車掌「終点、思い出駅でございます。お忘れ物のないよう…」(14)

『ごめんねっ男君…最後まで迷惑かけちゃって…今までごめんね…』

ガタンッゴトッガタン
男「んっ…ふわぁ…」
シュウテンーオモイデエキデゴザイマスオワスレモノノナイヨウ…
ずいぶんと長い間寝ていたようだ…
それにしても嫌な夢を見た…

にしても思い出駅…?
聞いたことのない駅だ…
どこか懐かしい雰囲気がある…
というかここは…昔、通っていた高校の最寄り駅…?いや、そんなわけ…
「…っ!」
駅の名前が…変わっている!?
さっきまでは確かに思い出駅とかかれていたはずっ…
いや、おかしいのはそれだけじゃない…さっきまでよれよれの作業服を着ていたはず…
それなのに今は…シワひとつない学生服を着ている…
「あぁ…そうか…」
俺は今夢を見ているんだろう
「おはよ!男!」
あぁ…これが夢なら覚めないでほしい…
でもそれも、叶わない願いなんだろうな…
でも…
「おはよう、幼馴染」
夢が覚めるまでは…この幸せだった日々を…

幼馴染「今日?えーっと確か5月15日だよ」

5月15日…確か…そうだ
あの事件が起こる一週間前だ

幼馴染「にしても、驚いたよー」
ん?
幼馴染「だって、今日は部活の朝練があって一緒にいけないと思ってたのに、なんでか男がいるんだもん」
そういって幼馴染はにこっと笑った
久しぶりにみた幼馴染の笑顔は僕の鼓動を早くさせた
やっぱり…綺麗だな

幼馴染「てか…男携帯持ってるでしょ?」
言われて気が付いた
男「幼馴染の可愛い声が聞きたかったからさ」
溢れんばかりの笑顔で答える
幼馴染「は…はぁっ!?何言ってんの!?」
顔真っ赤にしてる。可愛い
幼馴染「あっ…もうこんな時間じゃん!急がなきゃ!」
幼馴染が走り出す
男「頑張れよー」
声をかけるとVサインが返ってきた

友「おーっす、男」
っ…!
友…か…

男「おぉ…おはよ…」

友のことを思い出す
幼馴染にあんなことがあってから、ずっと俺を励ましてくれていた

いつも…俺を…はげましてくれていたのに…っ!
俺は友にあんなことをっ…

友「男…?顔、青いぞ…」

男「嫌…きにすんなって」

友「ほんとに辛かったら 無理すんなよ」

男「ああ、わかった」

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~教室~
女「おっはよー!元気ないねー男」

懐かしいな…
昔はよく友と女、それと幼馴染と俺でよく遊びにいったっけな

男「朝からうるせぇな…女」

女「なっなんですとー!男こそなんか急ににやにやしだしてキモいんだけど!」

男「してねぇよ、ほら」

女「嘘だ!さっき絶対してた!」

男「はいはい…」

幼馴染「おはよー…てどうしたの?」

女「聞いてよ幼馴染!男ったらわたしをバカにするんだよ!」

その風景を見て何か温かいものが滲み出していく…そんな気がした

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