ギンガナム「遠足に行きましょうだとぉッ!?」 (57)

ディアナ「そろそろ入園式から日が経ちますし、いい時期かと」

ギンガナム「そうしたいのはやまやまなのだがな、理事長」

ディアナ「なんです?」

ギンガナム「園長としての出張がキツキツで、しばらくは引率に出られんのだ。1か月は無理だろう…」

ディアナ「そうですか…」

ギンガナム「………、………」ソワソワ

ディアナ「……」

ギンガナム「……………」ソワソワソワソワ

ディアナ「行きたいんですね」

ギンガナム「だが園長という責任ある立場にある以上、執務を放り出すわけにはいかん…」

ディアナ「…再生しますね」スッ

ギンガナム「ICレコーダー?」ピッ

ディアナ『みんな、幼稚園楽しい?どこにも遊びに行けなくても平気?』

園児『みんなと遊びにいきたい!でもえんちょうせんせい、いそがしそうなの』

園児『えんちょうせんせいね、このまえかたぐるましてくれたの!』

園児『えんちょうせんせいがいっしょじゃなきゃいやー!』



ギンガナム「園児の楽しみを邪魔立てするものは許さあああああん!!!!」

ギンガナム「出張全件3日で終わらせてくれるッッッ!!!」

あーいつかのロラン幼児化スレの続き?

>>3
そんなもんだ、すごく時間が空いたけど

ディアナ「いや、それはさすがに無理では…ヴェイガン幼稚園の園長との懇親会など、移動に時間が」

ギンガナム「ある人物に頼む。彼なら一瞬で連れて行ってくれるはずだ」

ディアナ「え……あ!?駄目ですよ!あの若者には自分の仕事が」

ギンガナム「彼ならば保護者への連絡も一瞬でできる…」

ギンガナム「許せディアナ姫!子供たちの笑顔のためであるッ!!」ダッ

ディアナ「あ!待ちなさい園長!!!」ダダッ

ガチャ…バタン!

ウィーン

ギンガナム「ゼェ…ハァ…つ…着いたぞ家電量販店イオリアに…」ガクガク

刹那「いらっしゃいま…なんだおまえか」

ギンガナム「…」スッ

刹那「紙袋?いったい何が入って…」ガサゴソ

ギンガナム「報酬は前払いだ」

刹那「…ロボット魂ターンエーVSターンエックス月光蝶限定版!!!ガッ…ガンダム!」

刹那「…要件を言え」キリ


ギンガナム「………というわけだ」

刹那「了解。刹那・F・セイエイ、これよりミッションを開始する」

刹那「00クアンタ起動!クアンタムバースト!意識共有領域拡大!!!」

刹那「さあ、話せ。おまえのところの保育園児・幼稚園児とその保護者、関係者にだけ聞こえるようにしてある」

ギンガナム『コホン。えー、ギンガナム幼稚園・保育園児および保護者の皆様…』

ギンガナム『ギンガナム総合保育幼稚園園長、ギム・ギンガナムであるッッッ!!!』

保護者A「なんだ!?」

園児A「あ?えんちょうせんせいのこえー」

関係者K「こいつ直接脳内に…!?」

ギンガナム「秋の遠足のご連絡です…」

投下遅い場合は前の奴でも読んでてくれ

ギンガナム「甥っ子の面倒を見ろだとぉ!? 」
ギンガナム「姪っ子の面倒を見ろだとぉ!?」
刹那「俺が店長だ...」

あとはなんかあったかな あった気がする




ギンガナム『…というわけです。よろしくお願いします。こちらはギンガナム幼稚園、広報です』

ギンガナム『ピンポンパンポーンッッッ!!』

刹那「あとは出張の件だな。すぐに行くぞ、まずは木星のヴェイガン幼稚園付近だな?」

ギンガナム「ああ。よろしくたの…」

ウィーン

ディアナ「ゼェゼェ…え、園長!あなた!」

ギンガナム「り、理事長!ここまで追ってきたのか!」

バタン

マリナ「刹那?何して………って御大将にディアナ姫まで…あなたまさかまた!?」

刹那「マ、マリナ。すまない、子供たちのためなんだ」

マリナ「また店番抜ける気!?」ダッ

ディアナ「逃がしませんよ園長!」ダッ

ギンガナム「我らの邪魔立てをする者は許さアアアァァァアんッ!!」

刹那「量子ワープ!!!」フッ





ギンガナム「というわけで1か月分のスケジュールをすごく前倒しして3日で終わらせたぞ」

ディアナ「あなた人間ですか本当に」

ギンガナム「うむ。メタル小僧の助力無には不可能だっただろうがな」

ディアナ「彼、しばらく掃除洗濯炊事の家事全部やることになったって泣いてましたよ」

ギンガナム「一応マリナ姫にスイーツ引換券を渡したら、お風呂洗いは除外されたらしい」

ディアナ「まるで主婦ですね…」

ギンガナム「とにかくこれで遠足に行くことができるぞ」

ディアナ「第1段階クリアですわね」

ギンガナム「調子は良好………執務に追われて園児の楽しみを奪う小生ではなぁいッッ!!」

ギンガナム「さて、あの3人を呼ぶとするか」

ディアナ「用務員3連生ですね」

シャア「お呼びでありましょうか園長」ソワソワ

グエン「閣下、たくさんの男の子達と行く遠足も明後日ですね」ソワソワ

グラハム「私は我慢弱い…」ソワソワ

ギンガナム「それについてだが、貴様らには当日この幼稚園に残ってもらう」

グラハム「なんとッ!?」

ディアナ「留守番して大掃除をしていただきたいのです。引率は足りていますので…」

シャア「エゴだよそれはッ!!」

グエン「掃除はキャスバルの方が似合うだろう!?」

シャア「本名で呼ぶな、馴れ馴れしいぞグエン卿!!」

グラハム「私は我慢弱い…!」クワッ

ギンガナム「だが!清潔さを保つために、用務員は清掃を続けなければならんのだッッッ!!」

シャア「我々をいじめないで頂きたい!」

ディアナ「いや、これも仕事ではあるのですが…ならば、こうしましょう」

シャア「なに!?明日中に保育所・幼稚園の清掃を終わらせれば連れて行ってやるだと!?」

ディアナ「そうです」

グエン「お言葉ですが、このマンモス園…通常の幼稚園や保育園とは比べ物にならない大きさです」

グエン「建物もビル並…それを1日で清掃しきるなど」

グラハム「敢えて言わせてもらおう!不可能であると」

ディアナ「閣下…園長は1か月分の執務を3日で終わらせました。園児達のために」

シャア・グエン・グラハム「!!」

ギンガナム「したいことを前に、するべきことを不可能などと言うのはな」

ギンガナム「ダメな大人が甘ったれて言う台詞なんだよ」

ディアナ「たしかに、すべてを清掃するのは難しいかもしれません。が、可能性はあります。どうしますか?」

シャア「チャンスは最大限に生かす、それが私の主義だ!」

グエン「目には目、歯には歯、与えられた機会には努力で応えたい!」

ギンガナム「普通にやっていたら間に合わんぞ?できるか?」

グラハム「そんな道理、私の無理でこじあける!」

投下速度遅いか?

カキカキカキ…ピタ

ギンガナム「ふぅ…さて、あの3人はどうなっているか」

ディアナ「順調のようですよ」ガチャ

ギンガナム「理事長…」

ディアナ「3人それぞれが得意分野を生かし、驚異的な速度で清掃をしています」

ギンガナム「ほう」

ディアナ「まずはグラハム・エーカー上級用務員」

ディアナ「屋上から垂らした命綱を腰に繋ぎ、ターザンのように揺れて…」

グラハム『グラハム・スペシャル!!!!!』キュキュキュキュキュ ツルピカーン

ディアナ「すでに建物の外壁・外窓の拭き掃除を終えました」

ギンガナム「」

ディアナ「続いてシャア・アズナブル特務用務員」

ディアナ「最新鋭のサイコミュほうきとサイコミュはたきで…」

シャア『いけ!竹ぼうき!……』キュピーン

シャア『…見えるぞ!私にもゴミが見える!』サササッ パタパタパタッ

シャア『今の私では遠足に行けん…ララァ私を導いてくれ!』キラーン

ディアナ「全フロア同時進行でゴミ掃除をしています、さっきまでで8割がた終わったと言っていました」

ギンガナム「8割ですとッッ!?」

ディアナ「さらにグエン用務卿が緻密なプランを立て、その2人が最も効率的に活動できるよう指示しています」

ギンガナム「なぜいつもやらなかったのだ…」

ディアナ「遠足パワーですね」




ディアナ「いよいよ当日ですね」

ギンガナム「では出発だ。遠足らしくバスで行くことにしたぞ」

ディアナ「円滑に動けるようにオペレーターも待機しています」

ミリアリア「はい!まいどおなじみミリアリア・ハウです!」

クリス「本部交通ナビゲーターはクリスティナ・シエラでお送りします!」

ディアナ「では」

ギンガナム「…ンん」コホン

ギンガナム「出陣の花火をあげるッッッッッ!!!」

ミリアリア『ではまずは道案内の出発から!先導車…発信!どうぞ!』

先導車 アルケー号

サーシェス「ぎっちょん!」

ブロロロ…

ピピッ ザッ

ディアナ『運転手さん、地理に詳しいんですね』

サーシェス「ハハ。その、少年たちを…導く…のは、得意ですから。目的地まで導くのは御手のものですよ」

クリス『今すごく言葉を選ばなかった…?』

1号車 シャンブロ号

ロニ「与えられたことを為す。それが、園長に園児の送迎を頼まれた運転手の…私の役目なんだよッ!!!」

園児「おねーちゃんどーしたのー!?」

ロニ「あーごめんね!気合入れてたの。それじゃはーい、みんなー!シャンブロいくよ!」

園児たち「「はーーーい!!!」

ロニ「いい子だねー!」ニコ

ロニ「…楽しいね」クスリ

ブロロロロ

2号車 ガデラーザ号

デカルト「園児・車両の安全確認…問題ない。ガデラーザ、園児送迎仕様。出発をする!」

園児「このバスかっこいいー!」わいわい

デカルト「車内に…響くんだよォ!!!はしゃいでばかりでェ!!!(嬉)」

デカルト「なんだっ…この感覚はァ…」

ギンガナム『それが父性だ、2号車のパイロット』

デカルト「園児輸送用コンテナはマザーコンテナを含み144機」

デカルト「GN発煙筒は256本搭載で万が一にも安心なんだよっ!」

ミリアリア「発信どーぞ!」

ブロロロロ

すまん来週立て直していいか?さすがに寂しくなってきた

3号車 デンドロビウム号(お花畑のイラスト)

園児「運転手さん、お昼忘れちゃったのー?」

コウ「あはは。いや、買えばいいかなと思って持ってこなかったんだ」

園児「ちょっとわけてあげるー!」

コウ「ニンジンいらないよ」

ザザッ

ギンガナム『園児の好意を知らない愚か者は、地に這いつくばって消えてもらうッッッ!!』

コウ「ウソウソ!にんじん大好き!」

ミリアリア「発信!どうぞ!」

コウ「ウラキ少尉、突貫します!」

ブロロロロ

4号車 ラフレシア号(動物のイラスト)

園児「すごいー椅子も動物の絵が描いてある―!」

園児「ぬいぐるみもあるー!!」




鉄仮面「ふはは、きりんさん可愛かろう」

ブロロロロ

プシュー…ガチャ

ギンガナム「ようやく着いたか。うむ、やはり自然公園だけあって空気が美味い」

ディアナ「まだ暑い日もありますが、だんだん秋らしくなってきましたね」

シャア「我々も来れて良かったな」

グラハム「ああ。乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じられずにはいられない」

グエン「ほんの少しだが紅葉が始まっているな。やはり地球の四季はすばらしい…」

ギンガナム「まったくだな」

テクテク

???「園長先生、園児の整列できました…ッ!?」

シャア「!?そ、その声!?」

ハマーン「シャア!」

シャア「ハマーン!?私の渡された引率者名簿には貴様の名前は…!」チラ

ディアナ「…」フイ

シャア「認めたくないものだな…、自分自身の…若さ故の過ちというものを…」

ハマーン「フ、フン。それより園長、山歩きを始める前に全体のあいさつを…」

ギンガナム「うむ」スタスタ

ギンガナム「素直にならんと伝わらんぞ…?」ポソリ

ハマーン「わかっているのですが…」ポソリ

ギンガナム「…コホン」

ギンガナム「本日は晴天であるッッ!!!」

えんちょーえんせー! ワアアアアア

ギンガナム「外に出ると元気になるなぁ、みんなッ!日光を浴び体を動かすから生きる事を実感できる!」

ギンガナム「今日はッ!怪我の無いようッ!それだけ気を付けることッ!!!わかったかぁぁぁぁッッ!!!」

はーい!!!!

ギンガナム「そうだ………それでいい!子供の本能のおもむくままに遠足を楽しむのだッッ!フハハハハハーッ!」

ソシエ「楽しそうですね御大将」

ディアナ「ソシエ先生。あら?眼の下にクマが」

ソシエ「あはは、楽しみで眠れなくって…」

ディアナ(子供のままですわね…)フフ

クリス「そして山歩きが始まったのです!」スタスタ

ニコル「誰に言ってるんです…?」テクテク

ウルフ「ビデオに吹き込んでいるのさ」

クリス「あ、ニコルくん!ウルフさん」

ニコル「はは…一応教諭なんですけどね」

クリス「一応ね、ビデオ係りを任されてるの。ね?」

絹江「ええ」テクテク

ニコル「事務員さんでしたっけ?」

絹江「兼広報担当よ。朝の会ピアノ担当のニコル先生」ニコ

ウルフ(なんか妙な親近感を感じるな…)

でぃあっか「ぐれいと!かぶとむしげっと!」

いざーく「でぃあっかきさまぁ!みせて!」

アスラン「はいはい仲良くねー」

らくす「あすらんせんせー手をつないでくださいな」フゥフゥ

アスラン「はいはい」キュ

きら「…」ムス

アスラン(ん?きらもらくすと手を繋ぎたいのかな?)

らくす「はいはいせんせいのみぎては…そっち」キュ

きら「♪///」

アスラン(俺と繋ぎたかったのか…かわいいなぁ///)

トテテテテ

へんけん「ま、まてかみーゆ」ゼェゼェ

じぇりど「なんでかみーゆはげんきなんだよ!?」ハァハァ

ピタッ

かみーゆ「あそびであるいてんじゃないんだよっ!!!」クワッ

えま「ま、まってかみーゆ…」ハァハァ

かみーゆ「うん」

じぇりど「なんでそんなにたいどちがうのっ!」

シロッコ(遠足が遊びかそうじゃないかは難しいな)ウーン

ブライト「いや止めろよ!先生がなにやってんの!」

トロワ「…」

かとる「ああ!ちょうが!もりのこころはかれだったんですね!」キラキラ

トロワ(俺は何も聞いていない…)フルフル

ごちん

トロワ(ああ!?ひいろが転んだ!?)

ひいろ「しぬほどいたいぞ!しぬほどいたいぞ!」ビエエン

ぜくす「ばかはころぶ」

トロワ「そういうこと言わない!」サスサス

りりーな「ひいろ!はやくちりょうにいらっしゃーい!」

かとる「こわいんだね?ころぶのが…だったら…あるかなければいいんだよ!」クワッ

トレーズ「だがそれが果たしてエレガントな答えだと言えるかい?かとる」

ごひ「きさまがせいぎか!?」グイグイ

トロワ(収集つかねえ)

くえす「おちろ!おちろ!おちろー!!!」ケリッケリッ

アムロ(栗を落とそうとしているのか?)

くえす「おちない…」シュン

はさうぇい「…はい」

くえす「くれるの?」

はさうぇい「うん」

くえす「ありがとう!」パァァァァ

アムロ「平和だなあ」

シャア「何が平和なものか」ヌゥ

アムロ「!?」

アムロ「シャア!?」

シャア「しーっ」

アムロ「おまえ用務員だろう!?なんでここにいるんだ!?」ボソボソ

シャア「ハマーンが勤務していることを今日初めて知った…なぜ気づかなかったのだ」

アムロ(普段幼女ばっかり見てるからだよ)

シャア「しかし奴が幼稚園で働いているとはな。まったく何が目的なのか」

アムロ(おまえだよ)

シャア「不純な動機で入ったりしていないだろうな。けしからん」

アムロ「親父にもぶたれたことないけど、殴っていいか?シャア」

ヒュンッ

ましゅまー「ふんッッッ!!!」ベチン

シャア「ぶべっ!?なんだ!?上から何か降ってきた!?」キョロキョロ

アムロ「グッジョブましゅまー」ボソボソ

ましゅまー「こうえいです」テクテク

昼食の時間であるッ!

ワイワイ

まりな「ああ!?せつなのおべんとうにありが!?」

せつな「くちくしてやる…このよから…いっぴきのこらず!!!」クワッ

みれいな「あーでさんのおべんとうにもありさんです!」

てぃえりあ「ばんし!ばんし!」プンスカ

ディアナ「彼らも一生懸命生きているのですよ?」ナデナデ

せつな「おれたちはわかりあえる…」ショボン

てぃえりあ「ぼくはにんげんだ…」プルプル

ディアナ「ふふ。ご褒美にわたしのりんごをあげます」

わーい!

ろっくおん「ほれ」

あれるや「ミルク…?」

ろっくおん「おれのおごりだ!」

はれるや「いやかあちゃんだろ」

デカルト「…!」テクテク

コウ「にんじんいらないよ…」どっちゃり

デカルト「フフ、随分もらったな」スワリ

コウ「にんじん大好きなんて言ったから…」

デカルト「…」キィィィィィン

コウ「!?」

コウ(なんだ…頭の中に…声!?)

デカルト(よく聞いてろ…)

園児A(うんてんしゅさんやさしかった!)

園児B(いっぱいおはなししてくれた!)

園児C(だいすき!にんじんほんとはきらいなのかなぁ…)

コウ「…にんじんもそろそろ食べないとな」モグモグ

デカルト「そうだろ。さて…」

デカルト「俺も食べないとな…ピーマン」どっちゃり

キャーキャー…


ギンガナム「フゥ」

メリーベル「どうしたギム?」ヒョコ

ギンガナム「…園長と呼べ、ここではな」

メリーベル「はいはい。で、どうしたんだい園長先生」

ギンガナム「うむ。いや、なにちょっとな」

メリーベル「?」

ギンガナム「小生は…きちんと園長としての務めを果たしているんだろうか?」

メリーベル「は?」

ギンガナム「子煩悩に目覚めて以来、小生は育児の演習を繰り返し…」

ギンガナム「やがて父性本能に目覚め、保育・幼稚園を設立し園長となった」

ギンガナム「だが、本当に育児機関の長として相応しいのだろうか」

ギンガナム「仕事はこなしながらも、不安でたまらないのだ」

ギンガナム「こんなにたくさんの子供を預かり、育て守る資格があるのか…わからなくなるのだ」

メリーベル「あんたも人並みに悩むんだねえ…」

ディアナ「それだけ重圧のある仕事なのですよ、園長は」スッ

メリーベル「理事長」

ディアナ「立場としては私が上ですが、私はいわゆる経営者」

ディアナ「実際に子供を預かり育てる権限は園長先生に委任していますから」

メリーベル「そうなのか」

ギンガナム「…」

メリーベル「でもさあ、そんなに難しく考えることもないと思うよ。あっち見て」

ギンガナム「?」ジィ

メリーベル「おーいみんな!」

園児たち『はーーーーーい!』

メリーベル「園長の先生好きか―!?」

園児たち『だいすきーーーー!!!!』トテテテテテ

ギンガナム「!!?」

ワラワラワラ

園児E「仕事がんばって連れてきてくれてありがと!」ギュウ

園児F「先生たち言ってたよ!園長先生じゃなくちゃ遠足これなかったって!」

園児G「ありがとうえんちょうせんせ!!」ダキ

園児J「がんだむうるよー!」ペチペチ

メリーベル「な?責任どうこう悩むより、笑顔ひとつ見たほうがわかるんじゃないか?」

ディアナ「ええ。この子たちの笑顔がなによりの答えですわね」フフ

ギンガナム「…」フルフル

園児L「えんちょうせんせい!?」

園児R「どうしたのー、ないてるの?」ナデナデ

ギンガナム「この園児たちすごいよ…さすが先生たちの教え子ちゃん…」グス

ギンガナム「なるほど…園長先生とはこういうものか…」フ

園児H「そうじのおじさんもありがと!いつもきれい!」

グエン「…これは」

園児W「おそうじすごかったね!かっこよかった!」

シャア「…やはり新しい時代を作るのは老人ではない」

園児O「これからも、きれいにしてね!」

グラハム「…私の心に火が点いた」



ハマーン(私の心にもとっくに火が点いているぞ、シャア!)ハァハァ





ディアナ「楽しい遠足でした」



ディアナ「御大将もこれでより仕事に身が入るでしょう」

ディアナ「…身を固めても欲しいのですけどね、ウフフ」



マリーダ「で、あれから数日なのだが…」

ディアナ「あら、秘書のマリーダさん」

マリーダ「あの日ハマーンさ…先生とシャア用務大佐の帰りが遅かったのはなぜですか?」

ディアナ「あら?うふふ、なんででしょうね?」クス

ディアナ「え!?もう次の遠足の予定を立ててるんですか!?」

ギンガナム「遠足に行きすぎなどというものはないよ」

ディアナ「あります!」

ギンガナム「!?」

ディアナ「遠足は春と秋の過ごしやすい季節に1回ずつ。これは多くの幼稚園の方針です」

ギンガナム「ま、マニュアル通りにやっていますというのは阿呆の言う事だ!」

ディアナ「マニュアルは目安です」

ギンガナム「園長の誇りをくれたのがディアナなら、奪うのもディアナなのかッッ!?」

ディアナ「そうです」

ディアナ「あ、今度お見合いを用意しておきましたから、そっちもチェックしておいてくださいね」

ディアナ「保護者会の挨拶も原稿を作成しておいてください」

ディアナ「仕事は山積みですよ、がんばってくださいね」ニコ ガチャ バタン

ギンガナム「オノォォォレェェェェェエッッッ!!!」

ギンガナム「…挨拶の練習をしよう。ほ、ほんじつは、おいそが、おいそがしいなか…」

ギンガナム「ううむ、どうも親御さんの前だと緊張してしまうな…」

ギンガナム「小生になあ、保護者の前であいさつなど…できるわきゃねぇだろおおおおおおッ!!!!」

メリーベル「話は聞いたよッ!」バン

ギンガナム「!?」

メリーベル「やい!入園式の挨拶といい、格好つけてばかりで保護者の前で話すのが苦手なギムギンガナム!」

メリーベル「アタシが練習相手になってあげるよッッッ!!!」

ギンガナム「メリーベルッッ!今年も彼氏ができないと喚くお前を夏祭りに連れて行って…」
ギンガナム「そして一緒に金魚を掬ってやったのに…よくもほざいたなぁッッ!!!」

ギンガナム「えー、本日はお集まりいただきありがとうございます。先日の遠足につきましては…」

メリーベル「なんだい、できるんじゃないかいギム!アッハハハハハハハハハハハハ!!!」

ギンガナム「我が世の春が来たァァァァッッッ!!!フハハハハハ―ッッッッ!!!!!」

メリーベル「じゃあもう一回!忘れないうちに感覚を覚えるんだ!」

ギンガナム「うむッ!………ほ、ほんじちゅ…」

メリーベル「なんでだよッ!」

おしまい

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月07日 (木) 00:40:26   ID: 0197yfRE

なにこれ楽しいwwww

2 :  SS好きの774さん   2016年04月14日 (木) 12:08:48   ID: iYy9c2SS

グエン用務卿で大草原

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