彼は魔術師。
世界で最も強い者。
彼は幼少の頃はとても弱い存在だった。
それを努力で世界をとった者。
今現在、彼に敵う者はどこにもいないーーー
おおまかな過去編、終了。
魔術師「…暇」
そう一人呟いても誰もいない。
ただ少し虚無感が湧き上がるだけだった。
魔術師「…コンビニいこうかな」
彼は寂しがりやだった。
店員「シャッセー」
魔術師「…」
魔術師(ああ…たとえマニュアルでも人の声が聞けるなんて…幸せ…」
店員「シャッセー」
彼はそう思いながら雑誌コーナーへと足をのばす。
どうせ読みたい本などないのに。
魔術師「…とりあえずジャンプでもよんどくか」
ペラペラとページをめくるが今まで読んだこともない話など到底理解できるはずもなくすぐ棚に戻す。
魔術師「…はあ…」
ため息がこぼれる。
馬鹿ガキ「あーーーっ!!こいつあの魔術師じゃねーの!?」
うるさい。
魔術師「…違うけど?」
馬鹿ガキ「ぜってー間違えないもん!!魔術師だろ!?なあなあ!!
魔術師「…チッ」
なんか魔術師とかだったら味気がないから名前をつけてあげて欲しい。
このレスの下で
阿部さん
>>4
サンクス
このままレスつかなかったらどうしよっかなってちょっとドキドキしてた
阿部「…別人だとおもうよ」ダッ
馬鹿ガキ「あっ!!逃げた!!」
阿部「あ〜あ…これはつんでれってやつなのかな…人が大好きなのに冷たくあしらってしまう…」
彼は世界一強い人間。
しかし漫画のような能力バトルの世界ではない。
世界は平和そのものだ。
外を歩けば敵に見つかり、戦いをしかけられる訳でもなく。
共に共闘して友達になるわけでもなく。
阿部「…もう少し張り合いのある世界に生まれて来ればよかったかな」
ポツリと一人呟く。
もちろんまわりには誰もいない。
誰もいない…
誰もいない?
ここは往来なのに?
阿部「どういうことかな…?」
後ろを振り返っても
前を向き直しても
もう一回後ろを振り返っても
阿部「誰もいない…」
彼は異様な違和感を覚える。
頭がすごく痛い。
阿部「たってられ…ない…」
彼は膝をつく。
小柄な体は軽い音を立てて崩れ落ちた。
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