ゆずこ「……む、ぬぬっ…」
ゆい「さっきから何してんだよ…」
ゆかり「全然ご飯食べれてないよ? 保健室いくー?」
ゆずこ「大丈夫。左利きになる練習してるだけっ…」
ゆい「……はぁ?」
ゆかり「なんでー?」
ゆずこ「だって、かっこいいじゃん!?」キラッ
ゆい「また始まったよ」ハァ…
ゆかり「おーっ、例えば例えば?」
ゆずこ「え……あ、えーっと」
ゆい(テキトウなこと言うから……)
ゆずこ「あ、間違えたーっ! 『かっこいい』じゃなくて『便利』なんだよ!」
ゆかり「間違えちゃったのゆずちゃん~。はい、ドンマイの飴ちゃん」
ゆずこ「おおサンキューッ、あとで食べ──」
ゆい「で、何が便利なんだ?」
ゆずこ「え、ほら……国語の作文が書きやすいよ!」
ゆかり「おーっ」
ゆい「おお……でも、数学とか横文字は逆に不便じゃないか?」
ゆずこ「……」
ゆい「市販のハサミとかも大体が右利き用だし」
ゆずこ「なんで……なんでなんで! なんで左利きが淘汰されなくちゃならないのさ!?」
ゆい「なんでお前がキレてるんだよ!」
ゆずこ「ハッ!」
ゆかり「ゆずちゃん、また何か思いついた?」
ゆずこ「そうだよ……この左利きに生きづらい世界、その中で左利きは戦っている!
右利きの圧制に負けずに、希少民族として! それつまり、『かっこいい』!!」
ゆかり「おーっ、かっこいい!」
ゆい「民族って……」
ゆずこ「それにほら、私がらーめん食べてるとするじゃん?」
ゆかり「それってミソらーめん?」
ゆい「そこはなんでもいいだろっ」
ゆずこ「ゆかりちゃん、左利きの人役ね」
ゆかり「うんっ」
ゆずこ「こう、ミソらーめんをズズズーと私がやっているわけですよ」
ゆかり「おいしそうだね~」
ゆずこ「コーンがたまらんのですよ」
ゆかり「コーン……!」
ゆい(このくだりいるのか?)
ゆずこ「たべたくなった?」
ゆかり「うんっ、一口いーい?」
ゆずこ「じゃあ……──はい、箸とレンゲをどうぞー」
ゆかり「はい、ありがとー。えっへへー」
ゆずこ「……ねっ!?」
ゆい「なにがだよっ!」
ゆずこ「えぇー、わっかんないー?」
ゆい「……あ、あぁ。多分わかった」
ゆい(くだらねぇ…)
ゆかり「えぇ、なになにー?」
ゆずこ「ゆかりちゃん、あなたの両手には今なにがあるでしょう?」
ゆかり「…えっと、二人の愛かなー」
ゆい「今そういうのいいからっ」
ゆずこ「違う違うっ。さっき私がどっちに箸を渡して、もう片方にレンゲを渡したかって質問だよ」
ゆかり「右にレンゲに、左にお箸?」
ゆずこ「ザッツライト! ちなみに今、設定上ゆかりちゃんは、左利きですっ」
ゆい「もうほぼ答えだな」
ゆかり「……ハッ!」
ゆずこ「きた? ピンときた!?」
ゆかり「今、くしゃみ出そうだったのに止まっちゃった!」
ゆずこ「ズコーー!!」
ゆい「脈絡なさすぎるわ!」
ゆい(ゆずこは、『対面にいる利き手が違う人に箸とレンゲを渡すと、持ち替えなくてもいい!』、
とか言いたかったんだろうな……なるほど)
ゆかり「ん、ゆいちゃん何頷いてるのー?」
ゆい「なんでも」
───────
ゆかり「あっ、今目の前をUFOが過ぎった、気がした」
ゆずこ「ほんと!?」
ゆい「気がしただけだろ?」
ゆかり「うんっ」ニコッ
ゆずこ「なーんだ……」
ゆかり「えっへへー」
ゆい「……UMAって本当にいると思うか?」
ゆずこ・ゆかり「「思うっ!」」
ゆい「お、おう…」
ゆずこ「ワレワレハウチュウジンダ」
ゆかり「あっはっはっはっは!」
ゆずこ「イチイユイヲサライニキタ、オッパイオッパイ」ジリジリ
ゆい「それはただの不審者だ!」バコッ
ゆずこ「いたァ!? な、殴らなくてもいいのに……」
ゆかり「じゃあ、もし宇宙人とバッタリ会っちゃったらどうするー?」
ゆい「うーん、私だったら逃げるかな。何されるか分からないし」
ゆずこ「『おう、久しぶり。ちょっと寄ってくか』って自然な流れで家に持ち帰る」
ゆかり「おーっ」
ゆい「昔の知り合いかっ」
ゆかり「ゆいちゃんでもね、その宇宙人はボロボロなんだよー? 今にも死んじゃいそうなんだよー?」
ゆずこ「ア゛ーータスケテーア゛-……」
ゆい「なんか、すげぇ置いていき辛いな……」
ゆかり「宇宙人も生きてるんだよっ」
ゆずこ「そう、宇宙人にも……感情はあるんだぜ?」
ゆい「いること前提だな!」
ゆかり「はぁ……宇宙人、いるかなー」
ゆずこ「いるよ、宇宙人」
ゆい「……いるといいなー」
ゆずこ「…ワレワレハウチュウジンダ」
ゆい「あっ、いた」
ゆかり「あっはっはっはっは!」
ゆずこ「ねえ唯ちゃん、どんな気分?」
唯「んー!んーんー!」
ゆずこ「あはは。何言ってるかわかんないよ。ま、裏切り者の唯ちゃんにはお似合いの格好だよね。」
唯「んー!んー!」
ゆずこ「でも驚いたなぁ、唯ちゃんと縁ちゃんが付き合ってたなんて。私が縁ちゃんのこと好きなの知ってたくせに。お母さんが教えてくれなかったら一生気付かなかったかもね」
唯「……」
ゆずこ「ねえ、面白かった?裏では付き合ってるくせして表じゃ私の相談にのるふりするの」
ゆずこ「滑稽だったよねぇ。裏じゃ縁ちゃんとの笑い話にでもしてたのかな?」
───────
ゆずこ「私たちに足りないのは、萌えであると思う!」
ゆかり「おーっ、萌え~」
ゆい「いらんわそんなの!」
ゆかり「え~、いらないのゆいちゃん。萌え~」ジリジリ
ゆずこ「萌えはいいよ~? 萌え~」ジリジリ
ゆい「なんなんだお前ら……」
ゆずこ「あっ…でもゆいちゃんはすでに……///」
ゆかり「萌え萌えだよね~」ニコニコ
ゆい「な、なんだよっ。今日は一段と気味悪いな…」
ゆずこ「ツンデレはゆいちゃん。ゆかりちゃんは天然、じゃあ私は?」
ゆい「勝手にツンデレにするな!」
ゆかり「ゆずちゃんはねー、えーっと……」
ゆい「あれだ。バカキャラ」
ゆかり「おーっ」
ゆずこ「ひどいッ!?」
ゆかり「萌え~、すでにいっぱいあったんだね~」
ゆい「すでに有り余るほどにあるんだな……」
ゆずこ「私たちアニメにできるんじゃない!?」
ゆい「ツンデレと天然とバカキャラ……濃いな」
ゆかり「私濃い目の方が好きだよー?」
ゆい「……」
ゆずこ「濃い目ってなんか、エロいよね」
ゆかり「おーっ///」
ゆい「……濃いなぁ」
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