キョン「ハルヒに……キス?」(455)
数日前
ハルヒ「…」
キョン「なんだ、今日は妙におとなしいな」
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン?」モジモジ
キョン「?」
キョン「……はぁ?」
ハルヒ「なによその顔!」
キョン「いや、だってお前……」
ハルヒ「聞いてるんだから答えればいいの! どうなのよ!」
キョン「どうと言われてもな。知らん、むしろわからん」
ハルヒ「少しは考えて答えなさいよ。あんた全然考えてないでしょ?」
キョン「いや、考えるもなにも……それはその状況になってみんとなぁ」
ハルヒ「なっ……もっ、もういいわよ!」タタタタッ…
キョン「……?」
キョン「恋人がいたら毎日キスするかって……何故そんなことを」
【一日目】
ガチャ
キョン「おっ、今日は皆早いな」
みくる「! キョン君」
長門「…」
キョン「ん? なんだ、その残念そうな顔は
古泉「残念というか……少々マズいことに」
キョン「まさか」
古泉「あなた昨日、彼女と何か話されましたか?」
キョン「彼女? ハルヒだよな、いや……別に。いつもどおりのことしか」
みくる「なにか、かわったことを言っていたとか」
キョン「そんなの毎日言ってますからね。わかりません」
長門「……ご愁傷様」
キョン「お前は何を言っているんだ?」
長門「簡単に言うと、あなたは死ぬ」
キョン「なんだって!?」
みくる「あっ、あの……」
キョン「簡単に言われても困る、何故俺が!」
古泉「落ち着いてください。なにも絶対に死ぬってわけではありません」
キョン「お前な、あんた死ぬわよって言われて落ち着けると思うのか?」
古泉「死ぬというよりは、死ぬかもしれないということです」
キョン「なにも変わってないように聞こえますが? 俺がおかしい?」
古泉「早い話が、あなたは涼宮さんにあることをすればそれを回避することができます」
キョン「あること……まためんどうな」
キョン「で? なにをすればいいんだ。あいつを怒ればいいのか宥めればいいのか?」
古泉「……それがですね、少し特殊というか」
キョン「早く言ってくれ。俺まだ死にたくない」
古泉「これから毎日、一日一回必ず涼宮さんにキスし続けてください」
キョン「……なん……だと!?」
キョン「俺が? ハルヒに? キス!? それも毎日!?」
長門「一日一度、彼女にキスし続けないとあなたは死ぬ」
キョン「何度も言うな!」
みくる「その……そういうことですから」
キョン「何故俺が……何故ハルヒに」
みくる「あっ、あんまり難しく考えなくていいと思いますよ?」
キョン「考えますよ! 毎日ですよ!? 毎日、毎日あいつに」
みくる「えっと、涼宮さんが望んでいるってことはですね」
古泉「少なくとも彼女はあなたにそうしてもらいたいと思っているはずですから」
キョン「少し落ち着いてくれないか。今俺は混乱してるんだ」
古泉「恐らくあなたが一番慌てています」
キョン「わかってるなら言うな!」
長門「できる?」
キョン「できるかできないかと言われたらできない。できるわけないだろ……」
長門「さようなら」
キョン「諦めないで!」
キョン「なにがどうあったら、あいつが俺にそんなことを望むようになるんだよ?」
古泉「ですから、それを知る為にはあなたと彼女の会話を手繰るしかないかと」
キョン「いや別になにもかわらず……あっ」
みくる「?」
キョン「……あったわ……その兆候あったわ……間違いなくアレだわ」
長門「いままでありがとう」
キョン「だから諦めるなって! まだ死にたくない!」
キョン「って話をだな、昨日ちょっとだけ」
古泉「間違いなくそれですね。むしろそれ以外に原因があるとは思えません」
みくる「……毎日キスかぁ……はわぁ」
キョン「あの、その憧れの眼差しみたいなのやめてもらえません?」
古泉「つまり涼宮さんはあなたに……ふふっ」
キョン「何を笑ってる! 笑うところじゃないぞ!?」
古泉「笑ってないです。おかしくないです」
キョン「…」
古泉「でも原因がわかったおかげで、解決策も見出せたじゃないですか」
キョン「なんでそうなる」
古泉「要は彼女があきるまで、そうしてあげればいいってことでしょう?」
キョン「あのー、僕の意見とか無視なんですかー?」
みくる「でもあの、最近のキョン君と涼宮さんなら……」
キョン「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ! 別に俺はあいつとはなにも!」
長門「言ってもいい?」
キョン「いや、ほんとになにも……ん? なんだ長門」
長門「あなた達が、ここで二人だけのときどういう状況かを」
キョン「!? ほらながと、あまーいチョコをあげよう」
長門「…」スッ
古泉「……どういうことです?」
長門「…」モクモク
みくる「やっ、やっぱりお二人は……その」
キョン「いいえ、なんでもないデスヨ? なあ長門、なんにもないよな」
長門「……けふ」コクン
古泉「まあ別にですね、僕としてはあなた方の関係どうあれは気にしませんが」
キョン「そうしてくれると助かるな」
古泉「あなたが死ぬのを、ふふっ、回避したいなら詳しく聞かないと……」
キョン「お前ほんと、なんでそうやって笑っちゃうの? ふざけてるの?」
古泉「ふざけてないです、真剣です。だからここでナニしてるのかしてないのか教えてください」キリッ
キョン「なにもしてないしナニもしてない! 俺とハルヒは真っ白な白だ!」
みくる「長門さん、プリンシェイク飲みます?」
長門「!」
キョン「あっ、ちょっと朝比奈さん!?」
長門「…」ゴニョニョ
みくる「へぇ、あぁ……ふむふむ」
キョン「長門ォォォッ! 何故裏切ったぁぁ! 放せ古泉!」
古泉「まあまあ、落ち着いて。落ち着いて落ち着いて……」
みくる「…」
古泉「で、どんな塩梅でしょうか」
みくる「グレーです。限りなく黒に近いグレーゾーンです!」
古泉「ほう……一体なにをしてたんですか?」
キョン「だからなにもしてないと言ってるだろ? ただその……まあ」
長門「明らかに私達と話してるときと態度も行動も違う」
キョン「ねえほんと、きのことたけのこのチョコあげるから黙ってくれない?」
長門「……三つ四つ」スッ
キョン「十個あげるから今日は帰りなさい」
長門「…」モゴンモゴン
キョン「別にやましいことはなにもしてない」(全部食いやがった……)
みくる「その、そうですけど……恋人っぽいと言えば」(すっごい頬張ってる……)
古泉「まあ……プライベートですからね。閉鎖空間が発生しなければそれはそれで」(今度、なにかお菓子を買ってこよう)
長門「けふっ」ポー
キョン「……わかるだろ……その、長時間女の子と二人っきりだとさ?」
古泉「そのうえその子が好意を抱いてくれれば、変態にもなりえますね」
キョン「そんなん違う! 俺変態違う!」
みくる「でもいいじゃないですか。それなら別に、キスの一つや二つ」
キョン「そっ、それとこれとはですね」
ガチャ
ハルヒ「ひゃっはー! 汚物は消毒だー!」
キョン「!?」
ハルヒ「あれ、皆揃って何話してたの? なによなによ!?」
キョン「なんでもないぞハルヒ。落ち着きたまえ」
ハルヒ「なによその喋り方」
古泉「では僕達はこれで……」
キョン「えっ?」
みくる「あの、今日は用事がありますから」
ハルヒ「なに? 皆帰っちゃうの?」
長門「あと六時間半」
ハルヒ「??」
古泉「頑張ってくださいね!」キラッ
キョン「まっ、待てお前らっ!」
ハルヒ「……なにあれ、なんか古泉君キモかったわね」
キョン「…」
ハルヒ「あとこれは? ものっ凄い数のお菓子の包み紙が……」ワシワシ
キョン「袖の下だ……通じなかったがな」
ハルヒ「はぁ?」
ハルヒ「まったく、食べたらちゃんと片付けなさいよね」モシモシ
キョン「…」
ハルヒ「もー、こぼしてるじゃない! 箒、箒……」
キョン「なぁ、ハルヒ」
ハルヒ「んー?」
キョン「その……昨日の話の続きなんだが」
ハルヒ「ちょっと、ちりとり持っててよ」スッ
キョン「あぁ、おう」
ハルヒ「たまには大掃除しないとね、この部屋も」
キョン「そうだな」
ハルヒ「よし! おっけい!」
キョン「で、昨日の続きだが」
ハルヒ「あー、疲れた。お茶飲むでしょ? ちょっと待ってね」
キョン「おう、ありがとう……って、聞け!」
ハルヒ「はい、暑いからぬるめに淹れたわ」コト
キョン「……ん」
ハルヒ「で、昨日の話ってなに?」
キョン「あー……なんというかだな」
ハルヒ「うん」カサカサ
キョン「なんかほら、帰り際に」
ハルヒ「帰り際? なにか話してたかしら?」モシモシ
キョン「聞いてきたじゃないか。その……」
ハルヒ「?」モクモク
キョン「彼女がいたら……毎日キスする? とかなんか」
ハルヒ「!?」ブフォッ
キョン「わっ! おまっ、きったねぇ! ルマ○ドがっ!」
ハルヒ「けほ、けほっ!」
キョン「あぁ、あぁ……ほら、お茶」
キョン「噴出すなよ、焦るじゃないか」
ハルヒ「あああ、あんたが変なこと言うからでしょ!」
キョン「変なこともなにも、そう聞いてきたのはお前だ」
ハルヒ「あれは……別に……他意も何もないわよ」
キョン「俺はそのなにげない質問で死ぬかもしれないんだぞ?」
ハルヒ「はぁ?」
キョン「いや、なんでもない。とにかく……その話の続きだ」
ハルヒ「つっ、続きって言われても」モジモジ
キョン「あんなことを言い出したんだから、ハルヒはもちろんそういうことなのか?」
ハルヒ「どういうことよ?」
キョン「だから、お前は恋人がいれば……なんだ、うん」
ハルヒ「…」コク
キョン「そっ、そうか。おぉ、そっか」
キョン「エンドレスキスか・・・」
ハルヒ「なんていうの? 愛情表現っていうか」
ハルヒ「大切じゃない、互いが互いを思う気持ちってのは」
ハルヒ「だからね? 好きな人には……毎日そういうことしてもらってもいいかなぁって」
ハルヒ「別にあたしは! 興味ないわよ!?」
ハルヒ「あたしは恋愛なんかどーでもいいと思ってるし? うん」
ハルヒ「だけどほら……もしかしたら、あたしにも恋人とかできるかもしれないじゃない?」
ハルヒ「そうなったときに、まあこうだったらなぁ……みたいな?」
ハルヒ「あっ、でもできればその帰り際とかそういう~」
キョン「…」(ダメだこいつ……完全に乙女モードだ)
ハルヒ「全然興味ないんだけどね! ただの一意見っていうか、そういうのよ!?」
キョン「あぁ、そうですね。わかりますよ俺」
ハルヒ「全然聞いてないでしょ」
支援
ハルヒ「だからあんたならどうかって思って聞いたのよ」
キョン「俺か……俺は別に」
ハルヒ「でしょうね、あんたそういうのめんどうとかって言いそうだし」
キョン「わかってるじゃないか」
ハルヒ「あんたの彼女とか、そういう意味でかわいそうだと思うわ!」
キョン「別にいないし、そんなのはなってみないとわからんしな」
ハルヒ「あっ、やっぱそうよね……」
キョン「……ただ、その」
ハルヒ「?」
キョン「そうしないと死ぬっていうか……頼まれたらするかもしれん」
ハルヒ「! ほんとに? ほんとにする?」
キョン「何故お前が気にする」
ハルヒ「きっ、気にしてなんかないわよ! 自惚れるなバカキョン!」
キョン「はぁー?」
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「いいお茶だな」クッ
ハルヒ「でしょ」
キョン「…」
ハルヒ「……はぁ」
キョン「ん」
ハルヒ「…」
キョン「…」
ハルヒ「…」
キョン「いやおかしいだろ! なんだこの沈黙は!」
ハルヒ「!? いっ、いきなり大声で喋らないでよ!」
キョン「お、おぉ。すまん……うん」
ハルヒ「ったく。お茶おかわり」コポコポ…
キョン「どうにかしないと……」ブツブツ
ハルヒ「なにそれ、独り言? 大丈夫?」
キョン「無理矢理してみるか……いやいや」
ハルヒ「おーい?」
キョン「はぁ……どうしよううもないな」
ハルヒ「さっきからなに言ってるのよ? 頭大丈夫?」
キョン「いっそ狂ってしまいたいさ」
ハルヒ「なにそれ怖い」
キョン「……むぅ」
ハルヒ「あ、前髪にゴミついてるわよ」スッ
キョン「ん?」
ハルヒ「ほら。これ」
キョン「おぉ、ほんとだ」
ハルヒ「…」ジー
キョン「……あっ、いまだ」
チュッ
ハルヒ「!?」ガタガタッ
キョン「……はっ!」
ハルヒ「ななななななっ、なっ、なに! なにしてんのよキョン!?」
キョン「!! いやあの、違う! 違うんだハルヒ!」
ハルヒ「あ、あんたいま……あたしに、きっ、きっ」
キョン「違う違う! してないしてない!」
ハルヒ「したわよ! あきらかにキスした……わ……よっ!」バシーン
キョン「ぎゃふっ!」バターン
ハルヒ「あぁ、もう! わけわかんないっ! 帰る!」
キョン「ちょっ、ハルヒさーん!」
ハルヒ「あああああ、キョンのアホー!」ダダダダッ
キョン「……やっちまった」
長門「…」ヒョコ
キョン「!? 長門! いつからそこに!?」
長門「やっちまったなぁ」
キョン「そんな棒読みで言われても……なにを手に持ってるんだ?」
長門「先っちょに○と×が書いてある」
キョン「書いてるな」
長門「今のは……こっち」フリッ
キョン「○?」
長門「とりあえず、明日までの延命にはなった」
キョン「……一応、な」
長門「だけど、恐らく明日のあなたと彼女の関係はこっち」フリッ
キョン「×かよ。俺もそう思うわ」
長門「…」フリフリッ
キョン「振り回すな! わかってる!」
長門「まあ……頑張って」スッ
キョン「助けてはもらえんのでしょうか?」
長門「彼女の反応を変えることはできない。それ以外はカバーする」スタスタ…
キョン「長門……」(ル○ンド全部パクっていきやがった……)
キョン「頬が痛い……てきかきゅに叩きやがった」
みくる「噛みましたね」
キョン「噛んでません。って朝比奈さん」
みくる「涼宮さん、物凄い勢いで走って帰ってましたけど……」
キョン「成功しまたよ。失敗しましたけど」
みくる「……あぁ、そうですか」
キョン「違うんですよ。無理矢理とかじゃなくですね? 雰囲気的に」
みくる「キョン君のおにー」
キョン「やめてください! 俺だってもっそい後悔してるんですから!」
みくる「涼宮さん今頃ドキドキしちゃって、顔真っ赤でしょうね」
キョン「…」
みくる「今のキョン君みたいに。赤信号みたいです」
キョン「!」
キョン「とりあえず俺は帰ります……もうやだ」
みくる「明日も頑張ってくださいね」
キョン「まず登校するのが嫌ですよ」
みくる「……あと最後に……」
キョン「?」
みくる「ど、どうでした?」
キョン「どうって、なにがです?」
みくる「その……涼宮さんの……」
キョン「ビンタですか。リアルで☆が飛びましたよ」
みくる「そうじゃないです! キスです! あっ、言っちゃった」テレテレ
キョン「……どうもなにも、それどころじゃなかったから覚えてないですよ」
みくる「そうですかぁ。残念ですね」
キョン「そんなこと聞いてくるってことは、案外朝比奈さんもまだ」
みくる「禁則事項です! しっ、失礼しまう!」タタッ
キョン「あ、ちょっと! 大事なとこ噛んでる……行っちまった」
キョン「…」
キョン「甘いっていうか……ルマ○ドっていうか……ぷにっていうか……」ボソボソ
キョン妹「キョン君どうしたの? お腹いたい?」
キョン「お腹じゃないよ。心が痛いんだ……」
キョン妹「おかーさーん! キョン君が病気ー!」
キョン「やめなさい!」
キョン「はぁ……」
キョン「…」
キョン「……うわぁ」モゾモゾ
キョン「冷静に考えると俺はなにおぉぉぉ」モゾンモゾン
ピリリリr
キョン「あっ、電話……古泉か」
キョン「もしもし」
古泉「ちょっと! なにしたんですか! ものっすごい閉鎖くうか」
キョン「頑張れ! どうにかしろ! ざまぁ!」ピッ
キョン「……ぬおおおおおおっ」モゾゾン
【二日目】
チュンチュン
キョン「……眠れんかった」
キョン「…」ジー
キョン「疲れてるのに元気だなお前……そりゃそうか、ずっと考えてたもんなぁ」
キョン「おはよう」
谷口「おう、おはようキョン」
国木田「どうしたのキョン? 凄く疲れてるみたい」
キョン「そうだな……全然眠れなくてな」
谷口「昨日頑張りすぎたんじゃないのかぁ? 自家発電をよ?」
キョン「うっさい! そんなんできんかったわ! クソ野郎!」
谷口「ひいっ」
ちょっとまってね
岡部「よーし、HR始めるぞー」
キョン「……あれ?」
国木田「珍しいね、涼宮さん休みなのかな?」
キョン「おいおい、まさか」
谷口「なんだキョン、お前なにも聞いてないのか?」
キョン「……むしろ原因? いや、それは」
谷口「おーい」
キョン「! って、ちょっと待て! あいつが来なければ俺は」
国木田「どうしたのキョン?」
キョン「いっ、いや別に」(……休まれるとマズいんじゃないか?)
キョン「そんなわけだ長門! この場合どうすればいい?」
長門「……結果が欲しければ過程を大事に」
キョン「ほら。マーブルチョコだ、好きなだけ食え」ポロポロ
長門「大丈夫」モゴモゴ
キョン「大丈夫だって? でもあいつが学校に来てないと」
長門「家にいけばいい」
キョン「いきなりキスした次の日に家まで行って更にキスしてこいと」
長門「ユニーク」モッシモッシ
キョン「ふざけんな。あと一粒ずつ食え」
長門「でも心配ない。彼女は登校している」
キョン「え?」
長門「あなたと会うのが恥ずかしいらしい。部室にいる」
キョン「な、なんだ……そうなのか」
長門「…」モグモグ
キョン「そこまで来たなら教室に来れば……来れんか。そうだよな」
長門「二時限目もサボるかもしれない」
キョン「だろうな。早くしないと帰ってしまうかもしれん」
長門「ふぁいと」グッ
キョン「どこで覚えてきたんだそんなの……」
キョン「しかしあいつも……堂々とサボるとは、中々だな」
キョン「……部室。開いてるか?」キィ
キョン「おー……い、ハールヒィ……」
ハルヒ「zz」
キョン「あっ、寝てる。こいつも寝不足か……」
ハルヒ「くぅ……すー」
キョン「…」
キョン「チャンスじゃないか? これ」
キョン「いやいや! それは……でも」
ハルヒ「ぬぅ……zz」
キョン「いいのか? やるなら今だよな?」
キョン「でもこれ」
キョン「そもそもハルヒが無意識でもいいのか?」
キョン「それに……口じゃなくても」
長門(大丈夫)
キョン「!?」
長門(怖がらないで。脳に直接囁いている)
キョン「怖いだろうよ……で、大丈夫?」
長門(別に、彼女の、もしゃ、意思も部位も多分関係ない。あなたは、んぐ、キスをすれば、生き残れる)
キョン「多分て。あと喋るときはモノ食べるのやめなさい」
長門(それに……)
キョン「?」
キョン「…」
キョン「……それになんだよ。言えよ。大事なとこじゃないのそれ?」
キョン「まあいい、とにかく今だ。今しかない」
ハルヒ「…」
キョン「……頬でいいだろ、口はムリだ」
チュ
キョン「……ふぅ」
ハルヒ「…」
キョン「寝顔は可愛いな。おとなしくていい」
ハルヒ「……バカ」
キョン「ん?」
ハルヒ「あんたまた……なにしてんのよ!」
キョン「ええっ!? お前、起きて、ぐはっ」ボゴォ
ハルヒ「人が寝てるからって……この変態! ドスケベ! キョン!」バシバシ
キョン「ちょっ、まっ、最後は別にっ、いやーっ!」
ハルヒ「はぁ、はぁっ……このバカキョン、ふざけんなアホ!」タタタッ
キョン「……ぐはっ」
キョン「なっ、長門……聞こえてるだろお前……」
長門(……○)
キョン「お前、あいつ起きてるのしって……うあっ」ガクッ
長門(ユニーク)
キョン「それで、部室で倒れてたのか俺は」
みくる「はい。忘れ物を取りに寄ってよかったです」
キョン「俺の顔どうなってます?」
みくる「……キョン君じゃないみたいです」
キョン「これはアレですよね」
みくる「…」
キョン「詰み……ですよね?」
みくる「どうでしょう」
キョン「どうもこうも、これじゃ俺唯の変態じゃないですか」
みくる「うーん、涼宮さん起きてたんですよね?」
キョン「はい」
みくる「じゃあ……別に嫌だったってわけじゃ」
キョン「…」
みくる「……どうなんでしょうね。わからないです」
キョン「もうやだ死にたい」
みくる「あっ、ならキスしなければ」
キョン「どっちにしろ死にたい……そして死にたくない……」
谷口「どうしたキョン、なんか倒れたって。いいなぁ、保健室で寝れるなんて」
キョン「ボコボコにされたんだ。いや、されに行ったというか」
国木田「?」
国木田「あ、なんか涼宮さん来てたよ」
キョン「知ってるよ」
国木田「教室でずーっと顔伏せて寝てて……なんか恥ずかしそうだった」
キョン「…」
谷口「なんかあったのかお前ら?」
キョン「なんでもない。なんでも……ああっ」モゾモゾ
谷口「はぁ?」
キョン「もう俺帰る。カバン持ってきてくれない?」
谷口「嫌だね、自分で取りに来い」
キョン「ムリなんだって……教室にはハルヒが」
国木田「あっ、そうだ。うん、取ってきてあげるよ。行こう谷口」
谷口「あ、おい国木田!」
キョン「…」
キョン「暖かいな……日の光が暖かい」
キョン「なにもない平凡な一日だ……アハハ」
キョン「…」
キョン「明日からどうしよう」
ガラッ
キョン「あっ、持ってきてくれ……!?」
ハルヒ「…」
キョン「なっ、何故お前が!?」
ハルヒ「あんたが話があるって……国木田が」
キョン「もうやだ、誰も信じられない」
ハルヒ「なによ話って。この変態」
キョン「違う! そうじゃないんだハルヒ!」
ボフッ
キョン「ちょっ、カバン投げんなよ」
ハルヒ「うるさい」
キョン「……怒ってる?」
ハルヒ「当たり前じゃない! あんなの……うぅ」
キョン「ご、ごめん。正直スマンカッタ」
ハルヒ「ああっ、謝ってどうこうじゃないでしょ! あんないきなり……しかも不意打ちで」
キョン「仕方なかったんだ」
ハルヒ「仕方なくキスするてどんな状況よ!?」
キョン「……すんません」
ハルヒ「もぅ……で、話って?」
キョン「なんだろうな」
ハルヒ「本気で殺されたい?」
キョン「話……はなし」
ハルヒ「…」
キョン「……えーと」
ハルヒ「言いたいことがあったんじゃない?」
キョン「いや、別に」
ハルヒ「あるでしょ! あんな……こと、したんだからっ」
キョン「?」
ハルヒ「……なによ、あんた……」
キョン「なんだよ?」
ハルヒ「やっぱり変態! 盛ってたのこのクソキョン!」
キョン「なんだよ、何故怒る!? いや、まあ怒るか」
ハルヒ「もしかして、あたしじゃなくて誰でもよかったってこと!?」
キョン「いいや、お前じゃないとダメなんだ」
ハルヒ「えっ」
キョン「えっ」
ハルヒ「それは……」
キョン「いやすまん、こんなこと言ってもわからんわな」
ハルヒ「…」キュン
キョン「え? なに今の音」
ハルヒ「ああ、あたしじゃないとダメって」
キョン「まあ……うん」
ハルヒ「それじゃ、昨日の質問もアレも……」
キョン「?」
ハルヒ「なら先に言いなさいよ!」
キョン「ビックリするだろ。そんなこと言われても……信じないだろうし」
ハルヒ「信じるわよ! すっごい信じる!」
キョン「ウソだ。絶対信じない!」
ハルヒ「だっ、だってあたしも……あたしもそうだもん!」
キョン「え? ハルヒも? なら話が早い! 互いの為だ、これから毎日――」
ハルヒ「あっ、あたしもキョンのこと……すっ、好きだったから……」テレテレ
キョン「えっ」
ハルヒ「えっ」
キョン「なにそれこわい」
はやくはやく
キョン「……好き……だと?」
ハルヒ「うん……」
キョン「オマエガー、オレヲー?」
ハルヒ「もう、キョンったら子供ね! 言う前に行動するなんてバカじゃないの?」
キョン「イヤイヤ、オチツイテクダサイヨ」
ハルヒ「でもまあ……いいわ、許してあげる」エヘヘ
キョン「うっ、そんな笑顔で」
ハルヒ「でもね、あたしだからよかったけど……いきなりキスしたら普通ビックリするわよ?」
キョン「そ、そうですよね。あははっ」
ハルヒ「だから……ん」
キョン「?」
ハルヒ「ほら、もうビックリしないから……もう一回ちゃんとしなさいよ」
キョン「!?」
キョン「えーと、何故そうなる?」
ハルヒ「なんでって……あんな急にされたのが最初ってなんか嫌じゃない?」
キョン「そう……かなぁ」
ハルヒ「だーかーら、これが最初! 今までの二回は見過ごしてあげるわ」
キョン「……なにこの流れ」
ハルヒ「?」
キョン「あの、一つ確認していいか」
ハルヒ「なに」
キョン「もしかして俺、ハルヒに……ハルヒの」
ハルヒ「なっ、なによ改まって。恥ずかしいから言わないでよ」
キョン「そういう関係なの? もしかして俺、告白しちゃったってノリ?」
ハルヒ「なによ、嫌なの? もしかしてウソ……」
キョン「ちょっ、違う! ウソじゃない!」
ハルヒ「やっぱり! そうよね、幾らキョンでもこんなウソつかないわよね!」
キョン「……マジか」
ハルヒ「早く、早くしないと先生来ちゃうわよ?」
キョン「お、おぅ」
ルルーシュ「・・・間違っているのは流の方だ。」
どうなるどうなる
ハルヒ「それじゃ、帰るんなら気をつけて帰りなさいよ!」
キョン「…」
ハルヒ「……また夜にでも電話するわ! じゃあねキョン♪」
ピシャン
キョン「…」
キョン「……どういうことなの?」
キョン「俺が、ハルヒと、こう……揉んだり揉まれたりのアレ?」
キョン「…」
キョン「そうだ、家に帰ってカニでも食べよう」
長門「落ち着いて」クルクル
キョン「!? 長門っ! お前、いつからベッドの下に!?」
長門「割と最初からいた」
キョン「ホコリまみれだぞ」
長門「…」ポフポフ
長門「おめでとう」パチパチ
キョン「やめて、マジでやめて……まず落ち着かせて」
長門「ちなみに今のキスはカウントされない。されるのは一日一回まで」
キョン「言うな!」
長門「二回しようが三回しようが関係ない」
キョン「言うなって! あと忘れろ! 忘れてください!」
長門「……恋人」
キョン「…」
長門「都合いいと思う」
キョン「そうじゃないだろ! それ以前の……」
長門「嫌?」
キョン「嫌じゃ……ないけど」
長門「おめでとう」パチパチ
キョン「やめろって! マジでやめて!」
長門「やっちまったなぁ」パチパチ
キョン「もうやだこの宇宙人」
おめっとさん
長門「むしろいい兆候。互いに不満はないだろうし、あなたも死なない」
キョン「それはそうかもしれんけど、いきなりあの……ハルヒが彼女ってのも」
長門「揉んだり揉まれたり?」
キョン「そっ、それは早いんじゃないかなぁ、ハハハ」
長門「…」
キョン「……何か言え」
長門「とにかく、結果としては完璧」
キョン「……はぁ。まあいい、ゆっくり考えるよ」
長門「そう」
キョン「まあいいさ。うん……」
長門「嬉しそう」
キョン「う、嬉しくなんかないぞ? うん、嬉しくない」
長門「顔が笑ってる」
キョン「……あんまり見ないでくれ」
長門「もう時間。教室に戻る、また」
キョン「あぁ、今日はこのまま帰るよ」
長門「…」トコトコ
保険教師「あれ? おやつに取っておいたアルフ○ートがない……」
キョン「……虫歯になるぞあいつ」
キョン妹「あはは、またキョン君変なかおー」
キョン「キョン君はもう寝るからね……部屋入ってきちゃだめだぞ」
キョン「…」
キョン「これから毎日、ハルヒにキス」
キョン「そしてあいつは俺の……彼女」
キョン「ハルヒも俺のことが好きだった……か」
キョン「…」
キョン「ただのバカップルじゃないか!? なにこの状況!?」
ピリリリr
キョン「? あっ、古泉……もしもし」
古泉「やっちまったなぁ」
プッ ツーツー
キョン「ぶっ殺す」
いいよいいよ
古泉「はは、冗談ですよ。怒らないでください」
キョン「お前な、いきなりキャラじゃないことすんなよな」
古泉「昨日の仕返しですよ。僕は昨日死にかけたんですからね」
キョン「俺なんて毎日死に掛けてるよ」
古泉「なにはともあれ、おめでとうございます」
キョン「うるさい」
古泉「これで気にせず、毎日キスできるじゃないですか」
キョン「……しなきゃダメか?」
古泉「嫌なんですか?」
キョン「嫌というか……ねぇ」
古泉「まあしなければ死ぬんですけどね」
キョン「マジでお前を殴ってやりたい」
古泉「色々と支援しますよ。僕も朝比奈さんも、長門さんも」
キョン「……絶対楽しんでるだろ」
古泉「はい。あっ、いいえ」
キョン「ちくしょう」
もうこれが驚愕でいいよ
【三日目】
キョン「……ものっそい寝たのにギンギンって」
キョン「もしかすると、お前の期待も……」
キョン妹「キョンくーん! 起きたー?」
キョン「入ってくるんじゃありません!」
国木田「やあ、おはようキョン」
キョン「おはよう、そしてこの野郎」
谷口「ふっふ……あの後涼宮と何話してたんだよこの野郎」
キョン「なにも話してないぞこの野郎」
国木田「なんか帰ってきた涼宮さん、すっごいご機嫌だったよ」
キョン「…」
ハルヒ「あ、おはようキョン」
キョン「! お、おう! おはようハルヒ」
ハルヒ「~♪」
国木田「……ね?」
谷口「なにかあったな……なんだろうな」
久々に支援
いつ揉んだり揉まれたりするんだ?
キョン「よーし、ちょっと来いハルヒ」
ハルヒ「えっ、なにどこ行くのよ?」
キョン「……誰もいないな」
ハルヒ「なによ、どうしたの?」
キョン「お前がどうしたんだよ。なんだそれ、目があうとずっとニヤニヤしてる」
ハルヒ「だって……えへへ」
キョン「デレるな! キャラ違う! お前そんなんちゃう!」
ハルヒ「だって、キョンがあたしの……って思うと、なんか嬉しくって」
キョン「そ、それは嬉しいけどさ? もうちょっといつもどおりでいこうじゃないか」
ハルヒ「うーん、以外と難しいわね」
キョン「なんでだよ」
ハルヒ「あんたは嬉しくない? あたしが彼女で」
キョン「……正直昨日はニヤニヤしてたさ」
ハルヒ「ほら、ね」
キョン「しかしそれはだ、まあ誰もいなかったし」
ハルヒ「誰もいなけれいいのね」
キョン「まあ、そうだな」
ハルヒ「じゃあ今ね キョーン!」ギュー
キョン「ちょっと! 待ってってばハルヒさーん!?」
キョン「抱きつくなって。耳噛むのもだめ!」
ハルヒ「いいじゃない、誰もいないんだし」モゾモゾ
キョン「あの、学校だしさ……頼むから普通にしてくれないか?」
ハルヒ「腕、放してよ」
キョン「放したら抱きついてくるだろお前」
ハルヒ「まあそれはそれで」
キョン「頼むから聞いてくれ……落ち着こう、うん」
ハルヒ「はい、落ち着いた」
キョン「…」パッ
ハルヒ「きょーん!」ムギュー
キョン「あああっ」
ハルヒ「あっ、もう休み時間終わっちゃう」
キョン「……全然話通じない」
ハルヒ「まあいいわ。あたしも少しはしゃぎすぎたかもね」
キョン「だよな!」
ハルヒ「こうやって呼び出されて……またキスされるのかって思っちゃったし」
キョン「あっ」
ハルヒ「そんなずっとラブラブでも、後が怖いもんね? 熱しやすく冷めやすいとも言うし」
キョン「あの、そうだ」
ハルヒ「さ! 次の授業はなんだっけ、数学? 早く行くわよ!」グィー
キョン「話を聞けー!」
ハルヒ「はい有希、あーん」
長門「あむ」モシュモシュ
ハルヒ「ここのシュークリーム美味しいわよねー」
みくる「そうですねぇ。買って来て正解でしたぁ」
キョン「…」
古泉「割と普通ですね」
キョン「そうでもない、ものっそい疲れた……」
古泉「できれば清純な付き合いで願いたいものです」
キョン「俺もそうだよ、だけどあいつのテンションが……」
古泉「ところで、アレはしましたか?」
キョン「すっ、するわけないだろ! まだ二日目だぞ!」
古泉「いやあの、それじゃなく……付き合うって言ったらすぐそれですか」
キョン「……うるさい」
古泉「日課ですよ。日課」
キョン「日課とか言うな。まだだ、色々とチャンスを逃してだな」
長門「…」
キョン「クリームを拭け。髭を剃る下準備みたいだぞ」
/ ヽ \ \
,' / / l \ ヽ
! / / / ,' | l ハ ヘ、ヽ、_,
. | ! l l / / ,イ ! i ! l ヽ ',` ̄
. l | l l ,/ 〃 ,/ /│ l j l│ ! l
ノ | ! │ | /_// // / ,' ∧ / | / j l│
ノ l ァ| |尢/‐=乞t/ / /∠ニ「厂! / ,/ / リ
イ 八{´l !レ<f{矛:下 'ヽ 〃イ孑代勹 イ } /
. Vハ | r';;_zj r';;zリ / , '//
ヽ ', | 、 / /
`ヘ lヽ _ 厶 ./ ・・・支援
', {.代ト、 , イ | /
\_'i| > 、 _ , イ/ V l./
/ ヽj {`ヽ ′
. _ / 「´ ヽ} \
_, -‐ ´ l‐--‐、 _ -‐ | ` ー- 、
. r<\\ ヽ '´ ̄ ___ `ヽl| / /ヽ
y⌒ヽ \\ V  ̄ _ `ヽl| / / ∧
./ ヽ. \\ ∨ ̄ `ヽ | / / / l
みくる「洋菓子に緑茶ってのも変な感じですね」
長門「あちっ」
みくる「冷ましてから飲みましょうね、フーフーって」
長門「…」フーフー
古泉「タイミング……ですか」
キョン「これが意外と難しくてな」
古泉「いいじゃないですか。いきなりグッといけば」
キョン「できたらやってるっての」
古泉「何故やらないんです?」
キョン「…」
古泉「ヘタレってやつですね。わかります」
キョン「ねぇなんでそんなこと言うの?」
ハルヒ「キョンもシュークリーム」
キョン「おう、ありがとう」
ハルヒ「あっ、指についちゃった」
キョン「…」
ハルヒ「……あーん」
チュ
ハルヒ「んっ、くすぐったい」
キョン「……あっ」
みくる「…」
古泉「ほぅ」
長門「…」
キョン「いやっ……あの」
ハルヒ「もう! 人前でいちゃいちゃすんなって言ったじゃない!」
キョン「それはお前が!」
長門「×」スッ
キョン「ダメなのかよ! なんでだ! っていうか、長門基準なのこれ!?」
/ ヽ \ \
,' / / l \ ヽ
! / / / ,' | l ハ ヘ、ヽ、_,
. | ! l l / / ,イ ! i ! l ヽ ',` ̄
. l | l l ,/ 〃 ,/ /│ l j l│ ! l
ノ | ! │ | /_// // / ,' ∧ / | / j l│
ノ l ァ| |尢/‐=乞t/ / /∠ニ「厂! / ,/ / リ
イ 八{´l !レ<f{矛:下 'ヽ 〃イ孑代勹 イ } /
. Vハ | r';;_zj r';;zリ / , '//
ヽ ', | 、 / /
`ヘ lヽ _ 厶 ./ ・・・そう
', {.代ト、 , イ | /
\_'i| > 、 _ , イ/ V l./
/ ヽj {`ヽ ′
. _ / 「´ ヽ} \
_, -‐ ´ l‐--‐、 _ -‐ | ` ー- 、
. r<\\ ヽ '´ ̄ ___ `ヽl| / /ヽ
y⌒ヽ \\ V  ̄ _ `ヽl| / / ∧
./ ヽ. \\ ∨ ̄ `ヽ | / / / l
長門・・・
長門「指はNG。認められない」
キョン「なんだと……ほっぺはOKなのにか?」
長門「×」スッ
キョン「わかったって! もういいよ!」
ハルヒ「?」
ハルヒ「それじゃ今日はここまでね! 解散!」
キョン「はぁ……疲れた」
ハルヒ「ねぇキョン? 一緒に帰るでしょ?」
キョン「えぇ? 俺もう疲れたよ」
古泉「日課」ボソッ
キョン「帰ろう。一緒に帰ろうハルヒ、そら帰るぞ」
ハルヒ「そうね! 帰りましょ!」
みくる「……面白いですねぇ」
古泉「人命が掛かってるは思えませんね」
長門「持って帰っていい?」ゴソゴソ
みくる「箱あげますから、シュークリームをポケットに入れるのはやめてください!」
ハルヒ「まさかねぇ、キョンと付き合うことになるなんてねぇ?」
キョン「そうだな。俺もビックリだ、驚愕だ」
ハルヒ「よねぇ」
ハルヒ「でも地味に家の方向違うわよね」
キョン「家まで送ってやろうか」
ハルヒ「それは悪いわよ。あ、丁度いいわね。ここまででいいわ」
キョン「ん」
ハルヒ「……それじゃ、また明日」
キョン「おう」
ハルヒ「あっ、キョン?」
キョン「ん?」
ハルヒ「きっ、気をつけて帰りなさいよ?」
キョン「そうだな。ハルヒも気をつけて」
ハルヒ「……ほかになにかない?」
キョン「他に?」
ハルヒ「むー……もういいわよ、またね!」
キョン「?」
キョン「…」
キョン「! あっ、忘れてた!」
キョン「ハルヒー! 待ってくれ、待ってー!」
ハルヒ「!」
キョン「ゼェ、ゼェ……すまん、忘れてた」
ハルヒ「えっ、なに? なになに?」
キョン「うっ……なに? って言われるとなんだかアレだな」
ハルヒ「なによぉ」
キョン「そうだ! こうしよう!」
ハルヒ「?」
キョン「俺とお前で約束をしようじゃないか。帰り際はキスして別れるって」
ハルヒ「なっ……く、口に出して言うなバカキョン!」
キョン「おぉ、そ、そうだな。スマン」
ハルヒ「……いいわよ。あんたがそうしたいならそうしてあげる」
キョン「悪いな、ありがとうハルヒ」グッ
ハルヒ「ストップ!」
キョン「んぐ。なんだよ?」
ハルヒ「先に言うこと……あるでしょ!」
キョン「? あっ、えーと……すっ、す……好きだーとか、なんとか」
ハルヒ「……まあいいわ。うん、あたしも」
チュッ
キョン「…」
キョン妹「どうしたのキョン君? 眠いの?」
キョン「眠いのかもな……どうだろうな」
キョン妹「?」
キョン「別れ際に毎日キスか……」
キョン「あの様子じゃ、更に毎日好きだって言わせられるってことか」
キョン「むしろ、毎日一緒に帰るってことか?」
キョン「…」
キョン「いよいよバカップルじゃないか! なにをやってるんだ俺は!?」
キョン「あぁぁっ……勘弁してくれよ、なんで俺がこんなにやっけっぱなしの展開に……」
キョン「…」
キョン「いやまあ、悪くはないけどさ」
☆スーパー晩御飯タイム☆
まあなんだ
いつもどおり勢いで立てたから、進行遅くても許してほしいね☆
>>154
ありがとう。
>>154
, -‐―y ─―- 、
/ ' \
、_/ / / ヽ ヽ
// , / / / { l ヽ ',
/ ,イ l l { ∧ l l l ハ
|/ { l { ハ.{ ヽ lヽ _jヽ. j j ト
i l ∧ ハ7ニム \{ ´ムニレ、| / !
ヽ{ lヽ{ヘf_:::j f_:::リ|/ ハN
l ∧ `ー' , `ー' l /V
Vl ヽ. )‐ イ / ・・・わたしも
ハ |/>,、 _ イヽ/
_V__{-`ーrr一'´ -}、___
〃-──ム、___}{__, -<`ー─ミヽ
/ _/__-う__とこヽ ヽ }>l
,′ l { ( l三三三彡'} l /l l
/ ヽ_〉 ヽ/ ∥ ヽ{ {_ / } }
j =/ヽ___/> ∥ \/ヽ_ { {
/ 〃 ヽ___,イ ∥ く__/ヽ\ ヽ
r==┐ j _∥ _ { \\}
│ |))__ /__|\;;∨\;;\\_____\ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄<.ゝ、_ノ> x―' /\;\∨__\;;\` ‐-、  ̄ ̄ ̄ ̄
`ー────────‐─ '
ハイパー晩御飯タイム終了
さあ頑張るか・・・ゆっくりと
【四日目】
ハルヒ「でねー、それ聞いた有希がー」
キョン「ほうほう」
ハルヒ「水銀と間違えて口に入れちゃってー」
キョン「へぇ」
国木田「……楽しそうだね」
谷口「この数日で何があったんだあの二人」
国木田「見てよキョンを、話しながらずっと涼宮さんの口元みてる」
谷口「さかってんな」
国木田「さかってるね」
谷口「最低だ……畜生」
国木田「はははっ……うん」
古泉「へぇ、帰りに? お別れの挨拶?」
キョン「……そんな感じだ」
古泉「よかったですね。なんとか命が繋がったじゃないですか」
キョン「ところがそうじゃないんだよ」
古泉「? なぜです?」
キョン「だってお前、ハルヒがもしそれに飽きたとしよう」
古泉「はい」
キョン「なら最後の最後までキスするのを待っておいて、できなかったとしたら……」
古泉「死ねばいいんじゃないですか?」
キョン「ねぇちょっと、俺真面目に話してるんだけど」
古泉「大丈夫でしょう。だったらその前にキスしてあげればいいじゃないですか」
キョン「だけどそんなの、どんなタイミングですればいいのか……」
古泉「知りませんねぇ、考えればいいじゃないですか」
キョン「ごめんね、自慢してるわけじゃないの。ほんとに困ってるの。ごめんね」
古泉「はははっ」
ハルヒ「ほら有希、動かないの」
長門「…」ピタッ
ハルヒ「そうそう、動かないでよ」
キョン「…」(耳掻き……)
みくる「はい、お茶どうぞ」コト
キョン「ありがとうございます」
みくる「どうですか? 調子は」ヒソヒソ
キョン「まあ、なんとか毎日キスする約束みたいなのは取り付けましたけど……」
みくる「あぁ……そうですかぁ」キュンキュン
キョン「トレー抱かかえて悶えるのはそれ、俺達に対してなんですか?」
みくる「頑張ってくださいね。私も……人が砕け散るのを見るのは嫌ですから」
キョン「爆死なの!?」
長門「……ぅ」モソッ
ハルヒ「動かないの!」
ハルヒ「はいじゃあ解散ね! 来週も元気にいきましょう!」
キョン「はいはい」
みくる「さようなら~」
長門「…」モソモソ
キョン「……毎週毎週、週末になるとお菓子全部持ってかえるのやめろよ」
長門「?」
キョン「いや、なんでもない」
長門「食べる?」
キョン「食わん」
長門「そう」モソモソ
ハルヒ「じゃあ帰りましょうか、キョン」
キョン「あぁ」
ハルヒ「有希も気をつけて……って、ポケットぱんっぱんじゃない」
長門「…」
ハルヒ「カバンに入れなさいよ」
長門「そっちもぱんぱん」
ハルヒ「あら、そうなの……」
キョン「長門ってなんであんなに甘いものが好きなんだろうな」
ハルヒ「なんでかしらね」
キョン「……甘味って、もしかして地球にしかないとか?」
ハルヒ「?」
ハルヒ「見て見て、じゃーん」パッ
キョン「飴?」
ハルヒ「有希が持って帰ってるやつから、二個だけくすねてきたの」
キョン「へぇ……やるじゃん」
ハルヒ「コーヒー味とリンゴ味、どっちが好き?」
キョン「コーヒーかな」
ハルヒ「じゃあリンゴあげるわ! コーヒー味はあたしが……んっ、ちょいにが」モゴッ
キョン「くれないのかよ」
これは口移しフラグ
____
__,,/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. な…
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ なんなんですか?
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. ここ、どこですか?
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんであたし
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 貼られたんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄ ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.V : : ヘ : : {: : :/:.::∧|
ヽ! )人 : : :人 : : : / \! :.
" ヽ : : : : :/イ{ :.ノ: : : :.\ :.
:. \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
/ //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
:. / 、 {;{ |;| . : i/. : : : : : :|
/ `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l
俺「ユニーク」モサモサ
ハルヒ「そうだ、勝負しましょうよ」
キョン「勝負?」
ハルヒ「どっちが先に、口の中の飴を食べきれるかって」
キョン「面白そうだな。よし、のった」
ハルヒ「勝ったほうの言うことを負けたほうが聞くってことで」
キョン「いいぞ」
ハルヒ「スタート」
キョン「んぐっ」ガリガリ
ハルヒ「あっ」
キョン「噛み砕いちゃダメ、とは言ってないからな。はい俺の勝ちー」
ハルヒ「……ふふっ、所詮キョンね。まだ勝負は終わってないわよ?」
キョン「え? ちょっ、おまっ」
チュゥ
ハルヒ「……ん。はい、あたしの勝ち!」
キョン「お前な……ひ、卑怯じゃないか?」
ハルヒ「口移しNGだとも言ってないもん!」
キョン「あぁ、はいはい。俺の負けだわ……うん」
ハルヒは嫉妬シーンがかわいいのに
これじゃ単なるバカップルをみてるだけだ
こら嫁!
揉んだり揉まれたりはまだですか?
>>216
まぁじっくり楽しもうぜwww
ハルヒ「じゃあ命令するわ! あんたは明日一日あたしの予定に付き合うこと!」
キョン「予定?」
ハルヒ「映画観たり買い物したり……ね?」
キョン「あぁ、そうだな。休日だしな……」
ハルヒ「じゃあね、また明日! 電話するからちゃんと起きてなさいよ!」
キョン「わかってるよ、起きてる起きてる」
ハルヒ「じゃーねー!」タタッ
キョン「……休日、か」
キョン「…」
キョン「ん?」
キョン「休日……!?」
キョン「もしかして俺、これから毎日ハルヒと会わないといけないってこと?」
朝倉「私の出番は?」
俺の手の中に何かが……ナイフ?そうか。これが朝倉の意志なのね……
古泉「あぁ、そうですね……そういうことになりますね」
キョン「そういうことになりますね、って」
古泉「毎日キスしなくては、ですから。一日でもできなければそれは……ふふっ」
キョン「何故笑う」
古泉「いいじゃないですか、毎日会って毎日キスすればいいんです」
キョン「いやお前、それはムリだろ? さすがに限界ってもんが訪れるだろ」
古泉「それはそれで」
キョン「お前もうどうでもよくなってるだろ」
古泉「なってないですよ。さすがに目の前で人がつま先から徐々に腐っていくのを見たくはないですし」
キョン「なに俺、死因ランダムになってるの?」
古泉「ただまあ……一男子としては……死ねよって感情がなきにしもあらずというか」
キョン「わかってます! 俺もこんなこと言われたら死ねよしか言えません! でも助けて!」
【五日目】
キョン「思えば休日に二人だけで会うってのは、初めてだな」
ハルヒ「そうね! キョン!」
キョン「……その、ずっと腕を組んでないといけないのか」
ハルヒ「いけないわ!」
キョン「これなんか可愛いんじゃないか、数珠っぽくて」
ハルヒ「そんなこと言ったら全部数珠に見えるわよ」
キョン「……突き詰めると、ただの民芸品だよなぁ」
ハルヒ「あー……まあ、オシャレってほら? 便利な言葉じゃない?」
ハルヒ「次はねー、あっちよ!」グイッ
キョン「…」(キスすれば終わりってわけにはいかないしなぁ)
ハルヒ「ん? どっか行きたいトコある?」
キョン「そうだなぁ……」(延命の為か、こいつと一緒に居たいのか……どっちなんだろうなぁ)
ハルヒ「はー……沢山遊んだわね!」
キョン「もうこんな時間か。早いなぁ」
キョン「女の子の買い物ってのは、とても時間が掛かるもんだと思ったけどな」
ハルヒ「もっと見たいのは沢山あったわよ? でも全部買えるわけじゃないしね?」
キョン「なるほど。見ても手に入らんもんは……見ないほうがマシってことか」
ハルヒ「そっち座ってもいい?」
キョン「? 何故隣に……向かい合ってればいいじゃないか」
ハルヒ「座りたいの。ほら寄った寄った」グィグィ
キョン「…」
ハルヒ「変なの。キョンとデートしてる」
キョン「おう、変だな」
ハルヒ「……あんたが不意打ちのキスさえしなけりゃ、こんなことにはならなかったわよ?」
キョン「仕方ないことだったんだよ……あれはな」
ハルヒ「そんなにキスしたかったってこと? キョンは意外とそういうの好きなのねー」
キョン「ちょっ、違っ」
小泉「友としては、尽くすあまりにヤンデレと化した涼宮さんに殺されて死ぬのは見たくありませんので」
キョン「えっ」
ハルヒ「で、今日はもうキスしなくていいの?」
キョン「いや別に、いいとかいかんじゃなくて」
ハルヒ「キョンってさ……ずっとあたしの唇見てるじゃん」
キョン「はぁ!?」
ハルヒ「あれ、もしかして自覚なかったの?」
キョン「自覚もなにも! 全然見てないぞ!」
ハルヒ「見てるんだって。で、キスして終わったらなんだか安心した顔するの」
キョン「そ、そんなことないぞ? 考えすぎだろ」
ハルヒ「そんなことあるわよ、だから今日は最初にキスしてみたの」
キョン「…」
ハルヒ「ふふっ……そんなにあたしのキスは安心する?」
キョン「違う違う、そんなんじゃないって」
ハルヒ「じゃあもうキスしないでいい?」
キョン「それは……困る……なぁ」
ハルヒ「ほらやっぱり! 可愛いわね、キョン~♪」
キョン「ああぁっ、違う、違うんですよハルヒさん……」モジモジ
ハルヒ「ほらもう、白状しちゃいなさいよ。大好きなんでしょ? キス」
キョン「そんなのじゃないって。何で俺がそんな」
ハルヒ「でも今言ったじゃない、キスしてくれないと困るって」
キョン「じゃあ逆に聞くけどな? ハルヒは俺とキスしなくても平気か?」
ハルヒ「わりと平気だけど」
キョン「……ですよねー」
ハルヒ「じゃあもう、これからキスせずに付き合ってみる?」
キョン「ごめん、それは勘弁願いたい」
ハルヒ「ほーら! やっぱりキョンは好きなんじゃない!」
キョン「……もういいよ、それでいいさもう……はぁ」
ハルヒ「よしよし、よく言ったわね。褒めてあげる」ナデナデ
おいハルヒが惨めだやめてくれ
ハルヒ「はー……楽しい休日だったわ!」
キョン「それならよかったよ、俺は疲れた……」
ハルヒ「それじゃ、また学校で!」
キョン「おぅ」
ハルヒ「あれ?」
キョン「?」
ハルヒ「まーた意地張っちゃって。バイバイのキスは?」
キョン「……別にいいさ。そこまで執着しとらん」
ハルヒ「うわっ、酷い言い方ねそれ」
キョン「まあ今日の分のノルマは散々こなしたし……いやなんでもない」
ハルヒ「まあいいわ。あんたがしなくていいってのなら、あたしも賛成」
キョン「…」
ハルヒ「? なによ、ほら帰った帰った!」
キョン「いやあの、そう言われるとだな」
ハルヒ「ふふっ、なーにぃー?」
【六日目】
キョン「…」
キョン「十五時か……すげぇ寝たな」
キョン「……ちょっと待て! 今日はどうすればいいんだ俺!?」ガバッ
古泉「え? 涼宮さんに会えない?」
キョン「そうなんだ、なんかあいつ今日は家族と出かけるからって」
古泉「何故今更……もう夕方ですよ」
キョン「なんていうか、昨日のことを反芻してたらだな」
古泉「ドのろけじゃないですか」
キョン「まあそれはそれとしてだ! これは、これは……どうしたら?」
古泉「僕はなんとも言えませんね。長門さんにでも聞いてみてはどうでしょうか?」
キョン「長門に?」
古泉「空間移動も時間移動もなんのその、だとは思いませんか?」
キョン「なるほど!」
追いついた
死にたい。週末に何てものを見せてくれたんだ…
明日も仕事なのに…
キョン「ここだ……」
ピンポーン
キョン「あれ、留守かな」
ピンポーン
キョン「……マジか」
キョン「おいおい、どこへ行ったんだ長門は!」
キョン「オートロックだしな……誰か帰ってくるのを待って一緒に入るか?」
キョン「いやでも、なんか嫌だなそれは」
キョン「……あ、監視カメラ」
キョン「…」
キョン「おーい、俺だ。ほらお菓子持って来たぞー」フリフリ
ウィーン
キョン「居留守かよ」
キョン「こら長門、何故居留守を使う」
長門「…」
キョン「ドアを開けてくれ。早くしないと死ぬかもしれん」
長門「お菓子は?」
キョン「持ってきてるって。なんか地方の土産みたいなのを」
ガチャ
長門「入って」
キョン「やっと開けてく……ん? どうしたお前!?」
長門「?」
キョン「なんだその管! 点滴か……体、どこか悪いのか?」
長門「……体に直接……オレンジジュースを流している」
キョン「どこの海賊だお前」
長門「甘美」
キョン「体じゃなくて頭がダメになってるのか……一度宇宙帰ったほうがいいんじゃないのか?」
長門wwwww終わってるwwwww
長門「…」ゴソゴソ
キョン「どっかの有名な大福らしい。妹が美味い美味いって食ってた」
長門「…」ハム
キョン「…」
長門「合格。用件を言って」モッシモッシ
キョン「それ不合格だったらどうなってたんだ?」
キョン「――というわけだ、これじゃ今日中にハルヒに会うことができない」
長門「やっちまったなぁ」
キョン「なにそれ気に入ってるの?」
長門「……問題ないはず」
キョン「本当に? でもなんで」
長門「彼女の願望は、『あなたに会える日は毎日キスしてほしい』ということ」
キョン「じゃあ最初から会えない日は……大丈夫ってことか」
長門「恐らく」
キョン「恐らくってなんだよ。はい失敗でしたー、で済む問題じゃないだろこれ」
長門「当たるも八卦当たらぬも八卦」
キョン「そんなので死にたくねぇ……」
長門「飲んで」
キョン「なんで俺はお茶なの? オレンジジュースないの?」
長門「あれは……ガソリンみたいなもの」
キョン「…」
長門「今のところ、私にはどうすることもできない」モグモグ
長門「彼女のプライベートには、干渉する術がない」ボリボリ
長門「だから、今できることは……持っている情報の全てを最大限に使い」ムーシャムーシャ
長門「できるだけ確実な結論を、あなたに伝えるだけ……けふっ」
キョン「それ言うだけで何個ブラックサン○ー食べてるんだよ……」
長門「おかわり」
キョン「ない」
長門「……あなたは明日死ぬ」
キョン「脅してもないもんはない」
ダメだwwwwこの長門大好きwwwww
ブ○ックサンダーうまいよな
勿論炊飯ジャー開けたらプリン入ってんだろ?
……ネタが解らないよねごめん
キョン「アーモ○ドチョコがカバンに入ってた。やるよ」
長門「…」スッ
キョン「本当に甘いもの大好きなんだな」
長門「これなしでは私は存在できない」
キョン「糖分ってそんな凄い力あるの?」
長門「…」コリッ
キョン「あぁ、すぐ噛み砕く派なんだな」
長門「?」
キョン「俺はわりと、口の中で転がせる派」
長門「…」モゴモゴ
キョン「そうするとだ、チョコとアーモンドを別々に楽しめるだろ?」
長門「……こんなときどういう顔をすればいいかわからない」
キョン「気に入ったのか。あとそれはお前のセリフじゃない」
キョン「まあいい、とりあえず長門を信じて……今日は家に帰る」
長門「さようなら。今までありがとう」ガチャン
キョン「!? ちょっ、今のなに!? 長門? 長門さーん!?」ドンドン!
キョンと食べ方同じだわ
キョン「本当に大丈夫なのかよ……油断してるとパーンなんてことに」
キョン「…」
キョン「あと二時間……」
キョン「あと二分で……一日が終わる」
キョン「ああああっ! 本当に大丈夫なんだろうな!?」
ピリリr
キョン「!? メール? 古泉……」
『今までありがとうございました』
キョン「うわああああああああああああ!!!!」
キョン「ああああああ……っ……?」
キョン「あれ、十二時廻ってる……」
キョン「あいつマジでどうにかしてやる」
【七日目】
古泉「落ち着いてください! 僕は別に悪気があってあんなメールを送ったわけじゃ!」
キョン「悪意以外のなにも感じられんかったわ! この野郎!」
ハルヒ「あーもー、ほら邪魔よ二人とも!」
キョン「っと、何やってるんだよ」
ハルヒ「大掃除よ! やるって前に言ってたでしょ?」
キョン「なにも月曜日にやらなくても」
ハルヒ「一番元気な日になるのが一番! ほら、ゴミ捨てに行くわよ」
キョン「ん」
ハルヒ「有希の食べたお菓子の包み紙が尋常じゃないからね……あの子なんで太らないのかしら?」
キョン「脳をやられてるんだよ。多分プリンとかでできてるんだ」
ハルヒ「?」
なんでかしらんけど息子が反応してる
俺の息子も甘党なんかな?
みくる「あっ、ごめんなさい! ちょっと遅れちゃいました!」
ハルヒ「あとで罰ゲームね。部室の掃除手伝ってあげて。あたし達ゴミ捨ててくるから」
みくる「ひぇぇ~」タタタッ
ハルヒ「んしょ、っと!」ドサッ
キョン「甘いゴミだな……これ」
ハルヒ「ちょっとずつ捨てさせるように教育しましょ」
キョン「教育って、まあそれもそうだな」
ハルヒ「さ、戻るわよ」
キョン「待ってくれ。ちょっと飲み物買っていく」
ハルヒ「あー……あたしオレンジ」
キョン「俺のオゴリ?」
ハルヒ「お代はこれで」チュッ
キョン「! ……お、おぅ」
ハルヒ「先戻ってるわねー!」タッ
キョン「…」ガコン
キョン「……いや別に、この環境気に入ってるわけじゃないぞ?」モゴモゴ
>>275
お前の息子はプリン製か
【八日目】
長門「…」
キョン「なんだよ」
長門「…」
キョン「なんだって」
長門「間接キスは……×」スッ
キョン「!? お、お前! いつ見てたんだ!?」
長門「ユニーク」シャッ
キョン「消えた!?」
ハルヒ「あっ! あんたあたしの羊羹食べたでしょ!?」
キョン「……ごめんなさい」
ハルヒ「食べかけだったのに! 弁償しなさい!」
長門「内緒で羊羹を食べるほうが悪い」モゴモゴ
キョン「丸々一本齧りながら言うな」
長門「けふっ、こほ!」
みくる「あぁー、喉詰まっちゃいました? ほらお茶です」
長門「ファ、ファ○タを、けほ!」
キョン「合わないってレベルじゃないだろそれ」
キョン「というか」
長門「…」モグンモグン
キョン「俺の○×ってのは、お前基準なのか?」
長門「そうでもない。ただ、そうでもあると言えばそうでもある」
キョン「意味がわからん」
長門「……彼女が満足していないとダメ、というのが近い」
キョン「じゃあお前全然関係ないじゃないか」
長門「羊羹を食べている。集中させて」モゴモゴ
キョン「適当に対応してたのか。もう甘いものとりあげるぞ」
長門「宣戦布告?」ゴオッ
キョン「ごめんなさい! ごめんなさい!」
ハルヒ「手広げなさいよ」
キョン「手? こうか」
ハルヒ「そのままどーん!」ムギュー
キョン「……子供」
ハルヒ「うっさいわねー。いいじゃない」
キョン「もっぞもぞすんな。髪が鼻に当たってくすぐったいだろ」
ハルヒ「まったあっしたー♪」チュー
キョン「はぁ」
キョン「こういうの、慣れるっていうのか……人に観られたら死ねるな俺」
あれ…ハルヒが可愛いぞ?
いい感じやな~~
【九日目】
キョン「この場合はどうすればいい?」
古泉「さぁ……」
みくる「涼宮さんが来ていないなら……大丈夫じゃないですか?」
ガラッ
長門「…」
キョン「あっ、長門。いいところに」
キョン「ハルヒが休みなんだ」
長門「…」
キョン「一応メールでやりとりしてるけど……」
長門「出して」
キョン「えっ? 携帯?」
長門「違う。あなた」スッ
みくる「私ですか!? なっ、なにを」
長門「今日、調理実習でクッキーを作ったのは知っている」
キョン「……あげてください」
みくる「ひえぇ」スッ
長門「隠し事はよくない」
マジでお菓子ならなんでもいいんだなww
長門他人事だな
長門「居ないなら、会いに行くのが得策」
キョン「えっ? でもあいつが会いたくないなら……」
長門「病気のとき、どんな人に傍にいてほしいと願う?」
キョン「…」
長門「このケースはわからない。爆死するか生き残るか、検討がつかない」ポリポリ
みくる「こぼしてますよ」フキフキ
長門「ん……だから、会いにいったほうがいい」
キョン「会いに、か。あいつの家まで行けと……両親とかいたらどうするよ?」
古泉「いいじゃないですか、挨拶すれば」
キョン「簡単に言うな! お前らからしたら人事でも、俺は必死なの!」
古泉「その必死さをご両親にアピールすれば」
キョン「ただの変態じゃねーか」
キョン「娘さんにキスしないと爆死するんです!」
ハルヒ父「帰れ」
ハルヒ母「警察?それとも黄色い救急車?」
キョン「……そうそう、今から行くよ」
キョン「別にいいって。着いたらまた掛けるから、寝てな? おう」
ピッ
キョン「よし、じゃあ言ってくる」
みくる「わぁ……なんかいいですね。青春です」キュン
キョン「必死ですよ。爆死したくないですし」
古泉「手ぶらで行くのもなんですから、なにかお見舞いになりそうなものでも……」
みくる「……クッキーがあったんですけどね……」
長門「…」
キョン「はぁ」
長門「三分待って。再構築する」キュイイイ
キョン「ちょっ、大丈夫なのかそれは!?」
長門「……元通り」クゥ
キョン「腹の音が聞こえるんだけど?」
長門「気にしないでいい」キュルル、クー
キョン「娘さんにキスしないとry」
チュッ
ハルヒ父「や、やったぁああ!」
ハルヒ母「そこに痺れる憧れry」
l´ | | | ___..___ _l´ | |. |
| | | __⊥-‐" ̄: : : : : : : : ̄`ヽ| |.、|. |
┼=ニ二´;: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |: :| |
|,.イ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| |`| |、
/: : : : ::/: : : : : : |: : : : : : : ::|: : : : : : ;|. |. | |:ヘ、
/:.::/: : : :/ : : : : : : :|: : : : : : : : |: : :: |: ::|:| | | |: :トゝ
|::/|: : : :/: : : : i: : :/|: : : : : :λ::|: : : :|: :|::| |.| |:: :|
|/ l: : : :|: : : : ::|: :/ |: :i:: : : :| |::jヽ、:::|_:|:::| ト、 .|: : :|
|: : :.:|: : : : ::|:/‐-、|:/|: : : :j_j;/-‐∨、|:::j` ヽ::.:|
|: : :.:|: : : : ::/〒云オ ∨::/〒云弐ア|: :| ┃┃l、:|
ヽ:i:.:ヽ、: : :ハ lト::t:j:| ∨ |ト::t::j:;j,'|: ::| x | `
__人__:::ヽ、:|::} `ー‐' , `ー‐'" |: :::{____,,ノ
`Y´ヽ::|::|::::j xxx xxx |: : :/:.: :/j/ ・・・ ・・・元通り
! `ト:|:::ヽ、 _____rっ__,,.ィ|:: :/ヽ;/
ヽ|:::::::::/リ |:::,、:;ィヽ `ア`|:;/ヽ、
∨::/ V / {____/ '"_ \
∨ / ,{ |ニニ/ ,イ´二二ヽ〉
{:| | | ///_,r-─-.、j
|::ヽ.゛|/´/,イ´::::::::::::::::::}
キョン「着いたぞハルヒ。えっ、今開けるって……」
ガチャ
ハルヒ「……ほんとに来たのね、キョン」
キョン「ハルヒ、大丈夫か?」
ハルヒ「くしゅっ!」
キョン「ほら、部屋どこだ? 二階か?」
ハルヒ「ん……」
キョン「玄関閉めるぞ」ガチャ
ハルヒ「うぅ、まさかキョンが初めてウチにくるのが……こんなときだなんて」
キョン「それは俺もどうかと思うけど、とりあえず気にするな」
ハルヒ「二階の角の……」
キョン「おう、わかった。……家族の人は……」
ハルヒ「丁度出かけてるわ」
キョン「よっしゃ」
ハルヒ「なに考えてるのよ! 変態!」
キョン「ちょっ、そうじゃない!」
ハルヒ「あ、あんまり部屋の中キョロキョロするんじゃないわよ?」
キョン「綺麗じゃん。意外と女の子の部屋だ」
ハルヒ「なによそれ……うぅ」
キョン「辛いか? 熱は……結構ありそうだな」ピト
ハルヒ「ひゃっ、手冷たい」
キョン「ごめんな、なんかこんなときに」
ハルヒ「ううん。別に……嬉しいは嬉しいわよ?」
キョン「ならいいや。ほら、まあゆっくり寝てろって」
ハルヒ「うん……」
キョン「朝比奈さんからクッキー貰ってきたぞ」
ハルヒ「クッキー?」
キョン「正確には長門から……まあそれはいい」
ハルヒ「あーん」
キョン「食えるか?」
ハルヒ「頑張る。あーん」
キョン「長門の真似だけはすんなよ……ほら」
ハルヒ「味あんまりしない」
キョン「そりゃあ熱がでてるからだろうな。治ってから食えばいい」
ハルヒ「そうするわ」
ハルヒ「ふぅ……」
キョン「…」
ハルヒ「で、なにしに来たのよ?」
キョン「なにって……」(キスしに来ました! なんて言えないわな)
ハルヒ「もしかしてキスしに来たとか?」
キョン「何故ばれたし」
ハルヒ「えっ」
キョン「! いや、そんなわけないだろ。どんだけバカなんだよ俺は」
ハルヒ「そうよね。さすがにそれはないわよね」
キョン「……普通に看病しにきたんだよ。弱ってるハルヒなんか想像もできんかったしな」
ハルヒ「ったく、一言多いっての」
キョン「本心だ本心。ほら、手握っててやる」グッ
ハルヒ「……それ、キョンっぽくない。でも……あったかい」
キョン「そうだな」
ハルヒ「もう大丈夫よ。大分楽になってきたから、明日は学校行けると思うわ」
キョン「おう、そうか……いや、もうちょっといるよ」
ハルヒ「?」
ハルヒ「……親、帰ってくるかも」
キョン「そっ、それはマズイな」
ハルヒ「帰りたくないの? 寂しいの?」
キョン「状況的にそれは俺のセリフじゃないか」
ハルヒ「あたしは別に……寂しくもなんともないわよ」
キョン「じゃあ握ってる手を放してもらいたいな」
ハルヒ「……ふんっ」
キョン「ほら、帰る前に……」
ハルヒ「いーや! 今日はしない!」
キョン「ちょっ、そんなこと言うなって」
ハルヒ「……キスしたらキョンに風邪うつるもん」
キョン「いいよ、別にうつってもかまわんさ」
ハルヒ「嫌。だってそれじゃあたしが悪者みたいじゃない」
キョン「……別にハルヒにうつされる風邪なら、俺も悪い気はしないよ」
ハルヒ「ばーか。アホ、キョンのエロス。……でこちゅーなら許したげる」
キョン「じゃあそうしよう」チュ
ハルヒ「んん、くすぐったぁい」クィクィ
キョン「あっついなぁ、ハルヒのおでこ」
ハルヒ「あたしもお返しやったげる。起こして?」
キョン「別にいいよそんなの」
ハルヒ「おーこーせっ」
チュ
ハルヒ「キョンのおでこはひゃっこいわ」
キョン「お前が火照ってるだけだろ」
ハルヒ「そんなことないわよー」ムギュゥ
キョン「……ほらなんか、全体的に熱いし」
ハルヒ「あぅー……キョン好きぃ」ボソッ
キョン「?」
ハルヒ「なーんでもないわよ。もうちょいこのまま」
キョン「……なんでこんな毎日キスばっかりしてるんだろうな」
ハルヒ「あんたがキスしたいキスしたいって言うからよ。キョンの甘えっ子」
キョン「違うと言ってるのに」
ひゃっこいってかわいいよね
>>332が正解ということで
「冷たい」より「ひゃっこい」って言われたほうがその、イイじゃないか!
【十日目】
チュンチュン
キョン「朝か……けほっ」
キョン「?」
キョン「うぅ……なんか頭が」
キョン妹「キョン君、かぜー?」
キョン「そうみたいだ。うつっちゃうとダメだから早く学校に行きなさい」
キョン妹「はぁーい」
キョン「……しっかりとうつるもんだな」
キョン「というわけで、今度は俺が風邪を引いてしまったみたいだ」
ハルヒ「はぁ、なにそれ! だから昨日言ったのに」
キョン「デコチューでもうつるもんなんだな……」
ハルヒ「そういうことじゃないわよ。とにかく、家でおとなしくしてなさいよね」
ピッ
キョン「…」
キョン「寝よっと」モゾモゾ
キョン「ちょっ、それは……まて長門っ」
キョン「……違う……」
キョン「それは水銀だっ!」ガバッ
ハルヒ「!?」
キョン「! ……なんだ、夢か」
ハルヒ「なっ、どうしたのキョン?」
キョン「ハルヒ。いや、なんだか変な夢をだな……って、ハルヒ?」
ハルヒ「ぐーすか寝てたわね。もうとっくに学校終わったわよ」
キョン「何故お前がここに」
ハルヒ「なんでって、あんたも昨日お見舞い来たでしょ」
キョン「……あぁ、そういうことか」
ハルヒ「はいこれ。今日の分のノートあんたのも写しといたから」
キョン「マジか。ありがとうハルヒ」
キョン「でもどうやってウチに入ってきた?」
ハルヒ「あんた電話しても、全然でなかったからね。直接来て妹ちゃんに開けてもらったわ」
キョン「あいつ帰ってきてるのか」
ハルヒ「今は多分、自分の部屋でゲームしてると思うわ」
キョン「学校どうだった?」
ハルヒ「なにもかもいつも通りよ。有希もずっとお菓子食べてた」
キョン「そうか、それはいつも通りだな」
ハルヒ「でね、SOS団のみんながキョンのとこに行けって」
キョン「……ありがたいけどなんか嫌な世話だな」
ハルヒ「そういえば、皆にちゃんと言ってないわね」
キョン「ちゃんと? なにを?」
ハルヒ「あたし達が付き合ってるって」
キョン「言わなくてもわかるさ。むしろわからない奴に出会いたいぐらいだ」
ハルヒ「なんでよ」
キョン「お前の態度があからさまにおかしいからだ。最初っから言ってるじゃないか」
ハルヒ「だって……ねぇ?」
キョン「しかしあれだ、これでまたお前に風邪が戻ると変な話になる。帰ったほうがいいぞ」
ハルヒ「大丈夫よ。あんたももう全然元気じゃない」
キョン「……そう言われればそうだな。全然ダルくもなんともない」
ハルヒ「ほんとにキスでうつっちゃうなんてね」
キョン「そうじゃないと思うぞ。俺は、その後モゾモゾお前が抱きついてきたのが原因だと思う」
ハルヒ「そんなことないわよ!」
キョン「今日もまた会いに来たし……どっちが甘えっ子なんだかな」
ハルヒ「そっ、そんなんじゃないってば! 元気そうならもう帰るわよ!?」
キョン「ははっ、怒るなって」チュ
ハルヒ「ん……こら、デコチューすんな」
キョン「お礼だ。見舞いに来てくれたお礼」
ハルヒ「……ったく。都合いいったらありゃしないわね」チュ
【二十三日目】
長門「ガムと」モグ
長門「チョコを」モグモグ
長門「一緒に食べると」モッシュモッシュ
長門「グロい」あー
キョン「見せるな! お前そんなキャラだったか!?」
長門「甘味と甘味の殺し合い……なんて恐ろしい」
ハルヒ「あーもー、食べ物で遊ばないのペッてしなさい」
長門「ぺっ」
ハルヒ「そのうち虫歯になるわよね、有希」
キョン「俺もそう思うよ」
ハルヒ「キョンは虫歯ある?」
キョン「ないよ。ほら」あーん
チュ
ハルヒ「……ん。ほんとだ、無駄に綺麗ね」
キョン「不意打ちすんなよ……ったく」
【三十八日目】
ハルヒ「真っ暗ねー。夜中のコンビニってドキドキするわ」
キョン「なんでこんな時間に不思議探索なんぞを……」
ハルヒ「いいじゃない、折角の連休なんだし。ほら待ち合わせ場所に行くわよ!」
ハルヒ「……静かね」
キョン「皆、寝てるんだよ」
ハルヒ「昼間なら、ここも人で一杯なのにね?」
キョン「そうだな」
ハルヒ「そうだ、ちょっとしゃがみなさいキョン」
キョン「?」
チュー
ハルヒ「えへへ、昼間じゃ考えられないでしょ? こんなとこで」
キョン「……淫乱」
ハルヒ「なっ!?」
長門「……○」スッ
キョン「だからドコで観てるんだよお前は……」
【五十五日目】
キョン「やっちまった」
古泉「?」
キョン「ハルヒと喧嘩してしまったんだよ」
古泉「なんてことを!」
古泉「……閉鎖空間はまだ発生してないみたいですね」
キョン「それよりもどうしよう? どうやってキスすりゃいいのこれ?」
古泉「まだやってたんですか。最近聞かないからもうとっくにそれも終わったものかと」
キョン「え? そうなの長門?」
長門「あと五時間二十五分、十八秒……」ブツブツ
キョン「終わってないじゃないか! あいつはどこに行ったんだ!?」
みくる「あっ、なんかさっき校門のほうに」
キョン「思いっきり帰ってるなそれ、すまん! 行ってくる!」ダッ
キョン「待てハルヒ、ちゃんと話をしようじゃないか」
ハルヒ「うっさいわね! あんたなんかと話すことなんてないわよ!」
キョン「そう怒るなって、なぁ? ハルヒ?」
ハルヒ「あんたがきのこ派だったなんて……なんで今まで言わなかったのよ?」
キョン「そんなのお前こそたけのこ派だなんて一言も言わなかったじゃないか」
ハルヒ「言ってなかったけど、あたしは有希にあげるときいつもたけのこしかあげてなかったでしょ!?」
キョン「そんなの俺だって、きのこしかあげてなかったと言ってるのに」
ハルヒ「……はぁ」
キョン「悪かったよ。きのこもたけのこもどっちでもいい、こんな言い争いなんにもならんぞ?」
ハルヒ「……誠意を見せなさいよ、誠意を」
キョン「…」
チュゥ
キョン「な? ごめんなハルヒ」
ハルヒ「……一緒に切り株を買いに行きましょっか」
キョン「そうだな、俺が払ってやるよハルヒ」
ハルヒ「うん♪」ギュー
【七十八日目】
ハルヒ「…」
キョン「涼しいな、今日は」
ハルヒ「そうね……」
ハルヒ「誰も来ないわね」
キョン「そういう日もたまにはあるさ」
ハルヒ「もっとこっち座りなさいよ」
キョン「ん」ススッ
ハルヒ「髪伸びたわね」
キョン「そろそろ切らないとな」
ハルヒ「伸ばしてみたら?」
キョン「伸ばした俺の姿を見たいのか」
ハルヒ「……キモいわね」
チュッ
キョン「なんだか自然になったな」
ハルヒ「? なにが?」
キョン「なんでもないよ、あー……誰も来ないなぁ」
【百日目】
キョン「長門はどうした? あいつ最近見かけないな……」
みくる「パソコンの検索履歴が『世界一 甘い』になってて……それから見かけませんね」
古泉「帰ってくればいいんですけどね」
キョン「昨日ハルヒに言われてビックリしたんだが」
みくる「はい?」
キョン「今日で、俺がハルヒと付き合いだして丁度百日目らしい」
古泉「そうですか。どうでもいいですね」
キョン「もっとオブラートに包んでもらえないそれ?」
みくる「凄いですね……涼宮さんちゃんと覚えてるんだぁ」
キョン「というか、あの俺のキスから数えて百日目らしいんですけどね」
みくる「ふふっ、あれが告白ってことになってるんですね。可愛いなぁ」
ガチャ
長門「……みつ、けた」ドサッ
キョン「!? 長門!? どうしたお前、なんでこんなボロボロに!?」
みくる「みっ、水をー!」
長門「世界中の……お菓子を食べ歩いていた」
キョン「なにをやってるんだなにを」
長門「その結果、この国のお菓子は……別格ということがわかった」
キョン「まあそりゃ、ずっと日本のお菓子食ってたわけだしなぁ」
長門「西瓜飴、大福、金つば、シベリヤ……至福」
キョン「なにをどれだけ食ってきたんだお前」
みくる「凄いですねぇ。長門さんのカバンから世界中のお菓子の包み紙が……」
古泉「なにが彼女をそうさせてるんでしょうね」
長門「デスティニー」
キョン「わけがわからん」
キョン「それより長門、丁度今日で百日目なんだよ」
長門「……?」
キョン「だから、ほら。ハルヒに毎日キスしないと死ぬって言われてからさ」
長門「……キス……まだやってたの?」
キョン「そうそう。いやー、俺も長いこと……ん? まだ? まだってなに?」
長門「キスしないと死ぬという仕組みは、六日目の時点で終わっていた」
長門「あの日、彼女は諦めた。そんな毎日キスしてくれる人なんているわけないと」
長門「それからはあなたと彼女がキスすることは、する「だけ」にしかすぎないことで」
キョン「……つまり、しなかったとしても別に死ぬこともなかったってこと?」
長門「そうとも言える」
キョン「…」
長門「…」
キョン「何故言わない!? 一体俺ずっと何に怯えてたんだ!?」
長門「タイミングを逃した」
キョン「いやお前、それ以降もなんだかノリノリだったじゃないか!」
長門「……逃した」
キョン「お前……」
古泉「おっとここでネタばらし」
キョン「!? まっ、まさか古泉!? お前も?」
みくる「あの……薄々そうじゃないかとは、思ってましたけど」
キョン「朝比奈さんまで!? なんで……何故誰も言わない!」
キョン「うあああ……俺はなにをずっと必死に……」
古泉「いいじゃないですか、あれ以来閉鎖空間も何も一度も起こらなかったんですし」
キョン「その間俺がどれだけ命の大切さに涙しそうになったか想像できるか?」
みくる「らっ、らぶらぶっていいことですよ?」
キョン「それはそれ、これはこれで……ああっ」
ガチャ
ハルヒ「おいーっす! って、久しぶりね有希!」
長門「…」コク
ハルヒ「折角みんな揃ってるんだし、久々に不思議探索でも行きましょうか!」
古泉「いいですねぇ」
ハルヒ「よーし、ほらキョン! って、どうしたの? なにをそんなに落ち込んでるのよ?」
キョン「違う……嬉しいけど嬉しくなくて、信じられないけど信じたいというか……」
ハルヒ「変なの。ほら行くわよ!」グイッ
ハルヒ「なにこれ、シベリヤっていうの? モフモフしっとりで美味しいわねー」
キョン「…」モッサモッサ
ハルヒ「不思議なことは見つからなかったけど、これはこれでよかったわ!」
キョン「あぁ、そうだな……そう思うよ」
ハルヒ「なにをそんなに落ち込んでるのよ?」
キョン「別に。なんでもないさ」
ハルヒ「ほら、元気だして? 今日で百日目よあたし達!」
キョン「……だよなぁ。なにもこんな日にバラさなくても……」
ハルヒ「もーみんな帰ったし、百日目のキスする?」
キョン「…」
ハルヒ「ん?」
キョン「まあ……意味がなくなったとしても、今更辞められることじゃないよな」
ハルヒ「なにが? 何言ってるのよキョン?」
キョン「なんでもないさ。ここまできたら……このままいつまで続けられるかに挑戦しようじゃないか」
ハルヒ「……なんだかよくわからないけど、面白そうね! うん!」
チュッ!
☆終了☆
久しぶりに書くと手首痛てぇ……ww
>>100付近でかなりネタ切れだったけど、なんとかこんな感じになりました。
どうもありがとう。そのうち「はらぺこながとむし」とかでなにか書こうかな……。
おやすみー
ノシ
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