P「楓さんと目だけで会話してみよう」(12)



P「最近、楓さんの視線を感じることが多い」

P「仕事中。休憩中。帰り道・・・・・・ふと気づくと見つめられている」

P「どうしましたか。と聞いても」

楓『あ。なんでもないです』パタパタ

P「という風にはぐらかされる」

P「その際に手を小さく振る仕草が大変愛らしい」


P「・・・・・・最初の内はぼーっとしてるだけなのかと思っていた。
  しかし、気づけば二回。三回。なんと毎日それは続いている」

P「これはいったいどういうことか」

P「きっと口に出せない悩みがあるに違いない。
  新緑がお迎えできないとか。湯けむりがお迎えできないとか」

P「つまり楓さんが言い出せない程の悩みを抱えているなら、俺から察してしまえばいい・・・・・・。
  そう。これは試練だ。楓さんに打ち勝てという試練と俺は受け取った・・・・・・」



楓「・・・・・・」ジー

P「・・・・・・」ジー

P「( そんなわけで楓さんと見つめ合ってみたのだ )」


楓「あの・・・・・・」

P「おーっと皆まで言わないでください! いま言いたいことを当てて見せM@S!」

楓「はぁ・・・・・・」

楓「( ネクタイ曲がってる・・・・・・ )」


P「( 視線は――俺の顎。いや口元、か? 髭はそってきたはず・・・・・・ )」

楓「( ねー、食うたい? ちょっと違うかな )」

P「( 逆に考えるんだ。俺を見ているからといって俺のことを考えているわけではない。
    つまりこれは楓さんなりのアピール。俺の唇じゃなくて楓さんの唇に何かあるというメッセージ! )」

楓「( たい・・・・・・鯛茶漬けが食べてみたいっちゃ・・・・・・ふふっ )」

P「( よく見ると今日の楓さんは口紅を変えている!

    今日の色はベージュっぽいな。いつもはピンク系を好んでいるのに。
    間違いない! これは口紅を変えてきたことに対する感想を求めている! )」


P「楓さん」

楓「はい?」

P「口紅、変えましたよね? 似合ってます。なんというか、上品です」

楓「ありがとうございます」ニコニコ

P「( よっしゃ! )
  どうです! 言おうとしてたこと、ばっちり合ってたでしょう!?」

楓「いいえ」

P「えっ」

その後二人は仲良く昼食を取りに出かけ、鯛茶漬けに舌鼓を打ちました。




 おわり

勢いでスレ立てるのはやめよう(迫真)
いろいろとすまんな

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