唯「ハァチィ」(732)
ジャカジャカジャーン♪
澪「うん、イイ感じだ」
律「うん」
唯「疲れたから今日の練習はこれくらいにしようよー」
澪「しょうがない奴だな…」
紬「でも、今日はたくさん練習したし…」
澪「じゃあ、帰るか」
唯「わんおわんお!」
憂「お姉ちゃん……」
―帰り道―
澪「じゃあな、唯」
律「じゃあなー」
紬「さようなら唯ちゃん」
唯「うん、みんなバイバイ」
唯「はぁー、ここからは1人なんだよねぇ…」
唯「練習終りはクタクタだよ…」
グー、ギュルル
唯「お腹すいたなー、早く帰って憂の作った夕飯食べたい」
ワンワン!
唯「ん?」
唯「わぁー、子犬だ~」
犬「ワンワン!」
唯「かわいいー♪」ナデナデ
犬「ワフッ」
唯「えへへ、気持ちいい?」
唯「モフモフしてて気持ちいいねー」ナデナデ
犬「ワン!」
唯「君どこから来たの?」
犬「?」
唯「なんて、犬に聞いても分かんないか…」
唯「首輪はしてるから、誰かが飼ってるってことだとね」
犬「ワン!」
唯「名前はなんていうのかな…?」
唯「あっ、首輪に書いてあるかも」
モゾモゾ
唯「えーっと……」
唯「ハチ?」
犬「ワン!」
唯「ハチ、かー」
唯「いい名前だね」
ハチ「ワン!」
唯「飼い主さんとはぐれちゃったのかな?」
ハチ「クゥーン…」
唯「そっか……」
唯「よし、ここで一緒に待っててあげる」
犬「?」
唯「よっこらせっと」ペタンッ
唯「すぐ来てくれるといいね」
ハチ「ワン!」
―1時間経過―
唯「来ないねー」
ハチ「フーン…」
唯「今何時かな?」
唯「あっ、もうこんな時間……」
ハチ「……」
唯(憂、心配してるだろうなぁ…)
唯「ねぇ、私の家に来ない?」
ハチ「ワフッ?」
唯「ここは寒いからさ」
唯「私の家暖かいよー」
ハチ「ワン!」
唯「よし、行こっか」
唯「抱っこするね」ギュッ
唯「子犬って温かい……」
ハチ「ワン!」ペロペロ
唯「うわー、くすぐったいから舐めないで~」
ハチ「ワン!」
―平沢家―
憂「お姉ちゃん遅いな~…」
憂「料理冷めちゃうよ」
ガチャッ
唯「ただいまー」
憂「あっ、帰ってきた」
憂「お帰り、遅かったね」
憂「って、え?」
唯「えへへ、かわいでしょ?」
憂「どうしたの、その犬?」
唯「迷子になってたみたいだから、連れてきちゃった」
憂「へぇー……」
唯「でね、飼い主を捜す間ウチで飼いたいと思うんだけど」
唯「ダメかな?」
憂「うーん……」
唯「飼い主が見つかるまでいいでしょ?」
憂「しょうがないなー、いいよ」
唯「やったー! よかったね、ハチ」
ハチ「ワン!」
憂「こんな寒い日に外にいたら死んじゃうからね」
唯「ありがとー、ういー」
憂「とりあえず、ご飯にしようよ」
唯「うん!」ニコニコ
―リビング―
唯「やっぱ憂の作った料理はおいしいよー」
憂「おかわりあるからいっぱい食べてね」
ハチ「ワン!」
唯「あっ、忘れてた…ごめんね」
唯「憂、子犬って何食べるのかな?」
憂「えっと、犬の餌なんてないし…どうしよう」
唯「牛乳でいいんじゃないかな?」
憂「でも牛乳はあまりやらないほうがいいって聞いたことあるよ?」
唯「う~ん……」
唯「あっ、ご飯にお味噌汁かけたのをあげよう」
ハチ「ワフ?」
憂「えー…」
唯「テレビで見たことあるよ」
ザーッ
憂「行儀悪いなぁ…」
唯「昔の犬はこういうの食べてたんだって」
唯「はい、お食べ」
ハチ「クゥーン」クンクン
唯「食べてみな」
ハチ「……」クンクン
ハチ「ワフッ」ペロッ……
唯「おいしい?」
ハチ「ワン!」むしゃむしゃ♪
唯「おいしいかー、よかったねー」
憂「明日ちゃんと子犬用の餌買ってこなきゃだね」
ハチ「ハグハグッ」
唯「よく食べるな~」
憂「お腹すいてたんだね」
ハチ「フゥ……」
唯「もう食べ終わっちゃった」
ハチ「クワァーッ」ウトウト……
唯「あはは、あくびして眠いみたいだね」
憂「寝床はタオルでいいかな?」
唯「うん」
憂「持ってくるね」
ハチ「……」ウトウト
唯「かわいいな~」
唯「そうだ、写真撮ろう」
カシャッ
唯「かわいい……」
ハチ「……」ウトウト
憂「タオル持ってきたよ」
唯「ありがとう、ういー」
憂「このタオルをこのカゴに敷いて……」
憂「どうかな?」
唯「おおー、いいじゃん」
唯「ハチ、おいで」ギュッ
ハチ「?」ウトウト
唯「ハチのベッドだよ」
ハチ「ワン!」
唯「ハチ喜んでるよ、憂」
憂「えへへ、よかった」
唯「ふゎー……私も眠くなってきた……」
憂「もう寝る?」
唯「そうしようかな……」
憂「じゃあ2階行こう」
唯「あっ、今日はここで寝たいな」
憂「ここで?」
唯「うん、犬と寝るの夢だったんだ~」
憂「いいけど…風邪ひかないように気をつけてね?」
唯「うん」
憂「じゃあ、おやすみ」
唯「おやすみ、ういー」
唯「えへへ」ゴロン
ハチ「……」zzz
唯「かわいいな~」
唯「飼い主さん見つからなかったらずっとウチで帰るのかな…?」
唯「でも、ハチは飼い主さんが見つかったほうがいいよね?」
ハチ「……」zzz
唯「まぁ…そのことはあとで考えればいいか…」
唯「もう限界だ~」バタン
唯「おやすみ、ハチ……」
―朝―
憂「お姉ちゃん、朝だよ」
ハチ「ワン!」
唯「んー、もう少しだけ……」ムニャムニャ
憂「もう、ハチのほうがよっぽど早起きだよ」
憂「起きないと朝ごはん抜きだよ?」
唯「……はーい」
―リビング―
唯「やっぱ憂の作るご飯はおいしい♪」
憂「えへへ」
ハチ「ワン!」
唯「おー、ごめんねハチ」
ジャーッ
唯「はいどうぞ」
ハチ「ワンッ!」ハグハグ
憂「すっかり気に入っちゃったみたいだね」
唯「……」ジュルリ
憂「お姉ちゃん?」
唯「えっ?あっ、うんそうだね」
憂「……」
唯「は、早く学校行かないと遅刻するよ~」
憂「うん」
唯「あっ、ハチどうする?」
憂「あっ…」
唯「今日部活もあるしなー…」
憂「私も夕飯の買い物とかあるから帰り遅くなるよ」
唯「わかった、今日は部活休むよ」
憂「いいの?」
唯「うん、私が連れてきたわけだし面倒見ないとね」
唯「ハチ、お留守番できる?」
ハチ「?」
唯「なるべく早く帰ってくるからね」
憂「行こう、お姉ちゃん」
唯「うん…」
唯「すぐ帰るね」
バタンッ
ハチ「……」
―学校―
律「唯おいーっす」
唯「おはよー、律ちゃん」
律「あれ?お前制服に変な毛がついてるぞ」
唯「あぁこれ?」
唯「実は昨日犬を拾ったんだぁー」
律「犬?」
唯「迷子になってたんだー」
律「へー、見てみたいな」
唯「今日ウチ来る?」
律「いいの?」
唯「みんな誘ってさ」
紬「何の話?」
唯「あっ、紬ちゃん」
律「唯が子犬拾ってきたんだってさ」
唯「かわいいんだよ~」
紬「いいわね、子犬」
紬「見に行きたい」
唯「じゃあ、あとは澪ちゃんだけだね」
―澪の教室―
唯「おーい、澪ちゃーん」
澪「なんだよ唯、大きな声出して」
唯「今日ウチ来ない?」
唯「子犬拾ったんだー」
澪「え……?」
唯「モフモフしててかわいいんだよー」
澪「で、でもさ、部活は?」
律「まー、いいじゃん 最近練習ばっかだったし」
澪「…うん」
律「じゃ」
ガラッ
澪(犬……苦手なんだよな…)
澪(でも、子犬って言ってたし…なんとかなるかな)
―唯の教室―
唯(はぁ、早く授業終わんないかなー)
唯(そうだ、帰る途中にペットショップに寄らなきゃ)
―平沢家―
ハチ「フワーッ」プルプル
ハチ「……」
ハチ「……」zzz
―放課後―
唯「やっと終わったー!」
唯「みんなー、行こー」
律紬「おー!」
澪(心配だ……)
すいません、寝ます…
唯志望フラグだと
―平沢家―
ハチ「……」zzz
ガチャッ
唯「ハチー、ただいまー」
ハチ「ワン!」
律紬「おじゃましまーす」
澪「お、おじゃまします」
ハチ「?」
律「うわー、かわいいな~」
唯「でしょでしょー」
紬「秋田犬かしら」
唯「よいしょ」ヒョイ
ハチ「ワフッ」フルフル
律「尻尾振ってるぞ、抱っこされるのが好きみたいだな」
紬「私にも抱かせて」
澪「……」
唯「いいよー、はい」
紬「温かーい」ギュッ
律「ホントだ」ナデナデ
澪(や、やっぱり怖い……)
律「澪も撫でてみろよ」
澪「えっ、いや…私はいいよ…」
律「怖いのか?」
澪「ば、ばか…怖くなんてないよ」
紬「はい、澪ちゃん♪」ズイッ
ハチ「ワンッ」フルフル
澪「な、撫でるだけだろ…できるよ…」
唯「がんばって、澪ちゃん」
澪「よ、よし」
ハチ「ワンッ」
澪「撫でるぞー…」
おそるおそる
ナデナデ
ハチ「クゥーン」
澪「……」ナデナデ
ハチ「ワフッ」
澪「……か、かわいいな」
澪「えへへ」ナデナデ
紬「抱っこしてみる?」
澪「えっ…」
律「がんばれ澪」
唯「大丈夫だよ」
澪「…うん」
紬「はい」
ギュッ
澪「……温かい」
ハチ「ワフッ」
唯(かわいい…)
律「慣れたみたいだな、澪」
澪「うん」
律「じゃぁ、澪が慣れたところで、このバター塗ってみるか」
唯「?」
澪「?」
紬「!」
梓「!」
さわ子「!」
憂「?」
和「?」
聡「!」
澪「えへへ」ナデナデ
ハチ「ワフッ」カプッ
澪「なな、なんだ!?」
紬「甘噛みね」
律「子犬の愛情表現だよ」
唯「へー、そうなんだー」
澪「び、びっくりした」ドキドキ
唯「私も噛まれたいよー」
律「なんじゃそら」
澪「えへへ」ナデナデ
ハチ「フゥーン」
紬「そういえばこの子、迷子だって言ってたけど飼い主さんは見つからないの?」
律「唯が見つけたときは首輪してたんだよな?」
唯「うん…」
唯「今日から探してあげようと思って」
律「そうか…」
澪「あのさ、捨てられたってことはないかな?」
唯「え?」
澪「まだ子犬だし、散歩してたとは考えにくいだろ」
澪「そんな気がしてさ」
唯「……」
澪「まぁ、飼い主探しはしなきゃだめだけどな」
ハチ「ワフッ」
唯「わかってるよ~」
ハチ「……」
律「ハチ静かになったな」
紬「トイレかしら?」
澪「えっ、おい困るぞ」
唯「どどどどうしよう」
律「お、落ち着け、とりあえずハチを下に」
澪「う、うん」
ハチ「……」
紬「唯ちゃん、トイレットペーパー持ってきて!」
唯「わ、わかった」
タッタッ
唯「持ってきたよー!」
律「……」
紬「……」
唯「アウト…?」
澪「うん…」
唯「はぁ…」ふきふき
律「まぁ、フローリングの上でよかったよ」
澪「そ、そうだな」
唯「トイレのしつけって大変なのかな?」
律「根気よく練習していけば犬は必ずトイレを覚えてくれるよ」
唯「へー、りっちゃん詳しいね」
紬「がんばって、唯ちゃん」
澪「飼い主探しもな」
唯「う…わかってるよ-」
律「おっ、もうこんな時間か」
澪「そろそろ帰るか」
律「じゃあな唯」
唯「うん、みんなまたねー」
律澪紬「おじゃましましたー」
バタンッ
唯「ふぅ…トイレのしつけかー」
唯「がんばろ、ハチ!」
ハチ「?」
ゴリラ書いてた人?
ガチャッ
憂「あれ?お姉ちゃん早いね」
唯「うん、今軽音部のみんなが来てたんだー」
憂「ふーん」
憂「あっ、飼い主探しのことなん…」
唯「今日からトイレのしつけしようと思って」
憂「…そう、がんばってね」
唯「根気よく、がんばれば覚えるんだって」
憂「犬は賢いからね」
>>110はい
この話は完結させます
憂「お腹すいたでしょ、夕飯作るね」
唯「うん」
唯「ハチー」ナデナデ
ハチ「ワフワフ」
憂「ハチの餌も買ってきたよ」
唯「あっ、ペットショップ寄るの忘れてた」
唯「ありがとういー」
憂「うん」
―夕飯―
唯「おいしい♪」モグモグ
ハチ「フゥーン」
憂「ハチ、餌だよ、食べな」
ハチ「フゥーン」
唯「食べないねー」
憂「なんでだろ」
唯「あっ、わかった」
唯「味噌汁をかけて軟らかくしてあげないと」
唯「多分硬い餌はだめなんだよ」
憂「そっかー」
ジャーッ
唯「はい、ハチ」
ハチ「ワン!」
ハチ「ハグハグッ」
唯「やっぱりねー」
憂「ねぇ、お姉ちゃん」
唯「なにー?」
憂「ハチの飼い主のことなんだけど」
唯「……澪ちゃんがハチは捨てられたんじゃないかって」
憂「え?」
唯「うん、そうだよ」パクパク
憂「……」
ハチ「?」パクパク
憂「そんなに飼いたい?」
唯「うん……」
憂(変なとこで頑固だもんなー)
唯「ハチは捨てられたんだよ、多分」パクパク
憂「うーん…」
ハチ「ワンワン!」
唯「よく食べるねー、ハチ」
唯「私のエビフライあげる♪」
ハチ「ワンッ」ムシャムシャ
憂「あー、だめだよー、油っこいものあげちゃ」
唯「だって足りないって言うから…」
憂「犬は1度人間の食べ物を食べたら味を覚えちゃうんだよ」
唯「へぇー、すごいなー」
憂「もう…お姉ちゃん犬のことをもっと知らなきゃ」
唯「はーい」パクパク
唯「でも今は冬だから脂肪がついていいじゃん」
憂「そーいう問題じゃないの」
唯「えへへ」パクパク
ハチ(おいしいなー)モグモグ
憂「脂肪で思いだしたけど、お姉ちゃん最近太ったんじゃない?」
唯「えー、そんなことないよ」
唯「失礼だなー」プンプン
憂(太ったお姉ちゃんもかわいいけど…)
唯「ハチがもう少し大きくなったら一緒に散歩行くもん」
憂「はいはい」
憂「おかわりは?」
唯「あっ、もういいや」
唯「お風呂入ってくるよ」
唯「ハチ、おいで」
ハチ「?」
憂「ハチも入れるの?」
唯「軽くシャワーで流すだけだよ」
憂「うーん…まぁいいんじゃない」
唯「よし、決まり♪」
憂「温度とか気をつけてね」
―お風呂―
唯「お湯で流すね」
ジャーッ
ハチ「ワフッ」
唯「気持ちイイ?」
ハチ「ワン!」
キュッ
唯「こんなもんかな」
唯「シャンプーは……人間用しかないからやめとこう」
唯「湯船に入れてもいいかな?」
ハチ「?」
唯「ちょっとならいいよね」
唯「ゆっくり入れるよ~」
ジャポン
唯「ふぁー」
唯「いい湯だね、ハチ」
ハチ「ワフッ」
唯「ふぅー…」
ハチ「ウーン」プルプル
唯「ん?」
ハチ「……」
唯「!?」
唯「ウ、ウンチしちゃった…」
ハチ「…」ホッ
唯「どうしよう…」
唯「とりあえず、お湯を抜こう」
唯「あがるよ、ハチ」
ハチ「ワン!」
ゴボゴボ
唯「ウンチ流れてくれないかなー」
ハチ「クゥーン」
3分後
唯「ウンチ流れちゃった」
唯「やったね、ハチ」
ハチ「ワンッ」
―脱衣所―
唯「風邪ひかないようにしっかり拭かないとね」フキフキ
ハチ「フゥーン」ゴロゴロ
唯「えへへ、かわいい」
フキフキ
唯「よし、こんな感じでいいでしょ」
―リビング―
ガチャ
唯「あがったよー」
憂「うん」
憂「ハチきれいになったねー」
唯「あのさ、犬用のシャンプー買おうと思うんだけどどう思う?」
憂「うん、いいと思う」
唯「シャンプー買って、リード買って、あとオモチャも」
唯「楽しみにしててね、ハチ」
ハチ「?」(よくわからないけど、楽しそう…)
憂「お姉ちゃん、アイス食べる?」
唯「食べるー!」
ガサゴソ
憂「はい」
唯「わーい♪」
憂「私宿題があるから部屋に行ってるね」
唯「うん」
唯「おいしい~」シャリシャリ
ハチ「ハッハッハッ」フルフル
唯「食べたいの?」
キョロキョロ
唯「憂がいないから特別ね」
ハチ「ワンッ」
唯「手に出して……はい」
ハチ「ハグハグッ」
唯「アイスっていうんだよ、おいしいでしょ?」
ハチ(おいしい…)
唯「憂に見つかったら怒られちゃうかな~」シャリシャリ
唯「ふぅ…何だか眠くなってきた…」
唯「ハチ、今日は私の部屋で寝る?」
ハチ「?」
唯「おいで」ギュッ
―唯の部屋―
唯「見て、ギー太だよ」
唯「かっこいいでしょー♪」
ハチ「?」
唯「ちょっと弾いてあげる」
ギュィイン♪
唯「どう?ハチ」
ハチ「ワンッ!」
唯「えへへ」
ギュィイン♪
唯「歌ってるみたいでおもしろーい」
ギュィイン♪
ハチ「ワンワンワン♪」
唯「上手、上手ー♪」
コンコン、ガチャ
憂「お姉ちゃん、うるさーい」
唯「ごめんごめん」
憂「ハチ、夜は吠えちゃだめだよ」
ハチ「フゥーン」
唯「気をつけるね」
憂「うん、おやすみ」
バタンッ
唯「…えへへ」
ハチ「ワフワフッ」
唯「上手だったよ~、ハチ」
唯「武道館も目じゃないよ」
ハチ「?」(よくわかんないけど、嬉しそうだ)
唯「私学校で軽音部ってのに入ってるんだー」
唯「このギー太で毎日練習してるんだよ」
唯「この前きた友達とね」
ハチ「?」
唯「えへへ」
ギュィイイイン♪
唯「それでね、武道館ライブを目標にしてるんだー」
唯「無理だってことはわかってるけどね」
ハチ「?」
唯「そのときはハチを招待してあげるね」
ハチ「ワン!」
唯「いい子、いい子」ナデナデ
唯「明日もなるべく早く帰ってくるからね」
唯「眠い……」
唯「寝よう…ベッドにおいで」ヒョイ
ハチ「ワフッ」
唯「ふー…おやすみ…」
唯「……」zzz
ハチ(あったかい……)
ハチ(僕も眠くなってきた……)
ハチ「……」zzz
唯「うーん」ムニャムニャ
―翌朝―
ハチ(起きて、起きて)ペロペロ
唯「んー?ハチ……?」
唯「ハーチィー」ダキッ
ハチ「ワフッ」(唯ちゃん、起きないとだよ)
唯「うーん…」ナデナデ
ガチャ
憂「お姉ちゃん、朝ごはんできたよ~」
唯「うん…」
―リビング―
唯「おいしい」モグモグ
憂「ハチの分のお味噌汁は別に作ったよ」
憂「薄味で」
唯「ありがとう、憂」
唯「はい、ハチ」
ザーッ
ハチ「ハグハグッ」
憂「ねぇ、お姉ちゃん」
唯「んー?」
憂「昨日お風呂のお湯が抜いてあったんだけど…」
唯「え? あっ、お風呂掃除したの…」
憂「お風呂掃除してくれたんだー、ありがとう」
唯(バレなくてよかった…)
憂「珍しいね」
唯「うん、気が向いてね…」
ハチ「?」
唯「そういえば、憂の受験もうすぐだね」
憂「今から緊張するなぁ」
唯「憂なら受かるよ」
憂「うん、ありがとう」
唯「がんばれ、受験生」ビシッ
憂「えへへ」
唯「あっ、もうこんな時間だ」
唯「そろそろ行こうか」
唯「またお留守番だけど、大丈夫だよね?」
ハチ「?」
ガチャ
唯憂「行ってきまーす」
バタンッ
ハチ「……」
ハチ「……」
ハチ「ファーッ」ノビノビ
ハチ(退屈だなぁ…)
―学校―
唯「おはよー」
澪「おはよう、唯」
律「ハチの様子はどうだ?」
唯「かわいいよー、ギー太弾くと歌いだすんだよ」
紬「すごいのねー、ハチちゃん」
律「ははっ、澪が歌えなくなったら代わりにハチに歌ってもらうか」
澪「ばかっ、何言ってんだ」
澪「なぁ、唯、今日は練習しないか?」
唯「えっ」
澪「新歓ライブも近いしさ」
唯(ハチ大丈夫かな…)
唯(大丈夫だよね…)「うん、練習しよう」
澪「よし、じゃあ決まりな」
紬「ハチちゃん大丈夫なの?」
唯「うん、ちゃんと留守番できるみたいだから」
律「ハチはいい子だなー」
―平沢家―
ハチ「……」zzz
ハチ「ワフッ」パチッ
キョロキョロ
ハチ(まだ帰ってこない……)
―部室―
澪「よし、新歓ライブに向けてがんばるぞ」
唯律紬「おーっ!」
唯「と、その前に」
澪「?」
紬「お茶にしましょう♪」
律「さんせーい!」
澪「…言うと思ったよ」
紬「お茶入れるわね」
唯「お菓子食べなきゃ力が出ないよ」
律「同感」
澪「まぁな…」
毎度毎度のことだけど両親は娘達放り出してなにやってんだ
>>179
ハネムーン
紬「お茶入りましたー♪ あとお菓子もどうぞ」
唯「うわーい♪」
律「さすが紬」
澪「これ食べたら練習な」
―平沢家―
ハチ「……」zzz
ガチャッ
ハチ(ん…)
ハチ(唯ちゃん?)
憂「ただいまー」
ハチ(あっ、憂ちゃんだ)
憂「ハチだけ?お姉ちゃんは部活かな」
―部室―
ジャカジャカジャーン♪
澪「うん、この出来なら新歓ライブも大丈夫そうだな」
唯「楽しみだね~、新入生たくさん入ってくれるといいなぁ」
律「そういや、憂ちゃんってここ受けるんだよな?」
唯「うん」
唯「今がんばって勉強してるよ」
紬「楽しみね」
澪「唯、憂ちゃんの受験勉強の邪魔してないだろうな?」
唯「し、してないよー」
律「それより唯、ハチはいいのか?」
唯「え?」
唯「あっ、忘れてた!」
唯「ごめん、先に帰るね」
―平沢家―
ハチ「……」
憂「途中まで迎えに行く?」
ハチ「ワン!」
憂「よし」 ギュッ
テクテク
憂「この道を毎日お姉ちゃんは歩いてるんだよ」
ハチ「……」
憂「着いた」
ハチ「?」
憂「ここで待ってればお姉ちゃんくるよ」
ハチ「ワンッ!」
―30分経過―
憂「来ないねー」
ハチ「フゥーン……」
ガタンゴトン
憂「あっ、あの電車に乗ってるかな?」
ハチ「?」
憂「お姉ちゃんが降りてくるか見てよう」
ハチ「ワンッ!」
憂「えーっと…」
唯「ういー、ハチー」
ハチ「ワンワン!」
唯「迎えに来てくれたんだねー」ナデナデ
憂「ハチがあんまり寂しそうにしてたからね」
ハチ「ワンワンッ!」フルフル
唯「えへへ、いい子だねー」
唯「ごめんね、憂、新歓ライブの練習しててさ」
憂「いいよー」
唯「帰ろうか」
憂「うん!」
ハチ「ワン!」
テクテク
唯「もう新歓ライブの準備は万端なんだー」
唯「だから楽しみにしててね」
憂「まだ受かるか分からないのに…でもありがとう」
―平沢家―
唯「へはぁー、疲れた…」
憂「すぐご飯作るね」
唯「ハチ、今日は待っててくれてありがとう」
ハチ「ワンッ」フルフル
唯「かわいいなー、もー」ワシャワシャ
ハチ「ワフワフッ」
憂(お姉ちゃんハチのこと溺愛してるなー)
唯「ハチ、お手!」
ハチ「?」
ポン
唯「こうやって、私の手にハチの手をのせるの」
ハチ「ワンッ!」
唯「じゃあ、もう一回いくよ」
唯「お手!」
ハチ「ワンッ」ゲシッ
唯「いたた、顔じゃなくて手だよ、ハチ」
ハチ「ワフッ」
唯「本当にわかってるのかなー?」
唯「手、だよ」
ハチ「?」フルフル
唯「かわいいから許す!」
唯「ハチー」ギューッ
ハチ「ワンッ」
憂「ご飯できたよ」
唯「わーい♪」
憂「今日はオムライスだよー」
唯「やったー♪」
ハチ「ワォーン」フルフル
唯「おっと、ハチは犬の餌だよ」
ハチ「ワフッ」
カサカサ
ザーッ
唯「はい、ハチ」
ハチ「ハグハグハグッ」
唯「うん、いい食べっぷり」
憂「お姉ちゃん、私達も食べよう」
唯「うん」
唯「おいひい」モグモグ
憂「もう、お姉ちゃん、口の端にケチャップついてるよ」
唯「ほんとだ」ペロッ
ハチ「……」ジ-ッ
唯「食べたいの?」
唯「憂、少しだけあげていい?」
憂「上の卵ならいいよ」
憂「ご飯には玉ねぎが入ってるから」
唯「わかった」
唯「はい、卵だよ」
ハチ「?」クンクン
ハチ「ワフッ」パクッ
ハチ「……」モグモグ
ハチ「ワンッ!」モグモグ
唯「そうかー、おいしいかー」
憂「ふふっ、何でもおいしそうに食べるね、ハチは」
唯「えへへ、そうだね」ナデナデ
ハチ「フゥーン♪」
憂「……」カチャカチャ
唯「憂、どうしたの?」
憂「うん、ちょっとね…」
唯「悩み事があったら聞くよ」
憂「うん、入試が心配でね…」
憂「最近自信なくなってきて」
唯「うーん…さっきも言った通り大丈夫だよ!」
唯「絶対受かる、そんな気がするよ」
唯「ね?ハチ」
ハチ「ウワンッ」
憂「えへへ、ありがとうお姉ちゃん、ハチ」
唯「ハチー」
ハチ「ワン!」
唯「ダイバー」
ハチ「?」
―1ヶ月後―
唯「憂、忘れ物ない?」
憂「う、うん」
唯「こっちまで緊張してきた」ドキドキ
憂「じゃあ、がんばってくるね」
憂「いってきます」
バタン
唯「ハチ、今日は憂の入試の日だよ」
ハチ「?」
唯「ハチも憂が受かるように祈っててね」
ハチ「ワンッ!」
唯「……」
ハチ「?」
唯「何かしてないと落ち着かない……」
唯「そうだ、散歩行こっ!」
ハチ「ワンッ!」
唯「リードつけて…」カチッ
唯「よし!」
ガチャッ
唯「うーん、3月なのに寒いねぇ」
ハチ「?」
唯「よし、行こう」
スタスタ
ハチ「ワンワン♪」
唯「楽しい?」
ハチ「ワンッ」
唯「私なんて歩くのは嫌いだけどなー」
律「おーい、唯」
唯「あっ、律ちゃん」
律「散歩中か?」
唯「うん」
ハチ「ハッハッハッ」フルフル
律「おー、ハチ大きくなったな」ナデナデ
ハチ「フゥーン」ゴロゴロ
律「えへへ、かわいいやつ」
律「そういえば、今日が試験だよな」
唯「う、うん 緊張しちゃって…」
律「なーんでおまえが緊張してんだよ」
唯「えへっ」
律「なぁ、ハチって芸とかできるようになった?」
唯「バッチリだよ」
唯「見ててね」
唯「ハチ、お手!」
ハチ「ワフッ」ポンッ
律「おー、すごいじゃん」
唯「練習したんだ~」
唯「トイレも覚えたし、いい子だよ」
律「すごいな、ハチ」
ハチ「ワンッ!」
唯「朝も起こしてくれたりするんだよ」
律「ハチくれ!」
唯「だめだよー、何言ってるの律ちゃん」
律「冗談だよ、ジョーダン」
律「よし、じゃあなー」
唯「うん、バイバイ」
唯「今のが律ちゃんだよ」
ハチ「?」
唯「ドラム担当でね、かっこいいんだよー」
唯「ドコドコドーンって」
ハチ「ワンッ」
唯「今度ハチを部室に連れてってあげるね」
唯「あっ、でも怒られるかな?」
ハチ「?」
唯「まぁいいか」
スタスタ
唯「ここが私が毎日使ってる駅だよ」
ハチ「ワンッ」
唯「この前憂と迎えに来てくれたでしょ?」
ハチ「ワンワンッ」
唯「嬉しかったなー、これからも迎えに来てね」
ハチ「ワンッ♪」
唯「約束だよ、ハチ」
ハチ「ワフッ」
唯「そろそろ帰ろうか」
ハチ「ワンッ」
―平沢家―
唯「のど乾いたでしょ、お水飲みな」
ハチ「ワフッ」ゴクゴク
唯「いい飲みっぷりだねぇ」
ハチ「ゲプッ」
唯「あははっ、急いで飲むからだよ」
ハチ「フゥ…」
唯「憂が帰るまでまだ時間あるから昼寝しょっか」
ハチ「ワンッ」
唯「おやすみ」ギュッ
ハチ「ワフッ」
唯「うーん…」zzz
ハチ「……」
―2時間後―
唯「ん…今何時かな?」
唯「4時か…そろそろ試験が終わるころだね」
唯「ハチ、起きて 憂を迎えに行こう」ユサユサ
ハチ「……ワンッ」
―駅―
唯「もうすぐ来るよ」
ハチ「ワン」
唯「あっ、来た」
唯「ういー」
憂「お姉ちゃん、ハチ」
唯「試験どうだった…?」
憂「えへへ、自信あるかな」
唯「さすが私の妹!」
ハチ「ワンッ!」
唯「帰ろう、今日は私が夕飯作るよ」
憂「本当? お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫だってー、任せなさい」
憂「ふふ、楽しみ」
―平沢家―
唯「はい、できた」
憂「ありがとー、お姉ちゃんに夕飯作ってもらうのって新鮮」
唯「たまにはね」
憂「いただきます」
唯「ハチも」コトンッ
ハチ「ハッハッ」パクパク
―3日後―
唯「あわわわ」ガクガク
ハチ「?」
憂「じゃあ見てくるね、掲示板」
唯「心臓が…」ドキドキ
律「唯…」
澪「どっちが受験生かわかんないな」
憂「あっ、あったよお姉ちゃん」
唯「本当!? やったー、バンザーイ」
ハチ「?」
律「おー、おめでとう憂ちゃん」
澪紬「おめでとう」
ハチ「ワンッワンッ!!」
唯「今日はお祝いだー」
澪「なぁ唯」
唯「なにー?」
澪「少し練習していかないか?」
律「うーん、いいかもな」
憂「私練習見てみたいなぁ」
唯「ハチは?」
律「バレなきゃ大丈夫だろ、足も拭いて中に入れればいいし」
唯「それならいいよ」
ちょっと出かけてきます
すぐに戻ります
―部室―
そろりそろり
ガチャッ
唯「ふぅー、ドキドキしたねー」
澪「見つからなくてよかったよ」
律「ハチ1回も吠えなかったな、えらいぞ」
ハチ「ワフッ」フルフル
紬「じゃあ、練習しましょうか」
ジャカジャカジャーン♪
ドコドンドン♪
憂「すごいね、ハチ」ドキドキ
ハチ「ワォーウ」
ジャーン♪
唯「どうだったー?」
憂「かっこよかったよー」
唯「ありがとう」
唯「ハチは?」
ハチ「ワフワフッ」フルフル
唯「えへへ、ありがとう」ナデナデ
唯「ハーチィー」ギュ
ハチ「モフッ」
紬(唯ちゃんたら大胆…)
澪「ベタ惚れだな、唯」
唯「えへへ」
―平沢家―
唯「憂、お父さんたちにも電話で伝えなきゃね」
憂「うん」
憂「お姉ちゃんと同じ高校に通えるなんて」
唯「わかんないことがあったら何でも聞いてね」
憂「うん!」
ハチ「……」
―唯の部屋―
唯「ハチ、もう少ししたら私も先輩になるんだよ」
唯「いっぱい新入生入ってほしいなぁ」
ハチ「ワンッ」
唯「入ってくれると思う?」
ハチ「ワンワン!」
唯「ありがとー、ハチ」
唯「電気消すね、おやすみ」
唯「zzz……」
ハチ「…」
―1ヶ月後―
唯「いよいよ新歓ライブ本番だよハチ」
ハチ「ワンッ」
唯「ハチにも見てほしかったけど今日はさすがに無理なんだ…」
唯「ごめんね、ハチ」
ハチ「フゥーン…」
唯「うう、そんな目で見ないで」
唯「帰ったらいっぱい遊んであげるからね」
唯「じゃあ、憂 私先に行くね」
憂「うん」
バタンッ
ハチ「フゥーン」
憂「お姉ちゃん帰ったら遊んでくれるって、だから元気出して」
ハチ「……」ゴロン
憂「ふふっ、ふて寝しちゃった」
―学校―
澪「はぁ、緊張してきた……」
唯「楽しんで演奏しようね、みんなー」
律紬「おー!」
―平沢家―
ハチ「フゥ……」ボーッ
ハチ「!」
カリカリ
ガチャッ
ハチ「♪」
タッタッタッ
―ライブ後―
澪「緊張した……」
律「1番よかったよな?」
唯「うんうん!」
紬「楽しかった」
唯「これで新入生もいっぱい入ってくれるよね?」
―駅前―
ハチ「ハッハッハッ」
キョロキョロ
ハチ「…」ペタンッ
駅員(ん?あの犬この前も見たな…)
駅員(まぁいいか)
ハチ「ハッハッハッ」
―2時間経過―
駅員「ふわぁーあ…」チラ
駅員「えっ、あの犬まだいたのか」
ハチ「……」
駅員(2時間ずっとおすわりしてるのか・・・)
ガタンガタン
ハチ「!」
ハチ「ワフワフッ♪」フルフル
ハチ「?」
ハチ「フゥーン……」
駅員(もしかして、誰かを待ってるのか?)
駅員「もう少ししたら、また電車来るよ」
ハチ「?」
ハチ「ワンッ!」フルフル
駅員「へへっ」
―30分後―
ガタンゴトン
ハチ「!」
ハチ「ワフッ」
ガヤガヤ
唯「楽しかったな~♪」
ワンワン!
唯「ん? えっ、ハチ!?」
タッタッタッ
ハチ「ワンワン!」フルフル
唯「一人で迎えに来てくれたのかー、よしよし」ナデナデ
駅員(あの子を待ってたのか)
唯「びっくりしたよー、ハチ」
ハチ「ワフッ」
唯「あっ、定期更新してくるから、少し待っててね」
ハチ「ワンッ」
唯「定期の更新お願いしまーす」
駅員「はい」
駅員「…あの犬、君の?」
唯「そうです」
駅員「名前は?」
唯「ハチ、です」
駅員「ハチかいい名前だね」
あ
すいません、さるさんとやらを喰らってました
駅員「あの子2時間以上も待ってたんだよ」
唯「本当ですか?」
駅員「うん、君のことがよほど好きなんだろうね」
唯「えへへ」
駅員「いい子だね、これからもかわいがってあげないとね」
唯「はい!」
タッタッ
唯「お待たせ、ハチ」
ハチ「ワンッ」
唯「帰ろう」
スタスタ
唯「ハチ、2時間も待っててくれたんだって?」
ハチ「ワンッ♪」
唯「えへへ、駅員さんがハチのこといい子だって言ってたよ」
唯「私うれしいよ♪」
ハチ「ワフッ」
唯「あっ、でも憂には内緒にしないとね」
ハチ「ワンッ!」
―平沢家―
唯「ただいまー」
・・・・・・・
唯「よかった、まだ帰ってない」
唯「ハチ自分で戸を開けてきたんだ」
唯「すごいな~」
ハチ「ワフッ」
唯(憂が知ったらびっくりしちゃうよ)
ガチャッ
憂「ただいまー」
唯「おかえり、ういー」
憂「お姉ちゃん達かっこよかったよー」
唯「でしょー」
唯「憂も軽音部入りなよ」
憂「私は家のことがあるから、部活はちょっとね」
唯「そっかー」
憂「お腹すいたでしょ、今夕飯作るね」
唯「うわーい」
唯「先にお風呂入ってきていい?」
憂「いいよー」
唯「ハチ、久々に一緒に入ろ」
憂「ワンッ!」
―お風呂―
唯「じゃん、犬用シャンプ~」
ハチ「?」
唯「前に約束したからね」
ワシャワシャ
唯「気持ちいいでしょ?」
ハチ「ワフッ♪」
ワシャワシャ
唯「大きくなったねー、ハチ」
唯「よし、流すよー」
ザーーーッ
唯「お湯が真っ黒だ」
ハチ「フゥーン♪」
ザーーーッ
唯「よし、こんなもんかな」
唯「ゆっくり入れるよ~」
ジャポン
唯「ふぅー」
唯「いい湯だね、ハチ」
ハチ「オフッ」
唯「ふぅー…」
ハチ「……」
唯「ふふっ、あはははっ」
ハチ「?」
唯「あはははっ」
唯「くくっ」
ハチ「ワフッ?」
唯「1番最初のお風呂覚えてる?」
ハチ「?」
唯「ハチ、湯船でウンチしちゃって」
唯「思い出したらおかしくてさ」
唯「それが今では決まったとこ以外ではしないもんね」
ハチ「ワンッ」
唯「練習したもんね」
唯「いい子いい子」ナデナデ
ハチ「フゥーン♪」
すいません、ちょっと時間あきます
唯「大きくなったねー、ハチ」
唯「ゆっくり入れるよ~」
唯「それが今では決まったとこ以外ではしないもんね」
誰も>>316の最後の一行に触れないのはなぜだ………
>>338今気づきました…
恥ずかしいです
―唯の部屋―
唯「明日から新入生の部活決めが始まるんだよ」
ハチ「…」
唯「あのライブの効果でいっぱい来てくれると思うんだー」
ハチ「ワンッ」
唯「そうだねって言ってるんだね」
唯「もう寝ようか」
唯「おやすみ、ハチ」
―次の日―
唯「ただいまー」
唯「ハチー!」
ハチ「?」
唯「1人だけど新入生が入ってくれたよ!」
唯「中野梓っていってすごくかわいい子なんだぁ」
ハチ「ワフッ」
唯「ハチのこと話したら見に来たいって言ってたよ」
―数ヶ月後、平沢家―
ブー、ブー
唯「ん?」
唯「律ちゃんからだ」
唯「えっと…合宿のお知らせ?」
唯「ふんふん……おもしろそう!」
唯「ういー、私合宿に行くかもー」
ドタドタ
ハチ「……」
―合宿当日―
ハチ「フゥーン…」
唯「1泊2日だからすぐ帰ってくるよ」
唯「じゃあ、いってきます」
憂「いってらっしゃい、お姉ちゃん」
唯「うん」
唯「みんなー、お待たせ」
澪律「遅いぞ!」
唯「えへへ、ごめんごめん」
梓「遅いですよー、先輩」
―平沢家―
憂「ハチー、ご飯」
ハチ「……」プイッ
憂「お腹すいてないの?」
憂「ここに置いておくから、お腹すいたら食べてね」
ハチ「……」
ハチ「……」
憂「ちょっと早いけど夕飯の支度しようっと」
憂「あっ、醤油がなかったっけ」
憂「ハチ、ちょっと買い物行ってくるね」
バタンッ
ハチ「……」ムクッ
カリカリ
ガチャッ
ハチ「♪」
タッタッタッ
―駅―
駅員「ふぅ、暑いなぁ…」
タッタッタッ
ハチ「……」チョコン
駅員「おっ、また来たか」
駅員「夏休みだってのに、がんばるねぇ」
ハチ「ハッハッハッ」
駅員「そこは暑いから中に入る?」
駅員「みんなには秘密にしとくから」
ハチ「……」
駅員(いいのかな?)
―そのころ―
唯「海たーのしー♪」
ジャブジャブ
律「夜は花火するぞー!」
紬「いいわね、花火」
澪梓(練習は…?)
―駅―
ガタンゴトン、ガタンガトン
ハチ「ワンッ!」
駅員「おっ、来たかな」
ガヤガヤ
キョロキョロ
ハチ「……」
ハチ「フゥー…」ペタンッ
駅員「…またすぐ来るよ」
ハチ「……」
―平沢家―
憂「ただいまー」ドサッ
憂「ふぅー、醤油重たかった…」
ガチャッ
憂「ん? ハチー」
憂「いない……?」
キョロキョロ
憂「ハチー」
憂「どうしよう…いないじゃん……」
憂「と、とりあえず近くを探してこよう」
バタンッ
憂「ハチー、ハチー」
憂「いない…」
憂「そうだ、お姉ちゃんに電話したら何かわかるかも」
―そのころ―
唯「zzz……」
律「zzz…」
梓「唯先輩と律先輩寝ちゃいましたね…」
澪「もういいよ、ほっといて夕飯の準備するぞ」
紬「おいしいお肉を買っといたのー♪」
ブー、ブー
憂「電話にでない…」
憂「あー、もうっ…どうしよう」
憂「……もしかして」
―駅―
駅員「来ないなー、ハチ」
ハチ「……」
ハチー!
ハチ「!?」
憂「はぁはぁ…やっぱりここにいた」
ハチ「……」
憂「ほらっ、帰るよ」
ハチ「……」
憂「お姉ちゃん明日帰ってくるから、ねっ」
ハチ「……」ムクッ
トボトボ
憂「ハチ……」
駅員「……」
憂「…」ぺこっ
ハチ「……」
トボトボ
憂「はぁ……」
―平沢家―
憂「今までも迎えに行ってたの?」
ハチ「ワフッ」
憂「そっか、全然気付かなかったよ」
―そのころ―
唯「…うがっ」クンクン
唯「ねぇ、律ちゃん」ユサユサ
律「んー?」
唯「なんかいい臭いしない?」
律「確かに…」クンクン
律「…この臭いは……肉だ!」
澪「おっ、やっと起きたか」
律「おいこらー! 起こしてよ!」
梓「ぐっすり寝てたから起こしたら悪いと思って…」
紬「ふふっ、ちゃんと残してあるから大丈夫よ」
唯「わーい、お肉♪お肉♪」
―平沢家―
憂「はい、餌」
ザーッ
ハチ「……」
憂「少しでいいから食べて…」
ハチ「……」ゴロン
憂(少しお姉ちゃんがいないだけでこんなに落ち込むなんて……)
ハチ「……」
憂「えっと…あっ、いいこと考えた!」
唯「このお肉おいしいねー」ムシャムシャ
澪「紬が用意してくれたものだからな」
律「うん、うまいな」ガツガツ
ブー、ブー
唯「あっ、憂から電話だ」
唯「もしもーし」
唯「もしもし?」
フガフガッ♪
唯「うわっ、え?なに?」
ハチ「ワンワンッ!」
唯「ハチ?」
なんで憂ちゃんには懐かないんだろ
ハチ「ワォーーン!」
憂「お姉ちゃん?ハチがすごく落ち込んでたから声だけでもと思って」
唯「そうなんだ、おいハチー、明日帰るからね」
ハチ「ワフワフッ!」
唯「いい子にしてるんだよ」
律「やれやれ、犬バカだな…」
紬「唯ちゃんのことがよほど好きなのね」
唯「じゃあね、ハチ」
ブチッ
ハチ「ワンッ!」ガツガツ
憂「お姉ちゃんの声聞いたらご飯食べだして…わかりやすいんだから」
ハチ「ワフワフッ」ガツガツ
俺「ワンワン」
唯「可愛いねぇー」
俺「くぅ~んペロペロ」
>>390
許さん
―翌日、駅―
唯「ハチー!ただいまー!」
ハチ「ウォーーーン!」
唯「会いたかったよ~」ダキッ
憂「よかったね、ハチ」
律「おいおい…もし唯がいなくなったらハチどうすんだ」
澪「久しぶりに見たけど大きくなったなー」
紬「梓ちゃんは見るの初めてよね?」
梓「はい、ずっと見てみたかったんですけど」
唯「ハチ、あずにゃんだよ」
梓「よ、よろしくね、ハチ」
ハチ「ワフッ!」
唯「よろしくだって、あずにゃん」
梓「えへへ、かわいいですね」
唯「お手もできるんだよ」
梓「本当ですか?じゃあ、お手」
ハチ 「オフッ」ポン
唯「ねー、すごいでしょー」
梓「はい、かわいいです」
律「あのハチの得意そうな顔」
紬「うふふっ」
それから数ヶ月、唯とハチはさらに絆を深めていった
―学校の帰り道―
律「みんな、どこか店寄ってかない?」
澪「おっ、いいね」
唯「あ…ごめん、今日は用事があるから」
唯「また今度ねー」
タッタッ
梓「ハチですね」
澪「だな」
律「ハチは幸せ者だな、あんなに愛されて」
―ペットショップ―
唯「高い缶詰買っていったら喜ぶだろうなぁ」
唯「この缶詰、おいしそう…」ジュルリ
唯「うん、たまにはいいよね 買っちゃおう」
唯「あとは…シャンプーがなくなりそうだったかな」
ガーッ
唯「いっぱい買っちゃったぁ」
唯「まぁハチが喜んでくれることを思うなら安いよね」
唯「早く帰ってハチをモフモフしたいよー♪」
―平沢家―
憂「お姉ちゃんちょっと遅いね、ハチ」
ハチ「ワフッ」
憂「部活かな?」
ハチ「オフオフッ」
唯「重い、さすがに買いすぎたかな……」
カンッ、コロコロ……
唯「あー、缶詰待ってー」
ブーーーーーーーーーー!
唯「え?」
ドガンッ!!
「おい、女の子が轢かれたぞ!」
「早く救急車呼べ!」
なんか不安になってきた…
鬱はやめてね
支援ミサイル
―平沢家―
憂「さすがに遅いなぁ…」
憂「迎え行こうか」
ハチ「ワンッ!」
プルルルル
憂「電話だ」
ガチャ
憂「はい、平沢です」
憂「はい、そうですけど」
ハチ「?」
憂「えっ………」
ハチ「ワンワンッ」
憂「うそ……」
ガチャンッ
憂「ハチ……お姉ちゃんが」ガクガク
―病院―
憂「……」
父母「憂!」
憂「あ……お父さん、お母さん」
憂「警察の人から電話があってね、お姉ちゃんが死んじゃったとか訳わかんないこと言うんだー…」
母「うう……ひどすぎる」
医者「平沢唯さんのご家族の方ですか?」
父「は、はい」
医者「お辛いのは重々承知ですがご遺体の確認を……」
父「はい…」
憂「……」
母「……」
父「自分だけ…確認します」
―平沢家―
ハチ「……」
ハチ「ワフッ!」
カリカリ
ガチャッ
ハチ「ワンッ!」
タッタッタッ
唯「これからはずっと一緒だね!、ハチ!」
ハチ「ワンッ!」
それは、わたしたちの笑顔がキラリと光る、ある晴れた天国でのできごとだった。
―駅―
タッタッタッ
ハチ「ワフッ」ピタッ
ハチ「……」ストンッ
駅員「ん?」
駅員「おっ、ハチじゃないか」
駅員「まだ飼い主来ないのかー?」
ハチ「……」
駅員「そうか…まぁ心配するな」
駅員「もうじき来るだろ」
ハチ「……」
なぜ無理に死なせる…
―1時間経過―
ガタンゴトン、ガタンゴトン
プシューッ
駅員「おっ、これに乗ってるんじゃないか?」
ハチ「ワンッ!」
ガヤガヤ
キョロキョロ
ハチ「ワンワンッ!」
なんか不安だなぁ。
鬱展開だけは止めれ。な?
支援
ガヤガヤ
キョロキョロ
ハチ「ワンワンッ!ワンワンッ!」
ハチ「ワンッ……」
駅員「……」
>>403
缶詰待ってー
が宮子で再生された
ハチ「……」
駅員「ハチ、今日はもう帰ったほうがいいぞ」
ハチ「……」
駅員「もしかしたら帰ってるかもしれないし」
ハチ「クゥーン……」
駅員「なっ?」
ハチ「……」スクッ
トボトボ
―平沢家―
ハチ「……」
カリカリカリカリ
ハチ「ワンワンッ!ワンワンッ!」
ハチ「……」ゴロン
翼をくださいが頭から離れない
寝る前保守
ハチ「……」ウトウト
ハチ「zzz……」
ハチー
ハチ「!?」
「そんなとこで寝てたら風邪ひくよ」
ハチ「ワンワンッ!」
「……」スーッ
ハチ「?」
ハチ「ワンワンッ!ワンワンッ!」
ハチ「ワォーン!」
ハチ「……」パチッ
ハチ「……」キョロキョロ
ハチ「?」
どうしてこうなった…?
おいもう書くな
ここからじゃどうがんばってもこの世界のカケラは幸せにはむかわない
―通夜―
父「おい、親戚も寝たしお前も休んだほうがいいぞ」
母「……」
父「……」
憂「あっ、お姉ちゃんのお友達に布団持っていくね…」
父「ああ…」
―唯の部屋―
澪「……」
律「唯の部屋汚いな…」
律「もー、だらしないなー…ははっ…」
紬「……」
梓「……」
あずにゃんと和いないのかよ
支援ミサイル
コンコン
憂「お布団持ってきました」
律「あ、ありがとう 憂ちゃん」
憂「……じゃあ、失礼します」
バタンッ
律「いやー、みんなで寝るのは合宿以来か」
律「ほとんど遊んでばっかだったけど楽しかったな!」
澪「律…」
律「澪たちなんて私たちに内緒で肉食べ始めるしさー」
律「で、唯が起こしてくれたんだよなー」
律「唯が……」
梓「……」
律「あの日私がもっと強引に誘っとけば……」
澪「やめろ、律」
紬「そうよ、律ちゃんのせいじゃない…」
梓「ハチ…」
澪「え?」
梓「ハチはどうなるんでしょうか?」
梓「唯先輩がいないと……」
憂「お布団運んできたよ」
父「うん」
父「憂も疲れただろ、寝なさい」
憂「うん……」
父「じゃあ、おやすみ」
ハチ「……」
憂(ハチ、お姉ちゃんがいる部屋をずっと見てる……)
ハチ「?」
憂「ハチ、お姉ちゃん死んじゃったの…」
ハチ「?」
ハチ「……」ムクッ
スタスタ
憂「どこ行くの?」
ハチ「ワンッ!」
憂「私のケータイ?」
ハチ「ワンッ♪」フルフル
憂「……」
憂「もう話せないの…」
ハチ「?」
唯「ただいまー」
憂「!?」
ハチ「ワン!」
憂「お姉ちゃん…どうして?」
唯「実はドッキリだったんだ♪」
憂「んもうっ」
ハチ「ワンワンッ♪」
「「アハハハハハ」」
憂「来て……」
スーッ
憂「……」
ハチ「ワンッ」
憂「そこにお姉ちゃんが寝てるでしょ?」
憂「でも、もう目は覚まさないの……」
ハチ「?」
スタスタ
ハチ「……」ペロペロ
ハチ「?」
憂「いつもそうやってお姉ちゃんのこと起こしてたもんね……」
ハチ「クゥーン……」
ハチ「……」ペロペロ
憂「ハチ、もう行こう」
ハチ「……」ペロペロ
ハチ「……」
憂「おいで」
パタンッ
憂「……」
ハチ「クゥーン…」
憂「じゃあね、おやすみ…」
ハチ「……」ペタンッ
ハチ「zzz……」
「ハチ……ハチ」
ハチ「?」ウトウト
「ボール投げるから取ってきてね、えいっ」
ハチ「…ワンッ!」
タッタッタッ
ハチ「ワフッ♪」クルッ
………
ハチ「?」
>>475
お通夜に、ってこと
梓はいるからまあいいが、和は幼なじみなのに来てないのかよ
冷たいな
ハチ「ワンッ?」
父「ハチ、起きたか…」
キョロキョロ
ハチ「……」
父「寝てる間に足が動いてたけど、夢でも見たのか?」
父「憂から聞いたんだけど、ほとんど毎日唯の迎えに行ってたんだってな」
ハチ「クゥーン…」
父「ははっ、お前は忠犬だな…」
父「忠犬だ……ぐっ…うっ…」
憂(お父さん……)
カタンッ
父「あっ、いたのか」
憂「うん……」
父「……父さん、ちょっとシャワー浴びてくるな」
憂(普段朝浴びることなんてないのに……)
憂「あっ、いたのか」
父母「うん……」
―唯の部屋―
律「結局一睡もできなかった……」
澪「……」
律「澪、起きてる?」ボソッ
澪「……」
律「寝てるか…」
律(トイレ行こう…)
律「よっこいしょっと…」
スタスタ
ガツッ
律「いってー!なんだよこれ……」
律「日記帳…?」
パラ…パラ
律「……」
律「うっ……」
憂「ハチ、今日の葬儀が最後のお別れだからね……」
ハチ「……」ムクッ
憂「どこ行くの?」
カリカリカリ
ガチャッ
タッタッタッ
憂「待って、ハチ!」
憂「戻ってきて!」
ダーーーーーーッ
ハチ「ハッハッハッハッ」
―駅―
駅員「ハチか?」
ハチ「……」
駅員「おい、いくらなんでも早すぎるぞ」
ハチ「……」
駅員「?」
ハチ「……」
タッタッタッ
憂「……ハチ」
憂「帰るよ、これから葬儀だから」
ハチ「……」
憂「早く…!」
ハチ「……」
憂「いい加減にしてよ!」
憂「お姉ちゃんは家にいるでしょ!?」
憂「なんでバカの一つ覚えみたいに毎日毎日……」
ハチ「クゥーン…」
憂「もう……お姉ちゃんを待ってる必要はないの」
憂「あの改札口から出てハチを撫でることはないんだよ…」
ハチ「……」
憂「わかって、お願いだから……」
スタスタ
律「おっ、やっぱりここにいたか」
憂「律さん…」
律「よっこいしょっと」ストンッ
律「ハチは毎日ここで唯を待ってたのかー…」
律「すごいよ、お前」ナデナデ
律「憂ちゃん、これ唯の部屋にあったやつ…勝手に見ちゃった」
憂「初めてみます…」
律「ごめんね…」
憂「いえ、いいですよ」パラッ
憂「お小遣い帳?」
律「そう、ハチにかかるいろいろなお金のために書いてたんだろうな」
憂「……」
憂「あのお姉ちゃんが……」
○月×日
昨日子犬を拾った!
抱っこをするとあったかいくて気持ちいい
憂「もう、これじゃ日記じゃん…」
律「……」
○月×日
ハチとお風呂に入った
でも湯船にウンチをしたので臭かった……
憂「……ウンチ?」
律「ハチ……」
○月×日
憂の受験が近付いてきたから私がハチの世話を一通りするようになった
今さら気づいたけど犬の世話ってけっこう大変……
でも、ハチのためだからがんばるぞー!
○月×日
憂が言うには犬はいろいろなワクチンを打たなきゃいけないらしい
薬代もかかるって言ってた…
なので、今日から小遣い帳もつけないといけない
○月×日
ハチを動物病院に連れて行った
いろいろな薬を出された
ハチはちゃんと薬を飲んでくれるかな?
憂「ふふっ、こっそり餌に混ぜてあげてたのにハチったら全然気付かなかったなぁ」
○月×日
駅員さんにハチのことを褒められた!
自分のことを褒められるよりうれしいよー!
らりほー!
律「らりほー!はないよなぁ…」
憂「……」
○月×日
やっぱりハチはすごい!
お手を完璧にマスターした
次はマテと伏せを覚えさせたい
律「ハチ、お手」
ハチ「ワフッ」ポンッ
律「伏せ」
ハチ「……」ストンッ
憂「いい子だね、ハチ」
○月×日
久しぶりにハチとお風呂に入った
初めのころはすぐに洗い終わったのに今回は時間がかかった
大きくなったね、ハチ
○月×日
軽音部に一人だけど新入部員が入ってくれた
ハチのことを話したら見たいって言っていた
○月×日
合宿に行くことになった!
新い水着がほしいけど古いので我慢する
その分ハチに贅沢をさせてあげたい
○月×日
合宿はほとんど遊んでたけどすっごく楽しかった!
夕飯を食べてるときに、ハチが私に電話をしてきた
私がいないとダメなんだねハチ
世話がやける子!
追いつき支援ミサイル
○月×日
この日記にお小遣い帳もつけた成果か、少しずつお金が貯まってきた
明日はペットショップに行ってちょっと高い餌を買おうと思う
ハチが大好きな缶詰の餌を♪
みんなに付き合いが悪くなったと思われないか心配だ…
律「……」
憂「ここで、終わりですね……」
パタンッ
律(唯のバカヤロー……!)
憂「お小遣い帳なんて、お姉ちゃんらしくないよ…」
ハチ「?」
律「憂ちゃん、そろそろ葬儀の時間が…」
憂「はい…ハチはどうする?」
ハチ「……」ムクッ
律「いい子だ、ハチ」
憂「じゃあ、行きましょう」
平沢家
紬「唯ちゃん…うっうっ」
澪「うう…」
わおーん
澪「なんだ?」
ハチ「唯ー!合体だー!」ワオーン
唯「ハチ」ムクリ
ピカーン!
ちょっと用事ができました
すいません、すぐ戻ります
ユチ「きづいたらこうなってたワン」
律「きもっ」
紬「犬っ娘というよりは獣人ね」
澪「犬耳としっぽだけならよかったのに」
ユチ「めんぼくない」
憂「ハチ、駅員さんが心配してたよー」
ユチ「ご迷惑をおかけしましたワン」
駅員「ひぃっ」
おわり
保守
必ず帰ってこいよ
律「ハチ、元気出せ!」
ハチ「……」
憂「ハチがいつまでも悲しんでたらお姉ちゃんも喜ばないよ」
ハチ「……ワフッ」
支援ドラゴン・ノスケ
しかし唯が死んでしまったことはハチには
完全には理解できなかった
それでも周りの人間は変わらない態度でハチに接するよう努めた
―10年後―
―駅―
ハチ「………」
駅員「あれから10年か…」
ハチ「……」
駅員「ハチ、寒いだろ…」
駅員「いいもんがあるぞ」
ハチ「?」
駅員「ほら、甘酒だ」
ハチ「ワンッ!」
駅員「へへっ、乾杯」
ハチ「ワフワフッ」ゴクゴク
駅員「温まるだろ」
駅員「しかし、10年も飼い主の帰りを待つとはなぁ…」
駅員「ハチ、俺とおまえも歳をとったな」
ハチ「……」
律や憂の10年後か…
見たくないなぁ
駅員「さて、次の電車が最後だ」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
プシューッ
ハチ「……」
駅員「……」
駅員(何年見てきても辛いな……)
うぃ~♪
ハチ「?」
澪「おい、飲みすぎたんじゃないのか?」
律「だってせっかくの同窓会だったんだもーん♪」
律「うぃー♪」
律「あっ、犬がいるぞ、犬」
律「……もしかして…ハチか?」
律「まさか、あれからもずっと待ってたのか……?」
律(体がボロボロじゃないか……)
澪「ハチ……」
駅員「ハチを知ってるの?」
律「はい、友達の犬で…」
律「ぐっ……」ポロポロ
律(涙が止まんねぇ……)
澪「律……」
憂「ハチー」
駅員「おっ、来たな」
憂「遅くなってごめんね」
ハチ「……」
憂「えっと……」
憂「もしかして、律さんと…澪さんですか?」
律「憂ちゃん? 久し振り……」
律「ハチ……ずっと待ってるの?」
憂「はい、お姉ちゃんが死んでからもう10年経つのに、おかしいですよね」
憂「でも犬には完全に理解することは無理なので…」
憂「せめてハチの気が済むまで付き合おうって決めたんです」
澪「それで10年か……」
憂「えへへ、おかしいですよね」
律「…そんなことないよ」
律「なぁ、憂ちゃん」
憂「はい?」
律「明日家に行ってもいいかな?」
律「唯にあいさつもしたいし」
憂「はい、もちろんです」
律「…おかしいし」
澪「おかしくねーし!」
律「明日俺君の家に行ってもいいかな?」
俺「いいとも」
律「憂のダンナさんかぁ」
俺「どうも」
憂「恥ずかしいよう///」
律「じゃあ、明日」
澪「おやすみ、憂ちゃん」
憂「はい」
憂「帰ろう、ハチ」
ハチ「……」
憂「ハチ?」
憂「もう伏せはいいよ」
ハチ「………」
憂「ハチ? ねぇ」ユサユサ
律「どうしたの?」
憂「ハチが……」
律「様子がおかしいな、おいっハチ!」ユサユサ
うわあああああああああああ
チー……
ハチー!
ハチ「ワフッ」キョロキョロ
ハチ「?」
ハチ「……?」
スタスタ
―駅―
ガラーーン……
ハチ「?」ペタンッ
ガタンゴトン、ガタンゴトン
ハチ「……」
プシュー
唯「ハチー!」
ハチ「……?」
ハチ「!!」
ついにお呼ばれが…
支援
ハチ「ワォーーン!」
タッタッタッ
唯「ハチ!」ギューーッ!
ハチ「クゥーン……」
唯「ごめんね、ごめんね……」
さらば愛しきハチよ
唯「毛並みも悪くなって、背中も丸まってきたね……」
ハチ「フゥーン……」ペロペロ
唯「もう絶対にどこにも行かないから……!」
唯「ずっと一緒にいようね…」
ハチ「ワンッ!」
唯「そうだ……」ガサゴソ
ハチ「?」
唯「これ、缶詰♪」
ハチ「ワンッ!」
唯「ハチ大好きだったでしょ?」
唯「あとで食べさせてあげるね」
ハチ「ワンワンッ!」
唯「えへへ」
唯「よし、行こっか…」
ハムスターが死んだ時の事思い出すな~
―数日後、ペット霊園―
憂(ハチ、安らかに眠ってね……)
憂「さてと……」
ドンッ!
女の子「あっ、お姉さんごめんなさい…」
憂「いいよ、でも気をつけてね」
女の子「はーい」
女の子「ハチ、行くよ」
ハチ「ワンッ!」
憂「あの子もハチって名前なんだ……」
憂「ふふっ、あの子小さいのになんだかお姉ちゃんみたい」
憂「さて、じゃあね、ハチ」
ハチ、これからはずーっと一緒だよ!
ワンッ!
―完―
唯「往くぞハチ!」
ハチ「ワン!」
1先生の次回作に乙
ありがとうございました
ダラダラやってすいませんでした…
駅
憂「あれから10年か…」
憂「10年前にハチが他界し、その10年前にはお姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃん…ハチ…幸せに暮らしてるかな…」
駅員「君は、たしか……」
憂「え…もしかして、駅員さん?」
駅員「そうか、今日は…あれからもう10年になるのか」
憂「ずっと前に転勤されたと聞いてました」
駅員「ふふ、私もそろそろ定年でね。鉄道マン人生の最後は
思い出深いこの駅でと希望していたんだよ」
憂「そうだったんですか…」
駅員「この町は変わらないなあ。…こうしていると、またハチが
ひょっこり現れるんじゃないかと思ってしまうよ」
憂「ありがとうございます。…あ、お花、ここでいいですか」
ワンワン!
憂「犬…?うふふ、まるでハチが10年ぶりに会いにきたみたいです」
犬「わんわん!」
憂「誰か迎えにきたのかなあ…ほんとハチそっくり」
駅員「本当に似てるね。…うう」
憂「駅員さん…?」
駅員「これは失礼。…この歳になると涙もろくていかん」
憂「私もなんだか泣けてきちゃいました」
ガタンゴトン、ガタンゴトン
駅員「それでは私は仕事に戻るとしよう」
憂「いろいろありがとうございました」
犬「わんわん!」
憂「おまえのご主人様の到着かな?ふふ、こんなに尻尾ふっちゃって」
犬「ワオーン!」タッタッタッ
憂「あっ、改札の中入ったらダメだよ!」
犬「ワオーン!」タッタッタッ
憂「にっ二足歩行で走ってる!!」
?「うんたんうんたん」
犬「ワオーン!」タッタッタッ
?「うんたんうんたん」
憂「お、お姉ちゃん!?」
犬「唯ー!合体だー!」ワオーン
唯「おー!」
ピカーン!
ご愛読ありがとうございました!
そうです
唯「な、名前は?」
ハチワン「僕の名前はハチワンダイバー!」
唯「へえ~そうなんだ?犬?」
ハチワン「全員相手してやるからかかってこい!」
唯「ええ~っ!」
ハチワンダイバー12巻絶賛発売中!
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