◆彼女は狂っている◇
それは、トロスト区に『巨人を殺す巨人』が現れる数時間前の出来事である。
ズシィィン
モブ「ひっ…ひぃいい!」
巨人「」ニタァ
モブ「あああ゙あぁああ《ぞぶり》
モブ「おい!一人やられたぞ!撤退はまだ……」
死骸「」
死骸「」
モブ「…っ、ま、まさか俺しか…!」
巨人「」ズシィィン
モブ「ぁ…あああ!いやだ!死にたくない!死にたくないぃ!」
「ブッダエイメン!」
ドガガガガガガガ
巨人「―」グラッ
ズゥゥウン…
モブ「……へ?」
モブ「な、なんだ…?巨人が蜂の巣に」
クリスタ「……」
モブ「…?あ、あんたがこれを」
クリスタ「神々の使者、ヤクザクリスタ見参」
モブ「や、ヤクザ…?」
巨人の死骸「」シュウゥゥ
クリスタ「キョジンはボーを振り下ろし、ナイル川の水は血に変わった。人々は水を飲めなくなり、川の魚は死に絶えた」スタスタ
モブ「お、おい!」
クリスタ「……」スッ
モブ(な、なんだあのアンプル?)
クリスタ「……」パシャパシャ
モブ(巨人の残骸に…かけた?)
シュッ ボォオォオオ!
モブ「もっ、燃…!」
クリスタ「私の小便とスピリタスを秘密の割合で配合した聖水だ。これを使うことでキョジンを浄化することが出来る」
モブ(な、なんだ。何を言ってるんだコイツは)
モブ(大体恰好からおかしい!なんで背広姿なんだ?あの仮面はなんだ?両手の銃は?)
クリスタ「さて」
モブ「ひっ!」
クリスタ「私はお前を助けたぞ。謝礼のドネートを寄越すがいい」
モブ「はっ?えっ、いや何を」
クリスタ「ザッケンナコラー!」ブォン
モブ「ぶふぉっ!」ズベシャ
クリスタ「スッゾオラー!ワドルナッケングラー!」ゴッガッバキッ
モブ「おぶっお゛っあががっ!」
モブ(し、死ぬ!殺される!)
クリスタ「…」ピタッ
モブ「ひっ、!?」
クリスタ「すまんな、本当にすまん。贖罪の聖戦には軍資金が必要なのだ……」
モブ「あっ、はぁっ!ひぃぃ…」
クリスタ「どうした?キョジンの恐怖にやられたのか?」
モブ「いや、あの…はい」
モブ(下手なこと言ったら殺される!)
クリスタ「では蒸かし芋を額に当て、パンを口にくわえるのだ。キョジンの悪夢が浄化される」
モブ「あ、ぁああ…」コクコク
クリスタ「今回はドネートを見送ってやる。キョジンに襲われたら呼ぶがいい。だがドネートを寄越さぬ場合、お前をクリスタの国に連れて行く」
モブ「はっはい。ごめんなさい」
バシュッ シュルル…
モブ「……」
バシュッ!バシュッ!
モブ(救援……か?二人…ヤクザ…怖い…)
ユミル「おいそこの、大丈夫かぁ?」スタッ
クリスタ「怪我はない!?」スタッ
モブ「あぁ…狂人が…!ドネートを払わないと、クリスタの国に連れていかれる!」
ユミル「はぁ?」
クリスタ「私?」
モブ「ヤクザ…ヤクザナンデ……。ウフッ、ウフッ!ウフフーッ!」
ユミル「……駄目だ、おかしくなってやがる」
クリスタ「そんな……」
ユミル(……ヤクザって、なんだ?)
さらに数時間後
ユミル「……ちっ」
ユミル(クリスタを置いて一人飛び出してみたものの、超大型巨人たちの姿は無しか)
ユミル(あいつら、きっと『私と同じ』だ。ただなんでこの混乱に乗じて攻めてこない?)
巨人「」ズシィィン
ユミル「チッ!巨人か!」
「ブッダエイメン!」
ユミル「!?」
ズガッ!ズガガガ!
ユミル「……!」
クリスタ「贖罪の聖戦士、ヤクザクリスタ見参」
ユミル(……こいつか!?)
巨人「」グラァ
ユミル(まだ仕留め切れてない!)
クリスタ「……」ドガガガガ、ドガガガガガガガ、ドガガガガガガガ
ユミル(……容赦ねえ)
ズゥウウン…
クリスタ「あの男がバイオヒツジに命じて『来たれ』と言うと、第一の門が開きゼツボウ・キョジンが現れて……」バシャバシャ
クリスタ「すまんな、本当にすまん。私がお前を解き放ってしまったのだ……」シュッ ボォオォオオ…
ユミル「おい」
クリスタ「……」
ユミル「テメー、何者だ。クリスタの名前騙って何をする気だ」
クリスタ「贖罪だ」
ユミル「はぁ?」
クリスタ「あの日あの時私がキョジンを解き放ったのだ。だから私が……」
ユミル「話が見えねーよ」
クリスタ「ドネートだ」
ユミル「は?」
クリスタ「贖罪の聖戦には積極的ドネートが必要だ。払えぬなら……」ガシッ
ユミル「はっ?お前なに触っ……」
クリスタ「クリスタの国に連れて行く!」バシュッ
ユミル「ぅおおおおおっ!?」
ヤクザクリスタの車内
ユミル「……」
ユミル(なんだ、ここ。なんだこの貼り紙!?)
『鎧の巨人』
『座標』
『シガンシナの地下室』
『幻の巨人』
『皆死んだ』
『守る』
『自由の翼』
『ミッドガル』
『するとの炎の剣』
『らぐなろく』
『沼の狼』
ユミル(……さっぱり意味が分からん)
だめだ眠い。おやすみ。
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