バレバレだった。ちなみに私立文系の俺は2桁同士以上の計算は筆算使わないとできない。私立文系なんだもん仕方がない。
平塚先生「何をしとるんだ君たちは…」
そういって近づいて来たのは我らが奉仕部の顧問、いきおくれアラサー日本代表平塚静香先生だった。そしておもむろに平塚先生は俺を殴った。
八幡「ぐはっっ!?なぜ俺は殴られたんですか!?」
平塚先生「いきおくれ……アラサー……いきおくry」
八幡「わあああああああああ!!!!ごごごごめんなさい!!」
驚くべきことに平塚先生もエスパーだったようだ。ただし「結婚」というワードのみに関してだが。
八幡「まあ、楽な仕事だからいいんだけどなーここモロに日が当たってくそ暑いんだよな。」
平塚先生「まあ、そういうな。うちの部は人数が少ないからーって言ってこんな楽な仕事持ってきてやったんだから。それにクラスの所にいなくてすむんだから君にとってはありがたい話だろう?」
八幡「まあここにいたらいたで雪ノ下にいじめられるんですけどねー」
雪乃「あなたがさっさとしないからじゃない。まあ自分が糾弾されるべき存在だと認識していることだけは誉めてあげるわ。」
由比ヶ浜「まあまあ。あたしはこういう行事とかゆきのんと一緒にいられて楽しいよ?」
雪乃「……そう…」ポッ
由比ヶ浜「うん!」
今日も雪ノ下攻略に余念のない由比ヶ浜だった。このまま雪ノ下の好感度をあげ続けたら2人はトゥルーエンドまで行ってしまうのではないかと気が気でない。
それにしても暑い…そう思い、お茶が入った水筒を…あれ?
八幡「あっやべぇ…水筒教室に忘れてきた…」
しょうがない面倒くさいが取りに行くか…
平塚先生「引企谷!今日は教室には入れないぞ。防犯のために閉会式まで玄関には鍵がかけてあるからな」
八幡「マジっすか!?」
困ったな…財布も教室のロッカーの中にいれてあるから自販機も使えない。
平塚先生「ふう…仕方がない。わたしの飲み物を分けてやろう。ほれ」
平塚先生が放り投げた容器をパシッと受けとる。
「ウコンのカ」
八幡「……」
平塚先生「どうしたんだ?それ以外とイケるぞ?」
それはあんたがラーメンとお酒と仲が良すぎるからだよとは言えなかった。てかお酒呑むんなら頼むから誰かと楽しんでくれよ……誰か…貰ってあげてくれよぉ!!ぐすっ……
八幡「……ありがとうございます…。」
平塚先生「ああ!じゃあ、しっかりやるんだぞー」
そういって平塚先生は俺を悲しくさせるだけさせると本部に戻っていった。
由比ヶ浜「なにヒッキー飲み物忘れたの?じゃあ一口あげよっか?」
そう言うと由比ヶ浜は手元に置いた細身のピンクの水筒を俺に手渡す。
八幡「え?あ、いや、ぇと…あ!やっぱそんなに喉渇いてなかったわ!」
由比ヶ浜「へ?別に遠慮しなくてもいいよ?中身只のお茶なんだし」
八幡「あーいやそうじゃなくてー」
ほら、その水筒あなたも使うわけでしょう?とまで言わなくても由比ヶ浜には伝わったようで、顔を真っ赤にする。
由比ヶ浜「あっ!あーそうだね!ご、ごめん」
八幡「お、おう……」
雪乃「全く……なにを頭の悪いことをやっているの?これあげるからさっさと点数変えて頂戴」
八幡「へ?」
差し出されたのは、シルバーのシンプルな水筒だった。急なことにキョドる俺に雪ノ下は冷ややかな視線を向ける。
雪乃「口なら付けてないわよ?念のために2本持ってきたから一本あげるわ。洗って返してくれればいいから。」
八幡「お、おうサンキュー……助かったわ」
雪乃「べつにいいけど…」プイッ
由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー?足りなくなったらあげるからね?あたし、か、かかか間接とか別にき、気にしないタイプだからっ」
八幡「え!?あ、おう。あっそろそろ障害物競争始まるから俺行くわ!」
由比ヶ浜「ヒッキー障害物でるの?あ、じゃあ応援しに行くよ。」
八幡「いい。いらん。やめろ。」
由比ヶ浜「即答で拒絶された!しかも3回!」
八幡「やめろよ?」
由比ヶ浜「はいはい分かったってば」
八幡「じゃあちょっと行ってくるからここ頼むわ」タタッ
由比ヶ浜「」ニヤ
雪乃「?」
由比ヶ浜「さ?てゆきのん!障害物見に行こ!」
雪乃「今行かないって言ったじゃない…」
由比ヶ浜「あんなの嘘に決まってんじゃん!ヒッキーと言い合いすんの面倒くさいし!」
雪乃「そんなに引企谷君見に行きたいの?変わった趣味ね。」
由比ヶ浜「ち、違っ違くて、ほら、あのヒッキーがだよ?走ったり跳んだりするんだよ?ちょっと想像つかないじゃん!おもしろそうじゃん!」
他スレで宣伝はマナー違反なんですね。すいません。
色々教えてくれてありがとうございます。
とりあえず今日はしばらく更新続けるつもりなんでよろしくお願いします。
雪乃「いや、でもここの仕事やらなければいけないし……」
平塚先生「行ってこればいいじゃないか」ヌッ
由比ヶ浜「先生!?いつの間に?」
平塚先生「え?ああ、しょうがないから引企谷に飲み物買う金でも貸してやろうかと思って戻って来たんだが……必要なかったみたいだな!」ニマッ
雪乃・由比ヶ浜「」カアッ
平塚先生「ふふっ。それでな、少しの間なら私がやっといてやるから行ってきていいぞ?」
由比ヶ浜「えっ本当ですか!?ほら、ゆきのん!行こうよ!」
雪乃「…っ……では、お願いします。」
平塚先生「ああ♪行ってこい!」
─────
八幡(はあ…面倒くせぇ)
そろそろ前の競技も終盤に入ったらしく、次はいよいよ俺が参加する障害物競争である。
体育祭の障害物競争といえば中学2年のときそこそこ運動に自信のある俺が、当時少し気になっていたかおりちゃんが障害物競争のゴールテープの係りだという情報をゲットした途端いいところを見せようと俄然やる気になったものの、結局運悪く隣り合わせた陸上部のイケメンエースに無残に敗れ去った思い出である。
くそ!走る前に思い出すんじゃなかったぜ!
材木座「ぬ?八幡ではないか。ふははこんなところで会うとは、これも大いなる天命の導きか」
八幡「」フッ
材木座「え?なに?我、なんかおかしかった?急に登場したのに突っ込んでくれぬと我、寂しい……」
八幡「ああ。悪い。ちょっと思い出さなくてもいいことを思い出しててな。俺より黒歴史も多そうなお前を見たら安心しちまってな。ははは」
材木座「くっ…まあいい。確かに体育祭などという催しはトラウマの多発地帯。しかし今年は隣を走るのが八幡か…勝てる…デュフwww」
八幡「いやお前。俺は普通に運動できるほうだからな?走って跳べる引きこもりだからな」
材木座「運動のできる引きこもり?プヒュルーwww八幡ラノベの読みすぎとちゃいますん?www本当にウケry」
???「お?引企谷も障害物競争なのか。
ワンツーフィニッシュで決めて、赤組に貢献しようぜ」ニカッ
あまり材木座がムカつくので殴り倒してやろうかと思っていたところに現れたのは生けるイケメンリア充最終進化形態・葉山隼人だった。どうやらこいつも一緒の走順のようだ。
しかし先日の文化祭での俺と衝突したばかりなのに、なにごともなかったかのように話しかけてくる葉山は少し気味が悪かった。
それはさておき、葉山と俺は同じクラスであるので、当然体育祭のチームも同じ赤組である。だから一緒に頑張ろうぜということが言いたいらしい。
しかしそのとき、中学のときに障害物競争で俺を抜き去っていったあの陸上部イケメンエースの顔が葉山とダブった。
いやいやいやいや、いかに俺がリア充に怨み多い人生を送ってきたとはいえ、無関係の葉山を突っぱねるような大人げないことはしない。俺は人間ができているのだ。
八幡「お、おう。ぎゃ、頑張ろうぜ…」
噛んだ。いかんいかん。葉山のオーラについ押されてしまった。しかし葉山のキシリトールオーラは本当に強力なようで、さっきから我らが剣豪将軍材木座義輝様は、砂を弄っておられるようで何もお話しにならない。
葉山「おう!」
─────
由比ヶ浜「あ、ゆきのん!ここならみえるんじゃない?ゴールのすぐ近くだし」
雪乃「そうね…引企谷くんが惨めに敗れ去る様子がしっかり見られそうね」
???「あれ?雪乃さんに結衣さんじゃないですかー」
由比ヶ浜「あ!小町ちゃん!!」
雪乃「あら、お久し振りね」
小町「お久し振りです?今日は特に予定もないので兄の必死な様子でもこっそり見てやろうかと思ってきたんですよ?
ね?お父さん?」
雪乃・由比ヶ浜「お、お父さん!!?」
比企谷父「」ペコリ
小町「ほら、お父さん!お兄ちゃんと仲良くしてくれてる、由比ヶ浜さんと、雪ノ下さんだよ!2人ともきれいでしょ??」
比企谷父「!!?」プルプル……ダッ!!!!
由比ヶ浜「行っちゃった……」
雪乃「どうなさったのかしら?」
小町「あーなんか息子が女の子と仲良くやっているっていうのが悔しかったんですかね?ほら、二人とも美人だから!
帰ったらねちねち嫌がらせされるんだろーなあお兄ちゃん。」
由比ヶ浜「ヒッキーのお父さん…ちゃんと挨拶したかったな……」
雪乃「か、変わったお父様ね…。さすが比企谷くんのお父様だわ…」
小町「まあまたうちにでも遊びにきてくださいよ両親がいるときに!」
由比ヶ浜「うん!ゆきのんも行こうね!」
・・・・・
雪乃「ま、まあ小町さんのお家でもある
・・・・・
のだしね。小町さんのお家に遊びに行かせて貰うのも良いわね。ち
小町「はいはい?お待ちしております?」(ふふふなんと言おうとお家に呼ぶという既成事実がだいじなんですよー)ニヤッにでも」
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