男「俺にはマゾ耐性がある。だから生きていける」(8)

2XXX年 

数年前から「マゾ」という異変が、日本全国に病的なスピードで拡散していた

「マゾ」、と一言で述べてはいるが、それはただの被虐趣味を指す訳ではない

「マゾ」となった人間は理性を全て失い、ひたすら醜く苦痛を求め続ける存在となるのだ

そしてそれだけではなく、普通の「マゾ」ではない人間を「マゾ」にしようと執拗に強要さえしてくる

「マゾ」になるための条件は『苦痛を感じること』

「マゾ」ではない人間達はひたすらに「マゾ」になる事を恐れ、息を潜めて生きていた

「マゾ」を治す手段はいまだ見つかっていない

増え続ける「マゾ」、減り続ける正常な人間、画期的な解決策は依然見つかっていない

お、酒場のやつか。

これは期待



男(数日前、我が家の家族という繋がりが粉微塵に崩壊した)

男(家族の不仲が原因で、という訳ではない)

男(母がマゾになってしまったのだ)

男(三人家族だった)

男(誰よりも母を愛していた父は、その事実に精神の均衡を乱した)

男(そして滅茶苦茶に自傷行為に及び、母と同じマゾになってしまったという訳だ)

男(自殺ならぬ自マゾ、どうやら最近流行っているらしい)

男(自殺よりも簡単で、全てを忘れられるのだから、そうしたくなる気持ちも確かにわからなくはない)

男(しかしそれのせいで、俺は一日も経たぬ間にたった一人ぼっちとなってしまった)

男(この年で一人になったとしても、本来ならそれは大したことではないはずだ)

男(とはいえ世の混沌具合からしてそうも言ってられない)

男(父と俺は異変が起こる前までは都会でそれぞれ別の仕事をしていた)

男(けれどそういった職を捨ててこうして三人田舎に越して来たのだった)

男(事態の深刻性にいち早く気付いた父は、人で溢れている都会にいる事が何よりも危険だと察知したのだ)

男(事実、マゾが手遅れな程甚大な被害を最初に与えたのは大都会に対してだった)

男(もっともこのニュースはここに定住する前に小耳にはさんだ事だ)

男(よそのニュースを得られる手軽な手段なんて物はここにはない)

男(父はあえてそういうあらゆる情報から隔絶されるような過疎の場所を定住先として選んだらしい)

男(もしかしたら誰よりも先見の明があった父は、もうどうにもならないと、内心早々に諦めていたのかもしれない)

男(……母がマゾになったのは、そんな田舎の生活に筋金入りの都会っ子な母がようやく慣れてきた矢先の事だった)

男(昨日、途方に暮れている俺へ多少懇意にさせて貰っていた隣家から、長女のお婿に来ないかという誘いがあった)

男(その家の家主である男性はかなりのご高齢、その割に子供が多い)

男(人手を欲しがっての事だと言うのはあきらかだった)

男(だけど俺としては、これ以上親しくなった誰かがマゾになるのをいつか見るのはこりごりな気分だった)

男(だからこういった婚約等の面倒事を手っ取り早く避けるため、何となく上の空で言ったのだ)

男「――残念ですが私は、両親の無念を無駄にしないためにも、日本を救うべく一人これから行かねばなりませんので、失礼」

男(……自分でも随分適当なことを言ったと思う)

男(威勢の良い事を言った手前、そのままだらだらしている事も出来ず、成り行きで旅に出る形となった)

男(日本を救う?そんなこと当然無理に決まっている、という諦観の気持ちも確かに最初からあった)

男(でも、やってみれば実際どうにかなるのではないか?)

男(そんな現実逃避めいた楽観が、密かに俺の心中にあったというのは正直否定できない)

さっき朝起きてネタとしてそんな悪くなさそうな感じしたからここまでとりあえず書いてみた
スレたてしないと他に書きたいの書いてる間に絶対書かないのは確実だったからかなり見切り発車

最近ここ落ちるの早いからどうにか落とさないよう頑張るよ
お、落ちたら避難所とやらがあるし……

支援

やってくれると信じてた

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