みく「お掃除ウサミンロボにゃ」 (35)


 モバマスSSです

 まったりと

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 天才科学者池袋晶葉によって開発されたお月見ウサちゃんロボは、団子を作ったり配ったり踊ったりする優れロボである

 その開発に関わったウサミン星人安部菜々は、晶葉にウサミン科学を提供した

 斯くしてお月見ウサちゃんロボは、ウサミン科学により改造強化されたのだ

 
 その名は、ウサミンロボ!


 人手不足を補うため、ウサミンロボが色々な所で使われるようになったシンデレラプロ。
 今日もウサミンロボは真面目に働いています。

 ウサウサ

「ロボチャン。これから皆でお仕事なので、にゃんにゃんにゃんのお弁当を取ってきて欲しいにゃぁ」

 今日の初仕事は、前川みくからのお願いです。

 ウサ
 キャタピラGO
 きゅらきゅきゅきゅ


 事務所に併設されている女子寮の食堂へ行くと、賄いさんに預かった食券を渡します。

「ロボちゃんはいつも賢いねぇ。はい、これがお弁当ね。三人分だよ」

 ウサ
 きゅらきゅらきゅら

 お弁当を受け取って戻っていくと、にゃんにゃんにゃんの三人が待っていました。
 前川みく、高峯のあ、アナスタシアの三人です。

「ご苦労様にゃ~☆」


 ここでウサミンロボは考えます。
 お弁当は三つ。
 ハンバーグ弁当、鮭弁当、コロッケ弁当。

「どうしたにゃ? 早く渡すにゃ」

 前川みくはにゃあにゃあ言っているのだから、猫に違いありません。
 猫にお魚。鬼に金棒。みちるにパン。

 つ【鮭弁当】

「はい……って、これは鮭弁当にゃあ! みくは魚が駄目だから、ハンバーグかコロッケを渡すにゃ」

 変わった猫もいるものです。


 つ【ハンバーグ弁当】

「そうにゃ。最初からハンバーグ弁当を渡してくれていればいいにゃあ」

 ウサ 

「ん? まだ何かあるにゃ?」

 ウサウサ

 つ【猫缶】

「……それはいらないにゃぁ」

 ウサ!?


「みくの食べ物は人間と同じにゃ」

 きゅらきゅらきゅら

「何か寂しそうに行っちゃったにゃ」

「みくは悪くにゃい……多分」

 ウサミンロボはせっかくの猫缶が無駄になって寂しくなりました。
 けれども、くよくよしてはいられません。
 今日はこれからお掃除当番です。事務所の周りをお掃除するのです。

 事務所の周りには色々なゴミが落ちています。
 それをしっかりとお掃除することも、ウサミンロボの大切なお仕事です。


 ウサ

 箒とちりとりを持って出発です。

 と、そこでウサミンロボは止まります。そして、箒をしげしげと見つめます。
 箒はどう見ても古くなっていました。今にも折れてしまいそうです。
 掃除用具入れの中には、新しい箒はもうありません。

 ウサウサ

 新しい箒が必要です。

「そんなところで立ち止まってどうしたにゃ?」


「……箒がホロボロにゃ」

「事務所の備品は、ちひろさんかPチャンに買ってもらうにゃあ」

 ウサ

 前川みくに教えてもらったとおり、ウサミンロボは事務所へ戻ります。
 事務所には、千川ちひろとモバPがいるはずです。

 ほら、声が聞こえてきました。

「Pさん! 今ならエナドリとスタドリがセットでこのお値段ですよ! お買い得ですよ!」

「す、すいません、ちひろさん、ちょっと今月ピンチで!」


「Pさん、ドリンク代くらいは……あ、ちょっと、逃げないでくださいよ!」

 なんと、モバPは今月ピンチだと言っています。
 しかも、千川ちひろも必死でお金を稼ごうとしています。

 これはきっと、二人ともお金がないのです。
 これでは箒なんてお願いできません。

 ウサミンロボは、古い箒のまま、掃除へ向かうことにしました。

 事務所の周りには割とゴミが多いです。
 箒とちりとりで綺麗にお掃除です。
 汚れが酷いときは、バケツとモップを持ってきます。


 時々、アイドルをつけねらう悪質なストーカーもいます。

「あれもゴミだから、捨てていいですよ」

 千川ちひろはそう教えてくれました。
 ウサミンロボは頑張ります。だけど、箒とちりとり、バケツとモップではどうしようもありません。

 そんなときは先端にソフトボールを取り付けたウサミン竹槍でストーカーを突きます。
 ソフトボールをつけている理由は、尖らせた竹槍は危ないからです。
 竹槍で突いても帰らないときは、ウサミンロボが複数出撃します。

 これまでの最大出撃数は二十機です。


 二十機のウサミンロボに囲まれて、殴られたり突かれたりしたストーカーは、泣いてしまいました。
 因みに、いつの間にか混ざっていた片桐早苗と高峯のあも、一緒にストーカーを突いてました。

 しばらくすると、小関麗奈も加わりました。小関麗奈は素足でストーカーを蹴っ飛ばしてました。
 ストーカーは「ありがとうございます! ありがとうございます!!」と叫んでいました。
 そして、向井拓海と諸星きらりがウサミン竹槍を手にして現れたところで逃げていきました。

 よくわからないけれどお礼を言われたので、ウサミンロボはとても嬉しかったです。

 でも、今日はストーカーはいません。
 ゴミが落ちているだけなので、ウサミンロボは静かにお掃除を始めます。


 にゃあ

 !!

 ウサミンロボの箒を掃く手が止まります。

 にゃあにゃあ

 ……ウサ

 猫の声のような音が聞こえます。

 にゃあ


 ウサミンロボは音のする方向に顔を向けます。

 にゃあ

 猫の声のような音は、猫の声でした。

 にゃあにゃあにゃん

 猫は確実に何かを訴えようとしているようです。
 困りました。ウサミンロボは猫の言葉がわかりません。

 しかし、ウサミン科学の粋であるウサミンロボは思いつきました。

 猫に手を伸ばすと、猫は素直にウサミンロボの手に登り始めます。
 そのまま猫を抱きしめると、ウサミンロボは再び事務所の中へと戻っていきました。


「どうしたにゃ?」

 そこには、前川みくがいます。

 ウサミンロボは、猫を前川みくに差し出しました。

 にゃあ

「え? 猫チャン? ロボチャン、この猫チャンどうしたにゃ?」

 にゃあ

「にゃあ、と言われても困るにゃ」

 ……?


「ロボチャン? みくは猫チャンの言葉解らないにゃ」

 !!

「なに驚いているにゃ」

 ウサミンロボは困りました。
 前川みくなら猫の言葉がわかると信じていたからです。根拠はないけれど。

 だけど、前川みくには猫の言葉がわからないのです。
 とんだ役立たずです。
 しかも魚が嫌いなのです。
 猫の風上にも置けません。

 
 にゃあ

 猫は前川みくを見つめます。
 純な瞳を真っ直ぐ投げています。

「みくには何を言っているかわからないにゃあ」

 にゃあ

 くるりと首を回して、猫はウサミンロボを見ました。

 にゃあにゃあ

 そんなことを言われても、ウサミンロボには猫の言葉はわかりません。
 ウサミン星のウサミン猫の言葉なら解ります。けれども、地球猫の言葉はわかりません。


「ん?」

 困っていると、前川みくが首を傾げます。

「そう言えばこの猫チャン、どこかで見たような……」

 前川みくが考えています。
 深く考えています。

「あ、思い出したにゃ」

「拓海さんが捜してた猫チャンにゃ」

 向井拓海が猫を捜していたということでした。
 つまり、この猫は向井拓海の飼い猫?


 ウサ
 きゅらきゅきゅきゅ

「あ、ロボチャン、何処行くにゃ」

 勿論、猫を向井拓海の所へ連れて行くのです。
 さて、向井拓海はどこでしょう。
 ロボは調べます。

 メカニックスイッチオン、センサーライト

 ウサウサ

 どうやら向井拓海は、女子寮の大部屋にいるようです


 キャタピラGO
 きゅらきゅらきゅら

 大部屋は、皆が集まることができるように作ってある部屋で、ここでは皆がお喋りをしたりゲームをしたりしています。
 今日は、向井拓海が一枚の大きなポスターのようなものを掲げて立っていました。
 ポスターに大きく写っているのは、ウサミンロボが抱いている猫にそっくりです。

「というわけで、この子を見つけたらすぐに連絡してくれ。見つけてくれたら礼はする」

 ウサウサ

「ん? ロボじゃねえか……、あ!」

 にゃあ

「見つけてくれたのか、ロボ!」
 
 ウサ


「ありがとうな……よしよし、お前、心配したんだぞ」

 良かった、とウサミンロボは心から思いました。

 そして、お掃除に戻ろうとすると……

「おい、ちょっと待てよ、ウサミンロボ」

 ウサ?

「見つけてくれたら礼はするって約束したんだ。何でも言ってくれ」

 御礼、と言われてもウサミンロボは困ります。

 向井拓海が喜んでくれたら、ウサミンロボもとても嬉しいからです。

 
「何かないのか? 高級オイルとか? どら焼きとか?」

 どこのタヌキロボだ、とウサミンロボは思いました。

「出来ることなら何でもいいぞ」

 そう言われても……

 そのとき、ウサミンロボはいいことを思いつきました。


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 ウサミンロボは、今日もお掃除当番です。

「ロボチャン、おはようにゃ」

 ウサウサ

 前川みくにご挨拶。

「お? ロボチャン、箒が新しくなってるにゃ」

「柄になんか書いてあるにゃあ」

 【贈・向井拓海】

「……にゃんですと?」


 以上お粗末様でした

 猫を抱っこしたウサミンロボが書きたかった
 満足した




 みんなもウサミンロボSSを書こう(勧誘)



ウサミンロボはどうやって箒が欲しいことを伝えたんだろう?

>>25
古い箒を見せれば、たくみんはわかってくれると思う




と脳内補完しておいてくれい     すまぬ

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