オルオ「何で俺が訓練兵なんかに」 (15)

教官「貴様、名は何だ!」

オルオ「はっ、ウォール○○△△区出身。オルオ・ボザドです」

教官「何だ、その間の抜けた返事は何だ!! もう一度!」

オルオ「ちっ、ウォール○○△△区出身! オルオ・ボザドです!」

教官「よし、何をするためにここに来た?」

オルオ「そんなもん、親から言われたからに決まってんだろ!」

教官「そうか、どうせすぐに開拓地送りになるだろうが精々励め」

オルオ「ちっ」



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オルオ「まったく最低だ。こんなめんどくせえところに入れられて三年間もこきつかわれなきゃいけないんだ」

オルオ「どうせ、駐屯兵団なんだ。適当にやっときゃいいだろ」

???「おい、そこのバカ面」

オルオ「ああん!」

オルオ「誰だよ。てめえ」

???「俺はイアン・ディートリッヒ。教官に対してあの態度だと良くないぞ。もっと頭を使えよ」トントン

オルオ「何が言いたい?」

イアン「君がここに来たくなかったのは分かる。でも、それを教官にぶつけちゃダメだ。訓練にぶつけて上手いようにことを運ぶのさ」

オルオ「ふん、てめえは勝手にやってろ。俺は俺のやり方でやる」

イアン「お、おい。全く、変わった奴だな」

訓練初日

団長「これより第97期訓練兵団の訓練を開始する」

オルオ「(はじまりがったか。どうせ走るとかの基礎からだろうがな)」

団長「まず行ってもらうのは立体起動装置の適性検査だ。これができなかった者は問答無用で開拓地へ行ってもらう」

オルオ「はぁ!?」

団長「ん? 誰だ?」

オルオ「(し、しまった。だがいくら何でも立体起動の素質がないだけでクビってのは厳しすぎるぜ)」

団長「まあいい。それでは各班に分かれ、適性検査を行え」

オルオ「(まぁ俺にできないことなどないがな)」

オルオ「まぁこんなもんだな」ビシッ

モブ男「お前すごいな!」

オルオ「(ふん、どうだ。イアン!)」チラ

イアン「……」ビタッ

オルオ「(ちっ、つまらねえ)」

モブ男「じゃあ、下げるぞ」

オルオ「おうよ」

オルオ「とりあえず、これができりゃ開拓地行きはねえ。頑張れよ」

モブ男「うん、じゃあ上げてくれ」

オルオ「……」ギコギコ

モブ男「お、あ、ふぅ」

オルオ「いいじゃあねえか」

モブ男「お前に負けちゃいられないよ」

オルオ「そういや、名前は?」

モブ男「俺はモブリット。よろしく」

オルオ「オルオ・ボザドだ。別に何になりたいとかはねえけど開拓地には行きたくねえから頑張ろうぜ」

モブリット「うん、一緒に頑張ろう」

教官「ではこれで今日の訓練は終了とする」

オルオ「(適性検査ができなかった奴も結構いるみてえだな。そいつらはあれに乗って開拓地行きか)」

イアン「お前は適性検査は通ったのか」

オルオ「あったりまえよ! 俺は絶対に開拓地になんか行かねえ!」

イアン「お前、まさか開拓地へ行きたいだけなのか?」

オルオ「あたりめえじゃねえかぁ。他に何かあんのかよ?」

イアン「上位十人は憲兵団に行く権利を得ることができる。俺は入るつもりはないが」

オルオ「憲兵団ねえ。俺はあいつら嫌いなんだよ。自分のことばっかりで他の奴なんてどうでもいいとか考えててそうでよ」

イアン「俺もだ。兵士ならばいざと言う時に戦えてこそ兵士というもの。俺は巨人が攻めて来た時のために駐屯兵団に入るつもりだ」

オルオ「巨人が攻めてくる? んなことねえよ。壁がある限りな」

イアン「壁が壊れたら?」

オルオ「そんなことはありえねえだろ。巨人がいくらデカかろうとあの壁がどうにかなるとは思えん」

イアン「まあいい。だが、俺はなんと言われようと駐屯兵団に入る」

オルオ「ふっ、せいぜい頑張れよ」

オルオ「で、何だ、これは」

モブリット「スープ……でしょ」

オルオ「……」パク

オルオ「お湯に近い」

オルオ「いや、これはお湯だ」

モブリット「……これはお湯だね」パク

オルオ「はぁ、こんな生活が三年間も続くのかよ」

モブリット「しょうがないよ。僕たちだって兵士なんだし」

オルオ「はぁ」パク

オルオ「……まずっ」

モブリット「ねえオルオ。向こうが騒がしいけどどうしたんだろう」

エルド「てめえ! 何か文句あんのか!」

グンタ「ああ、あるね。お前のような腰抜けはこの訓練兵団には必要ない!」

オルオ「誰だ、あいつら」

モブリット「エルドとグンタだよ。二人とも期待されてる人物だ」

オルオ「ほぉー」

オルオ「で、何でケンカしてんだ?」

モブリット「さあ、二人は同郷らしいから仲はいいと思うんだけど」

エルド「お前な、スープの味が薄いっつっただけでキレてんじゃねえぞ」

グンタ「作ってくれた人に感謝が足りんからそんな文句が出てくるんだ。少しは作ってくれた人に感謝しろ!」

エルド「そんなこと言ったってな、不味いもんは不味いんだよ。それを正直に言って何が悪い」

グンタ「エルド、それは料理と食材への侮辱だ。今すぐに謝れ!」

エルド「なんだと!」

グンタ「謝れと言っている!」

オルオ「しょ、しょうもないな」

モブリット「僕たちが首を突っ込むまでもないみたいだね」

オルオ「もう寝よ」

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